職場における化学物質の使用の安全に関する条約(第百七十号)(抜粋)
第一条 | |
1 | この条約は、化学物質を使用するすべての経済活動の部門について適用する。 |
第六条(分類制度) | |
1 | 権限のある機関又は権限のある機関により許可若しくは承認された団体は、国内基準又は国際基準に従って、健康及び身体に対する特有の有害性の種類及び程度に従いすべての化学物質を分類するための並びに化学物質が有害かどうかを決定するために要求される情報の関連性を評価するための適当な体系及び特定の基準を定める。 |
2 | 二以上の化学物質から構成される混合物の有害性は、それを構成する化学物質の固有の有害性に基づく評価により決定することができる。 |
第七条(ラベル及び標章) | |
1 | すべての化学物質については、物質名を示すために標章を付す。 |
2 | 有害な化学物質については、1の規定に加え、労働者が容易に理解できる方法で、それらの物質の分類、それらの物質の有する有害性及び遵守されるべき安全性の予防措置に関する不可欠な情報を提供するためにラベルを付す。 |
第八条(化学物質の安全に関する情報資料) | |
1 | 有害な化学物質については、物質名、供給者、分類、有害性、安全上の予防措置及び緊急手続に関する詳細なかつ不可欠な情報を含んでいる化学物質の安全に関する情報資料を使用者に提供する。 |
第九条(供給者の責任) | |
1 | 化学物質の供給者(製造業者、輸入業者又は販売業者のいずれかであるかを問わない。)は、次のことを確保する。 |
(a) | 化学物質を、化学物質の特性の知見及び利用可能な情報の調査に基づいて分類することを並びに評価すること。 |
(b) | 物質名を示すために化学物質に標章を付すこと。 |
(c) | 供給する有害な化学物質にラベルを付すこと。 |
(d) | 有害な化学物質については当該化学物質の安全に関する情報資料を準備し及びそれを使用者に提供すること。 |
第十条(確認) | |
1 | 使用者は、職場において使用されるすべての化学物質について、ラベル又は標章を付すこと並びに化学物質の安全に関する情報資料が提供され及びそれぞれの化学物質の安全に関する情報資料を労働者及び労働者の代表者の利用に供することを確保する。 |
2 | ラベル若しくは標章が付されていない化学物質又は化学物質の安全に関する情報資料が提供されていない化学物質を受け取った使用者は、供給者又は他の合理的に利用可能な供給源からの関連のある情報を得るものとし、その情報を得るまでは当該化学物質を使用しない。 |
第十二条(ばく露) | |
使用者は、 |
(a) | 国内基準又は国際基準に従って、労働者が権限のある機関又は権限のある機関により許可若しくは承認された団体により定められたばく露の限界又は作業環境の評価若しくは管理のための他のばく露の基準を超えて化学物質にばく露されないことを確保する。 |
(b) | 労働者の有害な化学物質へのばく露について評価する。 |
(c) | 労働者の安全及び健康を保護するために必要な場合又は権限のある機関が定める場合には労働者の有害な化学物質へのばく露について監視し及び記録する。 |
(b) | 作業環境及び有害な化学物質を使用する労働者へのばく露についての監視に係る記録が権限のある機関が定める期間の間保存されること並びに労働者及びその代表者が当該記録を利用できることを確保する。 |
第十三条(作業管理) | |
1 | 使用者は、職場において化学物質を使用することにより生ずる危険性を評価し、かつ、次のような適当な方法によってこの危険性から労働者を保護する。 |
(a) | 危険性を除去し又は最小にする化学物質の選定 |
(b) | 危険性を除去し又は最小にする技術の選定 |
(c) | 適切な工学上の管理措置の利用 |
(d) | 危険性を除去し又は最小にする作業制度及び慣行の採用 |
(e) | 適切な職業上の衛生措置の採用 |
第十五条(情報及び訓練) | |
使用者は、 |
(a) | 事業場において使用する化学物質のばく露に伴う有害性を労働者に周知する。 |
(b) | ラベル及び化学物質の安全に関する情報資料により提供される情報を入手する方法及びそれらの利用方法について労働者に教示する。 |