02/08/01 確定拠出年金連絡会議(第1回)議事録                 ┌――――――┬―――――――――┐┌―――┐                 |確定拠出年金|   第2回   ||資料6|                 | 連絡会議 |平成14年8月1日||   |                 └――――――┴―――――――――┘└―――┘             確定拠出年金連絡会議(第1回)                    議事録                平成14年6月19日 確定拠出年金連絡会議(第1回) 議事録 日時  :平成14年6月19日(水) 13:00〜15:04 場所  :厚生労働省 省議室(9階) 出席委員:御手洗座長、太田委員、大場委員、河合委員、徳住委員、長久保委員      中村委員、秦 委員、光谷委員、渡邊委員、泉 委員、 オブザーバー      田村正雄(社団法人生活福祉研究機構理事)      土井康晴(社団法人生活福祉研究機構専務理事)      石田成則(山口大学経済学部教授) 関係団体等      平井康行(日本経済団体連合会国民生活本部副本部長)      向山孝史(代)村杉直美(日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局部長)      小野 明(日本商工会議所新規プロジェクト担当付副部長)      持永哲志(経済産業省経済産業政策局参事官) 事務局      厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課 ○ 山崎課長  定刻になりましたので、ただいまから「確定拠出年金連絡会議」を開催致します。  本日は大変お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。  まず開会に当たりまして、厚生労働省の年金担当審議官であります吉武よりご挨拶申 し上げます。 ○ 吉武審議官  厚生労働省で年金の担当審議官をしております吉武でございます。どうぞよろしくお 願い申し上げます。  本日はお忙しいところ、確定拠出年金を先行的に導入されました企業の方々、それか ら経済団体、労働団体、さらに調査研究を行なっていただきます研究団体の方々にご出 席いただきまして誠にありがとうございます。御礼を申し上げたいと思います。  確定拠出年金制度につきましては、皆様方よくご存じでございますが、昨年の10月に 施行されまして、企業型で105 社、個人型は1,300 人程度の方が加入をいただいており ます。  この制度は、企業型であればまさに企業年金でございますし、自営業の方の場合には、 ある意味での個人年金であります。こういう制度を考えた時には、通常で申し上げれば 健保組合、厚生年金基金というような、いわゆる保険者としての機能がある訳でござい ますが、この制度ではどこでそうした保険者としての機能を担保するかということでは、 基本的には従業員と経営者の間で十分話をしていただき、継続的にこの年金制度をどう するかということを考えていただくというところにあるのではないかと思っています。  また、実際に皆様方も経験されたと思いますが、資金は個人別に勘定ができるように なっておりますが、実際の運用になりますと、例えば100 人の社員の方が、ある分野で 運用すると決められますと、100 人の方の資金が全体として、ロットとしてまとまる形 になります。  したがいまして、預金であれば大口預金になる可能性がございますし、例えば投資信 託の場合でも個人個人が投資信託を購入されるのに比べましてトータルで大きな量で購 入されるというメリットがある訳です。  日本の金融は、実際に金利なり手数料については自由化の世界に入っておりますので、 そういう意味で申し上げますと、運営管理機関あるいは資産管理機関、実際に運用する 金融機関と、ここにご出席していただいている方々を始めとする保険者機能を持つ方の 間には緊張関係があって、常に切磋琢磨しながら、良い内容のものをつくっていただく という重要な使命を負っていらっしゃるのではないかと思っております。  私も最初の方からこの制度の立案に参画を致しまして、当時の関係者の中で話してお りました事は、そういう保険者機能を持つ方々の間で、是非色々な意味での情報交換な りの場が設けられて、情報を共有しながら、より良い確定拠出年金を作っていくのが大 事ではないかということです。  それからもう一点でございますが、ご案内の通り、これは最終的には従業員の方々の 自己責任に基づいて運用方法を決定していただく制度でございます。  医療行政では、患者と医師の関係でインフォームド・コンセントという非常に大きな 問題がございますけれども、それと同様に、できるだけ情報を共有し公開しながら、最 終的には情報を提示する側にある専門家と、実際の社員の方々の間で情報を共有しなか ら、最終的には社員の方々の判断になりますので、社員の方々はご自分で情報を十分吟 味していただいて、適切な判断をしていただく環境をつくることが大事であろうと思っ ています。  そういうことから申しますと、従業員の方々に対します投資教育、情報開示の問題が この制度の大事なポイントではないかと思っております。この点につきましても、色々 な意味での経験や御苦労をされておられるのではないかと思いますので、この連絡会議 におきまして、今申し上げましたような問題を始めとしまして、是非、忌憚のないご意 見の交換をしていただきたいと思います。私ども、行政の側も出席をさせていただきま して、皆様のご意見の中から参考になるものはよく検討し、さらにこの制度の充実の為 に努力をして参りたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○ 山崎課長  この連絡会議でございますが、座長を株式会社日立製作所の御手洗尚樹労政部長にお 願いすることと致しております。それでは、御手洗座長よろしくお願い申し上げます。 ○ 御手洗座長  日立製作所の御手洗でございます。よろしくお願い致します。  この会を通じまして、確定拠出年金制度の発展並びに普及にお役に立てればと思って おります。色々な課題がございますけれども、是非この会はざっくばらんに、かつ活発 に議論していきたいと思っております。よろしくお願い致します。  それでは、私の方から司会を努めさせていただきます。本日は第1回の連絡会議でご ざいますので、最初にメンバーの方々から自己紹介をいただきたいと思います。  メンバーの総数は私を含めて11名でございます、本日は全員ご出席いただいておりま す。  それでは、資料1の2枚目に「連絡会議参集者」の一覧がございますので、この順に 参りたいと思います。私は先ほどご挨拶させていただきましたので、太田様から泉様ま で順番によろしくお願いしたいと思います。 ○ 太田委員  アプライドバイオシステムズジャバンの太田です。今後ともよろしくお願い致します。 ○ 大場委員  すかいらーくの大場です。どうぞよろしくお願い致します。 ○ 河合委員  トヨタ自動車の河合でございます。よろしくお願い致します。 ○ 徳住委員  新日本製鐵の徳住でございます。よろしくお願い致します。 ○ 長久保委員  日商岩井の長久保と申します。よろしくお願い致します。 ○ 中村委員  JR東日本の中村でございます。よろしくお願い致しします。 ○ 秦 委員  サンデンの秦でございます。よろしくお願い致します。 ○ 光谷委員  日本ベニアという住宅資材を販売している会社の光谷と申します。よろしくお願い致 します。 ○ 渡邊委員  東京電設サービスの渡邊と申します。よろしくお願い致します。 ○ 泉 委員  個人型年金の方の実施主体をさせていただいております国民年金基金連合会の泉と申 します。よろしくお願い致します。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。  オブザーバー、関係団体等につきましては、事務局より紹介をお願い致します。 ○ 山崎課長  泉様の隣から、まずオブザーバーの方々でございます。  後でご説明があると思いますが、確定拠出年金の実態調査を実施される方々でござい まして、まず社団法人生活福祉研究機構理事の田村正雄さんでいらっしゃいます。  社団法人生活福祉研究機構専務理事の土井康晴さんでいらっしゃいます。  山口大学経済学部教授の石田成則さんでいらっしゃいます。  次に、関係団体等の方々でございますが、日本経済団体連合会国民生活本部副本部長 の平井康行さんでいらっしゃいます。  日本労働組合総連合会でございますが、本日は、総合政策局生活福祉局長の向山さん の代理の生活福祉局部長の村杉直美さんでいらっしゃいます。  日本商工会議所新規プロジェクト担当付副部長の小野明さんでいらっしゃいます。少 し遅れて出席されます。  経済産業省経済産業政策局参事官の持永哲志さんでいらっしゃいます。  そして、きょうの参集者の一覧には載っておりませんが、後ほどご講演いただくため にお招きしております。審議官の吉武の隣になりますが、財団法人シニアプラン開発機 構主席研究員の千保喜久夫さんでいらっしゃいます。  あと、事務局でございますが、遅れまして、私、年金局企業年金国民年金基金課長の 山崎と申します。隣が、私どもの課の企画官の中垣でございます。  よろしくお願い致します。 ○ 御手洗座長  それでは、次に本連絡会議の開催趣旨について事務局から説明をお願い致します。 ○ 山崎課長  それでは、お手元の資料に則してご説明させていただきます。資料1というのがござ います。ここに「開催要綱」と書いておりますが、趣旨を簡単に読み上げさせていただ きたいと思います。  確定拠出年金制度は、昨年10月に施行されて以来着実な進展を遂げており、今後、実 施企業数及び加入者数は本格的に拡大していくものと考えられる。  こうした状況の下、確定拠出年金制度が国民の老後の所得保障の一翼を担うものとし て定着していくためには、その導入実態を踏まえ、専門的な観点から意見交換を行って いくことが重要である。  このため、確定拠出年金実施企業を中心に、導入された年金プランに関する実態調査 を行うとともに、実務面の課題等について専門的な観点から意見交換を行うため、確定 拠出年金実施企業の担当責任者等の参集を求めて、「確定拠出年金連絡会議」を開催す ることとする。  テーマとして二つ挙げておりますが、一つは、確定拠出年金の実態を調べるというこ とで実態調査の実施でございます。後ほどこれは詳しくご説明させていただきたいと思 いますが、導入された年金プランの概要でありますとか、投資教育、資産運用等、そう いった実際の状況について、企業及び加入者を対象に実態調査を行う予定でございます。  2番目が、それに並行しまして関係者からいろんなヒアリングを行なったり、委員の 方々等で意見交換を行うということで、確定拠出年金をめぐる実務課題等を中心に関係 者からのヒアリングや意見交換を行うものでございます。  なお、これにつきましては、資料1とは別紙でございますが、(参考)にこの意見交 換を行う主な課題として例を挙げております。これは全くの例でございますが、参考に なればということで書いてみました。  例えば、当然議論になると思いますが、税制等の問題でございます。拠出限度額の問 題などです。  2番目としましては、投資教育でございますが、導入時、更には導入後の従業員に対 する投資教育や情報提供をどうやっていくかという問題。  