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「基本方針(案)」に関する意見の募集結果について
(※正式な議事録は、おって公開する。)


日時: 平成15年1月24日(金)13:00〜15:45

 委員23名中15名が出席

 議題1「基本方針(案)」に係る主要な議論
 国会で定めた血液法と改正薬事法の精神や理念を歪めることなく、筋の通った法律を施行し、有効な手段を展開して目的を達成するため、今後五年間のきちんとした国の政策を定める基本方針とすべき。また、血液製剤代替医薬品についても、安全性の向上、安定供給の確保が図られるようにすべき。
 血液製剤の適正使用については、(旧)厚生省が平成11年に血液製剤の使用指針とともに輸血療法の実施指針を発表しているため、文中「使用指針等」を「使用指針及び実施指針」とすべき。
 自己血輸血、院内血輸血については、直接に規制することは困難であるが、原則として、従来の採血及び供血あつせん業取締法が定める採血基準に基づき行うべきことを明記すべき。
 適正使用のための院内体制については、文部科学省の方針で国立大学附属病院の輸血部が廃止されることになっている。名称はともかく、輸血を統括する部門は必要。厚生労働省と文部科学省で、その位置付けを明確にすべき。
 勧告など、各種の措置について記述されているが、法律のどの規定に基づくものか、それとも行政指導に基づくものかを明記すべき。
 災害時の献血者の確保については、ニューヨークで同時多発テロが発生した時、献血者が集まりすぎて血液が廃棄されたという実態がある。必要に応じて献血を延期してもらうといった配慮も、場合によっては必要である。
 適正使用は、安全性の向上や安定供給の確保にも関係するものであることを明記すべき。
 第8節において、血液製剤代替医薬品であって生物由来製品である物の安全性への取組は「必要に応じ」定める、とされているが、これでは患者にも製造業者等にも予測可能性がないので、個別に通知するとの事務局説明のとおり、明確にすべき。
 適正使用については、「国が、血液製剤の使用実態を把握し」と記述されているが、まず各医療機関が血液製剤の使用実態を把握して問題を整理すべきであって、それを国が吸い上げて必要な措置を講ずる仕組みとすべき。
 血液製剤の使用指針があるのに適正使用が進んでいないことから、主治医の裁量を制限しなければならないことは明らかである。輸血療法に関する責任医師を置くべきことを記載すべき。
 適正使用については、文部科学省と連携して、適正使用に関する医学教育を行うべき。
 原料血漿の配分価格は、現行の三者合意から、需給計画における「標準価格」で決められることになるようだが、これは後退である。大臣の指示で価格を決めることとするべき。
 適正使用については、医療保険の査定基準と適正使用の基準との整合を図るべきである。
 基準を統一すべきかはともかく、まずは輸血部門や輸血療法委員会を設置して、院内で指導する体制を作ることが大事。
 献血された血液がどのように使われているかの情報を示すべき。使われずに捨てられるものがあれば、その量を示すべき。
 基本方針(案)は、全血製剤の確保について何も触れていない。肝移植手術では、全血製剤を大量に必要とするが、日赤は、全血をすぐに赤血球と血漿に分離してしまう。全血が必要な場合は、赤血球と血漿の両方を投与しなければならず、医療費が倍になる。こうした現場の実態を踏まえた記述をすべき。
 適正使用は、単なる使用抑制ではなく、患者が安心して良質な医療を受けられる環境を整備することを前提に推進するべき。
 今後、血液事業部会での審議の際、文部科学省の担当者を参考人として招致することも検討すべき。

 基本方針(案)は、今後、これらの意見を反映して修正され、また法案審査により事務的に修正されるが、これらの修正は、部会長に一任して行うこととした上で、(案)は了承された。

 議題2「生物由来製品臨時部会について」に係る主要な議論
 血液製剤代替医薬品の取扱いは、現場での使用、記録の保存、患者への説明や遡及調査について、血液製剤と同様とすべき。具体的には、添付文書にその旨を記載させるとともに、基本方針の関連通知にその取扱いを明記すべき。

 この意見を踏まえ、血液製剤代替医薬品であって生物由来製品である製品の取扱いは、個々の製品について血液事業部会で審議して定めることとされた。

 議題3「血液凝固第VIII因子製剤の供給について」に係る主要な議論
 外国のメーカーの言いなりになって、早急に結論を出すのは極めて危険。今後、同様の事例が生じれば、直ちに対応できる体制を早急に検討すべき。
 現在1社のみが6か月分の在庫を確保するよう指導されているが、この措置は最早懲罰的なので、継続することは困難。
 外国製品の製品供給は国内から制御できない問題なので、在庫量の確保は今後の課題として議論すべき。

 これらの意見を踏まえ、血液凝固第VIII因子製剤に係る緊急措置を解除することとされた。また、今後、血液事業部会に設置される需給調査会において、血液製剤の適正な在庫水準について議論することとされた。

(了)


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