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資料3−4

化学物質の水質基準等への分類基準について(試案)


1. 化学物質の分類基準

(1) 水質基準  浄水において、評価値の1/10に相当する値を超えて検出され、又は検出されるおそれの高い物質又は項目(特異値によるものを除く。)
(2) 水質管理目標設定項目  上記(1)には該当しないものの、場合によっては、浄水において評価値の1/10に相当する値を超えて検出される可能性のある物質又は項目
(3) 要検討項目  毒性評価が定まらない、浄水中の存在量が不明等の理由から上記(1)又は(2)のいずれにも分類できない物質又は項目
(4) その他  上記(1)又は(2)のいずれにも該当しないことが明らかであり、更なる検討を要しない物質又は項目


2. 留意事項

 (1)  水銀及びシアンなど水道法第4条に例示されている化学物質(カドミウムを含む。)については、過去の経緯を踏まえ、上記分類条件にかかわらず、水質基準として維持する(水銀及びシアンについては、基準値もそのまま維持する)こととする。

 (2)  毒性評価が暫定的なものであることから、評価値も暫定とならざるを得ない場合には、上記1の(1)の分類条件に合致する場合であっても水質基準とはせず、上記1の(2)の水質管理目標設定項目に分類することとする。

 (3)  農薬については、その使用形態の特殊性から個別の農薬ごとに見た場合には、上記1の(1)又は(2)に分類されることは稀であるが、その社会的関心の高さを考慮し、次のとおり取扱うこととする。

(1)  上記1の(1)の基準に適合する農薬については、個別に水質基準を設定する。
(2)  上記(1)に該当しない農薬については、下記の式で与えられる検出指標値が0.5を超えないこととする総農薬方式により、水質管理目標設定項目に位置付ける。

検出指標値=Σ(農薬iの検出値/農薬iの評価値)

 ここに、「農薬i」は、その検出状況、使用量などを勘案し、浄水で検出される可能性の高い農薬を[xx]種程度選定することとする。


3. 説明

 (1)  水質基準への分類基準
 「全国的にみれば検出率は低い物質(項目)であっても、地域、原水の種類、又は浄水方法により、人の健康の保護又は生活上の支障を生ずるおそれのあるものについては、すべて第4条の水質基準項目として設定する。」との総論の考え方を踏まえ、また、WHOの"10-fold concept"を参考にして、現行の分類基準を緩和し、より広範囲の項目が水質基準項目に含まれるようにしたものである。

(参考)現行分類基準(水質基準)
調査結果の有効な最大値データが評価値の50%を超えていること。ただし、濃度分布等からみて特異値と考えられる場合は除く。
上記を満たし、かつ評価値の10%を超えるものの検出率が数%のレベルであること。

 (2)  水質管理目標設定項目への分類基準
 現行の監視項目への分類基準「評価値の数%レベル以上」を「評価値の1/10に相当する値を超えて検出される可能性」と言い換えたものである。なお、上記(1)と同様、地域性を勘案し、検出率の条件を緩和し、より広範囲の項目が含まれるようにした。

(参考)現行分類基準(監視項目)
調査結果の有効な最大値データが評価値の数%レベル以上であること。ただし、濃度分布等から見て特異値と考えられる場合は除く。
上記を満たし、かつ評価値の1%を超えるものの検出率が数%レベル以上であること。


 本分類基準は、多岐にわたる化学物質の水質基準等への分類を効率的に行うための作業仮説であって、本基準に従い作業を進め、その上で、当該分類が適当であれば、これを分類基準とし、不適当な部分があれば、適宜訂正されるべきものである。


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