資料B−3 |
HTLV−1抗体検査の在り方について
・ | HTLV−1抗体検査の在り方について |
・ | HTLV−I抗体検査陽性献血者に対する結果通知及び相談事業について(平成11年3月30日付け通知) |
・ | 「生物由来原料基準(平成14年12月18日開催の薬事・食品衛生審議会生物由来製剤臨時部会で示された案;未定稿)」に対する意見(平成15年1月8日)(抄) |
・ | 生物由来原料基準(平成15年告示第210号)(抜粋) |
HTLV−1抗体検査の在り方について
I HTLV−1抗体検査の取扱いについて |
・ | HTLV−1(成人T細胞白血病ウイルス)は、まれに成人T細胞白血病を起こすことがあるレトロウイルスであり、輸血による感染のおそれがあることから、昭和61年9月18日付け薬発第775号「献(供)血血液に対するAIDS及びATL抗体検査の実施について」及び平成11年3月30日付け医薬血第32号「HTLV−I抗体検査陽性献血者に対する結果通知及び相談事業について」(別添1)等により、国内で採血されたすべての血液に対する抗体検査を指導していた。 |
・ | 一方、HTLV−1は、血漿分画製剤の原料血漿による感染の可能性が低く、感染事例の報告もないことから、輸入される原料血漿については、抗体検査を要しないとされていたところ。 |
・ | 現在、国内で採血された血液については、輸血用血液製剤のみならず、血漿分画製剤に用いる場合についても、HTLV−1抗体検査が行なわれている。 |
II 今後の取扱いについて |
・ | 今般の薬事法改正に伴い、薬事法第42条第1項に基づき新たに「生物由来原料基準」(平成15年厚生労働省告示第210号)が制定された。同基準の検討に当たって、日本赤十字社から(別添2)のとおり要望があったことから、薬事・食品衛生審議会生物由来製品臨時部会での議論を踏まえ、国内で採血された血液を血漿分画製剤の原料とする際にはHTLV−1抗体検査を要しない、と生物由来原料基準に規定された(別添3)。 |
・ | 同基準を踏まえ、従来の指導を改正するか否かが安全技術調査会で検討された。 |
III 安全技術調査会の審議結果 |
・ | 安全技術調査会においては、以下の理由により、国内で採血された血液を血漿分画製剤の原料とする場合においても、当面の間、HTLV−1抗体検査を実施するとの結論が出された。
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・ | 安全技術調査会では、今後も原料血漿に係る白血球除去の実施状況やHTLV−1に係る知見を収集しつつ、同ウイルスに係る抗体検査の在り方を検討することとしている。 |
医薬血第32号
平成11年3月30日
[ | 都道府県 政令市 |
] | 衛生主管部(局)長 殿 |
厚生省医薬安全局血液対策課長
現在、日本赤十字社は、献血血液に対するウイルス等の感染症に関してHTLV−Iの抗体検査を実施しており、抗体検査で陽性となった献血血液は使用されていない。しかしながら、これまで抗体検査陽性献血者に対しては検査結果を通知していなかったため、HTLV−I抗体陽性献血者の方に頻回に献血していただいている例もあったことから、HTLV−I抗体陽性血液の使用の可否及び結果通知の是非について平成10年7月に開催された中央薬事審議会血液製剤特別部会において検討したところ、HTLV−I抗体陽性血液は使用しないこと、さらに本人の希望を聞いた上でHTLV−I抗体検査陽性者に対してその結果を通知すべきであるとの結論が得られた。
そこで、平成11年度より、赤十字血液センターから希望者に対して通知を行うとともに、以後の健康管理及び将来に対する精神的負担の軽減のための相談指導事業を医療機関をはじめとして赤十字血液センター、保健所及び精神保健福祉センター等で実施すべく、九州地区から準備作業を進めているところである。
ついては、全国衛生主管衛生部長会議等で説明を行い、九州及び沖縄地区の担当者会議及び研修会を実施してきたところであるが、平成11年度より事業を実施することから、改めて本事業の趣旨をご理解の上、貴管下の関係者に周知徹底するとともに円滑な事業の遂行にご協力願いたい。
平成15年1月8日
「生物由来原料基準(平成14年12月18日開催の薬事・食品衛生審議会 生物由来製品臨時部会で示された案;未定稿)」に対する意見(抄) |
日本赤十字社
(1) | 血漿分画製剤の原材料として用いる血液に「梅毒トレポネーマ」と「HTLV-I」の血清学的検査の記載がない。 国内献血による血漿分画製剤の原材料として用いる血液に「HTLV-I」の血清学的検査を求めるものでないのであれば、平成11年3月30日付医薬血第33号『HTLV-I 抗体陽性献血者に対する結果通知及び相談事業並びに HTLV-I 抗体陽性血液の血漿分画製剤製造への使用禁止について』を廃止していただきたい。 また、同様に、昭和61年9月18日付薬生第105号『献(供)血血液に対するAIDS及びATL抗体検査の実施に伴う血液製剤の取扱いについて』で示されている国内献(供)血血液を原料とする場合にのみ求められている、ATL抗体検査を行い、陰性のもののみを使用する規定について廃止していただきたい。 |
生物由来原料基準(抜粋)
(平成15年厚生労働省告示第210号)
○ 血液製剤総則
I.輸血用血液製剤総則
4 | 輸血用血液製剤の原材料として用いる血液は、採血された血液について、少なくとも梅毒トレポネーマ、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1及びHIV−2)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV−1)の血清学的検査を行わなければならない。これらの試験結果が不適の血液は、生物学的製剤基準医薬品各条で規定するものを除き、輸血用血液製剤の原材料としてはならない。 |
5 | 輸血用血液製剤の原材料として採取された個々の血液若しくはそれらの一部を混合したものについて、少なくともB型肝炎ウイルスDNA、C型肝炎ウイルスRNA及びヒト免疫不全ウイルスRNAに対する核酸増幅検査を行わなければならない。 B型肝炎ウイルスDNA、C型肝炎ウイルスRNA又はヒト免疫不全ウイルスRNAが検出された血液は、輸血用血液製剤の原材料として用いてはならない。 |
II.血漿分画製剤総則
4 | 血漿分画製剤の原材料として用いる血液は、少なくともB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1及びHIV−2)の血清学的検査を行わなければならない。これらの試験結果が不適の血液は、生物学的製剤基準医薬品各条で規定するものを除き、原材料としてはならない。 | ||
5 | 血漿分画製剤の原血漿は、次に定めるものとする。
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