03/03/19 薬事・食品衛生審議会平成15年3月19日(火)血液事業部会議事録           薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録 1.日時及び場所   平成15年3月19日(火) 15:00〜   厚生労働省専用第22会議室 2.出席委員(17名)五十音順   池田 康夫、 大平 勝美、 岡田 義昭、 小幡 純子、   川西  徹、 清水  勝、 菅谷  忍、 高橋 孝喜、   菅谷  忍、 田代 眞人、 土屋 文人、 埜中 征哉、   田中  滋、 中村 雅美、 花井 十伍、 比留間 潔、  ○水柿 道直、◎溝口 秀昭、 三星  勲、 宮崎 久義、   吉澤 浩司   (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(6名)五十音順   倉田  毅、 白幡  聡、 平澤 博之、 幕内 雅敏、   森 眞由美、 吉倉  廣 3.行政機関出席者   鶴田 康則(大臣官房審議官)、 橋爪  章(血液対策課長)、   北條 泰輔(医療機器審査管理官) 、 高林  勉、 辻阪 高子、   田中 一成、 丈達 泰史、 上野 清美、 関野 秀人  他 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○血液対策課長  それでは定刻となりましたので、ただいまから平成14年度第3回血液事業部会を開催 いたします。なお、本日は公開で行うこととなっておりますので、よろしくお願い申し 上げます。本日は委員23名中15名の御出席を頂き定足数に達しましたので、薬事・食品 衛生審議会令第9条第1項及び第3項により本部会が成立いたしましたことを御報告申 し上げます。この後の進行につきましては、溝口部会長によろしくお願い申し上げま す。 ○溝口部会長  それでは第3回の血液事業部会を始めさせていただきます。お手元にお配りしてある と思うのですが、本日の議題は五つございまして、資料はA〜Iまで九つございます。 御確認いただいていない方は事務局の方にお申し出ください。  それではまず議題1の献血推進計画の案でございますが、前回の部会でお知らせしま したとおり皆様の御意見を頂きまして、この部会としての御意見をまとめさせていただ きたいと思っております。では事務局から御説明願えますでしょうか。資料はBとCで ございます。 ○事務局  それでは議題1の献血推進計画について御説明いたします。まず資料Cの方を御覧く ださい。資料Cの2ページに「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」の抜 粋がございます。この法律の第十条ですけれども、献血推進計画についての規定がござ います。前回の部会で御議論いただいた基本方針に基づいて、献血推進計画を策定する こととされておりますが、この第十条の1項にありますとおり、毎年度、翌年度の献血 の推進に関する計画を策定するとなっておりますので、法律が今年7月に施行された後 16年度の計画を策定するということになります。ただし、法律の趣旨を踏まえて、この 法律に直接基づくものではございませんが、平成15年度分についても献血推進計画に相 当するものを策定したいと考えております。この献血推進計画を踏まえまして、この第 十条の4項になりますが、都道府県が基本方針と献血推進計画を踏まえて都道府県献血 推進計画を策定すること、その下の第十一条になりますが、基本方針と献血推進計画を 踏まえて採血事業者が採血受入計画を策定することとなっております。これらの計画に つきましても、同じように毎年度、翌年度の計画を策定するとなっておりますので、法 律に基づいた計画は平成16年度から策定することになりますが、平成15年度についても 速やかに策定していただきたいと考えております。  それでは資料Bを御覧ください。平成15年度の献血推進計画に相当するものといたし まして、事務局で準備しました献血の推進についての案でございます。まず一枚めくっ ていただきまして、「目次」ですけれども、第1〜3節の構成になっております。これ は先ほど見ていただいた法律で、献血推進計画に書くべきものとして定められている3 項がございましたが、それに沿った構成となっております。第1項は献血によってその 年度に確保すべき血液の目標量、第2節として目標量を確保するための必要な措置、第 3節としてその他献血の推進に関する重要事項という柱立てにしております。この献血 の推進を策定するに当たりましては、できるだけ読みやすいように簡潔に表現するとい うことを心掛けました。また、法律や基本方針に書いてあることは、ここでは繰り返し ては記載しないという整理にしております。  それでは中身ですけれども、その次のページを御覧ください。まず第1節ですけれど も、「平成15年度に献血により確保すべき血液の目標量」というところで、平成15年度 には全血採血により137万L、成分採血により78万Lの合計215万Lの血液を献血により 確保する必要があるというのが第1節でございます。この215万Lですけれども、もう 一度資料Cをお願いします。資料Cの1ページですけれども、まず「I 輸血用血液製剤 について」という部分ですが、医療機関による平成15年度の輸血用血液製剤の需要見込 み量、これは都道府県からそれぞれ上がってきた数字を足し合わせたものですが、全血 製剤ですと0.4万L、赤血球製剤ですと47万L、血漿製剤で28万L、血小板製剤で15万L になります。これに加えまして、献血量や輸血用血液製剤の需給の季節的な変動などを 考えまして、平成15年度の輸血用血液製剤につきましては107万Lの血液を確保する必 要があると考えております。  「II 原料血漿について」ですけれども、血漿分画製剤の原料となる原料血漿につき ましては、これも国内での生産量を踏まえて108万Lを合計で確保する必要があること になります。  「III 献血血液の目標量」ですけれども、今申し上げました107万Lと108万Lを合わ せて、平成15年度には215万Lの血液を確保する必要があるということになります。こ の215万Lを今度は採血の方法別に見ますと、現在行われている採血は全血採血と成分 採血の2種類になりますが、血液の透明な部分を分離して採血する血漿採血と、血小板 採血の2種類が成分採血にはございます。この採血方法の区分によりますと、全血採血 では137万L、成分採血では78万L、血小板採血では31万L、血漿採血では47万Lを確 保する必要がございます。  それでは資料Bに戻っていただきまして、1ページの第2節です。ここでは献血を確 保するための必要な措置といたしまして、まず国を始めとする各主体による各種の献血 に関する普及啓発活動について記述をしてあります。かいつまんで御説明いたします と、まず1ページですけれども、各主体が具体的にすべきことを記載しております。特 に一番下の「・」ですけれども、国民に対して正確な情報を伝えて献血を推進するこ と、また血液製剤の安全性の確保のためには感染症の検査目的の献血を行わないよう、 国、都道府県、市長村、採血事業者はそれぞれ周知徹底するという記載を入れてござい ます。  資料の2ページになりますが、具体的に行う取組といたしまして、(1)の愛の献血助 け合い運動、(2)のはたち献血キャンペーン、さらには献血推進全国大会の開催ですと か、献血に貢献した者に対する表彰の実施。それから(3)としましては、献血推進運動 中央連絡協議会の開催、さらに地方公共団体においては献血推進協議会を設置しまし て、都道府県の献血推進計画の策定など、献血推進協議会と連携して献血の推進を図る ことが望ましいと記述してあります。3ページの(5)になりますけれども、若年層に献 血への理解を深めてもらうための普及啓発といたしまして、高校生を始めとして若年層 に幅広く献血に関心を持ってもらうよう普及啓発を行うことについて記載しておりま す。  続きまして3ページの(2)になりますが、「献血の推進に際し、配慮すべき事項」と いたしまして、ここでは7項目を挙げています。例えば個人情報の保護など、献血者が 安心して献血できる環境の整備ですとか、血液検査の実施、献血者の利便性の向上を挙 げております。4ページですけれども、必要なときに血液が確保できるような献血者登 録制度の推進、さらには複数回献血の推進など、献血の推進のための方策について記載 しております。また、4ページの(7)ですけれども、「採血基準の在り方の検討」とい うことで、基本方針について一般からの意見募集を行いました際に、採血基準の見直し が必要ではないかという御意見が多数寄せられましたので、そういうことも考えて採血 基準の見直しもやっていきたいと考えております。  その次の第3節ですけれども、「その他献血の推進に関する重要事項」ということで 5ページを御覧ください。5ページでは、様々な献血推進施策を行うだけではなくて、 進捗状況について確認、評価を行っていく必要があるということ、さらには災害時など における献血の確保の在り方についても記載をしております。平成15年度の献血の推進 に関しましては、以上のようなものを事務局としては考えております。平成15年度ので きるだけ早い時期にこれを通知したいと思っておりますので、これを踏まえて都道府 県、又は採血事業者においても献血推進のための計画をできるだけ早急に策定していた だきたいと考えております。以上でございます。 ○溝口部会長  ありがとうございました。ただいまの事務局の御説明に対して、何か御意見か御質問 ございますでしょうか。清水先生、どうぞ。 ○清水委員  一点目は、三星委員が代表されているようですが、献血推進協議会についてその実態 はどういうものかを一度きちんと説明していただきたいということです。  それからもう一点は、献血推進については血液センター側からもうちょっと意見を聴 取した方がいいかと思うのです。やはりどういう地域ではどういうスタイルの採血をし たらいいのかと。例えば大都市周辺ですと、血小板等の需要が多いものですから血小板 のアフェレーシスによる採血を主体的にやると。そのかわり、全血の赤血球関係の採血 は多少手薄になるのはやむを得なかろうと。一方、地方においては時間の掛かる血小板 採取は若干問題もありそうだということで、むしろ赤血球の採血を主体的にやってもら うという考えもあるようです。私もいろいろ聞いてみてもっともだと思うものですか ら、むしろ都道府県の枠を越えた採血、これは供給も関係してくると思うのですが、や はり供給をうたった形での献血推進。あるいはまた後で話が出てくるかと思いますが、 やはり供給体制の在り方ということを一つ入れて、それに正面から取り組んでいく必要 があるのではなかろうかと。それによって都道府県の枠を越えて献血、あるいは血液の 安定供給につながることだと思うのですが、問題があるとするならばその問題点をどう やって乗り越えるべきなのかを検討すべきではないかと思います。以上です。 ○溝口部会長  三星委員、先ほど献血推進協議会について説明を求められておりますが、何か御意見 ございますか。 ○三星委員  献血推進協議会は昨年3月から始まっているわけですが、血液新法ができるに当たっ てのこの推進、今まで我々も日赤さんもいろいろな意味で側面から応援はしてきている わけですけれども、実際問題として30年も40年も献血奉仕をやってきてなかなか実態が 我々の考えと違ってくる形がありました。