02/09/17 薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会(平成14年9月17日開催分)議事録          薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会 議事録          1.日時及び場所   平成14年9月17日(火) 14:00〜   厚生労働省専用第21会議室 2.出席委員(14名)五十音順  ◎内山  充、 菅家 甫子、 楠  文代、 倉田  毅、   合田 幸広、○武田  寧、 富田 基郎、 長谷川 紘司、   早川 堯夫、 前田 昌子、 政岡 俊夫、 松木  則夫、   水柿 道直、 吉田 仁夫   (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(1名)五十音順   乾  賢一 3.行政機関出席者   鶴田 康則(大臣官房審議官)、 安倍 道治(審査管理課長) 、   豊島  聰(審査センター長)、   上野 清美 、中島 宣雅、 他 4.備考   本部会は、公開で開催された。 ○審査管理課長  それでは定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会 を開催させていただきます。私は8月30日付けで審査管理課長に着任いたしました安倍 でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして誠にありがと うございます。本日は第十四改正日本薬局方第一追補(案)につきまして、御検討いただ きたいと思っております。御審議のほどよろしくお願いいたします。  会議の開催に当たりまして、委員の変更等について事務局より若干御報告させていた だきます。委員の変更でございますが、首藤委員が御退任されまして、御後任には早川 委員にお願いしてございます。どうぞよろしくお願いいたします。  なお本日の出席者でございますが、15名の委員中14名の御出席を頂いております。乾 委員からは御欠席との御連絡を頂いております。また、武田委員におかれましては御出 席の予定でございますが、まだこちらには到着されておりません。なお、本会議は公開 で開催ということになっております。御承知おきのほど、お願いいたします。それでは 内山先生、議事の進行をどうぞよろしくお願いいたします。 ○内山部会長  内山でございます。それではこれから議事に入らせていただきます。後ほど御覧いた だきますが、本日はお手元に9月11日付けで厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会長 あてに日本薬局方の改正についての諮問書を頂いております。それについて審議会の皆 様方に御意見を頂きたいと存じます。具体的には、本年の12月末に公布予定でございま す第十四改正日本薬局方第一追補であります。十四改正が出ましてから1年半というこ とになりますが、第一追補について皆様方に御審議をお願いしたいと思っております。 それでは審議に入りますが、まず事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。 ○事務局  それでは事務局より配付資料の確認をさせていただきます。お手元を御覧ください。 まず一枚紙で議事次第、委員名簿、座席表、諮問書、「資料の訂正について」というも の、それから「日本薬局方に関する規定の見直し」という二枚紙がございます。それか ら送付資料といたしまして、資料1の「第十四改正日本薬局方第一追補(案)」、資料2 の「第十四改正日本薬局方第一追補(案)説明資料」、さらに当日配付資料といたしまし て、資料1-1の「参照紫外可視吸収スペクトル 参照赤外吸収スペクトル 第一部」を配付 させていただいております。何かお手元にない資料等がございましたら、御指摘いただ ければと思います。よろしくお願いいたします。 ○内山部会長  よろしいですね。それでは議題に入ります。今日の審議事項は「第十四改正日本薬局 方第一追補(案)について」だけでございまして、あと報告事項が幾つかあるようでござ います。まずこの第一追補(案)につきまして、事務局から資料の説明をお願いいたしま す。 ○事務局  それでは事務局より資料を御説明させていただきます。先ほど内山部会長の方からお 話がありましたとおり、平成13年3月30日に第十四改正日本薬局方を告示させていただ き、平成14年3月に部分を改正やらせていただきました。今回は平成14年12月の第十四 改正の第一追補についての御審議をお願いしたいと思っております。お手元の資料1と いう分厚いものでございますが、こちらが「第十四改正日本薬局方第一追補(案)」の全 文でございます。