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水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針の設定・改正経緯

1.クリプトスポリジウムについて
 クリプトスポリジウムは塩素耐性を有する5マイクロメートル程度の原虫で、人が感染すると腹痛を伴う水溶性下痢が3日から1週間程度持続する。健常者の場合には免疫機構の働きにより自然治癒するが、免疫不全者の場合には重傷かつ難治性の下痢症となり、長期化すると致死的となる。
 塩素耐性を有し、水道水中の塩素濃度では不活化しないことから、ろ過等の浄水処理により除去する必要がある。

2.水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針の策定
 平成8年6月、水道を介したクリプトスポリジウムによる約8,800人の集団感染症が、日本で初めて、埼玉県越生町において発生した。このため、厚生省では同年10月、緊急的に収集した知見に基づいて、水道事業者等における予防対策及び感染症が発生した場合における応急措置等、所要の対策を定めた「クリプトスポリジウム暫定対策指針」を策定し、都道府県を通じて水道事業者等へ周知した。
 なお、その後、水道水が原因と判明した感染症の集団発生は生じていないものの、原水を中心として検出されており、一部浄水で検出され給水停止した事例もある。

3.指針の見直し状況
 指針の内容については、厚生労働省健康局水道課で設置する「水道におけるクリプトスポリジウム等病原性微生物対策検討会」(座長:金子光美摂南大学教授)における専門家の議論を受け、新たに得られた知見等を踏まえ、平成10年6月及び平成13年11月に見直しを実施している。


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