献全協の設立総会のときに、国から国会へ提 出された新血液法案に、私どもがかねてより提唱してきました国内自給ということが全 然うたわれておりませんでしたので、総会の席へ緊急動議として決意書を提出し、全会 一致で国内自給を法案に盛り込むよう、決議していただきました。100%ではないにし ても、我々がこれから献血推進のお手伝いをしていく上で、必要な国内自給を始めある 程度法律に入れていただけたらと思うわけです。逆に我々の方としてもそれだけ責任は あるわけです。  そのほか、全国の中央連絡協議会等がありましても、お役所の方でただお話を聴くと いう程度にしか我々は参加してみて思わなかったわけでして、実際問題何回やってもや はり結論は出してあげないといけないのだろうと、やはりいろいろなことをこの推進協 議会が推進していきたい。また、いろいろな問題につきましては、一般の我々の業界、 産業の業界と同じように献血推進の議員連盟をつくっていただいて、我々がお役所に申 し上げても通じない問題は、衆議院、参議院の先生からも押していただこうではないか ということからなっております。しかし、この議題にあるようにダブるものが随分ある と思います。なるべく早くまとめ上げていって、こういう中央連絡協議会など、又は地 方の推進協議会と同一な行動ができるような、場合によってはお役所にお願いして一本 にまとめてもらうような方法も考えているわけでございます。この1年間はとにかく血 液新法の成立に努力をするということで終わっておりますが、国内自給ということを高 く法律にうたっていただいた以上は、きちんとした方法を考え、また輸入の血液製剤な どについてはやはり事故も多くいろいろと問題も重なってきていますから、やはり何と か国内自給で日本人の生命は守るという形で持っていければ有り難いと。そう言って も、100%それが可能であるかどうか分かりませんが、そういう努力もしてみたいと思 います。いずれにしても、安全な血液がきちんと患者さんのところへ必要量届くような 形、こういう形を我々も一つ側面から応援していきたいと思いますが、いろいろな意味 では先生方にも御支援いただきながら推進をさせていただければと思っております。以 上です。 ○溝口部会長  都道府県の枠を越えた推進供給体制、これについて何かありますか。 ○血液対策課長  この献血推進計画にどういう盛り込み方をするかという問題につながるかと思いま す。私ども、計画というのはより具体的なことを書き込んで、具体的に実施できるもの と。ということで、今回は一つの結論があるものを中心に記述していくということに、 努めて書いたものでございます。現在やっていることを羅列しておりまして、そういう 意味では新味がないという御批判もあられるかと思います。都道府県の枠を越えた計画 というのは重要なことですが、では具体的にどうやるというものがあって計画に書き込 めるのではないかと思います。表現上工夫できる余地がありましたら工夫したく思いま すし、重要なことですが、法律や基本方針、計画という三層構造の中での計画というも のは、具体的なものを記述するところであるという認識で今回のものを作らせていただ いております。  実は来年度の法に基づく正式な献血推進計画を作るときには、時間的な余裕をもう少 し頂きまして、この事業部会の考え方がより反映できる成熟度の高いものを作りたく思 っております。俗な言い方をしますと、今回は慣らし運転的な献血推進計画でございま して、国が出した方針を受けて次は各都道府県に献血推進計画を県レベルにブレークダ ウンしたものを作ってくださいという形で、都道府県に更に慣らし運転をしていただく と。しかも4月から新しい年度が始まるものですから、なるべく早くこれの通知を出し て都道府県に具体的なものを書いていただこうという考え方を持っております。そこに 都道府県の枠を越えたこと、かつ具体的な結論がないものを書き込みますと、都道府県 が次の作業ができないということにもなります。来年度の献血推進計画、法に基づく献 血推進計画の課題としていわば私どもへの宿題として今の御意見を頂きまして、今回の 慣らし運転的献血推進計画にはそこのところをもう少し具体的に書き込めるようになら ない限り、書くのはちょっと遠慮させていただけたらと思っております。 ○溝口部会長  大平委員、どうぞ。 ○大平委員  案では国の責任というのがかなり明確に提示されているので、今回は国がきちんと血 液法に基づいて献血推進計画を進めていくというところでは、かなり書き込んであるの ではないかと思っております。  また、今回の15年度の献血推進計画ですけれども、15年度をにらむ中でやはり将来的 に5年、10年の見直しという形で、きちんと将来性を見据えた献血推進というか、今の 献血の在り方がどういう形がいいのか。また、地域的にもどういう形がいいのかという ことも含めて、研究体制のような形できちんと研究をしていただくと。そして、4ペー ジに書いてありますが、献血者登録制度や希少血液の確保、複数回数のリピートドナー の確保といった形をどういうふうに今後持っていったらいいのか。本当に街頭献血だけ で献血はきちんとこれからも行い得るのかどうかというところも、ここで調査をするこ とが必要であるなどといろいろ書いてありますので、是非きちんと研究対象として調べ ていって、少子化などのいろいろな懸念がありますので、献血がきちんと確保されるよ うな将来方向を国にきちんと調査していただけたら有り難いと思っております。 ○溝口部会長  ありがとうございました。小幡委員、どうぞ。 ○小幡委員  資料Bの3ページでございますが、私の専門領域でも例えば献血者の個人情報の保護 でありますとか、献血者に生じた健康被害の救済の在り方等が入っておりまして、こう いうものを正に進めていただきたいと思います。  一点、次の「(2)血液検査による健康管理サービスの充実」というところでございま すが、従来献血を健康診断代わりには使うなと言われています。他方でせっかく調査し たのであれば、それは通知してほしいという思いが当然ある方もたくさんいらっしゃる し、それが一種の動機にもなるかもしれないという意味ではこれはこれでよろしいと思 うのです。これは希望しない人にも通知することが必要であるという言い方ですが、つ まり要らないという自由はないのかなというのがちょっと素朴な疑問なのですが。献血 制度の非常に大きな在り方にまで結び付けなくてもよろしいのですが、この健康管理サ ービスの充実を図っていくという意味がどういう方向に行くかということで、例えばい わゆる裸の検査データだけを送付して、それを持ってお医者さんに行って気になること があればという話だろうと思いますが、ちょっとその辺りのことをお聞きできればと思 います。 ○溝口部会長  通知する必要があるとするのではなくて、希望者には通知するぐらいにした方がいい かということでしょうか。先ほどの健康診断代わりに使わないというのと矛盾するとい うことでしょうか。ここはどうしますか。 ○血液対策課長  ここも現状を記述しているところですが、問診のときに結果通知を希望するかしない かという欄が現実にございます。また、冒頭に言われた健康診断目的うんぬんというの は、感染症の検査目的では御遠慮くださいという言い方を常にやっておりますが、一般 的な健康管理に役立ててくださいと、それ以外はスローガンとしていつも言っているこ とでもございます。ただ、感染症の検査目的は駄目ですが、それ以外については健康管 理のために役立ててくださいという、一般に広報するのはやや難しいのでいろいろな混 乱が出ているかとは思いますが、基本的にはここに書いていますように、健康管理サー ビスを充実させて各々の人の健康管理に役立ててくださいという基本的なトーンは変わ っておりません。 ○溝口部会長  健康診断が目的としないというのは、感染症の検査を目的とした献血だということで よろしいですね。ただ、希望しない人に教えるかどうかは前もって希望は聞いていると いうことでよろしいですね。 ○小幡委員  現状ということですね。要するに、これから更に充実していくという方向を示してい るのではないということですね。 ○血液対策課長  方向も若干示しているのですけれども、現状を主に記載しているということです。 ○溝口部会長  よろしゅうございますか。中村委員、どうぞ。 ○中村委員  今小幡委員もおっしゃったことですが、一点目は資料Bの3ページの(2)の(1)で、 「献血者の個人情報を保護するとともに」という記述がありますが、これも現状を記述 したという理解でよろしいですか。あるいは更に何か加えて新たな対策を採られるとい うことでしょうか。  二点目は同じ3ページ上の「(5)若年層の献血への理解を深めるための普及啓発」で、 ここは高校生への啓発だと思うのですけれども、具体的にどういう対策を採られている のでしょうか。「国は」と書いてあるのですが、厚生労働省ではなくて文部科学省への 働きが何かあるのかどうか。あるいは都道府県レベルでは教育委員会、市町村レベルで アクションを起こしているのかどうか。具体的に厚生労働省から教育委員会への働きか けがあるのかどうかということ。それから高校生については学校での検診がありますけ れども、その際に組み合わせてやることが法的にかなり厳しい面があるのかどうかとい うこともお聞きしたい。  ついでですが、4ページの「(3)その他関係者による取組」で職域への拡大というこ とが読み取れるのです。これも春夏の定期健康診断について法的に定められているので すが、これと献血とを組み合わせることが法的に可能かどうか、あるいはそういうこと をやられている職場があるのかどうかをお聞かせいただきたい。 ○血液対策課長  まず全体のトーンですけれども、現在やられていないからやるようにという書き方を しているものではございません。どの項目もそうでして、これはうがった見方をすると 現在採血事業者がやっていないのでけしからんから書き込んだという見方をされると非 常に不本意で、基本的には現在やられていることを書いております。確認のために書い ているというトーンで全体ができておりますので、個人情報の保護に関しても現在最大 限の個人情報保護に配慮しながら採血業者はやっておられるところでございます。た だ、大事なことなので記載していると。ほかのも同じようなことで、現在やられていな いので記載しているというわけではございません。強調すべきところを強調していると いうことで、全体の計画は書かせていただいております。  高校生献血につきましては、4ページの「(7)採血基準の在り方の検討」と非常に絡 んでくるのですが、若年者献血を推進したくても高校生は200cc献血しかチョイスが与 えられていないと。ところが、医療機関の現場では200ccの輸血の需要がないので需要 のミスマッチが起きるということで、高校生をターゲットにした思い切った献血推進活 動ができていないという実態がございまして、これは採血基準の在り方の検討を急ぐこ とで解決策を見いださなければいけないと認識しております。若年者に献血を呼び掛け て理解を深めるというのは、今後のほかのことにも関連して非常に大事なポイントであ りますが、肝心のそれを進め過ぎますと需給のミスマッチが起きてしまうという別の側 面の問題が出てくるというところで、採血基準の改正を急ぐことで次の解決策が出てく るのではないかと思っております。