3番目は、資産運用に関するものでございますが、実際に運用していく商品をどう考 えていくか。更に商品売買のタイミングや手続・手数料等の問題。それから、アメリカ でもいろいろ問題になっていますが、自社株の投資の問題、こういったものが考えられ ます。  それ以外に転職時の現物移換の問題、手数料等コストの問題、レコードキーパー、更 には個人型年金をめぐる問題もあります。  いろんなテーマがあろうかと思っております。これはあくまで参考ということで、こ ういう形のものを用意させていただきました。  以上でございます。 ○ 御手洗座長  それでは、続きまして本会議の公開につきまして、事務局から報告をお願い致します。 ○ 山崎課長  続きまして資料2でございますが、こういう会議は公開ということを原則にしており まして、したがいまして、この「確定拠出年金連絡会議」につきましても、原則公開と いうことで考えたいと思っています。ただし、いろんな状況で、座長が必要と認めると きには非公開とすることができるという形でいかがかと思っております。○ 御手洗座 長  今の会議の公開につきまして、事務局の方針でよろしいでしょうか。                (「はい」と声あり) ○ 御手洗座長  それでは、異議がないようでございますので、そのようにさせていただきます。  次に確定拠出年金の施行状況について、説明をお願い致します。まず、企業型と個人 型全体の施行状況について、事務局からお願い致します。 ○ 山崎課長  お手元の資料3でございます。簡潔にご説明させていただきたいと思います。  まず全体状況です。1枚めくっていただきたいと思います。ここに書いておりますが、 施行が昨年の10月でございますから、もう9カ月たちました。それ迄に色々な準備をし、 政省令等も定めた状況でございます。  その後の状況でございますが、平成13年10月の施行以降、今年の6月18日現在で、 運営管理機関につきましては184 社の登録が行われてございます。  企業型につきましては、確定拠出年金実施事業所としまして、同じように6月18日現 在で105 社、社というのはグループもございますが、そういうところが実施事業所とし て承認済となっております。  一方、個人型年金でございますが、これは実施主体が国民年金基金連合会となってお りまして、この連合会で規約策定を行って、その規約に基づいてスタートしている状況 でございます。  承認状況でございますが、次の2ページ目を開いていただきたいと思います。5月ま での全体加入者の数としまして1,312 名という状況でございます。  3の「広報などの取り組み」についてですが、この制度自体は成立して施行されたば かりでございますので、私ども行政としましては、色々な媒体を使って広報等に努めて いるという状況でございますし、また関係機関でもいろんな面で、これについての広報 を進められている状況でございます。  3ページ以降が、実際に企業型につきまして導入された企業のリストでございます。 3ページ、4ページ、5ページがそうでございます。  実態を集約レベルで調べたものが6ページ以降にございますので、これについて少し ご紹介したいと思います。  この企業型年金の運用実態は、5月末現在のものです。5月末現在においては95社と いうことになっておりますが、資料としてまとめてあるのは、年金規約の方から見まし てどういう状況かということで整理したものでございます。  まず実施企業の状況でございますが、ここに有りますように、大企業から中小企業ま で幅広く広がっております。例えば300 人未満の中小企業は、57社になりますので、ち ょうど95社の6割位が中小企業というふうになっております。  実際に加入している人ですが、4月末現在の数字で約9万人になっています。  運用商品でございますが、これは300 人未満と300 人以上の企業では余り変わりはな いのですが、全体でいきますと、品目数として平均14品目挙げられておりますが、かな りばらつきもございまして、多い場合は35、逆に最小の場合は4。これは三つ以上とい うのが一つの条件になっておりますが、そういう形でかなり企業によっては異なってい る状況でございます。  平均的な運用内訳は、ここに有りますように、預貯金:2、信託:1、これは投資信 託は有価証券に入っていますが、それ以外の信託商品でございます。有価証券:10、生 損保:1、平均的な姿としてこういう形になっているという状況でございます。  さらに運用商品の中で自社株投資も入れているというのが2社ございます。  次の7ページ、掛金でございます。ご存じのとおり掛金は上限額が設定されておりま す。全体平均でいきますと、これは年額ベースですが、14万9,000 円、15万円弱という 状況でございます。一つの企業の中でも人によって掛金が違っております。そのため平 均をとっておりますが、平均レベルでいきますと最高が23万円、最低が6万8,000 円。 個々の最高、最低でいきますと、最高は43万2,000 円、これは上限額に当たるわけです が、そういうものから最低9,000 円という格好でこれもかなりばらつきがございます。  下にありますように、掛金の上限額を限度額としているという企業はかなり昇ってい る状況でございます。  それから、この制度の導入に当たりまして、他の企業年金等の退職給付制度からの資 産移換の状況でございますが、ここに有りますように、最も多いのは適年から移換した ケース。その次が退職金、適年・退職金両方から移換したケース。これは全体合わせて3 3社ございます。これが最も多いケースですが、一方で、なしと書いて有りますが、全く 新たに導入したのが61社あります。  それにも当然関係してきますが、一番下に「他の企業年金の有無」とこう書いていま すが、大変特徴的なのは、今言いました他の企業年金が無いというケースが300 人未満 の企業でいきますと39社ございます。元々確定拠出を導入する場合には、いわば確定給 付を持ちづらいという様な中小企業にとっての導入し易さというのが一つのテーマでご ざいましたので、まだ全体の数は少ない訳ですが、かなりそういった面では中小企業に とって導入し易いという効果が出て来ているという感じが伺えます。  最後、8ページ目ですが、加入形態、基本的に全員という形態が基本になっています が、一方で一定の資格で限定することも可能ですし、更に希望者という形も可能でござ います。ここにあります様に、一定の資格でしているものが73社、その内希望者を対象 にするというのが13社、こういう状況でございます。  後は関係の資料でございます。以上でございます。 ○ 御手洗座長  それでは、次に確定拠出年金の個人型の施行状況について、国民年金基金連合会の泉 確定拠出年金部長から説明をお願い致します。 ○ 泉委員  お手元の資料ですと資料4と右肩に書いてございますが、「個人型年金の施行状況に ついて」という資料をご覧いただきたいと思います。先ほど山崎課長のご説明にもあり ましたが、個人型年金につきましては、昨年12月に規約の承認をいただきまして、こと しの1月から受付を開始致しております。  数字の説明に前に、個人型年金における私どもの役割について一言申し上げたいと思 いますが、国民年金基金連合会では、加入を申し出た方の資格の確認、国民年金法上の 資格の確認、それから加入限度額の管理、掛金の収納、こういったことを担当して実施 致しております。  一方で、運営管理機関に役割分担として色々な業務を委託するという形で実施してい ただいております。したがいまして、運営管理機関、下の方にもございますが、142 の 機関が個人型の業務を担当していただいているところでございます。  また、運営管理機関の方に受付業務、投資教育、こういったことも委託する形で実施 致しております。  したがいまして、連合会自身は具体的な商品の選定ですとか運用の内容、そういうこ とには直接タッチしないという形で実施を致しております。  それでは加入状況でございますが、そこに有りますように、5月末までで1,312 人の 方に加入いただいております。1号加入者、2号加入者とございますが、これは国民年 金でいう第1号被保険者、第2被保険者の区別でございます。自営業者などの第1号被 保険者の方が782 人、厚生年金の適用を受けている第2号被保険者の方が530 人加入を いただいている所でございます。  月別に見た所が表になってございまして、ご覧いただきますように、次第に加入者数 が増える傾向にあるという所でございます。  それから、その下の登録事業所ですが、第2号加入者にご加入いただく際には、あら かじめ事業所の登録をしていただくということをお願いしております。そこに有ります ように、683 事業所が登録をいただいております。事業所の登録状況も月毎に増えて来 ている状況にございます。  一番下の方が運営管理業務でございまして、当局に登録をされた運営管理機関の内、 個人型も実施したいということで、私どもに申し出をいただいた運営管理機関には実施 していただいている所でございまして、これまでに142 の機関と契約を結んでおります。 142 の内訳を申し上げますと、都市銀行、地方銀行合わせました銀行が50、信用金庫が 63、信用組合が1、労働金庫が13、証券会社が2、信託銀行が1、生命保険会社が4、 損害保険会社が2、投資顧問会社が1、この運営管理業務のための専業として設立され た会社が4、国が1。国というのは郵政事業庁でございますが、以上のような内訳にな っております。  それから、この表に載ってございませんが、企業型の実施企業に勤められていた方が 退職致しますと、資産を個人型の方に移換するということができる訳でございます。載 ってございませんが、既に移換の申し出を私どもで受け付けたケースが5月末までで57 件ということになっております。  この資料については以上でございますが、今、最後に申し上げました移換に関連致し まして、その次にご参考までに「企業型年金実施事業所事業主の皆様へ ポータビリテ ィーの実現のために」という資料を付けさせていただいております。ポータビリティー で一人一人の資産を移せるというのがこの制度全体の一つの重要なポイントでございま すが、企業を辞められた後、個人型に入ってくるに当たりましても、どんな手続が必要 か、あるいはその方の置かれた状況によりまして、個人型に加入できたり、加入はでき なくて運用指図者に成ったりと色々なケースがございます。そういう事についての説明 を私どもで冊子を作りまして、企業型を実施されている企業などにもお届けさせていた だいているものでございますので、ご参考までにご覧いただければありがたいと思って おります。  説明は、以上でございます。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。ご質問、ご意見があるかと思いますけれども、後ほどまと めて時間を取りたいと考えております。  それでは、続きまして次の議題であります確定拠出年金実態調査に移りたいと思いま す。社団法人生活福祉研究機構の田村理事から資料の説明をお願い致します。 ○ 田村理事  田村でございます。よろしくお願い致します。資料5−1と5−2というのがござい ますのでご覧下さい。私から5−1の資料を使いまして概略だけご説明致します。  先ほど山崎課長からもお話がございましたように、現在役所側でもある程度のことを 把握されておりますが、もう少し突っ込んだ調査したいということが主たる眼目でござ います。