03/02/26 薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会/医療材料部会合同開催 平成15年2月26日議事録              薬事・食品衛生審議会     医療機器・体外診断薬部会/医療材料部会(合同開催) 議事録 1.日時及び場所   平成15年2月26日(水) 9:30〜   航空会館701〜703会議室 2.出席委員 各部会ごと五十音順(両部会とも所属の委員あり) (医療機器・体外診断薬部会:11名)    池 田 研 二、 小 野 哲 章、 鎌 倉 史 郎、 許   俊  鋭、   ◎桜 井 靖 久、 澤     充、 菅 谷   忍、 土 屋 利 江、   ○中 原 一 彦、 仁 田 新 一、 山 口 照 英   (医療材料部会:12名)    小  田   豊、 北 畠   顕、 北 村 惣一郎、 倉  田   毅、    菅 谷   忍、 勝 呂   徹、◎土 屋 利 江、 新 田 澄 郎、    橋 本 久 邦、○長谷川 紘 司、 松 村 英 雄、 山 口 照 英 (注) ◎部会長 ○部会長代理 他 参考人2名   欠席委員 (医療機器・体外診断薬部会:4名) 岡 部 信 彦、 富 田 基 郎、 橋 本 信 夫、 村 田   啓 (医療材料部会:5名) 川 田 志 朗、 武 谷 雄 二、 田 野 保 雄、 橋 本 信 夫、 松 田 武 久 3.行政機関出席者   鶴 田 康 則(大臣官房審議官)、 安 倍 道 治(審査管理課長)、   北 條 泰 輔(医療機器審査管理官)、    豊  島   聰(医薬品医療機器審査センター長) 他 4.備  考   本部会は、公開で開催された。 ○医療機器審査管理官 定刻より若干早めでございますけれども、ただいまから医療機 器・体外診断薬部会と医療材料部会を合同で開催させていただきます。委員の先生方に は御多忙中、また早朝から御出席を賜り、御礼申し上げます。本日は医療機器・体外診 断薬部会委員数15名のうち11名、それから医療材料部会委員数17名のうち12名の御 出席をいただく予定でございます。両部会とも定足数に達しております。  本日の会議のうち合同開催の案件につきましては、平成13年1月23日の薬事・食品 衛生審議会決議に基づきまして会議を公開とさせていただきます。また合同開催案件終 了後、引き続きまして医療機器・体外診断薬部会案件、それから医療材料部会案件に移 りますが、こちらにつきましては個別の案件ということで非公開とさせていただきます。  それから医療機器・体外診断薬部会の部会長につきましては、本年1月23日の薬事・ 食品衛生審議会の総会におきまして、桜井委員にお務めいただくことが決定しておりま す。それから医療材料部会の部会長につきましては、土屋委員にお務めいただくことが 決まっております。  本日は薬事・食品衛生審議会の総会後初めての部会開催ということになりますので、 まず委員の先生方の御紹介をさせていただきたいと思います。なお、本日はGCP等小 委員会委員長の上田先生にも御出席いただいております。お手元に配付している上の方 にあると思いますが、座席表と名簿を御参照の上、委員の御紹介をさせていただきます。  まず、医療機器・体外診断薬部会の委員の御紹介でございます。まず、池田研二委員 でございます。次に岡部信彦委員ですが、本日は御欠席でございます。続きまして小野 哲章委員でございます。それから鎌倉史郎委員でございます。続きまして、許俊鋭委員 は今日は御出席ということでございますが、まだおみえになっておりません。それから 桜井靖久委員でございます。澤充委員でございます。菅谷忍委員でございます。土屋利 江委員でございます。続きまして富田基郎委員ですが、本日は御欠席でございます。続 いて中原一彦委員でございます。仁田新一委員でございます。それから橋本信夫委員、 村田啓委員ですが、お二人とも本日は御欠席ということでございます。続きまして山口 照英委員でございます。以上が医療機器・体外診断薬部会の委員でございます。  続きまして、医療材料部会の委員の御紹介でございます。まず、小田豊委員でござい ます。それから川田志明委員ですが、本日は御欠席でございます。続きまして北畠顕委 員でございます。それから北村惣一郎委員でございます。倉田毅委員でございます。重 複いたしまして恐縮ですが、菅谷忍委員でございます。それから勝呂徹委員でございま す。武谷雄二委員並びに田野保雄委員ですが、本日は御欠席でございます。また重複し まして恐縮ですが、土屋利江委員でございます。新田澄郎委員でございます。それから 橋本信夫委員は御欠席でございます。それから橋本久邦委員でございます。長谷川紘司 委員でございます。松田武久委員は御欠席でございます。それから松村英雄委員でござ います。最後にまた重複して恐縮ですが、山口照英委員でございます。以上で委員の御 紹介を終わらせていただきます。  それから会議開催に当たりまして、通常ですと審議官の方からごあいさつさせていた だいておりますが、本日審議官は所用のために欠席ということでございますので、審議 の前に審査管理課長の安倍から一言ごあいさつをさせていただきます。 ○審査管理課長 審査管理課長の安倍でございます。所用のため欠席しております鶴田 審議官に代わりまして、一言ごあいさつを申し上げます。委員の皆様方におかれまして は、日ごろより高い識見に基づく御意見を賜るなど、医薬行政の推進に御指導、御協力 いただいておりますことに、この場をおかりしまして厚く御礼を申し上げます。また、 本年1月に薬事・食品衛生審議会委員に御就任いただいた皆様には、快くお引き受けい ただきましたことに深く感謝を申し上げる次第でございます。  改めて申し上げるまでもなく、医薬行政の基本は有効で安全な医薬品・医療機器等を 安定的に供給することを通じて、国民医療の向上に寄与することでございますけれども、 最近の急速な少子高齢化、科学技術の進歩、国際流通の進展、行政改革や規制改革に向 けた社会的要請など、医薬行政を取り巻く環境も大きく変化してきております。私ども 医薬局の職員といたしましても、こうした変化に迅速かつ適切に対応すべく全力で取り 組んでいるところでございます。具体的には薬事法の一部改正が昨年7月31日に公布さ れました。加えまして審査体制の一層の強化という観点から、来年4月には独立行政法 人医薬品医療機器総合機構を設置することといたしております。  本日は通常の個別品目の承認の可否、それから再審査期間の指定という議題に加えま して、この制度改正関係で医療機器・体外診断薬のクラス分類の議題、それから特定保 守管理医療機器の指定についての御議論、医療機器・体外診断薬の基本要件基準案、加 えてGCP案と、非常に盛りだくさんの議題でございますけれども、先生方におかれま してはそれぞれの分野での指導的立場から御意見を頂きまして、薬事・食品衛生審議会 に対する国民の厚い負託にこたえられますよう、よろしくお願い申し上げます。 ○医療機器審査管理官 本日この場で決定させていただく事項といたしまして、薬事・ 食品衛生審議会令におきまして、部会長が所用のため欠席をする場合など、その部会に 属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者がその職務を代理す るとさせていただいておりますので、部会長に部会長代理を御指名いただきたいと思い ます。まず、医療機器・体外診断薬部会の桜井部会長の方から御指名をお願いいたしま す。 ○桜井部会長 それでは恐縮でございますが、もしできますれば中原一彦先生にお願い したいと思いますが、いかがでございましょうか。先生、よろしくお願いいたします。 ○医療機器審査管理官 どうもありがとうございました。それでは桜井部会長の御指名 によりまして、中原委員に医療機器・体外診断薬部会の部会長代理をお願いしたいと思 います。次に、医療材料部会の土屋部会長の方に御指名をお願いしたいと思います。 ○土屋部会長 それでは長谷川先生に引き続きお願いしたいと思いますが、いかがでご ざいますでしょうか。それでは長谷川委員に部会長代理をお願いしたいと思います。 ○医療機器審査管理官 どうもありがとうございました。それでは土屋部会長の御指名 によりまして、長谷川委員に医療材料部会の部会長代理をお願いしたいと思います。以 上で、最初にお願いすべき事項につきましては終了いたしました。 ── 中原委員、長谷川委員、部会長代理席へ移動 ── ○医療機器審査管理官 それでは合同部会の開催案件につきましては、桜井先生の方に 座長をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○桜井座長 それではふつつかでございますが、司会を務めさせていただきます。合同 案件は三つございます。まず最初に、資料の確認をお願いいたします。 ○事務局 それでは事務局の方から、本日の合同部会関係の資料の御確認をさせていた だきたいと思います。委員の先生方におかれましては、席上に本日の資料の目録をお届 けしておりますので、それに従って御確認させていただきたいと思います。  