02/09/27 第6回社会保障審議会児童部会議事録            第6回社会保障審議会児童部会議事録 時間     平成14年9月27日(金) 10:00〜12:00 場所     厚生労働省専用第22会議室 次第 1.開会 2.児童部会における論点等について  ・事務局説明  ・自由討議 3.「少子化対策プラスワン」について 4.児童虐待防止対策に関する委員会の設置について 5.閉会 1.開会 ○岩男部会長  おはようございます。定刻となりましたので「第6回社会保障審議会児童部会」を開 催させていただきます。大変お忙しい中を御出席いただきましてありがとうございます 。 本日の出席状況を御報告いただく前に、事務局につきまして、先月、厚生労働省の 人事異動がございましたので、新しく御就任された方々の御紹介をお願いしたいと思い ます。 ○総務課長  8月30日付の人事異動で雇用均等児童家庭局の総務課長に就任しました中村でござい ます。よろしくお願いいたします。  私の方から、先般の人事異動により新しく就任いたしました事務局のメンバーを紹介 いたします。  まず、大臣官房審議官雇用均等児童家庭担当の渡辺です。  それから、雇用均等児童家庭局総務課少子化対策企画室長の吉岡です。  家庭福祉課虐待防止対策室長の古川です。  母子家庭自立支援担当企画官の池永です。以上でございます。 ○岩男部会長  それでは、本日の出席状況について御報告をお願いいたします。 ○総務課長  本日は松原委員が所用により欠席となっております。 2.児童部会における論点等について ○岩男部会長  それでは議事に移らせていただきます。  前回、今後の主要な論点について御議論をいただきましたが、本日はできましたらこ の論点のとりまとめをしたいと思っております。  資料につきましては、前回、事務局から提出していただきました主要論点メモに前回 の委員の方々の御議論を踏まえて事務局で再度整理をしていただいておりますので、ま ずその資料に基づいて御議論をいただきたいと考えます。  それでは、まず事務局の方から資料の御説明をお願いいたします。 ○総務課長  それでは、資料1に基づきまして、「児童部会における今後の主要な論点(案)」の 修正部分を中心に御説明いたします。  まず、最初の大項目でありますが、「現在の子ども、家庭、地域社会の状況」という ように、従来「問題状況」という言い方をしておりましたものを、「状況」というよう に変えさせていただいております。これは、状況全部が問題という認識ではなくて、今 あるすばらしい状況も取り込みながら、それをサポートしていくという発想が必要なの ではないかという御意見がございましたので、「問題状況」を「状況」という形に変え させていただきました。  それから、次の点ですが、「子どもの状況」の中に「少子化の進行」を入れさせてい ただきました。これは、子どもの状況を考える場合に、社会全体として子どもが少なく なっているということを踏まえて考えるべきではないかという御意見がございましたの で、入れさせていただきました。  それから、「家庭の状況」の項では、「家族形態の変化」、それから「命の感動・生 の体験」、さらには「子育てにおけるパートナーシップ」という3項目を追加させてい ただきました。  まず、「家族形態の変化」につきましては、核家族への構造変化あるいは離婚、再婚 の増加というような環境の変化を踏まえるべきではないかという御意見がございました ので、入れさせていただきました。  それから、「命の感動、生の体験」につきましては、人間の生物体としてたどってい くエネルギーであるとか、あるいは命の感動をどう体験していくかということを考える べきではないかというようなこと、それから「子育てにおけるパートナーシップ」につ きましては、配偶者、パートナーとの関係性の視点を入れるべきではないかという御意 見、あるいは夫婦の関係、父母の連携、家庭における男女共同参画の視点を盛り込むべ きではないかという御意見がございましたので、入れさせていただきました。  それから、「地域社会の状況」の項では、「これに対応する行政、NPO等の動き」 と、それから「消費文化の展開」を入れさせていただきました。「行政、NPO等の動 き」につきましては、地域ではよい取組も出てきていますし、よい事例を積極的に取り 上げて伸ばしていくことが必要なのではないか、そうした視点が必要だという御意見が ございました。  それから、「消費文化の展開」につきましては、社会全体として消費が非常に活発に 行われている。それが結果的には、例えば過剰なダイエットの問題、あるいは商業主義 的なものの問題、そうした点について背景として見ながら子どもの問題を考えていくこ とが必要なのではないかというような御意見がございましたので、入れさせていただき ました。  それから、次の大きな項目の「子どもと家庭支援の理念」ということでございますが 、ここにつきましては、小項目といたしまして、「子どもと家庭を見る視点」という項 目を加えさせていただきました。その中で、「子どもを産み育てることについての基本 認識など」ということで、事項をつくってみました。これは生まれてきた子どもに対す る社会的支援の視点に加えまして、子どもを持とうと思う気持ちあるいは出産の在り方 という視点をまず考えてみることが必要なのではないかという御意見がございましたの で、加えてみました。  それから、次の項目で、「親育て・親育ち」という言い方を「子育て・子育ち」の次 に入れておりますが、親たちもまだまだ未熟で、全生涯が人間として発達していく可能 性を持っているというメッセージを出すべきではないかという御意見がございましたの で、つけ加えました。  それから、あわせてその項目の中で、「子育ての社会化」と「育児支援と育児放棄の 関係」という項目を立ててみました。「子育ての社会化」につきましては、子育てをす る親、それから育ってくる子どもを社会全体で支えていくという視点が必要なのではな いかという御意見がございました。それから、「育児支援と育児放棄の関係」につきま しては、御意見の中で、育児支援サービスを展開すると、育児放棄につながるのではな いかというような議論があるけれども、そういうことについて一度考えてみることが必 要なのではないかという御意見がございましたので入れてみました。また、保育所によ る保育を拡大することが親の育児放棄につながるかという問題について検討が必要だと いう御意見もございましたので、それらのことについて検討することが必要なのかなと いうことで書かせていただきました。  それから、小項目といたしまして、「サービスの在り方を考える際の視点」というこ とを加えさせていただくと同時に、その中で「総合性・一貫性」という問題であるとか 、「脱施設化」、他のいろいろな社会サービスと異なっている点あるいは似ている点に ついて整理すべきではないか、あるいはサービスについての営利性の問題についても考 えるべきではないか、あるいは金銭給付の在り方等もかえるべきではないかということ で、それぞれ御意見がございましたので、入れさせていただきました。  まず、「総合性・一貫性」につきましては、例えば自治体においては保育と学童保育 の担当部署が異なっているような状況もあるので、やはりサービスの在り方として総合 性あるいは一貫性の視点が重要であるということで御意見がございました。それから、 「脱施設化」につきましては、子どものサービスの分野では在宅におけるサービスがほ とんどなく、施設に偏ったような形になっていますが、この点について論点として考え るべきではないかという御意見がございました。  それから、「他の社会サービス分野との異同の整理」につきましては、高齢者のサー ビス、障害者のサービス、教育サービス、そうした他のサービスとの比較検討をすべき ではないかという御意見がございましたし、またその中で子どもあるいは家庭・福祉に 関するサービスが、他の高齢者でありますとか障害者のサービスと違った固有の専門性 を持つ部分についても、そうした比較の中で議論することが必要ではないかという御意 見がございました。  それから、高齢者のようにシルバーサービスということで、いろいろな形で営利の事 業も行われている面がありますが、児童の分野につきましても営利性の視点で見たとき にどうかという点も議論すべきではないかという御意見がございました。  それから、「金銭給付の在り方」につきましては、介護保険の場合に家庭で高齢者を みておられるケースについてお金を給付するかどうかということが大きな議論になって おりますが、やはり子育てについての金銭給付の問題についても議論すべきではないか という御意見がございましたので、掲げさせていただきました。  次に、3番目の大項目、「子どもと家庭支援のためのサービスの在り方」ということ でございますが、この点につきましては「親になるための教育」という書き方をしてい たものを、「親として育つための支援」と変えさせていただきました。教育というより は、親自身が自主的に成長していくことへの支援というような発想が必要なのではない かという御意見があったのでこうさせていただきました。  また、「出産の在り方」ということを加えさせていただいておりますが、これは先ほ ども出てまいりましたけれども、生まれてきた子どもさんに対する社会的支援の前に、 お子さんを持とうとする気持ちであるとか、出産のありようについて一度考えてみるこ とが必要なのではないかというご意見がありましたので、こうした理念のほかに具体的 なサービスの在り方としても項目立てを考えてみました。  それから、「職業生活とのバランス」でございますが、後ほど新しい少子化対策とし てまとめましたプラスワンの説明をさせていただくことになっていますが、その中でも 一つの新しい視点として提示されておりますが、職業生活と子育てのバランスという視 点が必要なのではないかという御意見がこの部会でもございましたので、項目として入 れさせていただきました。  次に、「子どもの発達の支援」の中で「最早期の愛着形成の支援」ということを加え させていただいておりますが、自分の命であるとか、自分の親との関係性を人生の最も 早い時期につくっていくという意味でいえば、生まれてすぐのあたりに注目して考える べきではないかという御意見がございましたので、アタッチメントの問題を掲げさせて いただきました。  