03/04/16 薬事・食品衛生審議会平成15年4月16日(水)医薬品第二部会議事録          薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録 1.日時及び場所   平成15年4月16日(水) 14:00〜   医薬品医療機器審査センター第2会議室 2.出席委員(12名)五十音順  ◎池田 康夫、 上原 至雅、 岡田 義昭、 折笠 秀樹、   神谷  齊、 川嵜 敏祐、 菅谷  忍、 早川 堯夫、   藤上 雅子、○堀内 龍也、 三瀬 勝利、 吉田 茂昭   (注) ◎部会長 ○部会長代理   他 参考人1名   欠席委員(4名)   守殿 貞夫、 木村  哲、 後藤  元、 溝口 昌子 3.行政機関出席者   安倍 道治(審査管理課長)、黒川 達夫(安全対策課長)、   豊島  聰(審査センター長)   姫野 孝雄(審査センター企画調整部長)、   平山 佳伸(審査センター審査第一部長)、   森  和彦(審査センター審査第二部長)、   辻村 信正(審査センター審査第三部長)  他 4.備考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長  大変恐縮でございます。まだ吉田先生が御到着でないようでございますけれども、5 分ほど定刻の時間を過ぎておりますので、ただいまより薬事・食品衛生審議会医薬品第 二部会を開催させていただきます。本日は当部会委員数16名のうち10名の御出席をいた だいております。三瀬先生におかれましては、少し遅れるという御連絡を頂いておりま す。欠席者としてこちらの方にお届けいただいたのは4名でございます。なお、本日は 審議事項の議題1の参考委員として、北里大学薬学部臨床統計部門の竹内正弘先生に御 出席いただいているところでございます。では池田先生、以後の進行をよろしくお願い いたします。 ○池田部会長  それでは本日の審議に入りますけれども、本日は審議事項が2議題、報告事項が1議 題となっております。先ほど来事務局の方からお話がありましたように、議題1に関し ては吉田委員が専門委員として参画しております。大変恐縮ですけれども、吉田委員の 御到着を待って議題に入りたいと思いますので、議題2から始めさせていただきます。 吉田先生、よろしいですか。私の方の不手際で、大変申し訳ございません。それでは議 題どおり進めさせていただきたいと思います。まず議題に入る前に、事務局から配付資 料の確認と資料作成に関与された委員の報告をお願いしたいと思います。よろしくお願 いいたします。               ── 吉田委員着席 ── ○事務局  それでは資料を確認させていただきます。資料1〜3までがあらかじめお送りしたも のでございます。本日の席上配付資料といたしまして、議事次第、座席表、それから当 部会の委員名簿でございます。続きまして資料2-1'の生物学的製剤基準の改正につきま しては、一番上の諮問書の記載にミスがございましたので差し替えさせていただきまし た。この後ろに付いている改正案の内容については全く変更がございませんので、その ようなことでよろしくお願いいたします。続きまして資料2-3の「輸血用血液ラベルレ イアウト案」、資料4の「新キット製剤」の承認のリスト、資料5の「『生物学的製剤 基準改正検討小委員会』の設置について」、資料6の「医薬品第二部会審議品目の薬事 分科会における取扱い及び毒薬・劇薬の指定の要否について(案)」、それから資料7の 「ユーエフティ、ユーエフティE顆粒、ユーゼル錠25mg、ロイコボリン錠25mgに係る専 門委員名簿」をお配りしてございます。ございますでしょうか。  それから平成13年1月23日の薬事分科会申合せに基づく資料作成に関与された委員の 確認でございますけれども、本日の議題については関与委員はおりません。以上でござ います。 ○池田委員  委員の先生方、資料はお手元にありますでしょうか。よろしいですか。それでは予定 どおり議題1から始めたいと思います。議題1、「医薬品ユーエフティ、ユーエフティ E顆粒の製造承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について並びに医薬品 ユーゼル錠25mg、ロイコボリン錠25mgの輸入承認の可否及び再審査期間の指定について 」というちょっと長い議題ですけれども、これについて審査センターから審査概要の説 明をお願いしたいと思います。 ○事務局  それでは議題1、資料1の「医薬品ユーエフティ、ユーエフティE顆粒の製造承認事 項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について並びに医薬品ユーゼル錠25mg、ロ イコボリン錠25mgの輸入承認の可否及び再審査期間の指定について」を審査センターよ り御説明申し上げます。  ユーエフティ、ユーエフティE顆粒の有効成分であるテガフール・ウラシルは、大鵬 薬品工業株式会社により開発され、1983年に胃癌、直腸・結腸癌、胆のう・胆管癌、膵 臓癌、肺癌、乳癌の自覚的・他覚的症状の寛解を効能・効果として承認されており、今 回は結腸・直腸癌に対してロイコボリンとの併用によるホリナート・テガフール・ウラ シル療法を追加する承認申請がなされました。ユーゼル錠25mg、ロイコボリン錠25mgの 有効成分であるホリナートは、既にロイコボリン錠5mgが「葉酸代謝拮抗剤の毒性軽減 」を効能・効果として承認されており、今回は新たに25mg錠がホリナート・テガフール ・ウラシル療法、結腸・直腸癌に対するテガフール・ウラシルの抗腫瘍効果の増強の効 能・効果で承認申請がなされました。  海外において本療法は、米国FDAにおいて2001年に承認不可能との判断がなされた 一方で、2000年に欧州の16か国で、また2002年にドイツにおいて承認を取得しておりま す。  本剤の専門協議では、当日配付資料7に記載のとおり有吉委員、竹内委員、高嶋委 員、松野委員、安原委員、吉田委員の6名が専門委員として指名されました。  規格、安定性、毒性、薬理、吸収、分布、代謝、排泄に関して、提出された資料の内 容は妥当であると判断しております。  臨床試験については、有効性に関して5-FU/ロイコボリン静脈内投与を対照群とし た二つの第III相臨床試験が米国、欧州等で実施されており、生存期間を主要評価項目 とした試験では生存期間の非劣性が示されています。もう一つの病勢進行までの期間を 主要評価項目とした試験では、対照群に対する優越性は検証できなかったものの、病勢 進行までの期間及び生存期間は共に対照群と同程度の結果を示したとされています。国 内では、米国と同時に奏効率を主要評価項目としたブリッジング試験が実施され、米国 と同様の結果が得られています。  審査センターは国内における試験成績から、本剤の抗腫瘍効果は示されているもの の、本申請で提出された二つの第III相試験成績はいずれも海外の成績であることから、 市販後の第III相試験を国内で実施し、国内における有効性、安全性を更に明確化する 必要があること、また添付文書により術後補助療法に関する有効性、安全性は確立され ていないことを注意喚起する必要があると考えております。  安全性に関しては、第III相臨床試験594例において主たる有害事象として下痢が63 %、うちGrade3以上が20%、悪心が59%、うちGrade3以上が9%、総ビリルビン上昇 が36%、うちGrade3以上が15%認められました。対照群である5-FU/ロイコボリン 療法と比較すると、白血球減少、血小板減少、貧血の発現頻度は全体、Grade3以上共 に対照群が有意に高く、また口内炎・粘膜炎、悪心・嘔吐、感染症の発現頻度も対照群 で有意に高く、一方本療法群で発現頻度が高かったのは総ビリルビン上昇のみでした。 また、日本と米国で有害事象のプロファイルに大きな差はなく、忍容性が認められると 判断いたしました。  以上のとおり、審査センターの審査及び専門協議における議論の結果、結腸・直腸癌 に対するホリナート・テガフール・ウラシル療法の有用性は認められると判断し、国内 で適切な市販後臨床試験を行い、有効性、安全性の更なる明確化を行うことを条件に承 認して差し支えないと判断し、医薬品第二部会で審議することが妥当と判断いたしまし た。なお、本申請は新効能・効果及び新用法・用量に該当することから、再審査期間4 年に該当すると判断しております。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。             ── 説明途中、三瀬委員着席 ── ○池田部会長  ありがとうございました。先ほど来お話がありますように、これについては国立がん センターの吉田委員と、それから北里大学の竹内専門委員に参加していただいておりま すけれども、吉田委員から何かコメントはございますでしょうか。 ○吉田委員  今審査センターから説明があったとおりですが、専門協議では幾つか論点がございま す。一つは、安全性は確かに担保できるけれども、有効性に関して評価するものではな いことを明確にしたらいいのではないか、それからブリッジングスタディーで行われた 結果によって申請されたわけですが、それが妥当であるかどうかという論議がありまし た。基本的には承認申請に海外のデータを使ってもいいわけですし、それからUFT/ ロイコボリンが、いわゆる新薬というとらえ方ではなくてリファレンスアームとしてと らえるだろうという解釈で、ブリッジングスタディーを使って早く臨床試験をやって、 リファレンスアームとして今後の一つの基準薬になるという位置付けでいいのではない かという話でありました。それからロイコボリンの量に関してもいろいろ論議がありま したけれども、枝葉末節的だろうということで、この申請量で妥当という判断がござい ました。ざっとそのようなところだと思うのですが、竹内先生、何かありましたらお願 いします。 ○池田部会長  それでは専門委員として参加されたお立場で、特にこの試験の基になった5-FU/ロ イコボリンの併用療法とUFT/ロイコボリン療法との同等性といいますか、そういう ものが議論になったと思うのですけれども、その辺も含めて竹内先生のコメントをお願 いしたいと思います。 ○竹内専門委員  この場合、やはりブリッジング試験で海外のデータを持ってくるということであるか と思うのですけれども、011、012の試験におきましては、ウェルコントロールの無作為 化が行われた試験だと思われます。結果といたしましては、少し海外と違っているとい うことがありますけれども、やはりターゲットされたポピュレーションが少し違ってい たと思いますので、それでもある程度臨床的に意味があると御判断された上で、私はこ の薬の有用性はあると判断いたしました。 ○池田部会長  ありがとうございました。専門委員の先生方の御意見も、専門協議の内容についても 審査センターの方から御説明いただいたわけですけれども、委員の先生方から御質問、 コメントをお願いしたいと思います。堀内委員、どうぞ。 ○堀内部会長代理  今のお話でブリッジングスタディーの件なのですけれども、この5-FU/ロイコボリ ン療法というのは1999年に承認されているわけです。ところが、日本でそれに対してフ ェーズIIIをやらないで外国から持ってきたということに関しては、どのようにお考え になっていますか。何でも少量で形だけのブリッジングスタディーをやればいいとは思 わないのですが、日本で十分にできる時間もあったわけです。フェーズIIIをできたわ けですよね。それをやらなかったということについては、どのようにお考えですか。 ○吉田委員  会社側の意図ということではなくて、専門協議でどういう話になったかということで すか。 ○堀内部会長代理  両方お聞かせいただければ有り難いです。 ○吉田委員  会社がどういう意図でこのスタディーを国内でやらなかったかについて私が推測する には、多分国内でやれるだけの患者数と施設数がないのだと思うのです。大腸癌の領域 というのは、基本的には外科のドクターがほとんど診ておりまして、手術をやれると判 断されるものはすべて手術が優先されます。化学療法は何もできなくなってからやると いうことがありまして、勢い患者さんが外科の先生に多いと。大腸癌の領域では、いわ ゆる腫瘍内科医がリーダーシップをとって第III相試験をやれるような下地が日本には ない。今行われているスケールの大きな大腸癌の第III相試験は、ほとんどすべてが補 助療法であります。外科の先生が中心になってやる補助療法については第III相試験が 可能ですけれども、再発・進行大腸癌のようなものに対して第III相試験をやる素地が 今日本にはないので、ブリッジングスタディーしか方法がなかったのではないかと思い ます。 ○堀内部会長代理  今後の使用についても同じように考えられますか。 ○吉田委員  今後は例えば補助療法をやるにしても、手術後再発例に関して第III相試験ができる ようになった場合でも、恐らくUFT/ロイコボリンが5-FU/ロイコボリンと同じよ うに基準薬として使われていって、現在治験が行われているオキサリプラチンやCPT 11といったものを含む新しい併用療法をこちらの基準薬と比較するという位置付けにな るのではないかと思います。  それからもう一つ厄介なのは、UFT単剤で既に大腸癌の承認が得られておりまし て、このロイコボリンを付けたために単剤で承認されているものの範囲を制限すること が妥当かどうかということも、舌をかむようなことにもなりかねないのではないかとい う指摘がありました。 ○池田部会長  そのほかにいかがでしょうか。今お話のありましたように、UFTが単剤で認められ ている薬剤であることを踏まえて、こういうホリナートとの組合せでの治療法を新たに 申請してきたということですけれども、いかがでしょうか。上原委員、どうぞ。 ○上原委員  今の話ですけれども、UFT単剤で承認されていますが、今回は直接の比較試験はな されていないですね。UFT単剤のデータというのは多分昔承認されたときのものです が、それとの比較について優位性があるという結論になっていると思うのです。それに ついての扱いといいますか、判断はどのように…、よろしいということになったのだと 思いますが、その辺についてどのような議論があったのかをお聞かせください。 ○吉田委員  記憶していないので事務局で分かれば教えてほしいのですけれども、UFTとUFT /ロイコボリンの比較というのはヒストリカルなデータの比較だけで、実際に直接ラン ダマイズドフェーズIIのような形でやられたものはないと思ったのですが、いかがでし たか。 ○池田部会長  審査センターの方からお話をしてもらいたいと思いますけれども、直接はないと思い ます。どうぞ、説明してください。 ○事務局  それでは審査センターの方から御説明させていただきます。UFT単剤とUFT/ロ イコボリンの直接比較をした試験はございません。審査センターといたしましては、申 請者にもこのロイコボリン併用の意義について照会して見解を求めたところでございま す。その中では、ヒストリカルデータとの比較という議論もございました。この中で、 単剤の成績は承認が非常に古いものですから、データとしても古いものになってしまい ますけれども、第II相試験の結果ということで奏効率16.7%と出ております。こういっ たものと比較をして、今回のものは有用性が認められると判断したところでございま す。併せて、薬物動態パラメーターと非臨床試験における検討の成績も提出されており ます。これらの検討の結果から、ロイコボリンの併用効果も示唆されているところでご ざいます。  また一方、5-FUとロイコボリンの療法が対照群でございましたが、これについて は5-FU単剤と5-FU/ロイコボリン併用療法による比較がなされておりまして、ロ イコボリンの併用効果が明らかになっております。こういったことを総合的に勘案しま して、直接の比較試験はないものの、ロイコボリンの併用の意義は認められるものと判 断したところでございます。 ○池田部会長  上原委員、いかがですか。確かに直接には比較がないのです。それで5-FU/ロイコ ボリンが一般的な治療法として、ロイコボリンの併用による増強効果は一応アクセプタ ブルな概念であると。そこから考えて、UFT単独よりはロイコボリンを使っていいで あろうと。ただし、それぞれ直接の比較で優劣を決めたスタディーは余りないのです。 ただ、安全性に関しては明らかに優れているだろうというデータが出されているのです けれども、試験のデザイン…、ブリッジングスタディーですから、症例数も44例と少な いこともあって、その辺の議論になるとは思うのです。議論を続けさせていただきたい と思いますけれども、委員の先生方は何かコメントはございますでしょうか。 ○堀内部会長代理  そうすると、FDAではこれはペンディングといいますか、結局米国では申請を取り 下げているわけですね。ヨーロッパでは承認はされていますけれども、やはり評価がさ れていないというところについての見解をもう少し聞かせていただけませんか。 ○吉田委員  なぜFDAがそのように理由を付けて、端的に言うと事後的、頻度論的対応といいま すか、要するに法律を後から作るような対応でつぶしにかかったのはよく分からないの です。JCOのエディトリアルにも、FDAの対応はおかしいのではないかという疑問 が出されているぐらいで、非常に恣意的な感じがします。FDAが最も嫌がったのはU FTがテガフールとウラシルの合剤ということだけで何でそれほど違うのだということ がどうも分からない。そのモル比の問題も含めて、何となくうさんくさいというように 思ったのではないかというのが私の推論です。逆にヨーロッパでは、UFT/ロイコボ リンに関しては正しく第III相試験の結果から有効性を認めておりまして、アメリカだ けがそういう対応を採っているという状況です。 ○池田部会長  竹内委員、その点についていかがですか。5-FU/ロイコボリンとUFT/ロイコボ リンの比較ということで、ヨーロッパとアメリカで少し解釈が違っているという、その 解釈の仕方だと思うのですけれども、その辺についての議論をもう少し詳しくお願いし ます。 ○竹内専門委員  アメリカの成績を見ていますと、今吉田先生も言われたように私はある程度結果が出 ていると思っています。私は直接かかわったわけではないので自分の推測の域しか出な いのですけれども、吉田先生が今おっしゃったように、多分配合剤の意義をどうするか というところが非常に討議されたことがあったかと思っております。ただし、先ほど御 説明がありましたように、このUFTに関しては既に1983年に日本では承認されている という薬で、ある程度使われているという事情もございますので、その結果を考えます と、私といたしましては日本で承認してもさほど問題ではないのではないかという気は いたします。 ○池田部会長  我が国での臨床上の有用性といいますか、5-FU/ロイコボリンは一般的に今までや られているわけですけれども、こういうものが認可されることになった場合の有用性に ついての議論は、やはり専門委員の間では一致したものであったと考えてよろしいです か。 ○吉田委員  有用性といいますか、要するに経口で行けるということで、通院しないでいいという メリットが非常に大きいのだろうと思います。それだけ患者さんの苦痛がないわけです から、利便性ということで優越性があるのではないかと思います。有効性に関しては同 等か非劣性でしか示されておりませんので。それから安全性は、5-FU/ロイコボリン よりも高いということが分かっております。UFTがこれだけ使われていても安全性に いろいろ問題がありましたけれども、ロイコボリンを入れたために安全性が更に脅かさ れるのであれば問題ですが、5-FU/ロイコボリンよりも安全性が高いということであ れば、それほど大きな問題にはならないのではないかと思います。 ○池田部会長  委員の先生方からコメントを頂きたいと思いますけれども、いかがでしょうか。折笠 委員、どうぞ。 ○折笠委員  竹内先生にお聞きしてもいいのですけれども、今回問題になったのは011のスタディ ーで併用療法、UFT/ロイコボリンと5-FU/ロイコボリンが同等であるというとこ ろに関して、FDAの方式ではそうではないということを出してきたわけですけれど も、これを見ていますと別のSimonの方法が出ていますよね。それでやると一応証明さ れたということになっているわけですね。もう一つ日本式にやると、相対的に見て20% をとっていないというルールにしても、データの止める位置によってちょっと違うよう ですけれども、ギリギリセーフになっているという感じに見えたわけです。例えばもし これを非劣性で証明されて、しかもブリッジングの奏効率でブリッジングが効いている ということになると80%という…、デルタは20%ですか、そちらの方で日本としては非 劣性が証明されたと考えるのか、やはりSimonのような方法をこれから使っていかなけ ればいけないのか、どのような議論がありましたか。 ○竹内専門委員  私はこれをやらせていただいて、主要評価項目に関しましては層別のログランクテス トというものが使われていたと思うのですけれども、これは共変量調整をする場合に層 別ログランクをやりますと、非常に抗腫瘍効果があるということがございますので、多 分ここで0.8%いっぱい…。これは事前に定められていたので、そこの時点で既にそれ が出てしまっているということで、私といたしましてはこの試験から出てくる結果に対 しましては、ある程度抗腫瘍効果があったと考えております。 ○池田部会長  折笠委員、よろしいですか。 ○折笠委員  つまり本邦の場合は、やはりそういう同等域というものを最初に設定して、それがき ちんと証明されていると。しかもFDAのような厳しい診断をしますと、1,000〜2,000 例のスタディーをやらなければいけないという話になって、それは遅くなってしまいま すから、ちょっと非合理的であるという意味で私はいいと思います。それから血液毒性 は完全に低いのですけれども、これはもともとUFTが単剤のときでも低かったですよ ね。 ○池田部会長  血液毒性ですね。それがUFT単独のときも5-FUと比べて低いと。それについて は…。 ○吉田委員  細かい話はちょっと分からないのですけれども…。 ○池田部会長  審査センターからお願いします。 ○事務局  こちらに関しましては、今回UFTにロイコボリンを併用した療法とUFT単剤で は、さほど作用のプロファイルは変わっておりません。そういう意味では、もともとの UFTについてもさほど血液毒性が明らかではないと。これは投与経路の差なども影響 している可能性もあると思われます。 ○池田部会長  よろしいでしょうか。そのほかにいかがですか。どうぞ、堀内委員。 ○堀内部会長代理  副作用の件ですけれども、これ自体はジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼで代謝さ れるわけですが、その遺伝子多型はやはり問題になるのではないかと思います。既にこ の薬は発売されておりますから、どの時点でやるのが妥当か分かりませんけれども、日 本人でも特に*9という多型の酵素活性がホモですと0.2%ぐらい、ヘテロでも3.7%ぐ らいと言われております。今回の場合は、白人とそれほど大きな人種差はないだろうと 思いますので、そこは余り問題にする必要はないと思いますけれども、このような細胞 毒性の高い薬については体内動態がどうなのか、あるいはSNPsなどをきちんと調べ る必要があると思います。重篤な副作用が出ているケースがあるわけですし、それによ る死亡例も外国では出ています。ここに出ている第III相のデータにもありますし、き ちんと調べるべきではないかと思います。これは今後の問題かもしれませんけれども、 大分遺伝子多型が明らかになってきておりますので、治験を組み立てる上で是非やるべ きではないかと思います。申請の条件にしないと実施されないですね。今医療の個別化 などとよく言われるのですけれども、そこを無視した議論しかできないということにな ると思います。 ○池田部会長  そのほかに御意見ございますでしょうか。UFTの場合はこれまで非常に長い間単剤 で使われていて、その点については実績があるということで、今回の専門協議でも安全 性も含めてやはり利便性を考えると認めていいのではないかという考えだと思います。 ただ、これは外来に移行しますので、逆に言うと外来で気軽に使われるということがご ざいます。ですので、市販後の臨床試験としてこの承認条件で、その点について専門委 員の方から特に何か御議論が出たかどうか、審査センターの方からちょっと聞かせてい ただけますでしょうか。承認条件として外来の方に移って使われるということも含め て、更に安全性、有効性について明確にしなさいということがありますよね。その点に ついて何か御議論はございましたか。 ○堀内部会長代理  単に適切な臨床試験というだけではあいまい過ぎるのではないかということです。 ○事務局  経口剤ということもございまして、適正使用情報につきましては今御指摘のあったU FT/ロイコボリンの市販後臨床試験を実施すると。対照群としては、日本でも使われ ている5-FU/レボホリナートl-ロイコボリンとの比較ということで、現在デザイン の詳細については審査センターの方と申請者で詰めているところでございます。このほ かに実際に使用される患者さんあるいはドクターの方に、会社が服薬指導集を作成して 配布することになっております。この中で重篤な副作用あるいは検査のスケジュール、 投薬のスケジュールなどについて、きちんと情報提供していくということで解答を得て おります。 ○池田部会長  ありがとうございました。 ○堀内部会長代理  市販後臨床試験で、少なくとも重篤な副作用が起こった場合には、ジヒドロピリミジ ンデヒドロゲナーゼの遺伝子多型を調べるということを入れていただければ有り難いで す。 ○事務局  御指摘のとおり指導いたします。 ○池田部会長  ありがとうございました。そのほかに委員の先生方、特に御追加することはございま すか。 ○堀内部会長代理  添付文書ですけれども、これはメーカーで作ったものを審査センターでチェックをし ているのですね。ユーゼル錠、ホリナート・ウラシルの方も両方似たような書き方をし ていますが、ホリナート錠ですと4ページの左上、「9.その他の注意」の(2)のとこ ろです。「フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナー ゼ(DPD)欠損等の患者がごくまれに存在し」、これはもう少し具体的に書いた方がい いのではないかと思いますし、0.2%が「ごくまれ」か、あるいはヘテロを入れると3.7 %ぐらいですから、それも活性は下がりますから、もう少し具体的に書いていただきた いということです。  