まず資料1-1といたしまして、「薬事法改正(医療機器関係部分)の薬事・食品衛生審 議会審議事項とその検討体制」でございます。資料1-2といたしまして、「医療機器の クラス分類・一般的名称について(案)」でございます。資料1-3といたしまして、「特 定保守管理医療機器の指定について(案)」でございます。資料1-4といたしまして、「体 外診断用医薬品のクラス分類・一般的名称について(案)」でございます。資料1-5とい たしまして、「分析機器(検体検査用機器)のクラス分類について(案)」でございます。 それから資料1-6はB4の縦の資料でございますが、「医療機器クラス分類案 概要表」 でございます。資料1-7といたしまして、「体外診断用医薬品クラス分類案 概要表」で ございます。それからそのクラス分類の個別の指定案ということで、委員の先生方の机 にはA3の横のかなり分厚い資料でございますけれども、資料1-8といたしまして「医 療機器クラス分類案 第一部:診断装置・検査機器」をお配りしております。資料1-9と いたしまして、「医療機器クラス分類案 第二部:処置用・治療用又は手術用医療機器」 でございます。資料1-10といたしまして、「医療機器クラス分類案 第三部:歯科・眼 科用医療機器及び鋼製器具など」でございます。資料1-11といたしまして、「体外診断 用医薬品クラス分類案」ということで、個別の医療機器・体外診断用医薬品のクラス分 類案が資料1-8〜1-11でお配りしております。恐縮でございますが、これは非常に分厚 い資料で傍聴の皆様方にはお配りしておりませんけれども、閲覧できるように準備はし ていますので、後ほどでも御参照いただければと思います。  続きまして資料2といたしまして、「医療機器・体外診断薬の基本要件基準案につい て」でございます。資料3-1といたしまして、「医療機器GCP省令案検討のまとめ」 でございます。資料3-2といたしまして、「医療機器GCP省令の概要」というポンチ 絵の一枚の資料をお付けしております。資料3-3といたしまして、「医療機器GCP省 令案」でございます。資料3-4といたしまして、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関 する省令」でございます。それから参考資料1-1といたしましてGHTFの提案文書、 医療機器のクラス分類の仮訳でございます。参考資料1-2といたしまして、同じくGH TFの医療機器クラス分類の英文オリジナルでございます。配付資料は以上でございま すが、加えまして先ほど医療機器審査管理官の方からお話ししましたように、本日の議 事次第、座席表、名簿をお届けしております。以上でございます。 ── 説明途中、許委員着席 ── ○桜井座長 ありがとうございました。何か不足のものはございませんか。よろしゅう ございますか。それでは議題1が、いわゆるリスクその他に応じてクラス分けしようと いう医療機器・体外診断薬のクラス分類と、特定保守管理医療機器の指定案ということ でございます。この御説明を事務局からお願いいたします。 ○事務局 それでは事務局の方から資料の御説明をさせていただきたいと思います。ま ず資料1-1でございます。前回のこの合同開催におきまして、薬事法改正の医療機器関 係部分の審議事項とその検討体制ということで、資料1-1にあるようにクラス分類の指 定、改正、特定保守管理医療機器の指定、改正、41条基準の制定、改正、医療機器GC P、医療機器GLP、第三者認証基準の制定、改正等がありまして、議題1としまして クラス分類、特定保守管理医療機器の指定ということでございます。これにつきまして は、2にございますように「クラス分類・基準等検討小委員会」、GCPの関係は「G CP等小委員会」という形でこれまで検討を加えて、本日の資料作成を行っております。 その委員の名簿につきましては13ページでございますが、「医療機器関係小委員会委員 名簿」ということで、クラス分類・基準等検討小委員会につきましては土屋利江先生に 小委員長になっていただきまして、このメンバーの方々に御検討いただいております。 クラス分類・基準等検討小委員会におきましては、前回から今日の部会までに計4回の 御審議をいただいて、本日の資料をまとめさせていただいたという状況になっておりま す。  資料の中でいろいろ同じ言葉が出てまいりますので、御説明いたします。5ページを お開きいただきたいと思いますが、資料の中で「GHTF」という言葉が幾つか出てま いりますので、簡単に御紹介しておきます。「GHTF」はGlobal Harmonization Task Forceということで、日本、アメリカ、EU、カナダ、オーストラリアの規制当局及び 産業界代表者を構成員とする会議といたしまして、いわゆる医療機器規制の国際整合を 進めるための組織でございます。中では四つのワーキンググループを作って作業をして おりますけれども、特に今回のクラス分類の関係ではSG1というグループでその作業 が進められて、案がまとめられているものでございます。  続きまして6ページでございますが、同じくクラス分類の中に出てくる「GMDN」 はGlobal Medical Device Nomenclature、医療機器の国際一般的名称ということで、こ れにつきましては2001年11月にISOの方から発行されておりまして、それを指して 「GMDN」と呼称しています。GMDNの作成に当たりましては、特にEUを中心に 日米を含む18か国80名の専門家が参加いたしまして、アメリカ、欧州、日本の一般名 称を持ち寄りまして、それを基に国際一般名称をくみ上げてきているということでござ います。  続きまして資料1-2、「医療機器のクラス分類・一般的名称について(案)」でござい ます。前回の部会の際に基本的な方向といたしまして、クラス分類につきましては先ほ ど申し上げたGHTFでまとめつつあるクラス分類案をベースにルールを策定し、その ルールに基づいて四つの分類をしておくことが決められていますけれども、それに従っ て資料をまとめさせていただいております。GHTFのクラス分類ルール案につきまし ては、特にEUの医療機器指令を基本にしておりますけれども、使用目的、人体の侵襲 性等から定められておりまして、全16項目のルールから成り立っております。ただ、こ のルールは大筋でほぼ了承されておりますけれども、最終的にフィックスをしていない ということで、幾つかの個別の課題につきまして小委員会の方で議論を進めていただき ました。  まず、GHTFのクラス分類の基本的な考え方を資料で御説明したいと思います。同 じく資料1-2の29ページ、一番最後でございますが、一つ絵を付けさせていただいてお ります。「GHTFクラス分類(案)の考え方」ということで、なかなか一枚の絵に表し にくいところでございますけれども、事務局の方で整理させていただいております。こ のクラス分類の考え方の基本は、人体に対する侵襲性の度合いがどの程度なのかという ことになっておりまして、非侵襲のもののリスクが一番低いと。それから侵襲性の一番 高いものとして、長期的使用若しくは植え込みをするようなものがリスクが高いという ルールになっております。その上で、その医療機器をどこの部位に使うのかということ で、特に中心循環系なり中枢神経系といった、何か不具合が起こった場合に危険な状態 になり得る可能性のある部位に使うものについてはリスクを高く見ると。また、体内で 化学・生物学的変化、吸収を行うようなものについてはリスクを高く見る。また、エネ ルギー・医薬品を放出するものについてはリスクを高く見る。また、能動型か、非能動 型かということで、エネルギー源を基に駆動するようなものについては、リスクを一つ 高く見るということが基本になっております。そのほかにかなり欧州の事情が反映され ておりますけれども、生物由来製品、消毒・滅菌、避妊・性感染症などについて、リス クを少し高く見ているという形で特別ルールが構成されております。  このようなルールにつきましては4ページのルール1から順次まとめておりまして、 まず最初に非侵襲型機器が4〜7ページまで続きまして、8ページ以降が侵襲型機器と いうことで、リスクの低いものからルールができております。その上で、16ページのル ール9から能動型の医療機器に関しての追加ルールが始まっておりまして、その後先ほ ど申し上げた特別ルールということで20ページから追加ルールが始まって、23ページ までにもともとの計16のルールがまとめられております。先ほど申し上げましたよう に、日本としてこれをそのまま適用するか否か、どういう点を修正するか否か、そうい う点について小委員会で御議論いただきまして、その辺につきまして1〜2ページに七 つの論点を挙げさせていただいております。  これにつきまして、ここに書いてあるような対応にしようということで、小委員会で おまとめいただきましたけれども、主なものを申し上げますと、一つが診断用X線装置 の取扱いということでございます。