この第一追補(案)については、前回の局方部会で取りまとめられた日 本薬局方作成基本方針に従いまして、日本薬局方部会の下に設置されました11の委員会 等で審議が終わってまとめられた内容を日本薬局方フォーラムに掲載して一般の意見を 求め、そこに寄せられた意見を踏まえて最終案として取りまとめさせていただいたもの でございます。簡単に要約いたしますと、通則として改正2項目、製剤総則が改正1項 目、一般試験法として新規2項目、改正3項目、各条第一部新規31品目、改正163品目、 各条第二部新規15品目、改正46品目の変更を予定しております。  もう一つ資料2というものを御用意させていただいております。具体的な改正内容に つきまして、こちらの資料2の「第十四改正日本薬局方第一追補(案)説明資料」に対比 表の形でまとめております。こちらの資料に基づいた方が分かりやすいかと思いますの で、こちらに沿って御説明させていただきます。それでは1ページの新旧対照表の要点 を御説明させていただきます。特にアンダーライン部分に御注目いただければ幸いでご ざいます。  まず1ページの「通則」でございますが、7の条に「ルクス」を追加、9の条におい て冷所の温度を幅で規定いたしました。次に2ページでございますが、「製剤総則」で は無菌試験法との整合性を図り、「17.注射剤」の条(9)の項を改正してございます。次 に2ページからの「一般試験法」でございますが、国際調和の観点から「16.強熱残分試 験法」を改正させていただきました。また、「34.赤外吸収スペクトル測定法」、「52. ビタミンA定量法」についても見直しを行っております。さらに今回新たに7〜8ペー ジの「72.かさ密度及びタップ密度測定法」、それから9〜10ページの「73.導電率測定 法」の2試験法を新たに収載する予定でございます。18ページ以降でございますが、こ ちらの方に医薬品各条についてが記されております。今回の改正におきましては、現在 日抗基に収載されております抗生物質26品目を新たに日本薬局方に追加するとともに、 その他についても7品目を第一部に追加しております。第二部には15品目を追加してお ります。また、製造中止等の理由により第一部では8品目を削除し、第二部では4品目 を削除しております。そのほか第一部では国際調和に伴う3品目を含め163品目を改正、 第二部では46品目を改正しております。なお、今回の一部改正で第一部は881品目、第二 部は480品目、総収載数は1,361品目となっております。  ここで大変恐縮でございますが、一枚紙の「資料の訂正について」というものがござ います。各条の収載につきまして一部御訂正がございますので、御承知おきいただけれ ばと思います。大きな点として二つ御訂正をお願いしたいと考えております。資料1、 2の両方共同じでございますが、一つはジノスタチンに関する事項でございます。当初 この品目を収載する予定でございましたが、企業の方からあと数か月で承認を整理する という御連絡が入りましたので、新たに日局には収載しないことにしたいと考えており ます。もう一つはガーゼ等に関する事項でございます。ガーゼ等については前回からど のような取扱いをするかという御議論を頂いている最中でございまして、もうしばらく 時間を掛けて御検討させていただければと考えております。そのため今回削除の予定で ございましたが、削除しないという取扱いにしたいと考えております。  それでは恐縮でございますが、元の資料2の24ページを御覧ください。「生薬総則」 では収載品目追加のため1.の条を改正いたしました。なお、28〜56ページの参考情報で ございますが、こちらの方は報告事項という位置付けになってございますので、報告事 項の際に改めて御説明させていただきます。以上が資料2の御説明でございます。なお 、資料1の追加資料として本日資料1-1の参照紫外可視吸収スペクトルと参照赤外吸収ス ペクトルを付けております。本資料は校正中でございますので多少見苦しいところがご ざいますが、御了承いただければと思います。以上、簡単でございますが、御審議のほ どお願いいたします。           ── 説明途中、武田部会長代理着席 ──          ○内山部会長  資料2の説明資料で御覧いただいておりましたが、よろしいでしょうか。今の説明の 中でフォローしていただけたらもちろん結構なのですが、第一部、第二部の新規収載品 目や削除品目の話は23ページから表が出ています。それから一般試験法の説明の後に出 ている表は一般試験法の中の標準品と試薬のリストです。一般試験法の説明が2ページ からずっとありまして、標準品と試薬の表が出てきて、その後が削除品目と変更の品目 、新収載の品目というふうに並んでおります。これはどういう品目を削除し収載したか ということのリストですから、このとおりでありますので、その場所だけ確認をしてい ただければ結構だと思います。