方法と致しましては、事業主、事業所の加入者のサイドから制度の運営の実態 を見て行きたいということでございます。  先程もご説明ありましたように、大きな項目と致しましては、1.「趣旨」の1行目 に書いてございますように、年金プランの概要、投資教育、資産運用の状況、実務面に 関する意見や要望というようなものを実施企業及び加入者から直接聞きたいと、こうい う事でございます。  調査対象でございますが、先程来ご紹介ありますように、企業型と個人型という2種 類のタイプの年金がある訳でございます。企業型につきましては、今ご紹介有りました1 05 社、大体9万人の方が既に加入者になっております、その中から1,200 人を抽出致し まして調査するという事にしております。  この際、加入者の年齢によって恐らく投資の選択などにも違いがあるのではないかと いうことで年齢別に対象者を選びたい、こういうふうに考えております。  個人型につきましては、今、泉委員からもご説明ありましたように、現在時点で1,300 人ちょっとしか加入者がおりませんが、その内400 人を選ぶということにしております。 これももちろん年齢別に抽出するという事でございます。  合計1,600 人を対象として調査するという事でございますが、どんな調査項目が有る かというと、概要だけ1ページから2ページに書いてございますが、企業を対象として 調査するものと、個人を対象として調査するものは少し違っております。  企業を対象として調査するのには8項目ございまして、(1)、(2)、(3)のところは、導 入時における状況を調べるというような感じでございます。(4)が加入者というか従業員 の加入、掛金、給付の状況について調べる。(5)、(6)、(7)あたりは運営管理機関、投資 のあり方について調べるということでございます。(8)が意見、要望ということになって おります。  これは企業の場合でございますけれども、2ページに移りまして、加入者を直接対象 としたものが、項目は少なくなっておりますけれども、同じような項目が並んでおりま して、5項目でございます。  これらの調査項目の中には、恐らく企業、加入者だけに聞いたのでは良く分からない というところが出てくる可能性があるので、運営管理機関のご協力を得なければ調査は 進まないという場面もあるかと予想しております。そういう時には是非、運営管理機関 にはご協力いただきたいと思っております。  それから、調査の進め方でございますが、今、調査項目を検討しており、これをまと めました上で、10月頃には第1回の調査をしたいと思っております。  今回の調査は初めてということになりますので、これで終わりということではなくて 、フォローアップをしていく必要があるということで、追跡調査も必要になってくると 思います。これは次年度以降のことになると思いますが、そういうことも考えていると いうことでございます。  今、調査項目のところを簡単に申し上げましたけれども、詳しくは資料5−2で、山 口大学の石田先生に説明をお願いしておりますので、よろしくお願いします。 ○ 石田教授  資料5−2をご覧ください。調査項目の(案)についてご説明を致します。  基本的に調査項目の趣旨に沿いまして的確にデータを集計し、それを活用可能なよう に実態調査を行い、更に調査項目等を選定してございます。大きく分けまして企業調査、 個人調査がございます。  まず(1)のところで、当該企業の概要について3項目挙げさせていただいておりま す。  問題となりますのは、調査時点でございまして、年度末といいますのは対象企業でま ちまちになります。そこで現在のところ9月30日ないしは10月1日あたりを調査時点と して調整中でございます。  (2)の方に移っていただきまして、導入の目的、導入までの準備状況について全部 で3項目ほど項目を挙げてございます。  この2番目、さらには3番目につきましては、今後のワーキングの方で選択肢を選定 いたしまして、答える側:企業、個人が答えやすく、かつ集計が行いやすいように工夫 をするつもりでございます。なお、3番目につきましては、企業側より厚生労働省に提 出いたします規約概要書で代用が可能なものですが、集計上の便宜のためにご記入をい ただきたいと思っております。  (3)は他の退職給付の状況でございます。  3項目挙げてございますが、(3)につきましては、これもより回答しやすくなりますよ うに、適年、厚年、退職金いろんな形での移換のモデルケースを捕捉いたしまして調査 をする予定でございます。  (4)は従業員の加入、掛金、給付の状況でございます。  この中で全部で8項目がございますが、(1)加入者資格、(3)掛金額の算定方法、(6)規 約に定める預替えの頻度、(8)3年未満の事業主返還の有無、これにつきましては、先ほ ど申しました規約概要書で代用が可能なものでありますが、集計上の便宜のためにここ でもご記入をいただきたいと思っております。  (5)運用管理機関の状況ということにつきまして、全部で4点アンケート調査項目 を設けてございます。  まず(1)の2つ目の「・」で、運用指図の所要期間と書いてございます。これにつきま しては典型的なファンド、これを類型化して商品の組み合わせ等を作成致しまして、そ の期間をお尋ねすることになるかと思います。  1枚おめくりいただきまして、(3)の3つ目の「・」、(4)の項目、これにつきまして は、運用管理機関からの報告が必要となります。こうしたものの運営管理機関からの報 告につきましては、タイミングがございますので、調査時点での直近のものをとらえて お願いする予定でございます。  (6)が投資教育についてお聞きしたい項目であります。  導入前、導入後ということにつきまして全部で6点ほど質問項目を設けております。  (3)が投資教育の効果ということでして、企業側の投資教育の効果をどのように把握し たいと考えているのか、この意向を聞くつもりでおります。  (7)が各手数料でございます。  例えば(4)になりますと、商品類型別と書かれてございます。例えば信託のファンドで ございますと、信託報酬ですとか解約報酬、こういったものを想定してその手数料につ いて聞く予定でございます。  ただ、この多くが移行形態、更には総資産額、また管理形態等々によりまして大分手 数料が異なってまいります。そこで、それぞれの移行形態、資産、さらには管理形態に 応じて手数料がどうなっているのか、このことを調査する予定でございます。  ただ、それにしましても、(7)についてはいろんな意味でデータがとりづらいとこ ろでございます。ただ、従来の確定給付よりも、時とすると確定拠出年金の方がコスト が割高である、こういった米国での調査結果もございます。ですので、米国でのこうし た項目の調査方法も参考にしながら具体的な項目を決定していきたいと考えております。  企業調査の最後では、(8)実施企業としての意見、要望及びその理由を四つに分け てそれぞれの機関、国に対して意見、更には要望を聞いていく項目でございます。  最後に1枚おめくりいただきまして、加入者調査についてご説明します。加入者調査 につきましては全部で5項目挙げてございます。  最初が加入者の状況。  2番目が投資教育の状況と評価。特にこの中で理解度というものを重点的に調査方法 を工夫しながら聞いていこうかと考えております。  3番目に運用及び記録管理に関する会社の業務の評価についての項目を挙げてござい ます。コールセンター、ウエッブサイト、各企業がそれぞれ工夫されて投資の情報提供 を行っているものについて、加入者の方がどのように受けているのか、これを聞く項目 でございます。  4番目の資産運用の具体的な状況。  これにつきまして、全部で6項目ほど挙げさせていただいております。最後の(4)、(5 )、(6)の三つの項目につきましては、選択肢を設けまして加入者が回答し易いような工 夫をする予定でございます。こうした選択肢については、今後のワーキングの方で詰め たいと考えてございます。  最後に5番目として加入者の意見、要望、更にはその理由をフリーで聞く欄を設けて ございます。  以上でございます。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。それでは、これまでの説明、確定拠出年金の施行状況、確 定拠出年金実態調査等につきまして、何かご質問、ご意見がございましたらお願いした いと思います。いかがですか。  私の方から口火を切るという意味でも意見を言わさせていただきますと、一つ、最初 の意見交換を行う主な課題というのがございますけれども、挙げられた項目は非常に大 事な項目でございまして、これをきちんと議論をしていくことは非常に大事だろうと思 っているのですが、この他にも、例えばマッチングの拠出の問題や中途の引き出しの問 題、世間でよく言われているような課題も色々あると思っておりまして、是非、そんな ことも含めて自由に意見交換できたらと、また課題の整理ができたらと、思っておりま す。  それから、もう一つは、このように意見交換するのですが、この連絡会議の位置付け という観点からしまして、意見交換ということなのですが、それを解決に向けてどう取 り組んでいくのかということにつきまして、是非厚生労働省の皆さんに工夫、検討いた だきたいと思っております。少し意見を言わさせていただきました。 ○ 山崎課長  今、ご指摘の点は正にそのとおりだと思っておりまして、テーマの方は全然制限はご ざいません、どんなことでも結構ですし、私どももずっとここに参加させていただいて、 ご意見をお伺いして、当然制度改正とかいろんなことがこれからありますので、その中 でどういうふうに反映していくかということを真摯に考えていきたいと思います。 ○ 御手洗座長  他にございませんか。ご自由にどうぞ。 ○ 中村委員  確定拠出年金実態調査についての質問ですが、加入者調査、この中の個人型400 名調 査とあるのですが、個人型の中の1号被保険者と2号被保険者の若干のとらえ方の違い というか、それはあると思うのですけれども、その辺は400 名の中で分ける考えなのか どうか。それとも無作為に抽出して、結果を分けて処理するという形をとるのか、どう いう形になるのですか。 ○ 田村理事  1号と2号の加入者では制度の内容に少し違うところがありますので、当然分けた方 がいいと思っております。 ○ 中村委員  この400 名の中の、例えば100 対300 とか、あるいは加入者数に応じて比例させると かそういうことで考えるわけですか。 ○ 田村理事  まだ、そこまで詰めておりませんけど、今のところ大体そういう比率になっておりま すので、大体同数ぐらいを抽出することになるのではないかと思っております。 ○ 秦 委員  今の年金実態調査についてですが、企業を対象とする部分につきましては、対象を100 社にして、こういうご質問されることについて全然異議はないのですけれども、企業の 中の加入者の1,200 人の方ですが、これは多分悩まれているとは思うのですけれども、 今現に入っている企業によっていろんな入れ方があるわけですね。もちろん業態が違う とか、そういうことから始まりまして、既存の年金との関係においていろんな入れ方が あるのを無作為でとられても多分何も出てこない。つまり傾向も何もですね。基本的に あるパターンの企業に対して加入者を何十人とか何百人をとってこないと、100 の企業 から1,200 人とってきたのでは、多分ほとんど意味のない資料になってしまうのではな いかと思うので、ご検討いただければと思います。 ○ 御手洗座長  何かございますか。 ○ 石田教授  一つは、職種、規模、過去の導入状況、こういったものによって区分しながら調査を 進めていきたいと考えております。ただ、全般的に特定の業種に偏ったりですとか、特 定のものをサンプリングしてということではなくて、全業種幅広く調査を実施したい、 このように考えてございます。 ○ 秦 委員  産業調査ではないので、どちらかというと業種とかそういう問題ではないと思うので す。各個人がどうかという問題ですから、確かに軽い方の業種で、例えば流動性が高い 業種と、そうではない業種とでというのはありますけれども、むしろ多分多くの方々が 関心を持たれているのは、どれだけの確定拠出年金のウエイトが、自分の全部の退職金 総額のどの位のウエイトを持つのかということによって、いろんな意味での、例えば教 育の深さから始まって、商品の選択の違いというのは出てくるだろう。それはその方が どういう業種におられるか以上に、むしろトータルの退職金に占めるウエイトの方がは るかに影響が大きいのではないかと私は個人的に思っておりますので、業種で散らした から正しい結果が出てくる、総意が出てくるということにはならないのではないかと思 うのです。 ○ 石田教授  そこのところは、またこちらの方で考えて善処致します。 ○ 中村委員  これはもう一つの意見なのですけれども、個人型の話ですけれども、加入者調査も大 事なのですけれども、目的にあるように、「国民の老後の所得保障の一翼を担うものと して定着していく……」、そういう観点から言えば、例えば国民年金基金に入っていて も、今回の確定拠出年金を選ばない人、いわば非加入調査といいますか、あるいは企業 型年金を導入してない企業の従業員でありながら入らない人、その人についても制度の 問題なのかPRの問題なのか、あるいは今の公的年金に満足しているから入らないのか 、そういう部分が必要なのかという気がするのですが、 ○ 山崎課長  私が答えて良いのかどうか分かりませんが、調査自体ワーキンググループの方で実際 随分やってもらっていまして、いろんなことを検討されていると聞いております。制度 自体どのように普及するかというのは確かにあるのですが、何せまだ始まったばかりな ので、もう少し状況を見る必要があると思っています。  したがって、この実態調査自体は、本当に加入している方が満足しているかどうか、 ということを主眼に置いておりまして、その辺をまず調べていただいて、その上で時期 が経過したら色々なことをまた考えていくと、こういうことではないかと思っています。 ○ 吉武審議官  総じて申し上げますけど、新しいタイプの、しかも企業型で申し上げれば、社員の責 任による運用という仕組みを導入しているために、これはまた必要であれば、国会の議 事録をお読みいただきたいと思いますが、非常にシビアな議論がされています。  確定拠出年金はいろんな側面がありまして、例えば企業の今まで持っておりました確 定給付年金の企業債務を安定させるという意味は確かにあるのですけれども、どちらか というと確定拠出年金の導入の初期にはその議論が非常に多くて、確定拠出年金の本体 の議論が十分にされてなかったのではないかというのが私の率直な印象で、むしろ逆に 国会において、そういう問題についてシビアな議論がされています。  この調査、今のご議論も二つの側面がありまして、一つはこういう制度をとったとき に、先ほど申しました従業員に対する情報開示、しかもその情報開示が、できるだけ受 託者責任に由来されるような専門性の高い情報開示をやっていく。それを材料として社 員の方が自分で判断していくという、そこについてこの加入者調査というのは意味があ りまして、何よりも実際に使っている方々がどういうふうに考えているか、率直に調査 をしていただくということ。  それから、先程来お話がありますのは、例えば全体の退職金でありますとか、あるい は適格退職年金でありますとか、厚生年金基金でありますとか、そういうものとのバラ ンスの中で、いわゆる退職金・企業年金分野で確定拠出年金がどういうウエイトを持っ ていくかということですが、これはおのずといろんな調査方法があると思います。  例えば企業で導入しないというようなことを調査するとすれば、今日もここにご出席 していただいております経済団体で傘下の企業に聞いていただくとか、そういうやり方 もある訳ですので、そこの点は必ずしも、余り欲張って、後者にウエイトをかけるのは いかがかというのが私の考えです。むしろ一番最初のところを中心に調査やっていくと いうのがこのスタートの時点としては大事なことではないか。  後者の問題は、いずれ実施が進み、仮にこういう確定拠出年金を採用する企業が増え ていけば、おのずといろんな場面で議論されていくだろうと思いますし、端的に申し上 げれば、後者の問題は最終的には労使でお決めいただくしかないということだろうと思 います。それは必ずしも統計をとったときに、日本の企業にとってどれが最善だという ことがそこから出てくるはずはないので、統計をとる意味はあると思いますけれども、 そのことによって労使で個別でお決めになるところの最終の決定材料になるはずはない ので、この制度にとって本質的な調査はそういう意味では前者に重点を置いた調査では ないかと私どもは考えております。 ○ 太田委員  一つ意見があるのですけれども、よろしいですか。 ○ 御手洗座長  はい、どうぞ。 ○ 太田委員  実態を調べるという概念の中で、特に企業型、個人の社員の人たちが、特に、今まで の確定給付と違って確定拠出というものに代わって、その受容性というのですか、退職 金として今までもらうものは全部確定給付だったと。例えば2割程度までだったら確定 拠出のものが受け入れられるとか、そういう受容性の概念というのは、とり方は私は専 門家でないので分からないのですけれども、これは調べてみる価値があると思うんです。  というのは、将来の拠出限度額を考えるときに、受容性が一体どの程度まであるのか というのは非常に大きなガイドラインになると思うんです。もちろん税制の問題もあり ますでしょうけれども。 ○ 田村理事  私からお答えするのはどうかなという感じがするのですけれども、1枚目の資料をご 覧いただきたいのですが、調査項目の中に、(1)の企業調査の(3)、「他の退職給付の 状況」というのがございます。それとの関係で、今回どういう投資行動をとられている かというようなことも調べてみたいと考えていますので、ある程度今お話のあったよう な点はとらえられるかなという感じはしております。 ○ 吉武審議官  今の受容性の問題は端的に申し上げれば、クロスで相当数のことをやれば出てくるの だろうと思います。受容性の問題というのは、ここにも出ておりますけれども、例えば 中小企業の場合に非常に多いわけですけれども、従来退職金でやっておられた、しかし 退職金自体は削減をされずに、多分、業績が良い企業だろうと思いますけれども、確定 拠出年金をプラスに乗せられたところも結構あるわけです。  ですからこのプラスにのせられたところの企業の従業員の方に、例えば投資教育がど うだというふうにお聞きした場合と、それから既存の企業年金から移行された、あるい は退職金から移行されたケースについて、同じ設問された場合では、答えが違ってくる のではないか。その違いは、追えるものなら追えるかもしれませんが、しかし、そうい うことをやるためには、相当膨大な調査をやらなければならない。  もし、そういうことをやるとすれば、それは次のステップではないかというのが私が 最初から申し上げているところです。  そういう分析の前に、例えば投資教育について、実際にどういう不満があるかとか、 あるいは現状についてどういうふうに考えておられるかということをまず調査すること が大事であって、今の全体の退職給付なり、退職金と企業年金トータルの中でどういう 感じを持っておられるか。これは端的に申し上げれば、例えば退職金と企業年金トータ ルで、一時金換算で、1億円もらえる企業の方は相当ハッピーですから、多少ここで言 う投資教育が十分でないと思っても、トータルでハッピーだからハッピーだという答え が返ってくる可能性が高いのだろうと思います。  そこまでまだ行ってないのではないかというのが率直なところでございまして、むし ろ、そういう相関分析の複雑な分析の前に、第一次的な分析をやっていく必要があるの ではないか。と思います。 ○ 徳住委員  私もこの調査項目について、まずここからスタートすることについては基本的に賛成 でございます。ただ、この場で議論するについては、みなさんのコンセンサスとして、 健全な企業年金が多くの勤労者に拡充・発展させていくということをご当局も各社、各 団体とも基本的に、一致していると考えたいと思います。  今回整備していただいた新しい多様な選択肢の中の一つとしての確定拠出型年金制度ということにつきまして、ほとんどの企業が選択するかどうかということはみんな検討を しているのだと思うのです。  その際にいろんな形で、今あるいろいろなものを読んで検討しているのですけれども、 まだ詰まらずに採用ができないというか、採用に踏み込めない企業もたくさんあるとい うことで、そういう意味でこのような場をつくっていただいて、まず採用されていると ころの状況、あるいはその従業員の方々の満足度、特にここに書いてあります投資教育 の効果は、老後の所得について、どういうふうに自分で努力していかなければいけない のかということについて分かってくるということは今後企業年金を考えていく上におい ては非常に重要なことだと思います。  そのようなことから、私もなぜ確定拠出型年金を採用できないのかということをもう 少し洗い出した方が良いのではないかという思いはしますけれども、それは各経営者団 体等で一般的な調査をされた情報を出していただくというような形で、今審議官おっし ゃった形で私はよろしいかと思います。  ただ、審議官の一番最初のお言葉の中で、この確定拠出年金制度を入れるのが、要す るに企業が経営が持つリスクを個人にヘッジするというような感じのとらえ方で経営側 がとらえていたというような話については必ずしもそういうことではなかった。  私も最初からずっと取り組んできておりますので、ただ、そういうことを考えていた 経営者が無かったという訳ではないと私も思います。  そういう意味も含めて非常にいろいろな議論があって生まれた制度でございますので、 本当に大事に育てて大きくしていくことが大事だと思いますので、まず採用に踏み切ら れた企業並びにその従業員の方々の意識をこれだけの項目を調べていただいたら、相当 の情報が出てきますので、それが出てきたらこの場でも議論になると思いますし、それ を多くの企業や従業員の方々が知られて、確定拠出年金についての選択肢の参考になる という意味でも非常に重要だと思いますので、是非、調査をやっていただいて、最初に おっしゃいましたように一回の調査だけではなくて継続的な調査を是非よろしくお願い したいと思います。 ○ 吉武審議官  先ほど申し上げましたが、国会の審議におきまして、私どもとして責任持って申し上 げておりますのは、企業年金の選択肢を増やして行くということを申し上げているわけ です。