これにつきましては、現行の私どものルールでは診 断用X線装置をクラスII、治療用の装置をクラスIIIとしているところでございますけれ ども、GHTFのルール案では診断用も含めてクラスIIIという案が提示されております。 これにつきましては少し資料でもおまとめして24ページに表を付けておりますが、ここ の部分については各国の意見がまだ集約されていないということがございまして、特に アメリカのFDAを見ますと放射線治療装置も含めてすべてクラスIIになっている。一 方、EUのIIbというのはクラスIII相当でございまして、カナダ、EUについてはクラ スは全部IIIになっているということで、かなり相違が見られます。そういうことで、日 本では現行も診断と治療でエネルギーレベルが違うものを分けておりますけれども、今 回の小委員会におきましては、現行の診断と治療を分けてクラスIIとクラスIIIにするこ とが適当ではないだろうかという整理をしております。  2ページのコンタクトレンズの取扱いについてでございます。GHTFのルールにお きましては、一時的使用の場合リスクを低く見てクラスが下がるということがございま すけれども、現在の特にディスポーザブル型のコンタクトレンズによる健康被害の状況 をかんがみたときに、やはりディスポ型と反復使用型のコンタクトレンズについても、 差異を設けるのは適当ではないだろうということで、両者ともクラスIIIの扱いにしてお ります。  そのほか鋼製小物の取扱いについては、一時的使用と短期的使用がなかなか区別しに くいようなケース。それから(4)、(5)、(6)につきましては特別ルールでございますけれど も、かなり欧州の意向が反映されております。もともと日本と欧州の審査の手続が違う ことから発生しておりますので、その点について医薬品と組み合わせた医療機器の取扱 い、また生物由来製品の取扱い、それから避妊又は性感染症予防のための医療機器の取 扱いというところについて修正を加えております。そのほか歯科材料の義歯床材料、印 象材につきましても、特に口腔内に創傷を持った患者にも使用することが多いというこ とも考えまして、一部修正を加えております。  その修正を加えた案につきまして、先ほどの4ページからのところで右側にGHTF の原文を載せておりますけれども、左側が小委員会案として今回御提示させていただい ているものでございます。今の考え方から一部修正を加えたところを、少し見にくくて 恐縮でございますが、字体を変えてお示ししております。  それから3ページでございますけれども、今回の改正でクラス分類を行うに当たりま して、国際一般名称であるGMDNを採用することを基本としたい。せっかく国際一般 的名称ができましたので、それをこの機会に取り入れたいということで進めているわけ でございます。けれども、名称の付け方で国際的な分類と一部違うところもありまして、 その点を大体五つほどに整理をして、今回一般的名称から一部修正を加えさせていただ いております。一つはくくり方が非常に大くくりなもの、それから細か過ぎるものとい うことで、特に大くくり過ぎるもの、例えば歯科合金のようなものにつきましては歯科 鋳造用貴金属合金なり歯科鋳造用非金属合金として、その二種類しか挙げておりません。 けれども、やはり日本ではその品質を高く持つこともありまして、そこをきめ細かく分 類しているということもございます。そのほか、先ほどのルールの適用によりまして、 クラス分類が異なるようなものにつきましては規制区分が異なってまいりますので、行 政上の必要性からその一般的名称を細分化する。それから今現在の一般的名称では、そ の他の何とかとか単に分類される何とかということがございますけれども、そういった ものについても一つ一つ特定し名称を付けていくということで、その名称が実際にない ような場合には一般的名称を追加する、若しくは、我が国には流通実態があるにもかか わらずGMDNに相当する名称がないような場合には追加する。それからキット、セッ ト製品につきましては、基本的には一番リスクの高いものの構成品として名称の中に含 めるということをやっております。  なお、現在GMDNにおきましては階層構造といたしましてまだ大分類、中分類がで きておりませんけれども、それについては現行の私どもの一般的名称の階層構造を使う ということにしたいと思います。それにつきましては今後のGMDNで階層構造につい ても検討を行うことになっておりますので、その検討状況を踏まえて、できた暁には導 入していきたいと考えているところでございます。  続きまして資料1-3、「特定保守管理医療機器の指定について(案)」でございます。 特定保守管理医療機器につきましては、法律に「保守点検、修理その他の管理に専門的 な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治 療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、厚生労働大臣が薬事・食品 衛生審議会の意見を聴いて指定するもの」となっております。これにつきましても小委 員会で御議論いただきまして、そこに書いてある基本的考え方といたしまして、保守管 理に専門的な知識・技能を必要とする高度電装機器、それから長期にわたって使用され、 保守管理が適切に行われなければ重大な不具合・感染等が生じるおそれがある医療機器 について、指定案を作成させていただいております。  続きまして資料1-4、「体外診断用医薬品のクラス分類・一般的名称について(案)」 でございます。これにつきましては、現在GHTFの方でルールについてもまだ検討中 で成案ができておりませんけれども、私どもとしてはリスクの高い体外診断用医薬品は 現行の承認を維持するという考え方で整理していますが、その全体像といたしまして最 後の19ページをお開きいただきたいと思います。今回の制度改正におきまして診断情報 リスクという考え方で、特に診断結果が生命の維持に与える影響が大きいと考えられる もの、また新しい測定項目で癌やHIV、HCVのような感染症の診断、それからNA T等の遺伝子診断などについては、診断情報リスクが高いということで整理しておりま す。その他のものにつきましては、基本的にリスクが低いという考え方でございますけ れども、その中で特に較正用標準物質がありまして、自己点検が容易なものは自己認証 ということで、大臣承認、第三者認証、それから自己認証という形で整理しております。 ただ、その基本といたしまして、体外診断用医薬品の場合につきましてはやはりその品 質管理が非常に重要でございますので、今回の制度改正の中では品質システム型のGM Pを適用しているということで整理しております。  また1ページにお戻りいただきまして、その考え方で少し詳しく申し上げますと、感 染症検査項目、重篤な疾患に関する検査項目として腫瘍マーカー、血液型又は細胞型に 関する検査項目、病原体遺伝子検査項目、ヒト遺伝子検査項目、自己検査用体外診断薬、 それから医療用から一般用・自己検査用に移行するものも含めまして新検査項目、新測 定原理と、そういったものについては一番リスクの高い大臣承認に指定するという整理 をしたいということでございます。これにつきましては3ページに資料をお付けしてお りますけれども、小委員会の方におきまして細かくは諸外国の状況、特にEUのIVD (in vitro diagnostic)の指令、それからFDAの分類を見まして、どちらかで基本的に リスクが高いとされているものについてはそれを取り込んだという考え方にしておりま す。特にEUの方につきましては、自己検査用の機器についてリスクを一段高く見てい ることもございまして、やはり患者が直接そのまま医師の指導下で使うということで、 私どもとしては大臣承認のものにするという案でございます。  2ページでございますけれども、一般的名称については先ほど言ったGMDNという ものが同じくできておりまして、それについても今回同じ考え方で導入したいというこ とで、準備させていただいております。  続きまして資料1-5、「分析機器(検体検査用機器)のクラス分類について(案)」でご ざいます。これは医療機器でございますけれども、先ほどのGHTFのルールにつきま してはいわゆるIVD(in vitro diagnostic)ということで、先ほどこのような検体検査 用の機器はGHTFのルールの対象外ということで、体外診断用医薬品とこのような分 析機器がそのGHTFのルールの外にあるわけですが、それにつきましても先ほどの体 外診断用医薬品の考え方に準じて整理させていただいております。そのため診断情報リ スクという考え方から、特に誤った診断結果が得られた場合に、人の生命及び健康に重 大な影響を与えるおそれがある検査項目について指定するということで、自己検査用の 測定機器、それから現在存在しておりませんけれども、主たる反応系を内蔵する専用分 析機器のうち、体外診断用医薬品で承認を必要とする検査項目を測定するもの。そうい ったものについてリスクを高く見るということで、その他のものは第三者認証若しくは 自己認証でございます。