02/10/18 第14回社会保障審議会介護給付費分科会議事録         社会保障審議会 第14回介護給付費分科会議事録         1 日時及び場所   平成14年10月18日(金) 10時から12時   東条インペリアルパレス 曙の間 2 出席委員   西尾、井形、新井、木下、木村、京極、見坊、笹森、下村、田中(雅)、中村、    橋本、樋口、堀江、村上、矢野、山口、山崎、山本の各委員   青井、鶴見、三宅の各参考人   青柳、喜多、澄田、田中(滋)の各委員は欠席 3 議題   制度等に関連する内容について   ○ 資料1に沿って、介護サービス量等の見込みについて、資料2の平成15年度     予算概算要求介護給付に対する国の負担等の概要について、貝谷介護保険課長     より説明。   ○ 「制度等に関する内容についての意見」について、青井参考人より説明。 (青井参考人)  第1に、制度見直しと報酬改定は関連性が高く同時期に実施すべきではないか。また 、制度の見直しを審議する部会の設置が必要ではないかと考える。  第2に、現在7段階の要介護認定を3段階程度に簡素化すれば、事務費の節減と効率 化に役立つのではないか。また、認定審査会の委員においても大変負荷がかかっており 、認定審査報告の改善を図るべきではないかと考える。そして、一次判定の限界を補完 する意味で、二次判定の方法論をしっかり確立していただきたい。また、主治医意見書 記入医師に対して認定結果が自動的に報告されるシステムに改善していただきたい。  第3に制度本来の理念に基づき、在宅復帰の促進をお願いしたい。在宅サービス利用 者は数値上は増加しているが、施設サービスが飽和状態となったためなのではないか。 また、施設ニーズが多いということならば、本人の意思なのか、家族の意思なのか、家 庭環境なのかなど原因把握に努めていただきたい。そして、在宅サービスの整備が進ん でいるのかも、もう一度見直したい。  介護保険施設は3施設あるが、機能分化の検討が必要。その上で3施設のバランスあ る整備をお願いしたい。また、施設類似サービスの第3の類型として、グループホーム 、ケアハウス、老人ホーム等は施設サービスなのか、在宅サービスなのか、位置づけを 明確化し、それらの医療へのアクセスも確保する必要がある。  利用者負担については、在宅サービスと施設サービスの給付内容の整理及び在宅サー ビス受給者、特に要介護度4以上の方々と施設サービス受給者の利用者負担額との整合 を図っていただきたい。というのも、在宅の方々は、医療サービスについてのアクセス は良いが、医療保険の改定により自己負担額が高額化したため利用者負担の軽減を図る べきである。  介護保険と医療保険の整合性については、かかりつけ医と施設間の連携を支援してい ただきたい。また、施設入所者が他の医療機関を受診した場合に、受診先の医療機関で 請求を行えるようにするか、施設サービス費に包含される診療行為を見直すべきである 。 (中村委員)  今回、構造改革特区においては、特養への株式会社の参入が認められることとなった 。この件から考えても、介護保険制度になりながら措置の世界の福祉制度が大きく残り 介護保険制度下で対応しきれない実態が出てきています。すでに在宅サービスにおいて は民間企業の参入を受け入れているが、社会福祉法人制度の改革がなされていない。ま さにサービスの質の向上、供給体改革が迫られる中、社会福祉法人制度改革なくして介 護サービスの質の向上は構築できない。  例えば繰越金の問題。措置費というのは法人会計と施設会計があって、施設を作るた めの法人会計には措置費は補填できなかった。そのため、繰越金として各施設にある程 度の金が残っている。しかし、個室ユニットケアをするべくハード整備をしようにも、 規制により自由に使えない。  また、介護保険スタート時、会計基準と会計指針、2つの会計処理方法が示され、施 設は整理整頓ができず、減価償却が正確に反映されていない状況下にある。次なる改定 では、老健や療養施設とのイコールフッティングの中での競い合いができるよう、会計 処理システムを是非おつくり願いたい。  その他、現場の声としては、在宅サービスの際にヘルパーや介護福祉士が行っている 血圧測定や、目薬の点眼など医療的行為の洗い直しが必要。在宅サービスを重視してい くうえにおいても特に重要。 ○ 「介護保険制度見直しの要望」「制度見直しにあたっての必要な視点」について、   樋口委員より説明。 (樋口委員)  在宅サービスについては、時間当たりのサービスがまちまちであったりするので、サ ービスの標準化を行ってほしい。  また、高齢者用居住施設及び介護施設の担当省庁が必ずしも厚生労働省とは限らない 中で、高齢者の人権が守られ、かつ一定の負担ができる人は住居を転々としないことが 高齢者にとっての非常に大きな願い。2050年には後期高齢者、独り暮らし、老夫婦が飛 躍的に増える中で、介護保険制度は在宅重視であり、社会保障のあり方を絡めて、制度 的見直しを是非考えていただきたい。  今度の報酬改定に当たっては、制度はシンプルに、わかりやすく、かつ透明度の高い 介護保険制度に変えていただきたい。 (橋本委員)  自立支援の自立が身体的側面に寄りすぎ、精神的側面のことも考慮すべき。ケアプラ ンの作成については、本人の意向よりも家族の意見が尊重されている傾向がある。また 、制度の理念である在宅重視を徹底すべき。そして、在宅サービスを十分に整備し、も っと柔軟に使えるようにしてほしい。  その他にもリハが重要。通所介護でも積極的にリハが活用されるような状態とすべき 。そういう意味では通所介護と通所リハは一本化しても良いのではないか。また、身体 的リハだけでなく、知的リハも行うべき。その際には、カルチャーセンターを活用する ようなこともあって良いのではないか。  在宅サービスについては施設サービスのことも考え、負担の適正化を図るべき。施設 における居住費は旧来型についてもとれるようにすべきであり、そうしないと財源の確 保ができない。また、その際には低所得者対策を行うことは当たり前である。  ケアマネについては業務内容を見直すべきである。業務は極めて専門性の高いケアマ ネジメントと極めて事務的な給付管理に分かれるが、両者は全く性格の異なる事務であ り、後者についてはケアマネの仕事である必要がないのではないか。  報酬については、特養の経営者達から私が聞いているところによると、剰余金がかな り残っている。しかし、良い仕事をしている施設ほど残っていないとのこと。また、都 市部の特養については事務経費に係る人件費に対する地域差の配慮が非常に少なすぎる 。このため経営が非常に苦しかったりする。都市部のみの特養の経営実態をまとめてい ただくと郡部との違いが分かるはず。  ○ 提出資料について、鶴見参考人より説明 (鶴見参考人)  第3期事業計画等、将来を見越した場合、保険料や公費負担、保険財政に関する抜本 的な議論も必要。  1つめは保険財政について。現在調整交付金の5%部分は、自治体によっては1号保 険料に転嫁され、保険料上昇の要因となっているため、国が負担する25%とは別枠で財 政の調整を行うべき。また、財政安定化基金については高齢者からの1号保険料まで原 資とすべきでなく、国と都道府県で負担すべき。  2つめは保険料のあり方について。介護報酬の見直しによって保険料の引き上げとな ることは容認できない。所得段階別の保険料についても2段階の枠が広いために負担が 困難な者がいたり、負担能力を世帯で測るために税控除等により収入と保険料区分の関 係で一部に逆転現象も生じたりしており、是正すべきである。保険料の徴収については 、徴収率を引き上げる観点からもすべての年金から特別徴収を可能とすべき。  3つめは低所得者対策について。各保険者が独自の減免等の措置を行うのではなく、 国の責任において、統一的かつ総合的に対策を講じるべき。 ○ 「より良い介護保険制度の発展に資するために」について田中(雅)委員より説明 (田中(雅)委員)  今度の制度見直し、介護報酬の改定については単に収支の観点からや事業経営の視点 からではなく、介護サービスの質の維持や向上の観点からこれまで意見を述べてきた。  第1に、これから制度設計に関連する介護報酬については、介護サービスの現場の実 情を把握した上で、抜本的な見直しを行っていただきたい。また、現在の時間を基準と した報酬設定や、サービス提供の基準を時間に求める視点を改めるべきではないか。今 後は、現場における介護の工夫や専門性が評価される仕組みを考えていただきたい。  第2に介護労働がディーセントワークとなるよう、適切な介護報酬額にしていただき たい。