照会先:厚生労働省医政局看護課
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はじめに
当検討会は、平成14年5月31日に第1回の検討会を開催し、少子高齢化の進展、医療技術の進歩、国民の意識の変化、看護教育水準の向上などに対応した新たな看護のあり方について、看護の質の向上と在宅医療の推進の観点から、医師と看護師等との連携のあり方、医療技術の進歩に伴う看護業務の見直し、これらを推進するための方策等を検討課題として議論を開始した。
平成14年9月6日の第5回の検討会においては、それまでの議論を整理するとともに、医師の指示に基づく看護師等による静脈注射の実施について、診療の補助行為の範疇として取り扱うこととすべきであり、あわせて、看護基礎教育や卒後の医療機関等における研修についての取組みを促進する必要があることなどを中間まとめとしてとりまとめた。
更に、その後も審議を重ね、本日まで13回にわたり、国民のニーズに応え、患者の生活の質を向上させるための療養生活支援の専門家としての望ましい看護のあり方と、医師等との連携のあり方、それを推進するための看護教育の課題と対応、更には、看護師等の専門性を活用した在宅医療の推進のあり方やそのための環境整備について議論を行ってきた。本報告書は、その結果をとりまとめたものである。
なお、適切な医療・看護サービスを提供する上では、医師、看護師、薬剤師その他の医療関係職種が協同することが不可欠であることから、当検討会では、看護のあり方を検討する過程で他職種との役割分担や連携のあり方についても議論を行った。これらについては、看護のあり方を示すために必要な範囲内において、本報告書に記載することにしたものである。
1. | 患者の生活の質の向上のための専門性の高い看護判断と看護技術 の提供に向けて |
(1)看護をめぐる現状と課題
○ | 人口の高齢化、疾病構造の変化、国民の意識の変化、医療技術の進歩など医療をめぐる環境の変化の中で、入院時を含めて、生活の質を向上させ、また、住み慣れた地域の中で療養生活を送りたいという患者のニーズが増大してきている。 |
○ | 看護知識の増加、看護技術の発達、看護教育の高度化等により看護師等の知識・技能は大きく向上してきている。一方、医療に対する国民のニーズは拡大、多様化し、看護師等に期待される役割は拡大しつつある。 |
○ | また、患者の生活の質を向上させるための療養上の世話に関する判断と実践については、教育の現場では、看護基礎教育におけるカリキュラムの大半を占めており、看護判断により適切なケアが行えるよう、重点的な教育が行われている。それにもかかわらず、医療現場においては、看護師の判断を生かした適切なケアが行われているとは、必ずしも言えない実情もある。 |
○ | 特に、病院内における看護の実情を見ると、診療の補助のみならず、療養上の世話についても、看護師の側から医師の指示を求めているという状況もある。これは、法律や医師による要請があるというわけではなく、むしろ、単なる慣習として行われていたり、看護師等の役割や責任についての認識の不足など様々な背景があると考えられる。 |
○ | また、在宅医療においては、訪問看護の開始や継続は、医師の訪問看護指示書に基づいて行われるが、患者の症状の変化があったとき、新たに個別具体的な指示を必要とすることとなる。このため、多くの在宅療養者の主治医と連携して活動している訪問看護ステーションでは、必要なケアの提供までに時間を要し、患者・家族の切実な要望に応えられない場合もある。 |
○ | こうした国民のニーズ、看護をめぐる現状と課題を考えると、これからの時代の要請に応じた看護のあり方や医師等の他の医療関係職種との連携のあり方などについて、我が国の医療提供体制において、患者・家族のためにより良いケアを如何に提供するかといった視点で改めて検討し、明らかにする必要がある。 |
○ | また、諸外国の事情については、平成13年度厚生労働科学研究「諸外国における看護師の新たな業務と役割」によれば、看護師の裁量の範囲、役割・業務が変化し拡大しつつある諸外国も少なくない。この点については、それぞれの医療制度等の違いを踏まえて考慮する必要がある。 |
(2)時代の要請に応じた看護のあり方、医師等との連携のあり方
