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確定拠出年金
連絡会議
第2回
平成14年8月1日
 
資料5


米国401kにおける投資教育の現状と日本の確定拠出年金


  米国401k 日本の確定拠出年金
内容決定方法  制度内容や投資教育については、基本的には企業が受託金融機関と相談の上決定し、労働組合や従業員が関与することはほとんどない状況。(評価モニタリングも含めて各金融機関が実施)  労使合意により制度を実施し、規約の内容や投資教育の内容等についても労使で合意し、規約に明記する必要がある。(ただし、投資教育や運用商品の評価・モニタリングについては、法令や法令解釈通知においても特に明定していない。)
実施機関選定  加入者への投資教育の内容等は、受託金融機関の選定に当たっての重要なポイントとして位置づけられている。特に、加入者とのコミュニケーションのしやすさ・充実度にウェートをおいていることが多い。  企業が投資教育を実施する金融機関等を選任する場合には、加入者の利益のみを考慮した上で選定するよう義務づけている(法令解釈通知)。ただし、現在の法令解釈通知では、投資教育に関する加入者とのコミュニケーションの充実度等も踏まえて選定することまでは定めていない。
定期性等  約9割の企業で加入時に投資教育が行われているものの、継続的、定期的な投資教育を実施している企業や金融機関は6割程度にとどまっており、企業側は、定期的な投資教育の実施を求める声が加入者の側から強まっていくものと予想している。  加入者に対し定期的に情報提供(投資教育)すべき内容等については、法令解釈通知でも特に明定していない。
自社株  企業のマッチング拠出(上乗せ拠出)に係る自社株での運用規制を設けている企業では、当該規制を撤廃し、企業のマッチング拠出分も含めて加入者が自由に運用商品を選択できるようにするという動きが広がっている。
 401kは自己責任で運用する制度であり、自己の判断で自社株を運用商品として選択することは問題ないという見方が多く、エンロン問題を契機として投資教育の内容を変更するというような動きは出ていない状況にある。
 特定の運用商品で運用するよう制限することはできない。(そのような規約は承認されない)
 また、自社株を運用商品として選定する場合には、忠実義務の趣旨に照らし妥当であると認められる場合に限られ、また、事業主等が運用商品を加入者に勧めることは一切禁止されている。

 米国401kにおいては、投資教育を行う金融機関から投資アドバイス(どの運用商品を選択したらよいか)を受けたいという意見が、加入者から寄せられるという状況である。なお、金融機関が投資アドバイスを行うことを解禁する法案(ボーナー法案)については、賛否両論がある。


表1 投資教育の手段と評価
(%)
投資教育の手段 実施割合 手段に対する評価
効率的 非効率的
書類、資料の配付 99 95  5
説明会やセミナーの開催 87 96  4
インターネットの活用 62 92  8
ビデオテープの配布 58 83 17
双方向のソフトウエア 50 77 23
一対一のカウンセリング 31 91  9
電話相談 31 84 16
その他 43  −  −
出典:Hewitt Associates社調査(1999年)


表2 投資教育の具体的な内容と実施割合
(%)
投資教育の内容 実施企業の割合
アセット・アロケーションモデル資料の提供 100
リスク概念の内容及びリスク耐性 95
基礎的な投資に係る専門用語等の解説 88
プランの内容・メリット等 88
金融商品のリスク等の内容※ 88
退職後に必要な所得にかかる推計 73
インフレの効果 46
退職前の中途引き出しの影響 39
※具体的には各金融商品の種類ごとのリスクレベル、期待できるリターン、有価証券のタイプ、金融商品を提供している企業にかかる情報、手数料の内容がある。
出典:EBRI調査(2000年)



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