介護労働安定センターのデータによるとヘルパーの半数以上が、平均勤務年数が 2年以下である現状ある。介護労働が働く者にとって価値あるものにならなければ、介 護の質の向上につながらない。また、サービスの質に着目した試行プロジェクトを作り そのデータに基づき介護報酬のあり方を検討すべきではないか。  介護保険制度が、居宅サービスの利用者にとって本当に使いやすいものになるように 、柔軟な制度設計、そして介護報酬の運用を図るべきではないかと考える。 (三宅参考人)  まず知事会で社会文教調査委員会構成県に対して行った意見聴取結果を踏まえ、主な 意見について申し上げる。居宅介護支援については、現行の標準50ケースを引き下げて 欲しい。ケアマネが独立性、中立性を確保でき、専従でもやっていけるように報酬額を 引き上げていただきたい。  訪問介護の報酬単価については、生活支援を上げ、身体介護は現状維持としていただ きたい。また、個々の介護行為が、改定後の訪問介護のどの類型に区分されることとな るのか具体的に示していただきたい。  福祉用具貸与、購入費と住宅改修費は在宅での生活が継続できるように、ハード面整 備において重要。今後はそれらの対象品目を増やし、住宅改修費については、現行の2 0万円の限度額を上げてほしい。  施設については、新型特養におけるユニットケアに関し、その運営に見合った人員と 基準についてご検討をお願いしたい。また、新たに利用者負担となるホテルコストにつ いては、真に利用が必要であっても低所得者及び低資産の方々が断念せざるを得ないよ うなことにならないよう適切にご検討をお願いしたい。  施設入所が進んでいる中で、利用料については施設の割安感があり、在宅重視のため にも在宅介護に対する負担感を下げてほしい。また、中山間地域に対する特別地域加算 については事業所の所在地で決めるのではなく、利用者の所在地で決めてほしい。通所 サービスの定員超過の際の減算措置については、日単位で行っている現行制度を改めて 、月単位で1日当たりの平均利用者数を用いるといったような、弾力的な運営を行える ようお願いしたい。  島根県の意見としては、住所地特例をグループホームにも適用してほしい。また福祉 用具貸与については、例えば特殊寝台や歩行器といった貸与の品目は長期間の利用が必 要となることが多く購入の方が有利。そういったものについては利用者の希望があれば 購入も行えるようにしてほしい。 (村上委員)  分科会の進め方について意見を述べたい。介護保険導入のための審議会段階から見直 すべきものは時期がこなくても見直すということで介護保険導入を認めてきた経緯があ り、私自身はこれまで何度も早急に見直すべきと言ってきたが、分科会の今後の進め方 をどうしたいのかが全く見当がつかない。報酬改定と制度見直しの関係は深いわけで、 年末までの段取りと審議内容をはっきりとさせてほしい。  また、質問が3点ある。1つ目は、「介護サービス量等の見込み(6月値)」は全市 町村が対象の調査ではない。10月調査結果は今回のものとどの辺が変わりうると見てい るのか。2つ目は、サービス量等の見込みが増えているが今後どの程度、どのような伸 びがあると考えるのか。またこの時期に市町村が予定している保険料額を公表した理由 を聞きたい。3つ目は概算要求についてだが、精算分と実態の関係が分かるような資料 をやはり出してほしい。また概算要求の昨年度からの15%増加の考え方についても聞き たい。 (外口老人保健課長)  介護報酬改定については、年内は今日を含めてあと5回日程調整しており、その中で 進めていただくことになる。介護報酬に関連する議論については、それを含めて議論す るということが当初のコンセンサスであった。制度については法律レベルから基準レベ ルまであるが、法律レベルのものについては年内、年度内におさまるものではないので 、見直しの時期をめざして、別の仕組みを含めて検討していくことになると考える。 (村上委員)  制度、法に関連するものについても必要なものを早急に見直すべき。事務局は制度改 正は5年に1度というが、これでは介護保険法施行当初の約束を守っていないのではな いか。 (松田総務課長)  法律レベルに関わる大きな問題もあるが、この分科会で出たご意見を踏まえながら、 来年に入ってからの5年後の見直しに向けて具体的な検討材料にしたい。 (山本委員)  制度を変えるべきという意見は2年半の実施の中ですでにでている。