○ | 患者のニーズに応じて、より良い医療・看護サービスを提供していくためには、看護師等は、医師、薬剤師その他の医療関係職種とともに、それぞれの専門性を十分に発揮しながら、相互の信頼関係の下に密接に連携することが重要である。 |
○ | その中で、看護師等は、患者の生活の質の向上を目指し、療養生活支援の専門家として、その知識・技能を高め、的確な看護判断を行い、適切な看護技術を提供していくことが求められている。特に、慢性疾患の患者や高齢者の増加を踏まえると、従来以上に患者の自己回復力を引き出し、支える働きかけや合併症等を予防するためのかかわりを強化することなどの必要性が高まっている。 |
○ | 在宅で療養中の患者をはじめとして、患者の生活の質の向上を図るためのケアを迅速かつ適切に提供するという観点からは、医師と看護師等の十分な連携と信頼関係の下で、患者に起りうる病態の変化にも対応可能な医師の指示に基づき、看護師等が適切な観察と看護判断を行い、患者に対して適切な看護を行うことが望ましいと考えられる。 この場合、看護師等は、その後の患者の状態についての観察結果や看護の立場からの判断を医師等に適切に伝え、より良いケアを行っていくことが必要である。 |
○ | いわゆる「包括的指示」を含めた医師と看護師等の連携のあり方、医師の指示の仕方、看護師等からの報告のあり方については、それぞれの資格、経験、専門性、患者の病態、医療行為の内容等に応じて異なるものであることに十分留意しなければならない。 この点も踏まえつつ、療養生活の支援については、看護師等が、知識・技能を高め、医師等との適切な連携のもとに、その専門性、自律性を発揮し、患者の生活の質の向上に資する的確な看護判断を行い、適切な看護技術を提供していくことが求められている。 |
○ | また、療養上の世話については、行政解釈では医師の指示を必要としないとされているが、療養上の世話を行う場合にも、状況に応じて医学的な知識に基づく判断が必要となる場合もある。このため、患者に対するケアの向上という観点に立てば、看護師等の業務について、療養上の世話と診療の補助とを明確に区別しようとするよりも、医療の現場において、療養上の世話を行う際に医師の意見を求めるべきかどうかについて適切に判断できる看護師等の能力、専門性を養っていくことが重要である。 |
○ | 例えば、食事(一般病人食)の形態、安静度、清潔の保持の方法などについては、治療方針を踏まえ、患者の状態に応じて、看護師等が判断し、行うべきものである。 |
○ | また、苦痛の緩和が看護の重要な機能のひとつであるという観点から、疼痛、呼吸困難、発熱、不眠、便秘等の諸症状の緩和のため、療養生活の実態を最も把握している看護師等が観察や看護判断を行うとともに、まず、様々な看護技術を駆使して、患者の安全や安楽を確保することが重要である。 |
○ | 更に、医薬品等による症状緩和が必要である場合においては、医師により処方された医薬品等の使用方法について、患者の症状に応じた医薬品等の量の増減を可能とする医師の指示の範囲内において、患者の症状を観察した看護師等が症状に応じて適切な服薬を支援することが望ましい。 |
○ | なお、療養上の世話については、用語が適切かどうか検討の余地はあるが、看護師等が行うことができる業務を、フランスのように限定して個別に列挙するよりも、我が国においては、抽象的な枠組みの中で、時代の要請に応じて中身を充実させていくことの方が、看護師等が医師等と適切に連携しつつ、その自律性、専門性を発揮し、より良いケアを提供する上で適当であろう。 |
○ | また、これからの医療においては、インフォームド・コンセントを前提に、看護師等は、患者・家族と十分にコミュニケーションを行い、看護ケアの内容、検査等についてわかりやすく丁寧に説明するとともに、患者・家族が自らの意向を伝えることができるよう支援したり、時には代わって伝える役割を担うなど、患者・家族が医療を理解し、より良い選択ができるよう支援することが必要である。 更に、こうした患者・家族との十分なコミュニケーションとそれに基づく信頼関係のもと、専門的な看護を提供するとともに、家族でなければ担えない患者に対する精神的な支援機能や患者の自己回復力を最大限引き出し、生かせるような看護師等の関わり方が、これからの看護のあり方として必要である。 |
(3)望ましい看護のあり方の普及に向けて
