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資料4

ALS患者と家族の在宅療養を支援するために

(社)日本看護協会 山崎摩耶

1.家族の介護力を前提としないでもすむような在宅療養の体制づくりと財源配分を

 これまでの分科会におけるさまざまな議論でもでてきたように、家族の介護力を期待した退院指導や退院時の地域連携に始まり、実際のケアにおいても家族の介護力を前提としている今の在宅医療の意識やあり方を早急に改善していくことが重要と考える。

2.現行の施策を十分利用するための周知・徹底

 「在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業」を周知するとともに、患者1人当たり年間260回の活用を促進する。
 利用可能な地方公共団体の事業、サービスメニューの情報提供を進める。
 保健所、医療機関、訪問看護ステーション、かかりつけ医の連携や、地域の難病ネットワーク、チームケア体制を徹底する。

3.現行の運用変更(規制緩和など)ですぐにでも改善できること

 24時間の巡回訪問が実施できるように、同一日に1人の利用者に対し複数回の訪問看護を、複数の訪問看護ステーションから訪問できるように要件を緩和する。
 訪問看護ステーションの訪問看護計画のもとに、看護師の指導を受けて訪問介護が協働できるしくみを作るなど、看護と介護の連携の強化・充実を図る。


都道府県ごとのALS患者の実態と訪問看護サービス

  都道府県が把握する患者数 保健所が把握する患者数 訪問看護事業所数 在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業の実施状況
都道府県名 人数 在宅 人工呼吸器装着 訪問看護ステーション 病院 診療所 人員
北海道 299 104 16 236 244 441 3
青森県 77 45 27 79 39 111  
岩手県 95 32 14 53 48 98 1
宮城県 115 62 19 79 53 179 5
秋田県 59 26 15 45 27 41 5
山形県 92 45 12 40 19 67 8
福島県 97 34 3 111 51 197  
茨城県 111 24 8 102 68 138  
栃木県 97 55 10 60 34 84 1
群馬県 125 50 10 99 42 180 1
埼玉県 277 19 3 203 104 314 2
千葉県 263 196 49 177 95 324  
東京都 535 181 64 482 107 502 8
神奈川県 267 84 17 252 127 476 2
新潟県 147 93 20 98 51 126  
富山県 63 16 1 32 45 51  
石川県 85 26 4 52 60 146  
福井県 40 16 3 46 43 106 1
山梨県 38 8 48 16 42 5
長野県 103 38 10 134 58 252 2
岐阜県 42 35 5 82 42 277  
静岡県 184 46 18 117 47 215 4
愛知県 237 122 18 222 109 616  
三重県 104 24 3 72 28 149  
滋賀県 53 35 4 50 25 101 1
京都府 128 30 4 129 70 439  
大阪府 488 193 43 374 187 819  
兵庫県 355 88 21 249 103 511  
奈良県 60 43 2 68 17 103 4
和歌山県 105 60 17 85 29 191 1
鳥取県 45 10 2 39 14 102  
島根県 70 17 4 56 10 129  
岡山県 108 52 12 133 65 311 1
広島県 141 54 13 158 77 277 1
山口県 90 43 12 74 52 174 2
徳島県 64 36 9 57 53 168 1
香川県 77 22 7 37 49 177  
愛媛県 90 51 7 90 57 219  
高知県 40 19 4 52 49 120 1
福岡県 262 76 16 224 156 452 21
佐賀県 52 20 1 40 48 130  
長崎県 76 15 7 57 77 212  
熊本県 111 23 6 103 104 200 6
大分県 108 30 7 69 48 127  
宮崎県 83 57 12 57 70 136 1
鹿児島県 92 73 28 127 102 358  
沖縄県 69 36 10 41 37 86  
合計 6281 2494 605 5,290 3,056 10,674 88

 都道府県、保健所(回答率98%)の患者数は日本看護協会の調査(平成14年2月)
 訪問看護ST数は平成14年度(全国訪問看護事業協会調)。病院、診療所は平成12年度(第4回ALS分科会資料から)。
 在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業(年間260日までの訪問看護)の実施状況は厚生労働省調査(平成14年度)


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