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○ 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療
のあり方についての報告書の概要
※ |
この概要ペーパーは、「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」の内容を、「生殖補助医療技術に関する専門委員会」事務局(厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課)において要約したものである。 |
○ |
子を欲しながら不妊症のために子を持つことができない法律上の夫婦に限る。 |
○ |
それを受けなければ妊娠できない夫婦に限って、以下の提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療(非配偶者間生殖補助医療)を受けることを容認する。 |
- (1) AID(提供精子による人工授精)
(2) 提供精子による体外受精
(3) 提供卵子による体外受精
(4) 提供胚の移植
○ 代理懐胎(代理母・借り腹)
人を専ら生殖の手段として扱い、また、第三者に多大なリスクを負わせるものであり、さらには、生まれてくる子の福祉の観点から望ましくないため禁止する。
(1) 精子・卵子・胚の提供者の条件
○ |
精子提供者は、満55歳未満の成人とする。 |
○ |
卵子提供者は、既に子のいる成人に限り、満35歳未満とする。 |
(2) 精子・卵子・胚の提供に対する対価
○ |
精子・卵子・胚の提供に係る金銭等の対価の授受を禁止する。ただし、精子・卵子・胚の提供に必要な実費相当分については提供者に支弁してもよい。 |
(3) 精子・卵子・胚の提供における匿名性の保持
(4) 兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供((3)の特例)
○ |
他に提供者が存在しない場合であって、十分な説明・カウンセリングが行われ、金銭等の対価の供与がなく、子の福祉や提供者に対する心理的な圧力の観点から問題がないと公的管理運営機関が認めたときに限り、(3)の特例として兄弟姉妹等の匿名性が保持できない者からの精子・卵子・胚の提供を認める。 |
(5) 書面による同意
○ |
非配偶者間生殖補助医療の実施及びそれに用いる精子・卵子・胚の提供に際しては、事前に当事者夫婦の書面による同意を得なければならない。 |
(6) 十分な説明の実施・カウンセリングの機会の保障
○ |
非配偶者間生殖補助医療の実施及びそれに用いる精子・卵子・胚の提供に際しては、当事者夫婦に対して十分な説明を行い、カウンセリングの機会を保障しなければならない。 |
○ |
以下のものについては、罰則を伴う法律による規制を課す。 |
- 営利目的での精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋
- 代理懐胎のための施術・施術の斡旋
- 職務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏洩すること
○ |
上記を除き、1.の結論については、罰則を伴う法律による規制の対象とはせず、法律に基づく指針等規制の実効性を担保できる他の形態の規制を課す。 |
(1) 親子関係の確定
- 非配偶者間生殖補助医療により子を出産した者を、その子の母とする。
- 妻が夫の同意を得て、非配偶者間生殖補助医療により出産した子は、その夫の子とする。
- 精子・卵子・胚の提供者は、非配偶者間生殖補助医療により生まれた子の父母とされない。
(2) 出自を知る権利
○ |
非配偶者間生殖補助医療により生まれた子は、成人後、その子に係る精子・卵子・胚の提供者の個人情報のうち、提供者を特定できず、かつ、提供者がその子に開示することを承認したものを知ることができる。
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○ |
非配偶者間生殖補助医療により生まれた子は、結婚した場合に近親婚とならないことの確認を求めることができる。 |
(3) 非配偶者間生殖補助医療を行う医療施設の指定
○ |
公的審議機関の意見を聴いて国が定める基準により、国が指定した医療施設でなければ非配偶者間生殖補助医療を行うことはできない。 |
(4) 非配偶者間生殖補助医療の実施に関わる体制の整備
○ |
各生殖補助医療の利用に関して、必要な提言を行う公的審議機関を設ける。 |
○ |
非配偶者間生殖補助医療の実施に関する管理運営を行う公的管理運営機関を設ける。 |
○ |
本報告書の結論を実施するために必要な制度の整備が遅くとも3年以内に行われることを求める。 |
○ |
上記の必要な制度の整備がなされるまでは、AID(提供精子による人工授精)以外の非配偶者間生殖補助医療は実施されるべきでない。 |
○ |
本報告書において容認することとされた非配偶者間生殖補助医療の実施の開始から一定期間経過後に、その実施状況やその時点における国民世論等を勘案しつつ、非配偶者間生殖補助医療のあり方(特に「兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供」及び「出自を知る権利」)について必要な見直しを行うべきである。 |
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