02/07/18 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添加物合同部会議事録            薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会                         毒性・添加物合同部会議事録              【日時】  平成14年7月18日(木) 午後6:03〜午後8:14 【場所】  厚生労働省専用第22会議室 【出席委員】(敬称略)        井上達、井村伸正、江崎孝三郎、小沢理恵子、香山不二雄、黒川雄二       (毒性部会長)、鈴木勝士、鈴木久乃、高仲正、津金昌一郎、       長尾美奈子、中澤裕之、成田弘子、西島基弘、林眞、廣瀬雅雄、       米谷民雄、三森国敏、山崎幹夫(添加物部会長)、山添康、吉池信男、       四方田千佳子 【事務局】 尾嵜食品保健部長、石井基準課長、吉田課長補佐 【議題】   (1)フェロシアン化物(フェロシアン化カリウム、フェロシアン化カルシウム     及びフェロシアン化ナトリウム)の食品添加物としての指定の可否について   (2)その他 ○事務局  定刻を過ぎておりますので、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会毒性・添加物合同 部会を開催させていただきます。  本日はご多忙のところ、またこのような遅くにご参集いただきまして、まことにあり がとうございます。  本日の合同部会でございますけれども、毒性部会の委員12名中11名、添加物部会の委 員15名中13名にご出席いただいておりまして、本日の部会が成立いたしますことをご報 告申し上げます。  まず、初めに食品保健部長からごあいさつを申し上げます。 ○食品保健部長   食品保健部長の尾嵜でございます。両部会の先生方には大変お忙しい中を、また遅く から始めます会にご出席いただきましてありがとうございます。感謝申し上げる次第で ございます。  本日、開催させていただきました内容につきまして、また後ほどご説明させていただ きますが、ごあいさつの中で簡単にお話しさせていただきたいと思っております。既に 、今月12日に厚生労働省としての添加物の取り扱いにつきまして、一つの大きな方針に つきまして記者発表をさせていただいたわけでございます。本日、資料にもお付けいた しておりますが、1つは、きょうご議論いただきます塩の固結防止に使われております フェロシアン化物という添加物の問題の前にも幾つかの添加物、日本ではご存じのとお り厚生労働大臣が定める添加物以外は使えないという、いわゆる指定制になっているわ けでございますが、そういった指定外のものが使われておるというケースが幾つか出て まいったわけでございます。  そういった中で、一つは安全であるということが国際的にきちんと確認されておると いうふうなもの、あるいはまた非常に広く汎用されておるようなものにつきまして、私 ども、これまでの考え方、どちらかといいますと添加物については極力数を絞ると申し ましょうか、表現ぶりはございますが、そういった考え方で添加物として指定されてい る数というのはあまり増えてこなかったわけでございます。同時にもう一つの方針とし まして、言うなれば企業からの要請と申しますか、指定要請というものがあって、こう いった審議会の場でご審議をいただくという2つの大きな方針をとってきたわけでござ います。  しかしながら、今回の一連の添加物の問題の中で、私ども今後厚生労働省としての食 品衛生行政の中で、こういった国際的に安全であることが確認され、なおかつ汎用され るというふうな添加物、そういったものが既に各国で使われており、日本に特に加工品 として入ってくる可能性が非常に高いという状況で、添加物に対します対応をどういう ふうに考えるかということで大臣などにご相談をし、先ほど申し上げましたように、12 日に厚生労働省としての方針として3つ発表させていただいたわけでございます。  今日、ご審議いただきますフェロシアン化物につきまして、きちんと安全性について のご確認をいただきたい。その安全性の問題が第1でございますので、そこは大前提と いうことで評価をお願いいたしたいということでございます。そういったことが確認さ れた上で、フェロシアン化物についての指定をお願いしたいというふうな考え方を公表 させていただきました。  もう1点は、これまで申し上げましたように、要請に基づいて添加物の指定を行って きたという経緯がございますが、こういった状況の中で、今後、これも部会の方にご相 談するお話でございますが、似たような添加物が国際的に使用されているものがござい ます。  そういったものをどう考えていくのかということで、一つの考え方の整理をしたいと いうことで、例えばそういった国際的に安全性が確認され、なおかつ汎用されていると いうふうなものの中で、必要なものにつきまして要請を待たずに、場合によっては厚生 労働大臣が職権で指定する方向でご審議をお願いする、そういったところまで考える必 要があるのではないかというふうな考え方を出したわけでございます。  そういうことで、記者発表をさせていただきましたが、いずれにしましても、繰り返 しになりますが、前提は安全であるということがまず第1でございます。いろいろ議論 した末に、安全であることが前提にあり、その上でなおかつ、国民の方に安心していた だけるような対応方針ということで、今回のような方針を打ち出したわけでございま す。  今日、フェロシアン化物についてのご審議、それとそれ以外の添加物につきまして、 どういう考え方で進めればいいのか、この2つをお諮りし、ご意見をいただきたいとい うふうに思っているところでございます。どうか、先生方のようなご専門の立場からご 審議をお願いいたしたいと考えております。よろしくお願いいたします。 ○事務局   それでは、本合同部会の座長につきましては、毒性部会長でいらっしゃいます黒川先 生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○黒川座長   そういうことでございますので、山崎大先輩もいらっしゃるのですけれども、座長を 務めさせていただきます。  それでは、配布資料の確認からお願いいたします。 ○事務局   配布資料の確認をさせていただきます。  本日、先生のお手元に配布させていただきました資料といたしましては、座席表と青 のファイル、それから別紙で資料3’−1、資料3’−2、資料5、配布資料一覧とい うものを配布させていただいております。  資料1〜4までにつきましてはファイルの中に綴じ込んでおります。赤の耳をつけて おりますけれども、資料1といたしましては「指定外添加物を使用する食塩及びその食 塩を使用し製造した食品への対応」ということでございます。  資料2としましては、「フェロシアン化物の食品添加物としての指定の可否に関する 諮問について」という資料でございます。  資料3でございますけれども、「フェロシアン化物に係る指定要請資料及びその添付 資料」というものでございます。資料3につきましては細かい資料がたくさんついてお りますけれども、ファイルの一番最後の方に資料4といたしまして、「フェロシアン化 物の安全性に関するFDAの評価資料」というのがございます。  それから、資料3’−1、資料3’−2と別紙でお手元の方に置かせていただいてお りますけれども、これはIUCLID Data setというものでございまして、EUの 化学物質のデータベースの資料ということでございます。3’−1がフェロシアン化ナ トリウム、3’−2がフェロシアン化カリウムに関する資料となっております。  最後、資料5ですけれども、表題が「国際的に安全性が確認され、かつ汎用されてい る未指定添加物の指定についての考え方(案)」になっております。本日、お手元にお 配りしております資料は以上でございますけれども、もし不足等ございましたら、お申 し出いただければと存じます。 ○黒川座長   お揃いでしょうか。  よろしければ議題に入りたいと思いますが、本日の議題はご案内のとおり、フェロシ アン化物の食品添加物としての指定の可否についてということでございます。  先ほど食品保健部長のお話にもございましたように、今回は異例といいますか、特例 としてフェロシアン化物について緊急の指定の検討を行わなければいけないということ で、こんな時間にお集まりいただいたということでございますけれども、そこに至った 経緯ということで事務局の方でご説明をお願いいたします。 ○事務局   それでは、資料1、資料2に基づきまして、今回ご審議いただくまでに至った経緯に つきまして、簡単にご説明させていただきます。資料1が先週金曜日12日に記者会見さ せていただきましたときの資料でございます。合計4枚の資料でございます。  この資料1の参考資料の2ページ目をお開きいただきたいと思います。「2.フェロ シアン化物に係る経緯」ということをまとめさせていただいております。  6月14日に中国から輸入された食塩につきまして、埼玉県の業者が検査を行いました ところ、食品衛生法上で認められていない添加物でありますフェロシアン化物が検出さ れ、自主回収を行ったということが起こっております。  19日は、その塩を使ったサバの加工品、これも中国でつくられたものでございますけ れども、こういったものがあるということで、食品衛生法違反の適否について照会を受 けております。  (3)でございますけれども、その他、中国で製造された菓子原料や食卓塩、それか らノルウェーで製造されたスモークサーモン等々につきましても食品衛生法違反に該当 するか否か、厚生労働省の方に複数の照会が上がってきたという状況がございました。  (4)といたしましては、アメリカ、カナダ、欧州委員会、豪州、タイの在京大使館 から、今回のフェロシアン化物に関連いたしまして申し入れがございました。フェロシ アン化物は国際的に使用が認められているというものでございまして、その輸入を禁止 することは経済的に大きな損失となり、両国及び企業の信頼喪失ともなるので、早急か つ現実的な解決を図ることが必要であるというような申し入れを受けております。  こういった状況から、7月1日に(社)日本輸入食品安全推進協会から、本フェロシ アン化物に関しまして食品添加物として指定してほしいという要請がなされたという経 緯がございます。  3ページ目をお開きいただきたいと思いますけれども、フェロシアン化物についての 簡単なご説明でございますが、イに化学的な構造式を書かせていただいておりますけれ ども、食品添加物としての目的としましては、粉末食品等が吸湿することによって固ま るのを防ぐ、いわゆる固結防止剤という目的で使われるものでございます。フェロシア ン化物と総称しておりますけれども、その中にはカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウ ム塩等々が使われているということでございます。  我が国におけます塩に使用される添加物、固結防止目的で使われる添加物といたしま しては、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなどが添加物として指定を受けており 、実際に使用されているという状況でございます。  