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資料4

水質検査方法の設定に当たっての考え方について(案)

(担当主査:安藤委員)


1.  公定検査法の要件
(1) 水質基準項目(物質)を確度よく測定できる方法であること
(2) 定量下限として基準値の1/10の値が得られる方法であること
(3) 精度の高い方法であること(定量下限において変動係数が有機化合物で20%以下、無機物で10%以下の精度を確保すること)
(4) 有害物質を極力使用しない方法であること

 回収率や精度を勘案しつつ、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン等について使用しない方法について検討を行う。

2.  公定検査法の設定方法
(1) 1の要件を満たす方法が複数ある場合には、可能な限り多くの方法を提示すること
(2) 自動検査法が採用できる場合にあっては、積極的にこれを採用すること
(3) 測定原理が異なる場合にも、その整合性を説明できる情報が得られればこれを採用すること
(4) 浄水工程管理、事故時等現場での測定等に対応できる検査法については1の要件を満たす場合は公定法に位置づけること
(5) 検査方法の記述に当たっては、1の要件を確保するための必要最低限の要素(装置、操作、試料・試薬の種類・量など)を記述するに止め、1の要件の確保には影響しないと考えられる要素については簡略化し、検査者の工夫の余地を残すこと

3.  公定検査法と同等以上の検査法
(1) 水質検査技術の革新に柔軟に対応できるようにするため、公定検査法と同等以上の方法と認められる検査方法については、これを積極的に公定検査法と同等以上の検査法と認めるシステムを導入する。
(2) 検討の流れ
1. 新しい水質検査法の提案者は必要な資料を水道水質検査に関する専門家からなる検討会に提出する。
2. 検討会では提案された検査法について検討し、必要に応じて検査法の検証行い、妥当な検査方法については公定検査法と同等以上の検査法と認定する。

4.  具体的な検討事項
1) 大腸菌群数及び大腸菌との整合性の検討
2) 従属栄養細菌の検査方法の検討
3) KMnO4消費量及び総有機炭素(TOC)との整合性の検討
TOCを水質基準として導入する方向で整合性の検討を行う。
4) シアンの検査方法の検討
 既存の試験法に加えて、又は代えて、HPLCを用いた試験方法を公定法とすることを検討する。毒性の観点から、シアン(CN-)、塩化シアン(CNCl)について測定されているか、逆に塩素化ニトリル(CH2CNCl)が陽性とされていないかについて検討する。
5) 揮発性有機物の検査方法の見直しの検討
6) 有害な溶剤を用いない試験方法の検討
(例)陰イオン界面活性剤、フェノール類、農薬等
7) 比色法の見直しの検討
 公定法として複数方法の一つとして位置づけることの検討を行う((例)シアン、フェノール類、界面活性剤等)。一方で、検査方法からの削除の検討を行う((例)鉄、フッ素、ホウ素、硝酸・亜硝酸性窒素)。
8) 定量下限の見直しの検討
9) 水道水中で形態が変化しうる化合物の取り扱いについての検討
(例)農薬のオキソン体やクロム等
10) その他
その他、標準試薬、回収率、測定機器等の観点からも必要な検討を行う。


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