それから、「要保護児童対策や保育対策の支援」という面での御議論として幾つか御 意見がございましたけれども、保育の分野につきまして「公」がやるのか「私」がやる のかという二者選択の議論にするのか、あるいは保育所に入所する場合であっても、親 が直接に契約する場合と、公が決定するとか、あるいはさらにいいますと裁判所が命令 を出すとか、そういういろいろな場合があってもいいのかという言い方で、サービスに ついての利用の入り口と実際の利用の仕方についてのシステムについてもう少し議論し たらどうかというようなご意見がございましたので、「サービスの児童福祉体系上の位 置付け」ということで若干わかりにくいんですけれども、そうしたシステムの議論を少 ししたらどうかということがございましたので、付け加えさせていただきました。  それから、小項目として「サービスを支える人材の資質」ということを加えさせてい ただいております。あわせて、事項として「専門職としての確立」、と「総合的検討」 という項目を出させていただいておりますが、これにつきましては専門職を児童の分野 においてどのように確立するかということについて考えるべきではないかという御意見 がございましたし、また保育士を例に挙げられまして、保育士についてもケアワーカー あるいはソーシャルワーカーとしての機能というような2つの性格を求められるケース もあり、こうした専門職について縦割りということではなくて、総合的に検討してみた らどうかというような御意見がございましたので、専門職としての確立の問題と、専門 職についても総合的な検討が必要なのではないかということで、事項を起こさせていた だきました。  それから、次のページですが、大項目の「子どもと家庭支援を支える組織の在り方」 ということで、その中で児童相談所についていろいろ御議論をいただきましたけれども 、特に現在の児童相談所の業務の中で、かなり大きなウエートを占めております障害児 の問題についてきちんと認識をした上で議論すべきではないかという御意見がございま したので、「児童相談所での障害児関連施策の取扱い」という事項を起こさせていただ きました。  最後に、「関連領域との実質的連携の強化」ということで、福祉と教育についてはっ きり例示した形で書かせていただきました。  以上でございます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。前回の御議論を大変うまく整理していただいたと思います 。  それでは、ただいまの御説明に対する御質問も含めて御議論をお願いしたいと思いま す。議論を整理するという観点から少し分けて御議論をお願いしたいと思います。  まず、第1の「○現在の子ども、家庭、地域社会の状況」と2番目の「○子どもと家 庭支援の理念」、この2つのカテゴリーについてまず御議論をお願いしたいと思います 。どなたからでも御自由に御発言をお願いいたします。阿藤委員。 ○阿藤部会長代理  「現在の子ども、家庭、地域社会の状況」という中で、最後の地域社会の状況の中に 「消費文化の展開」というふうな、かなり一般的な、しかし子どもが育つ社会的背景の 非常に重要な部分が取り上げられています。これを見ていて、もう一つ恐らく子どもの 発達の影響にとって大変大きな影響を与えていると思われるテレビとかメディアの、こ れはもっと広く考えれば育児書からはじまって子どもの童話とか、多分、社会保障審議 会のほかの部会で児童の健全育成に関わる本をたしか扱っていたと思いましたけれども 、そういうものも含めて子育てにかかわる、そういう情報というものを全般的にどこか で議論していただいたらよろしいのではないかと思いました。 ○岩男部会長  どうぞ、堀委員。 ○堀委員  私は、前2回、他の部会とちょうど重なりまして欠席しましたので、あるいはもう議 論が出ているか、とんちんかんなことを言うかもしれませんけれども、2点だけ述べさ せていただきます。  最初の「○子ども、家庭、地域社会の状況」の最初の「子どもの状況」のところなん ですが、テレビの見過ぎかもわかりませんけれども、青少年について、生活の乱れみた いなところが問題にならないのかなと思います。あるいは「など」と書いてあるのでそ こに含まれるのかもしれません。テレビ用語でいえば「プチ家出」とか、「汚ギャル」 とか、覚醒剤などの薬物乱用だとか、援助交際、あるいは性感染症とか、そういった問 題について分析し、施策を講じていく必要があるのではないかというふうに私は思って おります。  それから、2点目なんですが、2つ目の○の「子どもの家庭支援の理念」のところで 、最初の「子どもと家庭を見る視点」のところで、これも「など」と書いてあるので既 に議論がなされているかもわかりませんけれども、その中身として、子ども自身の自立 支援とか、あるいは子ども自身が参加するとか、あるいは子どもの意見を尊重するとか 、そういう「産み育てる」ということ以外にも何か基本理念としてはあるような感じが いたします。以上です。 ○岩男部会長  どうぞ、大日向委員。 ○大日向委員  2つの目の○の3つ目の◆の「育児支援と育児放棄の関係」のところです。これは大 変悩ましい、微妙な問題があるというふうに常々考えております。しかしながら、育児 支援というのは親の育児放棄につながらない方向で推進していくことが育児支援なのだ というコンセプトを私たちが共有することが必要ではないかと思います。  それとこの問題を考えるときは、やはり親の働き方を視野に入れて論ずる必要性があ ると思います。それと関連して、この場合の「親」というのは母親だけではなく、父親 も含めて考えなくてはいけない。お父さんが今育児になかなか参加できない状況も、広 い意味では育児を放棄しているという視点もあるかもしれないというふうに思います。  もう1点ですが、その下に「脱施設化」という言葉があります。これも微妙な問題だ と思いますが、施設と施設と関係のない、どちらかというとソフトウェア的なサービス との併存、共存を目指すことが必要ではないかと思います。いきなり「脱施設化」とい うことが前面に出過ぎることに対してどうなのかという、いささか心配もございます。 以上です。 ○岩男部会長  親の働き方が当然かかわってくるという御指摘は恐らく次の○の「職業生活とのバラ ンス」という、そこに含まれるというふうに考えてもいいのではないかと思っておりま す。  いかがでございましょうか。  これまで御指摘のあった点は私は全く同感といいましょうか、それぞれ大変ごもっと もでございまして、例えば消費文化の展開のところはもっと広く考えなければいけない という阿藤委員の御指摘はそのとおりだと思いますし、広い意味での子どもの遊びの問 題というようなことで考えてもいいかというふうにも思っております。  それから、「地域社会の状況」のところで「行政・NPOの動き」ということが挙が っておりますが、既に高齢社会に入っているわけですけれども、高齢者が地域でもっと 生き生きと知恵を出して活動していただくという、そういうことも含めて考えると、少 子化と同時に高齢者の問題もあわせて視野に入れておく必要があるのではないかという ふうに考えます。  ほかにどなたか御意見ございませんでしょうか。  よろしいですか。それではまた後で何かございましたらもとへ戻るということも可能 でございますので、とりあえず先に進ませていただきたいと思います。  3番目と4番目の○、すなわち「子どもと家庭支援のためのサービスの在り方」と「 子どもと家庭支援を支える組織の在り方」という、ここまで含めて御議論をいただきた いと思います。 ○阿藤部会長代理  「子どもと家庭の支援のためのサービスの在り方」の2番目の「子どもの発達の支援 」というところの最後の例示に「思春期問題」とあるわけですけれども、日本では性教 育とか避妊の問題とかというものがまだまだ非常にタッチーといいますか、センシティ ブなイシューで、つい先だっても厚生労働省関連の財団が配った資料が社会的に大問題 になったというようなニュースも読みました。個人的な感想としては、アメリカなどに 滞在した経験からいうともう30年くらい遅れているなという感じがこの問題についてす るわけです。  子どもの問題をどこまでをカバーするのかという問題ともかかわるんですが、やはり 思春期問題ということになってきますと、そういう問題を全然議論しないで、子どもの 問題を議論しましたという報告書にはなってほしくないなと。いくらタッチーであって も、そこはもうちょっと議論をして、しっかりした認識を示していただきたい、こんな ふうに個人的に考えております。 ○岩男部会長  どうぞ、柏女委員。 ○柏女委員  前回お話をさせていただいたことを本当によく取り入れていただいて感謝しています 。幾つかあるんですが、ちょっと長くなってもよろしいでしょうか。 ○岩男部会長  はい、どうぞ。 ○柏女委員  まず、最初に3番目の○の3つ目ですが、ここの「サービスの児童福祉体系上の位置 付け」のところで、もう一つ考えておかなければいけないことは、後のところにも連動 してくるんですが、司法との関係なんです。「司法との連携」ということで後ろの方に 「関係行政機関や民間との協働」で「福祉と教育など」とありますが、ここに「福祉と 教育、福祉と司法など」というふうに入れていくことは一つ可能だというふうに思いま すが、それを超えて、サービスの児童福祉体系上の位置付け、司法を福祉の中に取り込 むということも可能なのではないか。  例えば親権の問題は現在は民法という私法の中で論じられておりますけれども、この 民法の中で論じられている親権部分を児童福祉法という公法の中に取り入れていくこと は可能なのではないかというような、実際にできるかどうかは別にして、問題提起を含 めて考えていった方がいいのではないかということをちょっと思っています。  それから、3つ目の○の3つ目の◆の「サービスの提供方法」なんですが、提供とい う中に分権化の問題と先ほどお話のあった利用方法の問題、両方が含まれているという ことであればそれはそれでいいんですけれども、先ほどの供給方法の方がよりわかりや すいかなということをちょっと勝手に思いました。これはこだわりません。  それから、次のページなんですが、これはできれば議論の動向を事務局の方に教えて いただきたいんですけれども、上の◆の3つ目なんですが、「児童相談所の障害児関連 施策」の取扱いのところで、現在、社会・援護局の方で身体障害者更生相談所あるいは 知的障害者更生相談所の今後の在り方について、支援者制度との関連で在り方検討が続 けられていて、その一部がホームページで議事録が公開されているんですけれども、児 童相談所の扱いとか障害児関連施策の取扱いを考えていく上では身体障害者更生相談所 や知的更生相談所の在り方と密接に関連してきますので、ぜひその辺の検討の状況等に ついて教えていただければなというふうに思いますし、もう一つは2つの相談所の在り 方と児童相談所の在り方というのはあわせて考えていかないとならないのかなというふ うに思っております。  それから、この2ページの○の中の◆の3つ目を、小項目を立てていただきたいと思 うんですが、財源の在り方なんですね。