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     児童福祉法の一部を改正する法律案要綱
第一  改正の趣旨
 我が国における急速な少子化の進行等を踏まえ、すべての子育て家庭における児童の養育を支援するため、市町村における子育て支援事業の実施、市町村保育計画の作成等に関する規定を整備する等の措置を講ずることにより、地域における子育て支援の強化を図ること。
第二  改正の要点
  一  市町村における子育て支援事業の実施等
 市町村は、児童の健全な育成に資するため、その区域内において、放課後児童健全育成事業及び子育て短期支援事業並びに次に掲げる事業であって主務省令で定めるもの(以下「子育て支援事業」という。)が着実に実施されるよう、必要な措置の実施に努めるものとすること。(第二十一条の二十七関係)
(1)  児童及びその保護者等の居宅において保護者の児童の養育を支援する事業
(2)  保育所等において保護者の児童の養育を支援する事業
(3)  地域の児童の養育に関する各般の問題につき、保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行う事業
 市町村は、子育て支援事業に関し必要な情報の提供を行い、保護者から求めがあったときは、当該保護者の希望等を勘案し、当該保護者が最も適切な子育て支援事業の利用ができるよう、相談に応じ、必要な助言を行うとともに、必要に応じて、子育て支援事業の利用についてあっせん又は調整を行い、子育て支援事業を行う者に対し、当該保護者の利用の要請を行うものとすること。(第二十一条の二十九第一項及び第二項関係)
 市町村は、2の情報の提供、相談及び助言並びにあっせん、調整及び要請の事務を当該市町村以外の者に委託することができるものとすること。(第二十一条の二十九第三項関係)
 3の調整等の事務に従事する者等は、その事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないものとすること。(第二十一条の三十関係)
  二  市町村保育計画の作成等
 保育の実施への需要が増大している市町村(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。以下「特定市町村」という。)は、保育の実施の事業及び主務省令で定める子育て支援事業その他児童の保育に関する事業であって特定市町村が必要と認めるものの供給体制の確保に関する計画を定めるものとすること。(第五十六条の八第一項関係)
 保育の実施への需要が増大している都道府県(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。以下「特定都道府県」という。)は、市町村保育計画の達成その他の市町村における保育の実施の事業及び主務省令で定める子育て支援事業その他児童の保育に関する事業であって特定都道府県が必要と認めるものの供給体制の確保に資するため、当該供給体制の確保に関する計画を定めるものとすること。(第五十六条の九第一項関係)
  三  その他
 都道府県児童福祉審議会の必置規制について、行政処分等に係る事項以外の児童等の福祉に関する事項については任意に調査審議することができるように緩和すること。(第八条第一項及び第二項関係)
 乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設の長は、地域の住民に対して、児童の養育に関する相談に応じ、及び助言を行うよう努めるものとすること。(第四十八条の二関係)
 一の1及び二における主務省令等を定めること。(第五十九条の七関係)
 罰則について必要な規定の整備を行うこと。(第六十条から第六十二条まで関係)
 その他所要の規定の整備を行うこと。
  四  施行期日等
 この法律は、平成十七年四月一日から施行すること。ただし、三の1に関する事項は、平成十六年四月一日から施行すること。(附則第一条関係)
 その他関係法律について所要の規定の整備を行うこと。


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