諸外国の状況でございますけれども、ここにありますように、アメリカ、カナダ、E U等々、国際的に広く使用が認められているところでございますし、コーデックスにお きましても添加物としての使用基準が議論されているという状況でございます。塩につ きましては、最大添加量として20ppmというふうな形で基準づくりがなされているとい う状況でございます。  このような状況を踏まえまして、資料1の1枚目に戻っていただきますけれども、先 ほど尾嵜食品保健部長の方からその他諸々の経緯もご説明させていただいておりますけ れども、ここにありますような決定をさせていただいたわけでございます。  まず、1番目としましては、フェロシアン化物の安全性についての認識でございます けれども、国際的な専門家会議(JECFA)で安全性が既に確認されておりまして、 またアメリカ、EU諸国等においてこれまで長く使用されてきており、安全性について は問題ないのではないかというふうに考えておるところでございます。  2番目でございますけれども、フェロシアン化物は食品衛生法6条に基づく指定は現 在受けていないということでございまして、これを含む食品は法令上、違反品という扱 いになるわけでございます。ただ、国際的に安全性が確認され、また汎用されていなが ら、我が国の法制上違反となり、それを製品回収等で市場の混乱を招くことが今後も予 測されるということから、(1)から(3)にあるような決定をさせていただいたとこ ろでございます。  (1)としましては、このフェロシアン化物につきまして、当薬事・食品衛生審議会 でご審議をいただきまして、早急に添加物として指定の方向で検討していただきたいと いうでございます。  (2)といたしましては、その他の指定外、現在指定されていない添加物につきまし ても、国際的に安全性が確認され、また汎用されている添加物の中で各国での使用実態 から指定の必要性が高いというものについては、指定の方向で検討してはどうかという ことでございます。  (3)でございますけれども、食品添加物の安全性、それからここにありますような 措置、それからこれが塩に使われる添加物だということでございまして、加工食品の原 材料として塩は不可欠といっても過言ではないと思いますけれども、そういったものを 違反という形で回収することになりますと、市場の混乱あるいは国民生活への影響があ るだろう。  そういう点を考慮いたしまして、このフェロシアン化物を含む食塩あるいは食品につ いての指定までの間の取り扱いについて、(3)に書かせていただいております。  大別いたしますと、フェロシアン化物を含む食塩を使用した加工食品につきまして、 輸入・販売の規制はしない。ただし、食塩そのものにつきましては、それに添加物が含 まれているといたしますと、食品添加物の表示違反という可能性が出てまいりますので 、食塩そのものにつきましては、指定までの間、新たな輸入あるいは新たな販売といっ たものを自粛していただくよう要請するということでございます。  その下に書いてありますのは、この違いについての法制的な背景でございますけれど も、食塩そのものに使われる添加物であるフェロシアン化物につきまして、これは食品 添加物の表示の対象となるわけでございますけれども、その食塩を使用した加工食品に つきましては、いわゆるキャリーオーバーというような扱いになる可能性が高うござい ますので、その場合には必ずしもその表示の対象にならないという違いがあるというこ との説明でございます。これが資料1、今回、ご審議いただくに至った経緯でございま す。  資料2でございますけれども、そういった経緯を踏まえまして、平成14年7月11日付 で、坂口厚生労働大臣から、薬事・食品衛生審議会会長であります内山先生に諮問をさ せていただいております。  諮問書といたしましては、「食品衛生法第6条の規定に基づき、下記の事項について 、貴会の意見を求めます。記 フェロシアン化物(フェロシアン化カリウム、フェロシ アン化カルシウム及びフェロシアン化ナトリウム)の食品添加物としての指定の可否に ついて」ということになっております。  これまでの経緯については以上でございます。 ○黒川座長   どうもありがとうございます。質問か何かございますか。 ○小沢委員   たまたまここに消費者の代表が私一人しかおりませんので、そういう立場から発言さ せていただきたいと思いますが、非常に急いで、異例なことであると。この経緯のご説 明の中で、非常に説明が足りない部分があると思っております。  7月12日の報道発表のときに、私の身の回りの人たちにも聞いてみても、お塩の問題 でしょう、お塩だけのことだと思っているという実態がかなりあって、なんで急ぐのか と。  それで、いろいろ類推すると、日本はこれだけの輸入食料大国になっていて、諸外国 で使っているお塩の中にこれが実態としてかなり入っていると。それが実際に今の輸入 食料、食料品の中、加工品の中に恐らく非常に広範に使われているという実態があるの だと思うんですが、その辺は予測の範囲で、社会的に回収するようなことになると大変 だというご説明はあるんですが、なぜこれまで急いでやるのかということの説明につい て、やはり消費者、国民に対して、その実態、つまり今流通している食品で、これだけ の実態があるということについてむしろきちんと説明をしていかないと、指定だけして しまって、実はそういうことがあったんですということになりますと、今の食品の安全 行政全体について国民が非常に不信感を持っている中で、指定だけ急ぐというのはあま りにも説明が足りないというふうに思っております。  それともう1点なんですが、香料のこともございましたけれども、どうして知らない うちにそういうことになっているのかということについての説明が何もなくて、今後、 こういうことがないように行政的にもこういうふうに手を打っていくということがない と、指定だけというのは非常におかしいことでないかというふうに思っております。 ○基準課長   塩の今回の添加物も含めて、私どもの今後の方針ということについて、外国が使って いれば指定していくというふうに考えられているとすれば、それは誤解だというふうに 思っております。  先ほどの部長の説明にもありましたように、基本的には添加物の使用は極力制限して いくという考え方で来ておりますし、今後も趣旨としては変えていくつもりはございま せん。ただ、国際的に非常に広く使われていて、安全性についても問題がないという認 識にもかかわらずこれまで、要請がなければ指定をしないというような形で来ておりま した。要請をするというためには、それだけのデータなりというものを集めて業者が要 請してくるわけでありますが、過去、国際的にも非常に広く使われているものに対して 、その要請者に対するメリットというものがあまりにも少ないということも現実ありま した。  ところが、エネルギー換算で6割以上輸入されているというような食料品事情を考え ますと、国際的な視点というものも無視できない。そういうことによって、結果として 違反となるものが入っているという状況は、これは是正していくべきであろうというふ うなことでございまして、今回、この塩の問題を考えますと、非常に国際的にも広く使 われていて、影響が大きいということでこういったことにいたしたわけであります。 ○食品保健部長   座ったままで恐縮でございますが、私から追加的にご説明をさせていただきますが、 小沢委員から「なぜ急に」というふうなお話をいただきました。まさしく、非常に急に お願いしたわけでございますが、一つは、6月14日からの経緯にも書いてございました この中国産の食塩からフェロシアン化物が出たという後、幾つかのケースが出てまいり ました。私どもいろいろ調べておりました際、その範囲がどこまでかというところが、 非常に広範囲であるということで、きょうお手元にはお配りしておりませんが、12日に 私が記者会見しました際には口頭でご説明し、後ほど実際の数字についてはご参考に記 者の方々にはお配りさせていただいたというものがございます。  そういったものを簡単に申し上げますと、加工品の中で私どもが考えますのが、畜産 加工品あるいは別の加工品も含めまして、すべての輸入加工品につきまして、塩を使っ ているもの、それから味噌を使っているものにつきまして引っ張り出しました。引っ張 り出されたデータは、それぞれの加工品ごとに見ましても20%くらいでございます。全 体として加工品の20%ぐらいがこういった塩あるいは味噌を使っている、そういったも のを私ども「塩が使われておる」というふうに考えるべき部分ではないか。  それと、もう一つは醤油というものが多分使われているのだろうというふうに考えま したが、残念ながら醤油ということで、そのデータを引っ張り出すことができませんで した。そういうデータのとり方になっておりませんので、今回はそれがプラスされてお りませんが、今申し上げたような数字でございました。  それと、塩の輸入量、国産と輸入している量につきましても、そういったデータもお 示しいたしました。圧倒的に国産が多いわけでございますが、そういったデータ。それ と実際に検疫所を通過します塩の数字につきましても国別にお示しいたしたデータもそ の際には付けておりました。  これも簡単に申し上げますと、検疫所を通りますものにつきましては、食品という範 疇で通ります。ですから、例えば原塩という形で入ってくるものにつきましては、これ は日本国内に入ってきて、その後に日本国内での工場におきまして精製されるものにつ きましては、食品として検疫所を通りません。ですから、検疫所は通らない形になって おります。そういうもの以外で塩として、食品として入ってくる塩を見ますと、量的に は入ってくる塩の全体でしかつかんでおらないわけですが、国別に申し上げますと、5 割少しは中国でございます。次に多いのがオーストラリアで2割少し、両方でおよそ8 割近くになります。それ以外の国々もございますが、圧倒的にその2国で8割近い。こ の2国は、このフェロシアン化物を使っておるという国でございます。  そういうことから考えますと、先ほどの加工品の数から申し上げましても、我が国に 大量のそういった加工品の中にフェロシアン化物が入った塩を使っておるものが入って きている可能性があり得るというふうな考え方に立たざるを得ない。そういった中で、 こういった、国際的に安全であるというふうに判断され、なおかつ広範に使用されてい るというものについて、それでは大騒ぎになるような形で回収というものを行政として 命じるべきなのかどうか。ここは両様の意見がございます。私どもがこれまでの添加物 に対します対応方針につきまして見直しをしたということについても両様の意見があり 、どちらのどういう考え方に立ってもご批判があるというところだと思っておりますが 、今の時点で私ども行政としてどういう方向をとるのが国民の方に対して安心していた だけるような対応であるかというところがポイントであろうということで、大臣までご 相談をし、今回の結論に至ったわけでございます。  繰り返しになりますが、あいさつで申し上げましたように、これが安全であるという ことが大前提ということです。