03/02/19 第3回看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会      第3回看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会                            日時 平成15年2月19日(水)                          10:00〜                       場所 経済産業省別館944号会議室 ○前田座長  定刻になりましたので、ただいまから「第3回看護師等によるALS患者の在宅療養 支援に関する分科会」を開催します。各委員の皆さま方には、ご多忙のところ本分科会 にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。今日はまさにそれぞれの立場 から、いままでのヒアリングを踏まえて、忌憚のないご意見を伺いたいと思います。前 回、患者・家族の方、実際にケアに当たっている看護師の方、介護に当たっているヘル パーの方々からALS患者へのケアの実情についてお話を伺ったわけですが、それを踏 まえて、その前の回でご議論いただいた論点、議論の仕分けの仕方も踏まえて、今日は もちろん論点の中心がどこにあるかという、問題の所在を明らかにすることが中心で、 本日は結論を出すところまでではありません。まさにいままでお考えになっていること を踏まえて忌憚のないところをお伺いしたいと思います。その前に、事務局から今日お 配りいただいた資料、前に宿題になっていたものも若干ありますので、先にご説明いた だけるでしょうか。 ○三浦補佐  今日はどうもありがとうございます。お手元にお配りしてある資料を簡単に紹介した いと思います。資料としては、「資料目次」以下になります。資料1として、前回、分 科会のヒアリングということで座長から先ほどご紹介がありましたとおり、患者・家族 の方、看護師の方、ヘルパーの方、それぞれのお立場の実体験に基づくご意見をいただ きましたので、それをこちらのほうで取りまとめたものです。資料2以下は、以前から お話がありましたもの、ご要求いただいていた資料につきまして、こちらのほうで作成 したものです。簡単に紹介してまいります。  まず資料2ですが、「在宅の人工呼吸器装着者の現状」という形で用意しています。 こちらの前回ALS患者に限った話というよりは、もう少し在宅の人工呼吸器装着者の 全体像が見えるものをというお話合いがありましたので、それに対応するものです。  (1)の「推計症例数」の所をご覧いただければと思います。在宅人工呼吸器療法を されていらっしゃる方が、全国で大体1万400人程度と推計されています。その中でマス クを用いて換気法を行っていらっしゃるNPPVの方、これが大体約8,000人弱、そして 気管切開を介して行う人工呼吸管理、TPPVの方は大体2,500人程度ではないかと推計 されているものです。  (2)ですが、そこのNPPVとTPPVの方の中で特に在宅NPPVの疾患の割合 、それからTPPVの疾患の割合を整理したものが、この円グラフになります。特に下 の気管切開を介して行う人工呼吸管理の割合をご覧いただきますと、神経系疾患、神経 筋疾患で大体7割ぐらいを占めているという現状でして、それに続く形で肺結核の後遺 症、あるいは閉塞性の肺疾患といったような形に分布がなっているというものです。  これは(1)の推計ですが、ほかの手法による検証が必要かと思いまして、診療報酬 の在宅人工呼吸指導管理料の算定数というものをご参考までに、数字として付けていま す。こちらの「睡眠時無呼吸症候群」の患者には算定できないというふうになっている ものらしいのですが、それは上の円グラフでいきますと4%ぐらいいらっしゃるという 数字が推計されています。こちらを除いた数字が、平成12年6月の1カ月間になります が、2,300回弱、2,280回算定されているというのが現状です。おそらくは2,300ないしは 2,500という数字で、それほど増えていないのではというふうに私どもは考えています。  1頁おめくりいただきまして、さらに、それに対応して施策というのを全体が見える ようにすべきではないか、というご意見を賜りました。これは基本的に、先ほどのをご 覧いただきましたとおり、TPPVなどで見ますと、ほとんどが神経筋疾患の方が人工 呼吸器を利用されているということでして、ウエイト的にはかなり難病対策というとこ ろで尽きているかと思うのですが、その辺を改めて整理しました。以前、第1回のとき に紹介をしたものと実はあまり変わっていませんで、特に難病対策の中で入院患者、在 宅患者いずれもそうなのですが、小児慢性特定疾患治療研究事業といったような事項が 新たに入っています。あるいはその育成医療・厚生医療といったようなものも部分的に 利用可能というふうなことが追加的な情報かと思います。  1頁おめくりいただきまして、第1回の際に、ALS患者の療養状況についてもう少 し新しい数字はないのか、というお話をいただきました。私どもで調べまして、平成12 年度の地域保健総合推進事業というものを加工したものが、こちらの資料になります。 平成12年10月調査です。こちらで見ますと、ALS患者が受けていらっしゃる医療措置 につきましては、人工呼吸器、表1のALS患者全体を100として見たときには、大体36 %ぐらいの方が人工呼吸器を活用されている。また、入院患者、在宅患者それぞれを100 に取りますと、入院患者を100とした場合には61%の方が人工呼吸器を、また在宅患者を 100としますと、26%の方が人工呼吸器を利用されている、というような現状だという数 字も今回紹介できるというところです。  こちらをベースにしまして、平成13年度末の実際の難病の特定疾患治療研究事業交付 件数6,200名弱というところから推計しますと、在宅で人工呼吸器を使われている方とい うのが、大体1,400人弱ぐらいという数になるかと思います。  1頁おめくりいただきまして、これも第1回のところでお話をいただきました。「在 宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業」、3回目のときに8,000円を付け るという事業ですが、そちらのほうはどれぐらいの自治体で利用されており、かつどの 自治体で利用されていないのかということを調べるというお話がありましたが、実際に 実施している自治体は40です。未実施の自治体が、青森県、福島県、三重県、大阪府、 大分県、鹿児島県、沖縄県となっているところです。  1頁おめくりいただきまして、いま現在、別に「老人保健健康増進等事業」という所 で、「人工呼吸器装着等医療依存度の高い長期療養者への24時間在宅ケア支援システム に関する研究」というものを行っています。こちらについても紹介というお話をいただ きましたので、ご紹介します。  事業目的としては、「訪問看護の場におけるALS等人工呼吸器を装着している難病 患者に対する安全、かつ、効果的な吸引等のケア技術の向上について、専門的な見地か ら検討」という目的で実施しているもであります。  実施主体としては、財団法人日本訪問看護振興財団という所で実施しています。  実際の実施計画の中では検討委員会を設置し、モデル事業を行っています。人工呼吸 器を装着していらっしゃる在宅療養者10名を選びまして、実態把握、あるいは試行事業 というものを行っています。実態把握としては、疾病のステージ、治療内容、装着機器 、ケアの状況、本人の意向などです。また、試行事業として、テレビカメラなど動画を 用いたモニタリング、および自動吸引装置を用いたケア技術、これは前回のヒアリング でも「機械を使った痰の吸引というものを開発できないか」というお話がありましたが 、こちらの検証ということも行っているというふうに聞いています。  「事業の効果等」をご覧いただきたいのですが、安全かつ効果的な気管内吸引方法と いうのはどんなものかを検証する、あるいは人工呼吸器装着等の医療依存度の高い療養 者の在宅ケア継続に影響を及ぼす要因を明確化していく、といったようなことを目的と しています。  現在のところ全国の訪問看護ステーションは2,500、すべての数の約半分ぐらいになり ますが、こちらを対象にアンケート調査を実施していまして、またモデル事業を2月上 旬を目処に行う予定というふうに聞いています。  1枚めくっていただきまして、宮城県の難病対策を紹介してはいかがかというお話が ありましたので、雑誌の切り抜きになるのですがそちらをご紹介したいと思います。始 めから読んでいくと時間がかかりますので、1頁おめくりいただきまして、図2をご覧 いただければと思います。患者を中心として、医療・福祉はこのように連携されていま すという絵、多少込み入っていますが、このような形でネットワークを構築していると いうものです。  ここで中心になっているのは「患者」でして、左のほうに「連携」と書いてある所が あります。保健所と市町村が連携を図り、保健所にある難病患者地域支援対策推進委員 会という所がその地域システムの会議を開いて、難病患者支援マニュアルを検討、作成 などをするというものです。それに合わせて市町村レベルでもケース検討会議を実施し 、難病患者の支援などを行っている、といったようなことが見て取れるかと思います。 また、右のほうでは重症難病患者の入院施設確保事業というのを行っており、医療連絡 協議会を開催する、あるいは拠点病院を確保する、協力病院を確保するといったような 事業も行っている、というところが見て取れるかと思います。先を急ぎまして端折りま す。  あと3つほど付けています。1つは、地方単独事業の状況を紹介いただきたいという お話があります。これは自治体ごとに非常にばらばらになっていまして、とりあえず47 の自治体の難病対策という形の部分について、日本患者・家族団体協議会という所が調 べたものについて付けています。これも自治体ごとにばらばらですので、個々に紹介す ることは遠慮させていただきます。  あと2つです。1つには「人工呼吸器を装着しているALS療養者の訪問看護ガイド ライン」というものが平成11年度に策定されています。こちらについても紹介をいただ きたいというお話がありました。そちらのコピーを付けています。非常に大部なもので すので、これも説明は省略させていただきます。  