当然ながら新検査項目、新測定原理、新たに自己検査用に移行 するもの、新たな検査項目を測定する主たる反応系を内蔵する専用分析機器などについ ては大臣承認といたしまして、承認の際にクラス分類を決定することとしたいというも のでございます。基本的に分析機器につきましては体外診断薬と組み合わせて使うとい うことで、その場合には特に体外診断薬の方が主たる反応系の部分であることも考えま して、体外診断薬の方を承認対象とし、汎用機器のようなものも含めて考えた分析機器 につきましては反応系はないということで、承認対象とはしないという整理を2ページ に書かせていただいております。  今の考え方にのっとって整理したものが資料1-6〜1-7でございます。資料1-6は「医 療機器クラス分類案 概要表」ということで、ページ数としては1ページから始まってお りますが、今回の医療機器の分類で一般的名称は全部で約3,000ほどをお付けしてござ いますけれども、例えば1ページを見ていただきますと、現行の一般的名称が新一般的 名称のどこに移るのかということで対応表を作っています。その分類案として、例えば X線の関係であれば最初に分類案「II」と書いてございますけれども、これが今回の具 体的なクラス分類案でございます。それにつきましてはどのルールを適用してこの分類 になったのかということで、そのルールの番号を右に書かせていただいております。そ のほか、特定保守管理機器に該当するか、しないかということについて一番右の欄に書 かせていただいております。見方でございますが、例えば同じX線機器で「特定保守」(管 理医療機器)のところを見ていただきますと、横棒「−」があるものと「非該当」という ものがありますけれども、基本的に横棒のものにつきましてはいわゆる消耗品で、この ような保守管理がそもそも想定できないものでございます。保守管理が想定されるけれ ども、特定保守管理機器については該当しないのではないかというものについては、「非 該当」という記載をさせていただいております。そのほか「現行分類」におきまして、 幾つかの部分で横棒が引いてありますけれども、それは今の名称でその他の何とかとい うふうに書いているところでございます。例えば1ページで申し上げますと、真ん中辺 に「その他の専用X線診断装置」と書いてございますが、今回それについて名称を特定 していますけれども、現行の分類といたしましては個別には決まっていないということ で、横棒を引かせていただいております。この分類は全部で40ページほどにわたります けれども、個別の御説明は省略させていただきますが、最初にX線機器から始まりまし て診断用機器、歯科用機器ということで整理されております。  体外診断用医薬品につきましては、資料1-7に同じようなやり方で整理させていただ いておりますが、最初が一般検査用試薬ということで尿検査用の機器から始まりますけ れども、それについて現行の検査項目から新しい一般名称を付けるとどのようになるの かということでお付けしています。それについての分類案ということで、「II」と書い てあるのは第三者認証の品目、「III」と書いてあるのは大臣承認品目ということでござ います。右端に「承認分類」と書いてございますけれども、その前のページに「凡例」 を付けさせていただいておりますが、先ほど申し上げましたように、大臣承認の品目に つきましては感染症検査品目若しくは腫瘍マーカー等々がありまして、それがどの番号 に該当するかということで整理しています。これについても個別の御説明は省略させて いただきますけれども、先ほどの考え方にのっとって約1,000ほどの分類に整理してお ります。  今のは概要表でございますけれども、それに加えまして資料1-8〜1-11に具体的な医 療機器の定義も含めてまとめております。簡単に御紹介しておきますと、資料1-8を三 枚めくっていただいて以降が名称になっていますけれども、一番左端が現行中分類名を 付けておりまして、その右に今回の新しいGMDNのコード、GMDN上英文の名称、 新しい和名の新一般的名称案、それについての英文における定義、それからそれを整合 させた形での定義の和訳でございます。それについてのクラス分類案がどうなり、GH TFのクラス分類で整理するとどうなのかと。「A」、「B」、「C」と書いてござい ますけれども、GHTFのルール上はA、B、C、Dで整理されております。Dが4に、 Aが1に相当しまして、リスクの高いものはCやDになるということでございます。そ れでGHTFのルール、現行のクラス分類、特定保守管理医療機器に相当するか否か、 それから修理の方につきましてはこれから細かく定める。今回の審議事項ではございま せんけれども、現行の修理の種別がどうなっているかをある程度参考にしまして、特定 保守管理医療機器の指定を行っております。それから現行の一般的名称コード、現行の 一般的名称ということで、これも非常に膨大なものになっておりまして、医療機器で三 部作、見ていただきますと計600ページを超える部分でまとめさせていただいてござい ます。今回約3,000ほどの名称で個々に定義、クラス分類指定案を整理させていただい ております。  体外診断薬につきましても、同じように整理させていただいております。若干まとめ 方が異なっておりますが、資料1-11をお開きいただきたいと思います。それにつきまし ては4ページから具体的な表になりますけれども、尿の一般検査用試薬から始まってお ります。現行の検査項目から新しいGMDNのコード、GMDN上の名称、今回の新た な一般名称、英文の定義、和文の定義、それから今回の提案クラス分類ということで、 こちらの方についてはまだGHTFでルールができていないということがございまし て、FDA、EU、カナダの分類をまとめさせていただいております。それから、日本 臨床検査医学会における分類上どうなっているかということについても、対比できるよ うに作成させていただいております。FDAについては体外診断薬のクラスが調べても なかなか分かりにくいということがございまして、資料上は「不明」がちょっと多くな っていますけれども、ほかのEU、カナダも入れてこのような形で先ほどの考え方で整 理させていただいております。これについても資料の二枚目に個々のものがどういう意 味かということで、凡例を付けさせていただいております。  少し長くなりましたけれども、今の関係で医療機器・体外診断薬のクラス分類、特定 保守管理医療機器の指定案についての御説明を終わらせていただきたいと思います。 ○桜井座長 どうもありがとうございました。それでは、このクラス分類についての小 委員会で委員長をお務めになりました土屋先生、御発言をお願いいたします。 ○土屋部会長 小委員会ではGHTFの国際的なクラス分類ルール案を基に、日本のク ラス分類の考え方を作成しました。クラス分類ルールについては特に大きな問題はござ いませんでしたが、新規の医療機器につきましてはクラス分類にかかわらず、引き続き 国において十分な審査を行っていく必要があること。また、今後不具合の発症状況等も 考慮しまして、必要に応じクラス分類を随時見直していく必要があることなどが、小委 員会における審議でのポイントでございました。 ○桜井座長 ありがとうございました。膨大な資料で短時間でなかなか分かりにくいと 思うのですが、要するに私の考えでは、軸に国際整合というのが一つあるのです。医療 用具は数万点と言われておりますが、それを階層的に分類しようと。nomenclatureとい うのは階層的な分類という意味合いだと思います。そういう分類をすることによってリ スクに応じたクラス分けをして、一つは承認等の効率化を図りたいということ、それか ら安全性の確立をしたいということ、それからいわゆるミューチュアルベネフィットと いいますか、国際間の相互のやり取りをスムーズにしようということ、いろいろな意味 合いがあると思うのです。御覧になって分かるようにこの分類自体が非常に大変な品目 の作業なわけですが、この部会で御意見を頂いてお認めいただけるものかどうかという ことですけれども、何か御質問あるいは御意見なりがあれば。いかがでしょうか。 ○北村委員 遺伝子解析装置がクラスIになっているのですけれども、患者を対象にし て難病の特定疾患の遺伝子検査を行うような場合は、先ほどもございましたが、検査結 果の正否が重大な影響を与えるものはクラスIIIにまで上げようということになっていま したが、今からDNAの検査あるいは癌のいわゆる蛋白レベルではなくてメッセンジャ ーRNAあるいはDNAでの検査の場合は、クラスをまた上げるということになるのか どうか。現在研究用としてはクラスIでいいのではないかと思いますけれども。 ○桜井座長 これはいかがでしょうか。 ○事務局 その点につきましては資料1-4を見ていただきたいと思いますが、体外診断 用医薬品のクラス分類を書かせていただいております。今北村先生が御指摘の遺伝子検 査のところで、体外診断用医薬品の病原体遺伝子検査、ヒト遺伝子検査などについては、 リスクの高いものとして大臣承認項目にさせていただいております。実は、それと組み 合わせた分析機器をどう扱うのかということが一つの論点だったわけでございます。