そういった観点からのご審議をお願いしたい。経緯的に は小沢委員のご質問なり、ご意見に対します私どもの考え方はそういうことでございま す。  そういう意味で、記者会見して発表いたしましたが、それが国民の方々が十分理解さ れるような発表の仕方でなかったというお叱りについては、そういった部分があったか もしれませんが、急がざるを得なかったというところは、私どもとしても実際に食品衛 生法上、形式上違反になるというものが見つかった以降の状況から、こういったものは 早く対応する必要があるというふうに考えたわけでございます。行政がきちんと対応の 方針を出さない限り、混乱のきわみになるという判断をしたわけでございます。 ○小沢委員   対応の方針自体については私も異論はございませんが、ただ今ご説明のあったように 、実は記者発表のときにこういう数字が示されたということを伺わない限り出てこない 。こういう食品添加物の行政の在り方の基本的な方針を変えようとするときに、基本的 に状況をきちんと説明するということと、情報をきっちりオープンにするということで ないと、消費者はメーカーの混乱を防ぐためにそういうスタンスに立っているのかとい うふうに、非常に勘ぐらざるを得ない部分というのが出てまいりますので、とにかく全 部オープンにして、こういう実情だからどうするのかということをきっちり論議できる よう、消費者も土俵に立たせていただきたいというふうに思っております。 ○黒川座長   その点はどうでしょうか、いわゆる情報公開的なことですが。 ○食品保健部長   小沢委員のおっしゃるとおりでございます。先ほど、私が口頭で申し上げたものは、 後ほどすぐにコピーしてお配りするようにいたします。  当然ながら、きょうのご議論は公開でやっておりますし、私ども、情報を提供するこ とは積極的にやらなければいけないという姿勢はおっしゃるとおりでございますし、そ ういう気持ちでやっているつもりでございます。 ○黒川座長   よろしくお願いいたします。  ほかに、資料1、2に関してご質問、ご意見ございますか。  それでは、ございませんようですので、審議に入りたいと思います。資料3、資料4 について事務局のご説明をお願いいたします。 ○事務局  資料3、資料4、資料3’−1、資料3’−2も途中で入れさせていただきますけれ ども、これに基づきまして今回の指定要請の品目についてご説明させていただきます。  まず、資料3でございますけれども、メーカーからの指定要請の資料でございます。 この概要に沿いまして、簡単にご説明させていただきます。  まず、1ページ目でございますけれども、資料概要ということで、この品目について の状況が簡単に記載されております。割愛させていただきます。  資料概要の2ページ目でございますが、「起源又は発見の経緯」ということがここに 記載されております。  最初のところは、フェロシアン化物についてどういうことで固結防止効果が優れてい るのかということが記載されております。具体的には、食塩製造段階で塩水に添加して 晶析することによりまして、柱状あるいは樹状の結晶の食塩ができるということで、正 六面体結晶の食塩に比べて比容が大きくなり、接触面積が減少して、固結しがたくなる ということが言われております。その他の固結防止剤としてはリン酸三カルシウム、炭 酸マグネシウム等々があるということが記載されております。  このフェロシアン化物につきまして諸外国での評価の状況をここに記載しております 。まずJECFAにおきましては、1974年の第18回におきまして、フェロシアン化ナト リウム、カリウム、それからカルシウムにつきまして評価を行っておりまして、ADI としまして0.025 mg/kg 体重/ 日というふうな設定がされているということでございま す。その資料は3−1という形でついております。  それから、1990年でございますけれども、欧州委員会の食品科学委員会におきまして 、安全性の評価が行われまして、ADIが同じく0.025mg/kg 体重/ 日ということで評 価がされているということでございます。  2002年の欧州委員会でございますが、これは動物用の飼料添加剤というものの中での 評価が行われているということでございます。規格基準に関しましては1973年におきま して、JECFAの方で提案されまして、品質規格というものが1978年あるいは92年に FAOから出版されているという状況でございます。  外国におきます本フェロシアン化物の使用状況でございますが、ここにありますよう に、欧州、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等々、各国において古く から広く使用されているというふうに承知しております。アメリカにおきましては1960 年代から70年前後には既に認められて使われていたというふうに承知しておりますし、 欧州委員会といたしましては90年からということでございますけれども、欧州の各国、 イギリス、オランダ、フランス等々におきましては1970年頃から既に使われていたとい う状況になっております。  次の3ページからでございますが、「本品の物理化学的性質及び成分規格に関する資 料」ということが記載されております。製造方法、性状等々の記載がされておりまして 、5ページ目をお開きいただきたいと思いますけれども、本品の安定性というのが(10 )にありますが、大気中では安定である。長時間放置すると風化するということがあり ます。それから、温度が高くなると結晶水を失い始め、100 ℃で無水物になるというふ うに言われております。  食品中での本食品添加物、フェロシアン化物の分析方法に関してでございますけれど も、現在、分析法として考えられます食品中の添加物の分析法といたしましては、対象 が食塩である場合には、資料3−5にその分析法がついておりますが、(財団法人)塩 事業センターが開発しました試験方法などが定量法として使えるということになってお ります。なお、先週金曜日に、先ほど申し上げましたようなフェロシアン化物を含む食 塩等の取り扱いを行った際には、この塩事業センターで開発しました試験法を確認いた しまして、この試験法を食塩中にフェロシアン化物が含まれているか、いないかを確認 するための試験法という形にいたしまして、各自治体に私どもの方から通知していると ころでございます。  本品の成分規格案でございますが、基本的にはJECFAで提案された規格基準に準 じまして、この5ページから6ページにありますような成分規格、品質規格を設定して はどうかという提案でございます。含量といたしましては99.0%以上、性状としては黄 色結晶又は結晶性粉末、確認試験があるとともに、6ページ目でございますが、純度試 験といたしまして、シアンが検出されてはならない、それからフェリシアン化塩も検出 されてはならないという形で純度試験を設定してはどうかいうものです。それから、定 量法としましては、ここにありますような比色法で定量すると。その結果、含量として9 9.0%以上というような規格案が提案されております。  このJECFAの規格の設定根拠になった資料としましては、資料3−4にあります JECFAの資料、基本的にはこの資料を参考にこの規格は提案されているという形に なっております。  それから、資料概要の7ページでございますが、「有効性に関する資料」。これは食 品添加物としての有効性ということでございまして、フェロシアン化物に固結防止効果 があると一般に言われているということがここに記載されているところでございます。 7ページの一番下のところに、フェロシアン化ナトリウムは米国で相当の割合で添加さ れているという現状が記載されておりますけれども、この一つの根拠といたしましては 、アメリカのソルトインスティテュートという協会がございまして、そちらが発表して いる資料によりますと、ほとんどの食塩にこのフェロシアン化物が使われているという ような記載も見受けられる状況でございます。  8ページ目からでございますが、本品の「安全性に関する資料」でございます。大き く安全性に関する資料といたしまして、JECFAの資料、それからEU委員会での資 料、資料4としましてFDAが評価したときの資料、そういう大きく3つの内容がこの 中に入っております。ただ、このFDAの資料につきましては、資料4と別の資料にな っておりますので、これは後ほどご説明いたします。  まず、JECFAの評価について簡単にご説明いたします。  JECFAの資料そのものにつきましては、資料3−1が報告書でございまして、そ れの元文献は青の耳をつけたもので3−1−1からついております。急性毒性といたし まして、LD50が1600〜3200mg/kg となっております。亜急性毒性といたしまして、13 週間の反復投与毒性試験がラット、イヌに実施されております。結果といたしまして は、ラットへ5%投与分あるいは0.5%投与分におきまして腎臓への影響というのが見 られたという結果になっております。この内容につきましては、英文の方では資料3− 1の166 ページにJECFAの内容として記載されております。イヌにおきましては、 ビーグル犬で実施しておりまして、病理検査においても特段の変化は見られなかったと いうことになっております。  それから、腎毒性試験というのが次にございますが、イヌ、ウサギ等々あるいはヒト でも実施されておりますけれども、腎障害についていろいろ検討された結果がここに記 載されております。  次のページをお開きいただきたいと思いますが、9ページのところでございますが、 変異原性試験ということでございます。資料でいきますと、3−6といたしまして変異 原性試験として、Rec アッセイという試験を実施した結果は陰性であったということに なっております。  9ページの真ん中の(2)の「体内動態に関する資料」でございますが、イヌ、ラッ ト、ヒトにおきましても、ヒトにおきましては健常人、それから腎障害のある方におけ る検討結果あるいは乳児における結果が報告されております。これもJECFAの中の 報告書の中に記載されている内容でございます。これがJECFAの報告書を中心とし た部分でございます。  それから、9ページの下のところでございますけれども、(3)その他の情報といた しまして、EU委員会においては動物飼料中の固結防止剤として評価したときの意見書 、報告書がございます。資料といたしましては、赤の耳のついた資料3−3、これがE U委員会での報告書、動物用の飼料添加剤として評価したときの報告書という形になっ ております。資料3−3につきましては、前半が報告書でございまして、後半にそれの 訳が付いております。  EU委員会での報告書を簡単に申し上げますと、また資料概要の9ページの一番下の ところに戻っていただきたいと思いますが、簡単に結論だけ申し上げますと、動物実験 で投与した化合物は糸球体濾過によって尿に排出されているということ、それからラッ トの90日摂食試験では、5%添加で腎障害、0.5%で程度の低い障害が観察されたと いうことになっております。  次に長期毒性等々でございますが、5000ppm 、0.5 %投与までのラットの発癌性試験 、それから催奇形性試験では発癌性あるいは催奇形性を示さなかったという記述がこの 中にございます。