例えば要介護認 定については、なぜ一度認定したら6ヶ月後に更新しないとだめなのか。認定審査は夜 やっていることが多く、そのため費用も3倍かかる。こういったところから変えること ができれば、市町村の費用も減る。  また、介護サービス量等見込みでは、保険料の高い市町村は今回公表されることによ り被害を受ける。もう少し慎重であってほしい。  他にも介護保険には保険者に自由裁量権がない。保険料を7段階にしたい保険者もい る。5段階だと保険料の1割は回収されない。  事務局は法改正について立案するつもりがあるのかどうか教えてほしい。 (村上委員)  私は法律についても変えられると思う。審議会の回数を増やすべきであり、今まで言 ってきたことを守っていただかないと担当者が変わればすべて変わるのでは困る。 (西尾分科会長)  日程については事務局だけでなく委員の都合もある。 (下村委員)  同じ問題でも法改正マターか、基準改正マターかは必ずしも割り切れない問題もある 。一度事務局に整理してほしい。できるものできないものを検討しないうちからできな いと決めつけるのはおかしい。  また、15年度からの制度見直しと第2期事業計画の関係を教えてほしい。さらに、保 険料、介護報酬については3年間は変えないというのが前提なのか、それとも途中変更 もありうるのか。 (矢野委員)  報酬の改定と制度の見直しは密接に関連している。現在、5年後の見直しに向けての ちょうど中間地点であるが、制度発足当時からいろいろ課題を残してスタートした以上 、柔軟な対応が必要。 (中村局長)  まず、異動により担当者が変わったからといって方針が変わることはない。今後につ いて、見直しのご提案については、法律に及ぶものもあるし、報酬単価で処理できるも のもあるし、それから介護サービスの方法、基準に関わるものも出てくると考えている 。どこまでが法律を変えないでできるか、どこから先は法律改正かということを整理し ていきたい。  法律改正については、個々の課題の緊急度等に応じて対処方針を固めご相談してまい りたい。  3年ごとに事業計画を見直し、保険料を見直すというのは今の介護保険制度にそもそ も内在的に組み込まれたシステム。スケジュール的に見直しが迫られているということ で、それらの見直しを各市町村の方にお願いしているのが現況。  介護報酬の見直しについては、規定されているためではないため3年に一度でなくて も見直すことは可能。しかし、現実的には介護報酬の改定は保険料にはねる。そのため 、その単価をふまえて保険料を設定することになり、報酬改定も事業計画の見直しに合 わせて変えられるのだと考えている。  医療保険制度の診療報酬改定は2年ごとに行っているが、その際必ず法改正の議論が 起こるわけではなく、介護報酬を見直す場合も法律に及ぶかどうかは分からない。介護 保険制度は課題が残されたままスタートしているということもあり、介護報酬の見直し の機会に、さまざまな御議論がまた出てきているのだと考える。また、介護報酬の見直 しの際に、機会をとらえてできることはできるだけ多くの改革をするということは、基 本スタンスとしてやらせていただきたい。  ただし、当分科会は報酬について審議する場であり、スケジュールがせまっている報 酬についての議論をまずは煮詰め、報酬見直しの議論を一通り終了した段階で、できる だけ来年早くに、制度問題を議論していただく部会をスタートしたい。部会をスタート すると当然、法改正に向けての議論を審議していただくわけで、現実的に考えるとあと 数ヶ月のうちにその審議を開始していただかなければならない。その際、ここでいただ いた意見をふまえ、新たな部会における制度改革案の審議の方に引き継いでやらせてい ただきたい。  制度見直しについて、法律をいつ出すかという点については、厚生労働省としての全 体の調整もあるが、来年1年間議論し、16年の国会にでも法案を提出し、法律上見直す べきところは見直しをさせていただければベストではないかと思う。その際、介護報酬 を規定している土台である法律が変わるわけで、報酬、保険料の見直しをまた行わなけ ればならなくなるかもしれない。あるいは、16年に法律が成立したとして、15、16、17 年の3カ年の介護報酬は動かさずに、18年から新しい法律、政策に基づき見直すとする 場合、新型特養のことなども入っていない今のゴールドプラン21も含め見直さなければ ならないと思う。