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資料3
看護基礎教育における技術教育について
〜近畿管内国立病院・療養所附属看護学校の実態調査等から〜
国立京都病院附属看護助産学校
看護師科教育主事 渡津千代子
1.国立病院・療養所附属看護学校の臨地実習の現状
実習指導体制について
附属施設による技術経験の差について
2.臨地実習における看護技術等の許容範囲及び体験機会の減少による影響
3.国立病院・療養所附属看護学校における診療の補助技術に関する教育状況等
4.課題
各校の学内における【与薬】【感染予防】に関する技術教育実施状況(平成11年度)
(〜一部抜粋〜)
【与薬】
★印:事例 ◇印:場面、条件設定 No.1 |
学校 |
講義の工夫 |
演習の工夫 |
技術テスト |
実習前チェック |
卒業前チェック |
C |
1) |
★事故事例で法的責任を教授 |
2) |
VTR(ケアレスミス)で誤薬防止、確認の重要性教授後、グループワーク |
3) |
実演VTRの活用:注射法 |
4) |
経口与薬:デモスト後グループでロールプレイし意見交換 |
5) |
直腸内与薬:人体モデル、陰部モデル使用し、デモストレーション |
6) |
各注射法の注射部位の選定:
・ |
皮下・皮内・(点滴)静脈内注射は学生同士で選定後、教官が確認。 |
・ |
筋肉注射:臀部モデルは教官が確認、三角筋は学生同士で選定後、教官が確認 |
|
7) |
静脈内注射、点滴静脈内注射:
準備〜後片づけまでを実施 |
|
・実習前演習
1) |
経口与薬(2学年1学期):事例(大腿骨頸部骨折、人 工股関節置換術後患者への援助方法 |
2) |
筋肉注射、点滴(2学年2学期):
実習グループ毎に演習、教官が確認・指導 (薬液と処方 箋の確認→点滴の滴下速度確認まで) |
3) |
3年次全般:
卒業時の到達目標について、実習グループ毎に教官が技 術チェック |
|
|
|
|
D |
1) |
★事故事例を用いて、与薬技術の中に潜む危険性を教授 |
2) |
できるだけ実物の薬剤を提示(キシロカイン等) |
|
1) |
装着型模型を使用し演習 |
2) |
処方箋を利用し、確認方法の教授。 |
3) |
清潔と汚染エリアを区分けし、物品の扱い、看護者自身の体の使い方を考えさせる |
|
1) |
筋肉注射:学生同士で臀部への筋肉注射(生理食塩水)を実施 |
|
|
|
E |
1) |
★事故事例を用いて、与薬の原則、3回の確認、注射部位等の教授 |
2) |
人体模型を用い、筋肉の位置、神経の走行など確認する。 |
3) |
注射法の共通技術を教授後、各方法を教授する。 |
|
1) |
筋肉注射演習:
・ |
上腕は装着型模型、臀部はモデル人形を用いてグループ演習 |
・ |
誤薬防止のための確認、滅菌操作、部位の選択、刺入の深さ・角度、針の固定方法、薬液注入の速度、抜針方法及び後始末。 |
・ |
部分練習後、一連を通して演習。 |
|
|
|
1) |
成人・老年看護学実習前
・ |
筋肉注射:モデル人形 |
・ |
点滴静脈内注射:上腕モデル |
|
* |
グループ毎に演習しチェックリストを用いて学生同士でチェック。
その内、2グループを選定しチェックリストを用いて教官が評価。 |
|
1) |
筋肉注射:臀部又は上腕部への筋肉注射を学生同士で実施。 |
2) |
点滴静脈内注射の準備及び介助学生が患者役となり実施 |
|
|
【感染予防】
★印:事例の活用 ◇印:場面、条件等を設定 No.1 |
学校 |
講義の工夫 |
演習の工夫 |
技術テスト |
実習前チェック |
卒業前チェック |
C |
★ |
1) |
事例:対象者の安全と医療者側の安全について教授(針刺し事故、院内感染) |
2) |
VTRの使用 |
|