今ございました説明は追補に収載する分ですが、御質問 、それから御意見がございましたら、どうぞお願いいたします。よろしいでしょうか。 どうぞ。 ○菅家委員  今の説明の中だけですか。 ○内山部会長  いいえ、何でも。 ○菅家委員  資料1の13ページの右側の方なのですが、今回新たに収載されるということで「タッ プ密度」というのがあります。その「タップ密度」の説明のところでは、例えば1行目 は「タップ密度は、粉体試料を入れた測定容器」というふうに「測定容器」となってお ります。それで第1法が書いてあって、その次に第2法が書いてありますが、その4行 目も「測定容器」になっております。次の14ページに行きますと左側に「図72-1」とい うのがあって、そこでは「測定用容器」になっているのですが、図72-1のタイトル及び 二つ容器が書いてあって、上の方の容器の説明といいますか、タイトルに「タップ密度 測定用容器」とありますけれども、それはどちらかに統一した方がよろしいと思います 。 ○内山部会長  そうですね。何か御意見はございますか。 ○事務局  ありがとうございます。統一させていただきます。 ○内山部会長  「測定容器」という言葉はほかにも幾つか出ていますね。統一してください。恐らく 局方では「測定用容器」と、「用」が全部入るのでしょう。容器だけではなくて、例え ば「測定用試薬」にしても何にしても「用」が入るのだろうと思います。それも調べて みてください。よろしいですか。改正の趣旨というか、理由というか、お分かりいただ きにくいところがありましたら御質問ください。よろしいですか。かなりのボリューム ですが、これを全部一括してお認めいただけたことにいたしますけれども、よろしいで すか。ありがとうございました。  これで審議事項を終了します。従来追補は分科会審議になっておりましたが、今は一 部改正扱いということで、ただいま頂きました御承認事項は報告事項として薬事分科会 に報告されます。  それでは次に報告事項に移ります。報告事項について、事務局お願いいたします。 ○事務局  それでは資料2に基づきまして、報告事項について御報告をさせていただきます。ま ず資料2の28ページを御覧ください。28〜56ページの参考情報では今回の改正に合わせ まして、もともとございました「1.アリストロキア酸について」及び「15.保存効力試 験法」を改正させていただいております。さらに今回新規のものとして「17.SDSポリ アクリルアミドゲル電気泳動法」、「18.日局生物薬品のウイルス安全性確保の基本要件 」、「19.日局通則40等に規定する動物由来医薬品起源としての動物に求められる要件」 の三つを新規収載いたしましたことを御報告させていただきます。  それから前回の部会から今回の部会の間に薬事法の改正がございました。日本薬局方 に関する規定についても見直しがなされておりますので、この機会に御報告させていた だきます。お手元に本日配付資料ということで、「日本薬局方に関する規定の見直し」 という二枚紙を配付させていただいております。平成13年11月、この薬事・食品衛生審 議会の当部会における答申といたしまして、「日本薬局方は、科学の進歩や社会状況に 合わせた弾力的な見直しが強く求められている」と。したがって、必要に応じて速やか な部分改正、及びそれによる行政の円滑な実施をすべきものであるという御指摘をいた だきました。またその答申の中では、日本薬局方第一部、第二部の構成についても、時 代に合わせて見直しをしていくようにといった宿題を頂いております。こちらの図の「 現状」でございますけれども、薬事法の第四十一条第2項の規定といたしまして、改正 前は「第一部:繁用される原薬たる医薬品及び基本的製剤」、「第二部:混合製剤及び その原薬たる医薬品」ということで薬事法の中で一部、二部という規定がしっかりと決 められてございました。  「問題点」といたしましては、「多種多様な医薬品の開発が進み、保健医療上重要な 医薬品も多様化。今後も更に多様な医薬品の開発が見込まれ、現行日本薬局方の画一的 な構成では十分な対応ができない現状」ということで、7月31日に公布された改正薬事 法では、「日本薬局方に求められるニーズに応じ、柔軟な構成が可能となるよう、法規 定を見直す」ということで、この第一部、第二部の規定自身を削除しております。  次のページに実際の薬事法の改正の薬局方部分の抜粋がございます。「薬事法及び採 血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(抜粋)」ということで、下側が改正 前、上が改正後ということで、下の改正前の第四十一条第2項の部分が削除されている ということでございます。