財源というんでしょうか、費用負担というんで しょうか、その在り方を考えていく必要があるのではないかというふうに思います。  現在、児童福祉サービスは税と特別会計と利用者の負担の大きく3つ、あともちろん 民間の資金で行われているわけですが、この整理をしていく必要があるのではないかと いうふうに思っております。例えば、特別会計と税のところが、事業が行ったり来たり していますけれども、これは整理する必要があるのではないかということをひとつ思い ます。  それから、利用者負担なんですが、28条で施設に入所したお子さんの親御さんから 費用徴収をすることが果たして適当なのかどうかとか、そうした議論もしていく必要が あるのではないかというふうに思います。  以上、ちょっと長くなりましたけれども、そんなことを感じました。 ○岩男部会長  ありがとうございました。どうぞ、堀委員。 ○堀委員  最初は純粋な質問なんですが、最初のページの下から3つ目の◆の「サービスの児童 福祉体系上の位置付け」というのがよく内容がわからないので説明していただきたい。  それから、どこに入るのかわかりませんけれども、今の柏女委員の話ともダブるのか もわかりませんが、子育てに関する経済的支援の問題、これは私が属している年金部会 でも議論はしているんですが、児童手当を所管している児童部会において審議する必要 はないのでしょうか。その辺はサービスが中心で、この部会では議論はしない、一応、 そういう整理なのかどうかわかりませんけれども、何か一つ必要な感じはいたします。 ○岩男部会長  それでは、この前の方の御質問についてはもういっぺん御説明をいただいて、後の方 は新しい御質問ですから、お答えいただくということでお願いしたいと思います。 ○総務課長  「サービスの児童福祉体系上の位置付け」という点については、先ほどの説明がちょ っとわかりにくかったのかもしれませんけれども、要保護児童対策は現在でも措置制度 といわれるシステムで行われております。児童相談所が職権で決めて、利用がはじまり 、それについての費用は措置費という形で支払われています。  ほかの高齢者の分野では介護保険ができたり、障害者の分野では支援費という新しい 仕組みもできておりますし、また保育所につきましては平成10年の改正で親の希望を取 り入れたような仕組みということで、従来の措置という形から少し変わってきています が、それをさらにも進めて直接契約という形にしたらどうかという意見もあります。  また、要保護児童につきましても、先ほども柏女先生が私法との関係を言われました けれども、特に虐待の問題が大きくなってまいりますと、現在、児童相談所の判定で入 所ということを決めていますが、先ほどご指摘のあった28条の費用徴収の話は恐らくこ ういうことを念頭に置いておられるんでしょうけれども、親御さんとしては不本意なん だけれども、親子分離をされて入所するようなケースについて、今のような形で児童相 談所の判定でやるべきか。例えば家庭裁判所なりの判断を仰いでそれを決めた方がよろ しいのか、そのあたりのことについて議論をすべきではないかという御意見であったか と思います。もし補足する点があれば柏女先生からお願いします。 ○堀委員  そういう趣旨なら、「サービスの位置付け」という言葉がちょっとよくわからない感 じがいたします。もう少し表現はありようがあると思うんですけど。 ○総務課長  はい。少し考えてみます。 ○岩男部会長  どうぞ、渡辺委員。 ○渡辺委員  諸先生方からの御意見を伺いながら私もそれぞれに同感いたしますけれども、例えば テレビの問題とか育児放棄の問題、思春期の問題、すべて多面的な問題が出ているもの をどのように具体的な子どもに対する発達の支援につなげていくかというときに、大事 な観点としては、最新のニューロサイエンスの発達の所見をきちんと踏まえた方がいい と思うんです。わかっているものもどんどん出てきております。例えば、携帯を子ども が持っていると、それはもしかすると脳腫瘍の発達のリスクになるかもしれないという あたりがイギリスでは議論されていまして、発達期の子どもたちに携帯を持たせること を恐らく法律的に禁じているのではないかと思うんですけれども、そこら辺で私法が子 どものニューロサイエンスの所見の基づいた子どもの発達保障をしているという、そう いう具体的なものが必要だと思うんですね。  例えば、援助交際の問題ですけれども、援助交際をした子どもたちの方がずっと心の トラウマを受けたり、それから自信を持って、誇りを持って、いい母親になっていくこ とは妨げられると思います。それは常識的に考えてもそうですし、そうなりますと、援 助交際ということを、どういう形かはともかくとして、そういうことをさせる大人に対 して責任をちゃんと課していくあたりのことはもうはじまっていいのではないかと思う んです。  それから、育児放棄とか育児支援ということが言われているときに、なぜ育児放棄に なるかというと、育児が楽しくないから、育児が苦しいから、育児をしていくことによ って自分の子どもをだめにしてしまうという不安を母親が抱かなければいけないような 状況があるからであって、それは科学的に国際的に工業化社会の産後のお母さんたちの1 0人に1.5 人に抑うつの発生があって、抑うつが発生しているときには、お母さんが敢え て自分が育児を放棄して、だめな母親を演じなければ、とても子どもの発達のチャンス を確保できないといったいろいろな問題があると思うんです。  それから、小児科では小児の慢性疲労症候群が大問題になっておりまして、不登校や 拒食症などの背景には、必ず小児の慢性疲労症候群があります。無理な、その子の資質 に合わない塾とかお稽古事とか、あるいはお母さんの期待とか学校の先生のかかわりと かいうものが子どもの睡眠覚醒のリズムやいろいろなものを障害しております。  それから、最近は10代の子ども、15歳以上の子どもが遊び半分でもダイエットをして 、1回でも生理が抜けた場合にはその子どもはダイエットをしないで生理が抜けなかっ た子どもに比べて不妊症になる確率、骨粗しょう症になる確率、老化が早く来る確率は 高いといった実証的なものが出ております。  せっかくそれぞれの分野で発達によって有害な工業化社会のいろいろな問題点が出て おりますので、そういったものを踏まえて、もう私法の段階で整理できるところはして いくというふうに、体系的に組み合わせていったらいいのではないかというふうに思い ました。 ○岩男部会長  ありがとうございました。そういった医学的なさまざまなエビデンスは非常に重要だ と思うんですけれども、私どもなかなかそういうものにアクセスできていないという現 状があるわけで、そのあたりはぜひ先生の方からいろいろ情報をご提供いただけるとあ りがたいと思います。  それから、援助交際につきましては、警察庁の方で研究会が立ち上がったところだと 思います。つまり、大人の方にきちんと歯止めをかければ起こらないことであるわけで 、そのあたりを既に法律があるわけですけれども、もっと有効に機能するようにという ことで、この夏、立ち上げられたというふうに承知しております。ですから、場合によ ってはそちらからの意見もまたいただけるかもしれないと思っております。  どうぞ、網野委員。 ○網野委員  3番目の「○子どもと家庭支援のためのサービスの在り方」で2つほど申し上げたい と思います。  1つは、サービスを利用する人を考えた場合の子ども、家庭という福祉の分野と先ほ どもその上のところで社会サービス分野等の異同の整理というお話がありましたが、例 えば高齢者サービスとか心身障害福祉サービスというところとのかなり大きな違いは、 利用者主体という言葉の重要性はだれもがわかるんですが、利用者主体というときに高 齢者とか障害者ですと、高齢者・障害者=利用者という性格が非常に強いと思いますが 、もちろん家族も当然サービスの対象とはなりますが、それはやや間接的だと思うんで す。  子どもと家庭という場合に、子育て・子育ちとか、親育て・親育ちというときのサー ビスの在り方は、やはり利用者主体というときにどうしても保護者のニーズをかなり重 視するということが対応としては出てきているように思うんですね。  それが今度、ここで議論する中で、子どもと家庭を見る視点の本当に大事な部分だと 思うんですが、子どもをしっかりと受け止めてサービスする必要性といいますか。つま り、利用者といったときに、保護者はその代弁者の部分も大切ですし、親自体の支援も 大切ですが、子どもを代弁する親、子ども自体のサービスの必要性ということでの視点 はぜひこの中で常に含めておいた方がいいかと思います。タイトルとしてはどういう表 現がいいか。例えば、サービスの利用者ということをどう考えるかという趣旨になるか と思いますが、それが含まれるかと思います。  もう一つは、いろいろ委員の先生方の御指摘にありますが、この◆の2番目の「子ど もの発達の支援」というところに、具体的には「子どもの発達と自立の支援」というこ とが適切かなというふうに思います。最初のところに、青少年の自立の遅れとか、ある いは先ほどお話にありました生活の乱れとか、自立支援とかいろいろ指摘される部分が 多いわけでして、そういう意味では自立の背景にある成熟ということもどう受け止める か。例えば、身体的成熟と心理的成熟、それから社会的成熟というとらえ方もあります から、そういうもののアンバランスな状況−−これはどの時代にもあったと思いますけ れども、現代特有のそういうものを背景として、なぜ自立が遅れてしまうのか、あるい は自立をさせないようにしている社会の何か働きがあるのではないか。いろいろそうい うものを考えますと、子どもの発達だけではなくて、自立ということを明確に言葉でも 示して考えてはどうかと思います。 ○岩男部会長  ありがとうございました。ほかの先生方、どうでございましょうか。  ただいま、いろいろな先生方から大変貴重な御指摘をいただきまして、私はいずれも すべてこの中に取り込んでいただきたいと思っておりますし、先生方も同じお気持ちだ というふうに思っております。いつもは大変時間が足りなくなるのですけれども、実は 前回たっぷり時間をとって御議論いただいたせいかと思いますけれども、特に御意見が この時点でございませんでしたら、本日の御意見を踏まえて事務局に修正していただい て、「今後の主要な論点」ということで固めさせていただきたいと思います。また、先 生方との個別の調整というようなことも当然あるかと思いますので、どうぞよろしくお 願いしたいと思います。  そういうことでまとめさせていただいてよろしゅうございますか。  それでは、主要な論点はそういうような方向でまとめていただくということでお願い したいと思います。 3.