02/07/11 第2回新医師臨床研修制度検討ワーキンググループ施設基準小委員会議事録           新医師臨床研修制度検討ワーキンググループ               第2回施設基準小委員会                       日時 平成14年7月11日(木)                         14:00〜                      場所 経済産業省別館第1020会議室 ○医事課長  ただいまから、「新医師臨床研修制度検討ワーキンググループ施設基準小委員会」を 開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をご出席いただきまして 誠にありがとうございます。本日の出欠状況ですが、川崎委員、下村委員、山口委員か ら欠席の連絡をいただいております。本日も、文部科学省から高等教育局医学教育課の 村田課長が出席しております。議事進行につきまして、堺座長よろしくお願いいたしま す。 ○堺小委員長  早速議事に入ります。事務局から、第1回の小委員会以降の経過についてご説明いた だきます。 ○医事課長  前回の会合以降行われた、「処遇」と「研修プログラム」についての小委員会の議論 の概要をお話させていただきます。「処遇」の小委員会が6月28日に行われました。こ の席では、処遇についての労働法関係の適用の問題が議論されました。労働基準法等に よると、週40時間、1日8時間という基準があるわけですが、こういった基準が実際に 現場で守れるのかどうか、ということの議論が行われました。それに伴い、基準監督署 等でどういった対応になるのか、といった議論が行われました。  これに対して基準局の監察官から、実際問題として、そういう個別のケースがもし あった場合には、それぞれの施設の担当の方から具体的にお話を伺いつつ指導をさせて いただくことになる、という説明がありました。 いくつかの施設をプログラムの中でローテートしていくような場合に、その間での契約 関係、あるいは給与の支払い等はどういった形になるのか、といった取扱いの問題も議 論されました。これについては、事務局で最終的に詰めが終わっておりませんので、途 中経過ということですが、事務局では、「管理型病院」と言っておりますが、そこを中 心とした「在籍出向」という形でのローテートが1つの形として考えられるのではない かということです。その場合の給与の支払いのほかに、保険の契約がどのようになるの か、ということも含めて今後さらに詰めてご報告し、議論していただくということにな りました。  花井委員から、女性の立場ということで、研修中に妊娠した等で長期間にわたって休 まなければいけないような場合にどのようになるのか、という質問がありました。これ は、そういった場合もありますし、途中での留学ということもあり得るわけですけれど も、そういうことも含めてケース・バイ・ケースということにはなろうかと思います が、まとまった場合については何らか別途の研修を受けてもらう必要があるのではない か、ということも含めての議論が行われました。これにつきましても、最終的な部分に ついては、今後さらに詰めて、またお諮りをしたいということです。  給与の関係については、給与水準についてどのように定めていくのかという問題、給 与水準という格好で、一定のレベルを示し得るのかどうかということについて議論が交 されました。これも、今後さらに具体的なあり方を法律的な制約も含めてお示しすると いうことですが、基本的に最低賃金であるとか、ミニマムな部分は示せるのではないか という整理です。「処遇」の関係で行われた主な議論は以上のようなことです。  プログラムの小委員会は一昨日行われました。研修医の評価について、1回目の会合 でお示ししていなかったので、それはどのようになっているのかということについてお 示しをした上で議論をしていただいたわけですが、研修医の修了認定の判定などに当た り、ある程度統一的な基準が必要なのではないかという議論がありました。海外で研修 したような場合について、どのようにこれを評価していくのかということもありまし た。海外での研修については、現状では基本的に個別の判断になろうかと考えている、 という説明をさせていただきました。  マッチングの関係の資料も提示して議論していただいたわけですけれども、アメリカ の現行の仕組みとの比較の問題、これは義務的な格好にできるのかどうかという問題で す。これは義務的に行うのはなかなか難しいのではないか、という我々の現状の解釈を お話させていただきました。それに加えて、マッチングの問題というのは、プログラム なり施設なりで、定員をどのように考えるのかという問題と関係してくるのではない か、という議論がありました。  1回目のマッチングでうまく決まらなかった場合の2次募集はどのようにしていくの か、という議論も行われました。そのマッチングの仕組みをどこが主催して行うのか、 ということについては、事務局としては基本的に国を中心に考えている、という説明を させていただきました。実際にいつから導入していく予定なのかということについて は、平成16年の段階で、これを利用できるような形で準備を進めていきたい、という説 明をしております。  ローテーションの関係については、必修のローテーションと、選択の部分というふう に事務局の提案は分かれているわけですが、それ以外に選択必修という考え方はどう か、ということで議論が行われました。  研修の目標については、事務局の提案では必修の部分とそれ以外と分けてあるわけで すが、大学の関係では疾患の経験率という関係で70%とか90%という考え方も導入され ておりまして、こういった考え方も取り込むべきではないかという議論が行われまし た。目標の中で、介護保険ということについても書き込めないのだろうか、という提案 もありました。  基本のローテーションとして、精神科、産婦人科についても必要ではないか、という 意見もありました。さらにローテーションの分野としては、内科、外科というような個 別の科という示し方のほかに、内科部門、外科部門、成育部門というような形である程 度幅を持たせた表現についても考えてはどうか、という提案もありました。  以上のような議論がありましたが、さらにこの部分については議論がもう1回では足 りないのではないかということで、23日にもう1度会合を持つことになりました。「判 定」の問題、「修了に関する評価」の関係、「マッチング」の問題、「定員」の問題、 「選択必修」の問題などについて、さらに検討していただくことになりました。以上、 1回目以降行われた「処遇」と「プログラム」についての概要をお話させていただきま した。 ○堺小委員長  ただいまの事務局のご説明に対し、ご質問あるいは出席された委員から補足等があり ましたらお願いします。 ○堀江委員  一昨日行われました、プログラム小委員会について課長から報告がありましたが、コ アについては、内科、外科、小児科、救急を取り入れ選択必修、選択の部分、地域医療 や介護等についてはさらに検討しようということになりました。  コアについては、ある程度合意が得られたと考えておりますが、そういうことでよろ しいですね。 ○医事課長  コアの部分に先ほどの4つを入れるということについては、皆さんの賛同が得られた ということなのですが、それ以外については引き続きということではないかと思いま す。 ○松田委員  処遇のところで、財源としては一部診療報酬プラス国からのということなのか、財源 についてはどういうところに落ち着きそうなのですか。 ○医事課長  お金の出所という意味での財源ということで言えば、基本的に一般財源と診療報酬と いうもの以外には、特にアイディアもないというか、実際問題として心当たりがないも のですから、とりあえずそういう中でどのようにして確保していくかということで、そ この具体的な中身はもう少し詳細な部分を検討した上で議論していこうということにな りました。 ○堺小委員長  本日は、前回以降お寄せいただいた各委員の意見が資料2に1から5まで出ておりま すので、それを踏まえて本日の主題である「臨床研修病院の施設基準」について、事項 ごとに順に議論していきます。初めに、「研修管理委員会プログラム責任者及び指導医 の考え方」に関して、西岡委員の提案と、事務局の提案に若干違いがあるのではないか ということがありますので、まとめてご議論いただきます。その後に、具体的な施設基 準の細目にわたってご議論いただきます。初めに、「研修管理委員会プログラム責任者 及び指導医の考え方」についてご意見がありましたらお願いします。 ○西岡委員  意見のところに書かせていただいたのですが、提示されております研修管理委員会と いうものが、非常に膨大な機能を担っていることになるのかなと思ったのです。その機 能としては、「企画の機能」と「実行の機能」を担う。ここでは評価の問題は別です が、「評価」も担ってくるような形になっています。これは、それぞれ独立したほうが いいのかと思いました。  1つの組織というよりも、私たちは全国医学部長・病院長会議で出しておりますよう に、卒後臨床研修センターが企画しますし、研修委員会が各実行組織としてあります。 もう1つは、いろいろな組織の連携をとるための連絡協議会をやっています。だから、 もう少し整理した形のほうがいいのかなということで、1つ提案させていただきまし た。 ○堺小委員長  先生がおっしゃるのは、いまの事務局の提案だと、各プログラムごとにあるので、そ れをもっと包括的に統括できないかということですね。 ○西岡委員  そうです。 ○堺小委員長  このことに関して事務局からご説明いただけますか。 ○医事課長  私どもの考え方では、研修医何人かに対するまとまったプログラムという考え方で 括っていって、2年間を通じて一定のそのプログラムに参加している研修医をフォロー する、という体制が必要ではないかと考えております。そのプログラム自体は、参考資 料2−2の7頁に「プログラム責任者」という形で書いてあります。このプログラム責 任者が基本的に一定の10人なら10人のプログラムを組んでいただく。そのプログラムに ついての企画、作成を行っていただき、引き続き管理もしていただきます。  管理委員会のほうは、そういったいくつかのプログラムが施設にあったとすると、そ ういうもの全体としての進行状況、問題が生じていないか、各科での調整といった機能 を果たしていただくといったイメージで行っております。  私どもがお聞きしたいのは、研修センターが全体を見ることになると、あまりにも数 が多くなりすぎたりして、フォローしきれるのだろうかということがあります。その辺 りのお考えはどういうことになるのでしょうか。 ○西岡委員  私たちが研修センターとしてイメージしましたのは、大学病院が集まっている会で考 えておりますので、そこにはいろいろな診療科なり、指導医の代表が参加した形で卒後 研修センターというものの下請をするという形でイメージしております。  上には病院長直括で、研修センターをつくっておいて、そこに代表者が集まっていろ いろな討議を行います。その下に指導医の各担当者がいるという形です。だから、指導 医は実行組織になりますし、いろいろなケアをしたりというところになってくるという イメージなのです。 ○医事課長  2−2の別添の8頁に絵が描いてあります。私どもの事務局提案でいくと、いちばん 上に病院長、これが委員長という格好になろうかと思います。その下にプログラム責任 者がいて、さらにその下に指導医がいるというイメージです。先生のお話だと、研修委 員会が、卒後研修センターと同じような位置づけでということでよろしいのでしょう か。 ○西岡委員  もう1つ加えると、いろいろ診療科のエゴが出てきますので、そのエゴをできるだけ 排除したいという意味もあり、それで病院長直括の卒後研修センターにして、そのエゴ を排除して、できるだけ研修医にとって良い研修ができるような形を企画しようという イメージの組織を考えております。ですから、ここで言われる研修委員会に相当してく るのかもしれません。 ○北村委員  課長がおっしゃっている、研修の1つのプログラムというのは、私が考えている臨床 科、内科、外科というのに相当すると思っているのですが、概念の統一でそれでよろし いのでしょうか。 ○医事課長  そこがちょっと違うのではないかということです。ここで言っているプログラムとい うのは、本日の参考資料2−3で、プログラムの基準についてお示しした資料がありま す。ここで示しておりますように、3頁で「基本ローテーション」ということで構成し ていますが、どういう診療科をどの期間回る、どこで研修するということも含めた、2 年間のひとまとまりの研修の単位の塊をプログラムというふうにイメージしています。 どこかの科ということではなく、いろいろな科を一定期間回る、そういうものを寄せ集 めたものをプログラムとしています。その1つの回り方をする人が何人かいて、そのプ ログラムの実際の研修医ということになるというイメージです。 ○北村委員  我々とはだいぶイメージが違うので、すり合わせをしたいと思います。西岡委員、堀 江委員と相談していたときは、1つのプログラムというのは、1つの診療科のイメージ でした。そのプログラムを2年間にわたって、内科3カ月とか6カ月とか、外科2カ月 とか3カ月というのを渡り歩く。課長がおっしゃった、1つのプログラムの中で収まっ ているのではなくて、プログラムを渡り歩いて2年間ができるものだと、私個人的には 思っておりました。  この絵だと、1つの病院に3つプログラムがあります。将来内科に行く人のプログラ ム、将来外科に行く人のプログラムみたいなイメージと捉えていいのですか。そして、 その三角の中でしか1つの研修医は動かない。隣りの三角には動かないという発想です か。 ○医事課長  そうです。それぞれのプログラムの中で内科、外科、小児科、救急といういろいろな ものを含んでいるというイメージです。 ○北村委員  8頁の絵でいくと、小児科の指導医は、各プログラムに必須として小児科があるわけ ですから、第1三角の指導医なのか、第2三角の指導医なのか、第3三角の指導医なの か、というふうに分かれるわけですね。でも、それは不合理だと思うのです。  むしろ、小児科は小児科プログラムがあって、そこに課長のおっしゃるプログラムで 回っても、小児科に来たら3カ月は小児科プログラムで動けばいいので、指導医は病院 で共通であろうと思うのです。やはり、この「研修プログラム」というものの概念を一 度度統一してからディスカッションを始めたほうがよかろうと思うのですが、いかがで しょうか。 ○医事課長  そこは統一というか、はっきりさせておいたほうがいいと思うのです。指導医といっ ても、研修医が来ないときは指導医はある意味で遊んでいるわけです。別に科に専属と いうか、科のプログラムに専属という格好でなくても、同じ指導医が最初の半年はAと いうプログラムの指導に当たり、次の半年はBというプログラムの指導に当たるという ことでも問題はないのではないかと思うのです。 ○北村委員  同時にAとBの指導には当たれないです。 ○医事課長  それは、指導医が指導できる数には限度がありますから、その辺の調整を研修委員会 でやっていただくという意味です。 ○堺小委員長  この議論は長くなると思うので、ちょっとまとめていきたいと思います。 ○松田委員  これは非常に複雑で、少なくとも私が思っているプログラムというのは、個々でなく て、病院全体がまとまった1つのプログラムです。これが研修センターで、病院長の下 に1人のプログラム責任者がいて全部を見ないと、病院長は全部はできません。分けて しまうとそれこそバラバラなので、この絵では3つの病院があると。右端の三角が1つ のユニットというか、病院というイメージでやったほうがいいと思うのです。あまり細 かくなると大変だと思うのです。 ○梅田委員  質問なのですが、北村委員が言われた表現の中で、将来外科へ行く人のプログラム、 将来内科へ行く人のプログラム、将来クラインへ行く人のプログラムという表現をされ ましたが、そういうのがあるのかどうか。例えば、大学なら大学で、それは一貫してと いう意味なのか、それはどちらでしょうか。  先ほど北村先生が言われたような表現ならば、こういうふうに研修プログラムの三角 が、内科系プログラム、外科系プログラムみたいなものができてくるわけです。いま松 田先生がおっしゃったのだと、大学で1つということなのですが、それはどちらでしょ うか。 ○北村委員  個人的には、内科系、外科系等に分けるべきではないと考えています。この制度に なって、スーパーローテーションを取り入れるのですから、将来の専門に行くのは、少 なくとも表向きは研修が終わった段階、あるいは研修中に決めるべきであって、卒業し たときに、あなたは内科系のプログラムを選ぶのですか、外科系を選ぶのですか、とい うような選択をさせるべきではないと思っています。したがって、そういうのはつくる べきではないと思っています。 ○堺小委員長  たぶん、これは大学の特殊な発想だと思うのですけれども、民間病院から見て櫻井先 生はいかがですか。 ○櫻井委員  私は、参考資料2−2は大学関係の研修について書いたものだと思っていました。8 頁の絵は「管理病院」というのを示して、その下に「協力病院」がこのようにあるので はないかという感じを受けていたのですがそうではないのですか。 ○医事課長  私どもの意図としては、「管理病院」「協力病院」はそういう概念とは別に、1つの 研修の単位として考えるとこういう格好になる。そのプログラムの中で管理病院でやる 部分もあるし、協力病院でやる部分もあるというイメージなのです。  なぜこのように小分けにしたかというと、1人の責任者が一体何人の研修医を2年間 にわたって見られるかということを考えると、40人も50人もを1人が、いまどこへ行っ て何をやっている、というようなことはフォローできないのではないかということで、 一定程度の数ごとに分けて責任を持っていただく、という形が要るのではないかという ことで、その責任単位としてプログラムをそれぞれ分けて書いているというイメージな のです。 ○堀江委員  研修プログラムのコアとか、選択必修については、前の小委員会で議論されました。 2年間行われる臨床研修のプログラムが、すべて画一的である必要はない、ということ は皆さんの考え方であったと思います。ただ、その2年間に自由度がありすぎると、従 来の研修のあり方、批判されている研修のあり方とどう違うのだという問題も出てく る。  そういうことから、1つは必ず研修すべきコアをつくると同時に、選択を取り入れる ということはあってもいいし、これは必ずしも内科系、外科系のという意味ではありま せんけれども、その選択肢において、いろいろな診療科の選択ということであってもい い、その辺のところを、もう1度次の委員会のときに詰めようということであります。 画一的に内科何カ月、外科何カ月、小児科何カ月と、すべて2年間のプログラムを組み 立てなくてもいいのではないかという考え方です。 ○堺小委員長  これは、考え方を同じにしたいと思います。北村委員がおっしゃったように、一応大 学は全体で1つのプログラムとして考えたいということでよろしいですか。 ○島田委員  私どもの大学では、従来の内科を志望するというようなことは悪だ、というような考 え方はおかしいと思うのです。自然の流れとして内科をやりたいとか、外科をやりたい とか、クラインをやりたいというのがあると思うのです。初期研修でそういう流れにう まく乗っていければいいわけであって、最初から統一プログラムでなければいけない、 というような固い考え方でなくてもいいと思うのです。 ○堺小委員長  プログラムのほうはプログラム委員会でご検討いただくのですが、皆さんの意識とし て、研修プログラムというのは、研修施設と同じような形で、大枠で捉えていただいて よろしいでしょうか。 ○西岡委員  それをやってしまいますと、非常に研修が窮屈になってしまうのではないかというの で、私たちはこのセンターという形を出しています。ある人は内科を4カ月回る人がい て、婦人科を2カ月回るというプログラムもあれば、ある人は外科を3カ月回って、救 急を6カ月回ってというプログラムも出てくるわけです。これが、論点整理のところ で、できるだけ自由な形の選択ができるようなプログラムを作る。  それが1つしかできない施設は1つでもいいですし、いくつもできる施設も出てくる わけです。そういったときに、この形で一括りにしてしまうと、ここにあります研修委 員会のプログラム責任者というのは非常に窮屈になってしまいます。プログラム責任者 をたくさん置かなければいけなくなるということで、それをさらに統括する形で、卒後 研修センターというものを持っていったほうがいいのではないかということです。 ○堺小委員長  先生がおっしゃっているセンターと、ほかの人がおっしゃるプログラムと同じに思う のです。 ○北村委員  課長が非常に大事な点をおっしゃったのですが、プログラム責任者の役割ですが、こ れが普通の診療をしている医者と兼務でやるというイメージだと、例えば内科の医者 が、研修医10人がいま外科へ行っている、産婦人科へ行っている、外の病院へ行ってい るというのを管理しろということですね。それは絶対にできないと思います。  いま、研修医がどこへ行って、どういう研修を受けているかというのを管理するなら ば、専任であるべきです。逆に専任であれば、10人ぐらいではかえって仕事は少ないの で、1つの管理型の病院に1人、2人がいて専任で当たるべきで、普通の診療をやりな がらプログラム責任者をやることは絶対に不可能だと思います。もし、そういう業務を プログラム責任者に与えるならばと思います。 ○堺小委員長  それに関しても、プログラム委員会のほうでご検討はいただくわけですね。 ○堀江委員  いまの段階では、プログラムの内容を主体に考えて進めています。 ○梅田委員  いま北村委員がおっしゃったようなことは、施設基準のほうの考え方になるのではな いでしょうか。これに関しては私にも言わせていただきたいのですが、考え方としては 北村委員、医事課長と同じです。しかしながら北村委員とちょっと違うのは、大学病院 だったら専任の管理者を置く余裕がありますが、一般病院の場合、それに専任する人間 を置く余裕はありません。例えば、5人とか10人ぐらいの研修医を受け入れるような施 設の場合には、私は診療をやりながらもやるということ。  繰り返しますけれども、普通の学校にも担任というのがいて、中学校以上では担任と いうものと教える先生はまた違う。私はその姿だと思っていまして、その担任がちゃん と2年間、この人はどうやるのかということを全部プランを立ててやって、「次は何先 生の所へ行きなさい」ということをやってやるというのは非常に重要だと思いますし、 それが管理型病院の大事な役割だと思っております。  先ほど西岡委員が言われましたが、自由度を許すことが、果たしてそのプログラム作 りを楽にするかどうかは私は疑問だと思っています。自由にすればするほど、逆に何科 に何カ月お任せするというのは大変なことです。ですから、ある程度コアの部分は大き くしておかないと、現場は回らないと思います。 ○西岡委員  おっしゃるとおりで、私の言っている自由度は、例えばコアを外してしまうというの ではなくて、コアをきっちりしておいて、そこへ選択できるような自由度を与える。そ れは、かなり多様性を持たせることが可能なのではないか。その分、研修センターはも のすごく労力が要ると思うのです。それをプログラム責任者にお任せする、というのは 不可能だと思うのです。  医事課長がおっしゃっているときは、ある1つのプログラムでこういうローテーショ ンをするプログラムに1人、プログラム責任者ということです。それも、人数が少ない 所はそれでいけるでしょうが、人数が多くなってきた場合には、そういうのがいくつも できてくるだろうと思います。それを全部統括する組織がいるだろう。しかも、うまく いっているかどうかというのをチェックしなければいけない。  そういうところでは、研修センターというのがあり、しかも可能であれば専任の人が いて、全部の面倒を見るという形をとらないと、良い研修ができないのではないかとい う考え方です。 ○医事課長  だから、イメージしているところはそう違わないと思うのです。