審議会議事録  厚生労働省ホームページ

第19回年金資金運用分科会議事要旨


1.日時平成15年3月26日〈水〉15時〜17時
2.場所東海大学校友会館「阿蘇の間」
3.参加者・若杉分科会長 ・大和委員 ・小島委員 ・高梨委員
・竹内委員 ・吉原委員 ・米澤委員

4.議事要旨(○は委員、●は事務局、△は年金資金運用基金の発言)

 《第16回分科会議事要旨,第17回分科会議事録について》
  配付資料のとおり確認。

 1.平成15年度移行ポートフォリオについて
《平成15年度移行ポートフォリオ(案)等について事務局より説明。以下、質疑。》

 運用の基本方針に、新たに「一方で、経済環境の急変等緊急の事態が生じた場合には、必要な措置を講じるものとする。」という文言を入れた趣旨と、具体的に想定している事態は何か。 また、必要な措置を講じる必要性の判断は誰が行うのか。
 緊急の事態が生じた場合に必要な措置をとるというのは当然のことであるが、これまで、明示的に記載されていなかったため、今回確認的に記載したもの。
 特に具体的事態を想定しているわけではない。
 判断を行うのは、ケースによって、分科会を緊急に招集して御相談させていただく場合もあれば、時間がない場合には厚生労働大臣が判断する場合もあると考えている。
  これは、年度の途中で緊急事態が生じたときには移行ポートフォリオを変更するということか。
 移行ポートフォリオの変更という対応もあるかもしれないが、そこまでせずに緊急的に取引を見合わせたりする対応も考えられる。
  緊急事態の場合の措置については、明記しておく必要があると思う。その際に分科会を活用するかどうかは、緊急性との兼ね合いの問題だろう。ただし、開催しない場合にも、速やかに報告していただきたい。
  移行ポートフォリオは、従来どおり、なだらかに基本ポートフォリオに到達するように策定すべきであり、そのような考え方に基づき策定された平成15年度移行ポートフォリオ(案)に賛成である。
  公的年金の移行ポートフォリオの策定に当たっては、PKOや政治的な配慮などを一切排除するためにも、いわば機械的に、基本ポートフォリオになだらかに移行するというルールを堅持していくことが重要であり、今後とも、そのように策定していくべき。
 平成15年度移行ポートフォリオ(案)においては、厚生年金基金からの代行返上に係る物納の影響は考慮しているのか。仮に、物納により資産構成割合が超過した場合に資産を売却することは非効率であるため、柔軟な対応が必要。
 代行返上に係る物納が、いつ、どの程度の規模で行われるかは、厚生年金基金の個別の判断によるため、現時点で予測することは非常に困難。従って、平成15年度移行ポートフォリオ(案)においては、物納の影響は勘案していない。
 物納の規模がある程度のものであれば、新規資金による調整が可能と考えている。
 なお、仮に大規模な物納が行われた場合でも、即座に資産を売却して調整を行う必要はないと考えている。
  実際に運用を行っている年金資金運用基金や運用受託機関と、この分科会の間で、もっと情報を流通させるべき。また、各部門の専門性を高めるとともに、責任の所在や、結果の評価方法などをより明確にしていくべき。
 次期年金制度改革の際に、分散投資の考え方に即しながら、公的年金の資金運用をどのような運用体制、運用組織で行っていくかは非常に大きな課題。ポートフォリオの決定、実際の管理運用、評価などを、誰がどのように行うかについても、分科会のご意見も伺いながら検討していきたい。
  年金資金の運用は、情報公開も進んでおり、政府関係の運用の中ではかなりきちんとしている。ただ、公的年金は強制加入の制度であることに鑑みても、よりよいものにするための工夫はどんどんすべき。
  受託者責任を果たしているかどうかや、年金資金運用基金のパフォーマンスについて、検証、評価を行う体制を整備することは重要な課題。責任感を持った運用を行っていくことは大切。
  移行ポートフォリオは、平成20年度ではなく、より長期間をかけて達成すべきとの意見を表明しておく。

(諮問内容については、原案のとおり了承された。
 社会保障審議会への年金資金運用分科会としての報告案を読み上げ、了承された。)

 分科会での御審議、報告案の取りまとめ、ありがとうございました。
 今後の手続について説明させていただく。社会保障審議会令、社会保障審議会運営規則により、分科会の議決は社会保障審議会の会長の同意を得て、社会保障審議会の議決とすることができる。従って、只今頂いた分科会の議決を、貝塚審議会長に御連絡し、同意を頂ければ、そこで分科会の議決が社会保障審議会の議決となり、答申を頂けるということになる。できれば本日中に答申をいただければと考えている。その後、答申を踏まえ、厚生労働大臣が告示として定めることとなる。

 2.年金資金運用基金平成14年度第3四半期運用状況について
《年金資金運用基金平成14年度第3四半期運用状況について年金資金運用基金より説明。以下、質疑。》

 ベンチマーク収益率と運用結果の比較において、運用スタイルごとなどに応じた詳細な要因分析を行っていただきたい。国内株式や外国株式の運用スタイルは運用結果にどのような影響を与えているのか。
 国内株式の運用スタイルについては、現在、スタイルに着目したマネージャーの再構築を進めており、来年度の早い段階で、総合的に望ましい組合せとなるアクティブ運用を行えるようにする。
 このスタイルの見直しの効果は、現在再構築中であり測定することは困難である。
 外国株式についてはパッシブ化を進めており、平成14年度の新規資金はパッシブ運用機関に重点的に配分してきている。また、アクティブ部分では、平成14年度に国内株式と外国債券について取り組んだ後、平成15年度に国内債券と外国株式についてマネージャーの再構築に取り組むこととしている。
 次回より、年金資金運用基金の運用状況については、資産ごとのパフォーマンスの要因分析などを含め、より詳細に御報告いただきたい。

〜以上〜

〈照会先〉年金局運用指導課 企画係
 TEL 5253−1111(内線3350)
 夜間  3595−2868


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