「少子化プラスワン」「少子化社会を考える懇談会中間とりまとめ」について ○岩男部会長  次に、厚生労働省では、今月20日に従来の取組に加えて構ずべきもう一段の少子化対 策として、「少子化対策プラスワン」をとりまとめられております。また、それに加え て今月13日に厚生労働大臣主催の少子化社会を考える懇談会が中間とりまとめを行って おります。これらについて、事務局から御説明をお願いしたいと思います。  少子化対策室長、お願いします。 ○吉岡少子化対策企画室長  お手元に資料2−1として「少子化対策プラスワン」の要点、それから資料2−2と して「少子化対策プラスワン」の本文、さらに資料3といたしまして「少子化社会を考 える懇談会の中間とりまとめ」という3点の資料をお配りさせていただいております。 きょうは少子化対策プラスワンの要点、資料2−1に沿いまして、御説明、御報告をさ せていただきたいと考えております。  少子化の問題につきましては、本年1月に発表されました新しい将来人口推計におき まして、従来、少子化の主たる要因につきましては、晩婚か非婚かということが言われ てきたわけでございますけれども、新たに夫婦の出生力そのものが低下しているという 新しい現象が見られまして、現状のままでは少子化は今後一層進展するというふうに予 測されたところでございます。  このような状況を受けまして、5月21日には小泉総理の方から厚生労働大臣に対しま して「厚生労働省の枠を超えた幅広い分野について少子化の流れを変えるための実効性 のある対策を検討し、9月ごろには中間的なものでもよいのでメリハリの効いた対策の 方向をまとめてほしい」というふうな指示がなされたところでございます。  今般、厚生労働省におきましては、お手元の『少子化対策プランスワン』をとりまと めまして、去る20日に厚生労働大臣から小泉総理へ報告を行ったところでございます。 このプランスワンのとりまとめに当たりましては、お手元の資料3でお配りしておりま すけれども、9月13日に少子化社会を考える懇談会の中間とりまとめが出されたところ でございまして、この少子化懇の報告を踏まえまして、このプランスワンもとりまとめ ているというふうな関係にございます。  なお、総理に御報告いたしました際には、総理の方から「今後、これらの施策をより 実効性あるものとするためにも、年末までに関係省庁とさらによく調整していただきた い」という旨の指示が大臣の方になされたところでございます。  これを受けまして、今後、私どもの方としては年末、年明けまでに政府としての一定 のとりまとめを行っていきたいというふうに考えておりまして、これに向けまして、今 後、少子化対策の実効性を高めるための具体的な措置についてさらに検討を進めていく こととしているところでございます。  それでは、お手元の資料 2−1でございます。  まず1ページ目をお開きいただきますと、「基本的な考え方」ということでございま すが、政府におきましては平成11年12月に少子化対策推進基本方針あるいは新エンゼル プラン、さらにその後、待機児童ゼロ作戦というものをそれぞれ策定いたしまして、こ れまで取組を進めてきたわけでございますけれども、今回の「夫婦出生力の低下」とい う新たな現象を踏まえまして、この少子化の流れを変えるためにさらにもう一段の少子 化対策を推進していく必要があるのではないかというのが基本的な考え方でございます 。「もう一段」ということで、「プラスワン」というふうな名称をつけているものでご ざいます。  今回の新しい対策の柱といたしましては、そこにございます旗を4本立てております けれども、従来におきましてはどちらかというと子育てと仕事の両立支援、とりわけ保 育というものを中心に対策を進めてきたということでございますけれども、今回の対策 では新たに男性を含めた働き方の見直しでありますとか、地域における子育て支援、こ れにつきましては共働き家庭のみならず、専業主婦家庭等を含めたすべての児童を対象 にした子育て支援というものに取り組んでいく必要があるのではないかということであ ります。  さらに、3点目には社会保障における次世代支援ということで、従来、社会保障制度 、年金、医療保険といった制度につきましては、少子化であるとか、高齢化というもの は、ある意味では所与のものとして、それを前提としてこの制度を組み立ててきたもの でございますけれども、少子化への対応を社会保障制度の中に内在させていくというこ とが必要なのではないかというものでございます。  それから、4点目が子どもの社会性の向上や自立の促進ということでございますが、 子どもというものを次の時代の親になるものとして育んでいくという視点が大事なので はないかということでございます。こういった4点の柱につきましては、少子化懇の報 告の中でも掲げられているところでございまして、それに沿って4つの柱を掲げ、具体 的な取組を進めていくということで考えているものでございます。  次に、2ページからでございます。  2ページから主な取組ということで、2ページのところでは「すべての働きながら子 どもを育てている人のために」ということで、次の3ページは「子育てしているすべて の家庭のために」、4ページでは「次世代を育む親となるために」ということで、それ ぞれの対象となる方ごとの切り分けで整理をさせていただいております。  まず、2ページでございますけれども、「すべての働きながら子どもを育てている人 のために」ということの具体的な一つの取組としまして、まず1で男性を含めた働き方 を見直し、多様な働き方の実現を図るということでございます。具体的には、子育て期 間における残業期間の縮減ということで、本文の方には具体的に掲げておりますけれど も、例えば1日あたり1時間以内の残業を子育て期間中は目指そうではないかというふ うな運動を進めていくということであります。それから、子どもが生まれたら父親だれ もが最低5日間の休暇の取得ということでございます。日本では結婚とか葬儀に休みを とるというのは慣例化しておりますけれども、3つ目のいわば習慣として、子どもが生 まれたらということが定着していけばということであります。  それから、短時間正社員制度の普及というものを掲げさせていただいております。働 き方の選択肢を拡大していこうという考え方でございまして、例えば子育てなどで退職 後、短時間勤務の社員として再び働きはじめても、働き方に見合った均衡な処遇を受け て再び活躍できる、そういった社会が実現できないか。あるいは子育て期に短時間勤務 で働いて、育児が一段落した後にフルタイム勤務に戻ることができる、こういった社会 をつくっていこうではないかという考え方のもとに、短時間正社員制度の普及というも のを掲げております。  それから、2の「仕事と子育ての両立の推進」ということでございますが、育児休業 取得率、それから子どもの看護休暇制度の普及率、さらには小学校就学までの勤務時間 短縮等の措置の普及率につきまして、それぞれ具体的な目標値を定めているところでご ざいます。  このうち、育児休業の取得率につきましては、男性10%、女性80%という目標値を掲 げております。現在の数字でいいますと、男性が0.55%という非常に低い数字でござい ます。それから、女性の方は57.9%ということでございまして、基本的な考え方として は育児休業をとりたい人が極力とれるようにするという考え方に立ちまして、各種の調 査結果等をもとに男性10%、女性80%という数字を掲げているところでございます。な お、これは実数にいたしますと、男性の10%につきましては約10万人という数になりま すし、女性の80%につきましては、約14万人という数字になるものでございます。  それから、それぞれまた子どもの看護休暇制度あるいは勤務時間短縮等の措置につき ましては25%という目標を掲げて具体的な取組を進め、さまざまな促進策を展開して、 目標の達成に努力したいというふうに考えているところでございます。  それから、3つ目が「保育サービス等の充実」でございます。  本年4月1日現在で約2万5,000 人の待機児童がいるわけでございますけれども、引 き続き、待機児童ゼロ作戦を推進し、待機児童の解消を進めていきたいというふうに考 えております。  それから、来年度の新しい概算要求でも盛り込んでおりますけれども、新しい特定保 育事業というものを創設することを考えております。パートタイムなどで働いている方 にとってみれば、丸一日預けると、いわば預け過ぎというふうな状況になるわけでござ いまして、それぞれの方々の状況に応じて、例えば週の2日ないし3日預ける、あるい は午前だけ預ける、午後だけ預けるといった柔軟な保育サービスを提供する特定保育事 業の創設というものを掲げております。あわせて、保育ママにつきましても、利用日数 ・時間の弾力化を図るということを考えているところでございます。  次に、3ページでございます。「子育てしているすべての家庭のために」ということ で、まず1番目には地域のさまざまな子育て支援サービスの推進とネットワークづくり の導入を掲げております。子育て中の親が集まります「つどいの場」づくり、あるいは 地域の高齢者や子育て経験のある方等による子育て支援を推進していこうと。さらには 、これも来年度の概算要求に盛り込んでいるものでございますけれども、各市町村ごと に子育て支援相談員を配置して、地域における子育て支援情報の発信あるいはサービス のコーディネートというものを担っていただく。さらには、小学校区単位で子育て委員 会をつくって、子どもとサービスをつないでいく、こういった地域におけるネットワー クづくり等の取組を進めていくというのが1番目でございます。  それから、2つ目が子育てバリアフリーの推進ということでございます。高齢者、障 害者に配慮したバリアフリーの取組が相当進んでまいりましたけれども、これからさら に子育てに配慮したバリアフリーを進めていこうということで、さまざまな設備等の設 置促進又は子育てバリアフリーマップを作成・配布するということで進めていきたいと いうふうに考えております。  それから、3点目が社会保障における次世代支援ということで、平成16年度の制度改 正に向けまして、年金制度についての検討が進められているわけでございますけれども 、検討の一つの視点として育児期間の収入が減少した場合につきまして、将来の年金額 計算において配慮するということを検討していくということを掲げているものでござい ます。  それから、4点目は教育に伴う経済的負担の軽減ということで、若者が自立して学べ るようにするための奨学金制度の充実ということで、これは文部科学省の方でも取組を いただきたい事項でございますし、あるいは厚生労働省でも年金を活用した年金の貸付 という中で対応できないかということを検討するものでございます。  それから、次の4ページでございます。