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「健康食品に係る制度のあり方に関する検討会ヒヤリング資料」


団体の名称 全国消費者団体連絡会
代表者 事務局長 神田敏子
団体の概要
目的 消費者の権利の確立とくらしを守り向上をめざすため全国の消費者組織の協力と連絡をはかり、消費者運動を促進することを目的として設立され、消費生活に関連する諸問題や制度及び消費者運動の進め方等について、調査研究、情報の交換を行っています。
組織 会員数42団体


<健康食品に係る制度のあり方に関する意見>

(1) 国民の健康作りにおける「健康食品」の役割をどう位置付けるか。
「医薬品―現行制度に基づく保健機能食品―いわゆる健康食品―一般食品」の体系のあり方

 健康のためには、まず日々の食品からの栄養摂取が基本である。それを推進する事を前提とすべきであり、本来は保健機能食品もいわゆる健康食品も不用のものと思われる。しかし、消費者の要求も多様になり、市場は広がり、たくさんの商品が存在する。安全性や有効性が担保できる商品であれば、それなりの期待は出来るのかもしれない。
 体系のあり方については、医薬品と食品は全く別のものであると考える。医薬品は何らかの疾病がある場合に用いるもので、副作用や有効性とのバランスを勘案し、しかも一部を除いては医師や薬剤師など専門家の指示のもとに用いるものである。一方食品は全ての人に必要であり、自分の選択で食べているものである。同じ体系に入れるべきではない。
 食品としては、有効性が担保できる特定保健用食品、特定の栄養成分が基準通りに含まれる栄養機能食品、そして一般食品とすべきである。一般食品の中に「いわゆる健康食品」といわれるものを含む事は適当でない。「健康食品」というのなら何らかの有効性があるものでなくてはならず、少なくとも栄養機能食品の規格基準はクリアすべきである。一般食品とは区別すべきである。もし一般食品とするなら、優良誤認をさせるような商品アピールをしてはならない。

(2) 「健康食品」の利用・製造・流通の実態は、国民の健康作りに有効に機 能ているか。
「健康食品」の安全性・有用性の確保、消費者に対する適切な情報提供、利用者の期待に応えうる「健康食品」はどうあるべきか。

 有効に機能しているとは思えない。国内に流通する健康食品と称される物の内大半は保健機能食品制度の範疇に入っていないと聞いている。つまり何の基準もないものが健康食品として、たくさん流通していることになる。それらの食品は名称や商品アピールにおいて誤認を与えるものが多く、したがって効能、効果への誤認による期待から過剰摂取や特定のものの繰り返し摂取も考えられる。むしろ栄養のバランスを崩すのではないかとさえ懸念される。
 有用性や安全性については科学的な裏付けがなくてはならない。加えて、例えば第三者機関における証明など客観的な評価も必要である。不当、誇大、優良誤認などの表示、広告は法的に規制されているにもかかわらず、実質野放し状態で、そのことが消費者に与えている影響は大きい。しっかり取り締まるべきだ。健康状態、身体機能は個々人それぞれ異なるわけで、効果についても一律ではないことなど、利用者の立場に立った誠実な情報提供が望まれる。

(3) (1)および(2)を踏まえ、行政、関係業界、消費者の果たすべき役割、制度はどうあるべきか。

 「いわゆる健康食品」といわれる曖昧なものは無くすべきと思うが、そのために現行の保健機能食品の審査基準や規格基準が緩和されることがあってはならない。また、正確な情報提供がなされるよう、公正取引委員会などによるCM、チラシ広告等を含む不当、誇大、優良誤認情報の取り締まりを強化すべきである。関係業界に対しては、消費者の健康への不安に乗じた販売促進も見られるがそれはやめるべきであり、使う立場に立った偽りのない、そして誤認をさせない情報提供を望みたい。消費者は情報を正しく理解する力、必要不必要の判断や選択が出来るような知識を身につける必要がある。

以上。


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