最後のものになります。「難病患者等訪問ヘルパーの養成研修テキスト」の写しです 。これは前回のヒアリングの際にも難病研修ではこういうことを教えていますというお 話はご紹介いただきました。そのベースになるテキストかと思います。「疾患の進行に 応じてこのようなことが起きる、といったようなことは習っています」というふうなご 発言が前回ありましたが、確かにこのようなテキストの中にはその記述がありました。 雑駁ではありますが、今日お出しした資料は以上です。 ○前田座長  どうもありがとうございました。議論に入る前に、いまご紹介いただいた資料に関し て何かご質問はいかがでしょうか。 ○五阿弥委員  宮城県のケアシステムなのですが、これは介助人派遣事業がありますが、要するに痰 の吸引は介護の人ができるわけですか。つまり現実として、宮城県のシステムで看護師 以外の介護の人がやっているのかどうなのか。つまり、そういうふうな訓練なりを、例 えば医師会なら医師会がやらせているとか、そういうことがあるのか。あるいは全部そ れは家族だけしかやれないのか。これは痰の吸引が問題ですから、そこのところがポイ ントだと思うのですが、もしご存じであればお願いします。 ○伊藤委員  ただいまのご質問に関して、宮城県の状況、このいろいろな指名制の介助人の制度に ついての説明を伊藤から申し上げたいと思います。私自身の立場は、宮城県神経難病医 療連絡協議会の幹事という立場ですが、宮城県におきましては、ALS在宅療養患者介 助人派遣事業に関して、事務取扱いの要領というものを定めています。まずこの要領に おいて、実際にALS患者さんの介助に当たる方についての規定が第6の(2)という 所にありますが、「介助人はALS患者が推薦する者で、保健所長が適当と認める者と する」。お手元の配付資料の中にはこの詳細はありませんので、私からいま追加でご説 明しているところです。要するに、推薦するというか指名をするということが前提とな っていまして、「保健所長がそれに関して適切と認める者」ということです。「ただし 、3親等以内の親族は除く」という規定があります。介助人に推薦された方は、看護師 、家政婦紹介所等に登録を行っていただく。もともと登録されている方はよろしいので すが、指名を受けた段階で紹介所に登録していただくということです。  実際に「介助サービス」としてこの要領の中で定められているのは、項目としては、 第8の(1)という所ですが、「入浴の介助」「排せつの介助」「食事の介助」「衣類 着脱の介助」「身体の清拭・洗髪」「就寝・離床等の介助」、離床はベッドから起き上 がるという離床ですが、「その介助には(体位変換を含む)」「外出の介助」「その他 必要な介助」ということになっています。吸引に関しては、ただいま申し上げましたよ うに、この要領の中には明記されてはいません。  入浴、その他の際に必要な介助があった場合に、どのようにするかということですが 、その場合にいくつか対策についての規定があります。そもそも指名制介助人派遣事業 に関して、県の実際の監督責任者は保健所長です。「保健所長は、対象患者の療養状況 の把握に努めるとともに、主治医、訪問看護師、市町村保健師、ホームヘルパー等と連 携の上、当該患者の地域ケアの体制の整備に努めるものとする」。「保健所長は、対象 患者の緊急時における医師等への連絡体制を確認し、介助人に緊急時の連絡が取れるよ うに指示しておかなければならない。緊急時の医療体制が整備されていない場合は、そ の整備に努めなければならない」ということです。  実際に痰の吸引が発生するような状況下におきましては、この要領を定めるに当たっ ていろいろな議論がありました。その議論の中で、まず家族が医師の指導の下に吸引を 行うことについては、少し煩わしいのですが、「昭和56年5月21日、医事第38号」とい う厚生省医務局医事課長回答というものがあります。これは糖尿病の場合ですが、「医 師が継続的なインシュリン注射を必要と判断する糖尿病患者に対し、十分な患者教育お よび家族教育を行った上で、適切な指導および管理のもとに患者自身(または家族)に 指示してインシュリンの自己注射をしても、医師法第17条違反とはならないと考えるか どうか」という質問に対して、「貴見のとおりである」という回答がなされていまして 、医師が継続的な適切な指導および管理を行う場合に、患者自身または家族に相対的な 医行為を行っても、医師法第17条違反にならないということで、家族に関しては糖尿病 の自己注射の例を援用し、「医師および看護師等の指導を受けている場合、吸引を行っ てよい」という理解です。また、介助人に関してどうかということについては何ら明言 はありませんが、指名制という趣旨から鑑みて「家族と同等とみなすことができるので はないか」という解釈を示された方もありました。その後につきましては、具体的事例 等について特にトラブルとなる例とかが上がってきていませんので、ヘルパーの方にこ の制度に基づいて吸引を行ってよいというふうなことに関しては、是とも非ともなって いないというのが実態です。 ○五阿弥委員  その場合、家族と同等という考え方もあったと。それが定着したかどうかは別ですが 、家族と同等ということは、先ほど医師の指導というか、それが必要なわけですよね。 そうすると、介助人になる方に対して医師が痰の吸引について指導なさるということも あるわけですか。 ○伊藤委員  そのとおりです。 ○五阿弥委員  事務局に資料のお願いがあります。前回、患者団体の方が来て発表なさいました。い ま痰の吸引を介護職の方がやっている現実があるわけですが、その実態がこれまであま り語られてないような気がするのです。現実に即した議論を進めるためにも、例えば実 際、これはALS協会でまとめている資料だと、36%ぐらいの方が医療従事資格のない 介護人に吸引等を依頼して在宅療養をしているというような資料もあります。あるいは 、ある本によりますと、尾道市では市の医師会が中心となって、先ほどの宮城のような ケースできちんとした介護と医療との連携を取って、医師が介護の方に指導する形で痰 の吸引をさせているという例もあるというふうに本には書いてありました。例えば、そ ういう実態も紹介していただくと、実際どういうようなシステムで運用されている所が あるのか、あるいはどういう問題があるのかというのがよりクリアな形で出てくるのか と思いますので、何かそういう資料がありましたら、できれば事務局にお示しいただけ ればと思います。 ○前田座長  いまの最後の点は事務局にお任せというか、もちろん可能な範囲でできる限り委員の ご希望に沿うようにお願いしたいと思うのですが、質問に関しては、一応、伊藤委員の 説明でよろしいですか。 ○五阿弥委員  はい。 ○前田座長  いま非常に大事なご説明で、介助人が吸引を現実に行う方向性として1つのあり様な のだとは思うのです。具体的な議論、各委員に今日はご意見を伺いたいと思うのですが 、その前に先ほどお配りいただいた資料に関してのご質問だけ先に片づけておきたいの ですが、ほかに何かご質問はないでしょうか。 ○川村委員  いまの宮城のことですが、これは即介護人というところに行ったのでしょうか、それ ともそれ以前にもっと現在の医療従事者がきちんと働けるような条件とか、そういうも のを整備した場合にどうなるかとか、それをどう整備できるかとか、そういうご検討と いうのはなさったのでしょうか。 ○伊藤委員  ただいまのご質問に関して説明を申し上げます。宮城におけるALS在宅療養者介助 人派遣事業等の事業を実施するに当たりましては、県が神経難病に関する療養のあり方 に関する検討会を招集し、それに基づいて有識者、各職種の代表、患者会の代表を加え た検討会を約2年間ほどしました。その場合に、川村委員がご指摘のように、現行の制 度で足りない部分をどうするのかということに関しては、いろいろな議論がありました 。  まずは往診、訪問診療の提供体制、あるいは急性増悪等に関する緊急入院の体制の整 備ということがあり、それについては1つ事業化、先ほどの図の所にありましたが、入 院先を確保するということをしっかりやらなくてはならない。国のご指導もあり、拠点 病院、協力病院の連携を図るというようなことです。  もう1つは、訪問看護に関してですが、当時、まだ2カ所からの派遣であるとか、そ ういったこともありませんでしたし、実際にニーズは非常に高いものがありました。そ ういった観点から地域差というものも考慮し、そういったニーズに応えるということを できるだけお願いしていこうということを確認した上で、もう1つ重要な視点としては 、家族に対するレスパイトを何とかできないかということでして、そのことに関しては 、「ホットいきぬき」サービスというものを最初に事業化しました。その場合に、「ホ ットいきぬき」サービスを提供された職種に関しては、これは看護職です。言わば実際 のサービス提供に当たっては、痰の吸引のほか、医行為の問題についての解決が当時も 問題でして、明確な回答というものがありませんでしたので、資格のある方で始めまし ょうという議論がありまして、そのレスパイトの問題もそのように進んでいったわけで す。  もう1つは、いろいろな行事等において、どなたか介護を代わってくださる方がいな いと、様々な生活上支障が生じるという強い訴えがありましたので、それに対応するも のとして在宅療養患者介助人派遣事業という中で、その指名制の介助人ということを検 討したという流れです。 ○前田座長  今日のあとの議論の中で、看護でALS患者にどれだけ対応できるかということをま さにご議論いただきたいと思いますので、そのときにまたご意見を賜りたいと思います 。 ○山崎委員  いまの宮城のことで伊藤委員に補足をお願いしたいと思います。費用の問題とか、家 族とみなすということでの責任の所在とか、事故が起きたときの対応とか、当然お考え になられたことだろうと思いますが、その辺はどんなふうにこの事業ではなっていらっ しゃいますか。 ○伊藤委員  まず費用に関しては、宮城県が支出をするということでして、そのための予算を取っ ていただいて、現在までそのように運用しているというところです。  利用の方法につきましては、追ってまた資料として出すほうが口頭で説明するよりは 甚だわかりやすいと思いますので、その点については割愛したいと思います。  