その中で需給のミスマッチが起きないように工夫に 工夫を重ねながら、各都道府県はやっておられるというのが現状であるかと思います。  職場と学校両方に共通したことなのですが、あくまで献血というボランティア行動は 強制できないというところに推進時の一番の配慮がございます。ややもすると強制的雰 囲気を持って、余りにも熱が入り過ぎますと生徒さんや職場の方々に、献血をしないと 何となくいけないことのような雰囲気が醸し出されて、実質的な強制になってしまうよ うになることを慎重に避けながら、そういう職域、学校での献血推進活動を進めている ところでございます。ですから、教育委員会に対する働き掛けにつきましても、基本的 には献血活動又は日本赤十字活動についての理解を深めるという形でのアプローチをや っております。アプローチが過ぎますと、是非とも献血をやるべきであるという形にな りますので、そこのところは献血というボランティア意識をいかに高めるかというとこ ろに力点を置いて、職域、学校においては慎重にアプローチを進めているところでござ います。法的にどうかというのは基本的には職域ですけれども、職域の事業主さんの考 え方でやられることであるかと思いますし、歴史的にはそういう形で献血推進がなされ てきた歴史もございます。 ○溝口部会長  ありがとうございました。三星委員、どうぞ。 ○三星委員  この若年層の献血の理解を深めるということでございますが、今年度で16〜20歳まで で700万人以上の男女の人口があるわけです。21〜25歳まで見ましても800万人以上いる のです。それでいながら、現実には高校生さんに献血していただいた数は昨年で91万く らいです。我々も十分援助しますが、少子高齢化の時代を迎えていることは間違いない のですから、お役所にこの点について真剣にやっていただければ、我々献血奉仕団体は そういう考えの下におりますので…。たまたま明日は全国の奉仕団体の会議がありまし て、そこでも学生さんにお願いしようと思っておりますが、是非お役所の方が真剣にな ってこれに取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○溝口部会長  橋委員、どうぞ。 ○橋委員  今の高校生への普及のことですが、職域と同様に考えるべきではないと思います。献 血を強いることはもちろん怖いことであってはならないことですが、こういう献血が必 要な状況があるということを是非…。この「テキスト」と書いてあるものが補助教材と して使われて、授業としてこういう社会的な医療、通常の医療ですと献血者がいて輸血 を受ける方がいるとか、移植ドナーがいて移植を受ける人がいるというパターンではな くて、病気になった方が医療機関を受診して治療を受けるということで閉じているわけ です。輸血あるいは移植のようなものは、社会的なドナーがいて成り立つという側面の 医療ですので、これを高校生の段階までに一度しっかりした知識を身に付けさせるとい うことがその方々の世代にとっても非常に重要だと思うのです。ですから、この書き方 ではまだちょっとどこまでやるのかが不確かなので、是非補助教材として、できればオ プションでも結構ですから授業としてこういう問題を取り上げてもらうような形にする のがいいのではないかと。高校生献血自体はそれを理解した方が自発的にやるというス タイルを、どこへ行けば献血ができるという情報を伝えてくだされば十分ではないかと 思います。 ○溝口部会長  大体そのようなところでよろしゅうございますか。池田委員、どうぞ。 ○池田委員  リピートドナーからのドネーションの推進ということが挙げられて、これは非常に大 事なことだと思うのですが、これは具体的に大体どの程度のパーセンテージをお考えに なっているか、あるいは目標値というものを今後どういうふうに設定していくのでしょ うか。現時点でリピートドナーに由来するようなものは何%くらいで、それはどのぐら いのところに持っていけば適正かという議論が恐らくなされなければいけないのではな いかと思うのですが、その辺は何かございますでしょうか。 ○血液対策課長  数字が出てきましたら後ほど御紹介いたしますが、この複数回献血は現在検討会を動 かしているところでございまして、そちらの検討会の方でより具体的な検討を進めたく 思っております。 ○池田委員  それからもう一つよろしいですか。原料血漿の確保で平成15年度は108万L…、今年は 一応試しということでこういう数字が挙がっているのですが、血漿分画製剤に関しては γグロブリンを赤十字が製造するという方向性を打ち出しているように理解しているの です。しかし、そういうような計画と国が原料血漿を確保する程度というのを、どうい うふうに整合性を持ってやっていくのかという点について、今回は余り考慮はされてい るわけではないですよね。そういうふうに考えてよろしいですか。 ○血液対策課長  需給調査会という調査会をまた別個に設けまして、より具体的な検討をやらせていた だくことになるかと思いますので、基本的に各都道府県の実績を積み上げたものをベー スに、都道府県が計画を作りやすいものを念頭に置いてやっておりますので、これにつ いてはそれを考慮したものでございます。  なお、日赤のγグロブリン計画は、いずれにしても将来の年度の話で15年度に反映す るものではございません。 ○溝口部会長  比留間委員、どうぞ。 ○比留間委員  先ほどのところでお話しすればよかったのかもしれませんが、3ページの「(2)血液 検査による健康管理サービスの充実」というところで、例えば希望されない方には言わ ないという点はあると思うのです。今までも例えばウイルス問題とかその方の健康に重 大な意味を持つ結果が出た場合、これは医師の責務として言わざるを得ないということ もあると思うのですが、今後国は採血事業者にこれらの取組を支援するものとするとい う記載があります。例えばそういった献血者のウイルス陽性者に対する告知の問題、こ れに関して国はどういうふうに責任を取っていくのか。血液センターも現場で苦労して いるのではないかと思いますが、その辺について教えていただければと。 ○溝口部会長  遺伝子研究でも同じことがあるのですが、希望しない人には教えないけれども、重大 な影響のある場合は積極的に教えるということになっています。その辺は前もって行う インフォームド・コンセントかなと思うのですが、どうですか。 ○血液対策課長  告知の問題はかなり歴史の古い問題でして、項目ごとに検討を重ねて例えばHCVの 告知は昨年の4月からやっと体制を整えて告知をするようにとか、HTLV-1はどうだとか HIVはどうだとか、ウイルスの性状ごとに告知の仕方をどうするかというのを別個議 論を重ねているところでございますので、統一的な見解というのは出せません。統一的 な見解は出せませんとしか言えませんが、基本的には希望する方には教える、希望され ない方には教えないところが基本になるかと思います。  次が検査目的の献血をいかに避けるかというところにかかってくるのですが、ではど の項目についても希望する人には教えるのかと、又は教えるということで推進するのか というと、これはやり過ぎますと検査目的の献血が実際上増えてまいりますので、その 方法論については苦慮しながら検討を重ねているところでございます。 ○溝口部会長  比留間委員、どうぞ。 ○比留間委員  極めてあいまいでよく分かりにくい答えだと思うのですが、やはりこれは告知する環 境を整えてからやるべきだというのが原則だと思います。ただし、それでも命にかかわ ることを発見したら、やはりそれは知らせるべきだという方針の下で環境を整えつつや っていくという方向であるべきだと私は思います。 ○溝口部会長  花井委員、どうぞ。 ○花井委員  告知の話題が出たので重ねての発言になりますけれども、今の課長さんの説明は確か にあいまいなのですが、献血受入事業者にしてみればウイルス感染をしたドナーの方に は二度と来てほしくないということになるのです。そういう意味では、動機付けとして は献血しないでほしいというのが伝えたいことになるわけですが、患者の視点から立て ば自分が新しい感染症に罹患したことを知る、いわゆる医療上の告知の環境であるわけ です。この利益が若干違うがゆえに、今課長さんが言われたようなあいまいなところが 論点として出ているのだと思うのです。ですから、感染症の患者さんに対する告知環境 というところは、やはりまずは国の方がかなり政策的にやらないと、当然受入れしてい る方は逆に安全な血液を供給するという責任の下でやっているわけですから、HIV感 染した人が、例えば本人が希望しなくてももう一回来られては困るわけです。ですか ら、当然そういう動機付けがあってしかるべきですし、やはりそことの整合性という意 味で言えば、採血受入業者にそれをお任せするのではなくて国がある程度サポートしな いと、そこは動機付けが違いますので難しいのではないかというのが一点です。  ついでにほかの件もいいですか。今回の献血推進計画のたたき台については、献血推 進の主体というものが今まで結構あいまいなところ…、もちろん赤十字社はあくまで受 入れだけだということが閣議決定以後ずっと来てはいるのですが、これは国が自主的に 主体となってやるということが書かれているという意味で、かなり評価できるのではな いかと思います。それに加えて、結局国がやるということは予算立ての問題とリンクす るわけで、先ほど大平委員の方からも発言がありましたが、献血を推進若しくは献血に よる国内自給は輸血用血液製剤は今達成しているわけですが、こういった状況を今後も やはり維持していくためにどういう施策が必要だということは、研究としてそれほどな されていなかったと思うのです。ですから、国の予算スキームというものは、いろいろ な法に基づくもののほかにもいろいろな予算スキームを持っていて、組み合わせること によって国全体として政策というものは成り立つとなっております。具体的には、5ペ ージの必要な措置に研究等ももうちょっと書き込めれば、予算措置が付けやすいのであ ればそうすべきだというのが一点。  それからもう一点は、ちょっと細かい話なのですが、3ページの「(3)献血者の利便 性の向上」で、表現として「立地条件等を十分考慮して採血所を設置するとともに」の 前に、「効率的に採血を行うため」という言葉が入っています。これはこれでいいので すが、ここに「効率的に採血を行うため」と入れてしまいますと、例えば一つに立地条 件というのはそこに集まる献血者の質…、例えばアメリカなどでは既にハイリスクなと ころにはプラスマセンターを置かないという発想もあるわけです。日本ではまだそこま では至っていないとしても、「立地条件」の前に「効率的に採血を行うため」というこ とを書いて効率性だけを頭に載せてしまうと、効率的に量を集めればいいのだというニ ュアンスが勝ち過ぎるので、効率性を言うにしても「立地条件等を十分考慮して採血所 を設置するとともに」に全部かからないように、採血者による採血と献血者の利便性と いうところにかけてうまく書いた方が…。字面としても、効率採血のため立地条件等を 考慮しろというのは、献血を集めるという意味では余りにも功利主義的なニュアンスが 強過ぎるのではないかと。  それからもう一点、含みとして立地条件というのは効率性だけでどんどんやっていく と、それは必ずしもいい採血所になるとは限らないという含みも考えますと、ちょっと 表現を変えた方がいいのではないかと。