1) |
臨床現場により近い物品の使用と模擬患者と環境の設定(看護婦役と患者役の体験) |
2) |
ロールプレイング:
・ |
1年2学期(胃切除術後患者への清潔援助) |
・ |
2年1学期(人工股関節置換術後患者への清潔、排泄援助) |
・ |
2年2学期(診療補助技術:ガーゼ交換) |
・ |
3年次全般(滅菌物品を鑷子使用した清潔操作) |
|
3) |
滅菌物は実物使用(滅菌を示す表示、有効期限の確認) |
|
|
1) |
成人周手術期看護実習
・ |
手指の消毒、鑷子の取り扱い、滅菌包みの開け方、滅菌物品の渡し方 |
|
|
★ |
事例:女性の一時的導尿
・ |
手指の消毒、鑷子の取扱い、滅菌 包の開け方、滅菌物品の渡し方 |
・ |
患者役の学生が陰部モデルを装着し看護婦役の学生が実施 |
|
|
D |
1) |
1年次4月開講:医療の現場を感染防止のための特別な場であることを強く意識させる |
2) |
物品及び範囲を[汚染]の有無で意識させる |
3) |
病院での感染防止の実際の理解 (中央材料室の見学) |
|
|
1) |
滅菌包とその開け方物品を複数回使用することから、現実の汚染状態を便宜上清潔として扱う場面があるため、少人数ごとに実施させ、指導する |
|
◇ |
単元「導尿」
・ |
鉗子の取り扱い、滅菌包みの開け方、消毒物の渡し方 |
|
|
|
|
E |
1) |
細菌学的視点から教授
|
2) |
感染予防の実際について、根拠をふまえて教授 |
3) |
ガウンテクニックについては清潔・不潔区域による方法の違い |
|
1) |
鉗子の取扱い、滅菌手袋の装着、滅菌、消毒物品の渡し方 |
* |
グループで演習、不潔行動を実施しているか学生同士でチェック |
* |
演習内容は、一連の動作の中で実施、清潔、汚染区域も考えさせる |
|
|
1) |
成人・老年看護学実習前
・ |
滅菌包とその開け方、滅菌手袋の装着、消毒用綿球の渡し方、鉗子の持ち方 |
|
◇ |
導尿、膀胱洗浄を演習 |
* |
グループで演習、チェックリストでチェック、2Gを選定し、グループ全員をチェックリストを用いて教官がチェック |
|
◇ |
導尿
・ |
滅菌包と開け方、滅菌手袋の装着、消毒用綿球の渡し方、鉗子の持ち方 |
|
|
|
平成13年 国立病院・療養所における診療の補助技術の到達に関する調査結果より
講義 n=50 |
学内演習 n=50 |
臨地実習 n=50 |
|
項目 |
実施有 |
|
項目 |
実施有 |
|
項目 |
経験希望 |
経口的与薬(内服) |
100.0 |
筋肉内注射 |
94.0 |
温罨法 |
94.0 |
経口的与薬(舌下) |
100.0 |
口腔内吸引 |
88.0 |
冷罨法 |
94.0 |
直腸内坐薬挿入 |
100.0 |
グリセリン浣腸 |
86.0 |
経皮酸素濃度 |
92.0 |
皮下注射 |
100.0 |
冷罨法 |
84.0 |
ガーゼ交換の介助 |
92.0 |
皮内注射 |
100.0 |
赤血球沈降速度測定 |
82.0 |
口腔内吸引 |
90.0 |
血液 |
98.0 |
一時的導尿 |
80.0 |
酸素吸入 |
88.0 |
筋肉内注射 |
98.0 |
血液 |
76.0 |
グリセリン浣腸 |
86.0 |
酸素吸入 |
98.0 |
温罨法 |
76.0 |
血糖検査 |
84.0 |
口腔内吸引 |
98.0 |
鼻腔吸引 |
76.0 |
経口的与薬(内服) |
82.0 |
静脈内注射の介助 |
96.0 |
酸素吸入 |
74.0 |
薬液噴霧 |
80.0 |
温罨法 |
96.0 |
皮下注射 |
68.0 |
胸腔吸引の観察 |
80.0 |
冷罨法 |
96.0 |
ガーゼ交換の介助 |
68.0 |
直腸内坐薬挿入 |
78.0 |
