戻る

医師国家試験改善検討委員会報告書(概要)

I.趣旨

 臨床研修の必修化など医師の資質の向上に向けた取り組みが行われている中、改めて現状の医師国家試験を評価し、医師国家試験の改善を行うため、平成14年7月に「医師国家試験改善検討委員会」を再開し、ワーキンググループでの審議を含め、計7回の審議を行い、今般改善事項を取りまとめた。なお、これらの改善事項は平成17年(第99回)の試験から適用することが望ましい。

II.医師国家試験改善検討委員会報告書の概要

1.平成17年(第99回)の試験からの改善事項

(1)出題数・出題内容
 出題数は引き続き500題とし、出題内容としては基本的な診療能力に関する出題の充実を図りつつ、医の倫理・患者の人権、医療面接等にも配慮した出題にも考慮する。
 臨床実地問題は臨床実習の成果が反映される問題を出題する。
 試験設計表(ブループリント)により各項目ごとの規定数を引き続き規定する。

(2)合否基準
 合否基準は引き続き現行の合否基準を踏襲する。具体的には、必修問題に対しては絶対基準、一般問題・臨床実地問題に対しては各々平均点と標準偏差を用いる相対基準を用いる。また、禁忌肢を選択した場合はこれまでどおり合否の判断に採用する。

(3)試験問題の公募、プール制の導入、試験問題の回収
 公募問題は採点対象として出題することは十分可能であると評価されることから、試験問題や視覚素材の公募範囲を臨床研修病院や日本医師会等に適宜拡大するとともに、ブラッシュアップ体制を強化・効率化を行い、当面、約1万題程度(将来的には数万題)の試験問題を蓄積し、プール制へ移行する。
 また、良質な試験問題を繰り返し出題するために引き続き試験問題の回収を行う。

(4)試験の早期化
 臨床研修の必修化を踏まえ、医師国家試験を2月第3週頃迄に実施し、合格発表を3月中に行う。

2.改善する方向性が定まった事項

 受験回数の制限は将来的な導入に向けて具体的な方策を検討する。
 実技試験(OSCE)は卒前教育における普及等を踏まえて導入する。

3.関係機関への要請事項

 全国の大学医学部・医科大学に対して、試験問題の公募への協力を依頼するとともに、臨床実習等の評価法として実技試験(OSCE)の実施の拡充や臨床実習前の共用試験の充実を要請する。また、試験の早期化に対する協力を要請する。


トップへ
戻る