家族と同等とみなす云々についてですが、これは然るべき様式に申請の手続をすると いうことでして、その申請の手続をしていただく前に、この方でなくてはいけないとい うことを双方確認していただいて、その上でその書類を提出していただくということで す。言わばその背景には、この方だったら任せてよろしいということがあって、その上 でこの制度を利用していただくということです。  また、それに応じて保健所長は適切かどうかについての判断をし、もし不適切である となれば、その旨不適切であるということをお返しするということもあり、私自身漏れ 聞くところではそういった例もあったように聞いています。それは安全ということ、質 の確保ということが必須となりますので、これは止むに止まれぬ事情であるから、どん な方でもいいということでは決してないということです。  また、この制度自体の背景に、地域の医療制度の整備を常に続けていかなくてはなら ないということもありますので、そういった観点から、特に往診を行う医師、あるいは 実際に看護を提供する訪問看護師の方々を中心に、常に連携を図っていく。そして、指 名制介助人の方もそれぞれの主治医あるいは訪問看護師の方に状況を逐一ご報告いただ いて、連携を図るということです。 ○星委員  いまの件でもう1つ聞きたいのですが、現実に派遣される方が、いまのお話ですと、 どこかに登録されている人を使うのではなく、むしろ指名をされた人を使えるように、 その人にお金が流せるように登録してくださいと私には聞こえました。そうなるとサー ビスの存在、つまり提供しようという人たちがその地域の中にいるかどうかは実はあま り関係がなくて、指名された介護人の方は、ある意味ではその人のためだけに存在して 、その人のためだけに仕事をするということで存在価値があって、かつそこはペイする 、しないというのは事業主体として、つまりホームヘルパーを派遣する人たちにとって のペイする、しないというのがあまり影響しないように考えられたシステムだと私は認 識をしています。したがって極端な話、どんな山間部であってもそういう指名を受ける 人が確保できさえすれば、この仕組みは動くように私は感じたのです。現実にそう認識 してもいいのでしょうか。 ○平林委員  いまの星委員の裏の質問をさせていただきたいのです。そのことを裏から言うと、指 名介助人の方は特定の1人の人にしかサービスを提供しないのか、あるいは複数の人に もサービスを提供するシステムになっているのかをお伺いしようと思います。 ○伊藤委員  星委員のご指摘はそのとおりでして、地域差を無くすことがこの制度の主たる役割で す。もう1つは宮城県の神経難病医療連絡協議会は、指名制介助人の方々に関して毎年 研修を行います。事実、私もその場で講師として研修をさせていただいたのですが、や はり介助人の方々も極めて密接な関わりを持ちますので、いろいろな意味で悩みもあり ますし、そういった情報を共有し、ある意味ではその問題を解決することを逐次図ると いうことをさせていただいているところです。それから、指名を受けた介助人の方が、 ある特定の方のみになるのかというと、必ずしもそうではありません。1人に関して1 人だけが指名制介助人になるのかというと、そうではありません。2人ないし3人が1 人の患者さんに関して、この制度で派遣されるのが実態です。 ○前田座長  まだご議論はあろうかと思うのですが、今日はいままでのヒアリングを踏まえて議論 をしていくのが目的ですので、宮城の例は具体的に解決していく案を作っていくのに非 常に参考になるので、また出てくると思うのですが、一応このぐらいにさせていただき ます。  もう1つ、やや座長としては出過ぎかもしれませんが、ご議論をいただく前提として 2点整理をさせていただきたいと思うのです。1点目は、「ALSに限るか限らないか 」という議論があったと思います。全体として、今回はALSの問題として議論を任さ れているわけですが、やはり非常に密接に関連する。先ほど今日の宿題の中で示されま したように、在宅全体で1万人という数字が出ていたかと思うのですが、ALSは1,380 人という推定値が出ています。ある意味でいちばん中心であることは間違いない。非常 に困難な問題であるのも間違いないので、ALSの患者の方を中心に議論しますが、基 本的にほかの患者さんの問題に繋がることを一切排除するとかの趣旨ではない。ただ、 議論するときにALSに限ったらどのくらいの実現可能性があるかという形でちょっと 議論を整理して、まずALSの問題解決をという面もあろうかと思いますし、ただ、少 なくとも他の人工呼吸器装着者や、いろいろな介護の必要な方々の問題を一切切り離す 趣旨ではないことを確認させていただいて、議論のときにどちらを議論しているかを委 員の先生方に意識していただきたいのが1点です。  2点目は、初めに医師、看護師の先生方にご教授といいますか、確認的に整理してい ただきたいのですが、「吸引」と一言で言ったときに、第1回目に非常に難しい困難な 、高度な技量を要する吸引を見せていただいたわけです。ただ、吸引の中にもある程度 あるのではないか。大掃除という言葉などが出てきました。議論をする前提として、吸 引を真っ二つに分けるということでなくていいのですが、レベルの高いものと、ある程 度任せられるものというか、そうすると変な結論に繋げて議論しているように取られる と困るのですが、単純に吸引をある程度類型化できるかどうかなのです。  それについて初めの段階で山崎先生、川村先生、星先生、福永先生にご教授いただき たいのですが、いかがでしょうか。ちょっと答えにくいですか。そこはグラデュエーシ ョンがあって、ものすごく差があるのはわかるのですが、ある程度いろいろな議論をし ていく前提として類型化できる、こういうものはというので、一定の基準を設けて分け ることができるかできないかは、いかがでしょうか。 ○福永委員  非常に難しい問題なのですが、第1日目の議論でいろいろな吸引についてのリスクと の兼ね合いの問題が1つあるし、効果的な吸引ができるかどうかの問題がありますよね 。だから吸引にも第1日目でデモンストレーションされたような非常に高度というか、 非常に複雑な形での吸引行為と、現実的には気管の中で、かなり末梢の近くにきている ところを吸引する。あるいは患者のニーズに応じて「痰が出てきているから吸引して」 という形で簡単にできるような吸引もある。あるいは最初にやったような、末梢から喀 出しながら、いわゆる大掃除的な吸引といろいろあると思うのですが、一概に吸引の行 為の中でここまでは誰ができる、ここまでは誰ができると区別するのは、現実的には難 しいのではないかと感じています。  吸引行為自体を取ってみても、いろいろな形でいろいろなやり方でやられる吸引、例 えば吸引の引圧をやめながら吸引される人もいるし、どちらが正しいのかはよくわかり ませんが、だからそのレベルで実際に判断する吸引行為自体をどこまでがどうというこ との線引きは難しいような気がするのです。 ○前田座長  特に看護師の先生はいかがでしょうか。同じご意見ですか。 ○山崎委員  座長がどういう意図でそういうご質問をなさっているのかが理解をしかねますが、個 人的な意見を問われているのであれば福永先生と同様で、ここまでがという類型や区別 というのは大変難しいのではないかという気がします。現場ではヘルパーさんから、「 リスクのない吸引は何cmぐらい管を入れるといいのですか」と、研修会などでもよくそ ういう質問が出るのです。そうすると管に5cmの印を付けて、そこまではいいですよと 言えるものなのかどうなのか。多分そういうものではないだろう。今朝の状態と夕方の 状態もまた違うかもしれませんし、患者さまの状態の変化もあるし、それには判断が付 きまといます。1人ひとりの吸引の手技、方法について、私どもは標準化された技術と いうものを教えたり教わったりしていますが、教科書でいえば管が引圧になってピッと 折った状態で奥まで入れて、オープンにして吸い上げていくというのが一般的に書かれ ている方法なのですが、人によってはそのまま入れてズズッと引いてくれたほうがいい ですよとか、いろいろな患者さん個別のニーズがあったりして、ですから類型化や区別 ということのできる行為ではないのではないかというのが個人的な意見です。 ○前田座長  私はそんなに他意はなくて、前回でもあったように、毎日10何回やらなければいけな い。その負担を軽くする中で、全部でなくても一部でもという可能性があるかどうか。 要するに今後の議論をしていく上での基礎となる前提なのです。もちろん連続的なもの であって、どこかの線でスパッと切れるようなものではないのはよくわかっているので すが。 ○星委員  この間資料を見せていただいて、川村先生のやっていただいたものを見て発言をした のを覚えているのですが、ああいうものも吸引の一連の行為なのだなと私自身も知らな かったのです。吸引というのは我々は吸い取る行為だけをピッとイメージをしますが、 必ずしもそうでないというので、喀出させる行為に関しては極めて危ないなという気が しました。知らずにやると大変なことになるなと思いました。  ただ、必要なことは、いま家族にさせている吸引の範囲を考えてみれば、5cmで分け られないにしても、体に触わってはいけないということで分けられないにしても、家族 にお願いする吸引はどういう範囲をお願いしていて、どういう状況の変化があったとき には無理をしないで連絡をくれということを言っているのか。それは、むしろ現場で苦 労されている先生方あるいは看護師さんに聞くべきだと思うのですが、そこを切り口に したほうが。医学的に2つに分けられるかというと難しいと思います。 ○前田座長  いまの星先生のように整理していただいた上で、ある程度現場の感覚で川村先生、い かがですか。 ○川村委員  率直に申し上げると、この議論はヘルパーさんがやるのがいいのかどうかの議論に終 始しているような気がするのです。先ほどの宮城のお話にしても療養支援検討会という ことで、この「療養支援」という中には福祉、生活の問題からお金の問題、家計の問題 、場合によってはお子さんの場合には教育の話とかの幅広い支援があると思うのです。 そういう中に核心として、痰の吸引の問題が隠されている。この検討会のタイトルにし ても、「看護師等による」の「等」とは何か。