「次世代を育む親となるために」ということ で、1点目が親になるための出会い、ふれあいということで、中高生の皆さんが、なか なか赤ちゃんや子どもと接する場が少ないということが指摘されているわけでございま して、そういったふれあいの場を拡充していくということ、2点目が子どもの生きる力 の育成、子育てに関する理解の促進ということで、さまざまな体験活動、世代間交流を 推進していこうという点、3点目が若者の安定就労や自立した生活の促進ということで 、とりわけフリーター等の問題が指摘されているわけでございますけれども、若年者に 対する職業体験機会の提供でありますとか、職業訓練の推進、さらにはフリーター対策 などの就労支援といった取組を進めるということ。  それから、4点目が子どもの健康と安心・安全の確保ということで、まず食にいうこ とに関していえば、やせとか激やせといったことが指摘されているわけでございますけ れども、食を通じた家族形成や人間性を育成するという食育という点。さらには、妊娠 ・出産の経過に満足するということがよい子育てにつながると言われております。安全 で快適ないいお産というものを普及していくという点も盛り込んでいるところでござい ます。  あわせて5点目の不妊治療といたしましては、子どもを産みたい方々に対します不妊 治療対策につきまして充実を図り、あわせて支援の在り方につきまして年末までに検討 を進めていくということで考えているものでございます。  最後に5ページでございますけれども、こういったさまざまな取組の推進方策として 、国、地域、企業ということで掲げております。まず、国でございますけれども、私ど も厚生労働省の中に、年末までさらに具体的な検討を進めていくための少子化対策推進 本部というものを10月1日付けで本部を設置するということを今考えているところでご ざいます。  それから、今後の取組でございますけれども、この少子化対策をもう一段推進し、こ の対策の基本的な枠組みや、とりわけ働き方の見直しでありますとか、地域における子 育て支援といった、直ちに着手すべき課題につきまして、立法措置を視野に入れて検討 を行い、年末までに結論を得るということで考えております。  この立法措置につきまして、現時点で必ずしも固まったイメージを持っているわけで はございませんけれども、地域、企業というところで、それぞれ例えば地域の方では子 育て支援等を中心にした行動計画というものをそれぞれの自治体でもってつくっていた だこう、あるいは企業の方では働き方を変えるという観点から行動計画を策定していた だこうということを考えているところでございまして、こういった地域ごと、企業ごと の取組というものが実効性のある形で進むように、しっかりしたとした取組がなされる ようにと。そのための枠組みを整備していくということが立法措置としては考えられる のではなかろうかというふうに考えているところでございます。  これまで地域や企業につきましては、それぞれ少子化の問題については総論では賛成 ということだったわけですけれども、やはりこれから少子化対策をもう一歩進めていく ためには、それぞれの地域、それぞれの企業ごとに具体的なしっかりした取り決めを進 めていただくということがまずもって大事だというふうに考えているところでございま す。  こういったことで先日、総理の方にご報告させていただき、今後、さらに具体的な取 組の検討を年末までに進めていきたいということで考えているところでございます。以 上でございます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。ただいまの御説明について何か御質問があれば、ぜひ御発 言をいただきたいと思います。 ○阿藤部会長代理  今の御説明の資料でいうと2ページ目の主な取組の、例えば男性を含めた働き方の見 直しということで、「父親だれもが最低5日間の休暇の取得」ということが書いてござ いますが、先ほどの御説明では慣例とか習慣とか、何かそういう非常に漠としたような 御説明だったように思うんですが、例えば北欧3カ国などはもう既に10日間とか、そう いうものを法的に権利として父親は出産後休めるというふうな制度が既にございますね 。これらは法でやるのか、そういう努力目標とか、今までのような勧告とか勧奨とかそ ういうものでやるのかというあたりで結果が大変違ってくると思うんですね。そのあた りどう考えておられるのかなということがございます。  それと同じことで、2番目の育児休業取得率、男性10%というふうなことがあります が、これもまた恐らく今のお話を伺っていると大体努力目標のような感じではないかと 思いますが、これまた北欧3カ国だと思いますけれども、既に育児休業の1年のうち1 カ月は男性だけが取得できる、1カ月は女性だけが取得できるというふうなことで、事 実上、男性がとらなければその1カ月はふいになってしまうというふうなことをやって いる国もあるわけですね。  つまり、そこまでやって男性の家事、育児参加というものを推進するのだという、一 種の意気込みだと思うんですけれども、その辺をどう考えておられるのかということが ございます。 ○岩男部会長  私も同じ質問を思っておりました。どうぞお願いいたします。 ○吉岡少子化対策企画室長  ただいま御指摘のございました5日間の問題でありますとか、それから目標率、さら には最後に申し上げました企業における計画といったさまざまな点を掲げているわけで ありますけれども、これについて一体どの程度の拘束度を持たせたり、法的な規制みた いなものを持ち込んでいくのかということにつきましては、まだ私ども具体的にそこま で結論つけているわけではございませんで、とりあえず基本的な考え方ということで私 ども今回掲げさせていただいております。  したがって、先ほど申しましたように、年末までに政府としての案を固めていくとい うことで考えておりますので、これから労使団体等の御意見もいろいろ聞きながら、そ していろいろ議論しながら、よりよい方向を見定めていきたいというふうに考えており ます。 ○岩男部会長  どうぞ、堀委員、それから渡辺委員。 ○堀委員  同じ2ページの「2 仕事と子育ての両立の推進」のところですけれども、育児休業 取得率を定めるのは大変結構だと思います。  ただ、現在の取得率は女性で5、6割ですが、実数では6万人ぐらいしかいません。8 0%にしたところで10万人にしかならない。毎年、120 万人生まれるうちの5、6万人あ るいは10万人というのはあまり意味のある数字とは思えないんです。ということは、多 分、育児休業を取得しないで、仕事をやめてしまうという人が多いんだと思うんです。 そちらの方の対策を立てる方が私は重要だと思います。これは意見なんですが、そうい う分析、120 万人のうち、育児のためやめたとか、あるいは自営業者も当然いると思う んですが、それは育児休業の対象にならないんですが、そういったものの数字があれば 教えていただきたいと思います。 ○雇用均等・児童家庭局長  まずこの目標値を策定する場合に、公務員はとりあえずは念頭に置いてございません 。ですから、民間企業で働いている方だけを念頭に置いているんですが、民間企業で働 いておられる方でゼロ歳のお子さんを持って雇用関係が継続している方が2割ですね。 ですから、今はサラリーウーマンとして子どもを育てながら仕事を継続するというのは 2割というのが現状だと思いますので、どういう形で継続就業を−−潜在的な希望はも っと高いと思いますので−−、就業環境を整備しながら、その水準を上げていくかとい うのは大変大きな課題であるというふうに思います。  先生がおっしゃった数字はちょっと古い時点での数字で、一番新しい数字では民間で は9万人くらいの方が育児休業の給付を受けておられますが、いずれにせよ、生まれる 子どもの数120万人からすると非常に少ないというのは御指摘のとおりだというふう に思います。継続就業支援は、例えば短時間正社員制度の普及なども含めて、取り組む べき大きな課題だというふうには思っております。 ○岩男部会長  渡辺委員、どうぞ。 ○渡辺委員  お父さんの育児休業の問題はとても大事だと思いますけれども、最早期のアタッチメ ント形成のところに、やはり父親が一番最初から当然参加しているわけですね。夫婦の 愛着の中から子どもが生まれるわけですから。そして、妊娠、出産のところにも父親が 入ってこれるようにする方向は北欧の社会ではどんどん推進していると思うんですけれ ども、私が知っているものは、例えばフィンランドなどの産科の家族病室ですね。産科 の家族病室というのは、普通の個室の2倍あれば十分に大丈夫です。そうしますと、お 父さんは育児休業をとらずに、仕事をしながら、そこに泊まって会社に出ていけるんで すね。  ですから、私が見てきたヘルシンキの公立病院では、産婦人科医が「これは正常産だ から、リスクはないから大丈夫だ」という診断が下ったケースは、実費として1泊数千 円の余分なお金を家族が払えば、その一つの部屋は完全に家族のものになって、だれが 入ってきてもいい、友達でもいいわけですね。そして、お父さんが自由に出入りするし 、そこはちょうどホテルと同じで、ブザーを押して助産婦を呼ばない限り、完全に自由 にやっていいんですね。となりますと、助産婦たちの仕事がすごく減ったといいます。 人員配置がうんと減って、そして必要なときだけ応じていくので、夫婦が一緒に沐浴を したり、一緒に寝たりですね。私が見学したときに、その部屋ではお父さんがグーグー 寝ていました。その横に、お母さんが目をあけていて、赤ちゃんの、もうローラー式で すから、本当に小さなローラーで、場所は全然とりませんね。そういうふうにスタート しますと、恐らくもう少し数日間、自分も育児休業をとりたいとか、妻がまだ疲れてい るし、自信がないから、数日間、自分がとらなければいけないという、父親の自覚に基 づいた育児休業ということがあると思いますし、それからすごく忙しいお父さんの場合 は、初期に家族病室でちゃんとアタッチメントというんですか、最早期の形成をしてい ますので、通いつつも、夜、ちゃんとしていくということができると思うんですね。  ですから、せっかくそういう視点を入れるのでしたら、ぜひ公立の病院に家族病室と いうものを導入していただくように検討していただきたいと思います。既に長野の病院 などでは、新生児室には家族病室がありまして、すごく大事だと思います。よろしくお 願いします。 ○岩男部会長  私もそれでは御質問ではなくてお願いというか、検討していただけるとありがたいと 思うことをちょっと申し上げたいと思います。  男女共同参画会議の方で出した「仕事と子育ての両立支援」の中にもいろいろ同じよ ううなことを入れたんですけれども、その中で、実は報告書の方では取り上げられなか ったのですが、私はいまだにそれが実現するといいと思っていることがあります。