以上でございます。 ○溝口部会長  誤解があれば変える必要があると思います。やはり効率の中に質もあるのではないか とは思いますが、どうですか。 ○花井委員  効率の中に質が入るのであればそれは構いませんが、採血と効率というのはニュアン スとしてそれほど親和性が高くないとも言えますので、もうちょっとうまい表現があれ ばということでございます。 ○溝口部会長  大分御意見が出たところですが、議題があと四つございますので、この辺で推進計画 については終わらせていただきたいと思うのですが…。菅谷委員、どうぞ。 ○菅谷委員  こういう問題の一番のポイントは、やはり現場に真実があるということです。ですか ら、実際に現場に携わっている人たちの意見をきちんと収集して、それを基本に酌み取 っていくということが一番大事なので、そういうことができるようにやはりきちんと体 制をとった上で、そういうところでの意見をきちんと把握して文書にしていくかが一番 大事なので、これからでも遅くありませんから、これはそういうつもりでまた考えてや っていただきたいと思っております。 ○溝口部会長  事務局、よろしいですか。 ○血液対策課長  15年度計画ですので、できましたら座長に預かっていただいてということを考えてい たのですが、4月からもう15年度が始まりますし、また現場の意見を踏まえてという御 意見も出ましたので…。  それから清水先生の御意見の、都道府県をまたがったことを国が検討すべきであると いうのも何らかの形で記載に入れたいと思いますので、本日出た御意見を最大限しんし ゃくいたしまして、事務局の方で案を作らせていただいて次回のこの部会で再度議論し ていただきます。なるべく早く通知を出したいという私どもの意思は変わりませんが、 年度内に出さなければいけないという考え方は改めさせていただきまして、また次回も う一度議論していただくということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○溝口部会長  よろしゅうございますか。小幡委員、どうぞ。 ○小幡委員  告知の話が出ましたが、私が先ほど申し上げたことと重なるので一言だけ…。いずれ にしてもどう決定されても構わないのですが、要するに献血をなさる方御自身が通知を 要らないと言ったのに通知が来るという可能性があるのであれば、こういう場合にはそ うであっても来ますということをあらかじめ明示しておく必要があるということで、そ こは少なくとも必要ではないかと思います。 ○溝口部会長  私もそれはすべて前もってここで了解を得ておくことが必要だと思います。いずれに しましても、大変熱心な御意見が多数出ましたし、今課長が話されたように委員の御意 見、あるいは現場の御意見を聴かせていただきまして、事務局で修正して次回の部会で 再度議論していただくことにいたします。  では議題2に移らせていただきます。議題2は、「輸血用血液の製剤ラベルへの表示 に関する生物学的製剤基準の一部改正について」です。本議題は、医薬品第二部会の所 掌する事項でありますが、血液製剤でございますので本部会で御議論いただくものとさ せていただきます。では事務局から御説明願います。資料はDですか。 ○事務局  資料Dに基づきまして、「輸血用血液の製剤ラベルへの表示に関する生物学的製剤基 準の一部改正について」ということで御説明させていただきます。  現物を見ていただいた方が分かりやすいと思いまして、この資料以外に現物の方を御 用意させていただきました。この輸血用血液製剤ラベル、輸血用血液の直接の容器に記 載すべき表示事項というものは、薬事法の第50条に規定されているほか、生物学的製剤 基準という基準の中においても記載されているところでございます。今般、日赤の方か ら生物学的製剤基準(生物基)に規定されている輸血用血液製剤ラベルの記載事項と、添 付文書の記載事項を見直しまして、そのうち製剤ラベルに記載する必要がないと考えら れる事項については削除してほしいという要望書が出されております。生物基に規定さ れている製剤ラベルへの表示事項を見直す背景といたしましては、昨年度の改正薬事法 に基づいて今年の4月から施行される部分がございます。その施行に伴いまして、この 直接のラベルには特定生物由来製品を意味する「特生物」という3文字の言葉を記載し なくてはいけないということ。それから献血、非献血の別を記載すること、さらに献血 国を記載するということになっております。  その一方、直接のラベル表示以外に製剤には添付文書というものでの情報提供が行わ れております。実物を見ていただきますと、この黄色いラベルが直接の容器に表示され ているものでございますが、これと同時にこの後ろ側に一つのバッグごとに一つずつ添 付文書が付いているという状況でございます。私どもとしましては、こうした日赤の要 望を受けまして、そもそも直接の容器に記載すべき事項と、直接の容器に記載する必要 性が少なくて添付文書の方に記載すればよい事項とをもう一度見直しまして、お手元の 資料Dの「別紙1」のとおりの対応案を現在考えているところでございます。  では「別紙1」に基づいてその対応案について御説明させていただきます。日赤の要 望としましては、全部で五点出ております。まず一点目ですけれども、製造所の名称及 び所在地を削除したいというものでございます。これにつきましては、私ども事務局と しては要望どおり直接の表示事項から削除してもいいのではないかということで考えて おります。具体的には、この実物を見ていただくか、あるいは次の「別紙2」のところ にラベル部分を拡大したものが資料として付いているかと思います。要望の1といいま すのは、ラベルの一番左下のオレンジ色のところにございます。その上に製造元所在地 と、これは薬事法で記載することが義務付けられておりますが、その下の製造所所在地 の部分を削除したいということです。これについて削除してもいいのではないかと考え る理由としましては、そもそもこの直接の容器には製造番号として、「別紙2」の右の 中ほどくらいに「A型01-0820-6022」という番号がございます。これは製造番号なので すけれども、この製造番号の最初の2けた、「01」というコードが「センターコード」 と言われておりまして、この2けたの数字から全国のどこの血液センターで造られてい るかが分かるというものでございます。したがいまして、要望の1でこの製造所所在地 を削除したとしても、仮に何らかの問題があった場合に最初の2けたの数字から遡及調 査が可能であるということを考えまして、この点については削除をしてもよろしいので はないかと考えているところでございます。  それから要望の二点目ですけれども、血液保存液及び赤血球保存用添加液の製造番号 の削除ということで、これについては「別紙2」で行きますと右下に四角で囲ってあり ますが、ここの中の製造番号について削除したいというものでございます。現物の方で 行きますと、実際のラベルをめくっていただいた裏側のところに付いているものでござ います。これにつきましても、事務局といたしましては要望どおりに削除してもよろし いのではないかと考えております。その理由としましては、実際各血液センターで採血 業務を行う際に採血記録というものを取っておりますが、その採血記録の中には輸血用 血液の製造番号、すなわちこの製剤の本体の番号とともに、血液保存液あるいは赤血球 保存用添加液の製剤番号も記載されているということでございますので、仮にこの部分 を削除したとしても本体の製造番号から遡及調査が可能であるということを考えて削除 でもよろしいのではないかと考えている次第でございます。  それから要望の三点目ですけれども、赤血球保存用添加液の成分及び分量について今 記載しなくてはいけない事項になりますが、これは名称のみとして成分及び分量につい ては削除したいという要望が日赤から出されております。こちらにつきましては、私ど もとしましては現行どおり削除はせずに、この赤血球保存用添加液の名称、成分及び分 量すべてこのまま記載していただきたいということを考えております。これは具体的に は「別紙2」の黄色い部分でございます。赤血球保存用添加液がここで挙げられており ますが、実際にここで例として挙げられておりますのは人赤血球濃厚液というもので、 この中に入っている添加液でございます。したがいまして、この添加液は輸血の際に患 者の体内に投与されるというものになります。特に赤血球保存用添加液の成分のうちD -マンニトールなどは、腎障害の患者さんに投与する場合には慎重に投与しなくてはい けないというものでございます。したがいまして、やはり成分及び分量についても、輸 血の際に医療従事者にきちんと情報提供する必要があると考えられますので、このまま 現行どおり削除せずに記載する事項として残したいと考えております。  それから要望の四点目でございますが、現物でいいますと本体ではなくて、こちらの 「セグメントチューブ」と呼ばれているチューブの記載事項について定められている事 項のお話がございます。こちらのチューブといいますのは、実際に輸血の際に患者さん に投与されるものではございませんで、輸血の前に患者さんと血液との適合性を確認す るための試験に用いるといったものでございます。日赤の要望としては、このセグメン トチューブ内の試験用血液、あるいはセグメントチューブ内に試験用血漿が入っている 製剤がございます。そこの部分の血液保存液の名称、及び分量若しくは割合、また赤血 球保存用添加液の名称、そもそもの輸血用製剤の製品の製造番号をすべて削除したい と。そのかわり、直接の容器の表示事項として血液保存液を表示するということが出さ れております。この部分につきましては、私どもとしては先ほど申し上げたとおりセグ メントチューブ内の試験用血液、あるいは血漿というものは輸血前の交差適合性試験に 使用するもので、直接患者の人体に投与されるものではないということ。したがいまし て、分量若しくは割合まで直接のラベルに記載する必要は少ないのではないかと。この 部分については、添付文書に記載するということで問題はないのではないかと考えてお ります。したがいまして、「別紙2」で行くと水色の部分のお話ですが、「試験用血液 :原血液(ヒト血液400mLに対してACD-A液を60mL混合)」とある括弧内の部分は削除 してもよろしいのではないかと。ただ、原血液由来のACD-A液が試験用血液の中に 含まれていると、そこの名称の部分だけは残しておくという案を考えております。  それから要望の五点目ですけれども、日赤から出ておりますのは血液製剤総則8に基 づく表示事項の削除ということですが、これについては私どもとしては現行どおり記載 をしておく必要があると考えております。「別紙2」のコピーにピンクの部分がござい ますが、輸血用製剤を使う際の注意事項として生物学的製剤基準の血液製剤総則8に規 定する輸血用器具を使用するということが記載されているわけでございます。やはりど ういった器具を使用するかにつきましては、輸血時の重要な注意事項であると考えられ ますので、現行どおりこの部分については製剤ラベルに記載をして残すというふうに考 えております。  今御説明いたしましたのが、五点の要望と事務局が考えている対応案でございます。 参考までに、具体的に生物基にどう反映されるかということにつきましては、資料Dの 4ページが新旧対照表になっておりますが、現行こういった記載を右側の「改正案」の 方に直すということが具体的な生物基での改正になっております。