資料5
学生の看護技術
1 現実の臨床と乖離している技術
2 臨床実習で行われているが、学内で必ずしも押さえられていない技術
(1)剃毛 (2)包帯交換(ガーゼ交換) (3)罨法(氷枕作成) (4)経管栄養法 (5)口腔ケア (6)陰部洗浄 |
(7)酸素吸入 (8)尿留置カテーテル (9)死後の処置 (10)術後ベッド作成 (11)おむつ交換(成人) (12)座薬挿入 |
3 臨床実習で経験不足となりやすい技術(指導者の不在などで)
(1)点滴準備 (2)点滴介助 (3)包帯交換(特に直接介助) |
(4)導尿 (5)浣腸 (6)使用器材の消毒、後かたづけ |
4 卒業までに全く人体に行わない後術
(1)採血 (2)注射(皮下、筋肉) (3)気管内吸引 |
(4)ME機器の取り扱い(輸液ポンプなど) (5)胃カテーテルの挿入 |
実習受け入れ病棟の状況
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看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会
病院実習の状況
都立豊島病院 神田律子
1 病棟の状況
(1) 病棟業務の状況
平均在院日数の短縮に伴い、業務密度の高まりが著しい。このことは、看護職員の業務を繁忙化させ、ゆとりのない動きになっている。当院における実習受け入れ病棟状況を資料1に示した。
(2) 患者の特徴
医療技術の高度化、高齢社会などを反映し、高齢者に対する手術をはじめとした積極的な医療の提供は一般的になってきた。キュアと共にケア密度の高い対象者の増加となっている。また、快復までの期間や合併症など、イレギュラーな例が増加している。
一方、少子化の影響により、小児病棟では患者数の減少が著しい。
(3) 看護職員配置状況
当院の看護職員配置状況は、全病棟が「一般病棟入院基本料1」であり、「夜間勤務等看護加算」も「1」や「2」を主に申請している。しかし、業務の多忙さから看護職員は常時人手不足を感じ、患者の投書にも「看護婦さんを増やしてください」と書かれることがある。(資料1)
2 実習の状況
(1) 学生受け入れ状況
現在、隣接する都立豊島看護専門学校(3年課程)の主たる実習病院となっている。1グループ6〜8名の実習である。
(2) 担当患者決定の状況
学校から提示された実習目標を考慮しながら、病棟の学生指導担当者が学生を受け入れてくれそうな患者を学生数と同数程度選択し、口頭で了承を得て、教員及び学生と調整し、決定する。
(4) 実習指導の状況
1グループにつき1名の専任教員が指導に当たることになっているが、学内の業務と重なった場合は学内が優先される。また8名の学生に対して1名の教員では指導にも限界がある。病棟は実習指導者を指名し、学生指導に関する院外研修など受講させているが、役割は連絡調整が主であり、日常の指導はその患者のその日の担当看護師が行っている。従って、看護の実際について指導を行う看護師全員が十分な指導力や実践力を備えているとは言えない現状である。
(5) 技術に関する実習の状況
日常生活の援助技術でその患者に必要なことはほぼ実施している。診療補助行為の多くは学生が計画した場合のみ実習としている。ただし、安全のためには一人での行動は制限しており、指導看護師の業務状況と調整し、実施または見学としている。
例えば、点滴準備を学生が行う場合、一人分のミキシングと点滴ルートの接続に30分程度要するのが一般的である。開始時間が設定されている場合が多いため、学生が実際に準備を行うのは、指導者やスペース、時間的余裕を考慮した場合、一日あたり1名が限度である。
技術に関する学生の学習状況の例を資料2に示した。