グリセリン浣腸 |
96.0 |
静脈内注射の介助 |
66.0 |
摘便 |
78.0 |
一時的導尿 |
96.0 |
気管内吸引 |
66.0 |
鼻腔吸引 |
74.0 |
点眼 |
94.0 |
輸液ポンプの管理 |
60.0 |
体位ドレナージ |
74.0 |
気管内吸引 |
94.0 |
膀胱内留置カテーテル |
60.0 |
点眼 |
66.0 |
鼻腔吸引 |
94.0 |
視力測定 |
56.0 |
一時的導尿 |
66.0 |
摘便 |
94.0 |
アンビューバッグによる人工呼吸 |
56.0 |
病歴の聴取 |
64.0 |
赤血球沈降速度測定 |
94.0 |
心マッサージ |
56.0 |
関節可動域 |
64.0 |
輸血の介助 |
94.0 |
経口的与薬(内服) |
44.0 |
皮膚の塗擦 |
64.0 |
尿 |
92.0 |
皮内注射 |
44.0 |
蒸気吸入 |
64.0 |
便 |
92.0 |
薬液噴霧 |
44.0 |
ストーマ(パウチ交換) |
64.0 |
膀胱内留置カテーテル |
92.0 |
関節可動域 |
36.0 |
気管内吸引 |
60.0 |
喀痰 |
90.0 |
モニター心電図 |
36.0 |
膀胱内留置カテーテル |
60.0 |
輸液ポンプの管理 |
90.0 |
12誘導心電図 |
36.0 |
経口的与薬(舌下) |
58.0 |
薬液噴霧 |
90.0 |
尿 |
34.0 |
モニター心電図 |
58.0 |
体位ドレナージ |
90.0 |
蒸気吸入 |
34.0 |
尿 |
56.0 |
心マッサージ |
90.0 |
体位ドレナージ |
32.0 |
便 |
54.0 |
膀胱洗浄 |
86.0 |
経皮酸素濃度 |
28.0 |
輸液ポンプの管理 |
52.0 |
ガーゼ交換の介助 |
86.0 |
ストーマ(パウチ交換) |
28.0 |
膀胱洗浄 |
52.0 |
点鼻 |
84.0 |
膀胱洗浄 |
28.0 |
血液 |
50.0 |
蒸気吸入 |
84.0 |
病歴の聴取 |
24.0 |
静脈内注射の介助 |
48.0 |
関節可動域 |
82.0 |
血糖検査 |
22.0 |
点鼻 |
46.0 |
経皮酸素濃度 |
82.0 |
摘便 |
20.0 |
喀痰 |
44.0 |
腰椎穿刺の介助 |
82.0 |
気管切開介助 |
20.0 |
点耳 |
42.0 |
モニター心電図 |
82.0 |
直腸内坐薬挿入 |
18.0 |
筋肉内注射 |
42.0 |
12誘導心電図 |
82.0 |
便 |
16.0 |
視力測定 |
38.0 |
アンビューバッグによる人工呼吸 |
82.0 |
輸血の介助 |
14.0 |
赤血球沈降速度測定 |
36.0 |
点耳 |
80.0 |
経口的与薬(舌下) |
12.0 |
輸血の介助 |
36.0 |
皮膚の塗擦 |
80.0 |
中心静脈圧測定 |
12.0 |
皮下注射 |
34.0 |
胸腔吸引の観察 |
80.0 |
止血法(圧迫止血) |
12.0 |
12誘導心電図 |
34.0 |
血糖検査 |
80.0 |
点眼 |
10.0 |
中心静脈圧測定 |
34.0 |
病歴の聴取 |
78.0 |
胸腔吸引の観察 |
10.0 |
咽頭の塗布 |
32.0 |
骨髄穿刺介助 |
78.0 |
人工呼吸器管理 |
10.0 |
腰椎穿刺の介助 |
30.0 |
胸腔穿刺の介助 |
78.0 |
喀痰 |
8.0 |
骨髄穿刺介助 |
28.0 |
ストーマ(パウチ交換) |
78.0 |
点鼻 |
8.0 |
胸腔穿刺の介助 |
28.0 |
人工呼吸器管理 |
76.0 |
腰椎穿刺の介助 |
8.0 |
腹腔穿刺の介助 |
28.0 |
視力測定 |
74.0 |
除細動の介助 |
8.0 |
皮内注射 |