それ は何かといいますと、2ページの1の「男性を含めた働き方の見直し」のところで、子 育て期間における残業時間の縮減という、これはもちろん結構で、ぜひ実現していただ きたいと思いますけれども、もう一つは、月に1回でいいから、一定の期間、父親も育 児休日をとれるようにしていただきたい。  つまり、残業時間の縮減ですと、かなり疲れたお父さんが帰ってくる恐れがあるわけ ですね。帰ってきても、あまり役に立たないかもしれない。それよりも、月1回でいい ですから、1日、ウイークディに父親が家にいてくれると、その間にお母さんは美容院 に行ったり、赤ちゃんから離れて自分のために時間を使うことができる。それは丸一日 でなくても、半日でも私はいいと思っているんです。  そういうようなことがあると随分お母さんたちが救われるんじゃないか。赤ちゃんか ら離れることができる、ホッとする時間が持てる、そんなことが実現されるといいと思 っております。  それから、3ページのところで子育て支援相談員による子育て支援情報の発信という のがあるんですね。これももちろん大変結構だと思いますけれども、既にお母さんたち がボランタリーにつくっている子育てのサイトというものがあります。私もそのうちの 一つに入っているんですけれども、これは全くどこからも金銭的な支援がなくて、中心 になっている人はみんな働いている母親なんですけれども、その人たちの献身的努力で 何とかやっているわけですが、既に何年も実績があるサイトがありますので、そういう ところへの支援を考えていただく方がより手っとり早いのではないかと思います。  どうぞ、網野委員。 ○網野委員  基本的考え方のところの、今回プランスワンというタイトルをつけることになった原 因といいますか、背景の夫婦出生力の低下ということで、もっともここには専門的に一 番精通しておられる阿藤先生が委員として加わっておられますので、もしあれでしたら 御意見もお聞きしたいと思うんですが、少子化という背景の中のさまさまな今まで原因 が語られる中で、もう言い尽くされているような感もするくらい語られてきた中で、未 婚の問題というのはかなりあったと思うんです。夫婦出生力の低下ということになりま すと、例えば結婚しても子どもを産まないという考え方とか、生活態度とかいうこと、 あるいはもっと産みたいんだけれども、やはり産めないという背景とか、やはりここの 児童部会で先ほどの論点もそうですが、いろいろ議論しなくてはならないことと結びつ く要素が結構含まれているのかなと思うんですね。  たしか30年くらい、夫婦出生力があまり変化がなかったんでしたね。それが低下した ということは何かを物語っているのか、ある種の予想されたことなのか、そこも含めて 特に児童部会で議論すべき必要のあることをちょっと関連させながら、もし背景を御説 明いただければと思いますが。 ○岩男部会長  阿藤委員、お願いします。 ○阿藤部会長代理  おっしゃるように、1970年代半ばからいわゆる合計特殊出生率が下がりはじめて、も う30年近くになるわけですけれども、80年代までは基本的に未婚化・晩婚化ということ が中心的な理由であったという分析もあり、そういう見方が一般的だったと思います。  ただ、90年代に入って行われた私どもの出生動向基本調査とか、あるいは毎日新聞が やっている全国家族計画の調査、これも2年ごとに行われているんですが、そういうも のの分析の中から、どうもある同じ年齢で結婚した夫婦であっても、結婚5年目までの 子どもの産み方が下がっているのではないかというふうなデータがではじめたわけです ね。これは晩婚化によるある種子どもの産みにくさというだけではない。何かほかの要 素がこれにつけ加わってきているのではないかということで、今年の1月の将来人口推 計の中では、そういうものを織り込んだ出生率の見通しを立てたわけであります。  では、それは何によるのかというと、それこそ大変見方がいろいろで、必ずしも原因 分析まではいっていないと思います。今おっしゃったようなライフスタイルの変化とい うふうなことが言えるのかどうか。あるいは90年代はまさに大不況の時代でございます から、経済学の先生などは「経済的に子どもを産みにくい」ということを理由に挙げて いるというふうなことです。しかし、経済的な理由となると、不況が克服されて、日本 の経済が回復していけば産みやすくなるとすれば、これは一時的な理由ということにな るんですね。それに対して、ライフスタイルとか価値観の変化ということになれば、こ れは今までのシングル化の流れの上にさらにカップルを組んでも、子どもを持たない新 しいライフスタイルが登場したとか、そういう言い方になりますね。  この辺はまだ本当にわからないですね。例えば、若者に将来結婚したいかどうかとか 、あるいは子どもを何人くらい欲しいかとききますと、結婚についていえば95%くらい は「いずれは結婚したい」と答えますし、子どもは何人欲しいかといえば、未婚の男女 であっても、「平均2人くらい欲しい」というのが私どもの調査による答えです。そし て、若い夫婦の予定子ども数などを聞いても、平均で2.1 人くらい出てくるという状況 なんですね。  ですから、昔言われたようなディンクスとか、一人っ子がいいというふうな考え方ま で転換した若い世代が増えているかどうかというのは、まだまだ言い切れない部分があ って、その辺で今、分析・研究する立場からいうと大いに悩んでいるという状況です。 ○岩男部会長  関連して、私どもで行った調査で、原因について説明しているものではないんですが 、第一子を何歳で産むかということが非常に大きく影響している。これはことしのはじ めに調査をしたのですけれども、第一子を33歳以降で産んでいる人で3人子どもを持っ た人はそのサンプルの中に一人もいなかったんですね。ですから、結婚をいつするかと いうよりも、第一子をいつ産むかということが非常に重要であるような気がいたしまし た。ちょっと関連したものですから、発言いたしました。  ほかに何か。どうぞ、大日向委員。 ○大日向委員  2ページの3番目、保育サービス等の充実のところですが、非常に大事な課題を取組 の3番目に書いていただいてありがたいと思っております。例えば、待機児童ゼロ作戦 、これも非常に緊急課題だと思いますが、そして公設民営化とか、規制緩和も時代の流 れだろうと思います。  ただ、一方で先ほど網野先生の御発言にもありましたけれども、利用者主体である子 どもの発達をどう守っていくかということ、非常に大事だろうというふうに思っており ます。どういう設置基準であれば、子どものよりよい発達を保障できるのか。私たち、 今、研究者仲間でそういう研究に着手しておりますが、そのあたりも十分検討していき たい課題だというふうに思います。  それから、これに関してもう1点ですか、多様な働き方に応じた保育サービスの提供 も新しい課題だろうと思います。それに対してぜひ財政補助というのも充実していただ きたいというふうに思います。例えば、私立保育園などで一時保育をやってくださって いるところがありまして、パートのお母さんたちは大変助かっている、あるいはこれか ら働き先を探そうとしている方々にとっても大変有効な保育だというふうに聞いており ますが、それを提供してくださっている保育園が、この間伺ったところでは、私立保育 園だったのですが、財政補助が必ずしも十分でなくて、保育者の提供も時間の提供もす べて持ち出しで頑張ってくださっているというような話を聞いてまいりました。そのあ たりも十分ご検討くださっているところだろうと思いますが、今後とも検討を続けてい ただきたいというふうに思います。 ○岩男部会長  阿藤委員。 ○阿藤部会長代理  これは質問というか、堀先生にちょっと考え方をお伺いしたいんですけれども、3ペ ージの「子育てしているすべての家庭のために」という、3番、4番で社会保障におけ る次世代支援とか、教育に伴う経済的負担の軽減というか、ここもまた年金と絡んだよ うな御説明があったように思うんですが、要するにかねがね少子化の大きな理由という か、それをひっくり返して子育て支援というときに、一つは仕事と家庭の両立という問 題と、一つは子育ての経済的支援という、大きな2つの柱があると思います。あえてい えば、「経済生産と家庭生活の両立」を目指すことと、あるいは「消費と家庭生活の両 立」を目指すという、大きくいえば2つに分かれるのではないかと思います。  その際に、日本では割に90年代、前者の両立支援というものはある意味で進んできた と思うんですが、後者の方の経済的支援というのはそれほど進まなかったと思います。 それは例えば児童手当の問題を挙げると、すぐ「財源はどこにあるんだ」という話で、 そこで一挙にその問題がおしまいになってしまうということであったと思うんですね。 それが一種の抜け道というか、むしろどこに財源を求めるかということで、特に厚生労 働省も所管している年金に焦点を当てて、その中で財源を探していこうということのよ うな印象を受けるわけです。  そこで、ちょっと質問なんですけれども、年金制度というのはもともと積立制度とか いうことではじまっているし、それから報酬比例の部分があって、コントリビューショ ンに応じた給付という考え方が相変わらず残っているわけですね。漠然と、我々はすぐ 世代間の支え合いとか、賦課方式とかいうことで、そういうものだと。だから、当然、 子育てしている次世代を支えるには、年金のいずれ被保険者になる人については支える のは当然だというふうにいうわけですけれども、相変わらず年金の保険原理の中には負 担に見合った給付といいますか、報酬比例的な考え方があるとしますと、こういうもの を持ち込んでくることがそういう原理としてどこかで抵触はしないのかと。その辺の原 理的な部分をきちんと整理した上で、こういう年金制度の中で子育てを支援していくと いうふうなことをどこかで議論されているのかどうか、その辺をお伺いしたいと思った んです。 ○岩男部会長  どうぞ、堀委員、お願いします。 ○堀委員  年金部会でもう9回、2004年に向けた改正の議論をやっています。当然のことながら 、子育てについて年金サイドから何か今貢献できないかという議論もされています。こ れは政府の文書ということで、ここまで踏み込んだのは今回がはじめてではないかと思 います。部会の中でいろいろな案が提起されています。委員の中には、年金制度から児 童年金を出したらどうかという意見までありますが、全部が全部支持しているわけでは ありません。諸外国で年金制度においてどういうふうな支援をしているかという資料も 出されて検討しているのですが、ここに出ているようなものも当然提案されています。  今、御質問のあった点なんですが、基本的には現在、年金制度は賦課方式ですね。