そ の点につきましては資料1-5の2ページでございますけれども、「体外診断薬と分析機 器を組み合わせたシステムの取扱いについて」ということで、物としては体外診断薬と 分析機器を組み合わせますので、それをどのように考えていけばいいのかと。分析機器 の場合、専用分析装置もあれば汎用するような分析装置もあるということで、これにつ いては私どももヨーロッパとアメリカのやり方を大分調べまして、小委員会でも御議論 いただきましたけれども、行政上の整理といたしまして、基本的には体外診断薬の審査 をする際に、例えば専用分析装置であれば実質的には当然承認審査の中でその機器を使 った形での審査を行う。そうでなければ当然その体外診断用医薬品が使えませんので、 体外診断用医薬品の審査の中でその点についての確認をしていく。ただ実際に、では専 用分析機器と汎用分析機器の場合にはどのように考えるのかという場合に、分析装置と して反応系がない場合は、その単独の方については承認の対象としないということでも 致し方ないのではないかと。今の点は体外診断用医薬品の方できちんと押さえていこう ということで小委員会としては整理して、今回提案させていただいているというもので ございます。ですから実質的には、正しく承認審査の中で押さえていくということにな ろうかと思います。 ○北村委員 資料1-8で、現在ではこれはクラスIになっているわけですね。 ○事務局 現在ではクラスIでございます。 ○許委員 本当は小委員会で言うべきことだったのですけれども、資料1-6の23ページ の「機械的人工心臓弁」のところがウシとブタに整理されて、一般的な人工弁が抜けて いるように思います。この分厚い資料1-9の346〜347ページを見ますと、英語の Definitionでは生体弁もいわゆる機械弁も全部入っているような感じなのですけれど も、「機械的人工心臓弁」のところが今回ウシとブタだけに整理されてしまったので。 それから資料1-9の346ページの一番下から347ページの上のところでウシとブタにな っているのですけれども、一般的なprosthetic materialは私も最初にどこかで抜けた のではないかと思うのですが、これは本当は小委員会で…。 ○事務局 その点はもう一度確認いたしますけれども、基本的には私ども今回の名称で 機械的人工弁そのものを削除することは全然考えておりませんで、当然残す予定でござ いますが、もしかしたら全体の現行の一般名称との分類上ミステイクがあるかと思いま すので、もう一度確認の上で今の機械的人工弁についてはきちんと加えるようにしたい と思います。 ○許委員 多分最初の方は違和感がなかったので、ちょっとミステイクかもしれません。 ○事務局 生体弁の方は今ウシとブタがございますけれども、機械的人工弁についても 間違いなく名称を加えるように、しかも分類案としてはクラスIVで分類したいと思いま す。 ○桜井座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ、小田委員。 ○小田委員 これも小委員会のところで出すべきだったのだと思うのですが、資料1-9 の中に…、細かいことで資料そのものにはなくてもいいのですけれども、文章的に例え ば歯面研磨剤を一般の人が使うという表現があったり、ですからこの定義のところまで はなかなか論議されていなかったところもあるかと思いますが、後で多少コメントを出 しますので訂正いただければと思います。 ○桜井座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございま すか。では今御説明のクラス分けその他について、一応大筋としてこの両部会で御了承 いただいたということでよろしゅうございますでしょうか。それでは御了承いただいた ものとして、今後のスケジュールは更にパブリックコメントを集め、その意見を基にし て再びこの部会に上程するという手続だそうでございます。そういうことで、ありがと うございました。  それでは議題2、メディカルデバイスの基本要件についてということで資料2でござ います。御説明願います。 ○事務局 続きまして資料2、「医療機器・体外診断薬の基本要件基準案について」で ございます。これにつきましても先ほど御説明したGHTFでまとめられて、医療機器 についてはほぼ最終になっておりまして、体外診断薬についてもほとんど成案に近いも のが出来上がっています。基本的にこちらの基本要件基準につきましては、GHTFの 基本要件基準をそのまま導入するという考え方で小委員会でも御意見を頂きまして、今 回御提出させていただいております。  資料の1ページに全体の構成を書いてありますけれども、医療機器・体外診断薬全部 を包括する基本要件でございますので、この「一般的要求事項」、全体に共通するよう な事項が1〜6項、それから「設計及び製造要求事項」ということで幾つかのカテゴリ ーごとに決められている事項といたしまして、「化学的、物理学的並びに生物学的特性」 から始まりまして、「感染及び微生物汚染」、「製造及び環境的特性」、「診断あるい は測定機能を有する医療機器又は体外診断薬」、「対放射線防護」、「エネルギー源へ 接続又はエネルギー源を具備している医療機器又は体外診断薬に対する要求事項」、「機 械的リスクに対する防護」、「供給エネルギー又は物質が患者に及ぼすリスクに対する 防護」、「自己検査医療機器、自己検査体外診断薬又は自己投薬医療機器が患者に及ぼ すリスクへの防護策」、「製造者が提供する情報」、それから「性能評価、該当する場 合、臨床評価を含む」という臨床評価の事項、こういった17の項目からなっております。  簡単に御紹介いたしますと特に2ページでございますが、資料の作り方としまして、 GHTFの英文と今回の小委員会でもいろいろ見ていただいた和文をお付けしておりま す。例えば第1項を申し上げますと、ちょっと分かりにくい表現かとも思いますが、「医 療機器又は体外診断薬は、その医療機器又は体外診断薬を使用するに際して、必要な技 術知識や経験を有し、教育・訓練を受けた使用者によって、定められた条件の下、その 医療機器又は体外診断薬の用途に従って適正に使用された場合、患者の臨床状態又は安 全を損なわないよう、そして使用者や、該当する場合、第三者の安全や健康を害しない よう、設計及び製造されていなければならない」ということが基本に書いてございます。 ですからこれは第1項でございますが、1〜6までそういった医療機器のリスクの考え 方、リスクを減らせというかなり詳細な記載があります。こういうことによりまして、 医療機器の設計、製造におきましてはリスク評価をきちんとやり、臨床の現場で安全に 使えるような設計をしなければいけないということが、基本理念としてこの基本要件基 準の根幹に流れております。そういったものを基本に企業の方が設計、製造するという ことが求められているわけでございます。  その項目が1〜6までございまして、4ページから先ほど申し上げた個別の事項にま いります。特に材料がどのようなことを満たさなければいけないかと、使用材料の選定 なり生体適合性についてきちんと確認し、安全性を確保する必要があることから始まり まして、医療機器は非常にいろいろございますので、先ほど申し上げた項目に従って規 定を作っております。  6ページに行きますと、「8.感染及び微生物汚染」という問題も当然医療機器の場合 はございますので、その製造工程でリスクを合理的に減らしなさい、滅菌をきちんとし なさいということが記載されております。  少し飛ばしまして、9ページから「9.製造及び環境的特性」ということで、「医療機 器又は体外診断薬が、他の医療機器又は体外診断薬又は装置と組み合わせて使用される 場合、接続系を含めたすべての組合せは、安全であり、各医療機器又は体外診断薬が持 つ性能が損なわれないようにしなければならない」ということから、どういう条件で使 うのかということも含めて、きちんとそのリスクを考えて設計・製造しなければならな いということが9項から書かれております。  それから11ページでございますけれども、第10項におきましては「10.診断あるいは 測定機能を有する医療機器又は体外診断薬」ということで、「測定機能を有する医療機 器又は体外診断薬は、その不確かさが患者に重大な悪影響を及ぼす可能性がある場合、 その医療機器又は体外診断薬の使用目的に照らし、十分な正確度、精度及び安定性を有 するよう、設計及び製造されていなければならない」ということが記載されております。  12ページに行きますと「11.対放射線防護」ということでございますが、「治療及び 診断のために適正レベルの放射線の照射を妨げることなく、患者、使用者及び第三者へ の放射線被曝は合理的、かつ適切に低減するよう設計、製造及び包装されていなければ ならない」ということが大きくうたわれております。放射線の関係は項目が非常に詳細 に決められております。  15ページにまいりますと、「12.