26.0 |
止血法(圧迫止血) |
72.0 |
消化液 |
6.0 |
止血法(圧迫止血) |
26.0 |
消化液 |
70.0 |
点耳 |
6.0 |
人工呼吸器管理 |
24.0 |
腹腔穿刺の介助 |
70.0 |
皮膚の塗擦 |
4.0 |
消化液 |
20.0 |
除細動の介助 |
70.0 |
骨髄穿刺介助 |
4.0 |
胃洗浄の介助 |
20.0 |
咽頭の塗布 |
64.0 |
胸腔穿刺の介助 |
4.0 |
気管切開介助 |
12.0 |
中心静脈圧測定 |
64.0 |
腹腔穿刺の介助 |
4.0 |
心マッサージ |
12.0 |
胃洗浄の介助 |
58.0 |
胃洗浄の介助 |
4.0 |
除細動の介助 |
10.0 |
気管切開介助 |
52.0 |
咽頭の塗布 |
2.0 |
アンビューバッグによる人工呼吸 |
8.0 |
|
臨地実習における許容範囲の状況及び
体験減少により看護技術実践に及ぼしている影響(総括)
(n=16)
I.臨床との話し合いで設けている制限について
-
1.受持ち患者に関すること
1)感染症について
- 感染症は受け持たせない(7校)
- MRSAは実習の時期、学生の能力等を考慮して決定する(5校)
- MRSAは母性看護学実習との関連で受け持たせない(1校)
- 感染症患者について制限なし(3校)
2)患者の選定について
- 学生を拒否する患者は受け持たせない
- 合併症の少ない患者
- 実習目標を達成できる患者の選定
- 学生一人につき原則として受け持ち患者一人
2.看護技術に関すること
- 注射に関して見学まで(6校)
- 点滴静脈注射について抜針をする(2校)
- 小児の与薬は見学のみ
- 麻薬は確認のみ
II.体験の減少による影響(「与薬」「感染予防」)
-
1.「与薬」技術について
1)誤薬(6校)
- 経口与薬に関する誤薬が多い
- 内服薬は患者の自己管理になっていることが多く一連の流れとして技術を学習できない。
- 確認不足のため与薬忘れ、量の誤り、人の誤りがある。
2)技術経験不足(4校)
- 点滴患者の針の固定、抜去ができない。
- 輸液ポンプ、ルート、三方活栓を取り扱う機会が少ない。
- 中心静脈栄養の患者の薬液パックに他の薬液を混入できない。
3)知識不足(4校)
- 薬液の単位換算ができない。(mg . ml)
- インスリン量の計算ができない。
- 薬効、副作用の知識が不十分なまま与薬している。
2.「感染予防」技術について
1)技術経験不足(9校)
- 鉗子操作、滅菌手袋の装着、滅菌物の取り扱いができない。
- ガウンテクニックできる患者を受け持つ機会が少ない。
2)清潔と不潔の区別がつかない(4校)
- 鉗子、鑷子の持ち方が逆手である。先が上向きになる。
- 学生が日常生活で、感染予防の生活行動ができない。
- 清潔と不潔に対して認識が薄い。
臨地実習における受持患者・看護技術の許容範囲の状況 〜一部抜粋〜
(平成12年8月現在)
学校 別 |
受持患者の制限 |
看護技術の制限 |
A |
1. |
感染症患者は受け持たない (HB、HCV、ワ氏、MRSA) |
|
1. |
実習要項中に到達させたい技術を明示 |
2. |
実施前には援助内容、方法を必ず教官がチェック指導を行い、見学→実施 |
3. |
指導者の指導のもとに実施 |
|
B |
1. |
感染症患者は受け持たない (HB、HIV、HCV) |
2. |
MRSAは3年次相談で決定 |
|
|
C |
1. |
感染症患者(HB、HCV、MRSA)は原則として受け持たない |
2. |
HIVは受け持たない |
|
|
D |
制限なし |
1. |
注射に関しては見学 (インシュリンの皮下注射は受持ち患者に実施) |
|
E |
1. |
感染症患者は受け持たない (HB、HCV、HIV、ワ氏) |