それから、「このような患者にフルオロウラシル系薬剤を投与した場合、投与初期に 重篤な副作用」、これは投与初期だけに起こるわけではないですね。表現の問題です。 それから「(口内炎、下痢、血液障害、神経障害等)」とありますけれども、その表現の 仕方ですと「口内炎、下痢」などが重篤だということになります。重症の口内炎という ことかもしれませんけれども、特に血液障害などが起こる可能性がかなり高いわけです から、「骨髄抑制」という表現にはできないのかと思います。  それからフェーズIIIのデータは、安全性のところにしか入れないのですか。 ○事務局  添付文書の中には、まず「4.副作用」の項のところに、外国臨床試験における試験 成績の概要が入っております。それからこれは後ろの方の4ページでございますが、 「臨床成績」の項の「外国臨床試験」ということで、この中には有効性の試験成績も入 っております。 ○堀内部会長代理  有効性について出ているのは44例の話ですよね。ですから、「外国臨床試験」と「国 内臨床試験」と二つに分けてあるにもかかわらず、ブリッジングスタディーのデータし か入っていないのではないですか。 ○事務局  失礼いたしました。ここの部分には、海外の試験結果も反映させるように指導いたし ます。 ○堀内部会長代理  その上に入っていますか。 ○事務局  すみません、「また」というところから入ってございました。 ○池田部会長  よろしいでしょうか。吉田委員、どうぞ。 ○吉田委員  個人的な意見なのですけれども、今審査センターの方で市販後臨床試験の比較を、 5-FU/ロイコボリンとUFT/ロイコボリンの形で日本でもやるというお話ですが、 始めにお話ししたように、我が国では大腸癌の領域で第III相試験をやるポピュレーシ ョンが非常に限られておりますので、基準薬と基準薬を比較するというものではなく て、UFT/ロイコボリンを基準薬として新しい治療法を比較するような形のデザイン を、是非検討していただきたいと思います。というのは、臨床的なインパクトが少ない と多くの施設からの参加が得られない可能性が高い。そのことをコメントさせていただ きます。 ○池田部会長  むしろ先生がおっしゃるのは、どちらかというとUFT/ロイコボリンが一般的な治 療薬としてあって、そのほかの薬との比較というお考えですね。 ○吉田委員  CPT-5FUでもCPT-マイトマイシンでもいいし、そういう形のものを、いわゆる臨床 的にもう少しインパクトのある形で第III相試験を計画していただければと思います。 ○池田部会長  一番重要なことは、UFT/ロイコボリンの有効性をどういう格好ではっきり示すか ということと、もう一つはやはり主体が外来に移行するということですから、安全性と いう面に対してもやはり更なる注意が必要だということだろうと思います。よろしいで しょうか。菅谷委員、どうぞ。 ○菅谷委員  この薬剤の承認はともかくとして、有効性も安全性も市販後臨床試験にゆだねるとい うのはどうかという点が一つ。それから今まで承認した新薬で、ほとんどが市販後の調 査ないし臨床試験を規定していますが、その結果どうなっているかという報告が一つも ないわけで…、これは事務局できちんと調査して過去5年ぐらいの例を一遍報告してく れませんか。そうでなければ実際にやっているのか、やっていないのかが全然分かりま せん。  それからもう一つ、よく添付文書の資料請求のところで「投稿中」とあるのですが、 これは非常にふざけた話で、どこに投稿しているのか、しかもそれが採用されるのか、 されないのかがちっとも分かりません。このような記載は間違っているので、「投稿中 」ではなくて社内資料なら「社内資料」ときちんとしたことを書くべきであって、私は 「投稿中」などという記載の仕方はやめさせなければいけないと思っています。十分注 意して訂正させるようにしていただきたいと思います。 ○池田部会長  課長の方からどうぞ。 ○審査管理課長  御質問が二つございましたが、前者につきましては何年でできるかどうかなのですけ れども、過去に市販後に治験をやるという承認条件を課して御承認いただいたものにつ いて少し調査をいたしまして、進捗状況を御報告させていただくと。それから添付文書 の記載でございますけれども、行き届かなかったところもありますので、更にその点を 徹底させてよりユーザーに使いやすいものに良くしていこうと考えておりますので、御 了解いただきたいと思います。 ○堀内部会長代理  私は今の菅谷委員のお考えに賛成ですけれども、特に「適切な市販後調査」という言 い方があるのですが、やはり市販後調査、いわゆる市販後臨床試験をやるのだったら、 具体的にどういう内容でやるかということをメーカーと詰めて提案していただいて、こ この部会でやるときにそれも含めて妥当かどうかを検討すべきではないかと思います。 今後は是非そのようにお願いしたいと思います。 ○池田部会長  今菅谷委員を始め、非常に貴重な御意見を頂いたと思います。私も承認条件で課した ものが実際にどういう形で実施されているかについては、今後ここの審査で条件を付け て承認することを考えたときに、やはり今までの実績も頭に入れておかないとなかなか 承認ができないということもございますので、是非今課長がおっしゃるように報告をし ていただきたいと思います。もう一つ、「1)投稿中」というところはきちんとした格 好で書き直すように指導していただきたいと思います。専門委員の先生方の御意見も十 分に承りましたし、もしよろしければ承認を可として薬事分科会への報告とさせていた だきたいと思います。早川委員、どうぞ。 ○早川委員  承認の可については特に異存はございませんけれども、「承認申請書」というところ がありますが、これは承認事項になるわけですね。今回使い方の問題と、それからユー ゼル錠25mgとロイコボリン錠25mgは新しく錠剤として造ったということで、規格及び試 験方法が付いているのです。例えばこの中のユーゼル錠25mgの3ページに「確認試験」 というものがありまして、その(1)に「定量法で得られた液体クロマトグラムにつき、 試料溶液及び標準溶液から得た主ピークの保持時間は等しい」と堂々と入っているので すけれども、本来定量法で試料溶液と標準溶液を比べて試料溶液の定量をやるわけです よね。そのときに主ピークの保持時間が等しいのは当たり前であって、それが前提で定 量法というものが成り立つ話なので、確認試験にもう一度それをわざわざ重複してとい いますか、あたかもやるように書くのはおかしいです。これはあくまで定量法の大前提 で、こういう確認設定の仕方は不合理であるので、ちょっとやめてほしいと思います。 もう一つのロイコボリン錠25mgの3ページも同じように書いてあるので、それについて は御指導いただければと思います。               ── 菅谷委員退席 ── ○池田部会長  よろしいですか。ではそのように企業の方を指導していただきたいと思います。それ では先ほども申し上げましたように、この部会では一応承認を可といたしまして、薬事 分科会報告とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。竹内専門委 員、どうもありがとうございました。それでは議題2に移りたいと思いますので、事務 局から説明をお願いしたいと思います。              ── 竹内専門委員退席 ── ○事務局  それでは「生物学的製剤基準の一部改正について」ということで、資料2-1'を御覧い ただければと思います。資料2-1'の諮問書鏡のところにございますけれども、本日は8 製剤の生物学的製剤基準の一部改正について御審議いただきたいと思います。8製剤と いいましても中身は大きく二つに分かれておりまして、一つは乾燥BCG膀胱内用(コ ンノート株)の件、それからもう一つは人全血液以下7製剤、輸血用血液製剤について の表示事項に関する記載の一部改正でございます。  まず、乾燥BCG膀胱内用(コンノート株)の件につきまして御説明させていただきま す。資料2-1'の24ページに新旧対照表がございます。今回改正をしたいという点はこの 「3.1.1 有毒結核菌否定試験」のところで、実験に使うモルモット数が現行は「48匹以 上」になっておりますが、それを「3匹以上」に訂正したいというものでございます。 この乾燥BCG膀胱内用(コンノート株)につきましては、昨年こちらの第二部会で御審 議いただいたものでございまして、その後10月に告示されております。しかし、その後 この「48匹以上」が間違っていたと。実際には3匹しかやっていなかったことが判明い たしまして、本日この部分について匹数を訂正するという改正について御審議いただき たいということで、議題として上げさせていただいております。  