エネルギー源へ接続又はエネルギー源を具備してい る医療機器又は体外診断薬に対する要求事項」ということで、「電子プログラムシステ ムを内蔵した医療機器又は体外診断薬は、ソフトウェアを含めて、その使用目的に照ら し、これらのシステムの再現性、信頼性及び性能が確保されるよう設計されていなけれ ばならない」という項目の記載がございます。  16ページでございますが、「13.機械的リスクに対する防護」ということで、「医療 機器又は体外診断薬は、動作抵抗、不安定さ及び可動部分に関連する機械的リスクから、 患者及び使用者を防護するよう設計及び製造されていなければならない」ということか ら、規定が詳細に決められております。  18ページでございますが、「14.供給エネルギー又は物質が患者に及ぼすリスクに対 する防護」ということで、「患者にエネルギー又は物質を供給する医療機器又は体外診 断薬は、患者及び使用者の安全を保証するため、十分な正確さで供給量を設定及び維持 できるよう設計及び製造されていなければならない」ということが規定されております。  それから18ページの下でございますが、「15.自己検査医療機器、自己検査体外診断 薬又は自己投薬医療機器が患者に及ぼすリスクへの防護策」ということで、実際は19ペ ージの頭にありますけれども、「使用者が有している技能や手段並びに使用者の技術や 環境上の違いに配慮し、その影響を受けず、用途に沿って適正に操作できるように設計 及び製造されていなければならない」ということが規定されております。  19ページの「16.製造業者が提供する情報」ということで、「使用者には、使用者の 訓練及び知識の程度を考慮し、製造業者名、安全な使用法及び医療機器又は体外診断薬 の意図した性能を確認するために必要な情報が提供されなければならない」ということ が規定されております。  最後に20ページでございますけれども、「17.性能評価、該当する場合、臨床評価を 含む」ということで、「性能評価を行うために収集されるすべてのデータは、要求事項 に準拠して策定されなければならない」。また、「人体を被験者とする臨床評価は、G CPにのっとって実行しなければならない」となっております。この「GCP」のとこ ろにつきましては、原文上は「ヘルシンキ宣言にのっとって」という書き方をしており ますけれども、私どもはヘルシンキ宣言にのっとってGCPを作っていることから、我 が国ではここのところは「GCP」という言葉に置き換えて記載させていただいており ます。  以上駆け足で御説明いたしましたけれども、共通する事項としてはリスクというもの をきちんと判断し、そのリスクの低減策を採るということが基本要件の根幹の考えとし てまとめられておりまして、こういった考え方をお認めいただければ、この基本要件基 準案としてまとめていきたいというものでございます。以上でございます。 ○桜井座長 ありがとうございました。それでは、これも小委員会の委員長を務められ た土屋先生から御発言いただきたいと思います。 ○土屋部会長 先ほど説明がありましたように、GHTFの基本要件基準案と整合した 日本の基本要件基準案を作成しました。この基準は今国際的にも非常にその必要性が言 われているガイドライン化とか、リスク分析やリスクコントロールといったものを盛り 込んでいくことが、先ほど来の説明にあったことの重要なポイントであります。以上で す。 ○桜井座長 ありがとうございました。これも先ほどのクラス分類と同じように、一種 のグローバルハーモナイゼーションの一環というふうに思いますが、医療用具の承認の ための憲法のようなもので、ここを通らないと駄目だということだろうと思います。そ れで基本になっておりますのは、今御説明があったようにリスク分析、リスク管理とい うところだと思いますが、何か御意見、御質問なりございませんか。何分英語のものは 我が国の言葉と大分違いますから、我が国の現状に合わせたような訳し方をしている部 分もあるようでございます。北村先生、どうぞ。 ○北村委員 今御説明がありました20ページの17.2に「GCPにのっとって実行しな ければならない」と、ヘルシンキから書き直して変わっていますが、医療機器のGCP はもう出来上がっているのですか。 ○事務局 この次の議題で御説明させていただきたいと思います。 ○北村委員 まだですね。 ○事務局 まだといいますか、今は通知レベルで運用させていただいておりまして、今 回の薬事法改正によって法制化をするということで、今回省令案を御提示する。現行で もございます。 ○北村委員 括弧付けで「(検討中)」とでも書いておかないと、今これをリリースして いいのでしょうか。 ○事務局 そういう意味では医療機器のGCP、医薬品でいきますと前のタイプのGC Pについて、実際の承認申請の段階では通知レベルでございますけれども、承認申請の ための臨床試験はそのGCPに従って行わなければならないという実質的なリクワイア メントをしております。ですので、そういう点では変更はありませんけれども、それを 薬事法の法制下で法律上きちんと位置付けをするというのが今回の改正でございます。 ですから、そういう意味では実行されていると御理解いただければ結構だと思います。 ○桜井座長 ほかにいかがでしょうか。何かございますか。もしよろしければ、この件 につきましてもこの両部会の考え方として御了承いただいたものとして取り扱わせてい ただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。それではクラス分類と同じように これもパブリックコメントを実施して、その意見をまたこの部会に上程して御報告する という運びのようでございます。ありがとうございました。  それでは議題3、今話題にあったGCPの問題ですが、御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは資料3-1をお開きいただきたいと思いますが、医療機器GCPの省 令案ということで小委員会の方で二回御検討いただきまして、今回の報告をまとめてお ります。今回の医療機器GCP省令につきましては、もともとの考え方といたしまして、 医薬品のGCP省令を基盤として原案を作成しております。そこの点については、医薬 品であっても医療機器であっても臨床試験を行う上での手続は、やはり基本的な部分で は差があるべきではないだろうということで、医療機器GCPの省令を基盤として原案 を作成しております。そういうことで現行の通知で行っている医療機器GCPの中身を、 今回省令化に当たりまして、一部修正を加えたいということで案をお作りしております。 それはどういう点が大きいかと申し上げますと、説明と同意の取得につきましては文書 によること、それから治験総括医師制度の廃止、治験依頼者(医療機器企業)の責務の強 化、治験審査委員会の機能の充実、治験責任医師の責任と業務の明確化と治験支援体制 の充実、それから議論としましてはGCP対象の臨床試験の範囲をどう考えるかという ことで、その点について今回、現行の通知レベルで行っている医療機器のGCPを省令 化に当たりまして改正しようという案でございます。  それが達成されるとどのような形になるのかということで、資料3-2に概略をまとめ ております。ここに書いてあるように、治験依頼者が実施医療機関の長に治験の契約を して治験を行うわけですけれども、治験依頼者が実施計画書を作成し、実施医療機関の 長につきましては治験審査委員会を設置し、業務手順書を作成し、治験の業務等の専任 を行うということでございます。治験責任医師の方におきましては症例報告書の作成、 被験者の選定を行いまして、治験依頼者に報告するということでございます。被験者に 対しましては文書による説明と同意を行うということで、基本的には医薬品のGCPと 同じような構造に、この省令案を出すことで実行できるようになると思います。  実は医療機器ということで若干医薬品と異なる点がございますので、それを資料3-1 の2ページにまとめさせていただいております。基本的には非常に細かい部分でござい ますけれども、これまでの小委員会での検討結果ということでまとめておりますが、医 療機器の特性にかんがみて医薬品GCP省令を一部修正するということでございます。 ここに書いてございますように、治験協力者については医療機器というものを考えると 臨床工学技士の役割が大きいということで、「臨床工学技士」を追加する。それから有 害事象というものをどう考えるかということで、被験者に対し実際に機器を適用しなく とも被験者等への有害事象の発生が予想できる場合、また被験者のみならず医師、看護 師等に対する有害事象が発生する場合があることから、「治験機器の使用により生じた」 ものと。それから業務手順書の中でも「臨床工学技士、看護師」を追加する。また、治 験機器概要書では、医薬品では「化学名又は識別記号」を書いてございますけれども、 それは医療機器の場合「構造・原理に関する概要」ということで記載しております。そ れから治験の契約・目標とする被験者数についても、コンタクトレンズのケースなどで すと罹患の病変数で集計する品目もありますので、そういったものも追加する。