選択肢を増やして行くのは、特に企業年金の分野で申し上げれば、退職金もそう でございますし、今までの確定給付型の企業年金もそうですし、今回の確定拠出年金も そうなのですが、三つというのは近い性格を持っているわけで、その中でどういう組み 合わせで……私どものサイドから申し上げると、公的年金の上積みとしての企業年金を 考えて行くかという問題であり、企業にとっては労使でご自分の社員の老後の生活をど れだけ安定させるか、それは企業の分野で何ができるかということに尽きるのではない かと思っています。  つまり私どもが例えば行政当局として、確定給付企業年金は大変だから確定拠出年金 に軸足を移して行こうとか、そういうことを基本的に考えているわけではありません。 私どものスタンスは選択肢をできるだけ増やして、選択肢の中で労使で十分議論をして 決めていただくということでございます。例えば企業が労使でご議論をされるときに、 確定拠出年金を皆様方も現実に経験をされておられるわけですから、議論をされたとき になかなかネックがあるとかいろんな問題点があるということは多分あるのだろうと思 います。  まず今大事なことは、導入された企業の方の経験を活かして、もちろんご自分の企業 の労使の話でありますからなかなか対外的に言える問題、言えない問題あるのだろうと 思いますが、できるだけ言える問題をおっしゃっていただいて、そのことが次に導入を 検討している企業の労使にとって参考になるのではないかということです。  企業年金の分野で、アメリカは20年かけて、確定給付と確定拠出が半々になっている ということはご説明で申し上げましたが、しかし、そのことは別に日本の企業年金が将 来これから20年後に確定拠出年金が半分を目指すべきだということを申し上げている訳 ではないということであります。  先程来現実のデータで出ておりますように、例えば中小企業の分野では、従来企業年 金がなかったところに、こういう確定拠出年金によって新たに企業年金が上積みになっ ているというところもあるわけであります。企業によって需要が異なりますし、同じ企 業でも企業の経営環境、10年後の経営環境、20年後の経営環境によって異なるわけであ りますので、行政として、こういう目標値を立てたいとか、そういう気持ちは持ってな いということを申し上げたいと思います。むしろできるだけオープンの議論の場として、 この場を活用していただくということが一番ありがたいことではないかと思います。 ○ 御手洗座長  いろいろなご意見出たわけでございますけれども、基本的にこういう調査結果が出ま すと、非常に貴重なデータになると思っておりますので、今言われたことが色々ありま す。よく工夫していただいてもう一度検討して実施の方向で頑張っていただきたいと思 っておりますが、よろしいですか、そういうことで。  それでは、次の議題に移りたいと思います。本日、財団法人シニアプラン開発機構か ら、千保喜久夫主席研究員をお招きしております。「確定拠出年金制度が施行されて」 というテーマでご講演をいただきたいと思います。  まず千保様から20分程度ご講演いただきまして、その後10分程度質疑応答の時間を設 けたいと考えております。  それでは、千保様、よろしくお願いしたいと思います。 ○ 千保主席研究員  ただいまご紹介いただきました千保でございます。お手元には資料4枚ほどでござい ますが、それに沿ってお話しさせていただきたいと思っております。私自身は年金関係、 企業年金関係の調査・研究をやってきた立場から今日のお話しをさせていただくわけで ございますが、このレジュメにつきましては、そういった立場からむしろ実際に制度が スタートしておりますので、いろいろ教えていただきたい点、お聞きしたい点をまとめ てみたといったようなペーパーでございます。  もう皆様ご存じのとおり、この制度につきましては、企業が仕組みを用意して、ある いは箱を用意して加入者がその中身を利用するといいますか、そういう制度でございま すので、必然的に制度の提供者といいますか、プラン・スポンサーというような観点か らの議論と、加入者、そういう加入者自身の視点からの議論が両方必要であろうと思う 次第であります。それについては、皆様よくご案内のとおりだと思いますけれども、そ ういうことで、レジュメのまず1でございますが、「確定拠出年金の制度提供者(プラ ン・スポンサー)としての視点から」ということでございますが、1枚めくっていただ きまして、図表1から3までということでございますが、私どもシニアプラン開発機構 で、今年の2月から3月にかけまして、まだいろんな諸条件が必ずしも確定している状 況ではないわけでございますので、暫定的な動向ということでございますが、各企業さ んに非常に選択肢が広がった退職給付制度の中で、今後どういった制度をどういう理由 で選んでいくのかというアンケートをとったわけでございます。その中から、先ほど申 しましたように暫定的なものながら、確定拠出に関わる部分を抽出してきたものでござ います。  ちなみにこのアンケート調査は、2月から3月にかけて約3,500 社の上場企業並びに それに準ずる会社に対して発送致しまして、631 社からご回答をいただいたということ でございます。まず図表1で、この「確定拠出年金制度について評価できる点」を聞い た【問8−1】でございますが、これは棒グラフの方で見ていただきますと、恐らく皆 様の感触と余り違わないのではないかと思うわけでございますが、まず何といっても回 答状況の棒グラフの7.これは企業の人事労務関係の方々にお聞きしたものでございま すが、「退職給付債務の削減に寄与できる」というのがまず挙げられています。  それから、6.の「運用リスクが軽減される」というのが次に挙がっています。  次の3.「現在の情勢にマッチしている」、8.の「優秀な人材を中途採用で引きつ けることができる」、これはいわば雇用の流動性に対応できる制度であると評価してい る。3.と8.は一緒に考えることができるのではないかという結果でございました。  それから、先ほど審議官からもお話が出ましたように、1.で「選択肢が増える」、 そもそも選択できるという状況が良いのだということも非常に高い比率で回答があった ということでございます。  反面、多少私ども意外だったのは5.「わかりやすく従業員の理解が得られやすい」 でございます。商品が用意されて、今後自分の残高が分かっていくという意味では分か りやすい制度ということで、人事の方も、労政の方もここはもう少し高い評価が得られ るのではないかと思っておりましたのですが、意外にそうではなかったということでご ざいます。  1枚めくっていただきまして図表2でございますが、今度はこの制度につきまして、 「課題・問題と考える点」はいかがでしょうかということでございます。やはり棒グラ フを見ていただければありがたいわけですが、ここでは6.「制度運営でコストがかか る」、7.「教育負担が重い」。この6.7.ここには明示されておりませんが、確実 に発生する毎期の拠出金、こういったものを考え合わせますと、コストが意外に掛かる というのが問題だというふうに受けとめられているのではないかと思うわけでございま す。  次が1.の「拠出限度が少ない」というようなこと。5.の「途中引き出しができな い」というような制約、そういったものが挙げられている。  そして3.の「特別法人税が課税される」ということが問題として挙げられていると いうことでございました。  図表3につきましては、こういった課題・問題を自由記入欄という形で書いていただ いたものでございます。これにつきましては棒グラフとあわせて、お時間があれば後で ご覧いただければありがたいと思う次第でございます。  こういった2月、3月の時点で回答した会社のほとんどが未実施の企業でございます。 ある意味では当たり前かもしれませんけれども、そういう会社の回答でこういう評価と 課題が出たわけですが、実際に制度を実施されてみて、まだ日は浅いわけでございます が、こういった、いわば事前の評価と課題と、今実施された後の実感というものがどれ 位ずれがあるのか、あるいはあまり無いのか、そういった点を是非お聞きしてみたいと いうのが一つでございます。  もう一つ、制度提供者の視点からというところの部分につきましては、図表4、お手 元の資料の一番最後の紙をご覧いただければありがたいということでございます。これ は昨年の1月、2月にアメリカに確定拠出に関わる調査で参りましたときに、ニューヨ ークに本店を置いております巨大なマネーセンターバンクの人事部に、その銀行の退職 給付制度について面談調査をしたときに聞いてまいりました退職給付制度の管理体制と いうことでございます。この巨大銀行の退職給付はキャッシュバランスプランと確定拠 出プランの二本立てになっているということでした。  この図表は、その中からヒアリングで聞いたものを図に起こしてみたものでございま す。この図をそのままもらったわけではございません。これは私どもの方でヒアリング した内容を図にしたものでございますが、一言で言えば、いろいろ訴訟云々という難し いお国柄みたいな部分もあることが理由かと思いますけれども、管理体制に非常に重き を置いているということでございます。年金委員会というものを作っておりまして、4 人の社外重役で構成されているということでございます。この4人の社外重役はフィデ ューシャリーの中心をなす方々ということでございまして、エリサとかIRSにかかわ る法規制について適切にその制度で活かしていくと、そういうことに責任を持つ立場に あるわけでございます。その下にPIMCOと申しますような実際の制度の運営を仕組 みからモニターまで司る組織をつくっていると。そのPIMCOという委員会には各行 内のセクションが関わっている。もちろん事務局と言いますか、中心になるのは人事部 ということでございますが、こういう体制になっています。  アメリカと日本を同一視するつもりはありませんし、こういう形のものを即日本に導 入する必要があるとも全く思っておりません。ただ、一個人をとっても、非常に長い期 間に関わる制度を運営するときに、かなりしっかりした管理体制が無いと色々困ること が出てきてしまうのではないかというのが多少実感するわけでございます。特にアメリ カの場合はこういう委員会で全ての意味のある決断は全部リトゥンペーパーで残してい くというのを原則としているようでございますが、そうしますと今度は日本において管 理体制をどういうふうに作られているのか、あるいはお作りになっていらっしゃるのか、 その辺りが研究する立場から言うと関心になるということでございます。  レジュメの2「本制度加入者としての視点から」ということでございますが、これか らは図表がなくて恐縮でございますが、加入者の視点からということで幾つかお話しさ せていただきたいと思いますが、まず第1点目は、加入者に魅力ある制度として認識し て、制度を利用していただくためには、まず現在の運用環境に対して対応していただく 必要があるのではないかということでございます。運用環境が非常に厳しいということ は誰もが承知していることでございますので、具体的に何かということになりますと、 三つありまして、一つは、特別法人税ということでございます。  2番目は、ここに書いてございますように、口座の管理手数料等、こういうものの手 数料をどなたが負担するのかということについてかなり突っ込んだご議論が要るのでは ないかというふうに考える訳でございます。先程図表4でヒアリングした巨大銀行のケ ースでは、約1年前のヒアリングの時点で、運用手数料以外の費用は会社負担、銀行が 負担しているとはっきり言っておられたということでございます。それから一昨年の11 月までは、投資信託の手数料、これも会社が負担していたと言っておられました。