戻る

参考資料2

児母衛第21号
昭和59年7月10日

〔改正経過〕
 第1次改正 昭和63年4月12日 児母衛第15号
 第2次改正 平成5年6月21日 児母衛第22号
 第3次改正 平成11年6月9日 児母第43号
 第4次改正 平成12年4月5日 児母第28号

都道府県

指定都市
母子衛生主管部(局)長 殿

厚生省児童家庭局母子保健課長


神経芽細胞腫検査の実施について

 標記については、昭和59年7月10日児発第573号厚生省児童家庭局長通知「神経芽細胞腫検査の実施について」により実施要綱が示されたところであるが、その実施に当たり留意すべき点は次のとおりであるので、遺漏のないよう配意されたい。

 周知徹底について
(1)  本検査は、小児がんの中で白血病に次いで多い神経芽細胞腫の早期発見及び早期治療の徹底を図るため、マス・スクリーニング検査として実施するものであって、対象とされた乳児がすべて本検査を受けることとなるよう、保護者等関係者に対して、あらゆる機会を通じて本検査の意義と協力の必要性について、周知徹底を図ること。
(2) 市町村及び関係機関への協力依頼
 ア  市町村が実施する母子保健指導事業、母子保健推進員の活動等において本検査の周知徹底を図るとともに、積極的に広報等に取り上げ、地域住民への啓発を十分行うよう市町村の協力を得ること。
 イ  本事業の円滑な実施を図るため、本事業に関係する医療機関はもとより、医療・保健関係者等に対し、医師会、看護協会、助産婦会等を通じて本事業の趣旨の周知徹底を図るとともに、積極的な協力を求めること。

 検査の実施方法等について
(1) 検査機関
 ア  検査機関は、各都道府県、指定都市一か所を原則とするが、検査件数、職員の配置、機械器具の整備等を考慮したときに二か所以上又は県外の検査機関で行うことがより適切、かつ効率的であると考えられる場合は、事前に当職に協議すること。
 イ  検査機関は、保護者等から送付された検体を直ちに検査できるよう必要な機器等が整備され、検体数に応じた衛生検査技師職員等の検査要員の配置が行われているなど、適切な検査体制が整えられているものであること。
(2) 検査の実施
 ア  検体不備等により、再検査を要する検体であったときは、速やかに、検査機関から実施主体に対して再採尿の依頼を行わせるものとし、実施主体は、保護者にこの事情を連絡の上、再度検査用具等を配布するものとすること。
 イ  検査は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法又はELISA法により行うものとする。
 ウ  保護者等に対する検査結果の通知については、返信用ハガキを同封する等、適切な方法の選択に配慮するものとし、また、異常あるいは異常の疑いがあるケースについては、特に迅速かつ的確に通知されるよう配慮すること。
 エ  実施主体は、検査の結果、異常あるいは異常の疑いのあるケースについては保護者等に対して精密検査を勧奨するとともに、必要に応じて、専門医療機関への紹介を行う等、適切な措置を取り、事後指導等に万全を期するよう配意すること。この場合、神経芽細胞腫の患者(疑いも含む)であると確定された児童については、継続的な治療が行われるよう、予後の把握に努めること。また、児童が住居を変更した場合も対応できるよう、都道府県及び指定都市間の連絡体制に配慮すること。
(3)  報告
 実施主体は、実施要綱の5の(4)のとおり、患者台帳を作成することとされているが、専門医療機関における精密検査の結果、神経芽細胞腫の患者(疑いも含む)であると確定された児童の検査結果及びその他の状況を毎年度とりまとめ、翌年度6月30日までに、別紙様式により報告するものとすること。
 なお、本報告の対象は、平成11年度以降に検査を受けた児童とする。
(4)  神経芽細胞腫検査は、新生児に行っている先天性代謝異常症、副腎過形成症及びクレチン症の検査のように一度の検査のみで将来にわたる疾病発現を確定できる検査ではないこと、また、神経芽細胞腫の量的、質的な違い等により、本検査では神経芽細胞腫の一部は発見できないとされていることについて、保護者等の十分な理解を得るよう努めること。
(5)  本検査は、シロップ薬剤等の摂取により偽陽性反応を示すことがあるので、採尿に当たっては、保護者等に対する事前の指導の徹底を図られたいこと。

 精度管理の実施について
 実施主体は、この検査による患者の発見もれを引き起こした場合は、重大な結果を招く恐れがあるので、次により精度管理を行い、検査機関に対して精度の維持向上を図るよう適切な指導を行うものとすること。
(1) 精度管理の実施機関等
 精度管理の実施は、実施主体が適当と認める精度管理機関(以下「管理機関」という。)に次に掲げる事項を委託して行うこと。
 ア  神経芽細胞腫検査に関する精度の維持向上を図るための精度試験
 イ  必要な技術指導
 ウ  検査用試薬及びスタンダード尿等の品質管理
 エ  その他精度管理上必要なもの
(2) 実施方法
 ア  実施主体は、検査機関における検査の精度管理について管理機関と委託契約を締結すること。
 イ  管理機関は、検査機関に対し、精度管理に必要な相当数の標準検体を定期的に送付すること。
 ウ  検査機関は、送付された標準検体を速やかに検査し、その結果を管理機関に回答すること。
 エ  管理機関は、上記回答についてチェックし、その結果を実施主体に報告するとともに、必要に応じ検査担当者に対し技術指導を行うこと。
 オ  管理機関は、検査用試薬及びスタンダード尿等の品質について適性検査を行い、その結果を検査機関に対し情報提供すること。
 カ  実施主体は、精度管理の結果、当該検査機関に対して検査技術について指導が必要と認められる場合は、速やかに検査技師の研修を行うなど精度の維持向上に努めること


トップへ
戻る