若 い世代が払った保険料で年金費用を賄うということで、世代間扶養ということですから 、我々が現在高齢者を扶養すれば、我々が高齢者になったときに若い世代から扶養して もらうということで、賦課方式の考え方からは児童を育成したから、児童を養ったから 老後に面倒をみてもらうというのは出てこないですね。  ただ、児童扶養手当を年金制度に組み込んだらどうかという案も出ています。要する に、若いときに高齢者を扶養し、かつ児童を扶養したものについて年金を支給しますと いうもので、仕組み方はいろいろあるんですね。例えば、年金の保険料について、子ど もを持つ人の保険料を下げて、子どもを持たない人の保険料を上げるというような形。 実際、いろいろな国でいろいろをことをやられているんですが、例えばドイツでは育児 期間の3年間は保険料を納めていなくても納めたものとみなして年金額を計算するとい う形でやっていますので、原理的に組み込めないということはないと思います。問題は 、財源なので、今のままでも年金制度が大変難しい状況になりますので、そこに新たな 施策を入れるとなったら財源をどうするのか、それを税でやるのか、保険料でやるのか ということが問題です。  そういった問題が育児期間の配慮ですね。保険料を納めていなくても、育児期間につ いては納めたとして年金額を計算する、それがこの3番目だと思います。  4番目については、これはかなり支持者が多いのですが、ある学者の方が提案されて 、大学就学者には50万円とか100 万円とかを貸付金で出すというものです。問題は、年 金積立金からそれを出すんですが、年金積立金というのはあくまでも将来において保険 料が高くなり過ぎるのを押さえるという役割なので、貸付金についても利子をつけても らわないと困る。利子をつけるのでは一般のローンと同じではないかという議論もあり ます。ただ、これは政府がこういう決意をしたのなら、多分、こういう形で進んでいく のではないかと思います。  質問に対する答えは、原理的には組み込めないことはない。ただ、現在の仕組みでは 組み込めない。積立金は持っていますけれども、積立方式の考えからはなかなか難しい 。賦課方式の中には組み込めると思います。 ○岩男部会長  審議官、どうぞ。 ○審議官  今、堀先生から年金部会での議論の状況は極めて正確に御紹介いただいたと思います 。  若干付け加えるといたしますと二、三のポイントがございますが、事実関係だけで年 金部会の議論以前の問題で申し上げれば、年金制度においても医療保険制度においても 、育児休業期間中の保険料をどう免除するか。その場合、従前所得みなしをしてあげる とか、そういうことは現存の制度でも既に踏み込んでいる。医療保険制度であれば、出 産育児一時金という、定額の現金給付が行われているとか、出産手当金という給料比例 の賃金保障が行われている。  現存の制度自身、その制度の本質は何かということとは別に、さまざまな経緯の中で 一定の、今でいう言葉に直せば、次世代支援に連なるような配慮が現に行われていると いう部分がございます。  今後の年金制度の議論等々の中で、さらなる次世代支援という観点に立った配慮がど の程度行えるのか。それは程度の問題なのか、そもそも本体の制度の性格、意義づけと いうものまで見直さなければいけないのか。論理的には十分見直せても、現下の年金財 政等の窮迫状況の中でとるべき道かどうか、こういうような議論はあるのだろうと思い ます。これがまず1点目です。  2点目は、きょうの資料の3の少子化懇にも御指摘がありますように、社会保障給付 費、発表ベースではもう75兆といっていますが、むしろ阿藤先生の方がお詳しいかもし れませんが、恐らく今日的にいうと約80兆といっても間違いないだろうと思うくらいの 中で、いわゆる児童に対する支援に関連する部分は大体3%程度だろうというように言 われています。数字にしていうと、2兆数千億から3兆の間くらいのところではないか と言われているわけでございます。いずれにしても、2兆何がしとか3%とかいう社会 保障給付費のこうした児童・家庭関係あるいは次世代支援関係の配分というものが社会 保障全体の姿としていいのかどうかという点が最近新しく問題提起されているというこ とが一つございます。  3点目は、阿藤先生がおっしゃられたように、それから先ほど論点整理の中でも、経 済的支援、児童手当、ここら辺、あえて抜かしたような感じで本当に大丈夫だろうかと いう御指摘もございましたけれども、児童手当を一つ例にとりましても、あるいは児童 扶養手当の例でありましても、財源的な問題で大変窮屈な議論になっているのは御指摘 のとおりでございます。  国の税収も激しく落ち込んでいる中で、あるいは事業主も大変苦しい中で、財源的に どうかという事実問題、毎年毎年の予算編成での制約はあるわけでございますが、一方 で、社会保障給付全体の中でのシェアをどう考えるかというようなことも考えていく中 で、今後、またこうした新しい立法措置も含めた様々な検討を進めていく中においても 、もう少し私どもも基礎的な部分について、十分整理をしていく必要があるのではない かと思います。 ○岩男部会長  堀委員、どうぞ。 ○堀委員  補足しますけれども、昨日、年金部会が開かれて、おもしろい事例が出ましたので御 紹介します。ドイツの介護保険料について、違憲判決が出されました。これは家庭の尊 重という憲法条項と平等原則違反ということです。介護保険で子育てをしているかいな いかにかかわらず保険料率は同じ1.7 %なんですが、それが違憲だと判断された。子ど もを育てる人は将来において介護費用を負担する者を育てているのだから、そういう人 たちに対して配慮をしないのは憲法違反だという判決です。  ドイツはおもしろい国で、抽象的な憲法判決ができる国なのです。かつて税制の児童 扶養控除を廃止して、児童手当一本にしたんですね。そうすると、税制上、子どものい る家庭といない家庭では不公平だとして、これも違憲判決が出て、児童扶養控除を復活 したという例もあります。今回の介護保険料の判決は、当然、年金保険料だとか、医療 の保険料に反映するという話を、きのうドイツから来たマイデルさんからお聞きしまし た。  もう一つの論点は、賦課方式というのは若い世代が高齢世代を扶養するという仕組み だから、扶養する若い世代を養う人に対して何らかの配慮をすべきである、こういう議 論も出ております。  ただ、現在の賦課方式の考えは、子どもを育てたからではなくて、老人を扶養したか ら老後になって扶養してもらうんだと。そういうことで、今はその考えは入っていない わけですね。そういうことです。 ○阿藤部会長代理  さっき御質問をしたのは、要するに今までも確かにおっしゃるように、育児休業中の 1年間の年金・医療の保険料免除ということで、要するにちょっと異質なものが入って いるということなんですけれども、例えば児童手当の拡充に変わるようなものを年金制 度でやるというとかなり大規模な経済的支援を想定する。そうすると、今までの小規模 なものであれば何となくそれほど原理・原則論を議論しなくても、そういうものはいい じゃないかという話になるんですけれども、これを大規模にやって、あえていえば子ど もを育てていない人から子どもを育てている人に大規模なお金の移転があるということ になってくると、そういう問題もかなりシビアに議論しなければならないのではないか ということもあったものですから質問させてもらいました。個人的には、年金制度でや るにしても、何でやるにしても、子育ての経済的支援というのはやはりもっともっとや らないといけないと思います。やはり少子化をある程度克服している国というのは両方 やっているんですね。北欧は「仕事と家庭の両立支援」で有名ですけれども、同時に経 済的支援も相当手厚いわけですね。それから、フランスなども、逆に経済的支援が大変 有名ですけれども、同時に育児支援の方も、きょうもテレビでやっていましたけれども 、大変強い。両方やっている国が結構うまくいっているという部分があるので、片手落 ちな政策ではなかなかうまくこの少子化問題は解決しにくいのではないかということで 、いろいろ工夫をお願いしたいということです。 ○岩男部会長  少子化対策とこの部会での議論とオーバーラップするところ、関係があるところ、大 変たくさんございますから、また適宜、御報告いただき、またこちらからも御意見を申 し上げてということで進めさせていただきたいと思います。  それでは、大分時間も押してまいりましたので、次回以降の部会の進め方について事 務局から御説明をお願いいたします。 ○総務課長  その前に先ほど大日向委員から保育についての御質問がありましたので、少しお答え させていただきます。  実はお手元の資料の5に15年度の概算要求の状況の資料が出ておりますが、時間がご ざいませんので細かく御説明することはできませんけれども、少子化対策について力を 入れています。先ほどのプラスワンで御説明しましたような事項も盛り込んであります 。厚生労働省の予算の順番でいきますと一番最初に載っており、恐らくはじめてのケー スかなと思います。  保育につきましては、5ページでございまして、待機児童ゼロ作戦を進めようという ことで、約5万人を増やすために保育所の運営費でありますとか、保育所の整備のため の予算、それから先ほどありました特定保育事業の創設が盛り込まれております。それ から御質問がありました一時保育につきましては、新エンゼルプランで掲げました箇所 数が3,000ヵ所 でございますから、すでに目標を超えているわけですが、4,500 ヵ所に していこうという要求になってございます。  一時保育は、平成2年度からはじめていまして、従来は定額の費用をお払いするとい う形態でやってきましたが、最近では一件当たり1,800 円というような件数払いに移っ ていまして、できるだけ利用しやすいような形で事業を進めてく。箇所数ももっと増や していこうということで取り組んでいるところでございます。  そこで、今後の当部会の進め方でございますけれども、少子化対策プラスワンについ て年末までに、きょう御説明した事項について、法制化の議論を含めて、さらに検討を 進めて結論を得るための作業を一方で進めてまいりますので、部会の方では本日論点整 理について御意見をいただきましたので、再度修正をした上で先生方にお諮りし、また 調整が必要であれば調整させていただいて、論点整理の最終的な姿を確定する作業を行 った上で、これまでは2カ月に1回ということで、本来は次は11月の開催ということか とも思いますけれども、少子化対策プラスワンの検討の作業の状況を見ながら次回の日 程をセットをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 4.