なお、新しい部構成につきましては、前回平成13年11月の薬 事・食品衛生審議会の答申に基づきまして、現在この日本薬局方部会の下にございます 総合委員会を始めとする各委員会で検討をしていただいているところでございます。ま た近いうちにこちらの部会にも御相談できるかと考えております。以上でございます。 ○内山部会長  まず参考情報に関することと、薬局方に関する薬事法改正に伴う規定の見直しの2点 がございましたが、それらに関しまして御質問がございましたら、どうぞお願いいたし ます。どうぞ。 ○武田部会長代理  参考情報の改正でありますけれども、先ほど承認されました第一追補には日米欧の間 で薬局方国際調和をしたもので日局に反映されたものが幾つかあると理解しております 。そういたしますと、参考情報の8にあります日本薬局方における国際調和の改正が必 要であると思われます。日局における国際調和というところに、国際調和した内容がど のように反映されているかということの記載がありませんと、国際調和を取り入れたこ とにならないと思われますので、その点は事務局の方で御検討いただきたいと思われま す。  その国際調和に関連してでございますが、先週日米欧の薬局方の会議がございまして 、それぞれの薬局方が国際調和を取り入れたことをどのように表示するかということに ついても議論がございました。現在日局はこの参考情報においてどこに調和結果を取り 入れたかということを記載しておりまして、現在のところ日米欧の三薬局方のうちで国 際調和の反映状況を局方に記載している唯一の薬局方であるわけですけれども、ヨーロ ッパ薬局方及びアメリカ薬局方におきましては、今後国際調和の結果を局方にどのよう に記載するかということについて検討を進めております。ヨーロッパ薬局方につきまし ては、まだコミッションの承認は得ていないということでありますけれども、まず国際 調和を取り入れた試験法あるいは各条にはタイトルに注を付けまして、この試験法ある いは各条は国際調和をしたものであるということを脚注に示しました。また、内容につ きましては、すべて全面的に国際調和をしたものである場合は問題ありませんけれども 、部分的に国際調和がされていない部分、あるいはヨーロッパ薬局方が独自に加えてい る記載部分というものがあるわけで、そういう部分については本文中にマークを付けて 非調和部分であることを明示するという方向で現在ほぼ案を固めたという情報でござい ます。一方、USPはまだ十分な結論にまでは行っていないようでありますけれども、 調和した各条あるいは試験法につきましては、調和している部分、それから調和してい ない部分、またUSP固有の部分もすべて表示するという方向で検討しているようでご ざいます。そういたしますと、日局のやり方といいますのは調和したものを参考情報に 表の形で示しておりまして、欧米に比べますと非常に分かりにくいやり方ということに なります。この日局の方式はどうしてこういうふうになったかと申しますと、告示であ る日局の中に外国との関係事項を記載することは難しいという考え方がございまして、 苦肉の策として告示外である参考情報にどの部分に調和を取り入れたかを示すというこ とで進めてきたことであります。しかし、今後の調和の推進ということを考えますと、 やはり本文中に調和部分、調和試験法あるいは各条を明記して、その中の部分的な非調 和部分をEPのようなスタイルで表示をするようなことが必要ではないかと考えており ます。薬局方の第一部、第二部の廃止ということもなされたわけでございますが、局方 本文での薬局方の調和の表示というものは法律を改正するほどのことではございません ので、できることであれば十五局には全面適用を、またその目的の準備段階として次回 の第二追補で部分改正をされる部分については、国際調和の状況を本文中に記載できる ような対応を考えるということを提案したいと思います。 ○内山部会長  お分かりいただけたと思いますが、これはこの部会でお決めいただくことになります 。といいますのは、今御説明していただきましたように参考情報は報告事項ですから、 参考情報に書き込むということは部会の御了承を得なくてもいいわけです。武田部会長 代理の御提案の一番最初の部分というのは、現在までに調和された部分を参考情報に表 として載せる必要があるということですね。現存の日局は参考情報の表と本文を一々見 比べなければどこが調和されたのか分かりにくいということで、使い方は非常に不便で はありますが、載せているのは今のところ日本薬局方だけだということですから、それ にはそれなりの取り柄はあるということになるかと思います。ですから、現在までのと ころの国際調和の表は早速作って載せていただきますが、それはよろしゅうございます ね。これは参考情報に載せることになります。  