一般的にいままでの厚生労働省がお使い になっている「等」は看護師、助産師、保健師、準看護師の4師なのだというご説明が ありながら、核心は家族がどうできるのかや、ヘルパーさんはどうできるかなどについ ての討論が中心であるというところに、私はいまはとても考えをまとめきれないでいま す。といいますのは、看護師にしても、やっと昨年の9月末に静脈注射等が医師の指示 があれば出来るようになったわけで、医療行為については強い規制をかけられているわ けです。そのことを私は不満に思っていることではありませんが、それだけ重要なこと に関して、いきなり技術の難易性を分段すると云う討論にすすんでしまい、とても不思 議に思います。  このことをなぜここで申し上げたいかといいますと、私の考えとしては、在宅にいら っしゃる療養者の方々に対する療養支援のお金は、最初に申し上げたように非常に必要 だと思います。けれども、それが十分に出ていない。技術的なサービスもきちんと行わ れない。これは人権を無視していると思うのです。在宅には医療職員がいないのだから しょうがない、お金がかかるから出来ないということでは、嫌な言葉ですが、在宅療養 は姥捨山ではないかと思います。私は在宅療養というのは、姥捨山だと取られるような やり方を承認したくはありません。やはり、問題が何なのかということをきちんと切り 分けていただきたいと思います。少なくとも座長は刑法の大家だと伺っていますので、 そういう実態で安易に承認して進めていくのではなくて、お困りの方々の人権を守ると いうところでお考えをいただきたいと強く希望しています。 ○前田座長  ちょっと私の言葉が足りなくて、誤解を招いた面があろうかと思いますのでお詫び申 し上げます。確かに分けられるという聞き方をしますと、山崎先生からはどういうつも りで聞かれたかとおっしゃって、1つの方向性を持って質問を設定するように取られて しまったのは私の至らなさだと思います。ただ議論を進めていく上で、1つのファクタ ーとして分けられるかどうか。素朴に1日目は難しいものと自分が吸引したものとの差 に、ちょっと違いがあるのではないかぐらいのところを聞いただけです。  いまから実質論に入っていきたいと思います。医療全体の中で、患者の方が最終的に いちばん望ましい医療を受けられる制度をどうするかを考えていくのは当然だと思うの です。ただ、片一方で現に困っていらっしゃる患者さんがいる中で、リアリティーのあ る策が出せるかどうかというところも入れていただきたい。  その中で今日の本論に入っていきたいと思うのですが、まず第1のポイントはいま川 村先生のご指摘のとおり、これも伺おうかと思っていたのですが、訪問看護でどれだけ 発展させてカバーしていけるかという問題です。もちろん、全員が十分な訪問看護を受 けられるようにしていくことが理想であることは間違いない。ただ、そのために人数や 予算などがあって、それをどの程度付けられるかという問題。それは理想論ももちろん 言っていただくべきだと思うのですが、現状でどうなのか、どのくらい足りないか。ど う隘路を直して広げれば理想的にいくかですね。  ちょっと抽象的になりすぎますが、ざっくばらんにこの間のヒアリングにも出てきて いて、その後の議論の中にも出てきていると思うのですが、ALSに限ったとしても訪 問看護でどこまでやりきれるか。患者の負担を考えたときに、ほかに補助的なものが要 るか要らないかということなのです。それは訪問看護をどうしていこうかというお立場 で議論は当然違うし、まさに議論をしていただきたいポイントです。いちばん重要なポ イントの1つなので、先ほど申し上げたように忌憚のないところを各委員から発言して いただきたいと思っています。 ○山崎委員  先ほど出された「在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業」は、前回2 5県ぐらいで、今日の資料では40県でおやりいただいている。ただ未実施が7県あります よね。私が申し上げたのは、具体的な実施の状況を伺いたいということで資料を請求し た記憶があります。県名は調べればわかることですので、これが実際にどのくらい260日 のマックスが使われているのか。使われていないとすれば、座長がおっしゃったように 何が隘路なのかということで、実績をお示しいただきたいという資料請求をしたつもり でしたので、ちょっとお調べいただきたいと思います。  例えば未実施の7自治体の中に鹿児島も入っているのです。全国の訪問看護ステーシ ョンのマッピングというのもあって、平成12年度以降は厚労省はお取りになっていない のですが、事業所団体が定期的に調べている数字が平成14年8月分で、全国で5,290カ所 というのがあるのです。未実施の鹿児島は127も訪問看護ステーションが実務しているわ けです。お隣の宮崎は57カ所だったり、大変よくやっていらっしゃる熊本でも103カ所ぐ らいですので、それ以上の127カ所もある鹿児島にこういうことに県がお手上げなさって いないとか、こうしてみるといろいろと現行の施策そのものも不十分さが目立つわけで す。ですから行政当局が本当におやりになるとすれば、国家予算をそう多額に使わずと も現行の仕組をきっちり津々浦々まで隈なくやる仕組だとか、いろいろあるのではない かという感じがしています。  前回、秋田県の訪問看護ステーションの石川所長からいただいた事例で大変驚いたの は、60歳のALSの男性の事例のご報告がありましたが、ステーションから利用者のお 宅まで片道45kmですよね。確かにステーションは未設置の町村部があるのですが、県庁 所在地から片道45kmもかけて、しかも月曜日から金曜日の毎日ですね。そのうち、週1 回は4時間滞在なさるということで、ここは逆に介護は週に1回しか入っていないケー スですよね。このように、訪問看護がこれだけ地方でも努力をしているわけですが、石 川所長がおっしゃっていたように半ば持ち出しですよね。時間帯全部が診療報酬、介護 報酬で支払っているわけではないのだといったようなことも片方であるわけですよね。 誰がどのようにやるかという議論は横に置いても、今回のこの検討会のマターの1つは 在宅医療における看護師の役割をもう一度つぶさに検討してみようということでしたの で、やはりこういう状況があるということと、先々週やりました緊急調査の各県から集 まったものをいまデータ集計していますが、各地でこういう事例があります。  大阪府は訪問看護ステーションが374カ所あるのですが、204カ所を調べたら、ヘルパ ーさんが吸引をやっているということではなく、訪問看護師と訪問診療の医師がやって いるという医療行為に関する調査も出てきていますので、やはりALSの1,400という方 たちのマッピングといいますか、どなたに対してそこが本当に訪問看護ステーションが 全く関わりきれていないのかどうなのか。個別具体にとおっしゃるのであれば私どもも ご協力を申し上げたいと思いますが、少し対応させてみて、本当にニーズが満たされて いないと患者会の方が前回のヒアリングでおっしゃいましたが、少し具体的なきちんと した作業がやはり必要なのではないだろうかという感じがします。  宮城県は養護学校等への訪問看護についても県単事業できっちりおやりいただいて、 訪問看護ステーションを本当に頑張らせていただいているところで、いろいろな形でタ ーミナルケアも県単でお取り組みになっている先駆的な県ですから、いつも敬意を表し ているのですが、こういったところに学びつつも全国的な、いまあるサービスがどのよ うに使われていないという隘路が何なのか。この辺りを折角の機会ですので、私たち看 護職が役割を果たしたいなと思っていますので、その辺りをもう少し具体にご議論いた だければと思うわけです。 ○前田座長  どうもありがとうございました。おっしゃるとおりで、ただ、非常にミクロのレベル でニーズが、というところまでは時間的に事務局としては難しいかもしれないですが、 大体、日本全体で本当に患者側で訪問看護で満足できるか、そこに不満があるかどうか は現状をきちっと押さえた上で、前に進まなければいけないと思います。  具体的な議論に入りましたので、ほかにざっくばらんにお願いします。 ○福永委員  先ほど川村委員が述べられたことはもっともだと思うのです。やはり在宅医療という のはいろいろなファクター、要因があるわけで、必ずしも吸引の問題だけではないわけ です。そして理想的な在宅医療を求めていくのは、もちろん当然私たちが議論したり今 後やっていくべき大きな課題なのですが、私自身はこの会自体は分科会ですし、あくま でいま在宅をやっている現実の中で吸引の問題は家族にとって非常に大きな問題になっ てきていて、それについての検討会、部会という性格からすると、吸引行為自体が在宅 医療すべてに反映するわけではありませんが、吸引をどうするかということ、現実にい ま困っている人たちに対して、どういうことを議論するというのがこの分科会だと理解 していたのです。そうしなければ、もちろん拙速はいけませんが時間がたくさんあるわ けでもありませんし、議論の内容としては吸引を中心とした問題。もちろんそれだけが 在宅医療のすべてではないことは当然ですが、私はそう理解していたのです。 ○前田座長  ですから、吸引の問題を考えるように言われていることは間違いないのですが、ただ 川村先生がご指摘のように訪問看護全体を見ないで、それのあり様を検討した上でとい いますか、そこを視野に入れてというのもおっしゃるとおりだと思うのです。ただ、こ こでは訪問看護全体をどうするか。それから、在宅の患者、一般の問題をどうするかを 完全に解決しなければ前に進めないということではなくて、視野に入れながら、はっき りといまの議論でも出ていると思いますが、訪問看護をどれだけ充実していけるのか。 どのスピードでどれくらいやっていけるか。訪問看護を充実する方策を考えること自体 は、そんなに異論はないと思うのです。  ただ、それとタイムスケジュールというか、現実に困っている吸引の問題とどうすり 合わせるかということも1つの立場性のある切り方になってしまうかもしれませんが、 いろいろな議論があり、やはり委員全員の議論を伺った上で、次回一定の方向性をと考 えています。私の質問が悪くて、何か一定の方向性で議論を進めているように見えてし まうとまずいので、まさに、今日全員の議論を伺った上で今後どうしていくかを決めて いきたいと思います。 ○五阿弥委員  私は先ほども述べましたように、まず現実を見つめることが絶対必要だと思うのです 。