一枚めくっていただ きまして、5ページからはこの改正案に基づくとこういった形になるということで、ヒ ト赤血球濃厚液を例として挙げております。また、本日一枚配付させていただいており ますが、輸血用血液製剤ラベルのレイアウト案ということで、これは事務局ではなく日 赤の方で作成しているものでございますが、私どもの事務局案を受けた場合に実際にラ ベルがどういうふうに変わるのか、あくまでも参考ということです。左が現行のもの、 右が変更後のものということになりますが、こういったものが日赤の方から出ていると いう状況でございます。以上です。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。一つ一つやりましょうか。両方一致しております が、一番上の1は厚生労働省の案でよろしゅうございますか。ではそういうことでお認 めいただいたことにします。大平委員、どうぞ。1で何かあるのですか。 ○大平委員  輸血用製剤ですけれども、輸血の前と輸血をしている最中と輸血後の問題と三つある と思うのです。私たちは輸血を受けている最中の問題と、輸血後の問題があると思いま す。やはり一番ここで私たちが懸念しますのは、製造元は日本赤十字、日本国内で造ら れるということでそれは分かるのですが、製造所がそこから抜けてしまうということ が、やはりどのエリアからの献血者のギフトかが私たちから見えないというところがあ ると思います。それは血漿分画製剤のところで、ラベル表示の問題で私たちもいろいろ お願いして実現していただいたところでありますが、本来ならば血漿分画製剤も国だけ ではなくて、例えば米国でしたらどの州というところまで本当は記載してもらいたかっ たというところがあります。ですから、そういった問題も私たちユーザーとしては知り たいというところがありますので、私たちも昔輸血をしているときにやはり瓶を見なが らこれはどこのものかなという感じで、そういうものを見ながら点滴で治療を受けてい たというときもあります。ですから、何でも削除していくというところでは、今の消費 者へのラベル表示というか、情報を提示するというところではやはり逆行するのではな いかと思います。ですから、そういった面でそこは再考をお願いしたいと考えておりま す。 ○溝口部会長  花井委員、何かございますか。 ○花井委員  今大平委員のおっしゃった御意見とほぼ同じなのですが、先ほどの事務局の説明によ ると「A型」の後の01センターコードで遡及可能だということですが、表示をするかし ないかというのは、遡及可能かどうかで決めるのであればそういう議論はもともとない わけであって、やはりユーザーがそこでその情報に直接触れてどういう意味があるかを 基軸に考える必要があると思うのです。そうした意味では、今センターごとに表示して いることが必ずしも採血地そのものを表示していることにはなっていないとは思います が、今までできているのであればどこの地域の血液かがユーザーから見えるのであれば 残してほしいというのが私どもの意見です。ただ、コストとベネフィットというものを 考えなければいけませんので、これを削除することによって一体どれだけのコストがと いうのも多分あって赤十字の方は言っているのだと思いますので、そういったところは 膨大なコストがこれで掛かるのだということであれば、それとの兼ね合いというのを考 えることが必要でありましょうが、基本的に今まで表示できているのであったら、患者 の立場から言えばそのまま残していただいた方がいいのではないかと思います。 ○溝口部会長  三星委員、どうぞ。 ○三星委員  世の中がどんどん変わってきていますよね。ましてや日赤さんも今合理化、合理化と やっているところですが、献血をやっていただける皆様も行動的で範囲が広くなってき ています。例えば東京で献血されている方が九州に行っても献血することが当然あるわ けでして、日赤さんの方ではそれに対しては十分に、10年間も保存しながらやっていま すから、何か問題があればそこで当然分かることで、今の御説明で1と2は中身につい てのことではありませんし、これは削除しても…。3などは削除しないとかきちんとや っておられるようですから。大平委員、これはどうですか。この辺のところはある程度 合理化の中の一つとして、日赤が製造元であることは間違いないわけですし…。 ○大平委員  そういう問題ではないのだろうと思います。やはり今は野菜などの問題についても、 どこのだれが作っているといったところの表示で、ユーザーの選択が今一番問題になっ ているので、これが今後本当に不要なものであればそれでまた検討していけばいいかも しれません。今血漿分画製剤の非献血、献血の問題の表示もありますし、それから採血 地表示もきちんとするという方向で話が進んでいる中で、参議院でせっかく付帯決議を 付けていただいた中できちんとした表示をする。そして、ユーザーがいろいろな選択を していくという中では大変重要な問題だということをコンセンサスとして得られたとこ ろですので、私としてはそれは承諾できないので是非付けていただきたいと思っており ます。 ○溝口部会長  厚生労働省として何かございますか。 ○事務局  取りあえずこういった御意見があるということで伺いまして…、先ほど今後の予定を 申し上げなかったのですが、パブリックコメントを求めていきたいと考えておりますの で、そういった過程も踏まえて、当然今日御議論いただいた内容も踏まえまして、作業 を進めていきたいと思います。ただ、背景といたしましては、先ほど申し上げた改正薬 事法の関係もございますので、ラベルに直接記載をしなくてはいけない事項が更に増え たということで、余りにもそこに記載するべき事項が多くなってしまいますと、この実 物を見ていただきますとお分かりかと思いますが、大きな字とは言えないものが更に小 さくなってしまうと。ですから、やはり本当に必要な事項を直接の容器に記載すべきで はないかというところもございますので、その辺を踏まえて考えていきたいと思いま す。 ○溝口部会長  池田委員、どうぞ。 ○池田委員  大平委員や花井委員のおっしゃることは分かるのですが、やはりこの表示というのは 見やすいということが非常に大事だと思うのです。何でもたくさんあればいいというの とはちょっと違うと思うのです。やはり大事なものをきちんと入れるということが私は とても大事だと思うのです。野菜の話が大平さんから出たのですが、これはその製造元 あるいは所在地があって選択するべき問題とはちょっと違うと思うのです。ですから、 私は厚生労働省の案で差し支えないのではないかと思うので、この点はどの血液も同じ であるという視点に立って、どこから来たからこれは嫌だという問題とはちょっと違う のではないかと思いますし、厚生労働省のおっしゃるとおりやはり見やすいということ は非常に大事だと私は思います。この表示は非常に見にくいですよね。やはり重要な情 報をきちんと伝えるということから、余りいただけるものではないのではないかと思い ます。 ○溝口部会長  事務局から先ほどそういう御意見がありましたが、パブリックコメントを求めるとい うことでありますので、そういう方向にしたいと思います。  御意見がなければ2はこのままでよろしゅうございますか。3は現行どおり厚生労働 省の御意見でようございますか。4はほぼ同じ御意見で、血液、保存液の分量若しくは 割合を削除するということでよろしゅうございますか。5は削除しない、これは厚生労 働省の御意見でよろしいですか。特に1に関してはパブリックコメントを求めるという ことでよろしゅうございますか。エンドユーザーの御意見は非常に強いものですから …。橋委員、どうぞ。 ○橋委員  このことと直接は関係していないかもしれませんが、下の方にセグメントチューブに 付けるラベルがございますけれども、これで通常本体と間違いないと確認していると思 うのです。このバッグの製造番号というものはセグメントチューブに書かれているよう ですが、例えばここに書いてある「X83C4465」というものがセグメントチューブの台に バッグを造った段階で付されているのです。これと同じものを本体のどこかに印字して おいてもらうと、二重に番号を確認できるのではないかと。あるいは、これがもうユニ ークではなくてこの番号のものが非常に多数出回っていれば駄目でございますが、よく セグメントチューブがはがれかかるといったときに非常に迷うのです。ですから、本体 とこのセグメントチューブのもともとの番号がそれだけでも照合できるようにしておけ ば随分違うのではないかと思います。 ○溝口部会長  現場の意見を聴かないとこれこそ分からないのですが、どうですか。事務局から何か 御意見ありますか。新しい案でちょっと対応…、それはまた別の問題ですね。どうしま すか。主張されますか。 ○橋委員  いえ、そういう可能性があればそういう工夫もやっておいていただけたらと。 ○溝口部会長  伝えておきます。それでようございますね。それでは一応そういうことにさせていた だきます。清水委員。 ○清水委員  要望5の表現がちょっと変ですね。これはもう使ってしまっているのですね。「使用 すること」というのは使う前の話ではないかと思うので、「使用している」とか「使用 」とか、「使用すること」というのより「使用」で止めておいた方が文章の表現として は適切ではないかと思います。 ○溝口部会長  残すならそういうことにしましょう。 ○清水委員  使う前でしたらこれでいいかもしれません。ついでに先ほどの要望の1ですが、住所 などは要らないのではないかと私は思います。大体製造元と製造所が表示されていた ら、住所などは赤十字の場合大体分かりますから、薬事法の方との絡みがあるかもしれ ませんが、余り意味がないような気がします。実際に輸血を扱っているときに、現実的 な問題としてはこんなところを見たことがないですよね。 ○溝口部会長  大平さんはびんの記載を見ながら「輸血を受けていた」とおっしゃったけれども…。 この1のところ、献血由来になって日赤が輸血用血液を全部やっていらっしゃるわけ で、それに対する信頼は厚いということになれば、どこから採血したかということは個 人的には要らないと思うのです。それはパブリックコメントで聞かれるので、そういう ことでよろしゅうございますか。 ○大平委員  そうでしたら、バーコードのいろいろな表示の大きさとかそういうもので、もっと見 やすく簡便なデザインを選択していただいて、表示できるものをもう一度整理していた だけたら有り難いと思います。 ○溝口部会長  2〜5のところはお認めいただいたので、1のことを含めて清水委員の御意見も入 れ、バーコードのところを含めてもう少し見やすくしていただくという工夫をしていた だくということで御了承願いたいと思います。 ○岡田委員  付け加えますが、特定生物なので献血由来ということを明記する、現行には「献血」 という言葉がどこにもないですが。それはここには今回書いていませんが、新しい方に は一応入ることになっておりますので、それを患者さんにもすぐ分かるように…。どこ で造られているよりも、かえってこれは特定生物であって献血由来で採血国が日本であ るということを患者さんにやはりすぐ分かるようにした方がいいと思います。 ○溝口部会長  そのために場所を造ろうとしているわけで…。田中委員、どうぞ。 ○田中委員  パブリックコメントではありませんが、私の意見を。もしこの製造所というものが意 味があるとすると、今現在ドクターや患者さんがこれを基に拒否したりしているのでし たら、この場所は嫌だというのがないのでしたら別に意味のない情報だというのが正し い理解だと思うのです。先ほどの野菜の話は、確かにこの野菜は選ぶだろうけれども、 何々製造所は嫌だというのが今現在ないのでしたら、要らない情報と割り切ってしまっ た方がいいと思います。 ○溝口部会長  私の経験ではないですね。清水委員、どうぞ。 ○清水委員  今の御意見は、非常に重要なポイントを含んでいるのですね。今はだれがどう決めた のか知りませんが、医療機関は血液センターを選択できないのです。ですから、今のよ うな御意見になっているというのが現状です。場合によっては、医療機関が血液センタ ーを選択できるという選択肢もあっていいのではないかということも当然考えられるわ けです。今はそれはたまたまできないという、なぜそうなってしまったのかよく分から ないのですが、そういう問題もありますので、その辺も含めた議論をしておいていただ いた方がいいのではないかと。将来的なことかとは思いますが。 ○溝口部会長  輸血用血液製剤につきましては日赤が管轄して、その安全性についてはNATを含め て多くの努力をなさっているわけですから、そこをみんな信頼して、医師も製造場所は 問うことがありませんし、患者さんも問われたことはないですね。花井委員、どうぞ。 ○花井委員  一言申し上げておきたいのは、もちろん赤十字社が本社としてきちんと安全性を確保 して供給していることなのだからということはよく分かるのですが、論理の一貫性とし て今まで輸入の分画製剤に対して、やはり赤十字社が献血でやっていることの良さとい うことをいろいろな局面で訴えてきた部分があります。そういう意味で言えば清水委員 が今おっしゃられたことはすごく怖い議論で、そこには踏み込んでいいのかどうかちょ っと分からないのですが、国内でやっていることの安心感というところで、海外由来と は違った良さがいろいろあるというところがあるわけです。国内だから安全だという問 題ではないのですが、そういったところで赤十字が一貫して言ってきた趣旨から言え ば、赤十字がもしできるのであればそういうより多くの情報をユーザーに提供している ということの方が何となく一貫性のあるような気がするので、その辺はもしお願いでき るのであればそういう努力は続けていただきたいと思うわけです。ですから私どもとし ては、もし全部スペックとして安全で1か所で確認しているから大丈夫だという論理 は、私どもがずっと主張してきた論理とは違う論理なのです。プラズマというものをプ ロダクトとして合理化の中で多数の血漿プールに入れて、それは薬事法上のスペック確 保できた、これは全部ワールドワイドでいいのだという論理になってしまうわけで、そ ういった問題からすればやはりここは赤十字ならではの対応ということを期待したいと 重ねてお願いしておきたいと思います。 ○溝口部会長  方針としては、先ほど申し上げた方針でつまりパブリックコメントを求めていくわけ ですが、事情は以前とは変わっているということを御理解いただきたい。特に運営委員 会がつくられますし、血液事業部会は公開ですし、そこで常に感染症の問題は提示され ることが明記されているわけですから、その辺も十分御理解いただきたいと思います。  次に議題3に移りますが、2月に開催された医薬品等安全対策部会と医療用具安全対 策部会において、改正薬事法の施行に関して報告がございました。感染症定期報告制度 や患者さんへの説明など、当部会にも関係が深い事項でございますので、御説明をお願 いしたいと思います。安全対策課からよろしくお願いします。資料はEでございます。 ○事務局  資料Eに基づいて御説明したいと思います。お手元の資料を御覧いただきたいと思い ますが、2月7日の医薬品等安全対策部会、また2月13日に開催した医療用具安全対策 部会で用いた資料と同じ資料を今回御用意しておりますが、これに基づいて四つの事項 について御紹介させていただきたいと思います。この両安全対策部会は、いずれも薬食 審の下に置かれている部会でありまして、主に承認された後の医薬品あるいは医療用 具、そのほか薬事法で規定されている製品に関して、市販後における副作用や感染症、 個別の製剤を使った場合の感染症といった情報を的確にキャッチして、それに対する安 全対策をいかに講じていくかを広く取り上げる部会でございます。その中で説明しまし た四つの事項について御紹介させていただきます。  四つほど項目がございまして、表紙に資料を四つほどお示ししておりますが、一点目 は資料3-6、「患者への特定生物由来製品に係る情報の提供について」というものです。 二点目が資料3-7、「感染症定期報告制度について」ということで、この二つが生物由 来製品に関する制度の紹介になります。三点目の「医薬品・医療用具等安全性情報報告 制度について」という、資料3-8を用いた部分に関しては、生物由来製品に限らず医薬 品・医療用具といったものの安全に関する情報を広く報告していただく制度の御紹介で ございます。それから最後の3-9の関連で申し上げますと、これは「副作用・不具合等 報告の薬事・食品衛生審議会への報告について」の御紹介になります。時間が限られて いますので、ポイントだけの説明をさせていただきたいと思います。  まずは1枚おめくりいただきまして、1ページを御覧いただきたいと思います。こち らに「患者への特定生物由来製品に係る情報の提供について」というものがございま す。今回御用意いたしました資料は複数の資料を束ねておりますので、ページを2か所 に振っておりますが、右下のマジックで太めに書いてある右端のページを通し番号にし ておりますので、そちらを御覧いただきたいと思います。まず1ページには、今度の改 正薬事法において第68条の7ということで、特定生物由来製品に該当する製品に関して 医療関係者の方から患者に対して説明を行い、その理解を得るように努めるという条文 がございますので、その趣旨に沿って今後運用上どういうことを考えていくかという説 明になろうかと思います。1ページの2に書いてございますが、情報提供の内容として は薬剤の名称から始まって、用法・用量、効能・効果といったものから、(5)に書いて ありますような特定生物由来製品の特性ですとか、使用記録を残すような旨、それから 保管の問題、連絡先あるいは製品に関する情報源、製薬企業等が多いかもしれません が、そういった項目について御説明いただきたいということでございます。  2ページの「(参考)」で、どういう説明の仕方があり得るかということでモデルケー スを示してございます。これに必ず縛られるものではございませんで、イメージとして 御参考いただければと思いますが、製剤は個々の製品によって違いますが、ヒト血液由 来の成分を含有しているといった旨ですとか、二つ目の「・」でございますが、血液を 採取する際には検査を実施したり、あるいは製造工程での不活化処理といったことによ って安全対策を講じているけれども、製剤の特性をかんがみれば感染症伝播の危険性は 完全に排除できないといった旨。その次にありますのは、治療上の必要性を十分に検討 の上、最小限の使用にとどめる旨の説明。また、そのほかその下に書いてあるような事 柄について一応御説明いただくようなイメージではないかと考えております。これが一 応今度の薬事法改正でいうところの第68条7に基づく説明の部分でございます。  それから3ページを御覧頂きたいと思います。続きまして、「感染症定期報告制度に ついて」の御紹介をさせていただきます。これも改正薬事法において第68条の8で規定 しているものでございますが、そもそもの趣旨を簡単に御説明いたしますと、今さら申 し上げるまでもないと思いますが、生物由来製品に関しては感染症のリスクが否定でき ないという中で、その状態が潜在的に進行するおそれがあると。また、一定期間経過後 に顕在化するおそれもあるということが一つ特徴としてございます。そういう中で、ど ういう形で使われる際の安全を確保していくかでございますが、1枚おめくりいただき まして、4ページの一番冒頭に書いてあります「注」を御覧いただきたいと思います。 今回この感染症定期報告制度ができますと、2種類のアプローチの仕方で的確に感染症 の発生ないし、その状態を監視していこうと考えております。まず(1)でございますが、 感染被害が発生した個別症例あるいは研究論文というものがあれば、個々に一例ごとに 報告を求めております。これは従来から行っている制度でございまして、一例報告に基 づいて迅速な対応をこれまでも講じてきておりまして、今後もこういう形でさせていた だきたいということでございます。それとともに(2)でございますが、一例ごとに挙が ってきた情報だけではなかなかとらえきれなかった部分を、今回この感染症定期報告制 度の中で補っていこうというものでございます。感染被害が発生するか否かがなかなか 不明な段階が当然あるわけでありますが、そうは言いながらも感染症に関する最新の治 験、あるいは論文を常に定期的に集積し、その評価を行うことによって対策を講じてい こうということで、何か起これば一例の中でそれを解決していく。そして、何が起こる かなかなか分からない状態であっても、複数の情報を集めてそれを多方面、いろいろな 角度から検討することによって何かを見いだせたらその中で対応していくという両面か らのアプローチになろうかと思います。  この辺りの事務処理に関しまして、内容的には「別紙2」を御覧いただきたいので、 8ページをお開きいただきたいと思います。横長の表でございますが、こちらに「感染 症定期報告の審議会への報告の流れ」という資料がございます。まず右上に「医薬品・ 医療機器製造業者等」というものがございますが、こちらからまず感染症の定期報告の 書類が品目ごとに上がってまいります。これを厚生労働省の方で受け取りまして、主に 我々安全対策課で受けるわけですが、製剤の種類によっては血液対策課の方とも連携を 図るという扱いになります。そして、これらに関して報告を受けた厚生労働省が薬事・ 食品衛生審議会の方に諮りまして、安全対策部会あるいはこの血液事業部会でそれぞれ の観点での御検討をいただくというふうになると考えております。これらの審議はいず れも公開でやるということを考えておりまして、その中で幅広い観点からのいろいろな 御議論をいただければと思っている次第でございます。  恐縮ですが、4ページに戻らせていただきます。その下の3でございますが、一応こ ういった大きな制度の中でいろいろ細かい事項があるわけでございまして、報告の対象 となる情報というものと、5ページになりますが、国内外の文献の収集の方法、収集す る文献の範囲、報告期間のルールといったものをこれから順次整備していくわけでござ いますが、取りあえずポイントだけ御紹介いたします。まず(4)の報告のルールでござ いますが、報告の期間としては定期的に年2回、したがって6か月に一度という形にな りまして、そういった中での報告を求めていこうと考えております。そして、品目によ り感染症の発生状況といったその都度の事情に応じ、いろいろな御意見を審議会の方に 聴きまして、その報告回数はまた考えていこうといったことも含めて考えております。  戻りますが、「別紙4」で国内外の文献の範囲を載せておりますので、それを御紹介 いたします。