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参考資料


御意見募集で寄せられた意見(平成14年10月22日〜11月18日)

受付番号 53
受付日 平成14年10月24日
年齢 23歳
性別
職業 学生
所属団体 なし
氏名 匿名希望

(この問題に関心をもった理由)

自分がAIDであったことをつい2ヶ月ほど前に知ったので。

(意見)

まずAIDの賛否についてですが、私はどちらとも言えません。
ただ、それを行うと決める時点で、もっと慎重に考えて欲しいと思います。
不妊に悩み、それでも子供が欲しいという人にとっては希望的治療法なのだとは思うのですが、妊娠するということを目標地点にはして欲しくないと思います。
その先、実際に子供が生まれてその子供を一生、実の子として育てていけるのか
ちゃんと考えてから、AIDを行って欲しいと思います。
今の現状は、なんだかみんな簡単に病気の治療の一つとして行っているのではないでしょうか。

またAIDに関する様々な制定がなされるそうですがそういったものも、実際にAIDを行った夫婦、またはAIDによって産まれた子供に調査等をして、そこから本当に必要なことは何かを考えて作って欲しいと思います。

私は先日、自分がAIDで産まれたということを初めて知らされたのですが、それは親が自主的に告知をしようとしてしたものではなく、父親が遺伝性の病気を患い、その病気の遺伝を私が悩んだことで発覚してしまったものでした。
23年間隠されてきたことも、それを今され言われたこともはっきり言って、大きなショックでした。

また、私の家庭は昔から家族関係が非常に希薄で私は小さな頃から「家族」らしいというような思い出がほとんどありません。
とくに父親との関係がうまくいっていませんでした。
具体的に言えば、父親にかわいがってもらった記憶がなくまた夫婦間の中もいいとは言えず、ほとんど会話のない家庭でした。
自分の出生を知る前も、そのような感じで家族仲はうまくいっていなかったのですがAIDを知らされた後は、さらにどう接していいのかわからなくなってしまいました。
私はどうしても、家族のそういった状態が、自分の出生と関係しているように思えてしまうのです。
私がもし、実の子だったなら、違ったのではないかとどうしても考えてしまいます。
そしてそう考えると、とにかく家にいることがつらく、つい最近、家も出てしまいました。

「親を知る権利」というものがよく言われていますが、私は別に、遺伝上の親を知りたいとは思いません。
そういう権利を制定するよりも、AIDを行った夫婦、そしてその子供がその後家族として幸せに暮らしていけるような精神的フォローなどの制度を、もっとしっかりして欲しいと思います。

とにかく、子供が欲しいからといって簡単にAIDを行うのではなく本当に一生その子供を、何があっても実の子と同様に育てていけるかどうかをちゃんと話し合って、決めて欲しいと思います。



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