先ほど静脈注射の問題が出ましたが、これは結局、実態と立て前が非常に乖離してお り、ようやく立て前を変えたということです。変えるべきは早く変えるべきだと思うの です。いま、在宅で医療で受けざるを得ない人が非常に増えてきており、介護保険もス タートしたという中で、医療と介護の役割をどのように見直すかという大きな流れの中 に今あるわけです。誰も訪問看護を拡充することに対しては反対ではないし、私ももっ と広がってほしいと思っています。むしろ、私は病院中心のいまの医療のあり方を、も っと在宅中心に変えていかざるを得ない、そうしてほしいと思います。  ただし、訪問看護ステーションが24時間面倒を見ることができるのかと言えば、誰一 人そうは思っていません。要するに、実態として家族がおり、家族が非常に疲弊し、介 護の人も一緒にやっているわけですが、何となく立て前としてできないということにな っているので、家族がヘルパーに頼んだとき、やってくれる人もいるが、やってくれな い人のほうがいま多い、だから頼む人もなかなか見つけにくい、しかし、一部ではやっ ているという現実があるわけです。例えば、国がそれをもう絶対駄目だと言ったら、い ま支えられている人はものすごく困ります。実態としてそのような現実があるのです。  どのような形で介護の方が痰の吸引の問題にタッチなさっているのか、何かうまいシ ステムはないのかと私はずっと考えているのです。もちろん看護師が来られればいいし 、あるいは看護師の資格を持つヘルパーがやっていればいいと思うのです。大分県では そのような人がやっているということを聞いています。全体の流れとして、例えば看護 ステーションを強化する、あるいは看護師の在宅での役割を強化するという方向は賛成 なのですが、それだけでは片付かないからこのような問題が出ているわけで、理想と現 実はちょっと区別して考えたほうがいいと思うのです。座長が言われたように、全体と しての在宅医療のあり方を視野に入れつつ、痰の吸引ということをどのような形ならば できるのかを考えていくべきではないのかと私は思います。 ○平林委員  確かに、現実が大変であることは私も少しは知っているつもりです。静脈注射のとき も議論したのですが、現実が行われているから、だからやっていいのだ、ということに もならないだろうと思っております。現実を解決するためには一定の理屈というか理由 がなくてはならないと思います。その辺のところをきっちりと議論した上でやらなけれ ばならない。1つこれを解禁すると、このような言い方が適切かどうかわかりませんが 、「蟻の一穴」のようにダーッと広がってしまうことは十分考えられますので、モデル ケースとして、やはりきちんとしたものをこの分科会で作っていかなければならないと 考えていることが1つです。  もう1つは、第1回目でも、そして今日も「リアリティーのある解決策」ということ を座長が盛んに言われていたと思うのですが、リアリティーのある解決策とは一体何な のかについては、ここにいる委員の方々がいろいろな考えを持っていると思います。リ アリティーのある解決策を考えるについても、先ほど述べたように、一方できちんとし た理念を念頭に置きながら議論をしていくことが必要であることを繰り返し申し上げた いと思います。  もう1つは、少し角度を変えて申し上げますが、痰の吸引の問題について、「家族が やっているから」ということがしばしば言われると思います。在宅療養において、家族 がどのような役割を果たすべきなのかについて少しきちんと議論すべきだろうと思うの です。家族がやっているからいいという議論は、私はあまり賛成できないわけで、家族 がやっていること自体の議論をまずしていかないと方向性を誤るだろうと私は思ってお ります。その点もこれからの議論の中で論点の1つに加えていただければありがたいと 思います。 ○星委員  家族の問題を私もまず考えるべきだと思います。私は家族だからいいと言っているつ もりはなく、ただ現実として家族がやることに関して、「まあまあ、いいだろう」とい う流れがあることは一方、現実です。刑法上どうなのかという話は、前田先生にしっか りと整理していただきたいのですが、その議論をした上で、どのような理由だから家族 はいいのだと。家族がいいという延長線上にあるものが起き得るのかどうかという議論 でないと、一方、医療行為だから誰も駄目なのだと。家族だけは特別にいいということ を言い続けても、解決策に繋がらないと思います。  家族はいいのですよ、というのなら、なぜいいのですかと。法律の用語で、この間前 田先生が言われた違法性が棄却されるのかと、多分そのような表現を必ずされると思う のです。違法かと言われたら、この間の表現を聞く限りにおいては、きっと刑法上は違 法なのでしょうね。ただ、その違法性が問えないのはどのような理由なのか、私はその 議論をじっくりとやること、まずそれをきちんとすることで現実的な解決策に繋がって いくのではないかと思います。やっているからいいとか、実際にヘルパーもやっている のだから認めればいいのではないかという議論には私は賛成できないのです。 ○平林委員  これは少し大きな話になってしまうので先ほどは控えたのですが、要するに、いま我 々が最終的に実現しなくてはいけないことは、ALSの患者さんのみならず、すべての 在宅療養をしている、在宅療養を受けている患者さんの安全を確保し、より良い医療を どのようにしたら提供できるのかということが根源にあり、そこからまず出発すべきあ ること、その点をまず押さえることが1つあると思います。そのために、いま我々は病 院の医療か在宅の医療かという、いわば二者択一のところでしか議論をしていないので すが、おそらくその議論にはどうしても限界があると思うのです。  最初の会のときに言ったように、在宅医療に対して、在宅で療養を続けることに対し て、厚生労働省なり国がどのような政策を持っているのかということと密接な関連があ ることを申し上げたのは、まさにそういうことであります。その辺の医療全体の政策を どうするのかということとも絡んでくる問題を背景に含んでいることを十分に認識した 上で、しかし現実は現実としてあるわけで、それをどう解決するかという議論の立て方 をしていかないといけないのではないかと私は思っております。 ○前田座長  その点は全くその線でやっているつもりです。 ○伊藤委員  宮城の例の説明の中で、家族に対する法的な解釈がインスリンの自己注射に関して求 められた件については、医事課の回答があったということですが、インスリン注射は低 血糖とか危険性を伴うものではありますが、日々日常やっていかない限りは療養が続け られないわけで、「適切な指導及び管理の下に患者自身(または家族)」ということで 、医師法第17条違反とはならないという見解が示されたと思うのです。  在宅の医療に関して、療養指導管理料という項目が立てられているわけですが、それ に関しても、患者またはその看護者(この看護者というのは、要するに家族等の看護者 であり、看護職の看護者ではないので用語が紛らわしいのですが)、その看護者に対し て、医師が療養上必要な事項について適切な注意及び指導を行った上で、当該患者の十 分な院外管理を行い、かつ在宅療養の方法、注意点、緊急時の措置に関する指導等を行 い、合わせて必要かつ十分な量の衛生材料及び保健医療材料を支給した場合に算定する ということで、医療の制度上、在宅療養指導管理料を取る場合には、必要な指導、管理 を継続せざるを得ないことが大前提になっているわけです。  今日配付の資料の「難病患者等ホームヘルパー養成研修テキスト」の21頁の2行目辺 りに、「気管カニューレ使用中は定期的に痰や分泌物を吸引器で吸引することが必要で す。この操作は清潔操作という決められた方法以外で行ってはいけません。家族指導が なされている場合は、看護師、保健師、医師以外の家族でも痰の吸引操作を適切に行う ことができます」というような内容で指導が行われていることもありますので、やはり 家族であれば誰でもいいとかという話では全くないのです。そのことを補足いたします 。 ○前田座長  医行為の法的議論などについては今日はなるべくせずに、実質的にどう考えておられ るかというところについて、是非忌憚のないところを伺いたいと思うのですが、確かに 、なぜ家族だからやっていいかというのは大問題であり、これは法律的にも、自分でや るのと家族でやるのとでほぼ同じに近く考える国と、家族であっても本人とはまるで違 うので、本人がやるのは自殺でも違法ではないわけですが、家族がやることがなぜ正当 化されないのかということは非常に難しい問題であり、一義的に答は出ないと思います 。いま伊藤委員が言われたように、他のものとの組み合わせによって正当化されるのが せいぜいだと思うのです。逆に言うと、家族以外の人がやるものであっても、他のもの との組み合わせで正当化される余地は十分あり得るということにおそらくなってくると 思うのです。  その議論に入る前に、今日はもっとその前提として、私は「リアリティー」という言 葉を使うので、それもちょっと誤解を招きやすいのですが、先ほど出た訪問看護を充実 させていくのが望ましいというのがまずコンセンサスであると。ただ、それがいつ、ど のくらいの形で、ALS患者の全員にある程度満足いく形での訪問看護の充実が得られ る目処が立つのか、という問題をある程度意識しなければリアリティーのある議論では ないというのが私の考え方です。  何兆円もお金を使ってすべてということで、全部病院に入れるというやり方も1つの 案としていくらでも言えるわけですが、いまの状況の中で、それを全部肯定するという ことではないのですが、現実可能性のある選択肢として何があるかという意味で「リア リティー」という言葉を使ったのです。もちろん、それは前提を一切動かさないという 意味ではないのですが、理想を言っても、おそらく実現は100年後であるというような議 論、これは3月以内にある程度目処を付けなければいけない委員会ですから、その時間 的なこともあり、ある程度射程が短くなるという感じで使っているのです。ただ、その ような議論をする際も、大きな問題状況の中でどこに位置付けられているかが非常に重 要だとは思っております。 ○川村委員  私が申し上げたことは、きちんと手続きを踏んでいただきたい、これはそんな表層の 問題ではないのだということです。