○ | 看護師等が、こうした要請に応え、その役割と責任を果たしていくためには、今後ますます、看護師等の判断力や責任能力を向上するとともに、更には、豊かな人間性や人権を尊重する意識の涵養、コミュニケーション能力の向上が求められており、看護師等の養成のあり方についての様々な課題に取り組んでいく必要がある。 | ||||
○ | また、看護業務の複雑・多様化、国民の意識の高まり、医療安全に関する意識の向上の中で、学生の看護技術の実習の範囲や機会が限定される傾向にある。
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○ | 卒後の教育研修についても、更に充実し、専門性を高めていくことが必要であり、技術研修をどのようにとり入れていくか、制度化を含めて検討することが課題である。 | ||||
○ | また、特定の看護領域について、より専門的な教育・研修を受けた専門性の高い看護師等の養成の強化や普及を図り、その能力が積極的に活用されるような基盤づくりを行っていくことも重要である。 | ||||
○ | 看護師が国民のニーズにあった質の高いケアを提供するためには、生涯にわたる教育・研修が必要であることから、出産・育児などにより一時的に就業を中断した看護師等を含めて、再教育や継続的な生涯教育を推進するための仕組みが必要であり、このための学習プログラムの作成・普及・充実がなされるべきである。 | ||||
○ | また、看護教育の内容や水準と臨床看護の実践とが乖離しないようにするとともに、医療機関や福祉施設等における看護と訪問看護の現場とがお互いの課題やそれぞれの場において担うべき看護の役割について共通認識をもつことができるようにするため、看護関係者の相互の交流や連携を深めるための仕組みをつくっていくことも必要である。 | ||||
○ | 患者・家族に対して医療・看護サービスの内容について十分な情報提供を行い、信頼関係を築くとともに、医療関係職種が共通の認識のもとに十分に機能を果たして、適切なサービスの提供ができるようにするためには、いわゆるクリティカルパス(入院診療計画)や在宅療養患者を支援するための看護プロトコール(看護判断規準)の普及を図ることも必要であろう。 | ||||
○ | これらの導入やその具体的な内容については、個々の医療機関により異なるものであり、更に、個々の患者の病態に応じた適切な判断が重要であることに留意しつつ、その医療機関に適したものの作成を支援するため、標準的な看護プロトコールなどを更に開発することも考慮する必要がある。 |
2 看護師等の専門性を活用した在宅医療の推進
○ | 今後ますますニーズが拡大する在宅医療においては、医療ニーズの高い在宅療養者に対する看護ケアを適切かつ迅速に提供するためには、在宅医療への医師の積極的な取組みとあわせて、看護師等が患者の病態の変化に対応した的確な看護判断を行い、適切な看護技術を提供していくことが必要である。 |
○ | また、適切な在宅医療を提供するためには、医師、看護師、薬剤師等が、それぞれの専門性を十分に発揮しながら、相互の信頼関係の下に密接に連携することが重要である。 |
(1)在宅がん末期患者の適切な疼痛緩和ケアの推進
○ | 看護師等の専門性を活用した在宅医療を進める上で、増加が予測される在宅がん末期患者に対して疼痛の適切な緩和を行うことが課題となっている。 | ||||
○ | がん患者の疼痛に対しては、それが全人的な痛みであることを十分理解した上で、看護師等は、様々な看護技術を駆使して、その緩和を図り、患者の生活の質を向上させることが重要である。 | ||||
○ | 即ち、患者・家族と十分にコミュニケーションを行い、患者・家族が症状やその緩和方法を理解し、より良い選択ができるよう支援するとともに、疼痛症状の専門的な観察を踏まえ、体位の工夫、マッサージ、リラクゼーション、積極的傾聴などを通じた身体的・精神的なケアなど様々な看護ケアを提供すべきである。 あわせて、家族との積極的な関わりや福祉サービス、ボランティアなどとの連携を通じて、家族のサポートの中で患者が積極的に人生を生き抜く力や意欲を持ち続け、生活の質を向上していくことができるよう、総合的な支援を行うべきである。 |