|
1. |
口腔内与薬等で速効性のあるものは実施させない |
2. |
麻薬は確認のみ (準備、実施はさせない) |
3. |
主に受持ち患者で経験、3年次実習3 週目からは受け持ち患者以外でも指導者と相談して実施可 |
|
F |
1. |
1・2年次は感染症患者は持たない |
2. |
エイズの患者は持たない |
|
1. |
原則として指導者のもとで実施する |
2. |
治療、処置に関する技術は教官の評価を受け合格した後、指導者の指導のもとに実施する |
|
G |
1. |
原則として感染症患者は受け持たない(HB、HCV、ワ氏、 MRSA、水痘、麻疹、流行性耳下腺炎) |
|
1. |
注射、輸液輸血の交換、気管内吸引は見学のみ |
2. |
男性の導尿は見学のみ |
|
H |
1. |
感染症患者は受け持たない (HB、HCV、ワ氏、HIV) |
|
|
I |
|
1. |
小児の与薬は見学のみ |
2. |
看護技術の中で静脈内注射、皮内注射は実施しない |
|
臨地実習体験の減少から看護技術実践に及ぼしている影響
(各校の自由記載による回答の一部抜粋)
【与薬】
A |
2. |
卒業生の状況
・ |
点滴注射、静脈内注射で針の刺入は演習していないが、卒後は実践を求められるため、針の刺入に時間を要している。 |
|
|
B |
1. |
誤薬:3回の確認ができていない。
・ |
薬を準備する者と配薬する人が異なる。 |
・ |
一包化のため確認しにくい等の現状があり確認が問題 |
|
|
C |
1. |
輸注ポンプ、輸液ポンプを取扱う機会が少ないため、就職後の現任教育に時間を要する。(臨床からの意見) |
2. |
与薬に関する経験が少なく、確認行為が身に付いていないため誤薬の危険性がある。 |
|
D |
1. |
テープをはずす、抜針後の針の扱いができない。
針刺し事故の危険性が大きい。 |
|
E |
1. |
薬効、副作用の基礎知識不足 |
2. |
物品の使用方法の理解不足(注射器の空気抜き) |
3. |
単位換算、容量計算ができない。 |
4. |
自己管理の患者が多く、配薬する機会が少ない。
服薬の準備、確認の方法が分からない。 |
5. |
受持患者が点滴中であっても自分が準備していない場合、関心が薄く、観察もしない。 |
6. |
時間毎の与薬が確実にできない。 |
|
F |
1. |
中心静脈栄養中の薬液パックに他の薬剤混入ができない。 |
2. |
点滴中の患者の針の固定、抜去ができない。 |
3. |
受け持ち制により与薬技術の経験不足。 |
4. |
内服薬は患者の自己管理のため、一連の流れを経験できない・
(服薬確認のみ) |
5. |
注射の到達について学校と臨床でのずれがある。
* |
患者の生命に直接関わるため、学校が責任を持ってできる技術ではないと考えているが、臨床では卒業時にできることを望まれている。 |
|
|
G |
1. |
滴下数の計算、その後の調整、確認ができない。 |
2. |
確認不足による服用忘れ、薬用量の誤り
・ |
患者が自己管理している場合、服薬確認をしていない。
(血糖降下剤の服薬忘れ) |
・ |
発熱時に解熱剤(座薬50mg)の指示があったが25mg準備した。(常用量の理解不足) |
|
|
F |
1. |
知識不足のまま与薬(薬効、副作用) |
2. |
注射の実習経験が少ないため一連の手技が未熟 |
|
G |
1. |
インスリン注射をしている患者の受持を経験した学生が少なく、薬液の準備レベルから戸惑いがあると言われている。 |
2. |
実習中は朝夕の配薬が実習時間外であったためか、卒業後配薬を忘れる者がいる。 |
3. |
経験が乏しいための過緊張になる。 |
4. |
抜針の経験不足 |
|
【感染予防】
A |
1. |
鉗子操作、消毒滅菌物の渡し方
|