プログラム責任者が 見られる人数には限度があるので、例えば10人ぐらいずつを単位にして見ていただく。 その全体の調整は、8頁でいえば研修委員会の中で調整をしていただくということで、 言っていることはそう違わないのではないかと思うのです。  北村先生は、臨床をやりながらは絶対に見られないとおっしゃいましたけれども、い ま現在櫻井先生の所でもそうですし、私どもは医療センターでも随分話を聞きましたけ れども、10人かぎりぎり20人だったら見られる。20人だったらかなりきついと思うので すけれども、そういう声も伺っています。もちろん、院内でいろいろな業務の調整をし ていただく必要はあろうかと思いますけれども、不可能ということではないのではない かと思います。 ○堺小委員長  北村先生に確認したいのですけれども、先生がおっしゃったのは、例えば総合診療内 科みたいなものをイメージされておっしゃったのですか、そうではなくてですか。 ○北村委員  研修センターに、専任の医師が置ければいちばんいいと思います。逆に他人というの は無責任になるわけで、半年間預かったというか、そこにいる所の人が責任を持つべき ではないかと思っています。 ○堺小委員長  わかりました。 ○医学教育課長(文部科学省)  私は、中身についてはあまり言いたくないのですが、議論を整理するために発言させ ていただきます。ご議論をお伺いしていて、同じことを違う言葉で言っているから議論 がそわないということがあるのかなと思います。いま議論しているのは、ある組織を指 定するかどうかというときの、その中のストラクチャーの問題です。その当該組織がプ ログラムを標榜するのでしょう。その標榜するプログラムがちゃんとできるような体制 になっているか、そのためにはどういうファンクション、大きなファンクションから小 さなファンクションまでいろいろあると思いますけれども、どういうファンクションが いちばん重要なのか、というところだけを整理しておけば、後の構造それ自体は、ある 意味では名前をどういうふうに付けようが関係ないはずだと思います。その辺を1回整 理されたほうが、議論がすんなり終わるのではないかと思います。 ○松田委員  混乱している原因は、いちばん下の所に「プログラム」と書くのが混乱しているので あって、私は「カリキュラム」だと思うのです。いくつかのカリキュラムをまとめたと ころが「プログラム」なのです。ある病院は、点線の三角が1つだけの所もあればたく さんの所もあるわけです。現場の所をプログラムとするから議論がおかしくなるので、 コアのところはいろいろな選択があって、カリキュラムがある。それを全体にまとめた のがプログラムであって、そこにいるプログラム責任者が全体を見て、それは1人で見 られなかったら、カリキュラムごとにサブリーダーを置く、ということでまとまるので はないですか。 ○医事課長  三角が1つのプログラムで、一連の行動をしていくグループです。確かに指導医の所 は、そのローテーションをする科によって変わってきますから、それを全部固定的にプ ログラムに取り込んでしまうと、そこは齟齬が生じるかもしれません。 ○堀江委員  第1回の合同の小委員会のときにも、言葉の使い方がかなりいろいろありましたか ら、これは言葉の整理をしてやっていったほうが、進行はしやすいと思います。 ○堺小委員長  西岡委員、そういう考え方でよろしいですか。 ○西岡委員  三角一つひとつがプログラムだというと、この病院は3つのプログラムを持っている ということになるので、それはおかしいと思います。ある施設は1つのプログラムでは ないのですか。 ○医事課長  いいえ。 ○西岡委員  違うのですか。そうでないと、ある病院の中にプログラムA、プログラムB、プログ ラムCがあったらそれこそ混乱するのではないですか。 ○医事課長  3つに分かれているから、それぞれ責任を持って、10人なら10人ずつをきっちり見ら れるということだと思うのです。 ○松田委員  その3つは、同じものが3つあるのではないのですか。 ○医事課長  同じものが3つの場合もあるし、それぞれ特色があって、若干選択の部分が違うもの もあるかもしれないというイメージです。施設で括ってしまいますと、いろいろな施設 を渡り歩くようなプログラムが逆に組めなくなってしまうわけです。そこは、こういう ふうにすることによって自由度が出てくるのではないかと思います。 ○堀江委員  研修でのカリキュラムでどの科をコアにして、どの科が選択になるかは、次の小委員 会で議論されると思います。そうすると、このプログラムが同じ三角なのか、それとも 少し違いのある三角なのか、ということが出てくると思います。 ○堺小委員長  よろしいでしょうか、ありがとうございました。 ○医学教育課長  1つ問題提起させていただきます。いまみたいなご議論での理解の上に立ってです が、参考資料2−2の別添の7頁の「研修管理委員会の役割」のところに「研修医の処 遇」と書いてありますけれども、この研修管理委員会というのは、院内の1つの組織に しかすぎないですから、そういう意味で「処遇」というのはどこまで責任を持てるの か、というのはもっと組織ベースの議論になってしまうかもしれません。ここは、ご議 論があるのではないでしょうか。 ○医事課長  これは、処遇が適正に行われているかどうか、ということの抽象的な概念で、この委 員会そのものはあくまでも院内の一部のファンクショナルな仕組みです。実際に給料は どうなっているのかということでは、事務局が給料を払うわけで、その事務当局はまた 別にいるわけです。それに対していろいろな指示を出すという意味での位置づけだとい うことです。 ○医学教育課長  処遇の何、というところが最終的に問題になるところだろうと思いますので、その 「処遇」の後に書くべき言葉は余計気をつけて考えたほうがいいのだろうと思います。 ○梅田委員  医学教育課長の意識は、国立大学の意識だろうと思うのです。 ○医学教育課長  いいえ。 ○梅田委員  我々自治体病院で言うと、ほかの病院へ出たときに、管理者がほかの病院でどんな処 遇を受けているか、ということが非常に気になります。逆に良すぎるとまた困ります し、悪すぎても困るということがあります。私どもは、研修処遇で切っておいていただ いたほうがよくて、処遇の何々と付けると非常に細かくなってしまいます。やはり、処 遇もここで見なければいけないと思います。 ○医学教育課長  見きれるものと、見きれないものがあるはずなのですが、私は別に国立大学の頭を もって言っているつもりは全然ありませんが、こういう組織の中の組織をつくるとき の、どういうファンクションをアルケートするかというときの議論に処遇と言ったとき に、処遇の一切合切ですという議論は、責任との関係においてラフではないかと思った から言っただけです。 ○医事課長  処遇については、別に処遇委員会で、ミニマムに臨床研修をやる上での基準を作ろう としているわけですので、当然それのことを指しているというイメージです。 ○堺小委員長  そういうご理解でよろしいでしょうか。次に、「具体的な指定基準」のほうに議論を 進めます。まず、大きく「単独型」と「病院群」に分けて議論を進めます。資料は参考 資料2−2の「臨床研修病院の指定基準(案)について」の2頁から議論を進めていき ます。研修プログラムに関する基準は、いまの議論でご理解いただいたということでよ ろしいでしょうか。2番目の「施設、人員等に関する基準」、1「病床数又は入院患者 数」について活発なご意見をお願いいたします。ちなみに現行では300床、3,000名以上 です。 ○松田委員  単独の場合のコンセプトと、群の場合の管理型とはイコールと考えていいのですか、 また違うのですか。 ○医事課長  そこは、まさにいろいろご意見をいただきたいところです。 ○松田委員  私の提案は、このように分けないで基幹病院というか、中央になる病院を1つ基準を 作っておいて、それが単独でやる場合もあるし、群をつくる場合もあるということで す。ほとんどイコールというふうになるのかな。単独型というのは、群の場合の中心と なる所とまた違うのでしょうか。 ○堺小委員長  ほぼ同じだと思うのです。私の個人的な考え方では、単独型に限りなく近い病院で も、何か特別な機能のあるほかの病院と一緒にやりたいと。地域医療が議論になるかど うかなのですけれども、それをもっていない所をやるとか、そういうことだと思うので す。 ○松田委員  単独型だったら、そこでやるというのではなくて、そこもフレキシビリティを取って おけば、単独型を決めるのと、群型の管理型を決めておいて、協力するところはする し、単独で頑張る所はどうぞ頑張りなさいというスタンスでいいのかなというイメージ をしています。 ○堺小委員長  この辺は、たぶん悩ましい問題が出てくると思うのです。単独型で逃げきるというと おかしいですけれども、単独型でいける所は、どんどんそこでいってしまう可能性があ ると思うのです。 ○櫻井委員  これは、去年その前からやってきました。実際問題として、単独型で基礎的臨床能力 を与えるような教育プログラムを組める所もありますけれども、ない所もあります。例 えばがんに特化している病院だとか、小児だけに特化している病院があります。そうす ると、協力病院が必要になります。  もう1つは、違ったタイプの協力型病院が必要なのは、大学病院で、出張病院に研修 医を派遣するという形のものです。松田先生がおっしゃっているのは、いままでの経緯 からすると、1つにまとめるというのは認定する意味でちょっと無理があるのではない でしょうか。 ○松田委員  単独型にこだわると、例えば大学病院などがあまり変われないのではないか。大学病 院が単独型で手を挙げてしまって、そこだけでやると。それと違って、大学もいろいろ な所と手を結ぶべきだと思うし、そうすると、あえて単独型でつくってしまわないほう がいいかなという気がしているのです。私の趣旨はそういうことです。 ○西岡委員  この議論で厚生労働省に教えてほしいのですが、指定基準は現行のものがあります。 そのときにいちばん問題になっているのが、剖検数のためにいろいろな所が指定を取れ ないということで、いちばんのハードルはそれかなと私は理解しています。そうすれ ば、あえて現行の基準を下げるとか、あるいは変えるとかということが必要なのかどう かということをどういうふうにお考えになっているのか、そのスタンスを教えてほしい のです。 ○医事課長  スタンスというか、これまでの議論でも、これまでの臨床研修指定病院で目指してい た高度な、高機能なというイメージから、地域医療、プライマリーケアを習得できるよ うな施設ということを目指すべきだ、ということになってきています。そういうことか らすると、いま決めている基準が、仮にクリアが難しいとかどうとかということ以外 に、もう1度原点に帰って見直してみる必要があるのではないかと考えているわけで す。  そういう意味で、300床という基準は数字で出ていますから、それは手を挙げてくる人 にとっては難しい課題でもなんでもないわけです。それ以下の病院でも、もっと積極的 に取り組みたいと思っている所もあるわけです。そういうことも含めて、今回は基本的 に見直す必要があるのではないかと考えております。 ○西岡委員  そうなりますと、確かに300床以下の所でもやりたいという熱意を持った方もいっぱい いることはよくわかっています。そのためにこそ、病院群みたいなものをお考えになっ たのかなと考えていたのです。この3つ目のところに、「単独型ができなくても、いく つか集まることによって研修ができる場所を構成できる」ということをお考えになった のかなと思ったのです。だから、あえていまの基準を動かす必要が果たしてあるのかと 思っていたのです。 ○梅田委員  私の意見としては、松田委員のおっしゃることに同意いたします。そのためには、単 独型は、管理型になり得るということで、それはクリアされるのではないかと思いま す。単独型は単独でなければならないのだけれども、管理型もほぼOKである。それか ら、櫻井委員のおっしゃったことは、私もそのとおりです。管理型、これはうちの県の 病院もそうなのですけれども300床に満たない。いま、病床を増やすわけにはいきません から連携してやるというときに、300床という数を動かしていただきたいと思います。  