あれ だけリターンの高い国でもそういう状況があったということでございます。  ましてや日本ではかなり運用報酬のところまで踏み込んだ支援というものもあるやな しや、これは私が何か言うことではないのですが、そうしたことがないとスタートの当 初から非常に利回り的に厳しいものになり過ぎるというような懸念がないかということ でございます。  もう一つの点は、少し観点が変わるのですが、これから主要な商品になるであろう投 資信託につきまして、これが非常に私は個人的には心配しているということでございま す。日本における投資信託の歴史は悲惨といいますか悲劇の一言に尽きると思うんです ね。これを主要な主力商品として組み込むわけですから、回転売買といったようなこと はないにしましても二つあると思います。要するにどういう方々が運用するのか、投資 マネージャーは本当のプロなのか、あるいは人事ローテーションで回ってくるような方 々なのか、そういった実際の運用面についての監視がどうしても必要だろう。  さらには、往々にして日本の投信は運用スタイルが非常に変わります。こういった事 々につきましては必ずしも目論見書等でわかる情報ではないということです。というこ とになりますと、加入者から見ても分からないということです。加入者の視点から大事 なことではございますけれども、個人的には制度設定者の方々にこういった投信の中身、 加入者が信頼して投資できる商品なのかどうか、それを検証モニターしていただきたい。 そういうことが必要ではないかと思うわけでございます。  もう一つの問題は、加入者はよほどのプロでない限りまず素人ということでございま すので、分かりやすい制度、使いやすい制度が必須だと思うんですね。そういう意味か ら言って、ここに書いてありますように、教育関係のパンフレットというものがどの程 度充実しているか。分かり易いか、情報はどのくらい容易に手に入るのか、あるいは手 続が非常に簡単にできるのかということです。特に今後半年ないし1年、そういった期 間で送られてくるであろう報告書類、こういったものが加入者に本当に分かり易いのか ということです。これは特に投資信託の残高一覧表を見て、恐らく自分の資産が幾らか ということが分かる人はほとんどいないのではないかと思うんですね。ただ、私はかつ ての、数年前までの、自分で買ってみた投資信託の残高表を思い出して言っておりまし て、恥ずかしながら現在どのような、そういった加入者への報告書を用意されているの か知りません。もしもそれが改善されているということであれば、この部分は撤回させ ていただく、あるいは忘れていただければと思います。  しかし、銀行のシステム上の都合から一覧表がつくられているということが往々にあ るということでございますので、これは残念ながら、よほど注意していただかないと、 恐らく加入者には分からないということになるだろうということです。こういったこと について特段の配慮が必要なのではないかと思うわけでございますが、そのあたりも実 際のところどうなのかということです。  アメリカでは、ダルバーという会社で、そういうサービスプロバイダーから発送され るアニュアルレポート類の格付けを行う会社が既にある訳でございます。それ位分かり 易さというものについては注意していると言いますか、十分配慮しているということが あろうかと思います。  そういうことから言いますと、加入者の視点からということでは個々の内容というこ ともさることながら、そういった分かりやすい、使い易いという点で現在の制度はどう いうふうにスタートしているのかというのを教えていただければありがたいと思ってい るわけでございます。  最後の3「確定拠出年金制度の位置づけと制度普及に必要なこと」ということで、確 定拠出年金の、これは退職給付制度全体の中に占める位置付けとか、今も今後も大事な 人材をどう獲得し定着させるか、あるいは中途採用をどのように行っていくかという中 で退職給付制度が果たす役割があるのだろうと思って用意してお話しさせていただこう とは思ったのでございますが、吉武審議官から、第2ステップではないかというお話が ありましたので、思いだけをお話しさせていただいて、本日は割愛させていただければ というふうに思います。  私からは以上でございます。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。それでは、ただいまの千保様の講演につきまして、何かご 質問等ございましたらお願い致します。  この図表4のDCプランの管理体制という表なのですが、年金委員会というのはどん な構成になっておるのですか。例えば従業員の代表みたいな形の人も参加するような形 になっているのですか。 ○ 千保主席研究員  ここの主要メンバーというのは4人の社外重役。  つまり、独立取締役ということでございます。事務局としては、管理者:アドミニス トレーターとして、いわば人事部長が入っておられるということだそうでございます。 ○ 御手洗座長  その下のPIMCOというのは。 ○ 千保主席研究員  これは実践部隊ということで、年金委員会の管理の下に、実践部隊の委員会が、これ は各部門が集まる委員会ということだそうでございます。具体的に言いますと、例えば どういう投資商品を選定するのか、運用業者をどこにするか、いろんなサービスプロバ イダーをどこにするのかというような選定関係から始まって、途中の実際に投資するの は加入員でございますが、例えばこの銀行ですと16の投資商品を入れておりまして、そ の大半が投資信託ということなのですが、利益相反の関係から、自行のあるいは自行系 列の商品というものは二つしか入れてないということなのですね。あとは全部他社とい うことでございますので、他社の投資信託のパフォーマンスを評価して、問題があれば 外すというようなことをこのPIMCOでやっているということだそうでございます。 ○ 光谷委員  回答があった631社の中で、この後のフォローとしまして、実際に確定拠出年金を取り 入れられた企業はこの中でどれ位ありますか。 ○ 千保主席研究員  厳密には確認しておりませんが、先ほどの名簿から、10社程度はあるようでございま す。 ○ 石田教授  すみません、今の点と関連いたしまして、その当時に導入予定であったという企業と、 ほとんど考えてない企業との比率はお分かりになりますでしょうか。 ○ 千保主席研究員  色々な環境が確定的でないときに聞いておりますので、ある意味では概数という形で 受け取っていただければありがたいのでございますが、非常に大ざっぱな質問でござい まして、10年後位目途にどうなりますかというお話でございますと、確定拠出年金は631 社の内298 社が「何らかの形で導入する」というふうに答えておられました。何かと交 換するのでなくて、ともかく確定拠出を導入するだろうというのがそれだけということ です。約半分でございますね。 ○ 石田教授  どうもありがとうございました。 ○ 御手洗座長  他にいかがですか。 ○ 山崎課長  私が質問をするのもおかしいのですけれど、先ほど、投信の投資残高一覧表のお話が あたのですが、私も実物を見たことがないもので分からないのですが、今もそうなので すか。秦さんとか皆さんはご存じではないかと思うのですが、先ほどのお話では、今は 少しよくなっているのではないかというお話ありましたが、現実にはどうなのですか。 ○ 千保主席研究員  何かサンプル、例えば実際に加入者に、いずれこれからの半年とか1年置きに色々な 投資の残高表のような、実績表のようなものが配られるわけでございますね。そのサン プルをもしご覧になっていらっしゃるとしましたら、いかがでございましたか。分かり やすいものでございましたか。 ○ 秦 委員  私が発言すると誰かがくしゃみされるのではないかと思って若干心配なのですが、私 自身にも届きましたので商売柄やむを得ず開いたわけですね。まず第一感では率直に言 って分からない。特に1回目は分かりにくいのだそうですね。過去との差額が出てきま せんから。ですから特にそういうことは有ったのだと思いますけれども、早速会社へ行 きまして、人事本部や組合の方に聞きましたならば、その日から相当電話が殺到してま して、これはどう読むのだということなので、早速、言ってみればレコードキーピング 会社の方に、マニュアル何とかならないのかと言いましたら、マニュアル自身は有るの です。  ところがそれは当然レコードキーピング会社はそれなりのマニュアルも私どもの方に も来ているのですけど、それを読んでも相変わらず分からないですね。  なぜならば、見られた方はご存じだと思いますが、下に残高みたいのが入っているの ですけど、上の表題の言葉自身が極めて余り聞きなれない言葉が並んでいるわけですね。 ですからそれからして何言っているんだかさっぱり分からないということになるので、 早速もっと分かりやすいマニュアルを全員に配れるように早く作ってくれというふうに レコードキーピング会社に頼んだのですが、1カ月たってもまだ出来てこない。困った なという状況ですね。 ○ 千保主席研究員  多分いろんなタイプの金融商品を一表にして、例えば9月末の時価表示の実質的な資 産額というのは、保険タイプあり、預金あり、株式あり、債券あり、それを同じ基準で 揃えて表を作成するというのは物すごくお金が掛かることでもあるのだと思いますね。 ただ、お金は掛かるのですけれども、そこで加入者がつまずいてしまうのでは大変だな という実感でございますね。 ○ 秦 委員  同じようなお話は、例えば先程来出ていますけど、信託報酬とか留保額、大体言葉自 体が相当分かりにくいのですね。それに加えて残高について、それぞれ一口何とかとか いろいろ難しい言葉が出てくるわけで、確定拠出年金というのはマス商品ですから、誰 でもある意味ではイメージがわくような言葉に変えてもらう必要がある。  私ども留保額というのは、実は解約手数料という、本当は正しくないのですけど、預 金などですと明らかに解約手数料という形になりますから、それに合わせる形で全部説 明資料を変えてもらったりしているんですね。正しくないのだけれども、曲げてそうや ってもらうとか、そういう必要も出てくるし、何も投資信託の言葉をそのまま使う必要 も必ずしもないのではないかという気はしておりますね。 ○ 御手洗座長  他にいかがですか。  それでは、千保様の講演に関する質疑応答をこれ位にさせていただきます。千保様ど うもありがとうございました。  それでは、残りの時間使いまして、メンバーの皆様から一言ずつご発言をいただきた いと思っております。フリートーキングの時間ということでございますので、今の思い を色々言っていただけたらというふうに思うのでございますけれども、名簿の順で太田 様から順に、時間も限られておりますけれども、ご発言いただけたらと思うのですが。 ○ 太田委員  私、今回この会議にお声かけていただきまして、その時に考えた事ですが、とにかく 確定拠出年金制度、導入企業がどんどん日本の中で増えてくれなければ、つまり仲間が 増えてくれないと本当の意味でのメリットが出てこないですよね。そのためには微力な がら、自分でできることは是非やりたいなというような気持ちで入ったのです。とにか く一日も早く、先程の統計の数字拝見させていただいて、個人別なんですけれども、も う 1,300 人と見るのか、まだ1,300 人とるのか、どう見るかはあるのですけれども、 私個人の感覚としては、まだ1,300 人かという気持ちになってしまうのです。ですから 何とか仲間を増やしていきたいなという気持ちです。