学内演習のみで、実習中は見学にしている。習熟を要する技術であり、卒後教育が必要。 |
|
|
B |
|
C |
1. |
滅菌物の取り扱いについて経験が少なく、見学で終わっている。 |
2. |
清潔操作の熟練ができていないため実施の許可が指導者から得られない。 |
3. |
排泄物や血液に触れる際、学生が手袋をしない。 |
|
D |
1. |
鉗子、滅菌物の取り扱いがスムーズにできない。 |
2. |
滅菌手袋の装着が適切にできない。 |
|
E |
1. |
日常生活面で生活清潔、不潔の意識が低い。
|
本や鞄を床に置く、着用後のストッキングを机の上に置く等の行動 |
|
2. |
自分の実習を優先し、たとえば、患者の状態を考えず自分が感染源になる場合でも実習を休まない。 |
3. |
針の処理容器の使用方法が分からず、針刺し事故を起こした。(卒業生) |
|
F |
1. |
鉗子操作などは実習場所によっては経験できない学生がいる。 |
2. |
ガウンテクニックができる患者を受持つ機会が少ない。
(痰などから病原菌の喀出している患者は受け持たせていない) |
3. |
感染予防の生活行動が日常でできていない。
・ |
食前に手洗いをしない、学校内で裸足で歩く、床に座る等 |
|
|
G |
1. |
卒前の技術チェックで抜針時にリキャップしようとした。
→実習中の抜針の見学・実施を必須項目とした。 |
2. |
今後、感染症について受持ち患者に入れる。 |
|
H |
1. |
一処置一手洗いが不十分 |
2. |
鉗子・鑷子操作の手技が未熟 |
3. |
鉗子・鑷子操作による無菌操作(清潔・不潔の区別)の経験不足 |
|
【その他の看護技術】
B |
1. |
受持ち制のため、経験項目に偏りがある。 |
2. |
指導技術が創意工夫できない。(パンフレットのみ) |
3. |
学校側の原理原則と臨床の機能性重視というギャップがある。 |
|
C |
1. |
診療の技術に関する経験が少なく、技術の習熟が図られていないため、実習中に実施の許可が指導者から得られない。
(経管栄養、吸引、輸液管理など) |
|
D |
1. |
実習中、人工呼吸器装着患者へのケアを経験していない。 |
2. |
「死後の処置」の経験が少ない。 |
3. |
排泄の援助の経験が少ない。 |
4. |
ガウンテクニックを実習場面でしていない。 |
|
E |
1. |
未熟な技術を主体的に学習しない。
(注射器での薬液の吸引、コッヘル操作) |
2. |
臨床で日常生活援助を実施する機会が少ない。 |
3. |
診療の補助技術の見学・実施の機会が少なく、学生自身も技術に関心をもって見学・実施していない。 |
|
F |
1. |
3年生になると基本どおりの援助ができなくなり、経験によるものあるいは方法を真似した援助になる。 |
2. |
洗髪、清拭等一度経験すると学生だけで実施していることがある。また、患者の訴えでその場で援助方法を変えることが多い。 |
3. |
根拠に基づいた援助としてでなはく、看護師が行った方法を真似することが多い。 |
|
G |
1. |
判断力が乏しい。
|
事例を用いて判断できるようにしているが、行動レベルに到達できていない。 |
|
2. |
ME機器:実際の操作の経験が少ない。 |
|
H |
1. |
受持ち患者中心の実習による弊害診療の補助技術に関して経験が少ないことにより技術が未熟。 |
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I |
1. |
導尿、浣腸等の基本的技術でも未経験者が多い。 |
2. |
安全への視点を含んだ援助が弱い。
(点滴中、酸素ボンベ流量中の患者の移送) |
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