やはり、在宅の患者さんにきちんとした医療を提供 するという考え方が貫けるということであり、例えば、今日であっても、かなりこの議 論は混乱していると思うのです。むしろ、今日は訪問看護はどこまで、いつ頃、どのよ うな到達目標でできるのかとか、どこまで今やっているのかとかを1回やっていただけ れば、かなり整理ができると思うのです。プロセスをきちんと踏んでいただきたいと思 います。急ぐから討論課程は全部すっ飛ばして、良いとは考えられません。いまはEB N、根拠のある医療をするようにということで私たちは教育されてきておりますから、 そのようなことから考えると、ただ「できないのではないの」というだけで進んでいく ことに私は賛成できません。すべて理想論だけを追っているということではなく、手続 的にきちんと踏んでいただきたい、そのほうが確実に早く結論に達するのではないかと いう思いがあるからです。 ○前田座長  確かに、進行としてはきちっとデータを集め、先ほどもマッピングをしてという話も ありましたが、現状でALSの患者さんがどれだけ困っているかということは、1人ひ とりのものが全部の積み上げとしてわかればいいわけですが、それはなかなか難しいの で、前回、患者団体の方にご発言をいただき、いろいろな例があってバラつきはありま すが、一応伺った範囲では訪問看護が週に7日間来ている方はいないわけです。しかし 、毎日吸引はあるわけです。その中で家族がやり切れない人はどうなるのかという問題 があるわけです。そのような中で、もう少し精度の高い、どの程度困っているかを積み 上げていくことは並行してやっていかなければいけないと思うのですが、そのデータの 調査がきちっとできないと前へとできないということには必ずしもならないと思います 。  いずれまた詰めて議論していかなければならないと思いますが、やはり後は訪問看護 の充実によってどのくらいカバーできるかを具体的に出してみて、どのくらいの速度で 対応でき、それによって患者団体の方が満足してもらえるかどうかという問題もあるか と思うのです。決して、即ヘルパーさんにやってもらうことが唯一の道だと言っている つもりは全くないのです。ただ、患者団体の方からそのような申出があり、それを具体 化していくことが是なのか否なのかということで、本当にざっくばらんにそれぞれの立 場から議論していただきたいということなのです。 ○山崎委員  訪問看護の整備がこれから以降100年もかかるなどとは私どもは思っておりません。本 日配付の資料でも、週7回以上の訪問看護の利用率は7%もあり、来ていないわけでも ないのですから言葉を正確に使っていただきたいと思います。3月末を目途にというこ とですから、「末」には絶対何らかの結論を出さねばいけないということであるのかな いのか、それはこの検討会の私どもが検討していくことだろうと思います。 ○前田座長  7日間というのは全部が7日間来ているわけではないと申し上げたのです。100年とい うのは、訪問看護の実現が100年かかると申し上げたわけではなく、全部を病院治療にす るようなほうが正しいみたいな議論になると、そのレベルのものになってしまうという ことを申し上げただけです。いずれにしても、言葉が足りなくて申し訳なかったと思い ます。今後の進め方として、事務局としての目処はどのような考えですか。 ○医事課長  スケジュールについてお話します。私どもとしては大臣のご意向もあり、この件につ いて、特にALSの吸引の問題に関しては一定の見解を年度末を目途にいただきたいと いうことでこの会をお願いしている次第です。それが4月になったら全然駄目だとかと いうことではなく、そのような意味では厳格に年度内ということでは必ずしもないと思 っております。もちろん、この議論の進展によって、さらに慎重な検討が必要である、 こういった点がもう少し時間がかかるということならば、それはそれでそのような事態 もあり得るのかと思っております。 ○前田座長  そうであれば私も安心で、必要な調査は行い、特にいま看護師会のほうでも調査をま とめられているわけですから、そのようなものを踏まえて、それに則り、客観的にデー タを踏まえた議論を是非したいと思います。 ○五阿弥委員  平林委員が言われた、安全を確保しつつ、より良い医療を実現ということは本当に正 しい方向だと思います。そのために何ができるのかということでは、やはり同時に現実 というものがあるわけですから、現実と遊離した議論はあり得ないわけです。私は先ほ どから言っているように、実際にそれを支えて、やっている地域や取り組みがあるわけ ですから、そのようなものをきちんと、もっと知りたいと思っています。確かに、例え ば絶対的医行為なのか、相対的医行為なのかなどということでは法律の厳密な議論も必 要だとは思います。同時に常識的な判断というのは、私はやはり不可欠だと思うのです 。国によっても判断が違うというのは、1つの文化的なものが背景にあるわけですし、 国民の目から見て、どのような落とし所が妥当なのか、そのようなものが裏付けになる のは常識的判断であることを忘れないでほしいと私は思います。 ○前田座長  法律というのは最後は常識ですから、常識から離れたら法律ではなくなってしまいま す。そこは心配ないと思います。 ○星委員  議論が非常に散乱している気がするのですが、実際に困っている人をどうするのかと いうときに、方便とすれば緊急避難だと、目指すべきはこのような制度の改革であり、 あるいは充実なのだと、それまでの間、暫定的にこのようなことを認めるのだという方 便が使えるのかなと思います。使えるかもしれないとは一方では思いますが、例えば国 に、これまでもALSの患者さん団体もそうでしょうし、あらゆる患者さん団体がこの ような医療を充実してほしいと言ってきたわけです。一部は取り上げられますが、これ はまさに収入と支出の均衡ですから、そのようなもののバランスを考えたときに、その 人たちのためだけに、例えば24時間、看護師を雇い上げて、べったり付けますなどとい うことができるのかと言えば、それはある意味で常識を外れているという話になります 。ただ、困っている人からすれば、それでもやってほしいというのが一方である、しか し、そこはどこかでバランスを取らなければならないので、いままで長い間ずっと制度 が動いてきたわけです。  国が今回の議論を踏まえてどのくらいの予算を立てるかとか、あるいは、例えば宮城 県での取組を1つの国のモデルとして全国でも取り組むかなどというものをセットにし て、ある程度のビジョンを示さないと、今回の議論を、例えば「緊急避難的な議論なの です」という説明になりませんね。つまり、どのようにするかということがなくて、い ま困っているから緊急避難だと言い、それがずっと続くということは私はあり得ないと 思うのです。ここで議論すべきは「緊急避難的なものはどうするのですか」という議論 はもちろん必要で、そのときにスタート地点は「家族がどうですか」という話があるの かもしれませんが、一方で、先ほどから川村委員や山崎委員も言われているように、制 度としての変革もあり、将来の姿というものはやはり示すべきだと思うのです。  このことが別々に議論されるのは、やはり変ですから、もしやるとすれば、ここでき っちりと両方を議論する。そのときに100年先の議論はできないにしても、少なくとも常 識の範囲で、少なくともここまでを目指そうと。その間も極めて緊急避難的なものなの だという位置付けにしようと。あるいは伊藤委員が言われていたようなスタイルが定着 していくとすれば、あのスタイルを1つの目標にしようと。そこが最終決着点なのだと いうならば、その方向に向かうような努力をするだろうと思うのです。  今回の議論は緊急避難であるかどうかという議論と、目指すべきものがどの辺までで 、それが全体として、つまり国の考え方として、患者の考え方として、一般的な考え方 としても、どこまでなら容認できるのかという議論をしなくては堂々巡りをしてしまう のではないかと思います。 ○前田座長  今日出していただくのは、ある意味でいろいろな立場の議論がはっきり出て、それを 踏まえて調整しながら形を作っていく出発点だと思っているのです。緊急避難というの は、まさに法制度を作らなくてもその場でできてしまうということですから、そうでは なく、100年ではないが10年なり20年なりの制度を示そうと思ってやっているわけです。 そのときに1つのアイデア、今日だいぶ議論になりましたが、伊藤委員が示されたよう な考え方で、家族が指名し、それをアファームして、ある程度事実的な問題をどうチェ ックするかはありますが、1つのやり方のモデルはあると思うのです。  それと並行して、訪問看護をより強め、もっと促進させるという方策もあると思いま す。いろいろな選択肢の中でどのようなものを作っていくかというのを、具体的に次の 段階でやるわけですが、そのときにあまり大きな法制度のいじりをやること、特に在宅 と病院の治療との関係をいまの中から大きく動かさなければいけないなどという議論ま でいってしまうと難しいと思うのです。現実的に困っている人の対症療法をすればいい ということでは決してないのですが、ただ、これはかなり長く続く問題であるというこ とははっきりしているわけで、それに対してどのような対応を国として考えるかという のは出さなければいけないと思うのです。  そのときに方向性として、おそらくだんだん収斂してきていると思いますが、訪問看 護自体をなるべくスピードアップし、ALS患者の方にも便益があるような形でレベル アップしていく、そのためにお金を投入していくという方向性。ただ、そのスピードの 問題は別として、片一方でそれはあると思うのです。残された課題は、どうしても看護 師だけでは足りないのではないかという患者側の意見を汲み上げるシステムを組み込む かどうか、組み込むときの条件をどうするかという議論だと思います。その1つのモデ ルとして宮城方式が出たし、またいろいろなアイデアが出てくると思うのです。最後は そこを認めるか認めないかということになってくると思うのです。 ○平林委員  議事進行について一言申し上げます。いまのご意見は座長としてのご意見なのか、前 田委員としてのご意見なのか。そういう方向性をここでの議論を踏まえて出すことにつ いてはいいのですが、座長のほうから「こういう方向性で」という議論の仕方はまだ早 いのではないかと思います。