10ページになります。これも横長でちょっと見づらい絵でございますが、 右側の少し小さめの「具体例」という絵を御覧いただきたいと思います。これはウシ血 漿を含有する製品の例でございます。点線で囲った範囲が収集する範囲のイメージを考 えたものでございまして、ウシの血漿が由来でございます。ウシの血漿に限らずウシの 尿に関する情報、あるいはウシ血漿を含有する製品自体の様々な文献等の情報は当然で すが、そのほかウシの腎臓や血液といった臓器レベルでのいろいろな解析をした研究報 告。もっと広くさかのぼれば、右側にありますウシに関する感染症関係の研究報告とい ったところまで調べた上で、定期報告を取りまとめていくといったイメージで今考えて いるところでございます。以上、生物由来製品の関係での大まかな制度の概要を御紹介 いたしました。  続きまして15ページを御覧いただきたいと思います。「医薬品・医療用具等安全性情 報報告制度について」というものでございます。これも改正薬事法により15年度に施行 される部分でございますが、第77条の4の2という中で、これまでは企業から報告を求 めていた副作用あるいは不具合、感染症といった情報に関して医療関係者の方からも一 応御報告を頂くということで、厚生労働大臣に対する報告をお願いするといった条文で ございます。趣旨はそういった副作用の情報、あるいは不具合、感染症の情報を集める ことにより、我々の方でも的確に対応していくということでございます。2でございま すが、現行制度におきましては、これまで我々の方で発している通知により、医療関係 者の先生方には御協力を頂いたところでございますが、今回の改正薬事法においてはこ れを条文の中に盛り込んだということでございます。  その際の変更点を三つほど掲げてございます。まず一点目は、医薬品に関してはこれ まで複数の薬剤について報告を頂いていたわけですが、その際に最も疑わしいといいま しょうか、副作用あるいは不具合、感染症の原因と思われるものについてできる限り印 を付けていただくことにより、我々の方が対応しやすくなるということでそこをお願い したいと考えております。  また(2)でございますが、医療機器は医薬品と違い一回で使い切るのではなくて形に 残るものもございますので、実際不具合等が起こった医療機器に関してまだ現場にある のかないのかといったところを確認する意味で、製品が回収されているか否かを御報告 いただきたいと思っております。  三点目でございますが、我々が先生方から御報告いただいた情報に関しまして、結果 的に製品を供給する企業の方にも供給する情報を提供することによって、製品を供給す る側からの評価をやはりやっていただきたいと思っております。供給する企業へ情報提 供することがあり得るといったこと、情報に関して当然出所やプライバシーに関しては 配慮していくといった内容でございます。こういったものを盛り込んだものを様式とし て示したものを16ページ以降に書いておりまして、今申し上げた点を含めた形で様式を 定めてできるだけ早い時期に先生方にお示ししたいと思っております。  四点目でございますが、20ページになります。最後の項目でありますが、今申し上げ たような形で頂いた報告、もちろん企業からの報告もあるわけでありますが、そういっ た報告に関する審議会への報告に関してということでございます。これは第77条の4の 4に規定した事項でございますが、内容に関しては21ページを御覧いただきたいと思い ます。我々が報告を受けた情報の中には、当然製品の名前や患者さんの性別、年齢とい ったものが含まれていて、どういう副作用が起こったかという点、それから転帰がどう なったか、様々な情報があるわけですが、その中のサマリーに当たるものを報告するこ とによりいろいろ御意見を頂き、それを踏まえた対策を考えていこうといったことでご ざいます。報告内容の例といたしまして、まだ具体的にどういう項目をと定めたわけで はございませんが、主だったところということで挙げれば、(1)の(1)〜(7)に示した内 容をお示しすることによって、ある程度それを表にするような形になろうかと思います が、そういった中でいろいろ見ていただければと思っております。そのほか(2)で発生 状況ですとか、実際国の方で行ってきた、あるいは企業の方で行ってきた安全確保措置 といったもの、そういったものを報告させていただいて、その妥当性とかそれに対する 御意見等があれば頂くということで考えております。最後の22ページには、全体のスキ ームの絵を参考までに示しておりますので、御覧いただきたいと思います。以上、足早 ではございますが、四点ほど御紹介させていただきました。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。ただいま御紹介いただいたことのうち、特に我々が 関心があるのは感染症定期報告制度でございますが、特に輸血用血液製剤あるいは血漿 分画製剤に関連するリコンビナント製品などの感染症に関する問題というのが当部会の 大きな関心事なわけであります。それをどういうふうに具体的に取り扱うかを検討する 必要があるわけですが、一応次回以降の部会でこれを特に取り扱う運営委員会の設置と 併せて議論したいと思いますので、御了承願いたいと思います。  では次に移らせていただきます。議題4ですが、前回この部会で御了承いただき、次 回の薬事分科会へ諮問する予定の事項についてでございます。2回にわたって御議論い ただき、御意見もまた別に頂いております基本方針案については1月の部会で御議論い ただいたわけですが、御意見及び法令審査を踏まえた修正を前回の部会で部会長に御一 任いただきました。修正点について御確認を頂きたいと思います。また、改正薬事法の 施行につきましては、1月の部会で御議論いただきましたが、その後パブリックコメン トを得て修正され、先ほど開かれた生物由来製品臨時部会において修正が了承されてお ります。それぞれについて事務局から御説明願いたいと思います。よろしくお願いしま す。 ○事務局  資料Fになります。基本方針ですけれども、前回1月24日の部会で御議論いただきま して、法令的な観点から修正を加えましたもの、実は法令審査中でございまして、まだ 若干の変更があるかもしれません。主要な修正点をかいつまんで御説明いたします。  まず資料Fの3ページになりますが、適正使用の推進について御議論いただいたとこ ろでありまして、そこの部分について若干書き込みをしております。特に輸血療法の実 施等に関する指針についても修正を加えております。また、4ページの第2節の(1)に なりますけれども、血漿分画製剤に比べ輸血用血液製剤の取扱いが手薄ではないかとい う御指摘も踏まえまして、輸血用製剤の需給の現状にも少し詳しく数字を書き加えてお ります。また、4ページの下のところですけれども、グロブリン、アルブミン製剤の製 造量の平成14年度の数字が出ておりますので、それに置き換えております。また、5ペ ージになりますが、第3節の(1)のところで国内受給率の平成14年度の数字が出ており ます。グロブリンが83.3%、アルブミンが36.4%というふうに数字を直しております。 少し飛びまして、11ページの一番下の自己血輸血の部分ですが、ここについても御指摘 を踏まえて、自己血輸血を行う際にも基準に沿って適切に行う必要があるという旨の記 載を加えております。また、12ページの第7節になりますが、ここにおいては適正使用 の観点から医療関係者に対する教育や研修の充実、さらには第7節の(2)になります が、院内体制の整備についても記述を追加しております。以上が主要な修正点でござい ます。  また、お手元に資料Gというものがございます。カラーの横の資料なのですが、これ は直接薬事分科会への諮問とは関係のない資料ではございますが、前回の部会において 花井委員の方から特定生物由来製品と生物由来製品、そして血液製剤との関係が分かり にくいのでそれを分かりやすく図示してほしいという要望がありましたので、それを踏 まえて作成したものでございます。この図の中央に「血液製剤」という赤い部分がござ いますが、血液製剤の大部分が特定生物由来製品になっております。血液製剤とは、ヒ トの血液を主たる原料とした製剤で、有効成分にヒト血液を含むものと定義したいと考 えておりまして、ヒト血液を含んでいてもそれが主たる原料でない場合は、血液製剤に は含まれないという整理で考えております。また、「血液製剤」の下に緑色の長方形の 部分がございますが、これが前回も御議論いただいた、いわゆる遺伝子組換え製剤のよ うな「血液製剤代替医薬品」でございます。これは正に御議論いただいたとおり、特定 生物由来製品になるものもあれば、生物由来製品のものもあるという整理でございま す。簡単ですが、以上でございます。 ○溝口部会長  そういうことで、これは3月24日に開催される薬事分科会に上申したいと思います が、何か特別不具合があるということはありますか。今更なかなか難しいですが。清水 先生、どうぞ。 ○清水委員  もしこれが感染症に非常に偏った表現であると、輸血による副作用には感染症ばかり ではなくてやはり免疫学的な副作用もあるのだから、それを「等」だけでくくってしま わないで、明確にしておいた方がいいのではないかという意見が私のところに寄せられ てきました。やはりできれば私もその方がいいかなと思いますので、「感染症等」の前 に「免疫学的副作用」といった言葉を入れてもらえばいいのかなと思います。 ○溝口部会長  事務局、それは可能ですか。 ○事務局  すみません、どの部分かもう一度お願いできますか。 ○清水委員  具体的に申し上げますと、資料Fの2ページです。余り変わっていないと思うのです が、例えば「(1)安全性の向上」の上から6行目に「不活化処理等には限界がある場合 があることなどの特徴を有する」と。ここは感染症だと思うのですが、この場合には例 えば「白血球などの混入」という言葉を入れるかどうかはともかくとして、そのような 免疫学的な副作用が問題となることもあるという表現とか…。それから10ページです が、第6節の(1)の一番最初の行で「改正薬事法に基づき、生物由来製品について、そ の感染のリスク等…」、ここのところも「感染」だけで果たしていいのかということで すね。次の11ページの(2)の「・感染症等」というところに、「感染症、免疫学的副作 用等」を入れるとか、(4)の2行目で「病原体の不活化・除去技術の向上、より高感度 かつ高精度の検査方法の開発」という形になっているので、これは免疫学的な副作用で もやはり問題があるだろうと。そういうものをどのように開発していくのかと。例えば 輸血に関連した急性肺障害というのは、これも免疫学的という意見もあるし、そうでな いという意見もあるという問題があって、意外と頻度が高いというのが最近報告されて おりますので、そういう問題。その3か所です。 ○溝口部会長  肺の問題は今後大きな問題になるかもしれませんが…。本当はもっと前に言っていた だけたら有り難かったのですが、どうですか。 ○血液対策課長  非常に事務的な都合で申しますと、薬事分科会の先生方に資料を送付しなければいけ ないというタイミングにあります。ただ、これがこれで固まっているわけではございま せんで、薬事分科会で御意見を頂いて、更に修正をするという時間的余裕がまだ施行ま でにございます。