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VII.平成15年度予算編成の基本方針
(平成14年11月29日閣議決定)
( 抜粋 )

III 歳出の見直しと構造改革の推進

 3 公平で安心な高齢化社会・少子化対策

 少子化の進展により我が国の人口は2007年から減少に転じ、急速に高齢化が進むことが予測される中で、持続可能な社会保障制度の構築に努めることが重要な課題である。
 仕事と子育ての両立支援のための保育所児童待機児童ゼロ作戦の推進などに加え、職場や地域ぐるみで子育てを支援する取組を強化することなどにより、少子化の流れを変え、次代の社会を担う子供を安心して生み育てることができる環境の整備を推進する。
 さらに、PFI方式の活用等により介護、保育サービスの供給体制を効率的に整備するとともに、社会の支え手として元気に働き、生活を享受することができる期間が長いという健康寿命の増進や公共施設、公共交通などの公共空間のバリアフリー化による移動手段の確保を図り、高齢者が尊厳を保ちつつ積極的に社会参加をできるような社会の構築を目指す。

 6 社会保障制度

 社会保障制度は、国民の安心と生活の安定を支えるセーフティネットであり、国民に広がる雇用、老後などの将来不安を払拭するため、総合的・一体的なものとして、将来にわたって持続可能な、一層確固たる制度にしていかなければならない。
 昨年来、その第一弾として医療制度改革を実施してきたが、今後とも、保険者の統合・再編を含む医療保険制度体系の在り方、診療報酬体系の見直しなど医療制度の効率化と安定的運営を確保する観点から改革を継続する。平成15年度においては、雇用保険制度の改革に取り組むとともに、その翌年に予定する次の年金制度改革に向けて、国民的議論を行っていく。
 地方分権改革推進会議の意見を踏まえ、国庫補助負担事業の廃止・縮減、一般財源化、統合化等、必置規制の見直しを行うことを検討する。

 (雇用保険制度改革等)
 雇用保険制度については、厳しい雇用失業情勢及び保険財政にかんがみ、将来にわたりセーフティネットとしての安定的運営を確保するため、早期再就職を促進する給付水準の設定、通常労働者とパートタイム労働者の給付内容の一本化、倒産・解雇等による離職者等への給付の重点化、雇用保険三事業の重点化、合理化など抜本的な改革を進める。
 なお、制度の安定的運営を確保するために必要な保険料率の水準については、景気の自動安定化装置としての機能も考慮しつつ検討する。また、労災保険料率も併せて検討する。

 (年金・手当等)
 平成15年度の年金、手当等については、現役世代の賃金が低下している中で、保険料を納付する現役世代との均衡や制度に対する信頼確保の必要性等を考慮し、物価、賃金の状況などを総合的に勘案して一定程度引き下げる。

 (介護保険制度)
 介護保険制度の一層の効率的な運営を行うため、介護保険サービスの利用状況、介護サービス間のバランスなどを踏まえ、在宅に近い居住環境の下でケアを行う特別養護老人ホームのホテルコストについて自己負担の導入を行うとともに、賃金・物価の下落傾向、介護事業者の経営状況、介護保険料の増加傾向等を踏まえ、介護報酬水準全体を適正に見直す。


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