もしそういう方向でまとめたいのであれば、座長として一 定の原案を提示して、それに対して議論をするのであれば議論の仕方として納得できま す。しかし、いまはみんなで議論をしている中で「座長としてこう思う」と言われてし まうと、その後の人はそれ以上議論ができなくなってしまうことにもなりかねないので 、その辺の議事の運営について少しご配慮いただければありがたいと思います。 ○前田座長  おっしゃるとおりだと思います。星委員が「混沌としている」と言われたのですが、 私はそれほど混沌としていないと思うのです。1つの私の流れの読み方をしたわけです が、それは委員としての個人の意見です。今日はその方向性のまとめをするつもりは初 めはなかったし、そう簡単にできるとも思っていません。  ただ、議論としてのある程度あえて整理をするとすれば、看護師の訪問看護をどれだ け充実していくかという方向の議論と、現実を見て患者の側の直近のニーズに応えるよ うな制度を入れるか入れないかという方向だろうというくらいのことを言ったつもりで す。それでどちらが正しいということも絞るつもりもないし、それしか議論の流れがな いと言うつもりもないのです。  あと出された問題として、現実にどうなっているかということです。このような立場 から、五阿弥委員からも出されたし、川村委員からも出されたので、事務局には非常に 申し訳ないのですが、どこがどれだけ本当に困っているかということは踏まえた議論で なけはればいけないと思います。もう1つは、訪問看護がどれだけのスピードで発展し ていくものであって、厚生労働省としてどう対応し得るのかということです。  それを踏まえて政策決定の判断の議論を次のラウンドでしていただかなければいけな いと考えています。まとめようとするので本当に申し訳なかったと思います。 ○星委員  前回のヒアリングで非常に気になって、未だに頭から離れない言葉があります。「看 護師さんだからといってそれでいいのだというわけではない」と。「むしろヘルパーで あっても十分に意思が伝わって、うまくなってくれれば、少なくとも家族としては安心 して任せられるのです」という言葉があって、なるほど、そういうものかと思って、あ のときも発言をさせていただいたのですが、家族が納得をすれば何をやってもいいとい うことではないでしょうね。  ですから、多分医師のスーパーバイズというか、医師の指導という話がありました。 あるいは指示があって、看護師さんたちの技術的なサポートがあって、ヘルパーさんた ちが例えばそういう行為をして、家族がその行為を受け入れるというのは、現実に行わ れているスタイルは、多分伊藤委員のところでやっていらっしゃるのはそうだと思うの です。そのように私は想像しています。  だから、こういうことで教えたのだからいいといって、家族が止めるにもかかわらず 吸引をしているとも私は思えないのです。だとすれば、五阿弥委員が先ほどから言って いるように、現実でやっている仕組はどうなっているのか。伊藤委員の資料も論文調で 、読んでも現場のイメージが湧いてこないのです。  ですから、川村委員がやられた手技を見ると、ワッと思いますが、一方で伊藤委員が やられているようなもの、あるいは現実に動いているスタイルというのは、もしかした らそのような形で動いているのではないかと思います。  この間聞いた患者さんたちの訴えと、いましている話は乖離をしていて、間を埋める 素材がなくて、そういう意味では常識的な判断をしろと言われてもできないのではない かと思います。  この間の話は私はずっと気になっていて、同じことがあらゆる医療職に言えるのかと 思いつつ、私の周りを見回したりするのですが、現実に動いている姿というのは、先ほ ど言ったような信頼関係があって、そういう関係の中で行われているのではないかと想 像しています。ですからその辺について、私の想像が正しいのか、あるいは現実はどう なのか、それも見たいと思います。  まとめる方向で急いでいるのはわかりますが、ぜひともその辺のところを開陳しても らいたいと思います。いろいろな立場があると思います。医師の立場、訪問看護をして いる立場、家族の立場、そこに関わっているその他の人たちの立場が、どのように動い ているのかをもう少し知りたいと思うのですが、それは可能なのでしょうか。 ○医事課長  前回も家族の方にお出でいただいたり、ヘルパーにもお出でいただいて話を伺ったの ですが、そういうものをさらに行ってみるとか、そういう関係の文献を集めてみるとか 、そういう方法があり得るかと思うのですが、そういうことでよろしいのでしょうか。 ○星委員  先ほど尾道の医師会の話が出ましたし、宮城県でやっている話も出ているので、現実 に指示をしている先生がどこを見て、どうやっていいと言っているのかです。いま言え ば医師法違反で捕まってしまうかもしれませんからモザイクがかかるのかもしれません が、何を判断されているのか、患者さんや家族の方が何をもって受け入れているのかは 、まさに現実的な議論をするとすればキーワードになります。ただ、あるべき論からす れば、先ほど来の話はわかります。ただ、そこはぜひとも知りたいと思います。 ○前田座長  先ほどの五阿弥委員が言っているのも同じ趣旨ですね。おっしゃったように、医師法 違反の問題になってしまいますから、なかなかオフィシャルな場で話をしていただくの は難しいかと思ったのです。情報を集めるのは難しいかなと思います。ですから、この 間のヘルパーさんたちのヒアリングもやや奥歯にものが挟まったところはあったような 気がします。  もし可能であれば、現実にどうなっていて、なぜ家族がそういう人に納得しているの か、一部患者団体の方のご発言にも出てきましたが、そういうときに星委員のご発言に もありましたが、医師がどうかかわってチェックしているのか、看護師さんがどうチェ ックしているのか。今日の宮城の話は現実的なやり方のイメージが少し膨らむ話だった と思うのです。 ○福永委員  例えばALSに限って議論を進めるとすれば、現実には特に在宅でALSの患者が呼 吸器を着けて療養される場合には、かなり医療的な部分が多いわけです。ですから、必 ず主治医あるいはかかりつけ医がいるわけです。  いま星委員も言われたり、この前のヒアリングでもそうですけれども、現実は資格の 問題、法的な問題があります。実際に家族で何年もしている人が、いちばんその患者さ んの状況をわかっていて、うまい人も多いわけです。  私たちが現実に、家族だけではなくて、ヘルパーとか、介護人とか、そういう方々に 依頼してもいいのかなというのは、それこそかかりつけ医との連携ですから、大体この 人なら大丈夫だろうという形で、イメージとしては湧くのです。このヘルパーなら大丈 夫だろうと。ヘルパーにもいろいろな意味でのバラつきはありますから、そういう方に は当然依頼しないわけです。もちろん家族との信頼関係の中で、このヘルパーさん、こ の介護人であればうまくやってくれるという方をイメージして、私たちはするわけです 。  それが法的な部分との兼ね合いがあるので一概には言えませんが、そういう状況の中 で、例えばALSの中で、もし介護人でも吸引を依頼するとすれば、主治医なりかかり つけ医、訪問看護師等の指導と、管理、認証ということに、イメージとしてはなるのか という気はします。 ○平林委員  現実を知りたいというのは私もそうなのです。その場合に、ややもするとこういう検 討会などに出てくるのは、良いケースは出てきやすいのです。これは私の推測になるの ですが、現実はもっとミゼラブルなところで、医師の指示も満足に得ないで、見様見真 似でヘルパーさんがやっているケースがないわけではないのだろうと思います。  そのように考えますと、本当に何が現実であるかはなかなか難しいと思うのですが、 良いところと悪いところをきちんと見た上で、現実を把握しないといけないと思います 。良いところを見ただけでは私は現実を認識したということにはならないと思いますの で、そこのところは注意をお願いしたいと思います。 ○五阿弥委員  家族の方も、ヘルパーであれば誰でもいいということは前回にもおっしゃっていない し、私自身もまったくそう思っていません。むしろ、そこに主治医なり、訪問看護ステ ーションなりがきちんと入ってくれるという形が、患者、家族にとっても望ましいこと は当然の話です。  実際にいま一部でやっているところがあって、何かあったときに、ヘルパーがすぐに 看護師なり主治医に連絡を取って指示を仰ぐなり、来てもらうなり、そういうシステム が取れるということで動いているわけです。  先ほど平林委員がおっしゃったように、そういうものから切り離されてポツンとヘル パーが見様見真似でということは、本当は家族も望んでいないと思います。しょうがな いからやっている現実があるのであって、ヘルパーさんに任せる場合であったとしても 、もっと医療が関与してほしいということは皆さんが願っていることだと思います。  ですから、そういう意味でも具体的に、いまのところうまく回っているところはどう いうところなのか。それを知ることで山崎委員や川村委員がおっしゃっている、看護師 の役割が人にどういうふうな役割になるべきなのか、主治医はどうかかわっていくのか 、そういうことももう少し見えるくるような気も私はするのですが。 ○前田座長  わかりました。法律家としては、静脈注射も医行為だとずっと言ってきたわけです、 看護師がやってはいけないと。それは大部分はうまくいくだろうけれども、どうしよう もないミスをする可能性もあるし、危険だからやらせるべきではないという議論をして きたわけです。  そういう中で、現実の中でおそらく静脈注射が認められるようになったのは、どうし ようもない危険な例はほとんどないのだということが世の中に認知されて、だから法律 論から見れば現状追認です。しかしそれで常識に合っているという落とし所になってき たのだと思うのです。  この痰の問題はそれとまた違っていて、どこまで見えているかわからないので、もし 可能であればいろいろな例が出てくればいいと思うのですが、そういう中で方向性とし ては五阿弥委員がおっしゃるように、より良い方向でやるにはどうしたらいいかという ことでいいのだと思います。ただ、ヘルパー一般にオープンにしてしまったら、こんな 危険な場合があり得るということになってくると、その可能性が少しでも見えてくるの だとすれば、やはり少し考えておかなければならないというご議論はあり得ると思うの です。  