今回、薬事分科会に上申させていただくものはこの原案で了承させて いただきまして、もちろん微修正で済むもので間に合う可能性のあるところは盛り込む ことはできるかもしれませんが、基本的にはこのものを分科会に上申させていただきま して、分科会で議論を経た後に…。分科会でもそういう御発言が出るかと思いますの で、その後に更に修正を加えて7月施行に間に合うようにやりたいと思っておりますの で、御理解をお願いします。  ただ、先生の御意見の中で何ポイントかある中で、特定生物由来製品についての血液 製剤としての特徴というものと、特定生物由来製品としての表現のところと2か所ある のですが、特定生物由来製品は感染症にかなり着目しての製造でございますので、そこ のところは感染症以外の要素は余り入り込む余地はないかと思います。 ○溝口部会長  橋委員、どうぞ。 ○橋委員  今の清水先生のお話と関係するのですが、先ほどの定期報告制度のところで、ここも 感染症にほとんど限定しているのですが、実際に副作用を見てそれは感染症によるもの かを整理する前に、相当重篤で大きな問題はしっかり挙げていただいて、それで分別し ていった方がいいというのが一つ。  それから感染症自体の問題が普通の輸血用血液に関しては非常に小さくなっていま す。むしろ免疫的な副作用の割合の方が多くなっていると思うのです。ですから、そち らをしっかり入れるということがすごく大切なのではないかと思います。清水先生がい ろいろ言われた、この基本的な方針案に盛り込むこと以上にこの報告制度を感染症に限 定しないで、輸血の重篤な副作用については入れるようにしていただければいいかと思 います。先ほど例示されたインフォームド・コンセントのひな形も、そういう意味では 感染症伝播の危険性を重視して書かれているので、「など」という表現にするのか、具 体的に免疫副作用にするのか分かりませんが、そういう余地も是非入れていただきた い。  それからもう一つ、この基本方針案の12ページですが、私たちがお願いしていた第7 節の「(2)院内体制の整備」ですが、「輸血療法委員会、責任医師の設置」となってい るのですが、医師を設置するというのは何か非常に違和感があります。それで「輸血療 法委員会の設置、責任医師の任命及び輸血部門の設置」等にしていただければと。 ○溝口部会長  「医師の設置」を「医師の任命」にするわけですね。 ○橋委員  そうですね。 ○溝口部会長  それは可能ですね。感染症以外の副作用に関しては、運営委員会にしても特定生物由 来製品にしても、やはり感染症にポイントを置いている点がありますので、その他の副 作用についてはまた別の方法が必要かもしれません。 ○医療機器審査管理官 ちょっと補足させていただきます。先ほど血液対策課長の方か らも一部御説明させていただいたのですが、基本的には医薬品の副作用あるいは医療機 器の不具合につきましては、従来より報告制度というものがございます。この副作用報 告制度につきまして、今回の改正薬事法において従来任意報告であった医療機関からの 報告についても義務化をするということになります。そういう意味では、副作用報告制 度の強化がなされたということでございます。  一方で、感染症定期報告制度でございますが、これは基本的には感染症、特に現段階 で予知できない未知の感染リスクに対応するということで、従来の副作用報告制度に更 に上乗せ的にそういう報告制度を乗せた改正を行ったということでございます。 ○溝口部会長  それでは今の基本方針案につきましては、3月24日の薬事分科会に上申させていただ きます。もう一つ、改正薬事法の施行についての案を御議論いただきたいと思います。 資料Hの説明をお願いします。 ○事務局  資料Hでございますが、「改正薬事法の施行について(案)」ということでございまし て、本日は生物由来製品の指定の関係、生物由来原料基準の制定について御紹介させて いただきます。この二点の事項につきましては、本年1月10日の生物由来製品臨時部 会、1月24日の当血液事業部会で御審議いただいた後パブリックコメントの手続きをさ せていただきまして、本年の3月18日締めでパブリックコメントが終了したということ でございます。それをもちまして、パブリックコメント等の御意見も踏まえて、本日正 式に諮問という形で1ページと8ページにそれぞれの指定についてと基準についてとい う資料を本日お配りしているところでございます。このものにつきましては、本日2時 から開催いたしました生物由来製品臨時部会において審議をしたものでございますが、 それと同じものをお配りさせていただいております。また、パブリックコメントにつき ましても、出てきた意見の方を取りまとめまして、委員の先生の机上には「参考」とい う形で少し厚めの資料が一冊出ております。これは団体や法人の方を含みますが、延べ 60人の御意見を頂いたというところでございます。  まず指定についてでございますが、基本的には血液製剤や血液を代替する医薬品の指 定については、今回パブリックコメントを受けた審議の中でも変更点はございません で、基本的に1月24日に当部会で御審議いただいた内容と変更している部分はございま せん。そういった内容で、生物由来製品臨時部会の方では了承という形になっておりま す。8ページ以降が生物由来原料基準でございますが、こちらについてもかなり細かい 点での修正が入っておりますが、基本的な基準の骨格、基準の趣旨として定めている部 分については変更点はございません。例えば血液製剤の部分でございますと、この資料 で行くと10ページ以降になりますが、「用手法」の誤記を直したり採血時の保存の温度 等について記載の整合性を取ったり、保存する記録の種類について分画製剤と輸血用製 剤との整合性を取る等の変更を行っております。  その他、当部会とは直接的に余り関係のない部分かもしれませんが、動物由来の原材 料等につきまして、例えばいろいろな製造材料としてゼラチンや界面活性剤などが使わ れるわけですが、そういうものの中でも一番大本の原料が動物由来ということでござい まして、最終的に出てくるものがほとんど化学品と同等に扱われているようなもの、今 申し上げたような界面活性剤といったものでございます。そういうものについては、基 本的に一般的な感染症のリスクについてはほとんど否定的なものであるという観点か ら、動物抽出物に対して定めているような動物由来製品の原料基準から、いわゆる感染 症に関する部分が否定されていることが科学的に公知なものを除くという形で、そうい ったものを明確にさせていただいているところでございます。基準についても、非常に 細かい点ではございますが、そういう趣旨の改正をさせていただいているものでござい ます。  最後にパブリックコメントの中身について一点、生物由来製品臨時部会の方から当血 液事業部会の方にお願いをしたいという申し送り事項がございます。それはこのパブリ ックコメントにおいて寄せられた御意見の一番最後でございますが、17ページ以降に血 液関係というところがございます。今までの御議論の中でも、生物由来製品、特定生物 由来製品の御議論の中で、特定生物由来製品で血液成分を含むものについては、採血国 及び献血、非献血の別を直接の容器包装に表示するということを御議論いただき、そう いう形で案の作成を図ってきたところでございます。そういう御意見に対して、特に献 血、非献血の区別に対する疑問といった観点での御意見が17ページ以降に提出されてい るという状況でございます。私ども行政側のスタンスといたしましては、基本的に採血 国、献血、非献血表示については国会の附帯決議において定められたという事項でござ いまして、国会での趣旨を遵守してその表示事項についてもルールを定める点について 取り組んでいきたいと考えているところでございます。この点について当部会でも御意 見を頂ければと考えているところでございます。以上です。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。ここは事務局はどうですか。 ○血液対策課長  臨時部会で出ました申し送り事項でございますので、今の一点について御意見をまと めていただければと思います。 ○溝口部会長  そうですね。附帯事項どおり献血、非献血、採血国の表示をするということでいいで すね。それ以上のことはないかと思うのですが、どんな意見があろうともそこは貫いて もらうということでよろしいですね。大平委員、何かありますか。 ○大平委員  今課長さんの方からも御報告がありましたが、やはり国会で審議されて国益を重んじ たということできちんと決められたところですので、それは日本の威信を懸けて守って いただきたいと思います。是非お願いいたします。 ○溝口部会長  皆様もそういうことでよろしいですね。花井委員、どうぞ。 ○花井委員  くどいですけれども、こういうことが今ごろ論点になることが非常におかしいと思う のです。確認しておきますと、この表示の問題は一つは倫理的な問題として片付けられ ていますが、献血を進めていく上で献血者がくれた善意無償の贈り物を受ける患者の方 が、それが贈り物であることを見て分かるということなので、実は献血を進めていくこ とと非常に密接な関係があると。こういう趣旨であるということをもう一度理解してい ただきたいと重ねて申し上げたいと思います。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。そういう方向にさせていただきます。それでは二つ の案を3月24日に行われる薬事分科会に上申いたします。  最後の案件でございますが、昨年11月の第一回の血液事業部会でこの部会の下に需給 調査会を設置することを御了承いただいておりますが、調査会の詳細が決まりましたの で、事務局から御説明願いたいと思います。 ○事務局  資料Iの需給調査会の設置について簡単に御説明いたします。資料Iの3ですが、需 給調査会は需給計画を策定するためのものということで、第一回の部会で設置を御了承 いただいたものですが、4名の委員の先生にお願いしたいと考えております。当血液事 業部会からも、清水先生と橋先生に入って議論をしていただきたいと思っておりま す。  今後のスケジュールですが、3月31日の午前10時から第一回を開催したいと思ってお ります。第一回は、まず血液製剤の範囲や需給計画の対象となる血液製剤の範囲、需給 の状況などについて検討したいと思っております。調査がまとまり次第、それは血液事 業部会の方へ報告していただく形になろうかと思います。補足ですけれども、需給調査 会とは別に血液事業部会の下に安全技術調査会という調査会がございまして、こちらの 方も3月25日の10時から開催することを予定しております。そこではTSE対策や非溶 血性輸血副作用、NATガイドラインなどについて御議論いただくことを予定しており ます。そこでの御議論の結果もまた部会の方に報告していただきたいと思っておりま す。以上でございます。 ○溝口部会長  どうもありがとうございました。ただいまの事務局の御説明に何か御質問か御意見ご ざいますか。大分長時間になりまして予定した時刻をオーバーいたしましたが、御意見 がなければ本日の部会はこれで閉会させていただきたいと思います。次回の日程はまた 追って御連絡させていただきます。本日はどうもありがとうございました。                                    ( 了 ) 連絡先:医薬食品局 血液対策課 課長補佐 中山(内線2905)