また、 汚染防止のための包装ということで、治験機器全体を包装できない大型機器のようなも のもありますので、一部修正を入れている。それから治験依頼者の機器に関する情報の 提供義務ということにつきまして、非常に様々な使用方法があるということもございま して、機器の取扱いについて十分に習熟する必要がある場合には、必要に応じて教育、 訓練を提供するという規定を追加しております。  このような点について一部修正を加えてGCPの省令案といたしまして、資料3-3の 左側の「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令(案)」ということでまとめてご ざいます。医薬品と異なる点について分かるように、少し資料に手を入れさせていただ いております。  それからもう一度資料3-1の一枚目に戻っていただきまして、今回の薬事法改正に基 づいて新たに医師自らが行う治験の届出制度が導入されたということで、上記の検討と 並行いたしまして、医師主導の医療機器の治験についてもどうするかという検討を行っ ております。原則としては医薬品の医師主導の治験と基本的には考え方を同じくしてお りますけれども、現行の医薬品GCP省令の意図する水準と同様のものが維持され、現 行のGCPの内容が網羅されたものとしたい。それから治験依頼者の責務につきまして は、医師主導の治験においても原則として、「自ら治験を実施しようとする者」又は「自 ら治験を実施する者」が「治験依頼者」と同等の責務を負うものとするという、医薬品 の医師主導の治験案と同じ考え方にのっとって案を固めたというものでございます。  その点につきましては同じ資料の3ページに少し簡単に加えておりますが、ほかのG CP省令との違いを記載させていただいております。具体的には先ほどの資料3-3の右 側のカラムに、「医師主導の治験の実施の基準」ということでその案を入れておりまし て、この修正は医療機器GCP省令と異なる点を一部字体を変えて記載させていただい ているところでございます。  そのほかでございます。資料3-1の「3.その他」に記載させていただいております。 実際に医療機器GCP、今回の案を施行していこうといった場合に医薬品といろいろ異 なる部分がございますので、ここに書いてあるような治験機器の事前交付の禁止の問題、 それから治験機器GMPの問題、被験者の意思に影響を与える情報が得られた場合、そ れからGCPの適用範囲等について、具体的にはGCPマニュアルでそれをより明確化 していきたいということで、その作業は引き続き進めていきたいという今回の小委員会 からの報告をまとめさせていただいております。以上でございます。 ── 説明途中、仁田委員退室 ── ○桜井座長 ありがとうございました。それではこの医療機器GCP省令案の検討小委 員会の委員長、上田先生に御出席願っておりますので、御発言をお願いいたします。 ○上田専門委員 今御説明があったとおりでございますが、要点を繰り返しますと、小 委員会では既に省令になっている医薬品のGCPをベースにして、医療機器と医薬品で 異なる部分について一部修正を加えて、医療機器の省令案を作成いたしました。資料3-2 のシェーマがありますが、これはいわば企業主導の治験でございまして、その後薬事法 の改正によって新たに設定された医師主導の治験の実施についての基準も、また医薬品 に倣い検討いたしております。それが先ほどの資料3-3の右側にあるところであります。 今後医療機関や医療関係者に十分周知した上で施行に移ることが必要ではないかと考え ております。以上です。 ── 仁田委員入室 ── ○桜井座長 ありがとうございました。それではこの件に関して御意見、御質問はいか がでしょうか。どうぞ、北村委員。 ○北村委員 この「案」が取れて出来上がったときは、このGCPは医薬品GCPと医 療機器GCPという二つの名称で行くという方向なのでしょうか。それともう一つは、 医薬品GCPは既に承認されて、医師主導型は本年4月から可能になりますよね。ここ まで出来上がっているのに、なぜ医療機器の方は平成17年まで延ばすのか、その理由を お聞きしたいし、なぜ早くできないのか。これは国会で薬事法改正で決まっているのに、 医療機器は遅れていたのはよく分かるのですけれども、既に医師主導型も三浦先生の御 努力でここまで出来上がってきていますよね。それなのに発効がまだ2年先というのは いかがなものかという気がします。それからくどいようですが、この医療機器GCPが 決定すれば、先ほどの資料2のヘルシンキディクラレーションを読み替えるというのを、 「GCP」を「医療機器GCP」と書き改められるのかと。その三点をちょっと教えて ください。 ○医療機器審査管理官 私の方からお答えさせていただきます。まず事実関係から御説 明申し上げますけれども、今回の薬事法改正によりまして、いわゆる医師主導の治験制 度につきましては第一段階施行ということで、医薬品の部分については本年7月より施 行ということになっております。その他の医療機器のGCP、これは医師主導のGCP を含みますけれども、これにつきましては平成17年度からの施行ということになってい るわけでございます。私どもの方もこの施行の関係につきましては内部でいろいろ議論 をしていたのですけれども、二つの点で平成17年度からの施行と考えております。  第一点として、先ほど御説明させていただいたように、医療機器GCPにつきまして はこれまで通知GCPということで行政指導してまいりまして、さらに内容が旧医薬品 GCPと同じということで、今回現在の医薬品GCPに合わせる形で内容も見直したと いうことがございます。したがいまして、企業の方と医療機関双方におきまして、やは り十分な周知期間が要るのではないだろうかと考えているということでございます。  それから第二点といたしましては、これは若干実務的な問題もありますけれども、医 療機器の審査あるいは相談体制というものは、率直に申し上げますと現時点におきまし てはまだ脆弱でございます。これにつきましては、昨年12月に独立行政法人医薬品医療 機器総合機構法というものが成立いたしまして、今後、具体的に申し上げますと平成16 年4月から新しい審査のための法人が出来上がるわけでございます。私どもその中でい わゆる治験の審査体制あるいは相談体制といったものの整備充実を図りたいと考えてお りまして、施行の方は平成17年度からということにさせていただきたいと考えていると ころでございます。  それから先ほどのEssential Principlesの中身のGCPうんぬんでございますが、そ ういう意味で平成17年度から同時に施行するということで、ああいう書きぶりになって おります。 ○北村委員 医療機器GCPとして省令完了後は、その部分は書き直していくというこ とになるわけですね。 ○事務局 もともとこれは医療機器の基準でございますので、当然その言っている「G CP」は医療機器のGCPを指すということがある意味では明らかなので、単独にGC Pと。逆に、医療機器の基準なのにここだけ医薬品を使うということはそもそもないの で。 ○北村委員 タイトルが医療機器となっていれば、そちらに属するということで。 ○事務局 当然だからということで…。 ○北村委員 医薬品機構が来年4月からということで、その準備にお忙しいのは分かる のですが、なお1年遅らさなければいけない理由がよく分からない。出来上がった時点 では、既に人員の増強などがうたわれておりますよね。ちょっと国会での問題も残って いるところがあると思いますけれども、やはり今申されたように周知の徹底と先生方の 方の人員の乏しさ、難しさということですが、機構として平成16年4月にスタートする のだから、医療機器の方も同時に1年遅れでスタートするということについて、何とか ならないのかと思うのです。 ○医療機器審査管理官 現時点で審査につきましては審査センターと、それから後発の ものにつきましては財団法人医療機器センターの方ですけれども、合わせても20名足ら ずという非常に少ない人数でやっているのが現状でございます。私どもその独立行政法 人を設立いたしまして体制整備を図ろうということで、段階的に増やしていきたいと考 えております。そういう意味で、平成16年からいきなり例えば倍増するなどということ がなかなか難しいので、そういうことでございます。 ○北村委員 分かりました。できるだけ早くお願いいたします。 ○桜井座長 ほかはよろしいでしょうか。何か御意見はございますか。どうぞ、橋本委 員。 ○橋本(久)委員 少し細かい部分ですが、医師主導型のGCPでモニタリングの件なの ですが、通常の治験は依頼者からモニタリングがまいりますけれども、医師主導の場合 は治験を実施している施設の人がモニターをやるのかどうか、その点はいかがでしょう か。 ○上田専門委員 まずどういう方にモニターになっていただくかということを、あらか じめ手順書を作って医療機関の長に出し、IRBの許可を得てそれに従ってやらなくて ばいけないという規定があります。その場合に、もちろん同じ医療機関で直接その治験 に携わる人ではいけないわけであります。