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○ | その一方で、医師が適当と判断した場合には麻薬製剤を適正に使用した疼痛緩和について看護師等が適切に支援できるよう、麻薬の安全性や関係法規を十分理解し、専門的な知識・技術を向上していく必要がある。 | ||||
○ | このため、がん疼痛緩和に関する専門的知識と技術を有する看護師の育成を拡大し、その活用を推進していくべきである。 | ||||
○ | その一環として、WHOが示しているがん疼痛治療法などの理解を進めていくことが必要である。 | ||||
○ | また、麻薬製剤による疼痛緩和を適切に推進するためには、患者の生活の質の向上を高めるという看護の視点を基本としながら、麻薬及び向精神薬取締法等の関連法規を遵守しつつ、医師、看護師等、薬剤師等の関係者の対応や連携のあり方を検討していくことが必要である。 | ||||
○ | まず、医師による麻薬製剤の種類や量、レスキュードーズ(急激に疼痛が増悪した場合の追加薬)などについて具体的な指示の下、その範囲内で、看護師等が患者の疼痛の状況に応じて適切な服薬等の支援を行うとともに、看護師等から医師への報告を適切に行う必要がある。 | ||||
○ | この場合、医師と看護師等の実際の連携のあり方は、能力、資格、経験、専門性等に応じて個々に異なるものであり、それぞれの場合に相応しい対応が求められる。いずれの場合であっても、麻薬による治療開始の決定や種類の選択は、医師の責任において行われるものであり、患者の疼痛の状況等の判断は、看護師等が責任をもって行う必要がある。 | ||||
○ | 麻薬については、麻薬及び向精神薬取締法等の関連法規を遵守しつつ、処方、運搬、管理、使用、廃棄方法等の取扱い方法を、医療現場に周知していくことが必要である。
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○ | また、インフォームド・コンセントを前提に、医師、看護師等、薬剤師、患者・家族等の関係者が相互の信頼関係の下に連携し、適切なケアが行われ、患者・家族が疼痛の管理を不安や無理なく自分の生活に取り込むことができるよう、がん末期疼痛管理等についての標準的な在宅療養プロトコールの見直しを行い、医師、看護師等の連携のあり方は個々に異なることに十分配慮しながら、その普及を図っていくことが必要である。 | ||||
○ | また、麻薬製剤供給のため、薬局は開局時間以外の緊急時の要請に対応できる体制整備を徹底するとともに、在宅において麻薬製剤が不用になった場合の廃棄については、医療機関や薬局に返却するよう指導されていることが看護師等にも周知される必要がある。 |
(2)在宅医療を推進するためのその他の関連諸制度の見直し
○ | 我が国の医療制度は、病院や診療所で医療が行われることを前提に構築されてきた経緯もあり、今後一層在宅医療を推進していく上では、関連諸制度の見直しを行っていくことが必要である。当検討会としては、上記のほか、問題提起のあった以下の諸点について、次のように考える。 |
(1) 在宅で死を迎える患者への対応
○ | 患者や家族が安心して在宅療養を行うことができるようにするためには、患者・家族、医師と看護師等が、他の医療関係職種を含め、相互の信頼関係の下に密接に連携することが重要である。 |
○ | これは、在宅で患者が死亡した際の対応についても同様であるが、現状においては、医師と看護師等の連携が十分でないことや、死亡診断書等の手続が、看護師等を含め、十分に周知されていないこと等により適切でない場合があり、患者や家族が安心して臨終まで在宅療養を継続できない要因のひとつになっていると指摘されている。 |
○ | このため、看護師等は、患者の死亡に関係する手続や、役割、責任について十分に理解するとともに、患者の死亡が近いと予期される場合には、家族を含めて事前に医師と、患者の死亡に際しての連絡方法や対応について十分に確認を行っておくことが必要である。 |
○ | 診療継続中の患者は、受診後24時間を超えて死亡した場合でも改めて医師による死後診察を行い、生前に診療していた傷病が死因と判定できれば、医師は死亡診断書を発行できること、警察署への届出は異状があると認めたときのみ必要であることなど、患者の死亡に際しての手続、取扱いについて、看護師等も理解しておくことが必要である。 |