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。大場様。 ○ 大場様  今年の1月から私ども導入いたしまして半年たちました。私も通知をいただいて、私 の企業年金というのはこの程度貯まっているのかと、これから運用していくのだという ことでは非常に明快に自分の金額がわかって、全体の資産の中でどういうふうに老後の 設計をしていけばいいのかということのきっかけにはなりました。  これからの中で言いますと、やはりオリエンテーション、導入前の教育というのは私 どもしっかりさせていただきましたが、次のステップの教育というものをどうとらえた らいいのだろうかということが非常に悩ましくて、地理的にも私たち従業員の8割は全 国3,000 店舗に散っているということもあって、24時間365 日営業している店に勤務し ている人達ということもありまして、ここに対する従業員の教育、ここが私たちにとっ て一番大事なところですね。  二つ目は、今太田委員からもお話がありましたように、制度の普及ということについ て、何か私どもでできることがあったら、この連絡会議を通じて積極的に意見、あるい はアンケートをご協力しながら進めていきたいというふうに考えています。以上です。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。河合様。 ○ 河合委員  先ほどの太田さんがおっしゃられた点、全く同感でありまして、メリットの一つの仲 間が増えて、ポータビリティーというところのメリットの訴求力が出るようにするには どうすればいいかということがこの連絡会議で本当に機能していけば良いなというふう に思っております。  私ども導入を致しましたと言いますか、実質的には7月分、8月に拠出をするのがス タートということでございまして、まだちょうど従業員が運用指図をしておるところで、 まだデータも何もない訳でして、どういう問題がこれから発生してくるかというところ であります。  むしろ先行の皆様方のいろんなご意見を参考にさせていただきたいと思っております けれども、先ほどのアンケートといいますか、ご報告の中で、企業として導入の目的と かメリットはという会計上の問題もございますけれども、さりながら、もう一つ、ベー スになる確定給付のところはいじらずに、一時金のところを少し原資にしてやっている という非常に小さな制度でスタートしておるのですけれども、目的の一つとして、従業 員の意識改革をこれによってしたいなという気持ちを非常に強く持っておりまして、自 助努力といいますか、自立の精神といいますか、そういったところ、今までどちらかと いいますと、すべて会社丸抱えというふうな中で従業員が育ってきている中で、「自分 のことを自分で考えよう」というきっかけにしたいなという気持ちが強うございます。  そのためにも、皆さんも当然の課題としてお持ちでしょうけれども、個人拠出という ことをいかにして早く実現をできるのかというふうなところのご議論をさせていただけ ればありがたいと思っております。以上でございます。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。徳住様。 ○ 徳住委員  確定拠出型年金を導入していただくに当たりまして、日経連、経団連の中で、その導 入に向けた取り組みをさせていただいたわけで、私の会社自身については、今どうする かということについては態度を明らかにしていませんが、分社しました会社は導入に向 けて、今、着々と準備を進めているところでございます。  この確定拠出型年金は本当に長年の悲願でございましたので、これが先ほども申し上 げましたけれども健全な形で発展していくということにこの会が大きな役割を果たすの ではないかというふうに期待しておりまして、その中で幾ばくかの発言をさせていただ ければというふうに考えております。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。長久保様。 ○ 長久保委員  日商岩井は、厚生年金基金を解散して、全面的にこの確定拠出年金に移行しました。 退職金の3分の1が一時金ポーションで、3分の2が企業年金という大まかな比率だっ たのですが、3分の1は前払い退職金に、3分の2の年金は確定拠出年金に全部移行し たということで大胆にやらせていただいたのですが、そのような中で、自立した社員の 育成ということが一つあります。それともう一つは、企業側のメリットも有ります。4 月から運用を始めたのですが、実際の拠出は5月24日、27日です。社員の方の意識はな かなか変わってなくて、選んでいる商品というのは定期型が多いのが現状です。  もし具体的な運用指図をしない場合は、全面的に定期の方に入るように自動的に組み 込まれるような形にしています。現実には約60%の人が具体的な運用指図をしていませ ん。つまり定期に入れている。定期に入れているのは本人の意思なのか、運用指図をし ないためになっているのかの意識調査というかフォローはまだしてないのですが、ただ、 4割の人が既にいろんな形で商品を選んでいます。  マーケットにかなり近いところで商売というかビジネスをしているため人にとっては、 取り組みやすさというのはあるのかなと。ただ、女性一般職の人たちはなかなか動き にくいのかなという印象を持っています。  いずれにしましても確定拠出年金は、言ってみれば個人にとってリスクが高いような イメージが一方であります。ただ、今金利が非常に安いというか低いというか、確定拠 出年金を採用するにはいい環境にあるのではないかと思っています。つまり運用の金利 を設定する際に、今ならば低い利率で企業側も設定していくでしょう。長い期間で見れ ば、経済回復してくれば当然金利も上がってくるということで、期待運用収益も上がっ てくるはずなので、社員にとっても長い目でみれば、想定よりも高い収益が得られるの ではないかというようなこともあるので、今がチャンスだろうと思っています。  ですから、確定拠出年金を導入し、これをマーケットにメッセージを送るのはこの1、 2年集中してやるべきですが、ただ、改善をしていかなければいけない問題もありま す。是非、我々も勉強させていただいて、実際運用面の中で問題があれば提起させてい ただき、改善をご検討いただければ、我々もさらに社内の普及、関係会社への普及もし ていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。中村様。 ○ 中村委員  私どものJR東日本でありますけれども、7万数千人の社員がいるわけでありますが、 個人型をやっているという希有な例だとは思うのです。昨年の秋に会社としての意思 決定したのですが、その前に労働組合との議論も何回かさせていただきました。  私どもはかつては国だった時代があるわけで、それ以来、退職一時金制度にずっと馴 染んできているということで、それに対する社員の期待感といいますか、老後の生活設 計の中にきちんと入っているということもありまして、労働組合も退職一時金制度に手 をつけないならば、企業型を導入してもいいよという、そういう条件付なものですから、 まだ機は熟してないなということで、個人型を、しかししっかりと取り組んでいこうと いうことで会社としての意思決定をしたわけであります。  公的年金制度について色々と言われている中で、自助努力の部分、これは当然にあっ ていいわけでありまして、これまで財形年金などを取り組んで来てはいるわけでありま すけれども、それは今のところは1万人超えている状況な訳ですね。  しかしながら、今回の確定拠出年金につきましては、選択肢が広がるのが良いという ことでやっているのですけれども、今のところは十数名にとどまっているということで、 まだまだPRが足りないか、あるいは自己責任というのを強調したために社員が臆病に なっているのか、どちらか分かりませんけれども、まだまだ不十分だなというふうに思 っています。  ただし、会社としてこの個人型をやっていくという場合に、非常にまだるっこしさを 感じているところがありまして、深入りできないのですね。「やりなさいよ」とも言え ないし、やるかやらないかも個人の判断でありますし、まして金融機関のどこを選ぶか というのも個人の責任で、個人の判断でやりなさいと。会社として一定の金融機関を選 んで説明会をやるということもできないというようなことでありまして、会社としてで きるのは、一般的な制度の解説ぐらいにとどまっているということでありますので、そ の辺のまだるっこしさを感じていると同時に、そういうことがこの十数名にしかまだな らないということなのかというふうに思っております。  特に今まで入っている人何人かに聞いてみたのですけれども、やはり魅力として感じ ているのは、掛金の所得控除の部分でありまして、そうすると老後の備えというよりは 財産形成という、そういう部分で選んでいる部分もなきにしもあらずなんですけれども、 ただ、そういうことでも積み立てていけば、やがて老後の蓄えになっていくということ であり、それでもいいかなと思っておりますので、メリットをこれから具体的に示しな がらいきたいと思っております。商品の紹介でもできればいいのでしょうけれども、そ れもまだできないということでありますので、そういうところは金融機関に独自にやっ てもらうということをお願いしながら、今取り組んでいるわけであります。  ただ、今回参加させてもらう中で、入った人も、躊躇している人もいろいろとこれだ けは言ってくれという部分もありますので、それは次回以降の具体的なディスカッショ ンの中でお話しをさせていただきたいと思いますが、期待感は多いという感じはします ので、これからの魅力づけ次第かなというふうに思っております。よろしくお願いしま す。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。秦様。 ○ 秦 委員  私どもは厚生年金基金を解散するのですが、そのお金を持って確定拠出年金に移行す るということで、入社以来の退職金の60%部分をすべて確定拠出年金の過去分とてして 放り込むという仕組みになっておりますので、多分ほかの会社さんと比べて一人当たり の運用残高が非常に大きな金額になるということが一つの特徴になるかとは思います。  そういう中にありまして、第1回目3月25日に実施したものの配分につきましては、5 1%が投資信託を選んだということで、組合に言わせれば投資教育の成果ですねと褒めて いるのか、けなしているのかよくわからなかったのですが、そういうようなことで一応 そこそこの予定された今の金融状況の中ではこのようなレベルなのかなと。特に言える のは、30代、40代の働き盛りの方々が一番リスクを取ってきたということですね。そう いう形からいっても、ある程度トータルではありますけれども、妥当なレベルで走り始 めたかなという感じは持っております。  私もこの委員として参加させていただきまして、確定拠出年金は、まだまだ改善しな ければいけない点が税法とか制度とか大きいところから、先ほどありました言葉じりの 問題に至るまで、大小取り混ぜて、しかも相手先がご当局から始まって一金融機関に至 るまでたくさんあるわけですね。ですからこういう制度を使いまして、是非、できるも のからまずどんどん改善していくと。初めから余り大きい税法改正すべきだとかという 話をやってみても前へ進まないところもあると思いますので、できることをまずしっか りやることによって、少しでも魅力のある商品にして、結果として仲間を増やすと。