事務局のほうで調べてそれが出てこなければ、どの程度の精度の調査ができるかとい うのは難しいと思うのですが、可能な範囲で探っていただきたいということです。 ○川村委員  静脈注射の話と今回の問題との違いは、非常に基本的なところにいくつかあると思い ます。それは静脈注射の場合には、ほとんどが病院という施設の中で、主治医と非常に 密接な関係の中で行われており、それは医療職として教育を受け法制度上の資格を持っ ている看護師たちが主治医とともに行っているということだったわけです。  今回の在宅というのは医療的環境がまったく違います。行っている人の資格、教育、 背景も違うところがあります。例えば病院の中であれば、緊急の事態が起こった場合で もすぐに対処することができますが、自宅の場合には、緊急事態が起こっても、医師が いても医療的な環境はなく専門的対処が困難です。そこには非常に大きな違いがあるの です。  ですから、そう簡単に事実関係があったから、それを追認すればいいのだ、落ち度の ない事実を積み重ねていってもらえばいいのだということでは、私はヘルパーさんや介 護をなさっている方に非常に大きな負担を強いていくと思うのです。病院の中で看護職 が非常に苦労をしてきた歴史を、もっと条件のない方々に強いていく、問題が起こらな ければ何とか認めてあげるからというような、そういう考え方を私は承認できません。 ○前田座長  静脈注射がよかったからすぐにということではないのです。要するにゾレンとして法 律で違法であったものが、事実上の動き方の中で動いたと。医行為という概念自体が法 概念としては非常に曖昧な面があるわけです。静脈注射が認められるようになった背景 には川村委員がおっしゃったようなことがあって、ある意味でそれとパラレルな関係が なければ、ヘルパーさんにこれを認めることにはならないというのもそのとおりだと思 うのです。  ただ、そのパラレルの中身が問題です。立て前としていままでやっていたものが変え られないわけではないということです。静脈注射の例をとって今回のヘルパーさんに解 禁することを正当化すると単純に言っているわけではないので、それはお詫びしておき たいと思います。 ○星委員  ヘルパーさんの話にいろいろな問題があるとすれば、どういう条件のときに家族のと きに認めているのですかということのほうが、もしかしたらわかりやすいのではないか と思います。家族ではあっても、やはりこの人は駄目だねということもあるのだと思う のです。だから、ヘルパーさんのところまでいきなりいってしまうと、なかなか出てき にくいでしょうから、現実に主治医がその家族にどのような指導をして、どういう状況 のとき、どういうサポート、例えば看護師さんがこういう形で行くとか、院内にいると きにこういうことをやらせてみて、それを主治医が判断をして、看護師たちのサポート があるからこういう範囲はいいだろうといって、お帰しをしているときに、どんなとこ ろに判断基準があるのかということなら、比較的わかりやすいのではないかと思います 。  それで法的な解釈として、家族が良いか悪いかという法の議論をする気はないとおっ しゃったし、それはここでするテーマではないのかもしれませんが、それは常識的に言 えば、家族がある条件の下で認められているというのであれば、そのある条件とは具体 的に何かということだと思うのです。例えば家族が自分の夫の吸引に長けたからといっ て、頼まれて隣の人の吸引に行っていいのかというと、それは違うのではないかという 話に多分なるのです。隣に住んでいる従兄弟はどうですかとか、あるいは従兄弟であっ て、主治医が認めて、それが出来て、最も近くで介護をしている奥さんが「お願いしま す」と言えば、やっていますと。それはいいのではないかということが多分導かれてい くのだと思うので、いきなりヘルパーさんの話をするよりは、むしろ家族に認めている 条件がどのような条件で、それが常識的なのかどうか、そしてそこにかかっている制約 は何かということは、考えてみる近道のような気がするのですがいかがでしょうか。 ○前田座長  もともとの諮問は、家族に広げていいかどうかということではないのですが、おっし ゃるように、なぜ家族がそういう危険な医行為がやっていいのか、そのときの条件付け はどうなっているかということをほぐしていくと、1つの答えの道筋が出てくると思い ます。 ○福永委員  現実は気管切開して呼吸器を着けるのは病院です。そのときにはもちろん家族の方が 、あとで介護者となる家族の方がついているわけですから、そこに医師や看護師が教育 をしながら、家族のほうもこれなら家に帰っても出来そうだという了解があったときに 、在宅に移っていくわけです。そして後は訪問医療とか、訪問看護を通じて、疑問など に答えながらだんだんうまくなっていくというのが現実の場合の多くの過程だと思いま す。 ○伊藤委員  また家族のことになったのですが、こと、ALSに関しては筋力の低下とか、本来な ら自らが自らで行うことを、自らが行えなくなっていくという状況があります。その特 殊性があると思うのです。患者にとって最善のことを家族が図るというのも前提となっ ているというのも、当然のことだと思います。  前回参考人の方々にヒアリングをした際に、私としてよく把握しきれていないことが 2つあります。1つは在宅へ移行する場合の具体的な指導については、たしか海野参考 人は「バラバラだ」というようなことをおっしゃったように思うのですが、その辺を事 務局、もしくは患者会のほうで資料があれば、事務局とお諮りの上で、これは重要なこ となので、お示しいただきたいと思います。  もう1点は、これはスライド等にはなくて、五阿弥委員の質問に関して海野参考人が いろいろな数字をお答えになったと思うのです。例えばいろいろな方にどういう吸引を 依頼しているとかということがあって、これは確かに現行法上いろいろな問題があると 思うのですが、この辺も資料が用意されているのであれば、事務局とお諮りいただいて もう1度ご提出いただくことは必要かと考えています。ぜひよろしくお願いします。 ○前田座長  よろしいですか。 ○三浦補佐  はい。 ○前田座長  他にありますか。 ○川村委員  1回の討論が終わったら、そこでどういうことが確認されたとか、どういうことが皆 さんの合意にあったのかとか、どこが検討事項として残ったのかとか、1つの納得がい くものが残っていくような会にしていただいたほうが私はいいと思うのです。今日は何 について最終的に合意に達したのかは私にはよくわかりません。細かい問題がたくさん 出てきたことはわかります。これをいくら積み上げてもかなり不毛ではないかと思いま す。どうしてもやらなければいけないことはあるので、それを短時間でやらなければな らないのであれば、濃厚にきちんとやっていく進行を期待しています。私は理想論だけ を言いたいと思っているわけではありませんが、今日は基本的な合意をしたいと思った ので、そこの範囲に留めた発言をしております。もう少し事前に何か教えていただける と、もう少し考えて来て、短かい時間をきちんと使えるのではないかと思います。よろ しくお願いします。 ○前田座長  それは本当に申し訳なかったと思います。いまからまとめを簡単に申し上げようと思 いますが、最初にも言ったように今日は何かをまとめて合意を形成することはまったく ないので、各委員の考えを出していただいて、それを議事録に取って整理することが基 本なのです。  事前にこういう議論をするというのをお出ししておいたほうがいいというのはそのと おりなのです。ただ、今回は1回目の議論と、特に2回目のヒアリングの後に時間がな かったので、それを踏まえてフリーディスカッションをするということで、特に用意し たわけではないのです。次回はこういう方向でというときには、もちろん何らかの形で 準備をさせていただきたいと思いますが、まだ案が出てくるとか、そういうことではあ りません。  ただ、ちょっと確認させていただくと、先ほどほぼ合意したのは、いくつかの問題に ついて情報を出してほしいということで、患者団体のニーズと現実の間のギャップとか 不満がどれだけあるかということをもう少し細かいデータで調べられないかということ で、これは事務局にやっていただきます。それから、議論としてもう1つ重要な柱にな ってきそうなのは、家族がどういう条件で許されているのか、それについてもっと深い 議論をするための手係りになる材料を持ち寄れないかという2点は、確認できたと思い ます。  その他にも、現実にヘルパーで医師法に形式的には触れるような形で介護をしている 人たちのナマの議論が出せないかという指摘もありました。これは可能な範囲でという ことになるかと思うのですが、それを出して議論を進めていきたいと思います。それ以 外に関しては、この場で合意を形成したとかいうことではなくて、各自が他の委員のご 意見を拝聴した上で、次の議論につなげていくと。それを記録として残していただくと いうことだと思うのです。  もう1つ重要なのは、かなり宮城の例はご質問が出たりして議論をしたので、イメー ジとしては非常に強いものがありました。ただ、宮城のようなパターンがこの委員会と して1つの方向性だということを言うつもりはありません。それも1つの素材として、 今後議論をしていただけたらということです。  どうしてもフリートーキングなので散漫になって申し訳ないのですが、いずれにせよ ここで確認する事項に関しては明確に示した上で、これを確認しましたという形で進め たいと思います。今日のところはフリートーキングということで、各委員のご意見を拝 聴したということでまとめたいと思います。では、次の日程を事務局からお願いします 。 ○医事課長  次回の日程は3月10日の17時から厚生労働省9階の省議室で開催したいと思いますの で、よろしくお願いいたします。 ○前田座長  会の運びが行ったり来たりでご迷惑をおかけしましたが、本日の分科会はこれで終了 いたします。ありがとうございました。                                      了−                           照会先                                   厚生労働省医政局医事課                           課長補佐 三浦(内2564)                           (代表) 03-5253-1111