それから、監査とかそういうものにもかかわ るような人であってはいけない。したがって、それらを除いた人でIRBが支障がない と認めれば、同一医療機関であってもいいのではないかと思います。ですから、例えば 一つの大きな施設で監査部門あるいはモニターの部門を持っていて、そこがおやりにな るということは構わないのではないかと思います。ただし、その案について医療機関の 長とIRBが承認を与えるという必要があります。 ○桜井座長 よろしいでしょうか。何か追加はありますか。ほかは何かございますか。 それでは特に御意見もないようですので、この件も一応この部会で御了承いただいたも のとして、今後パブリックコメント、それから次の部会への上程ということにいたしま す。どうもありがとうございました。では今後のスケジュールについて、事務局からお 願いします。 ○事務局 それでは今後のスケジュールでございますけれども、また資料1-1の12ペー ジをお開きいただきたいと思います。よろしいでしょうか。これは前回の部会のときに お示ししたスケジュールでございますが、おおむね順調に進んでいまして、2月に医療 機器関係合同部会ということで今日の部会をさせていただいております。今日基本的に お認めいただきましたので、私どもとしてはパブリックコメントの手続に入りたいとい うことで、今のクラス分類と基本要件の基準の関係は一応3〜4月と、ほぼ2か月のパ ブリックコメントの期間を設けて、5月に予定している次の医療機器関係合同部会を開 催し御了承がいただければ、6月に予定している薬事分科会に上程いたしまして告示、 省令の改正を行いたいということでございます。基本要件につきましては施行まで当面 告示というよりは通知で運用させていただきまして、またその状況を見ながら進めたい と思っておりますが、クラス分類につきましてはそのような形で進めてまいりたいと思 っております。GCPの関係でございますけれども、こちらの方につきましては特に医 療関係者への周知を十分にしたいということを考えております。パブリックコメントを 今のクラス分類よりは長くとり、3〜6月をその期間にしまして、8月に予定している その次の部会に上程させていただきまして、その次に9月の薬事分科会を目指して準備 をしていきたいという予定を考えております。以上でございます。 ○桜井座長 ありがとうございました。何か全体を通して御質問、御意見はございます か。よろしいでしょうか。 ○中原部会長代理 GCPの件なのですが、医療機器のGCPのお話は承ったのですけ れども、例えばこの体外診断薬のGCPというのは特にお考えにはなっていないのでし ょうか。 ○事務局 体外診断薬につきましては、私ども現時点でGCPを要求事項にしておりま せん。我々も十分調べたわけではありませんけれども、ほかの国でもGCPの要求等を していないようですので、そういう点で例えば体外診断薬のGCPを作る予定は今考え ていないということでございます。 ○中原部会長代理 例えば体外診断薬の新しいものができたときに、要するにGCPと いうようなことして治験をするということが、本来やはりあった方がいいようには思う のですが、いかがなものなのでしょうか。 ○医療機器審査管理官 基本的に体外診断薬ということでございますので、恐らく検体 のようなものを取ってそれについて測定をする、検査をするということになるのだろう と思います。先ほど御説明させていただいたように、GCPの方は現時点で考えており ませんが、一般的に臨床研究の実施につきましては、現在厚生科学審議会の方で議論を いたしまして、これはまだ現在案のパブリックコメントをしている最中でございます。 そういうものの中で一つ考えていくようなところなのかなと思います。 ○桜井座長 よろしいですか。ほかはいかがでしょうか。どうぞ、小田委員。 ○小田委員 この検討スケジュールのところなのですけれども、いわゆる第三者認証基 準はこの今の基本要件基準に従って作られていくのだろうと思うのですが、これの進捗 状況について。もう一つは、今までこの基準の中にいわゆる薬事通達というものとJI S規格、あるいは国際規格が絡んでいましたので、薬事通達と国際規格が整合しなかっ たところもあるのですけれども、その辺りはこれからどのようにされていくのか、分か りましたら教えていただきたいと思います。 ○事務局 その点、第三者認証基準の方でございますが、当初確かに私どももある程度 並行して進めていこうというつもりでいたのですが、クラス分類の作業が非常に多大に なりまして、クラス分類の方に若干注力して、クラス分類の作業が終わった後、第三者 認証基準の方については順次小委員会の方にお示しして進めていきたいと思っておりま す。現在のところ、各工業団体ごとにJISの原案の作成委員会というものを大体持っ ておりまして、これまでもJISの作成にかかわっていますけれども、その団体におき まして今いろいろな検討を進めていただいておりますので、実際にはその辺の進捗を見 ながら小委員会の方に具体的な案をお示ししていきたいと思います。基本要件が最終的 にフィックスすれば基本要件に附属するJISという形で、基本要件とその個別のJI Sをどのように組み合わせていくかも含めて、つまり基本要件が先ほど言ったように非 常に抽象的なといいますか、包括的な基準であるがために、では具体的に何をスタンダ ードに適用するのかということについて、各項目ごとに少し小委員会の先生方の御意見 も聴いてまとめていきたいと思っているところでございます。そのための準備を、各工 業団体にあるJISの原案作成委員会で少し御検討いただいているという状況でござい ます。それについてもある程度の考え方がまとまり次第、また小委員会の方でお示しし て進めていきたいと思っております。JISの扱いについては、今申し上げたように基 本要件基準が全体を包括する基準でございますので、それについて例えばJISなりI SOの基準といったものを各項目ごとに、例えばリスク分析についてはどういう基準を 具体的に適用してやるのかという形で、基本要件基準に組み合わせる形のものを実際に 示して、基本要件基準と個別のスタンダードとの関連を付けていきたいと思っていると ころでございます。 ○桜井座長 どうぞ、新田先生。 ○新田委員 前回国内の医療機器産業の育成という視点のことを申し上げたのですが、 今回の改正ではそういう視点から見るとどういう効果が期待できるのでしょうか。 ○医療機器審査管理官 今回薬事法改正ということで、基本的には規制を扱う法律の改 正でございますので、直接的に振興ということになかなか結び付かないのかもしれませ ん。ただ、桜井先生の方からも何度かお話があったように、医療機器の規制の見直しに つきましては、国際整合ということを基本といたしまして大幅な見直しを行ったところ でございます。そういう意味では、今後例えば国内のメーカーが製品を開発して海外へ 出していくことになれば、規制も国際整合されているわけでございますので、そういう ところも迅速化するということにはなろうかと思います。それから薬事法ではございま せんが、独立行政法人の方で審査体制を整備するということで、審査期間の短縮あるい は相談体制の充実ということで、開発期間の短縮といった効果があるのではないかと考 えています。 ○新田委員 ありがとうございました。 ○桜井座長 よろしゅうございますか。そのほかに何かございますでしょうか。今日の 三つの案件は、いずれも国際整合ということが相当メインな柱になっていると思います。 私も数年前からISOの医薬特定の方へ出ていろいろ感じるところがあるのですが、一 つはやはり日本がデファクトスタンダードが非常に乏しい。要するに国際的、世界的に 提示できる手持ちのルールというか、レギュレーションというか、そういう合理的なも ので手持ちのネタが少ない。したがって、どうしても外国勢に押されっぱなしで、外国 のものを輸入して日本語に翻訳するという流れになってしまう。これは非常に残念なこ とだと思います。  それから二番目は、やはり日本の行政の中に専門家というのでしょうか、その仕事を 何十年もずっとやっているという人がいなくて、厚生労働省も同じですけれども、日本 のお役人は大体2年ぐらいでぽんぽん替わりますから専門家が育たない。そうすると外 国は何十年もそれをやっている人がいて、どうしてもそれに負けてしまうということも あります。日本の行政の方も非常に御努力あるいは頑張っていらっしゃるのは重々承知 しておりますが、そういうシステム的な問題も、やはり日本としてこれからいろいろ考 えていかなければならないのかなということもちょっと感じます。それではどうもあり がとうございました。一応合同の案件はこれで終わりということでございます。 ○医療機器審査管理官 どうもありがとうございました。引き続き、医療機器・体外診 断薬部会の方の審議事項に入らせていただきますが、準備の関係で11時15分再開とい うことでお願いしたいと思います。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 医療機器審査管理室 室長補佐 束野(内線2912) - 29 -