仲 間を増やすということが一番大事なことだと思いますので、そういうことで、私も少し でもお役に立てればと思っております。  自助努力という観点からしますと、先ほどから再三出ておりますけれども、やはり会 社にとっての最大の難物は継続教育の問題だろうと思います。これをどういう形でやっ ていくかというのは、幾ら考えてもなかなかグッドアイディアが出てこないので、是非 委員の皆様方のお知恵も拝借しながら、どういうやり方が一番なのかということを私自 身の課題として今後とも考えていきたいと思っております。以上です。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。光谷様。 ○ 光谷委員  私のところは住宅の資材であるとか設備の卸売をしている会社でございまして、社員 が大体400 人ぐらい。そのうち女性が80人ぐらいという会社ですが、これまでは総合型 の厚生年金基金と適格年金に加入しておりまして、厚生年金基金の方は小さくて8割以 上は大体適格年金、という会社でございます。  今回この適格年金部分を全額確定拠出年金の方に100 %移行しました。したがって、 かなり大きな、例えば五十何歳になりますと2,000 万円近くになるわけであります。こ れを一遍に確定拠出年金に全員を入れるということは止めまして、人それぞれ人生設計 がありますし、確定拠出年金における制度面の制約もありますので、かなりいろんな選 択肢を設けたんですね。一つは、確定拠出年金に入ってもいいし、入らなくてもいいで すよと。確定拠出年金に入らない人は時期を見てその後入ってもいいですよと。  その結果としては、結局男子はほとんど全員入りました。女子は80名位の内の30名位 を除いて入りました。つまり30名ぐらいが非加入となりました。この結果、それはどう してか。これは60歳になるまで引き出せない。これが大きなほとんどの理由であります。 それから、当然といいますか、手数料的なものは当社に在籍している限りは当社で全部 払うけれども、それ以降は自分でみてくださいということがネックになったのかなとい う感じが致します。そういう選択肢を設けた。  それから、全額移行というときに、もし、60歳まで引き出せないのだったら、今のう ちに少しは欲しいですよという人も当然いるわけですね。したがって、それも欲しいだ け分配しますと。これは税制面で所得税という問題はありますが、そういう選択肢も設 けた。ただ、確定拠出年金に移行しないで、その部分を分配した金額は大体全体の1割 程度。したがって、9割ぐらいは全額確定拠出年金に移行した。そういう選択肢も設け た。  ところがこれもまた制度面からなのですが、総合型基金に入っているので限度額が非 常に小さくなってしまいます。つまり年間21万6,000 円という金額にしかならない。そ うしますと、これまでの適格年金からの退職金に換算しますと、どう考えても全然足ら ないわけです。半分以下しかならないということで、さらに当社独自の退職金制度を新 たに作って、それは退職一時金で退職時にもらうのも良し、あるいはその都度、前払い 退職金という格好で、毎月の給与に上乗せしてもらうのも良しと、そういうふうにいろ んな選択肢を設けたので、それが結局、従業員の反対もなく極めてスムースには入れた かなと思います。  これを実際に始めましたのは4月、つまり5月の下旬からの拠出なので、まだ何とい いますか、十分なフォローはできてないのですが、実際にどんな商品に入ったかという と、これは8割ぐらいが実は定期預金。投信だとかそういうものに入ったのは2割ぐら い。その理由については全社的なアンケートは取ってないのですけれども、20〜30人か らの聴取では、投資信託に関しては勉強していると。したがって、3カ月から半年後ぐ らいにかなり変わってくるのではないかと思っております。大体10月ぐらいにちょうど 半年たちますので、その時点でもう一回投資教育といいますか、それをもう一回やり直 したいなと。その結果一体どういうふうになるか、実は考えている次第であります。  先程、アンケートといいますか、ここで実態調査といいますか、実施状況についての 調査もするということなので、それと当社の状態がどういうふうになるのかということ も十分検討させていただいて、いろいろ参考にさせていただきたいし、我々の会社にお ける実態から、どういうところに問題があるのかということも、これからのこの会議を 通しまして色々とお話しさせていただきたいし、皆さんのご意見も是非伺いたいと思っ ていますので、よろしくお願いしたいと思います。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。渡邊様。 ○ 渡邊委員  私どもの会社の社員数は1,700 名ほどでございますけれども、その中でプロパー社員 と申しますと750 名ほどでございます。その他の社員というのが、これは東京電力の方 から参っておりますOB社員あるいは出向社員というようなことで、これが半分ほど占 めております。  そういうことで確定拠出年金に加入する対象者というのが750 名というようなことに なってまいります。確定拠出年金につきましては、組合の幹部の方とここ2年間ほど労 使共同で検討会を続けてまいりまして、大分コミュニケーションは通じておりました。 ただ、先ほどから実態調査あるいは千保先生の調査でも分かりやすく従業員の理解も得 られ易いということについての評価は余り得られなかったというようなことがございま したけれども、これはやむを得なかったのではないかというような気は致します。と申 しますのは、私ども幹部の方とは話は通じていたのですけれども、やはり一般社員の理 解というのはなかなか得られなかったということがございます。  私どもの当初の計画としましては、4月導入というような計画でおりましたのですが、 これが一般社員の理解がなかなか得られないと。組合幹部の方から、これを社員全員の 理解を得て、さっぱりした形で導入をしたいというような申入れがありまして、これを 7月導入ということにしたわけでございます。  そんなことで750 名というとそんな大した数ではないというふうに思われるかと思い ますけれども、750 名という数であっても、その一人一人の理解を得るということはな かなか難しいことだというふうに思います。先ほどその実態調査というようなことでも って、一人一人全部調査するというわけではございませんけれども、そういう調査をす ることによって理解を深めるということが必要かと思います。  そういうことで、私どもも組合の申入れを受けまして7月導入ということに踏み切っ たわけでございます。その後、投資教育等も時間をかけて進めてまいりまして、それな りの理解は得ているのではないかと思って今進めております。  この会議に私も出席させていただきまして、これからも更に勉強はしてまいりたいと 思いますのでよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。それでは最後、泉様。 ○ 泉 委員  私ども個人型年金の方の立場から申し上げますと、一つは皆様方企業型を導入した企 業を離職・退職された方々の受け皿といいますか、そういう形になるわけでございます。 先ほど57人の方がこれまで移換の申し出をされていると申し上げましたが、まだされて ない方というのも相当数いるように認識しておりますし、そうした方々の中では、それ ぞれ企業型の仕組み方によって違いますけれども、数百万円位ものまとまった資金を個 人型に移換してくるというような方の事例も出ております。数百万円といいますと、個 人型の歴史がまだ全く短いですので、加入者数百人分ぐらいの資産を一人でお持ちだと いうような形にもなるわけですので、そうした辺りの移換というところをどうスムース にやっていくかと言うことが大切になってきます。  特に企業型の場合ですと、自分で運用するのだというところをまず理解されても、個 人型に移ってくる際には手続面を全部ご本人で基本的にやっていただかなければなりま せん。そういうところ辺りが、まだまだこれから私どももですけれども、皆様方と一緒 になって、そういう情報をきちんと徹底していかなければならないのかなというふうに 思っております。  それから、1,300 人という加入者数はどうなのかなというお話ありましたけれども、 まだ始まって半年ということで、制度の知名度といいますか、認知度というものがまだ まだだろうと率直に思っております。そういう意味では、加入する、しないは本人の自 由でありますけれども、選択肢として、そういう制度があるのだということを知ってい ただくための活動はやはり必要ではないかと思っております。  そういうことで、この会議の場でもいろいろと皆様からもご意見をいただければあり がたいなというふうに思っております。よろしくお願い致します。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。皆様の熱い意気込みを感じまして、是非、この場を積極的 な議論の場にしていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願い致します。  それではそろそろ時間もまいりましたので、最後に今後の進め方につきまして、事務 局から説明をお願い致します。 ○ 山崎課長  お手元の資料で資料7という1枚の紙がございます。「当面のスケジュール(案)」 と書いております。これはあくまでも目安でございますので、状況によって変更がござ いますが、次回を7月下旬頃にどうかと考えております。  ヒアリングと書いてありますが、せっかく参加していただいています各企業の方から、 例えば3社程度の方から導入状況とか思われている課題等についてお話しいただいたら どうかと思っております。  次回は日立製作所、サンデン、アプライドバイオシステムズジャパンの3社にお願い したいと思っているわけでございますが、そういうことを、2回、3回、4回に確実に 進めていきたいと思っています。  フリートーキングについても、テーマは限りませんが、例えばということで、税制と か投資教育あたりを次回あたりに更に議論を進めていただいたらというふうに思ってい ます。その他と書いておりますので、まだ状況次第によって、いろんなものをご相談さ せていただきたいと思っております。  以上でございます。 ○ 御手洗座長  ありがとうございました。最後になりますが、私の方から一言申し上げたいと思いま す。今回、企業の担当責任者を中心に自由に意見を交換していく場ということでござい ます。 それで、本日、会議を開催したわけでございますが、今後はメンバー以外の確 定拠出年金の実施企業の方々にも是非事務局の方からご連絡いただきまして、希望があ れば傍聴できるように配慮していただきたいと考えておりますので、よろしくお願い致 します。 ○ 山崎課長  はい。 ○ 御手洗座長  それでは、大変御苦労様でございました。本日の連絡会議はこれで終了致します。お 忙しいところありがとうございました。 ○ 山崎課長  事務連絡でございます。お手元に次回の開催、7月下旬と言いましたが、日程の調整 表をお配りしておりますので、大変恐縮ですが、そこにマルを記入していただいて、テ ーブルの上に置いていただけますようにお願いしたいと思います。次回の開催日時と場 所は、また今後追って連絡させていただきたいと思います。  以上でございます。