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化学物質の分類及び表示に関する世界的調和システム(GHS)の概要


 GHSとは
 平成4年にリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議においてアジェンダ21(今後21世紀に向けて実施すべき環境問題の課題)が採択された。アジェンダ21の第19章が危険有害物の不正な国際取引の防止を含む有害化学物質の適正な管理であり、その6つのプログラムのうちの1つがGHSである。
GHSとは、Global Harmonization System of Classification and Labeling of Chemicalsの略。「化学物質の分類と表示に関する世界的に調和されたシステム」の意味であり、化学物質の安全利用を促すために
(1) 健康、環境及び物理的ハザードに応じて化学物質を分類するための基準
(2) 表示及び安全性データシート(MSDS)に関してのハザード表示項目 を国際的に調和するためのシステムのことである。
 GHSはできるだけ多くの国がこれを採用できるようにするために、2003年7月に国連から強制力を持たない勧告として公表され、2008年までの完全実施(APEC会合では、2006年末までの自主的な実施)が求められる予定である。
 GHSにおいては、化学物質を引火性、発がん性等の約30の危険・有害性について一定の基準に基づきハザードのレベルを定め、そのレベルに応じて表示(マーク)を付すことなどが定められる予定である。

 GHSの目的
(1) 国際的な包括的システムの導入によって人と環境の保護を強化
(2) 既存のシステムを持たない国々への承認された枠組みの提供
(3) 化学物質の試験及び評価に関する必要性の低減
(4) ハザードが適正かつ国際的に評価された化学物質の国際貿易の奨励

 対象となる範囲
 GHSは、原則としては、全ての有害な化学物質に適用される。
 ただし、医薬品、食品添加物、化粧品、あるいは食物の残留農薬は除外されるが、こうした種類の化学物質に労働者がばく露される可能性のある場合等には適用される。
  また、GHSの対象者には、消費者、労働者、輸送担当者等が含まれる。

 表示におけるシンボルの例

表示におけるシンボルの例の図


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