それからその後のお話の参考情報にしか載せられないというのは、そもそも国際調和 したものを本文に書きたかったのですが、それは先ほど武田委員が言われたような理由 で少しヘジテイトしている部分がありました。これは告示事項だからということで、そ こにそういうものを書いていいものかどうかということでありました。御覧いただきま すと、今日第一部で改正になった塩化ナトリウム、クエン酸、無水クエン酸という3品 目があるのですが、これはみんな第一部ではありますけれども有効成分ではなくて、添 加剤としての取扱いで国際調和の末に各条改正がなされたものであります。したがって 、国際調和がされているということになります。そうすると、例えば塩化ナトリウムの 中のどの項目とどの項目が国際的に調和しているか、どの項目が国際調和していないか を参考情報の表で見るよりは、本文に全部印で載っていた方がずっと分かりやすいです ね。そういうことを御了解いただければ、これからなるべく早い時期に本文の中に国際 調和状況を書き込めるようにした方がいいのではないかという御提案です。御賛成いた だければ、この部会の提案として行政的に取扱いをしてもらおうかと思います。何か特 に御意見はありますか。どうぞ。 ○事務局  まず今御指摘いただいた一点目の十四改正の第一追補の方は、これから私どもは12月 までにしっかり改正をさせていただきたいと考えております。もう一点の告示の仕方で ございますけれども、これは法制的なこともございまして、一方で先生方が御指摘のよ うに実際の使い勝手あるいは見やすさというものがございます。両者兼ね合いをとりま して、事務局としてこれから実際に法律関係の担当の者とも相談をしながら御検討をさ せていただければと思っております。 ○内山部会長  前回のこの部会で、行政とうまく協力して有効に使える薬局方にしたいということも ありましたし、それからユーザーが使いやすくなるような薬局方の中身に変えようでは ないかということもここで決めていただいております。確かに国際調和の結果を局方の 中に示すとなれば、離れたところに表だけ載せるというよりは本文に入っていた方がい いと思います。特に各条の場合、例えば確認試験、限度試験などいろいろな項目があり ますが、ある項目は国際的に認められているけれども、この項目だけは日本独特で調和 されていないというものがありますから、それはモノグラフの中ではっきり分かった方 が非常にいいということが言えると思います。事務局、その辺をよろしく御検討くださ い。  それから武田委員にちょっと伺いたいのですが、今の話は各条の話ですけれども、一 般試験法ではありますか。 ○武田部会長代理  一般試験法も同様です。 ○内山部会長  全く同じように印を付けることができるのですね。部分的に調和されていない部分が あれば、そこは書けるということで。 ○武田部会長代理  現在のやり方は調和部分を表で示しておりますけれども、これはユーザーサイドから 言えば各条なり一般試験法が原則的に調和していく、そのうちで調和していない部分は どこかということを明示的に示すことが一番明快でありますので、欧米ではそういう方 法が採られるということです。是非日局にもそういうものを取り入れることによって、 日局の国際的な評価を高めていくことを考えるべきではないかと思っております。 ○内山部会長  JPはもちろん、EPもUSPも大体横並びでやりたいという趣旨ですから、JPだ け最初から開放的に本文に取り入れるというのはなかなか踏み切れなかったと思います 。USPは民間製造ですが、EPはやはりオフィシャルなところから出ていますので、 やはりJPはヨーロッパと同じような形にした方がいいという御意見なのですね。参考 情報とはいいながらJPが早々と国際調和の結果を載せたというのは、それなりに意味 があったことだと思います。ほかの薬局方でその先を考えるのには随分役に立ったので はないかと思っております。必ずしも遅れているわけではないでしょう。ではそういう ことでお願いいたします。そのほかはいかがでしょうか。 ○武田部会長代理  もう一点、国際的な評価ということに関しましては、やはり日局は日本語でございま すので、日本を出ますと一切読んでもらえないという状況がございまして、英文版の出 版というものが国際的な評価を高める上で第一前提であると思います。現実には十四局 の官版の英文版の刊行も遅れておりますが、第一追補の英文版の出版について事務局の 方でどのようにお考えか、お聞かせいただければ幸いです。 ○事務局  武田先生がおっしゃったとおり、また前回の部会の取りまとめの答申の中でも、国際 調和、国際的な視野を持った薬局方を作るようにという御指摘を受けております。一方 で予算というものが年度ごとに組まれておりまして、長期的にその部分の出版計画等は しっかり立てていかなければいけないと思っております。