この場合、事業計画、介護報酬のあり方も変わってくることがあり、 3年間必ず固定しなければならないということではなく、法律改正の議論をふまえて判 断させていただくということになるのではないか。  (村上委員)  制度を根本から見直すというのは来年の部会でやるが、報酬と制度がくっついている 部分もあるわけだから、できる限り今回の分科会の中でもできることはやるという理解 でよいか。 (中村局長)  はい。 (貝谷介護保険課長)  6月段階の調査、各市町村中間的な段階であるが、概算要求の関係もあって、全体的 な集計をした。個々の保険料の公表については十分配慮したつもりであったが、引き続 きよく配慮しながら発表は考えていきたい。  サービス見込み量について、各保険者とも予定以上に要介護認定者が増えている。10 月集計値まで、一定の精査はされると思うが、今後ともサービス量全体は相当増加する 見込みに立たざるを得ないのではないか。  14年度予算で初めて精算分が国庫負担で出ており、360億のマイナス。15年度におい ては、給付費全体で296億のマイナス。また、精算戻しは国庫関連で31億である。15年 度分は13年度分の精算のはねかえりで、比較的制度が安定している中で、精算分はそれ ほど多くないと考える。 (堀江委員)  制度見直しは前倒しを行う準備があるとの姿勢と受け取ったところであり、異論はな い。ただ、制度、運営実態についての認識が委員の中でバラバラであり、運営実態を総 括でき、各委員共通の認識に基づいて議論ができるような調査を行っていただきたい。 その上で課題、論点を出してほしい。  例えば施設サービスについて。現在そのニーズは極めて高く5分の2は在宅だが、そ の他は施設系。在宅重視の理念を見失わないようにしてほしい。今後施設サービスを抑 制するのか、そのための施策を考えられるのかどうか将来展望を明らかにしてほしい。  もう一つ、喜多委員の資料にあるが、調整交付金の仕組みは市長会の中でも問題視さ れており、見直しが必要。調整率は毎年変化し、そのたびに一号被保険者の保険料に影 響するので、被保険者の合意を簡単に得られるものではない。  また要介護度5の人が6ヶ月に一回審査する必要があるのか。4に下がることがある のか。こういった運営基準の見直しをきちんと示達いただければ制度運営改善につなが るということであるから、直ちに実行していただきたい。  サービスの利用については、当初示された基準は大体利用率35%程度、実際の2年 半の実績では、限度額に対する利用率で45%程度である。これが今後どこまで伸びてい くのか。介護サービス量の見込み等について10月にまたデータを示すとのことだが、 限度額いっぱいに使える実情ではないはず。また、今回の報酬見直しで単価が引き上げ られれば、限度額内で利用できるサービス量にも影響を与えるが、その辺についても将 来展望を示していただきたい。 (山口委員)  在宅にシフトするというのが介護保険のそもそもの根幹であり、制度も報酬もともに 、高齢者の自立支援ということと、在宅にシフトするインセンティブが働くようにして ほしいことは従来から言っている。そこで、何点か申し上げたい。  1つめは、ケアマネジメントの質を十分考えるべきである。具体的には、1種類のサ ービスと多種類のサービスをマネジメントすることは時間、労力、内容、介護の質とい うものを考えたときに異なる。  2つめは、ケアマネが机の上だけでなく、居宅を訪問して利用者の状況把握を行うこ とも大切であり、更に療養環境を考えプランを作るべき。今の報酬体系にはそれが反映 されていない。  3つめは、施設リハビリも在宅リハビリも併せて、リハビリの重要性、必要性をを原 点に戻って考えるべき。  4つめは、グループホームについては今後重要な在宅サービスであり、施設サービス であろうと考ていえるが、市町村の事業計画になくとも届出のみで良いため、現在増加 している。たとえ、株式会社であっても事業計画を踏まえたものであってほしい。  更にもう1点は、住所地特例を是非グループホームでやってほしい。小さな市町村の 財政がもたなくなっている。 (京極委員)  やはりケアマネジメントが重要。ケアマネジメント学会等努力はされているが、必ず しもまだ大きなものではない。  