この点につきましては、実際に3匹でプライマリー・シード・ロットについての試験 をやったということですけれども、そもそもこの乾燥BCG膀胱内用でコンノート株以 外に日本株というものがございます。日本株につきましては、このプライマリー・シー ド・ロットでのこういった試験については規定がございません。また、そのほかの細菌 を製剤用株とする製剤につきましても、やはりシード・ロットでのこういった試験につ いては規定はございません。さらに海外のものにつきましても、やはりシード・ロット についての規定はないということでございます。また、この製剤の品質に関してですけ れども、ここにあるようにセカンダリー・シード・ロットでは12匹以上でこの試験を行 っているということ、それから最終製剤につきましても同様の有毒結核菌否定試験が設 定されているということですので、この製剤の品質は保証されていると考えまして、事 務局としては今回の訂正をしても問題はないのではないかと考えております。引き続き よろしいですか。 ○池田部会長  引き続いてお願いします。 ○事務局  もう一件は、「輸血用血液の製剤ラベルへの表示に関する生物学的製剤基準の一部改 正について」というものでございます。これにつきましては概要を資料2-2にまとめて ございますので、そちらを御覧いただきたいと思います。そもそもこの輸血用血液製剤 ラベルという直接の容器に表示するべき事項といいますのは、薬事法第50条で決められ ております。そのほかに生物学的製剤基準の表示事項というものがございまして、そこ でも定められているところでございます。今回この生物学的製剤基準で、表示事項とし て記載をしなくてはいけないと書かれている事項について、一部削除するという変更を したいというものでございます。参考までに人赤血球濃厚液の血液バッグの現物を本日 お手元に御用意させていただいております。  左上にありますように、現物はかなり細かい字でラベルの中に表示事項が記載されて いるというものでございます。これにつきまして、現在改正薬事法の施行に伴いまし て、直接のラベルに特定生物由来製品を意味する「特生物」という3文字を新たに記載 するということ、それから献血、非献血の別について記載する、また、献血国が日本で あれば「日本」と記載すると。そういった三点をこのラベルに更に記載しなくてはいけ ないということが、今予定されているところでございます。また、平成7年からは実際 のバッグに一つずつ添付文書を付けているという背景もございます。こういったことを 踏まえまして、本来直接の容器に記載すべき事項と、直接の容器に記載する必要性は少 ないので添付文書に記載すればよい事項を再度きちんと見直しまして、直接のラベルに は本当に必要であると思われる事項のみを記載するように整備したいと考えておりま す。こういったことを踏まえまして、日赤の方から要望が出されております。  その内容について事務局の方で検討させていただいたことを、資料2-2の2枚目、 「別紙1」にまとめております。日赤からの要望としましては五点ほど出されておりま す。順を追って御説明させていただきます。まず一点目ですけれども、製造所の名称及 び所在地の削除をしたいということでございます。具体的には、もう一枚めくっていた だくとラベルの拡大コピーがありまして、「要望1」というのは一番下のオレンジ色の 部分で、この部分を削除したいというものでございます。これにつきましては、事務局 としては削除してもよろしいのではないかと考えております。この血液製剤ラベルの右 側の方に製造番号が書かれておりまして、この資料で行きますと右側に「A型01-0820- 6022」とございますが、この最初の二けたの「01」が製造所を特定できるセンターコー ドの番号ということになっております。したがいまして、この製造番号がきちんと記載 されている限りにおきましては、製造所の名称、所在地はきちんと遡及調査できるとい うことですので、この部分については削除しても問題はないかと考えている次第でござ います。  二点目は、血液保存液及び赤血球保存用添加液の製造番号の削除というものですけれ ども、実際の血液バッグではこの黄色いラベルの下をめくっていただきますと、その部 分に書いてございます。これは血液保存液、赤血球保存用添加液ということでして、言 ってみればこの輸血用製剤の原材料に当たるようなものでございます。特に医療関係者 に情報伝達するということを考えますと、そういったものの製造番号を直接のラベルに 表示する必要性は少ないと考えられることから、やはりこれについては直接の表示事項 から削除してよろしいのではないかと考えております。なお、万一この血液保存液ある いは赤血球保存用添加液に何らかの問題があった場合、実際の採血業務を行う中で採血 記録を取っており、その中できちんと追えるようになっていますので、そういった観点 からこの分につきましても遡及調査が追えるということで削除可能だと考えておりま す。  それから三点目でございますけれども、赤血球保存用添加液の成分及び分量について 名称のみとし、成分及び分量を削除したいという要望が日赤の方から出されておりま す。事務局としましては、やはりこれについては直接のラベルに表示を続けるというこ とで削除をしないと、現行基準どおりとしたいと考えております。その理由としまして は、この赤血球保存用添加液は輸血の際に患者の体内に直接投与されるものでございま して、やはりその分の注意喚起が必要だということで、特にこの赤血球保存用添加液の 中のD-マンニトールにつきましては、腎障害の患者さんには慎重に投与しなくてはい けないということがあります。したがいまして、輸血の際に医療従事者に情報提供する 必要があると考えられますので、現行どおり直接のラベルに記載を残すということで考 えております。  それから四点目ですけれども、交差適合試験のために使用するセグメントチューブ内 にあるものの表示事項についてでございます。セグメントチューブといいますのは、現 物の細長い部分のチューブでございます。ここにある部分といいますのは、輸血の際に 患者さんの体内に直接入るものではなくて、輸血の前に患者さんの血液と適合するかど うかという交差適合試験を行うために使われるものでございます。日赤からここの部分 について幾つか削除したいというお話が出ているわけですけれども、事務局の方としま しては、この試験用血液及び試験用血漿の血液保存液の分量若しくは割合といったとこ ろまでは、直接の容器に書く必要はないであろうと。しかしながら、血液保存液がこの セグメントチューブ内に入っている、あるいは赤血球保存用添加液が入っているという こと、その名称だけはやはり残そうと考えております。  それから五点目ですけれども、血液製剤総則8に基づく表示事項を削除したいという ことでございます。具体的には、注意事項として「血液製剤総則8に規定する輸血用器 具を使用すること」と書かれております。これについて削除したいという要望が出され ておりますが、やはりこの件につきましては輸血時の重要な注意事項であると考えられ ますので、現行どおり製剤ラベルに記載して医療従事者に情報提供する必要があると考 えています。また、この点につきましては非常に重要ですので、さらに添付文書にもき ちんと記載するということで、添付文書記載事項として新たに規定したいと考えており ます。  以上の件につきましては、輸血用製剤ということもありましたので、先月3月19日に 血液事業部会において御審議いただいております。その中で、今申し上げた事務局案に つきまして御審議いただきました。そちらの方では、この案でよろしいのではないかと いう御意見を頂いているのですけれども、患者団体の方からの御意見、御要望としまし て、特に1の「製造所の名称及び所在地の削除」ということにつきまして、その中の製 造所の名称については是非残してほしいと。要するに、献血をした場所がどこなのかを やはり患者として知りたいということで、ここは残してほしいという要望が出されまし た。  これについては、本日席上に配付させていただいております。資料2-3を御覧いただ きたいのですけれども、左に「変更前(現行)」のもの、右に「変更後(案)」ということ で、これは日赤がこのような変更を行ったときにどうなるか、イメージがわきやすいよ うに参考までに作ったものなのですが、今の部分につきましては「変更後(案)」の右側 の製造番号、「A型50-4023-0199」というところがございます。その「A型」の左側 に、例えばこの「50」だと福岡県で造られたものですので、ここに「福岡」と記載する ということです。センターの所在都道府県名をこういった場所に記載するということ で、今日赤の方で自主的にこのようなことを行っていきたいと考えております。この件 につきましても、今回この生物基の一部改正を行う中で、例えば今の場合だと「福岡」 と記載するようにこちらから日赤の方に指導したいと考えております。  