十四改正のものについてはも う原本はできておりますので、あとは出版作業をするという形で準備を進めているとこ ろでございます。 ○内山部会長  ちょっと事務局に伺いたいのですが、ここの話題ではありませんけれども、審査関係 が独立行政法人になるという話がありますね。それとの関係をちょっと伺いたいのです が、局方はどちらについていくのですか。残っていくのですか、どうなるのでしょうか 。そこら辺はまだ分かりませんか。今予算関係というお話があったものですから。 ○事務局  日本薬局方について、あるいはほかの品質規格について、いわゆるこういった通常的 に厚生労働省の中でやられているものについて、どちらが合理的に作業を進められるの かという視点で独法化も含めた形での検討をさせていただいているところでございます 。現時点で結論的にどちら側で引き続きやるかという形にはなっておりません。 ○内山部会長  武田委員のお話の英文版というのは、十三局は半年ぐらいで出たと思うのです。十四 局ももちろん出せるのですよね。 ○事務局  実は英語版自身、原稿の方はもう出ているというお話をさせていただきましたが、私 どもは国立衛生研究所など外部の御協力を頂きまして、取りあえずホームページで英語 版をお示しするという形での情報提供は現時点ではさせていただいております。予算の 問題がございまして、出版という形では時間が掛かるかと思います。 ○内山部会長  その辺の事情はよく分かりますけれども、実は十二局までが1年半以上掛かっていた のです。日本の薬局方はほとんど外国の人には見られないという非難を浴びておりまし て、十三局は頑張って3か月か4か月で出してしまった経験があるので、十四局が予算 の関係で1年以上延びているというのは残念なのですが、それで独立行政法人になった ら予算の関係がなくなると思ったのですけれども。 ○審議官  先ほどお話がありましたように、一つは局方についてもやはり国際レベル的なものに していこうと。この前の改正の後、いろいろその方向を出していただいたわけなのです が、繁用的なものについてはできるだけ収載していこうと。それからもう一つ、マスタ ーファイルも実行に移していこうというふうになっておりまして、そういった意味では 局方とマスターファイルをうまく組み合わせることによって、場合によってはマスター ファイルの方はノウハウのところが結構入るわけで、それ以外のものについては局方に よって開示ができると。それからもう一つは、やはり局方に載せることによって新しい 規格の更新ができるというか、そういったことを考えれば今の10倍とかそれくらいのも のを、我が国で繁用されている薬、エッセンシャルな薬として局方に載せたらどうだろ うかという改革案が出てきておりまして、現在作業を行っております。  それを考えたときに新しい独立行政法人でやらせた方がいいのか、今やられている方 向でもう少し改善することは改善して今のシステムを使っていった方がいいのか、そこ ら辺がまだ議論をされているところでございます。いずれにしてもより良い薬局方にし ようということで、前回の改正以降御意見を頂きました御趣旨に沿って改革していこう というふうに考えております。 ○合田委員  今の英語版のことなのですが、第一追補の英語版がどのタイミングで出るかというの は分かりますでしょうか。我々の方も英語版を非常に望んでいるのですが、また1年遅 れるとせっかくいい改訂をしても外にディストリビューションできなくて非常に残念な のですけれども。 ○事務局  まず、先ほど御指摘いただいた十四改正がまだ出ていないではないかということです が、これは年内にきっちり出したいと思っております。本日も改めて御指摘を受けまし たので、そこの部分について、いわゆる追補部分、今日御審議いただいた部分について も可及的速やかに出せるように調整をしたいと思います。 ○内山部会長  追補は12月ですから、訳さえできていれば2か月くらいで出るのではないですか。こ れはやはり予算の関係が入るのですか。 ○事務局  そちらの方とも調整する必要はあると思います。 ○内山部会長  追補の予算が今年で、追補の英文版の予算が来年ということになるわけですか。 ○審議官  そこは予算もあるのですが、国際化が非常に進んでおりますので、やはりできるだけ 我が国の規格を国際的にも開示していくということから、少なくとも日局告示後半年〜 1年の間には開示するような方向で対応していきたいと考えています。 ○内山部会長  早い方がいいという御意見は間違いなくここで確認いたしましたから、それから先は 行政の御努力にまつことにいたしましょう。追補の方が先に出るなどということではな おさらおかしいですから、本文が出てからすぐ追補の英文が出ると。十五局までに少な くとももう一回第二追補が出るはずになっておりますから。ほかはいかがでしょうか。 どうぞ。 ○武田部会長代理  英文版につきましては、審議官から大変前向きなお言葉を頂きまして安心いたしまし た。もう一点は標準品でございます。標準品が入手できませんと試験法が幾らありまし ても医薬品の適否の判定ができないわけでありますので、告示に合わせて標準品の入手 が可能になるようにする必要があるということは必ず申し上げたいところでございます 。この追補においても、標準品がかなり新規に設定されておりますけれども、標準品の 供給ということについての事務局のお見通しをお聞かせいただければ幸いです。 ○事務局  今先生から御指摘いただいた点につきましては、先生の方からも毎回御指摘いただい ております。基本的には財団法人日本公定書協会の方に標準品の供給をお願いするとい うことで、あちら側のマンパワーの問題もあろうかと考えております。公定書協会とも 相談をしつつ、これが公布されるまでにはそういったが体制ができるような形で準備を したいと考えております。ちなみに各品目ごとにどうなっているのかというのは、今こ の手元では把握できませんので御容赦いただければと思います。 ○内山部会長  これは11ページから入っている標準品ですね。標準品の原料供給と製造と検定の3段 階があるわけですね。検定は間違いなく公定書協会ですから、原料供給と製造をどちら がやるかによりますが、その辺のところを公定書協会でやりやすいように手配をお願い いたします。その辺はよろしくお願いいたします。 ○武田部会長代理  公定書協会の方は、審議の標準品に関しましてはマンパワーはそれほど問題ではない ようなことを耳にしておりますが、この標準品の大部分は実は抗生物質でありまして、 抗生物質は現在感染研が供給機関となっておられると聞いております。現実に感染研が 供給すべき日局標準品については、かなりの部分が入手できないような状態にあるとい うことも聞いておりますので、やはり日局標準品全般にわたって必要なときに入手がで きるという体制を是非構築していただきたいと思います。 ○倉田委員  それについては今武田先生が言われたように、標準品そのほかを含めまして既にリス トを作って出してあります。あとでチェックしてください。 ○事務局  今の問題につきましても、実は感染研の方からも前向きに御協力を頂けると以前から お約束していただいております。私どもとしましても昨年関係業者を集めた説明会を開 くなどといった形、あるいは事務連絡等を出して関係者に御協力をお願いするというよ うなことで、徐々にではございますけれども、体制を整えるべき努力をしているところ でございます。 ○内山部会長  それはこちらに移った以上は準備せざるを得ませんね。感染研、よろしくお願いいた します。ほかはいかがですか。報告事項はここまでで結構なのですが、これからの動向 などについて事務局から説明がもしあればしておいてください。 ○事務局  今後の予定ということかと思いますけれども、本日御審議いただいたものにつきまし ては、追補の構成、法令審査等の準備作業を進めさせていただきまして、12月末に告示 、それから翌年1月に施行をする予定でございます。それから昨年11月におまとめいた だいた日本薬局方の基本方針の幾つかの課題につきまして、現在総合委員会等で検討を しているところでございます。こちらについてもできるだけ早い時期に、宿題の回答と いう形のものを先生方に御相談をさせていただきたいと考えております。 ○内山部会長  この部会は余り頻繁には開かれませんけれども、前回のこの部会でお決めいただきま した基本的事項や在り方の中に幾つか提案がされておりました。それはなるべく早い時 期に実現をするようにしなければいけないので、各委員会で今検討を進めているという ことですから、次回は幾つか御提案できるのではないかと思っております。思い出して いただければ、通則を合理的にするとか、一般試験法の並び方を変えるとか、それから 先ほど言いました一部、二部の分け方、これは薬事法との関連がありますが、各条の並 べ方を最終的にどういうふうにすればいいかとか、そのほかいろいろな在り方に関して ここでの決定がありましたので、それについては宿題とさせていただきたいと思ってお ります。次回はどのくらいの間隔であるのですか。 ○事務局  この後何回かこの下の委員会を開催する必要がありますけれども、その審議がきっち りうまくいけば年内くらいを目途に考えております。 ○内山部会長  部会は来年早々ぐらいにあるかもしれないということですか。しかし、それを変える 時期というのは随時というわけにはいかないですよね。一部改正なら随時でもよろしい のですか。 ○事務局  基本的には十五改正という形のものでございますが、それに反映するためには実際の 運用方法をそれ以前に変えていかなくてはいけませんので、運用方法自身は近いうちに 部会を開催させていただいて、方向性が決まればできるところから順次変えていきたい と考えております。 ○内山部会長  ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。全体を通じまして何でも結構です。どう ぞ、吉田先生。 ○吉田委員  当局が予算の関係でと言い訳をしなくて済むような対応を…、それは分かっているわ けですよ。当然出すのですから、原文ができているのに出さないというのはおかしいで すね。ですから、当局から予算の関係でという言い訳を二度としないように是非対応し ていただきたい。 ○審議官  課長さん、どうですか。 ○審査管理課長  まだ新米の課長でございまして、議論を拝聴させていただいた次第です。おっしゃる とおりでございまして、これだけ国際化が進んで日本薬局方も国際化に対応した形でい いものにしていくという大きな流れがございますので、日本版ができたとしても英文版 がなければ国際的な評価も得られませんし、医薬品産業の国際化という観点からも問題 があろうかと思います。英文版ができているにもかかわらず翌年予算要求をするという ようなことでやりますと、これはまた財政当局から批判もされますので、そういうこと のないような予算の組み方、つまり見直しをしまして、日本版ができたら可及的速やか に、できれば同時に出すのが一番望ましい様だと思いますので、できるだけそのギャッ プを埋めるべく最大限の努力をしていきたいと思います。近い将来、組織の見直しとい うこともございますのでそういう機会を捕まえて、更にできるだけ同時期に日本版、英 文版が刊行されるように努力をしていきたいという気持ちを表明させていただきたいと 思います。ありがとうございました。 ○内山部会長  そのくらいで勘弁していただきます。私は素人で半分くらいしか解決案にはならない かと思いますが、恐らく作成料の予算というのは翻訳料と出版料の両方が入っているの でしょう。ですから、先にできて同時に発行して個人にドンドン売っていても本来はい いのです。これは実際予算のどのくらいか知りませんが、官版買い上げで各国に配った りいろいろなところでオフィシャルに使ったりするものの費用も相当あるでしょうから 、その部分は来年の予算で結構です。そこら辺はゆっくり使っていただいていいのです が、翻訳料というのを要らないよと言ってしまえば恐らくすぐにでも出るのですね。こ れはだんだん民間にするところはみんな民間移譲が盛んですから、当然のことながら今 だって英文版は出版して販売しているわけですから、当然のことながら、それを先にや ることはできないことはないのです。ただそうすると、翻訳の予算が本当はその年に入 っていないのに出たことになると、それはきっと具合が悪いわけですよね。 ○武田部会長代理  英文版の立場というか役割、性格というものは、これまでは国が日本版を翻訳しそれ を官版として印刷して、関係機関に配付するということをやってきたわけです。しかし 、その翻訳を民間に完全に任せて、出来上がったものについて国が関係機関に配付する ものを買い上げるという仕組みも一つの選択肢としてあり得るように思います。必ずし もこれまでの枠組みにこだわらないでもう少し柔軟な考え方で望まれると、早期の英文 版の配布ということが可能になるのではないかと思います。 ○内山部会長  行政の専門の方に言わせると、今の御意見は幾つも穴があるのではないかと思います 。要するに買い上げの時期は予算が付くのが遅くてもいいのですが、作成の費用を予算 化しているとなると、やはりその作成もそのタイミングに合わせなくてはいけなくなる のだろうという気がします。やはり先ほど言いましたように、それは民間がボランティ アとして独自にやってしまうのだというのなら恐らくいいのでしょうが。ここでこんな ことをごたごた言っていても仕方がない。要するに早く出してくださいということだけ は決めて、予算の関係だということは今後余り言わないでくれということだけは…。 ○吉田委員  絶対にです。 ○内山部会長  絶対にですか。確認したいと思います。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。 それでは今日御承認いただきました第一追補は、先ほどお話がありましたように12月末 までには告示、来年1月から施行ということになろうかと思います。本日の審議事項及 び報告事項の確認は以上でございます。事務局、ほかには何かありませんか。いいです か。それではどうもありがとうございました。以上をもちまして日本薬局方部会を終了 させていただきます。ありがとうございました。                                   ( 了 )  連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 関野(内線2734)