それから、皮膚や目への刺激も全くないか、あるいはわずかなもので 感作性もなかったという記載もございます。  それから、Amesテスト及びヒトのリンパ球とマウスリンパ腫細胞を使った細胞障害試 験結果もすべて遺伝障害性はなかったとういう記載がございまして、最大無毒性量(N OAEL)、これは食餌中の濃度ということでいけば、50ppm ということになるわけで ございます。  これにつきまして、資料3−3の和訳の方でご説明させていただきますけれども、今 申し上げたような動物試験の結果が2ページの真ん中のパラグラフあたりに記載がある かと思います。「3.2 動物とそれらの消費者であるヒトに対する安全性」の2つ目 のパラグラフでございますが、ここにいろいろなラット90日摂食試験等々のことが記載 されております。これのEU委員会が評価したときの元資料といいますのが、本日お配 りいたしました資料3’−1、資料3’−2の中に紹介されている形になっております 。具体的には、ラットの90日摂食試験の結果といいますのが、資料3’−1の19ページ 、30分の19と書いたあたりでありますが、これがEUで評価したときのラットの90日摂 食試験の試験条件あるいは試験結果のサマリーというものになっております。  また資料3−3に戻っていただきますと、ラットの発癌性試験とか催奇形性試験の記 述がございますが、ラットの発癌性試験の元資料がどこかと申し上げますと、資料3’ −1の中の20ページと22ページに、これは長期毒性試験と発癌性試験の併合試験という 形で実施されている試験でございますけれども、20ページから真ん中から下にあるのが 2年間の長期試験という形で評価したもの、それから22ページの真ん中あたり、5.7 Carcinogenicity と書いてありますけれども、これが発癌性試験という形で評価した場 合の結果になっております。発癌性が5000ppm においてもなかったという結論は、この 結果から導き出されているわけです。  それから、催奇形性に関しましては、これは資料3’−2の方でございますが、フェ ロシアン化カリウムの資料でございますが、22ページでございます。5.9の Developmental Toxicity/Teratogenicity と書いてございますけれども、この試験が催 奇形性について評価した試験系とその結果という形になっているわけでございます。そ れから、皮膚とか目への刺激性についてはどうかということでございますけれども、こ れにつきましては3’−1の18ページに5.2.2とありますが、Eye Irritation、これは 目への刺激性というものになります。18ページと17ページでございますけれども、5.2.1 のSkin Irritation とありますけれども、これが皮膚への刺激性についての結果になっ ております。  それから、変異原性のAmesテストの結果につきましては、資料3’−1の中の22ペー ジをお開きいただきたいと思いますけれども、5.5Genetic Toxicity'in Vitro'、Ames テストというふうにあるかと思いますが、ネガティブという結果が得られているわけで ございます。これがEU委員会での報告書、それからそれのもとになった試験成績がど うなっているかということについてでございます。  あと、FDAがどう評価したかということについて少し付け加えさせていただきます けれども、ファイルの中の赤の耳のついた資料4でございますけれども、これがFDA で評価したときの資料ということでございます。内容的には、いろいろ重複していると ころとかございますので、特に注目していただきたいところのみ、ご紹介いたしたいと 思いますけれども、このFDAの評価資料の中で10ページをお開きいただきたいと思い ます。これも英語だけで大変恐縮でございますが、一番下のカラムのところに、本品の 名前からも一番懸念されますシアン化合物ができるのかどうかということについての考 察がございます。結論としては、仮に出たとしても量的に少ないし、それがチオシアネ ートというものにすぐ変換されるということで安全性上問題はないということでありま すとか、そもそも体内でシアンが出るような状況にならないというようなことについて も考察がございまして、それは戻っていただきまして、7ページの下から2つ目のパラ グラフのところを見ていただければと思いますが、フェロシアン化物の体内での安定性 について記述がございますけれども、結論といたしましては、ほとんど分解されること なく、ほぼ尿中に排泄されるということが考察されております。従いまして、基本的に は体内で分解されることもない、したがってシアンが出ることはないと。仮に出たとし ても、別の化合物に変換されるし、量的にも少ないというようなことがアメリカ、FD Aの方では評価されているという状況になっております。  また、資料3の概要の10ページに戻っていただきたいと思います。  これらの結果から、本品についてのADIがどういった形で評価されているかという ことでございますが、10ページの真ん中あたり(4)に記載されておりますけれども、 JECFAにおきましては、ラットにおけます90日間の反復投与毒性試験の腎臓あるい は尿細管への障害といったものを評価いたしまして、いわゆる最大無毒性量として0.05 %、500ppm、これが25mg/kg 体重に相当するわけでございますが、この値をNOAEL としてとりまして、ただ投与期間が13週間と短うございますので、安全係数を1000倍と りまして、ヒトにおけるADIを0.025 mg/kg 体重という形でJECFAとしては評価 しているという状況でございます。  この概要の中にはJECFAのところまでしか記載しておりませんが、先ほどご説明 いたしました欧州委員会でどのような評価をしたかということでございますが、欧州委 員会といたしましては、提出されたラットにおけます2年間の発癌性試験、これの結果 から最終的には尿中細胞排泄の結果に基づきまして、最大無毒性量(NOAEL)とい たしまして0.005 %、すなわち2.5 mg/kg 体重をNOAELというふうに評価しており ます。そして、2年間の長期の毒性試験でございますので、安全係数を100 倍とりまし て、ヒトにおけるADIが0.025 mg/kg 体重という評価をいたしまして、結果としてJ ECFAで行った同じ結果を再度確認したという形になっているところでございます。  10ページの(5)でございますけれども、次に「1日摂取量に関する考察」でござい ます。今回は塩に対してのみ使用するという要請になっておりますので、日本人の食塩 の摂取量というものがどうなのかという資料がついております。平成12年の国民栄養調 査によれば、日本人は一人1日平均12.3gの塩を摂取するというふうに言われておりま す。年齢別にみますと、50歳代が最も高く、男性が14.8g、女性で13.2g、90%タイル 値で見ても19〜20gになるということになっております。  ここで使用基準といいますか、最大の添加量といたしまして、現在、コーデックスで 基準化されている20ppm という値を仮にとったといたしますと、その摂取量、先ほどの 国民栄養調査から得られます塩の摂取量とそれに20ppm 、そのあたりを掛け合わせて摂 取量を算出いたしますと、一日当たり平均0.25mgとなる。片や、ADIの方から換算し ました一日当たりの最大許容摂取量を計算いたしますと、ADIが0.025mg/kg体重/日 でしたので、体重50kgの成人といたしますと、一日当たり1.25mgまでは何の毒性影響も なく摂取することが許容できるということになります。  この2つの数字を換算しますと、平均摂取0.25mgというのはADIの5分の1という ことになりまして、ADI以下といいますか、ADIの5分の1という値になるという ことでございます。仮に塩を多くとる場合を想定いたしました90%タイル値で計算した といたしましても、最大0.4 mg/日の摂取ということになりますので、それであったと してもADIの3分の1ということで、十分、安全性は見込めるのではないかというよ うな考察がございます。  11ページでございますけれども、そういう安全性あるいは摂取量に関しての考察、あ るいは諸外国での状況から見て、使用基準といたしまして、無水フェロシアン化ナトリ ウム換算で最大20ppm まで添加していいのではないかというような使用基準案が提案さ れている次第でございます。ちなみに、コーデックスは20ppm という基準がございます けれども、アメリカでは13ppm 、EUでは20ppm、中国では10ppm、インドでは10ppm、 オーストラリア・ニュージーランドは50ppmというような形になっております。それに 相当する資料は、後ろの方に資料3−8以降、それぞれの根拠の資料をつけさせていた だいおります。  長くなりましたけれども、以上でございます。 ○黒川座長   ちょうど30分、膨大な資料でございました。  それでは、今、お聞きのように、この資料は成分規格、安全性、使用基準案と3つの ところに分かれておりますけれども、その順番にご意見、ご質問などいただきたいと思 います。  まず、成分規格ということについて何かございますか。 ○山添委員   成分規格といいますか、定量のところでちょっとお伺いしたいんですけれども、6ペ ージですか。フェロシアン化塩、検出しないという項目のところなんですが、この試験 法の中でベンジジンが使われていますが、これ、発癌物質ですね。だから、現在、この 方法は他の発癌性のない物質に恐らく変える必要がある、恐らく代用法があると思いま すので、その方法をちょっとお考えいただきたいと思います。 ○事務局  その辺りにつきましては、国立医薬品食品衛生研究所の方とご相談させていただきな がら、他のものに切り換えられないかどうか検討させていただきたいと思います。 ○米谷委員  同じく6ページのところなんですが、その前の5ページから成分規格が載っておりま すけれども、定量のところで滴定した後の容量からすぐその係数を掛けて計算するとい うことになっておりますけれども、これはすべて水和物ですね。それで、かつ例えばナ トリウム塩とか、そういう塩でしたら、吸湿性があるのかなと思いまして、ですから、 ここに水分含量が全然入っていないんですけれども、水分含量の規格も入れておかれた 方がいいのではないかと思います。入っていないのは、ひょっとしたら技術的に困難な ことがあって入れていないのかもしれないんですけれども、こういうような水和物です ので、水分含量を規定しておかれた方がいいかと思います。  それから、もともとのこれが1970年代の方法なので、ほかの先生方もおっしゃっ ていますように、非常に古い方法ですので、最新というか、新しい方法に改良されたら いいのではないかと思います。以上でございます。 ○基準課長   品質の試験法につきましては、これはJECFAで安全性の試験の評価とともにこの ものの品質規格というものを定めたものをそのまま持ってきておりますので、この点に つきまして、今、米谷先生からもご指摘あるいは山添先生からのご指摘のとおり、これ は古うございます。したがって、これをもとにしまして、新しい形で見直しをするとい う条件でこれから衛研の方とやらせていただきたいと思います。