まず1点目、ケアマネジメントについて要介護度区分の撤廃は仕方ないが、メニュー の多いものを評価するなど、質向上のための格差を設けるような若干の見直しが必要。  2点目は、家事援助から生活支援への変更についてはこれでよいのか。身体介護も含 めて「生活支援」と言えるのではないか。また、介護度の重い方に対しては、時間だけ ではなくて密度が高いのだから、ここで区分するのが正当かと思っている。  3点目は、報酬体系上に例えば福祉タクシーなど誤解を招く表現がある。言葉が一人 歩きしては困る。名称についても再検討していただきたい。  最後にホテルコストは個室分の人からのみ徴収するのではなく、住宅部分の費用であ れば、本来、公営住宅と同じように所得に応じて取るとか、何らかの整理が必要なので は。法律改正に関係するので、今回は議論としては置くが、制度論の中ではいずれ決着 をつけなければならない問題。 (井形委員)  介護保険は創設当初の予想よりも円滑に運営されてきていると思う。しかし、在宅シ フトは今後も進めてほしい。その際に広い住宅政策を含めたかなり長期にわたる壮大な 在宅中心の計画を立てていただきたい。  介護保険の根幹となるケアマネジャーについてはステータス、能力にはばらつきが大 きいのが現状。ケアマネジャー学会では、各地のケアマネジャー協議会と協力しながら 活動しているが、独自に認定ケアマネジャーを作り、そこを目指すことでケアマネジャ ーのレベルアップを図りたい。また、本質的に言えば、若いときから情熱のある4年生 大学を卒業した人がケアマネジャーになるような制度を考えていくべきではないか。  最後に、保険料の段階設定について7段階を3段階程度にするべきとの話があったが 、水俣病の経験もあり、等級が少ないほど、1段階の差による不満が大きい。現在の等 級を継続していただきたいと考える。 (新井委員)  分科会の話が漠然としている。分科会長におかれては各委員の意見や、論点を次の分 科会までに文章等でまとめてほしい。 (見坊委員)  保険料が月3000円、年間36000円は負担感が大きく、介護保険は任意の制度ではない 。すべて税金であるとの認識の下、これをいかに有効に活用してサービスを普及させる べきかを高齢者がみんな真剣になって考えている。。  1号被保険者1人当たり支給額の地域差についての資料が出ているが、老人医療と介 護保険はどういう関係なのか。両者が高いところは幸せなのか、逆に両者が低いところ は不幸せなのか考えてほしい。  制度上のサービスの問題、自立支援の問題を同程度の課題として対策をたててほしい 。  他にも社会福祉法人とは何なのか。株式会社に取って代われば良いという認識は全く ない。社会福祉法人は国、地方自治体に準ずるような公的主体であり、規制があってし かるべき。高齢者にとってサービスの安定的運営が保障されるべきものでなければなら ないにも関わらず、職員の資格も問題にせず、資格制度が不明確な社会福祉法人の経営 する施設があっても良いのかが問われる段階に来ている。  また、社会福祉法人と営利法人との違いを明確にしてほしい。サービスを提供するこ とで税金に等しい保険料を使うことになる民間企業にはそれだけの責任があってしかる べきであり、国も地方自治体もその責任を明確化してほしい。  そして、低所得者対策を明確にしていただきたい。特に今日の高齢者の多くは年金制 度では不十分。特に8割の女性が無年金であり、そういった方々には必ずしも保険制度 の原則論があてはまらないものと考える。検討をお願いしたい。 (外口老人保健課長)  次回の第15回目についてでございますが、日程は10月28日月曜日2時から。議題は、 介護事業経営実態調査の結果について、介護報酬について、その内容は、訪問介護、居 宅介護支援その他。その他、を予定。 (西尾分科会長)  それでは、本日はこれで閉会したいと存じます。長時間にわたりまして、ご協力あり がとうございました。 (下村委員)  次回の日程について、今日の引き続きの部分は当然入ってくるという理解で良いか。 (外口老人保健課長)  議題は、経営実態調査と在宅サービス経の介護報酬について、その他と申し上げた が、その他の中にすべて含んでおり、含めて議論をしていくことになろうかと思ってい る。 照会先 老健局 老人保健課 企画法令係 TEL 03(5253)1111(内3948 3949)