児童虐待防止対策に関する委員会の設置について ○岩男部会長  それでは、議事の4番目の児童虐待防止対策に関する委員会の設置に移りたいと思い ます。  これに関連いたしまして、平成13年度の児童相談所における児童虐待相談処理件数に ついて、事務局の方から資料が提出されておりますので、まずこれについて御説明をお 願いいたします。 ○古川虐待防止対策室長  資料4をお願いいたします。平成13年度におけます児童相談所における児童虐待相談 処理件数がまとまりましたので、これに基づきまして説明させていただきます。  まず、一つ飛ばしまして恐縮ですが、2の「虐待に関する相談処理件数」であります けれども、平成13年度、表の一番右側でございますが、件数にして2万3,274 件、前年 度の1万7,725 件に比しまして1.3 倍ということで、依然として高い伸びを示している というわけでございます。件数にして、約5,500 件の伸びということでございます。  一つ戻りまして、1の相談受付件数でございますが、そもそも虐待も含めまして相談 件数が大変伸びておりまして、12年度が36万件、13年度が38万件ということで、 2万件 の伸びとなっており、その中に虐待の5,500 件も入っているというわけでございます。  単純に比率だけで申し上げますと、11年度から12年度に占めます虐待相談の伸びが約 4割、12年度から13年度の伸びは3割ということですので、比率だけ見ますと2万件の うちで虐待の占める割合というのはやや落ちてきているわけでありますけれども、そも そも、13年度が2万3,000 件、12年度が1万7,000 件、さらにもう1年度戻って1 1年度が1万1,631 件でございますので、ちょうど2年で倍になっているわけでござい ます。これだけの絶対件数が伸びているということでありまして、重大な課題として取 り組まなければならない状況にあるというのは言うまでもないということであろうと思 います。 なぜこれほど相談件数が伸びているかということの一つの要素としてよく言われており ますのは、虐待防止法が施行されまして、こうした虐待に関する関係者の意識というの が大分高まってきた。児童相談所への相談というものを積極的に行うになってきたとい うことが言われております。  それを裏付ける一つの資料といえるかもしれませんけれども、3の虐待の経路別相談 件数について説明いたします。この中で、見ていただけますと、家族からの相談が相対 的に下がってきております。11年度が23%ですが、13年度は18%ということで、もちろ ん件数は伸びておりますけれども、比率としては下がってきております。逆に、左から 6つ目以降、つまり福祉事務所以降のいわゆる関係機関等からの報告というものが今申 し上げました5,500 件の対前年度の伸びのうちに占める割合は4分の3以上となってお ります。全体に占める関係機関からの報告は約60%強ということからしますと、最近、 特にこれら関係機関からの相談という形での情報が寄せられるようになってきていると いうことがいえるわけでございます。  ある調査によりますと、年間3万5,000 件程度は虐待が起きているという推計もある ようでございますので、これをもって総数と見るわけにはいかないということは留意す べきと考えます。  1枚おめくりいただきまして、4虐待の内容別相談件数でございます。虐待の定義と して、4種類、法律に規定されております。身体的虐待、保護の怠慢、いわゆるネグレ クト、性的虐待、心理的虐待でございます。今までは身体虐待が過半を超えていたとい うことでございますけれども、13年度におきましては50%を切って46.5%に相対的に比 率は下がってきているという傾向が見えます。その一方で、ネグレクトが約1.4 倍、心 理的虐待が1.6 倍、こうした分野の虐待が増えてきている傾向にあります。  続きまして、主たる虐待者ということでございますけれども、ごらんいただきますと おり、母、特に実母の数字が63.1%ということで、高い数字となっているわけでござい ます。これはもちろん実際に子どもと接する機会が多いということがありますので、一 概にこれを単純な評価はできませんけれども、現実問題として実母が虐待者になってい る現状が多いということでございます。  もう1枚おめくりいただきまして、3ページでございますが、被虐待児童の年齢構成 ということでございます。これは、過去数年見ましてもあまり傾向に大きな差はござい ません。ゼロ歳から3歳未満、それから3歳から学齢前児童、この年齢層で約半数、そ れより高齢である小・中・高校、その他で約半分ということでございます。  しかしながら、重篤な死亡事件といった事件につきましては、やはり学齢前児童が非 常に多くございまして、特に死亡事例の場合は約4割がゼロ歳だというデータもござい ますので、そうした乳幼児期にいかに有効な施策を実施できるのかということが特に重 要と思われるわけでございます。  7の虐待相談の処理、種類別内訳でございます。相談を受けた結果、どのような対応 をしたかということでございますけれども、施設入所が10%強、面接指導が8割弱とい うことでなっております。面接指導の比率が大変高いわけでございまして、こうしたい わゆる在宅への取組ということもこれから特に必要になってくるということであろうと いうふうに思われるところでございます。  最後、4ページでございます。児童福祉法第28条・第33条の6請求・承認件数でござ います。これは先ほど司法の関与という話が少し出ておりましたけれども、現行での関 与の状況ということでございます。  28条とは、保護者の意に反しても施設入所の措置を家裁の承認を得て行うというもの でございますけれども、ここで見えますことは、88件、 127件、134件 と子どもの安全 ということを何より優先すべきという考えに基づきまして、積極的に児童相談所などが 取り組んでいただけた結果、こうした請求件数自体が増えてきているということがこの 表から読み取れると思います。  なお、承認件数が実際の請求件数より少なくなっておりますけれども、これは受け付 けられなかったということではなくて、ほとんどの場合は中途の段階で保護者からの同 意を得ているということでございますので、実際に家裁で拒絶をされたケースはほとん どないと聞いております。  それから、右側の法33条の6によります親権喪失宣告の請求でございます。これも承 認件数と請求件数が逆転している年度もありますが、これは前年度以前に請求があって 、それが年度を越えて、遅れて承認がされた場合があるためにこのようになっておりま すけれども、結論的に親権喪失宣告の請求があって、それを拒否したケースはほとんど ないと聞いているところでございます。以上でございます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。それでは、前回の部会で事務局から御発言がございました 児童虐待に関する委員会の立ち上げについてお諮りしたいと思います。これについて、 事務局からの説明をお願いいたします。 ○総務課長  ただいまデータについて御説明をいたしましたように、児童の虐待が大変大きな課題 であると認識しております。児童の虐待の問題につきましては、平成12年11月に「児童 の虐待防止等に関する法律」が施行されておりますが、この法律を中心に私どもといた しましては、1つは発生を予防する、それから2点目には早期発見をする。それから3 点目は早期対応をする。4点目といたしまして、児童の保護、アフターケア、さらに親 の指導という4つの柱で取り組んできています。児童虐待防止法には、施行後3年に当 たるところで、施行状況を見ながら検討を加えてはどうかという規定もございます。そ ういう時期が近づいておりますので、制度全般について検討を加えていくことが必要な のかなと思っております。  ただ、今申し上げました4つの柱のうち、「早期発見」「早期対応」という面につき ましては現行の児童虐待防止法は法律施行後死亡事例も70件以上発生しているというよ うな点はございますけれども、一応、機能しているのかなと思われます。反面、発生の 予防の部分とかあるいは児童の保護、アフターケア、さらに親の指導の部分については まだまだ取り組むべき課題が多いのかなと思っています。さらには先ほどもちょっと議 論に出ていましたが、司法との関連というような点も議論することが必要なのかなとい う認識を持っております。  このため、こうした発生の予防でありますとか、ケアの問題、さらには司法との関係 ということを考えますと、医療でありますとか、保健でありますとか、従来、児童相談 所、あるいは福祉施設を中心にした福祉の分野以外にもっと広い領域を視野に入れると か、あるいは司法との関係でいいますと、法律の関係者にも御議論に加わっていただく というようなことが必要であろうと思いますので、そうした分野の方々にも入っていた だいた議論ができるように、当部会に専門の委員会を設けてはどうかなと思っておりま す。  今、大体の問題意識は申し上げましたけれども、それをさらに論点整理をした上で議 論を進めていただいていったらよいのではないかと思っております。以上でございます 。 ○岩男部会長  それでは、ただいま御説明がございました専門の委員会を設置することにつきまして 、御了承いただければありがたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。  また、この委員会に所属すべき委員については、私に御一任をいただければありがた いと思います。               〔「はい」という声あり〕 ○岩男部会長  それでは、児童虐待防止対策については委員会を設置して検討を進めていくというこ とで進めたいというふうに思っております。  それでは、委員会の進め方について事務局より御説明をお願いいたします。 ○総務課長  ただいま御承認いただきました児童虐待防止対策の専門委員会の設置につきましては 、早速、メンバー等を決めさせていただいて、設置要綱も作成した上で制度の検討をし ていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 5.閉会 ○岩男部会長  それでは、特に御質問がなければ、本日の部会をこれで閉会させていただきたいと思 います。また、次回の児童部会につきましては事務局より日程を調整の上、御連絡をさ しあげますのでどうぞよろしくお願いいたします。  本日はお忙しい中、ありがとうございました。                                     −了− (照会先)厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課      03−5253−1111(7823)