○ | また、他の患者の診察中であるなどやむを得ず医師が直ちに現場に駆けつけることができないが、患者の死亡前24時間以内に医師が診察し、患者の死が近づいているとの判断がなされていたときは、事前に確認されていた連絡方法や対応に即して、患者の死に立ち会った看護師等が、医師に連絡をとって状況を報告し、医師の判断、指示に沿って、患者の尊厳や家族の気持ちに十分に配慮し、点滴の抜去、身体の清拭等の適切な対応を行うことも考慮する必要がある。 しかしながら、これはあくまでやむを得ない場合における家族などへの配慮として行われるべきものであり、在宅医療に取り組む医師は、患者の死亡に際しては、求めに応じて、速やかに対応するものであることは言うまでもない。 |
○ | これらの点を踏まえ、看護師等が、関連制度を十分に理解した上で、医師と連携をとりながら、在宅患者の死亡に際して個々に適切な対応ができるよう支援するためのマニュアルを作成、普及することが有益である。 |
(2) 必要な医療機器・衛生材料の供給体制の確保
○ | 医療機器・衛生材料についての供給が十分でなく、ケアの質に影響したり、患者・家族の負担になっている場合がある。 |
○ | 医療機器・衛生材料については、患者の状態に併せて医師が必要かつ十分に患者に提供することが必要であるため、訪問看護師等が患者宅を訪問した際、それらの不足があれば、その旨を医師に伝えることにより、十分な医療機器・衛生材料等が提供されるようにすべきである。 |
○ | また、地域によっては医療機器・衛生材料の供給体制に問題がある場合もあり、その場合は、薬局、薬剤師等を含め、関係者が連携をとりながら、必要な医療機器・衛生材料が適切に供給できるシステムづくりを進めることが適当である。 |
○ | 更に、医療機器・衛生材料の供給が確保できない場合は、一定の衛生材料等については、訪問看護ステーションが供給することが適当かどうかについても検討がなされることが望ましい。 |
(3) 在宅における注射の取扱い
○ | 看護師等による静脈注射の実施が可能になったが、医師の指示を受けて看護師等が単独で訪問して、静脈注射、筋肉注射等を行っても、診療報酬を請求できないことになっており、訪問看護師等が行う場合の評価のあり方について検討が行われることが望まれる。 |
おわりに
高齢社会の到来、疾病構造の変化、国民の意識の変化等の中で、療養中も、より高い生活の質を確保し、また、住み慣れた地域の中で療養生活を送りたいという国民のニーズは増大してきている。こうしたニーズに応え、患者の生活の質の向上を目指したより良いケアを提供していくことは、医療提供体制全般の改革の中でも主要な課題のひとつとなっている。
このため、看護師等は、療養生活支援の専門家として、医師、薬剤師その他の医療関係職種・福祉関係職種との適切な役割分担と連携のもとに、その専門性と自律性を発揮し、的確な看護判断を行い、適切な看護技術を提供していくことが求められている。
当検討会は、国民が安心して、より質の高い生活を送ることができる社会の実現に向けて、本報告書で提言した望ましい看護ケアが、在宅医療を含めた医療の分野で普及・実現していくことはもちろん、更に、看護師等が、福祉施設、学校保健の領域などの分野でも、その機能と役割をより積極的に果たしていくことを期待するものである。
氏名 | 所属機関・役職 | |
いべ としこ 井部 俊子 |
聖路加国際病院副院長・看護部長 | |
うえの けいこ 上野 桂子 |
聖隷福祉事業団在宅サービス部長 | |
うちぬの あつこ 内布 敦子 |
兵庫県立看護大学助教授 | |
かわごえ こう 川越 厚 |
ホームケアクリニック川越院長 | |
座長 | かわむら さわこ 川村 佐和子 |
東京都立保健科学大学教授 |
くにい はるこ 國井 治子 |
(社)日本看護協会常任理事 | |
にしざわ ひろとし 西澤 寛俊 |
(社)全日本病院協会副会長 | |
ひらばやし かつまさ 平林 勝政 |
國學院大学学長特別補佐・教授 | |
ふじかみ まさこ 藤上 雅子 |
(社)日本薬剤師会常務理事 | |
みやたけ たかし 宮武 剛 |
埼玉県立大学教授 | |
やなぎた きみこ 柳田 喜美子 |
(社)日本医師会常任理事 | |
(50音順) |
照会先 厚生労働省医政局看護課 03-5253-1111(代表) 勝又(内2599),習田(内2595) |