本件につきましては、先ほど申し上げた3月19日の血液事業部会において御審議いた だきまして、その後3月20日から1か月間ということでパブリックコメントを募集して おります。募集期間が1か月ですので、今月の21日までということになっております。 したがいまして、本日はまだ16日でございますのであと5日間残っておりまして、パブ リックコメント募集中ということになります。昨晩までの段階では、輸血用製剤の表示 事項につきまして直接何か御意見を頂いているというものはございません。ですので、 まだ途中段階で恐縮なのですけれども、本件については速やかに施行をしたいという関 係もありまして、本日御審議いただきたいということでございます。なお、途中という こともございますので、取りあえずこの結果につきましては部会長預かりとさせていた だいて、パブリックコメントが終了した後その結果を御報告したいと考えております。 以上でございます。 ○池田部会長  ありがとうございました。「生物学的製剤基準の一部改正について」ということで、 二つの品目についての御審議をお願いしたいと思います。まず最初に、乾燥BCG膀胱 内用(コンノート株)の製剤基準の記載について、先ほど現行と改正案を御説明いただき ましたけれども、使用するモルモットはプライマリー・シード・ロットについて、今 「48匹以上」と書いてあるのが実際に「3匹以上」でやっているので、これに改正した いということです。先ほど説明がありましたように、他株にはこのプライマリー・シー ド・ロットについての記載がないということですので、いかがでしょうか。どうぞ、吉 田委員。 ○吉田委員  どうもよく分からないのですが、最初に48匹と設定したのには何か理由があったので すか。 ○事務局  メーカーの方から出されてきたのが48匹だったのですけれども、そこはメーカーの方 で生データをきちんと確認せずに、実際は3匹だったということでございます。なぜ 「48」という数字が出てきたかということなのですけれども、当時アメリカのCFR で、このプライマリー・シード・ロットについては48匹以上でこういった試験をやるよ うにという規定がなされていまして、メーカーの方はCFRでやられている48をそのま ま持ってきてしまったということでございます。ただし、その後アメリカのCFRで も、プライマリー・シード・ロットにこのような試験の規定をするということについて は現状必要がないと判断されて、現在のCFRからは削除されております。 ○池田部会長  日本株でも記載はないのですよね。 ○事務局  日本株でも、プライマリー・シード・ロットについてのこういった試験の記載はござ いません。 ○池田部会長  とってしまうことはいけないのですか。どうぞ、川嵜先生お願いします。 ○川嵜委員  同じような意見なのですけれども、3匹をやるとはどういう意味があるのかというこ とで、やるのであればやはりそれなりに意味のある数が必要ではないのでしょうか。 ○事務局  この件につきましては、プライマリー・シード・ロットということでございますの で、これは輸入製剤なのですけれども、アベンティスパスツール社で実際のものを造っ ております。そちらの方では今後プライマリー・シード・ロットまで戻って起こしてや るという予定はないと言われておりますので、今言ったこの試験につきましては取りあ えず将来的にはやられる可能性がほとんどないというものでございます。 ○池田部会長  早川委員、どうぞ。 ○早川委員  今のを理解すると、まずプライマリー・シード・ロットというものがあって、そこか らセカンダリー・シード・ロットを造って、それをベースに製品を造っていくという順 番ですよね。セカンダリー・シード・ロットについては、当然今後も12匹以上でやって いくと。最終製品といいますか、製品レベルでもやりますという形で有毒結核菌につい ては否定するということですよね。従来もそういう事項といいますか、ポジティブなデ ータがないので、それから最終的にはプライマリーはもうそれ以上いじることはないと いいますか、それの品質がうんぬんということは、セカンダリーからはもうこれから動 かすとここに書いてあるけれども、実際にはこれから3匹使ってやるとか、何匹使って やるということはないと。あるとすれば、セカンダリーからもう一度念のためにやりま すという話ですよね。ですから、もともと承認がこうなっているからこう変えますとい う何か形式的な話ですよね。ですから、極端に言えば3匹であっても48匹であってもど うでもいいといいますか、ただ、一応形の上ではきちんとしておきましょうということ ですよね。ですから、下流に行くほど濃密にやるという話なので、セカンダリーは12匹 でその上で3匹というのは、本当はセカンダリーでやればいいのですけれども、セカン ダリーでポジティブに出るのは嫌だから取りあえずプライマリーで試しにやってみる と、多分そういう思想ですよね。下流で押さえれば押さえるほどいいのだけれども、と いう理解でいいのではないかと私は思います。 ○池田部会長  ある意味では非常に形式的ですよね。ですから、これは記載が必要なのですか。いか がですか。 ○事務局  全体的なほかの製剤との整合性を考えると、今先生のおっしゃったとおり、そもそも この記載が要るのかどうかという点もございます。それにつきましては、後ほどの議題 にございますけれども、生物基の大改正をまた考えておりますので、そういった中で検 討して整備させていただければと考えております。 ○池田部会長  よろしいでしょうか。この数字から言うと「48匹以上」を「3匹以上」にするという ので非常に違和感があって、そのままでどうなっているのかと思われることもあると思 いますけれども、実際上はセカンダリー・シード・ロットできちんと12匹以上検査して おり、安全性については担保されるということですので、これについてはよろしいでし ょうか。事務局の方にゆだねるという格好でよろしいですか。どうぞ、川嵜委員。 ○川嵜委員  それで結構だと思いますけれども、実際に3匹でやったときにそのうち1匹がおかし かったら、これはどうするわけですか。本当はやらないのですか。 ○池田部会長  やらないのですよね。 ○川嵜委員  そうですか。やらないのであれば…。 ○池田部会長  実際にはやらないのですよね。プライマリー・シード・ロットに戻って検査をすると いうことはないのですよね。 ○事務局  そのように報告を受けております。 ○川嵜委員  それではなくなるのでしょうね。 ○池田部会長  非常に形式的なことだと。安全性に関しては、セカンダリー・シード・ロットを使う ので担保されているということなので、よろしいでしょうか。そういう理解で事務局の 方に…。そういうことで進めていただきたいと思います。  それでは続きまして、この生物学的製剤基準の血液の表示についての一部改正でござ います。御存じのように、これは特定生物由来製品ということで、今回の薬事法の改正 で記載の内容が変わってまいりました。その議論を踏まえて、血液バッグの表示は非常 に見にくいものなのですけれども、この際これを改訂しようということでございます。 今事務局の方から説明がありましたように、赤十字の方から五点の要望があって、それ について血液事業部会あるいは事務局との議論で、対応策を案として先生方に御提示し たわけですけれども、これについて御議論を願いたいと思います。早川委員、どうぞ。 ○早川委員  この趣旨は十分分かって異論は全くないのですけれども、資料2-3の「変更前(現行)」 と「変更後(案)」で、先ほどの患者さんの団体から製造所について何らか表示してほし いという御要望があったということで、それに対応する形で右側の製造番号の下に例え ば「福岡」と付けます。これは単なるモデルなので、例えば「福岡」ということと理解 して、先ほどの御説明だと製造所は左が「東京都赤十字血液センター」になっていて、 その「福岡」というのは両方は関係なくて…、要するに本来は「東京」と書くのです か。あるいは左側が「福岡赤十字血液センター」であれば「福岡」と書くということで すか。 ○池田部会長  これは採血場所ですよね。 ○事務局  合わせればすっきりしたのですけれども、「変更前(現行)」と「変更後(案)」の製造 ロット番号が違うものを使ってしまったのでこういうことになって、申し訳ございませ ん。実際には01〜75までのコードということで、日本全国に血液センターがございま す。それぞれのセンターについてコードが振られておりまして、それが例えばこの「01 」ですと中央血液センターということで北海道になりますので、「01」であれば「A型 」の左のところに「北海道」と書かれます。 ○早川委員  そうすると、要するに実物とは全然違っていて、製造所の「東京都赤十字血液センタ ー」も「北海道」うんぬんということになるのですか。そこがちょっとよく分からなか ったので…。 ○池田部会長  今の早川先生の御質問は、製造元は常に「日本赤十字社」、所在地は「港区芝大門」 になって、「A型」の前にある場所の名前は採血場所になるのではないかと、そこも変 わるのかということですよね。製造元とこの場所が違うわけですよね。そうすると混乱 しないかということだと私は理解したのですが…、そうですね、先生。 ○早川委員  例えば「01」は北海道だと。現行では北海道というのはもともとどこにもなくて、 「製造所 東京都赤十字血液センター」、「広尾」うんぬんとありますよね。ですから、 例えばこれの製造所が北海道で製造番号が「01」ということなのか、それぞれは無関係 なのか、ちょっとそこが…。 ○事務局  大変申し訳ございません。左側の現行の製造元所在地はこのままで合っているのです けれども、製造所が「東京都赤十字血液センター」で所在地が「広尾」となっておりま すが、これと右側の「01」何とかというのはリンクしておりません。といいますのは、 これは間違っておりまして、本来であれば「01-0820」という製造番号であれば、左下 の製造所のところには「北海道中央血液センター」と書かれ、その北海道の住所が書か れるべきものでございます。それはモデルということで今回たまたま日赤の方で作った もので、右側の部分と左側の部分がリンクしておりません。したがいまして、「01」が 北海道でございますので、これを直した後は「北海道」と記載されるということでつな がります。申し訳ございません。 ○池田部会長  製造所とその所在地は、この記載から外そうということになったのですよね。ただ、 そのときにどこで採血したのかが分かる方がいいだろうという御意見があって、それを 尊重して「A型」の前に採血場所のセンターの所在地の都市名を記そうということです よね。 ○事務局  はい、そうです。 ○池田部会長  どうぞ、神谷委員。 ○神谷委員  確認なのですけれども、要するに製造元である日本赤十字社が全国で実際に採血をし て血液を造っているところの検査のレベルは、もちろん日本赤十字社が全部に対してき ちんと同じレベルを保っているということでいいのですね。 ○事務局  はい、そうです。 ○池田部会長  そのほかにございますか。岡田委員、どうぞ。 ○岡田委員  実は私は賛成した手前もあるのですけれども、今見るとどうもこれはやはりもっとす っきりさせた方がいいと思います。といいますのは、ユーザーとして見るとこのように ごちゃごちゃ書いてあってもまず見る暇がないし、恐らく見ているドクターがいるとは とても考えられないのです。そうしますと、本当に必要なものだけを載せるということ で、例えば輸血用器具を使用するとか、外見上異常を認めたものを使用しないとか、こ ういうものをバンと入れた方がかえってユーザーにとっては分かりやすいのかなと。赤 血球保存用添加液等は必要なものだけを入れてもっとスペースを空けるようにして、添 付文書の方でそちらをきちんと入れてもらえばいいかなと思います。そうしないと、こ れは日赤や行政側のニーズに合うような文章になってしまって、臨床の現場で実際に役 に立つような情報ということを考えると、ちょっとこれは簡素化した方がいいのではな いかと思います。この前自分で賛成しておいて、またそれをひっくり返すのは申し訳な いのですけれども、案として…。 ○池田部会長  ありがとうございます。事務局の方から何かありますか。 ○事務局  赤血球保存用添加液の成分・分量についてこちらの方で考えましたのは、これは患者 さんの体内に投与されるものでございますので、D-マンニトールのような事例もある ことから、やはり直接の容器に書いておいた方がよろしいのではないかと。現行どおり として、削除しないということを今のところ考えてございます。ただ、実際に使う側と して非常にこの辺は見づらいということですので、今回全体のレイアウト案が出ており ますけれども、どうにかもう少し見やすいような形で作るように、日赤の方にもう一度 指導したいと思います。 ○池田部会長  それはおっしゃるとおりで、やはり非常に見づらい表示になっているので、やはり見 やすく、それからリスクマネジメントの観点から言うと、最近は医療従事者だけではな くて、患者さんもリスクマネジメントに参加するという考え方が少しずつ強くなってき ています。輸血用バッグというのは患者さんが見ながら輸血を受けますから、そういう 面で見やすいようにすることは非常に大事だと思います。そのほかにいかがでしょう か。特にございませんか。どうぞ、堀内委員。 ○堀内部会長代理  この資料2-3の下に「血液バッグMAP液」の組成が書いてありますが、これは 「2.200g」とあるのですけれども、ここまでの精度を求めるわけですね。こう書いて あればそこまでの精度を求めるということになるので、実際上その精度は必要ないだろ うと思うのですが、必要な範囲内にとどめた方がいいのではないかと思います。それか ら先ほどの意見ですが、赤血球保存用添加液の成分は添付文書に入っているのですか ら、もう少し分かりやすく書いていただきたいと思います。小さい字がたくさん書いて あると、使用する側から見ると大変使いにくいものになっていると思います。 ○池田部会長  ありがとうございました。そのほかにいかがでしょうか。先ほど事務局の方から話が ありましたように、これにつきましては血液事業部会で議論いたしまして、現在21日ま でパブリックコメントを求めているところで、それを踏まえて特にパブリックコメント が追加されれば、またそれをどのような形で反映するかを考えたいということでござい ます。ただ、時間的にどうしてもこの薬事法改正に関して実施をしたいと。特に今回は 特定生物由来製品であるということ、あるいは献血であるということ、幾つか記載をし なければいけない問題がございますので、先に進めさせていただきたいと思うのです。 今先生方から頂いた御意見も少し参考にしまして、パブリックコメントの結果を踏まえ て一応部会長預かりにさせていただいて、それを薬事分科会の方に御報告するというこ とでよろしいでしょうか。ただいま頂いた御意見は、やはりユーザーに見やすいように ということですので、それを十分日赤側に伝えるということでいかがかと思いますけれ ども、特にどうしてもこれだけは譲れないと、こうしてほしいということがございまし たら御意見をちょうだいしたいと思います。どうぞ、神谷委員。 ○神谷委員  どうしても譲れないというわけではないのですけれども、先ほどからいわゆる保存用 添加液のことでちょっと細かくて見にくいのではないかという御意見もありますが、現 場で考えると現実には看護師さんも初年度の人からいろいろおりますし、それからやっ ている医者も若い人から熟練された人までいて、実際に今この中に何が入っているのと 聞いたときに、若い先生はなかなか答えられないのです。ですから、もちろん添付文書 に書いてあるという…、そこまできちんと見てやればいいのですが、そういう問題が一 つあるのと、先ほどどなたかがおっしゃいましたけれども、患者さんは実際に血液バッ グをよく見て点滴を受けていますので、そういう意味では私はやはり事務局案のような 知らせ方をした方がいいのではないかと考えます。 ○池田部会長  現行基準どおりで、赤十字が言うように名称のみで削除しないということですね。あ りがとうございました。それではよろしいでしょうか。それではこの部会では一部改正 をお認めいただいたということで、パブリックコメントの結果を踏まえて部会長と事務 局が相談をいたしまして、薬事分科会の報告にさせていただきたいと思います。ありが とうございました。それでは続いて、本日の報告事項に移りたいと思いますので、審査 センターから説明をお願いいたします。 ○事務局  それではまず議題1、「医療用医薬品の再審査結果について」を御報告いたします。 資料3-1のラノコナゾール等5品目、資料3-2のメイアクト等4品目及び資料3-3の点滴 静注用デノシンの合計3成分10品目の再審査報告書でございます。これらの品目につき ましては、市販後の使用成績調査、特別調査の成績等に基づいて再審査申請が行われ、 それぞれ審査いたしました結果、いずれの品目につきましても薬事法第14条第2項の各 号、承認拒否事由のいずれにも該当しないと。すなわち効能・効果、用法・用量等の承 認事項については変更の必要がないと。カテゴリー1と判定したものでございます。こ れらの結果につきましては、近くそれぞれ通知する予定でございます。以上でございま す。 ○池田部会長  ありがとうございました。 ○事務局  続きまして、昨年度1年間に本部会関連分野で承認された新キット製剤について御報 告申し上げます。資料4を御覧ください。「販売名」、「申請者」、「有効成分」、 「承認年月」、「備考」という形で、「備考」のところにはキットのタイプを記載して おります。それから「販売名」、「申請者」のところが二段になっているものは、上が 最終製品の申請者で下が受託製造している輸液メーカーとなっております。