告示までにそういう形 で、新しい分析法に置き換えられないか検討させていただきたいと思っております。 ○西島委員   規格ではないんですが、5ページの食品中の分析法もこの方法でいいのか。ちょっと 検討する必要があるのかなと思いますが、いかがでしょうか。 ○基準課長  食品中の分析法については、いろいろな食品によって分析の仕方が変わってくると思 います。これまでの添加物もそうでありますが、指定の際には、最低限、添加物そのも のの純度とかを計る試験法につきましては告示の中で決めます。食品中の分析法は、以 前から検討する場合が多いわけでございますが、いずれにしても、指定した後、分析法 がなければ食品中からのものが計れませんので、それはちょっと時間がかかりますけれ ども、先生、おっしゃるように、この部分につきましては、各いろいろな食品群ごとに 分析法を決めていかなければならないというふうに考えております。 ○黒川座長  ほかにございますか。  それでは、次に安全性、毒性の面でのコメント、ご質問ございますでしょうか。 ○井上委員  ご説明にもありましたように、安全性のデータにつきましては、IUCLIDのデー タセットがここに添付されておりますが、これがサマリーのような形になっているとい うようなことで、私どもとしましてはヨーロピアンコミッションが責任を持ってまとめ た資料ということでありますが、これをある程度承認するというようなことが迫られる ということになります。  内容的には、それぞれ例えば短期の90日間の試験で観察された腎毒性等が2年間の発 癌性試験で認められないとか、また変異原性等、専門の方がおられますから、そちらか らもご説明があるかもしれませんが、それなりに問題がないということがうかがわれる ということはあるということであります。  したがいまして、この辺のところについては、そういった元資料は未発表ということ とか、入手が難しいとか、そういうことが現状ではあろうかと思いますが、後ほど必ず 整えていただきいというふうに考えます。以上です。 ○鈴木(勝)委員   ただいま井上先生からお話があったわけで、各国でそれなりに責任を持っていろいろ 評価しているので、そう問題はないのかなと一方で思うんですが、例えば僕の専門の繁 殖催奇のところというのは、IUCLIDのデータ資料3’−2のところの22ページ、 その辺を見てみますと、フェロシアン化カリのエアロゾルを使ってインハレーションと いいますから、吸入毒性の形で催奇形性をやっているんですね。これは普通の形ではな いんですけれども、肺からの吸入ですから、どちらかというと毒性が、特に母親の方に 増強されて出るのではないのかなと思うので、ここのところで出てきた催奇形性なしと いう話というのは、その意味では毒性的には大丈夫かなとは思うんですが、実際に食す るという形態から考えると、この方法で本当にできたかどうかというのはちょっとあや しいところもあったりして、その意味では新たに実験をするか、何かして、さらに安全 性を確かめるようなことは今後必要になるのではないかということを感じております。 以上です。 ○廣瀬委員   今回は非常に急いでいるということもありまして、これで仕方がないかなと思うんで すけれども、先ほど鈴木先生からもありましたように、今後、やはり発癌性のデータ等 、もっと詳しいデータですね。それを今後も入手できるような努力をしていただきたい なということは感じます。  それから、今日、イヌの話は出なかったんですけれども、イヌの試験もやっておりま して、その結果を見ますと、最高用量で4匹中1匹に腎臓に変化があるということが出 ております。その1匹の値をもし毒性ととると、イヌのNOAELが2.6 mg/kg になり まして、それに安全係数100 をとると0.026mg/kg体重/日 というADIになりまして、 ここに出ている0.025mg/kg体重/日 と近い値になりますので、この辺にADIがあるの ではないかということは言えると思います。  それから、もう一つ、事務局に確認していただきたいことなんですが、資料4の7ペ ージ目にEvaluationというところの1行目から2行目にかけてですが、NOAELが0.0 5%ということになっておりまして、ここのところでは50mg/kg に相当するということ が書かれております。ですから、ほかのところでは25mg/kg という換算になっておりま すけれども、どちらが正しいのか、これは事務局の方で確認しておいていただきたいと 思います。以上です。 (注:事務局で確認したところ、FDAの評価時は幼若ラットの体重を用いてNOAE Lを計算(50mg/kg)した。一方、JECFA、EUにおいては、通常ラットの体重を 用いて計算(25mg/kg)したものであり、NOAEL評価上はより厳しい値となること から問題ないことが確認された。) ○黒川座長   確かにEUの1990年ですか、2年間の試験の評価の文章がありますけれども、原著的 なもの、これはかなり入手が難しいとは聞いておりますが、何とか毒性の専門の方に見 ていただくというふうによろしくお願いいたします。  ほかにございますか。 ○林委員   遺伝毒性の分で少し追加といいますか、説明させていただきたいんですけれども、こ れも今まで先生方がおっしゃっているように、やはり元データが少ないということはあ ります。したがって、その元データはできるだけ今後も集める努力はしていただきたい とは思います。  EUでの評価の場合、遺伝毒性に関してはほかの毒性とちょっと違いまして、恐らく IUCLIDだけではなくて、ほかのデータをかなり使って評価をしているようです。 それで、Ames試験のほかにヒトのリンパ球を使った染色体異常試験ですとか、マウスの リンパ腫を使った突然変異試験というような、非常に標準的な試験が行われているわけ で、向こうの専門家が評価をかっちりとしていると思われますので、この遺伝毒性につ いては今回のものに関してはそう問題ではないという印象を持っております。 ○黒川座長  ありがとうございます。そのほかございませんでしょうか。  それでは、その先ということで、使用基準案。これは資料3の11ページでございます が、この上の方に書いてあるように、「無水フェロシアン化ナトリウム換算20ppm と設 定したい」ということですね、書き方としては。それに対してのご意見をどうぞ。 ○吉池委員   コーデックス、EUは20ppmということですが、各国で少しばらつきがあるようです。 食塩摂取量の実態としても各国違いがあるかと思いますし、あるいは高血圧の予防とい う観点からの推奨値、日本でいうと10g未満という数値ですが、それもアメリカ、ヨー ロッパとは大分隔たりがあるという実態の中で、この値をどう考えるか。例えば、中国 が10ppm というような値を出してきた、その経過等で、そういう摂取量等についての評 価あるいはその辺を考慮してのことかどうか、その辺はわかりますでしょうか。 ○黒川座長  インドもそうですかね。 ○基準課長   それぞれの国がどのような摂取量計算をやっているかというのは、中国、インドにつ いてはわかりません。私ども、要請者も含めて20としたのは、基本的にはコーデックス の基準が20ppmということになっていると。今、コーデックスの基準が決まれば、でき るだけそれに合わせるというような基本としてあるものですから、こういう基準を今回 要請されているということであります。  20ppm にした場合に、日本人の食塩そのもの、あるいは加工食品から入る食塩の摂取 量等を計算した場合に、ADIとの比較でどうかという面で、平均的にみればADIの2 0%、全部の食塩にこのフェロシアン化物が入っているとした仮定の中でもADIの20 %であるということを考えると、安全性については問題がないのかなと思っております 。  そこは別に20ppmでなくて10ppm等、いずれも根拠があるわけではありませんが、あえ ていえば国際基準に合わせるべきなのかということで提案させていただきました。 ○黒川座長   いかがでしょうか。  20ppm としても安全影響も十分に、極端な計算をしても大丈夫だと。あえて10ppm に する必要もないだろうし、国際的にも整合性がとれているからということですか。 ○基準課長   ちょっと付け加えます。  これを見ますと、中国の場合はフェロシアン根ですので、塩の形になっていません。 コーデックスでは無水のフェロシアン化ナトリウム換算でありますから、ナトリウムの 部分の分子量が増えますので、そうするとこの10ppm がもうちょっと上がることになり ます。それから、インドもフェロシアン換算ですから、フェロシアンそのものというこ とでの計算になっていると思います。アメリカは無水のフェロシアン化ナトリウム換算 ですから、これはコーデックスと同じ考え方であります。要請は無水のフェロシアン化 ナトリウム換算ということで、ナトリウム塩に換算してのことです。 ○黒川座長   今まで成分規格的なところ、科学的なこと、安全性、毒性、使用基準ということでご 意見をちょうだいいたしましたけれども、総合的な、それから戻って各論的でも結構な んですけれども、何かございますか。  よろしゅうございますか。  そうしますと、きょうの議題と申しますか、お集まり願った目的がフェロシアン化物 の食品添加物としての指定の可否ということでございますので、まず可か否かというこ と、それから今の使用基準案にございますように、20ppm としていいかということでご ざいますが、いかがでしょうか。  要請どおりの形でよろしいでしょうか。  ご意見ないようですので、フェロシアン化ナトリウムとして20ppm 以下の添加量とす るというようなことでよろしゅうございますね。               〔「はい」という声あり〕 ○黒川座長   ありがとうございました。  それでは、今後のプロセスでございますけれども、この品目についてこの会としては 指定を可とするということといたしまして、分科会に上程するということになるかと思 いますけれども、もう少し詳しく事務局の方からご説明をお願いいたします。 ○事務局  ありがとうございます。  それでは、通常でありますと分科会に上程するときには、部会報告書というものをも って報告させていただく形になるわけでございます。本日のご議論を反映させた形で、 至急、事務局におきまして部会報告書案を作成させていただきたいと思っております。  一つ、お断りでございますけれども、分科会が7月26日を予定しております。分科会 までの日程があまりないという状況でございますので、この報告書の内容につきまして は両部会長、黒川部会長それから山崎部会長にご一任いただきたいということで取り扱 わせていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。  もちろん、別途、ご確認いただいた結果につきましては、両部会長のご了解をいただ いた上で先生方にご報告させていただきますけれども、そういう形で26日までの間の取 り扱いをさせていただきたいというふうに思っております。そういう形でよろしゅうご ざいますでしょうか。 ○黒川座長  今お話があって、来週の金曜日の夕方でしたか、それが分科会で、そういう事務局の ご提案ですけれども、どうぞ。 ○小沢委員  先生たちのご議論の中で、データの原典がないとか、それからあるいは新たに発癌性 の試験が必要ではないかというようなご意見もあったかと思います。分科会への報告書 の中にも、そういった点があった旨をきちんと明記していただければと思います。 ○黒川座長  それは当然考えておりました。  どうぞ。 ○基準課長  今の小沢先生のご意見につきまして、今のは発癌性ではなくて、多分、催奇形性のと ころだと思いますが。 ○黒川座長  鈴木委員のコメントですね。 ○基準課長   はい。それはきちんと書かせていただきますし、それから私ども、原著にできるだけ 当たってご判断いただきたいと思っておりました。この努力はいずれにしても、今回結 果として了解を得ましても、当たれるだけのすべての原著については当たって、場合に よっては確認のために見ていただくということはしたいと思っておりますので、その旨 も分科会の報告書には記載したいと思っております。 ○黒川座長  それでは山崎先生と私とで事務局案をチェックさせていただいて、来週の分科会に上 程します。  次の議題に入りますけれども、先ほどの情報公開云々ということでコピーができたよ うに思うんですが、配っていただいて、ご説明をお願いします。 ○基準課長   今、お配りしますので、ちょっとお待ちください。  先ほど部長が資料がなくてご説明したものをこの資料でご説明しますと、先ほど輸入 の加工品につきまして、どのくらいのものが今輸入されているかということで、1番の ところに書いてございます。全体では605 万トンということでございますが、その中で 当然外国において塩を使ったものとして、はっきりと原材料に塩というふうに書いてあ るもの、あるいは味噌を使ったというふうに書いてあるもの、はっきりしているものは 全体の中の20%ちょっとであるということで、131 万トンということであります。  ただ、そこにはっきり書いていないものにつきましても、左の方の輸入のところでか なり使われている可能性は否定できないなということで数字を先ほど申し上げました。 加工品のそれぞれの種類は、注の1に書いてございます。  それから、先ほど食塩の輸入状況ということで、3のところをご説明いたしました。 全体で2万5,927 トンということでありますが、中国とオーストラリアでこのように示 しますように、約80%がそういうところから入っているということであります。  それから、ちなみに2番のところでありますが、塩の需給見通しということでありま す。もちろん塩につきましては国内産が多いわけであります。このところに示しました ような数字でありますが、生活用というのは下に書いてありますように、家庭用など小 売店を通じて販売されるもの、いわゆる食卓塩というようなものが生活用でありますし 、業務用というのは食料品その他の物質の製造、又は食品とは関係ない、氷を溶かすと かそういったようなものも含まれておりますが、それが業務用の数字であります。それ ぞれ、国産品、外国産という形で国内での需給見通しを分けております。以上でござい ます。 ○黒川座長  これに関して何かご質問があれば。 ○小沢委員  この下の食塩の輸入状況の表ですが、これはフェロシアン化物が使われているかどう かわからないもののトータルということでしょうか。 ○食品保健部長  これはおっしゃいますように、フェロシアン化物を検出したとかそういうものではご ざいませんで、注記の3に書いてございますように、検疫所の方で食塩というものの輸 入を13年の数字で拾えばこういう国別の数字になりますというものでございます。  それと、私が申し上げましたのは、中国、オーストラリアというところはこれを使っ ておるということが確認されているところでございまして、私どもが聞いておりますの は、中国ではフェロシアン化物が含まれておらない食塩はほぼないのではなかろうかと いうことで聞いておりますし、オーストラリアも食塩については広く使われておるとい うふうに聞いておるということで、その2国では8割近くになるという数字を申し上げ たわけであります。 ○鈴木(勝)委員  今配られた資料の2と3以下のところの数値がちょっとよくわからないので教えてほ しいんですけれども、2の表だと13年度の見通しとして、生活用で外国産がこれは4万 3,000 トンですか。それから、業務用として44万トン。それで、3の方の13年度速報値 が2万5,800 トン、この間の乖離がちょっとよくわからないんですが。 ○食品保健部長  これは先ほど口頭で申し上げましたが、3の方のデータはまさしく検疫所の方が食品 としてつかんだ食塩の輸入量でございます。ですから、ご覧いただきますと、先ほどの 1、2、3と注がございますが、私、口頭で申し上げましたが、原塩というもので輸入 されているものはこの数字の中に含まれないというものでございます。ですが、それは かなりあるだろうということです。  それと2番目は、これは財務省の方で発表されている需給の見通しという数字でござ います。そういう意味で、ここの数字が合わないというのは、検疫所の方は実質的な検 疫所でつかんでおる数字をトータルとしてお出ししたと。2の方は需給見通しというこ とで、財務省の方で推計を出されておる数字ということでございます。  ですから、大きな違いのところは、原塩というものの量を私どもの方ではつかんでお りませんので、どの程度のものなのかというのがわかりませんが、その部分は食品では 計上されておらないという数字であるということです。  真ん中の、先ほど石井が説明申し上げました生活用としては、これはもう家庭用等の 小売りを通じて販売されるものですから、これが一つは2万6,000トン という輸入量と 関係する数字として一つごらんいただく数字だろうと思っております。それと業務用の 方につきまして、44万5,000 トンという数字がございますが、そのうちのおよそ7割弱 が食品関係に使われておるということでございますから、30万トンくらいでございまし ょうか。30万トンくらいが外国産としての業務用に使われている、食品に関係した塩の 量ということでございます。 ○黒川座長  よろしゅうございますか。  それでは、時間の関係もありますので、先に進めませていただきます。  資料5、「国際的に安全性が確認され、かつ、汎用されている未指定添加物の指定に ついての考え方(案)」について事務局からお願いします。 ○基準課長  最初に小沢委員からの話がありましたが、私がちょっとわからない答弁をさせていた だいたわけですが、今後の方針ということで、私ども一定の範囲のものについては、い わゆる要請を待たずに指定に向けての情報収集とか、そういったものを進める分野があ っていいのではないか、それを先ほどの12日の3つの対策を示した資料1の(2)のと ころで記載したわけであります。  それは、範囲は限定して、今後どういうふうにしていくのかということをこの資料5 でご説明してご意見をいただきたいということで配布させていただきました。また、12 日の記者発表の際に「どのくらい該当するものがあるのだろう」というふうに聞かれて しまいまして、私どもこれから検討はするんだけれども、JECFAの安全性の評価が あって、一定の範囲の数字がADIなり示されているなり、安全性の評価があって、そ れからアメリカFDAで認められていて、またEU委員会でも認められているという前 提で粗粗に計算すると二十数品目になりますというふうなことで、それを参考として求 められました。その結果が翌日の日経新聞に出ておりますので、今後の検討課題をいろ いろお聞きいただく際に参考としていただきたいと思いますので、これから配布させて いただきます。これは、あくまでもまだこれから、このものについてどうするかという ことを議論するというためのものでありますので、そういう意味で私ども出したつもり なのですが、そのまま新聞に載ってしまいまして、即このものを指定するんだ、即指定 されるんだという誤解を招いております。先ほどの小沢委員からのご指摘もありました ので、そういうものではないけれども、あえて粗粗に調べれば、これからこういうもの が検討する課題になるのではないかという意味で配布させていただきます。  今、配布させていただいておりますが、資料5に沿って考え方を説明したいと思いま す。基本的には、先ほどの部長のあいさつ又は説明、それから経緯のところでも申し上 げましたことをかなり繰り返すことになります。  国際的に安全性が確認されており、かつ広く汎用されている、日本では指定されてい ない添加物の指定についての考え方という形で今の私どもの考え方を案として出してお ります。  最初の丸でありますが、食品の国際流通が頻繁となり−−私も先ほど口頭で申し上げ ましたが、輸入食品の割合がエネルギー換算、約6割と非常に高くなっている、また我 が国と欧米で使用されている添加物の間には不整合が存在する状況下にある。このこと から、輸入食品については、国際的には安全性について一定の評価がなされているけれ ども、我が国では指定されていない添加物が含まれている商品が輸入される可能性が大 きいのではないか。  一方、添加物そのものの安全性というものがADIに関して見れば、もちろん念のた めにチェックをするということは当然必要ではありますが、毒性の専門家の科学的評価 というものについて、国際的に大きな乖離があるとは考えがたいのではないか、これが 今後の取り扱いの基本的考え方の前提であります。  今回、いろいろ添加物の中で最初に問題になったものが香料でありまして、香料は必 然的に使用の量というものは少なくなる。大量に使うということは、結果としては匂い ということでありますので、必然的に少なくなるという点で、添加物の中でも国際的に 見ても、ある面では別の考え方で評価するというようなことがJECFAとか、国際的 なところではそういうふうなことになっております。ただ、私どもの方では、これまで 香料についての安全性評価を具体的にした事例がございません。従いまして、香料と香 料を除く添加物という形で分けて考え方を示しております。  まず、最初は、香料を除く添加物でございますが、対象品目として以下の条件を満た す安全でかつ必要性が高いと思われる添加物については、国が積極的に安全性及び暴露 量評価を行って、指定の方向で検討をしていくこととするということでありまして、1 つがJECFAで国際的に安全性評価が終了して、一定の範囲で安全性が確認されてい るもの、米国及びEU諸国等で使用が広く認められており、国際的に必要性が高いこと が予想されるもの、こういうものを対象品目として考える。  具体的な対象品目の選定手順ということでありますが、未指定添加物の海外における 実態調査等に基づいて、私どもとして候補リストを作成する。したがって、これからの 話でありまして、今お配りしましたのは粗粗の調査のものであります。薬事・食品衛生 審議会で議論し、具体的な品目を確定する。これらの品目に関しては、収集した資料に 基づいて審議会にて、当然でありますが、安全性、品質等に関して個別に審議するとい うことであります。こういうふうな品目をリスト化する際には、関係者からもいろいろ 意見は聞かなければならないというふうに思っております。  さらに2ページでありますが、そういうリストについて、実際に審議に当たっての留 意点であります。  まず、安全性の評価でありますが、審議会での安全性評価確認を行うに当たっては、 その添付資料が平成8年に「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」、いわ ゆるガイドラインというものができておりまして、これは基本的には全く新しい化学物 質を添加物として使う場合にはこれだけのデータが必要で、それはどういうふうな中身 の試験でなければならないといったようなことを基本にガイドラインを示しております 。当然ながら、基本的に考え方はそれに基づくものとする。ただし、添付資料の範囲に 関しては、弾力的な運用を図るというところで、合理的な理由がある場合には、データ については一部求めないことはあるということでありますが、そういう点でこれまでの 検討が不十分であったということでありまして、弾力的なところで、具体的にはJEC FAの報告書とその原著を積極的に評価の対象として受け入れて、さらにその後の文献 検索結果やあるいは米国、EU諸国等での評価結果などにより資料を補充するというこ とであります。  今回も、資料の中のものということで、急ぎ、我々、原著論文に当たるべく努力して おりましたけれども、一部のものについて、これからも努力するという立場で今日ご議 論いただいたことに対しては大変申しわけなく思っております。  (ロ)暴露量評価でありますが、いわゆる安全性の評価というのはある面では国際的 に統一的な数字というものが出るだろう。しかし、各国での食文化が違いますから、し たがって、その国々、当然、日本の場合の食品ごとの摂取量計算というものを行い、そ の結果をもとに暴露評価を行って、それぞれの食品への上限というものを定めると。こ こが各国それぞれ違ってくることになります。先ほどは「コーデックスの基準があるの で」ということを申し上げましたが、それは安全性の範囲の中に入っているという前提 で、そういうふうな基準を使うということで申し上げましたが、これは日本人が非常に 多く食べるということでありますと、その基準が使えない場合はあります。そういうこ とは当然容認されるものでありますので、そういう点は当然ながら、我が国の食習慣を 背景に、具体的な使用基準を決めていくということであります。  「今後の進め方について」でありますが、今後、未指定添加物に係る調査を行い、こ れはリスト化した後のお話でありますが、できるだけ調査を行って、安全性、必要性に ついて積極的に情報を入手し、対象範囲を明確にした上で、評価確認可能なものから順 次指定の検討に着手するという考え方で進めていきたいということであります。ここで の基本は、部長があいさつで最初に申し上げましたように、要請を待っているというこ とではなくて、必要なものは積極的に進めていくという部分においては、方針として変 わっていくという部分でございます。  それから、2番目、香料についてでございます。香料に関しては、安全性の評価とい うものが私ども検討したことがないというふうに申し上げましたが、一方、JECFA という国際機関においては、その評価方法が他の添加物と大きく異なっている。いわゆ る動物実験を一つひとつ行ってADIを設定し、ということでは行っておらないという ことであります。また注のところで申し上げます。また、我が国において、この香料の 評価方法を検討していないということから、これについてはまずはその方法論について 確認をしなければいけないということでありますので、手続としては、方法論につきま して、私ども整理いたしまして、審議会の方でこの方法論でいいかどうかをまず諮ると いうことを最初にしなければいけないということをここに書いております。  したがって、仮に迅速な対応を行う必要があった場合でも、審議会での検討の過程が 必要となるということを書いております。  ちなみに、注として、JECFAにおる評価方法はどういうことかということであり ますが、詳しいものはまた別の機会に議論していただくことになりますが、個々の品目 ごとに動物実験のいろいろな実験データを備えて、個別にADIを設定する評価ではな いということであります。化学構造、代謝などの観点からの類似性で幾つかのグループ 分けをしておるようであります。その各グループの安全性評価と個々の物質ごとの代謝 、どのように人体で、いわゆる危ないものに代謝されないかどうかというようなことと 摂取量などを考慮して、安全性評価を行っておるようでございますので、これについて できるだけ早くその方法論というものを一度ご審議をしていただきたいということで、 香料につきましては、別な観点から考えたいということで、こういった考え方でご了解 というわけではありませんが、ご意見をいただければということであります。以上でご ざいます。 ○黒川座長  これはいいですか。 ○基準課長  これにつきまして、回りくどい言葉にしましたが暫定的調査により想定される添加物 候補について、繰り返しますが配ってしまうとこれをもう指定するというふうな形でそ ういうふうにとられてしまっているようでございます。  このものにつきましては、先ほどいいましたようなことで、資料5に書いてあります ような観点から、私どもの方で持っている資料に基づいて、これは1999年9月現在で、 また、これには香料が入れておらず、香料はまた別の観点から見るということで、これ は香料以外のものについて、先ほどの条件に合うものとしてピックアップすると、こう いうものが考えられるということであります。これはさらに精査をしなければいけませ んし、また1999年現在のものでありますから、今、もう2002年でございますので、そう いう点で新しくする必要がありますが、そういうものとしてご覧いただければというふ うに思います。  ただ、これもJECFAで評価がされているというだけで出ておりますので、どの程 度のデータが揃っているのかというようなこととか、さらに新しいデータがあるかどう かというものはまだ全然調べておりません。したがって、当然ながら、指定の可否を議 論する際にはそういったものもすべて含めた上で、指定できるというような条件になれ ば、ご相談するということになるものであります。そのようなものであるということを 付け加えさせていただきます。 ○黒川座長  それでは、時間もあまりなくなってまいりましたけれども、この考え方、案というこ とについて、ご質問、ご意見どうぞ。 ○小沢委員  1972年ですが、国会の付帯決議で「食品添加物の使用は極力抑制する」という決議が ずっと生きております。今回、この26品目が取り扱いとして一人歩きして、一挙に指定 されるように思われているというのも事実でございまして、ましてや新聞で「食品小売 り業界は大歓迎」というふうなコメントもついてございました。  いずれにしても、検討は必要だとは思うんですが、先ほどおっしゃられたように、ど ういう分野に使われていて、どんなレベルで必然性があるのかということをよほど慎重 にやらないと、一方的に増やすのかというふうなことが罷り通ってしまうということが あると思います。  それと、一方で、では減らすものはないのかと。一方で、指定せざるを得ないという か、検討した結果、そういう事態が起きるのだったら、今の日本で許可している添加物 の中で減らせるということも考えていかないと、あるいは日本だけで使ってよいという ものもいろいろ国際的には陸揚げできなかったみたいなこともあるようですが、日本で はこう考えると、EUあるいはアメリカなどでも、日本はこう考えるんだから、おたく はどうだということも言っていっていいと思います。  それから、EU、コーデックスだけではなくて、今の食料の輸入の状況ですと、一体 、東南アジアの方はどうなっているのかという情報もきっちりつかんでいかないと、最 近みたいに、何でも中国ではみたいな話が非常に不安をかき立てている部分もございま すので、考え方として極力抑制するという方向が大事だと思っております。 ○黒川座長  どうでしょうか。 ○基準課長  今のご意見に全部にお答えはできないところがありますけれども、認めていくのであ れば減らすものもあるだろうという点については、そのとおりであると思っております 。  これまでも使用実態とかいうことで、いろいろ調査をしたりして、必要性が失われて いるというものについては、削除したりということを、毎年やっているわけではござい ませんけれども、行われてきました。  また、今回のケースのものは、国際的に広く使われているということであれば、当然 、そういうものが指定されれば、同じような使い方をされている日本でこれまで指定さ れたものがそちらの方に移っていくということも、使い勝手が良ければ移っていくと。 今までは指定が難しかったから、これまで別なものを使っていたというものが、そうい うふうな形で移行することもあり得ます。そういう点について見れば、広く使われてい たものが指定されれば、だんだんに移っていって使われなくなるというケースもあると 思いますので、そういう点について、当然ながら減らすという考え方も持ってこれから 臨んでいきたいというふうに考えております。  また、海外に向けても主張すべきという点についていえば、我が国が国際的に見て標 準的なものであるという方向で進むとともに、そうすると各国に対しても意見が言える ということにもなるかと思っておりますので、これからコーデックスとか、そういう点 での日本としての考え方の主張というものについて、これまで以上に主張できるように はしていきたいと考えております。 ○黒川座長   よろしいでしょうか。どうぞ。 ○井上委員  小沢委員のご発言と関連しまして、厚生労働省の方で今回の見直しで、ぜひお願いし たいと思いますことは、この問題は添加物を増やさないということが一人歩きして、申 請が難しくなってしまって、実態が国際的社会と乖離してしまったという事実をぜひ重 視して、今回の方針を新たな出発点として、積極的な安全性評価とそれに見合った予算 措置、そういったものを兼ね備えた、むしろ私の立場からするならば、もし使えるもの ならば積極的に広げていくということ。ただし、それにきちんとした予算措置とか、そ ういったものをこれを機会に講じていただいて、安全な添加物が普及するというような 状況に転換していただきたいというふうに私は感じております。  これが難しいと結果的にこのような乖離がまた起こってしまうし、先ほどの話にもあ ったように東洋あるいはアジア、日本独自のものに対するきちんとした安全評価という ものがなくて、欧米社会にコーデックスなどを通じて広めていくことが難しい実情があ る、そして、一方的にアジアの食品が排斥されるというような状況がある、こういった ものが改善できないというふうに私どもでは現場で感じております。  今回の乖離なども、こういうことが起こりつつあるいうことを半ば感じつつ、こうい うふうな状況に来たということを厚生労働省の方で大きな、「転換」という表現でよろ しいのかどうかわかりませんけれども、こういったことに踏み切られたことに対して、 ぜひ実質的な方向でもって進めていただきたいというのがむしろ私の希望でございます 。 ○黒川座長  今のことはいいですね。お答えすることがありましたら。 ○食品保健部長  小沢委員から、また井上委員の方からもお話がございましたが、若干、お二人のご意 見は必ずしも同じ方向を向いているとも言いかねる点があるかなと思っておりますが、 先ほど来のご審議の中で、私としてお話しさせていただきましたが、一つは今回のこう いったフェロシアン化物、あるいはそれ以外のものも含めまして、指定をしておらない 添加物についての事案が、一連の食品に対しますいろいろな事件によって表面に出てき たというふうに私ども理解するわけでありますが、そういった中で、私どもも反省しな ければいけないという点が幾つもあるわけであります。例えば先ほど来、小沢委員のご 発言の中にございましたが、付帯決議の中で極力使用を抑えると申しましょうか、そう いうご意見は付帯決議の中にあるわけでございますが、それと同時に、そういった方向 にずっと方針を持っておったがゆえに、指定要請を受けない限り、厚生労働省として認 めないというふうな考え方できたわけでございます。  そういった中で、世界のコーデックスの動きとか、各国の食品に対します添加物の考 え方というもの、あるいは我が国で6割の輸入食品があるという状況を考えた場合に、 ある時点でこの指定添加物につきまして、どういうふうに対応すべきかという議論をき ちんとすべきであったのだろうと私自身思うわけでございます。そういう時期が今回の 事案の中で始めたというのは、私ども大いに反省しなければいけないというふうに思う わけであります。  そういう意味では、今回の考え方、ご相談申し上げております内容は、一つは厚生労 働省自らが必要性があるというふうに、もちろんその必要性云々も含めてのご審議をい ただくわけでありますが、そういうものについては要請を待たずにやっていく必要があ るというふうなことにつきましては、これまでの考え方とは全く異なるという点でござ います。  それから、別に何でもかんでも指定をしたいということではございません。ここはは っきりと私ども申し上げる必要があると思っておりますが、当然のことながら、今の安 全性を前提とした上で、なおかつその使用実態がどうであるかということも含めまして 、必要性も含めて、ご議論していただいて、審議会でのご判断をいただいた上でのこと でございます。  そういうことで必要性がないというふうなご判断がなされるような場合も、私どもか ら指定をお願いしたとしても、そういうことはあり得ると思っております。そういった ご議論をきちんとしていただいた上で、指定をするかしないかという結論を得たいと思 っているわけでございます。  井上先生がおっしゃいましたように、過去に日本でもずっと指定をしてきておるとい う歴史がございます。そういったものについても、私どももう一度今の時点でそういっ たものについての見直しをする必要がないのかどうかということも含めて考える必要が あるのではないかというふうに思っておりますので、そういった添加物全体の問題ある いは今、問題になっております農薬の問題も含めて、私ども、今、どういうものに取り 組まなければいけないかということを考え、また部会の先生方の方からもご意見をいた だきながら進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。 ○黒川座長  高仲先生、どうぞ。 ○高仲委員  きょうは一つの例だと思うんですが、JECFAあるいは農薬の場合JMPRですが 、そういうところで指定されてから時間がたちますと、現実に持っている、あるいは残 っているデータは非常に利用しにくいものが多くなってくる。それについて、今回よく データをこれだけまとめられたな、集められたなというふうに思います。  今後、ここにあるものはこういう方式でやり、殊に国が主体性を持ってやるとなりま すと、データの収集、そして内容の評価というのは非常に大変になってくるだろうと思 うので、その辺は方向の転換と同時に大きな仕事を背負いこむことになるだろうという ふうに思っております。  きょうの例から見ますと、先ほどからご指摘ございましたように、ADIを決めると いう点では、多くの場合には長期反復投与の試験をベースにしておりますから、きょう 得られてきたデータ、既に3カ月あるいは2年ということで、そしてさらにセーフティ ファクターを見ても1,000 あるいは100というようなリーズナブルな線で決まっていっ て、これに問題はないと思っています。ただ、ご指摘がありましたように、リプロダク ション、この辺のデータが今回は抜けております。そして、先ほどご指摘ありましたよ うに、テラトジェニシティーテストすらインハレーションという非常に特殊なルートを 使っている。  もう一つは、こういう生態反応を引き起こすであろうもととなる、そのものの体内の 動きに対しての、要するに動態に関するデータというのが非常に少なくなっております 。このものは、吸収が悪いものですから、口から飲ませるというのではなくて、直接、 体内に入ったらということで、多分、静脈へ投与したデータが非常に多いのだろうと思 うんですが、そういう面も含めて、実際にこれは体内に、我々が摂取した場合にどうな るかというデータも欲しいわけでございます。  ただ、今回のこのADIを設定して、安全性を見るという点ではそれなりにデータが 揃っておりましたので、今日のことはこれでいいと思いますが、今後、その他の添加物 についてデータを集めていくということになりますと、ガイドラインに従っていないと いう指摘もこの中にございましたけれども、現在、我々が持っているガイドラインに合 ったような形のものを集めていくということだと思います。そして、また足りないもの については、何らかの手当てをして、やはり我々がこの添加物の指定に当たって得られ ていたデータに匹敵するようなものを集めていくということがより必要になってくると 思います。その辺についてはよろしくお願いしたいと思います。 ○津金委員   関連するんですけれども、動物のデータに関しましては、国際的なデータを大いに利 用すべきだというふうに考えるんですが、今、ちょっと出ましたが、体内動態みたいな ものは、そういうヒトのデータに関しては日本人独自のものを優先的に収集するという 考え方も必要ではないかと思います。 ○鈴木(勝)委員   関連するんですけれども、今までの申請者が責任を負うというところを一歩踏み出し て、国の方から指定をするということになってきたときに、データが足りなかったり、 なかったりした場合にそれをどう補うかというところで、国が責任を持ってデータをつ くるんだよねという部分をどこかで覚悟しておかないといけないのではないかと思うん です。  先ほど井上先生がちょっと予算措置というような言葉を使われたので、そういったこ とを含めて言っておられるのかなと思ったんですが、もし井上先生がそれを意識されて いないのだとしたら、そちらの方で予算措置をという意味も加えておいていただけたら いいのではないかと思っています。 ○食品保健部長  一言だけ、ご説明を付け加えさせていただきます。  井上先生、それから鈴木先生のご意見、そのとおりでございまして、私ども指定要請 は全然考えないで、すべて厚生労働大臣の職権でやるということを申しているのではご ざいません。当然、指定要請が来るものに対しては、それは従来どおりの考え方で整理 をした上で、もちろん対応していただくということでございます。  そうした場合に、極力、広げるという考え方ではありませんが、厚生労働省として審 議会にお諮りして、この部分については、待っておっても出てこないというものについ ては、職権によって厚生労働大臣として指定をご審議いただくというふうな方法を考え ざるを得ないような局面があり得ると。そういった場合には、今、先生方からございま したように、場合によっては試験のデータというものを自ら用意するということが必要 になってくるというのは十分認識した上で考えております。 ○黒川座長  時間でございますけれども、指定についての考え方、案ということで、大体基本的な 線では皆様方にいろいろご意見をいただきましたけれども、ご了解願ったということで よろしいでしょうか。  事務局、何かございますか。部長、課長からたくさんコメントがあったと思いますけ れども、よろしいでしょうか。  これに関してもいろいろな場面で、これから煮詰めていくということでよろしいわけ ですね。 ○基準課長   この考え方というのは、ある面で大きな基本的な考え方を今日はお示ししたというこ とであります。何回も申し上げますが、部長も申し上げましたように、すべて国がやる ということを申し上げているわけではないわけでありまして、基本的な考え方はこうい うことであり、その点についてはご了承いただいたと思っております。  ただ、具体的な評価とか、データということになってきますと、やはり個別にとか、 あるいはそういうことでまた別途ご議論をいただかなければいけないものはあるかとい うふうに思っておりますので、きょうは基本的な大括りの考え方につきましてご意見を いただいて、ご了解いただいたのかなというふうに思っております。 ○山崎部会長   もう時間が過ぎておりますので、一言だけ申し上げますと、きょうは部長からあるい は課長からのご説明と先生方からの貴重なご意見があって、基本的な考え方ということ についても、私としてはおおよその了解が得られたと思います。  大事なことは、今までのご意見の中でも尽くされておりましたけれども、60%に及ぶ 輸入食品で、特に二次加工、三次加工を経たような食品を今我々は摂食しているわけで ございますけれども、その中に例えば添加物として指定されないためにブラックボック スに入ったようなものが実際に食卓にのぼっているというようなことによって、食生活 の安全がもし脅かされるようなことがあるといけないということで、今まで要請されな い限りは検討の対象にならなかったというところを一歩踏み出そうということで、これ は大変大きな、大事な動きになってきているというふうに私は了解しております。  ただ、日本人の食性とか食材料の違いというのは、食文化の違いというものもござい ますので、その辺のことを慎重に審議の中に加えていくということと、これは身体的な 条件なども入るかと思うんですが、そこでの検討のシステムを、これも先ほどから先生 方のご意見の中にあって、予算、人員、その他のご意見があったので、もう重々ご理解 は得られていると思うんですが、やはりシステムをきちんと構築していく必要があるの ではないか。決して、思いつきとか、行き当たりばったりということではないという、 そういうことで万全を尽くしていく必要がこれからあるのではないか。蛇足でございま すけれども、それだけ、私はこの席にいる責任で、今、黒川部会長の方から要請がござ いましたので、一言だけ付け加えさせていただきました。 ○黒川座長  ありがとうございました。  それでは、これでよろしいでしょうか。ほかに議題ございますか。  それでは、遅くまでお疲れのところでございましたでしょうけれども、長時間ご議論 ありがとうございました。これで会を終わらせていただきます。                                     −了− 照会先:医薬局食品保健部基準課 吉田、加藤、東良     電話(代表)03−5253−1111       (内線)2489、2453