それからサ ンプルが手に入ったものにつきましては、お席のところに7セット置いていますが、一 番下の本年4月承認の3品目につきましては見本が間に合いませんでしたので、説明図 になっております。  「承認年月」の欄を御覧いただきますと、平成14年9月にピペラシリンナトリウムと しては初めて、バックが仕切られて使用時に押して輸液と有効成分を混ぜることのでき るダブルバック製剤が承認になっております。それから平成14年10月には、エスポーの シリンジに充てんされているシリンジ入りのキット製品が承認されております。それか ら平成15年3月に承認されましたのは、セフメタゾールナトリウム、セフトリアキソン ナトリウム、それから塩酸ミノサイクリンのダブルバック製剤でございます。平成15年 3月の4品目めのフルコナゾールのキットにつきましては、使用時にキャップを消毒す る手間を省くことができる無菌コネクターを付けたバックが、キット製品として承認さ れております。それから一番下の3品目は平成15年4月に承認されたもので、一番目の トロンビン液のソフトバックですが、シリンジで吸い上げることなく内視鏡につないで 噴霧できることから、メリットがあるという形でキットとして承認されたものでござい ます。最後の二つは、いわゆるフィブリンノリのキット製品でございます。アベンティ スファーマ株式会社のものは既存品が凍結乾燥品の2種類のバイアル、それから専用ヨ ウ化液2種類の4本のバイアル製剤でございましたが、凍結乾燥液と専用のヨウ化液を 両頭針でつなげて二つのダブルバイアルの形にしたもので、ヨウ化液の取り違えを防ぐ というメリットがあるということでキットとして承認されたものでございます。一番下 の日本臓器製薬株式会社のものは同じく既存品が4種類のバイアルで、プレミックスの 液状のものをダブルシリンジに充てんした製剤でございます。これも同じく取り違え等 を防ぐメリットがあるという形で、キット製品として承認されたものでございます。以 上でございます。 ○池田部会長  ありがとうございました。いろいろキットを工夫しているようですけれども、先生方 は何か御意見はございますか。 ○神谷委員  前の資料3-3のガンシクロビルのことなのですが、添付文書はこのまま付くのですよ ね。もしそうだとしますと、3ページの「7.小児等への投与」のところを見ると、 「小児等に対する安全性は確立していない」となっていますが、再審査の中の文章を読 ませていただくと、4ページに書いてあるように小児についてはこれぐらいのことが分 かっているわけです。やはり再審査をやる時点で、こういうことを添付文書の方に反映 していくことはできないものなのでしょうか。もし法的に何かできるなら、再審査の結 果こういうことだけは分かりましたと書いていただく方が親切だと思うのです。 ○池田部会長  審査センターの方から何かございますか。 ○事務局  これにつきましてはデータ等の問題もございまして、すぐ添付文書に反映できるかど うかということはちょっと…。この場合、いろいろな検査がございますので、先生の今 の御指摘を踏まえまして、関係課と相談した上で適切に処理したいと思います。 ○池田部会長  よろしいでしょうか。 ○堀内部会長代理  資料4は安全性のことを考えて、キット化を進めるという意味でお出しになったので すか。 ○事務局  今現在キットの通知では、かなり幅広にキットに該当するという形で定義されており まして、その範疇で承認されたものの実績報告という形でお示ししています。 ○堀内部会長代理  これを推進するということではないのですね。といいますのは、最近どんどんキット 化されるのですけれども、それが妥当かどうかについてはやはり十分考えなければいけ ないと思います。私のところですと、前はキットが発売されるとみんなそれを採用して おりましたが、最近は注射薬にバイアルをそのまま刺して点滴できるようなものが出ま したので、それを採用しております。バイアルを刺したままですから、何を投与してい るか分かりますし、間違いも少ない上、はるかに安いです。いろいろな考え方があると 思いますけれども、大学病院などは包括化されますから安いものを使うということもあ りますので、このように高価になるものは工夫で推進していただきたいと思います。 ○池田部会長  何かありますか。特にないですか。こういう新しいキットはリスクマネジメントの観 点から、基本的にはそれぞれの企業が工夫しているということだと思いますけれども、 値段の問題とそれから医療施設等の取組もいろいろあるでしょうから。よろしいです ね。こういうキットが使用承認されているという報告をしていただいたということで進 めたいと思います。そのほかに報告事項について何か御質問はございますでしょうか。 よろしいですか。それではその他の事項に移りたいと思います。事務局の方から説明を お願いします。 ○事務局  それでは資料5、「『生物学的製剤基準改正検討小委員会』の設置について」という ことでございます。先ほど生物学的製剤基準の変更ということで御審議いただきました が、生物学的製剤基準につきましては平成5年に大改正が行われております。それ以降 10年を経過しておりまして、抜本的な見直しが行われていないので、全般的な見直しを 行いたいということです。2.の「(1)委員会の構成」を見ていただきますと、その作 業を行う上で当部会の下に生物学的製剤基準改正検討小委員会を設けさせていただい て、具体的な検討をお諮りしたいと考えておりまして、その委員会の設置について当部 会で御了解いただきたいということでございます。現在考えている委員の名簿が2〜3 枚目になってございます。生物学的製剤検討WG委員が2枚目、それから血液製剤検討 WG委員が3枚目ということで、当部会の岡田先生などに御参加いただく形になってご ざいます。  また1枚目に戻っていただきまして、「(3)検討事項」でございますが、通則等の改 正、基準の記載整備、それから局方との整合性を図るということを考えております。ま た、「3.今後の予定」でございますけれども、当部会でこの小委員会について設置を 御了解いただきますと、小委員会で審議を行って、WGで3〜4回検討を行った上で当 部会にお諮りして分科会審議を経て、本年中に成果について告示できればと考えてござ います。この委員会の設置について御了解いただけますよう、よろしくお願いいたしま す。 ○池田部会長  委員の先生方から何か御質問はございますでしょうか。そうすると、この部会には大 体秋ぐらいにはWGの結果を踏まえてということでよろしいのですか。 ○事務局  そのような予定でございます。それから委員の案につきましては、まだ各先生方に御 了解いただいている段階ではありませんで、取りあえず事務局の方でこういった先生を 考えているということでございます。この件につきましても、もしどなたかよろしい先 生などがございましたら、今週中くらいをめどに御推薦いただければと考えております ので、よろしくお願いいたします。 ○池田部会長  事務局からありましたように、もしこのWGに参加して議論していただいた方がいい という適当な先生がいらっしゃいましたら、先生方から事務局の方へ御連絡いただきた いと思います。よろしいでしょうか。それでは、小委員会の設置について先生方に御了 解いただけたということで進めたいと思います。よろしくお願いいたします。本日予定 された議題は以上ですけれども、そのほかに事務局から何か報告はございますでしょう か。 ○事務局  事務局より、前回2月19日に当部会が開かれた際、御審議いただいた品目の承認につ いて御報告させていただきます。2月19日の当部会におきまして御審議いただいたカペ シタビン及びゼローダ錠300でございますが、本日平成15年4月16日付けで承認いたし ましたので、御報告させていただきます。以上でございます。 ○池田部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局の説明について、特に御質問はございま せんでしょうか。よろしいでしょうか。 ○審査管理課長  それでは長時間にわたりまして御審議、御検討をありがとうございました。次回の日 程でございますけれども、来月5月23日金曜日10時半ということで開催を予定しており ます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○池田部会長  それでは次回は5月23日ということですので、先生方、どうぞメモをお願いしたいと 思います。それでは本日はこれですべての議題を終了いたしましたので、部会を終了さ せていただきたいと思います。長時間どうもありがとうございました。                                    ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 佐藤(内線2743)