いまは、保険の考え方でも、大体200床というので病院の姿が変わるということになっ ていますので、300床というのは不自然な数字かと思いますので、それなりのところに落 ち着いてもらったらどうかと思います。それからCPCを進めるべきであって、剖検と いうことにこだわるのは、現在の画像診断がこれだけ普及した状況の中では合わないと 思います。  もう1つは我々が議論しておりましたら、施設の中で地域医療連携推進室というよう なものの存在をきちんと明記してはどうかという意見がありました。やはり地域医療と の連携、病病連携、病診連携というものをちゃんと入れるような病院、これは単独型で あろうと、管理型であろうと、そういう姿がなければいけないのではないかという意見 を言わせていただきます。 ○堺小委員長  いまの議論の進め方の中ですけれども、単独型が管理型になり得るという理解の下 で、こういう枠組みはよろしいですか。 ○櫻井委員  それは、ちょっと問題があると思います。単独型とか管理型というのは、例えば200床 サイズの病院が、管理型というのでメインになって、研修プログラムを全うするという のは無理だと思います。それから特殊な例ですけれども、がん専門で、それが管理型の 研修をできるかというのは、ちょっと問題があると思います。小児病院というのもあり ます。ですから、ただ単にすべての認定施設を、管理型、単独型というのはちょっと無 理があるのではないかという気がします。 ○松田委員  先生がおっしゃっているのは、単独型というのを残しておくことによって、大学がい ろいろな関連病院で自分たちの都合のいいようにプログラムを組まないで、自分の所で 責任を持ってやれと、そういう意味のメッセージで、例えば単独型にするのだったらわ かるのです。 ○櫻井委員  また逆に、大学ではなくて、病床数が200程度の病院が、300床に足りなくても入院患 者が3,000以上あるからという理由で、単独型でメインになってプログラムを組むという のはちょっと無理があるでしょう。 ○梅田委員  私も、そのご意見には反対です。いまは厚生労働省の施策でどんどん在院日数が減ら されています。そうすると、病院としても病床数を減らして、入院患者数をたくさんに 見せるような中になっていて、どうしてそういう病床数に固執する必要があるのだろう か。  それから、単独のがんセンターや循環器病センターみたいな所が駄目だというと、い まの愛知県がん、兵庫循環器病センターを否定することになると思います。私は、決し てその必要はないと思いますし、そういう病院がいろいろな病院と連携することによっ てこれをやれると思いますので、その点については櫻井委員とは意見を異にします。 ○櫻井委員  そういった病院は連携が必要なわけです。 ○堺小委員長  櫻井委員にお伺いしますが、いまの議論は病院群の中で議論して、例えば管理型の機 能はどうあるべきか、ということでよろしいのですか。 ○櫻井委員  はい。 ○堺小委員長  そうすると、単独型は単独型1個ではなくて、管理型にもなり得るという理解の下 で、事務局が提案された1つは単独型、1つは研修病院群という分け方でよろしいです か。 ○医事課長  なぜこういうふうに分けているかというと、研修の場として認定指定するためには、 一定の条件が要るだろうというのはよろしいわけですよね。その条件を1つで満たせれ ば、当然その施設だけで臨床研修の場として認められる。しかし、何らか欠けている部 分がある場合に、それを補う意味で群としていくつかまとまれば、それを満たせるとい う場合に群として認めようというのが基本の考え方としてあります。  まとまって認められる施設というのはどういうものかというと、その中に最低限研修 管理委員会というのを設けて、そこで研修している人たちをきちっと管理してもらう、 ということを要求しているというわけです。そういうことからすれば、当然単独で認め られる施設は、管理の機能を持っているわけなので、その点は問題ないと思います。 ○西岡委員  私は、ベッド数で規制するというのは賛成ではなくて、やはり中身で規制しなければ いけないというのが個人的な意見です。現実に、既に研修指定病院というのは指定され ているわけです。その人たちをどうするのだ、ということが問題になってくるように思 いましたので、私は医事課長に質問させていただきました。あえてそれを下げることに よって、折角苦労して指定を取った方たちが、これはどういうことなのだといういろい ろな反論が出てくるような気がします。  私たちはいろいろ関係している病院の方々とお話をしますと、自分たちは指定病院 だ、ということですごいプライドを持っています。指定を取るということに努力をし て、それだけの剖検数も揃えてやっています。それを全部ランクダウンしていくことが 果たしていいのかどうかということもご議論いただきたいのです。 ○櫻井委員  大体対象者が1万6,000人です。現在認定されている施設の数で、十分対応できます。 いま、確かに先生がおっしゃったように、結局は内容です。確かに回転率などは考える 必要があると思うのですが、実際に200床以下の病院へ行って、研修施設である図書室と か剖検の施設などをみれば、やはりそのサイズにかなり影響されると思うのです。そう いうことで考えると、西岡委員がおっしゃったように、いまのを下げる必要はないので はないかと感じます。 ○松田委員  現状は折角築いてきたのですから、これはこのままにして、協力型がありますので、 ここはいままで努力されてきて、数はまだ不十分とは思いますが、これはこれで触わら ないでも支障はないように思います。 ○梅田委員  私はいろいろな病院の現状を見て、病床数についてはまたご議論をいただきたいと思 います。それから、いままでされたところのプライドとか、そういうのは議論が少し違 うのではないでしょうか。もうこれだけ研修を受けなければいけない。また、研修をあ る意味で二次医療圏に1つずつぐらいの所できちんとやらなければいけないという時代 になってきていまして、いままで頑張られた病院のご苦労というのは非常によく分かり ますが、そのプライドがどうなっているだというのが、こういう所の議論には馴染まな いと思います。 ○堀江委員  この単独型というのは理解できますが、カリキュラムにどういう診療科での研修を含 むのかがきまるのに伴って、ある診療科においては他施設との連携を求める、というこ とは当然起こってくると思います。単独型を予定する所であっても、病院群としてやっ ていく必要性が出てくるのだろうと思います。ただ、管理型と協力型病院を考えると き、これは次の議論だとは思いますが、管理型の病院を設定して、そこに協力型の病院 を幾つも付けてとなった場合に、その管理型の病院における研修は、少なくともこれだ けの期間は、おこなうということを決める必要があると思います。そうしないと、特化 した病院が全部結び付いた形で病院群ということになると、研修医の管理のあり方に問 題が出てくるのではないかと思うのです。そういう意味で、臨床研修病院群というのを 設けるのは分かりますが、管理型の病院のあり方というのは非常に重要ではないか、と 思います。 ○堺小委員長  また後ほどその辺は議論させていただきたいと思います。とにかく最低限研修医にあ る程度の症例患者数を保障する必要があるものですから、いままで従来やってきた型で 特に問題がないということですと、単独型は300床、または年間の入院患者実数が3,000 名以上というのが妥当という、皆様方のお考えでよろしいでしょうか。 ○医学教育課長  いまのお話にあるとおり、患者数というのは意味があると思うのです。ベッド数とい うのはどういう意味で基準のメルクマールにしようとするのでしょうか。 ○堺小委員長  300床がどこから出たのか分かりませんが、先ほど櫻井委員がおっしゃったように、そ れなりの規模の病院でないと、例えば先ほどおっしゃった図書室とか、そういう整備が なかなか難しいのではないかということだと思うのです。医事課長のほうから、もしご 説明いただければよろしくお願いします。 ○医事課長  研修ができるような最低限の条件は整備しなければいけないということは当然あるわ けです。また、堀江委員が言われましたように管理型という以上は、そして、そこで最 後修了認定も責任を持って行っていただくということからすると、やはり一定程度の期 間そこで過ごしていただかなければいけないということで、実はプログラム基準案の中 でもそういう項目を入れています。全研修期間の何カ月以上は管理型の病院でやっても らいたいというようなことも、4頁の参考2−3に書いてあるのですが、そういうよう な条件を整備するということを考えて、なおかつ必要な症例を必要な期間中に経験でき ると考えたときに、症例数、病床数は本当にどれだけ確保すればいいのかというところ を、これまでの考えにとらわれずに、ご議論、ご意見をいただきたいということです。 ○堺小委員長  医学教育課長のお話ですが、これは必要な診療科を設けるとすると、それなりの診療 を保障するとなると、やはり300床くらいないと無理だと思います。 ○医学教育課長  300だとかそいうお話がありましたので、どういう意味合いのために300ないし200なの かということを決める意味があるのかというところだけ確認しておけばいいという意味 で申し上げたのです。 ○櫻井委員  いままでのクライテリアでも、「または」とあります。年間の入院数が3,000以上とい うのがあります。これは公立をある程度加味した設定だと思っています。それ以外にで も救急患者が何人とかいろいろあるのですが、なかなかよく考えられていると思ってい ます。 ○松田委員  そこはやはりデータなしで議論しているからおかしいので、いわゆる厚生省が認めた 臨床研修指定病院が400幾つありましたね。結局そこで1年生、2年生をどれだけ取って やっていたかという実績があって、そこで十分にやっていればもうそれでいいわけで す。例えば今回少しずつほかのCPCとか、病理とかでやって、これがどのくらいまで 増えるのかとか、450あるうちで、実際に単独でやれそうなのはどのくらいあるのかとい うのを、まだ把握はされておられませんか。もしそれが分かっていればもっと具体的な 議論にはなるかなと思っています。 ○堺小委員長  大学病院に関してはどのくらい取っているかというデータはあるのですが、一般の研 修指定病院になると、そこまで手持ちのデータは出てきません。 ○医事課長  出ないこともないのですが、ただそのことと、今回考えているスキームとが、どうい うようにつながっていくかというところがちょっと違うかなと思います。 ○堺小委員長  それでは病床または入院患者数はいま申しましたように、300床以上、または年間の入 院患者数が3,000名以上、現行を踏襲する形でということでよろしいですか。 ○医事課長  いやいや、梅田委員をはじめ国診協のほうからも違う意見もあるのて、とりあえず。 ○松田委員  いまは単独型の議論なのですが、単独型ということはそこでもって研修医がずっとス テイして、そこで2年間研修を続けるということは、総合診療科化的な設定のされてい る病院という。 ○医事課長  もう1度ご説明しますと、これはあくまでも場の指定の話なので、単独型として場を 指定するというだけで、プログラムはまた別なので、単独型とどこか別の施設と組むよ うなプログラムでもいいわけなのです。必ずしもその中で全部完結しなくてもいいとい うイメージなのです。 ○松田委員  それではなぜ単独にするのですか。 ○医事課長  ですから施設としての最低条件を満たしているということなのです。 ○堺小委員長  なかなか難しく、前回の議論にもありましたが、病院群の絵がありましたね。あれで いろいろ皆さん理解ができにくいところがあって、場としての病院群と単独型とがあっ て、プログラムは共有できるというのはこの図ですが。 ○梅田委員  いまの大学病院の教育でも大学病院の中でできるはずだけれども、大学の学部学生で も協力病院に出てやっています。私はそういう姿だと思うのですが、それでよろしいで すか。 ○堀江委員  それを群としてとらえたのですが、そうではないのですか。 ○医事課長  それは施設を指定するときの考え方が群というわけで、プログラムはプログラムで別 の次元の話として考えていただきたいのです。 ○堺小委員長  管理型がプログラムを共有できるという、この前のご説明でしたがよろしいですか。 それでは2番、診療科、内科、外科、その他各診療科が設置されていること。ちなみに 現状を言っても仕方がないのですが、現状を申し上げますと、内科、精神科、小児科、 外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科及び放射線科となっ ております。あくまでもこれは単独型のお話なので、委員の皆様方のお気持は分かりま すが、1つひとつ詰めていただければと思います。 ○松田委員  どれか1つ減らすといっても、まだあまり根拠もないので。 ○堺小委員長  櫻井委員、その辺何かありますか。 ○櫻井委員  これはこういった小委員会が始まる前に、いろいろな各科の学会代表者、あるいは大 学の先生が来て話をしました。病理が必要だ、精神科が必要だというと、各科みんな必 要になってしまいます。しかし、必要だからといって2年間にそういったものをすべて 取り込めるような現実はないわけです。もう1つは、病理などにしても、各認定施設に 行っても、専任の病理の先生のいないような所、また欠けているような病院が結構ある のです。ことにそれ以外にも、各病院を見てみますと、小児科の実習とか、または救急 が不適切な施設が少なくありません。ですから、何科が必要だからといって、すべての 科をやるというのは現実的ではないと私は思います。 ○堺小委員長  もう少し絞ってもいいのではないかというお考えですね。 ○櫻井委員  結局その場合にどういったコアを組むか、名称を付けるか、これがいちばん大きな問 題ではないかと思います。例えば外科系とか、外科だけでもかなりの議論があります。 福井先生がよくおっしゃっていましたけど、国立大学だとそれに関していろいろまとめ たものがあります。 ○西岡委員  北村先生が幾つかローテーションのパターンみたいなものを作っておられましたね。 ○星委員  これはプログラムのときにもお話をしたのですが、診療科があるという話と、ロー テーションするという話は別だと思います。単独型というイメージは何かというと、先 ほどからおっしゃっている地域との連携がうまくいっている、あるいは院内の連携がう まくいっている、それを1つのメルクマールとすればCPCがうまく機能するように、 病理の医者がいる、検査部がきちんとしているとかいろいろな条件があると思います。 そういうことを議論すべきなのではないかと思うのです。だから、何科をローテーショ ンするから何科が必要だというのは、それは確かに単独型を語る以上はミニマムだと思 いますが、それに加えて機能として何を持たなければいけないのか。そのときに我々 が、普段一般に考えていることはこういうことだと。その中には精神科もあろうし、病 理もあれば放射線もある。しかし、それが1つの病院の中で完結できない病院がかわい そうだから、そこは入れないようにしておこうという考え方は逆で、もしそれがあるの だとすれば、それは単独型ではなく、その連携を組めばいいのだろうと思うのです。で すから、連携型をイメージするには、単独型の病院に行くこともあるというから話がご ちゃごちゃするので、基本的にはその病院の中にいるのだというイメージをまず頭に置 いて、その中で少なくともこう診療が行われている病院なのだと、そのためにはどの病 床はどのくらいなのだ、どんな診療の内容なのか、診療科があるのだという話をしない と、折角一生懸命医事課長がフリーハンドで考えてくれというのに、かわいそうだとか と言っても、それはしようがないと思うので、病理の医者がいない病院もありますが、 それを理由として指定をやめましょうではなくて、機能的に病理の医者は必要でしょう し、放射線の医師だっているべきでしょうと、検査の機能はあまり全部外に出してし まっているような病院では、やはり駄目なのではないでしょうかということだって、私 はあるのだろうと思うのです。だから、どんな機能を果たしている病院で研修を行うべ きかという議論をしていただかないと、いつ経っても前には進めないような気がするの です。 ○堀江委員  単独型と言う場合には、いま医事課長がおっしゃったようにとらえると、次に出てく る管理型と、どこが違うのということになると思うのです。単独型としてかなりの部分 研修し一部協力を得ても、こちらの管理型と違う基準が設けられるのではないかと思い ます。 ○医事課長  あくまでも研修の場として最低限どれだけ必要なのかというところが基本であるとい うところは一緒で、その診療科について言えば、必ずしもローテーションしないところ の科も当然入っているわけで、これまでも入っていたのです。それはどういう意味かと いうと、やはりローテーションしているときに、耳鼻科だ、泌尿器科だといっていろい ろ問題が生じたときに、コンサルテーションができるということが求められているのだ ろうと思うのです。ですから、そういう意味で本当に必要な診療科は何なのかというこ とで、ご議論いただければということです。それが1つの中に収まっているか、あるい は群として補完し合うかということだろうと思うのです。 ○堀江委員  単独型には、いろいろな診療科があって、研修のあり方としては、例えばコンサル テーションということも含めて対応してもらえるなど、望ましいのではないかと思いま す。 ○医事課長  望ましいのですがただ望ましいだけでいくと、どんどんレベルが上がってしまうの で、果たして本当にどこまでが今回の研修の趣旨からいって最低限必要かというところ で決めていただければいいかなと思います。 ○堺小委員長  星委員から大変適切なご提案があったと思うのですが、そういう意味でこれをもう一 度ご議論いただきたいと思います。具体的に問題になったのは放射線科と病理があった と思うのですが、その辺はいかがですか。 ○櫻井委員  私に誤解がありました。診療科が設置されていることと、ローテーションする科とい うのは違います。私はそのローテーションする科のことだと思っていて発言していたの ですが、失礼しました。 ○松田委員  いちばん問題になるのは精神科で、いままでのそういう指定、いわゆる卒後臨床研修 と違って、従来からのそういう指定の中では、病理というか、剖検率はいろいろありま すが、どういうのが精神科がない所が、櫻井先生、この辺はどうなのですか。 ○櫻井委員  精神科を単独型では全部持っています。ですけれども、管理型ではいろいろ協力病院 でやっている所があります。 ○松田委員  精神科はたいてい。 ○星委員  管理型は精神科もありますよね。 ○櫻井委員  ないとまずいのです。 ○星委員  精神科病床という意味ではないですね、精神科という診療科があるということです ね。 ○櫻井委員  はい。 ○松田委員  外来で定期的なものが入ってきますね。 ○堺小委員長  星委員のご提案になった病理と放射線科というのは、なかなか、いま病理は入ってい ないですね。 ○星委員  病理は入っていないのですか。病理は入っていますよね。 ○医事課長  病理は入っています。現行の臨床研修病院の指定基準で申しますと、診療科としては 先ほど座長からもご紹介がございましたように、11の診療科、すなわち内科、精神科、 小児科、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科及び放射線 科ということで、それぞれが独立して設置されていること、ということになっておりま す。ただし、一方で、診療科としてはそのようですが、例えば剖検に関し病理に関する 指導ができることといったことで、原則専任の常勤病理医の配置というようなこともあ ります。ただ、病理科という診療科は標榜診療科としてはありませんので、そのような 整理になっています。 ○星委員  病理科という標榜がなかったら具合が悪いのですか。あと、放射線科は診断ではな く、治療という意味なのですか。 ○事務局  ここで求められているのは、いままでの基準でいうと、治療を含んでいます。 ○堺小委員長  いままでも必ずしも放射線科があるからといって、全てで治療をおこなっているわけ ではないのではないですか。 ○事務局  現行の基準で再度申し上げさせていただきますと、別の項目として放射線照射室の機 能を示す数値が相当数ということで、放射線治療に関する診療も行われているというこ ととなります。 ○星委員  話が皆さん頭の中でごちゃごちゃなのだと思うのですが、いまは標榜科として設置さ れているというためには、定期的な外来がどうのこうのという発言がありましたが、何 か医療法上標榜するためには毎日開いていなくてはいけないのか、2日に1遍でいいの か、私には分からないのです。精神科で1週間に一遍しか精神科の先生が来ない所のコ ンサルテーションというのというのもなかなかうまくいかないと思うので、そこはどう なのでしょうか。現行の標榜科という考え方はどういう基準になっているのですか。た だ、標榜したければしてもいいのですよね。別にお医者さんの数がいなくても、全科と いっても別にかまわないわけですから。 ○事務局  ここの現在の臨床研修病院の指定基準ということで申し上げますと、診療科について は診療科が設置されていることということで、まさにどういう形態であれ、診療科が設 置されていることということですが、それと併せてそれぞれの診療科について、常勤の 医師がいることということがありますので、必ず専属の方がいるというような要件はい ま課しているということです。 ○堺小委員長  よろしいですか。それでは時間も迫っていますが、現状という意見がございました が、この辺はいかがですか。 ○星委員  施設、人員等に関する基準なのですが、先ほどの放射線照射室が必要かどうかという 議論は、それを引きずる必要はないと思いますが、一般の研修の中で放射線治療まで必 ず経験させるものの中に入るのかどうかという話ですね。あれは精神科病床もあったに こしたことはないのでしょうけれども、精神科病床が必須なものなのかどうか、そこの 議論が必要なのではないでしょうか。 ○松田委員  あるかないかでやはり全体の患者の層とか、バラエティとか、違ってくると思うので す。例えば放射線治療がない所ですと、場合によってはがんの進んだのは来ないとか、 いろいろそっちに影響するので、つまり単独型なので、これはやはりきっちりと全体的 なことが見れるということにしておいたほうがいいのではないでしょうか。 ○堺小委員長  これは現行の先ほど課長さんがおっしゃったような詳しいことは、今回の規定の中に は入らないのですか。例えば放射線科などが入った場合には放射線照射室があることと か、これから入ってくるわけですか。 ○医事課長  そういう意味ですか。それは今回の議論がどこまでどういうスケジュールで進むかと いうことにもよります。 ○堺小委員長  大枠でそういうことだそうです。 ○星委員  そうだとすると、多分放射線治療装置を持っている病院というのはもう数は決まって います。これは医療施設調査を見ればすぐ分かります。多分数百だと思います。いま おっしゃったように、そういうものがあるから患者層が違うということになれば、それ こそ議論は前に進まないと思うのです。我々の一般の研修を想定したときに必要なの は、むしろ治療装置ではなくて、放射線科医の適切なコンサルテーションだろうと思い ます。そういう意味では診断医がきちんと配置されている、あるいはそれなりの装置の メンテナンスなり、いろいろな管理なりがきちんとした形で行われているということの ほうが重要だろうと思うので、これから放射線治療が必須なものにということはどうな のでしょうか。 ○堺小委員長  研修病院に関しては現段階では放射線治療というのはモダリティの1つですから欠か せない治療の1つだと思うのです。ですが、やはりコンサルテーションを受けて、適切 な判断ができないと、ややもすると日本では各科が、自分たちは何でもできるという形 で、全部そこまでやってしまうのですが、やはり専門は専門の先生がいて、適切なアド バイスをやっていただけるほうが、これはあくまでも単独型の施設ですから、そういう ご理解がいただければと思います。 ○医事課長  単独型で満たす基準というのはの群を作った場合でも、基本的には満たすべき話なの だろうと思いますので、ということは、研修の場として全体に要求するということにな りますので、本当にそれだけのことが、全国のすべての研修医に必要なのかというとこ ろは、よくお考えいただいて、あまり高いレベルに設定してしまうと、結局いままでの 同じことになってしまって、なかなか研修の場が確保できないということにつながって いくのではないかと思います。 ○星委員  何とか装置を置けというのにほかに何があるのですか。照射室というもの以外に何が あるのですか、あまりピンとこないのですが。 ○事務局  臨床研修病院の指定基準の中でファンクションに関してのこととしては、部屋という ことで臨床検査室、放射線照射室、手術室、分娩室等の機能を示す数値が、相当数以上 であることという項目があります。 ○松田委員  基本的なことですが、ここでいま決めることは、従来の臨床研修指定病院という基準 を変えるのか、それは置いておいて、卒後臨床研修というこれを特化した臨床研修病院 単独型としてやるのかどうか、どちらなのですか。後者ですか。 ○医事課長  従来のは置いておいてというのがよく分からないのですが、もうすでに指定された病 院についてどうこうするかという趣旨でしょうか。 ○松田委員  いま300床とかいろいろ議論をしているのは、従来の基準も変えようとしているのか、 例えばここでいまの議論で、例えばいま言っていたここに出てこない条件があります ね。だから、それは無視してこれだけで決めるのだったら、従来の臨床研修指定病院と は違う臨床単独型が出てくるわけですね。 ○医事課長  というか、従来の基準はもうすべてなくなって、この新しい基準だけになるというこ とです。 ○星委員  それをどう準用するかどうかはこれからの話ですが、いままでに許可を受けた所はど うかという話はこの先の話なのですね。 ○松田委員  それは全く白紙に戻して、もう1回やるということなのですね。 ○医事課長  今後指定されるものについてはこの基準でいくということです。 ○櫻井委員  従来の基準をきちっと知らないと、ディスカッションを進めるのは難しいと思いま す。あれは確か2枚ぐらいしかなかったと思うので、コピーして渡したらどうですか。 ○西岡委員  いまの放射線照射室があるということは、これは別に治療を意味している言葉とは違 うように思うのですが、これはやはり治療を意味していることなのですか。 ○事務局  若干説明が十分でなく申し訳ありません。例えば放射線照射室ということについて は、基準をもとに。具体的な臨床研修病院の指定にあたり、医道審議会の部会でご審議 をいただく際、具体的にどれだけの放射線照射、例えばリニアックでどれだけの照射が 行われているかといったことも、数値を出していただきまして、実際にどれだけやって いるかという評価をしていたというところです。 ○堺小委員長  それでは診療科はいかがいたしますか。こんなのはもう絶対になくてもいいという科 はありますか。資料がないので困りますが、もう一度申し上げます。内科、精神科、小 児科、外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科及び放射線科 の11です。 ○堀江委員  前回のプログラム小委員会では研修目標にあげられている項目についてもご検討いた だいて、一部修正は加わるでしょうけれども、基本的には研修目標の内容については、 こういう考え方でいいという、委員の方々の理解は得られたのではないかと思います。 この研修目標を達成するためには、単独型の病院であれば、相応の基準を設けておい て、もしそれが不十分であれば、管理型と協力型で対応することで可能なのではないか と思うのです。そういう意味で、いまの診療科のどれを省くかというのは、難しいので はないかと思います。単独型としては従来の診療科と同じということになるのかもしれ ませんが、それで変更することはないのではないかと思います。 ○星委員  診療科についてはそうなのですが、先ほど私がなぜ放射線の話は必要ないのではない かと言ったかといいますと、その後の議論で単独型をとったら、ほかの協力病院になれ ないということになるのです。そうなると、必然的に、単独型の中に放射線治療装置が 必要だという施設基準を決めてしまうと、その数以上には管理型を含めてロジカルに考 えると指定できないということになるのです。そうすると、いま何台ありますかと聞い たのはまさにそのことで、何床云々ではないけれども、放射線治療装置がなければ、管 理型にもにも単独型にもなれないことになります。つまり、必要要件に入るわけです。 そうなると、単独型で必要要件ということは、管理型と協力病院、協力型との中でも、 1つの必要要件ですから単独型、あるいは管理型病院として指定を受けている病院は、 他の病院の協力病院になれないということです。そうなると、ロジカルに言えば放射線 照射装置の数だけしか単独型、あるいは管理型の病院の数は作れないということになる のです。だから、それは必要かなという議論です。つまり、医療の中身として必要なの は分かります。これが何万台もある機械なら話は別ですが、数百台で使える人間は数百 人と言われていますから、そこまでしてやる話なのですかと私は思うのです。 ○堀江委員  項目としては必要な領域だと思いますが、臨床研修の研修目標として放射線療法その ものということではなかったと思うのです。放射線科としての機能にも、診断部があ り、治療部がありといろいろな機能があると思います。その中で、特に放射線診断的な 面での教育を受けられることは重要であり、放射線治療設備がないからこれは外れると いうことではないのではないでしょうか。 ○星委員  そういう意味で言っているのでしょうかね。 ○堀江委員  ですから放射線科という診療科として機能している部分があれば、私はそれで研修の ための病院としては十分ではないかと思います。 ○星委員  ただ、委員長がおっしゃるように放射線治療にまできちんともっていけるような病院 でなければいけない。そうでないとがんの患者はきちんとしたがんの治療はできない。 これも事実だと思うのです。ですから、そのときに、この基本の要件にしてしまわない で、つまり、協力施設ではなくて、プログラムの中にそういう施設が入っているか、あ るいは入っていなくても、そこに現にいる患者さんが放射線治療をほかの施設に受けに 行くか、何かそういうことをやっていて、あるいはあるところまでやったら、ほかの施 設との協力の下にそちらに転院させるような仕組みを持っているということのほうが、 私は重要だと思うのです。 ○堺小委員長  櫻井委員いかがでしょうか。 ○櫻井委員  私もこれは基礎的臨床能力ということを考えると、それに固執する必要はないのでは ないかという感じがします。先ほどの松田委員の発言なのですが、これはいまお配りし たように、臨床研修病院指定基準というのがあります。比較的よく書かれているので、 先生がおっしゃったように、これを今回変える必要があるのかどうか、全く新しいもの を作る必要があるのか、そういったことをメインにしてやっていただければ、比較的早 く進行するのではないかと感じています。 ○堺小委員長  分かりました。それでは一応診療科ということで、特に放射線治療に関してはそこま で深く突っ込まないということが大方の意見だったと思うのですが、よろしいですか。 それでは3番目の「指導医」です。指導医に関しては内科、外科とその他の診療科の各 診療科に、十分な指導力を有する指導医、別添1−3を常勤で置くこととなっていま す。 ○松田委員  これは従来にない基準なのですか。 ○事務局  ご説明申し上げますと、この指導医の部分については、現状の基準においては先ほど のそれぞれの診療科11ありましたが、それぞれの診療科についてそれぞれ適当数の常勤 医師が配置されており、さらに十分な指導力を有する指導医が配置されていることとい うことですので、先ほどの11の診療科すべてについて、指導医が配置されているという 基準になっています。 ○堺小委員長  第1の3番目と5番目になります。 ○西岡委員  この指導医の別添の8頁ですが、穴が空いた形になっているのですが、指導医の要件 があまりはっきりしていないので、かなり具体性に乏しいということがあります。私た ちのほうでは指導医が一般病院での指導医と、介護施設、あるいは保健施設とかの指導 医は、こういう形の資格があったほうがいいのではないか、ということをこの間提案さ せていただいたのですが、この形だと、かなりぼやけた形で、もう少し具体的に詰める というようなことはお考えなのでしょうか。指導医の規定がかなりぼやけていて、それ と先ほどありましたプログラム指導者の規定と、かなりオーバラップして、それで終 わってしまっているのですが。 ○医事課長  8頁の要件のところをもう少し詳細に決めないのかということですね。 ○西岡委員  それと、こういう規定だけで指導医にあたる方が入るのかどうか。今回の研修の中で は保健所であるとか、あるいは介護施設であるとかということも含めるということに なってきていますから、そういったときに、もう少し細かい規定が指導医としての要件 というものがあったほうがいいのかなというふうに思ったのですが。 ○島田委員  これは単独型だけの場合だけでしょうか。 ○医事課長  基本は同じ基準だろうと思います。ただ、どこまで細かく決めるのがいいのか、どう いうアイディアなのかということは、ご提示いただければありがたいと思うのですが、 もし必要ならば、何らかのそういうものを要件として付加することは検討したいと思っ ております。 ○北村委員  話が指導医の資格のほうにいっているのですが、いまいただいたコピーの2頁目に、 いま動いている制度における指導医の資格というのがあります。一応これも叩き台にし て、決めていったらいいのではないかと思うのですが、厳しすぎる、あるいは緩すぎる という意見はないのですが、厳しすぎるとか、別の要件もあるだろうという意見がある と思います。 ○堺小委員長  それでは指導医に関してはここで議論してもあれですから、またいまの意見を踏まえ て、叩き台みたいなものを次回までにお示していただきましょう。 ○医事課長  いまの時点であればお願いします。 ○西岡委員  前回、指導医及び指導体制というので指導医の資格というのを出させていただいたの ですが、そういうのは参考にしていただければいいと思います。 ○堀江委員  地域医療とか介護とかを研修に取り入れる場合に、指導医として条件をどうするのか は検討が必要です。指導医の条件が必ずしも明確にされていない領域もあると思うので す。だからといって研修から除外するというのはおかしいので、例えば、そういう領域 での経験をどのくらい積んでいらっしゃる方を指導医として認定するか、別の基準を設 けてもいいのではないかということも考えられます。 ○医事課長  ここは1つの考え方として、そもそも指導医というのは一体何なのか。どういう必要 条件なのかというところが1つあると思うのです。現場ではすでにご承知のように、実 際に指導するのは、まさに1年目の研修医を2年目が指導したりとか、あるいは医局に 戻ってきた若い人が指導したりということが現場で行われているということも当然ある わけで、そういう方をいちいち指導医として指定しないと教えてはいけないという話で はないのだろうと思うのです。そうすると、一体指導医というのはどういう人を指し て、どういう条件を付けるのかという話になっていって、その場合に本当にどこまでの 指導医の数なり資格、資質が必要なのかという議論だろうと思うのです。ですから、そ ういう観点から、いまの現行の基準なり、先生方のお示しいただいたのも、再度検討し てということだと思うのです。病院以外の施設においては、これは基本的に医師である 必要は必ずしもない場合もあるので、そういう方にまで、あえて資格を求めるのがいい のか、あるいはそういう方でも何らかの経験を前提にして教えていただくということに するのか、ということだろうと思っています。 ○堺小委員長  今日は国診協のほうから山口委員の代わりに冨永オブザーバーがいらっしゃっていま すので、ご意見がございましたらお願いいたします。 ○冨永氏(オブザーバー)  山口委員の意見というのが出ております。全国自治体病院協議会とともに検討委員会 をもちまして、すでに4回の検討委員会をもっています。もちろん全国自治体病院会、 全国国民健康保険診療施設協議会においても、単独にそれぞれ委員会をもって検討して おりまして、いままでに2回の要望書を、今回は意見書を提出させていただきました。 その山口の意見の4頁に「指導医の条件」ということで、厚生労働省が提案なさってい る主として協力型病院に関しては、指導医は10年以上の医師としての経験と、5年以上 の地域包括ケアの経験、認定医は6年以上の臨床経験、そのうち3年以上は地域包括医 療の経験者であるということで、そのほかにいま出ましたが、地域包括ケアに関しては 指導者ということを提言しています。これは地域包括ケアについてはコメディカルのス タッフとして看護士、保健士、リハビリテーションスタッフなどの地域包括ケアを実際 に行う保健福祉の担当者で、経験が5年以上ということを考えております。私ども全国 自治体病院協議会とともに、その指導医、認定医のさらに指導者の具体的な条件を、い まいろいろと決めておりまして、その概略が6頁に出ております。カリキュラムも研修 目標というものを作っており、そういうことが指導できる人ということで、1から9ま で項目を掲げております。これが指導医、認定医の条件ですが、この細目についていま 検討中です。  中小病院については全自病の事務局に大変お世話になり検討していただいており、何 カ月研修するかということは、これから決まるのでしょうけれども、仮に4カ月研修を しますと、1年間に5,000人、3カ月にすると8,000人程度できるということで、十分に 研修を担っていけるのではないかと考えております。指定の基準については協力病院に ついて7頁にありますが、1.保健・医療・福祉の連携統合が図られていること。2. 全人的医療を実践していること。3.保険事業及び介護保険事業に積極的に取り組んで いること。それにちょっと説明を加えておりますが、これが協力型病院の私どもの自治 体病院協議会、あるいは全国国民健康保険診療室協議会の指定基準、さらにこれらの細 目を一応106項目ぐらい作り、アンケートをした結果、先ほど申しました1年間に8,000 人程度ですが、2年にわたりますと各学年4,000人ということになるかと考えておりま す。  地域包括医療とは何かということについては5頁にありますが、いま保険診療等で言 われている保険の包括医療とは違い、これは地域における包括医療と、参考のところに ありますので、ご熟読願えればと思っています。 ○堺小委員長  ありがとうございました。 ○北村委員  指導医に関しては要件というのはいいと思うのですが、ある程度の要件は必要だと思 います。実態としてのいちばんの問題は、指導医の要件を持っている人が院長や副院長 にいて実際に指導にあたっていない。そして、1つ上の人や3つ上の人が教えていると いう、そういう実態を認めてはいけないと思うのです。指導医が指導にあたって、はじ めて指導医なので、指導医の要件を満たしていることは、外枠としては必要ですが、運 用で何らかのチェックをかけて、研修指定病院を受けても、指導医が指導していない場 合はそれは当然おかしいわけで、指導医が指導していることを担保する制度を取り入れ るべきだと思います。その病院に常勤医として指導医の資格を持っている人がいても、 院長職や部長職で、実際に研修医を指導しなければいないのと全く同しなわけですか ら、指導医が指導していることを何らか担保してほしいというのを付け加えたいと思い ます。 ○星委員  多分これから議論することになると思うのですが、あまり指導医の資格要件というの をきっちり決める必要はないのではないか。いまのお話に全く私は同意します。つまり 指導医の要件を持っていてもほかの仕事をしていたら駄目だし、要件を満たしていたっ て指導の能力がなければ意味がないわけですから、それをどこで縛るか、どういうふう にするか、学会の認定医ならいいのか、何年経験があればいいのか、みんながどこかに 判こでも押せばいいのか分かりませんので、やるとすれば本当に最低限の要件を決め て、後は現実に指導能力があるかどうかについては、外から入って行って、「あなたに は指導力はないですね」というわけにもいかないので、実際にその研修を受けている人 間が、ある程度そのことを評価する判断をすると。ですから、そういう能力のある指導 医を配置していない病院は、研修医たちが来なくなる。ですから、こういう経歴を持っ たこういう先生が、こういうプログラムでお教えしますよということが知らされればい いのであって、施設基準そのものに学会の認定医だ、何とかの認定医だということを言 い出すとまたいろいろなことがありますので、私はむしろ経験が2年しかない、1年し かない人を指導医と呼べるかどうかは疑問ですから、何年以上の経験というところまで はあってもいいのかもしれませんが、それ以上のことはむしろ言うべきではない。そし て、本当にクォリティの高い指導医をこれから養成していくというときに、1つの目標 を作りましょう。そして、それは各科の、あるいは学会の思惑でなくて、やはりみんな が納得のいくような、つまり放射線科の指導医も内科の指導医も外科の指導医も、やは り最低限こういう指導のスキルを持っているというようなことが共有できるような、そ ういうカリキュラムを教える側の教育システムとして持つというようなことは、これか らの目標に据えてやっていくべきではないかと思っています。ただ、学会の専門医を認 定するとかという話は学会の中の話なので、学会の中のところまで手を突っ込む必要は ないし、逆に言うと、学会の中での専門医の話と、我々がいま目指している一般医療を 担う人の教育における指導医の体制というのは、私は自ずと違うのだと思います。だか ら、あまり厳格に決める必要があるのかというときに、本当に厳格に決めるのだった ら、その理由が明確でないと困るだろうと思います。 ○北村委員  基本的に大賛成です。10年が厳しすぎるとしたら5年くらいでいいと思うのですが、 外枠だけは決めておいて、ただし、その指導医は何の某で、その経歴は何である。そし て、1日、あるいは1週間のうち何時間を費やしているというようなことまで公報し て、それで研修医に納得してもらう。  それから1点、私がやるべきだと思うのは、外から入って行って、「あなたは指導医 の資格がないですよ」というのを、固い言葉で言えば外部評価だと思うのですが、これ は是非やるべきだと思います。研修医だけでなく、外部評価を受けるということを、例 えば研修病院の更新の条件にすべきだと思います。外部評価というと病院機能評価とい うものを思い浮かべますが、それでもいいですが、やはりできれば研修病院を評価する という、新たな機構なりシステムを作って、認定するからにはその更新のために外から 評価するというシステムは当然必要なので、それを作っていただけたらと思います。 ○堺小委員長  ありがとうございました。 ○星委員  いまのことはおっしゃるとおりだと思います。例えば週に何時間教えてくれると約束 したのに、私はあの先生の顔も見たこともないという研修医がいれば、それはそのク レームを受け付ける所が必要だと思うのです。そして、本当にその実態はどうなってい るのか、喧嘩をして面白くないからといって言い付けるみたいなこともあるのかもしれ ませんから、実際にどうなのだということを外から監視という言葉は嫌いですが、オー ディットするようなものというのは私はやはり必要だと思っていて、それを病院の中に 全部お任せしますというわけにはいかないと思います。しかしながら、おっしゃるよう に何かがっちり決めてしまうのではなくて、ある程度のことが満たされればいいのだろ うと思います。 ○櫻井委員  指導医の定義はあまりきつくしないほうがいいのではないかということに決まりそう なので、ちょっと私にも発言させていただきたい。いま先生がおっしゃった指導医の具 体的な縛りをどういうふうに入れるのか、これは非常に難しいです。そういうことを考 えると、各学会の認定医、専門医というのはそれなりの資格をきちっと決めています。 そういったものがあれば、これは1つの指導医の要件としていいのではないかと思いま す。それから北村委員がおっしゃった第三者的な評価は私も賛成で、是非やっていただ きたいと思います。  最後にもう1つ、これは私がある席でこういった発言をしたら、かなり反対もあった のですが、専任の指導医を置くということについてです。臨床においては、臨床から離 れた人が指導医をやっているというのは、私はあまり賛成しません。やはり臨床をやり ながら指導するところに意味があるので、専任の指導医が臨床から離れて指導していた ら、何年か経ったら使いものにならなくなってしまうのではないかという話をしまし た。かなり反対意見もあったのですが、私は臨床をやっている先生が指導にあたるべき だと思っています。 ○松田委員  いまの議論に大賛成で、私がいちばん最初に従来の臨床を研修している病院以外に、 この卒後研修に特化したものを認めるかどうかといったのはそこの議論で、ですから大 枠は決めておいて、あとはプログラムができて、そのときにどういうプログラムが提出 され、実際に教える体制があるかどうかを第三者機関かどこかで見て、アドバイスする なり、そのうちに実際に回っている者が評価をして、「ここは駄目ですよ」と、そっち のほうに持っていったらいいと思います。ですからプログラムで別のところは決めてお くということです。 ○堺小委員長  ありがとうございました。今日の議論で特に指導医の規定まで決めるつもりはなかっ たのですが、話の流れでそうなりましたが、次回はある程度叩き台みたいなものを作っ ていただいて、ご議論いただければと思います。そういうことで診療科に関しては2番 の診療科と大体同じということでよろしいでしょうか。 ○星委員  麻酔科の話はいま入っていませんね。標榜しているかどうかは別ですが、手術もしま しょう、外科も診ましょう。挿管もやりましょう。救急もやりましょうと言っているわ けですから、指導医の中にあるべきなのか、標榜科の中にあるべきか分かりません。先 ほどの病理の話と同じように、麻酔という議論があったということは少しメモに残して おいていただきたいと思います。 ○堺小委員長  そうですね。それでは次に4番目、臨床病理カンファレンスCPC。病理、臨床カン ファレンス、別添2−1を定期的に開催していること。なお、病理、臨床CPCは病理 医の指導の下に実施されていることですけれども、これはいかがでしょうか。 ○西岡委員  いまの時代ですから画像診断その他でも、CPCでいけるのかもしれないのですが、 ちょっとこの縛りだと本当に単独型でこれで十分担保されているのかなという気がしま す。現行では30%の剖検率が必要だということ、これは非常にハードルが高いことで、 いまはなかなか難しくなっています。それでも、やはりここ10年ぐらい剖検などしたこ とがないというような病院では、やはりちょっと問題があるのではないかと思いますの で、そういった意味の歯止めも是非とも入れていただきたいと思います。 ○堀江委員  剖検率が30%以上という、この基準を適用させると、非常に大きな問題になると思い ます。現実に、医療はいろいろな検査機器等の進歩に伴って臨床診断は著しく進歩し必 ずしも必要ないのではないかということもいわれます。ただ、一方で、これは内科学会 で調査をしてみたところ、各大学で、オートプシーの重要性を皆さん実感しているわけ です。ですから、オートプシーを軽視するという方向性はまずいのではないかと思いま す。現実の問題として、30%の扱いについては、見直しをする必要があって、そういう 意味ではCPCは1つの方向性、変化なのだと思いますが、年間にどのくらいのオート プシーがやられているのかも、一応基準として検討する必要があると思います。 ○堺小委員長  これはちなみに病理学会のほうから何か提案はございましたか。オートプシーの数は 出ていなかったような気がするのですがいかがですか。 ○(事務局)  いままで病理学会のほうからご提案いただいておりました中には、具体的な剖検数に ついてはなかったと思います。 ○堺小委員長  それは今回CPCというのは、CPCをやるにはオートプシーをやらなければならな いという前提の下で、書いていただいたわけですか。 ○医事課長  当然、全然オートプシーをやらないでCPCというのは考えにくいと思います。 ○堺小委員長  そうしますと、堀江委員、西岡委員は大体最低何パーセントではなくて何体とか、そ ういうことをご提案なさっているわけですか。 ○西岡委員  年間に自主的にこのぐらいのオートプシーがあるということを申告していただくとい うことがやはり必要かと思うのです。ここで数を決めてしまうと、なかなか難しいとこ ろがあるかなというので、私は数は申し上げたくないのですが、やはりそういった学問 的姿勢というものが要求されると思うのです。CPCということは2つに使われる傾向 があると思います。1つはオートプシーのうちのCPCで、もう1つはオートプシーと は別にいろいろなバイオプシーを集めたCPCの2つになっているのです。バイオプ シーを集めたCPCだけになってしまうと、それも定期的という何となくあやふやな定 義をされていますと、やはり研修医の研修する単独型の施設としては、やはりちょっと 問題が出てくるかなという認識です。 ○島田委員  内科学会で剖検数を全部調べています。だからそれを見て、大体これぐらいならハー ドルはいいだろうと。30%は絶対に無理なので、20体がいいのか、何体がいいのかをそ れで決めたらいかがでしょうか。 ○堺小委員長  内科学会の出てくる数というのは、まだ大学病院が圧倒的に高いですね。 ○島田委員  ですから大学病院以外の所もやっていますので、そこの数を見て、大体20体と言った のですが。 ○堀江委員  内科学会の調査は内科のオートプシーということですから、病院全体としてのオート プシーとはまた違うのです。ですから、例えば20体とここに記載されていますが、病院 全体としてのオートプシーとしてこのぐらいというものが、あってもいいとは思いま す。 ○堺小委員長  例えば研修医の定員が出るわけなのですが、研修医1人当たり何体とか、そんなラフ な形では全然駄目ですか。 ○星委員  私はむしろそうすべきだと思います。というのは、目標として症例提示ができること ということが書いてありました。まさに必要なことで、研修医10人で寄ってたかって、 1つのCPCの提示というわけにはいかないと思うのです。だから、定期的に提示とい うのも病院の規模によるのでしょうから、月に1回12体というのも1つの枠組みかもし れないけれども、引き受ける研修医が2年間の間に少なくとも1回は自分の手でプレゼ ンテーションをするという意味でのCPCという数を念頭に置くことも、1つの考え方 だろうと思うのです。ですから、定員とどういうふうに関連するかは別ですが、一応考 え方としてはそうあるべきだと思います。 ○事務局  ご参考までに剖検の数ということで数字を申し上げさせていただきます。病理学会さ んからいただいた剖検輯報による数ということで申し上げますと、平成11年度に約2万 8,000例ということで、こういったこともご参考にしていただければと思います。 ○医事課長  日本全国で3万弱しか解剖されていないということなので、研修医は8,000人いるわけ ですから、単純に割り算をしても3.ちょっとにしかならないという、大変厳しい状況で はあるということなのです。 ○島田委員  施設の認定ですと、研修医1人が何を経験したかというよりも、その施設がそういっ た剖検をも含めた診療をしているという認定ですので、あまり直接研修と結びつけるこ とは考える必要はないと思います。 ○西岡委員  やはりこれを定員と結び付けると苦しいと思うのです。かえって研修医の動きが難し くなってしまうような気がしますので、毎年そういう年報を出せるかどうかという、 オートプシーがこのくらいあってというところが、申告できる形にしてはどうでしょう か。そうでないと、ほとんど大学病院ばかりになってしまう可能性が出てくると思いま す。 ○星委員  私は逆だと思っています。CPCを経験することを言っているわけですから、それは 剖検数を云々ということにしなければいいわけで、施設基準とすれば研修医の数に相当 するオートプシーがあることということだって、1つの施設基準になり得るわけです。 だから、施設毎に定員を縛るのではなくて、このように施設基準から定員を縛るという 形ができるのではないかというのが1つ。それよりも増して重要なことは、CPCがで きるということよりも、一般の診療において病理医のコンサルテーションが常に受けら れるということのほうが、私はむしろ重要になってきているだろうと思います。外科の 手術をする、悪性新生物にメスを入れるときに、病理の先生とのコンサルテーションが 適切かつ適時に行われるという体制こそが私は必要だと思うので、CPCに限るのでは なくて、病理の機能として議論するのであれば、もちろんそちらのほうも1つの要件に なるのかどうかは分かりませんが、議論の対象になるだろうと思います。 ○堺小委員長  分かりました。それではなかなか議論が尽きないわけなのですが、皆様のご意見を 伺っていますと、剖検率が30%というのはとうていクリアできないという認識だと思う のです。オートプシーを基にしたCPCをとにかく充実させるということを基準に入れ て。 ○西岡委員  そこで私は2つのCPCがあると申し上げました。ですから、オートプシーの基によ るCPCももちろん申告していただくと同時に、バイオプシーのほうのCPCも数を出 さないと、やはり星委員のおっしゃるようにプレゼンテーションだとか、そういうチャ ンスは少なくなってしまうわけです。オートプシーだけに限りますと、いまの数字では 1人3例しか、全国を集めてもできないということになりますから、CPCという意味 を2種類でとっていただいたほうがいいと思います。 ○北村委員  星先生のおっしゃるようなことを考えると、病理の常勤医がいることと言い換えても いいかと思うのですが、それだとかえって厳しくなるという気がします。何らかに病理 医にコンサルテーションできるという、ちょっと曖昧な表現をもう少し誰もがイエスか ノーかが分かるような基準を作っていただくのがいいと思います。それからCPCも おっしゃるとおり2種類ありますし、オートプシーというのも亡くなったご遺体に針を 刺して、肝生検みたいに針を刺して取ってきたのもオートプシーと言いますので。 ○堺小委員長  ネクロプシーです。 ○北村委員  ネクロプシーですか、やはり完全に頭から下までやる剖検例が何例あるかというのも 大事かなと思いますが、やはりエッセンシャルには病理医にどれだけアクセスが可能か ということが担保されればいいような気がします。 ○堺小委員長  むしろこれからはテレメディスンでテレパソロジーなどというのがどんどん、アメリ カなどはもう実際にやっているわけです。放射線もどんどんやっていますから、そうい うことを視野に入れて、これはそういう形でまとめていただければと思います。  次は「救急医療にかかわる規定」です。救急医療の研修が実施できることは別添2− 2の9頁にあります。第二次救急医療施設または救急告示病院であり、初期救急医療を 取り扱っていて、救急取扱い件数が1日平均何件以上である。 ○星委員  一般の病院は場合によっては輪番の中に組み込まれていることがよくあります。した がって、当番でないときには比較的少ないのが常です。それで当番がどれくらい回って くるかというのは、その圏域の中の施設の数に依存しているわけで、これはむしろ1日 平均というのは月当たり何人なのか、あるいはそういう日に限って何人なのかというこ とにしないと、ほかの日がほぼゼロですと、1週間に1日しか当番がないと、1日平均 すると5人とか6人という話になります。それでは少ないだろうというけれども、忙し い日には100人来るというような所、それも週に1回は来るのだという所と、というのは 毎日この人たちは泊るわけではありませんので、そういうことが少し念頭にないと、地 域によってはかなり厳しい状況は出てくるだろうと思います。 ○堺小委員長  地域の機関病院は全部そうです。いまのご意見はそういうことを含めてで、でも、こ れはあくまでも1日平均ですので、数を議論の中ではならしてしまえばいいわけです ね。 ○星委員  そうすると、かなり低い数字になって、なんとなく。 ○梅田委員  月幾らでも同じ話になってしまうので、ちょっと表現の仕方を変えていただいて、輪 番制の病院にあたっては、当番の日で割るとか、実際の計算方法のところでそれをやっ てもらったらどうでしょうか。 ○堺小委員長  これは現在は何か縛りがありましたか。 ○事務局  これについては具体的に救急医療研修が実施できることということで、同じ内容で置 いておりますが、具体的に件数が何件以上というところはありません。 ○星委員  そうなると、救命救急センターで30しか取り扱わないという所は、これは受けられな いということになるのですね。 ○堺小委員長  そうなりますね。 ○星委員  やはりそうでしょうね。 ○星委員  単独型とすれば、やはりむしろ1日のほうが重要なのでしょうね。 ○堺小委員長  櫻井先生、この辺はいかがでしょうか。 ○櫻井委員  現実的には救急医療の研修というのは、全国的にかなり私はプアだと思っています。 病院もやろうと思えば、できるような体制をたいていの病院はとれると思います。いろ いろな事情でやっていない所もあるのですが、研修医を取るために必要だとなれば、か なり内容的に立派になる所もありますし、これはやはり患者数の縛りを入れたほうが私 はいいと思います。 ○星委員  縛りは必要でしょうけれども、いま地域医療の中で役割分担をしているのに、研修病 院になるからみんな俺の所に持ってこいと言って、救急車に俺の所に連れてきてねとい うようなことで、医療を崩壊させるのは、私は正しい方法ではないと思うので、そうい う意味です。つまり、必要がないと言っているわけではありません。 ○松田委員  ちょっと理解ができないのですが、いまの三次救急というか、いわゆる救命救急セン ターとか、高度救命救急センターというのは、これには入らないということなのです か。そうすると、大学病院などはこの条件から外れるのではないですか。 ○櫻井委員  そんなことはないです。それは独立してやっている施設ですか。 ○松田委員  それはだから単独型でしょう。ここで臨床研修指定病院と、指定することの対象が単 独型ですから大学病院も入るということになれば。 ○櫻井委員  ならないです。 ○松田委員  それで複雑なのです。いわゆる国の云々のことがあると入らないとすれば、いわまで やっていた臨床研修指定病院の枠の中で考えておけばいいわけですね。 ○医事課長  施設施設としてはそういうことを考えています。 ○堀江委員  研修目標の中に2年間の研修で、こういう項目については必修として、あるいは経験 として、自分が主治医となって、研修すべき項目というのが提示されています。それが 2年間の単独型、あるいは管理型の病院の研修において、経験できるかどうかというこ とになると思うのです。その中には救急も入っています。救急は、必ずしも三次救急で はなくて、一次、二次救急の経験です。そういう症例が具体的に何例経験ということで はなくて、そういった項目について経験をするということになっているわけです。です から、それらを経験するために必要な救急の件数というのはどのくらいなのかというこ とでしょう。大学には救命救急センターはありますが、それ以外に例えば内科、外科、 小児科をローテーションすることになれば、必然的にそういう科における救急にもかか わってくる思うのです。そういう研修中にそれらがどれだけ経験できるかという考え方 で設定していったらいかがでしょうか。 ○堺小委員長  いろいろご意見をいただきましたが、これは具体的に何例という形はできないという ことになるのですか、それともやったほうがいいということですかどうでしょうか。 ○松田委員  年間何例と数を入れるのは難しいでしょうね。 ○堺小委員長  年間何例から逆算して大体ということはできると思うのですが。 ○松田委員  それは内容はいろいろ違うし、これはもうエイヤーと決めても、あまり根拠がなく て、混乱するのではないでしょうか。 ○梅田委員  おそらく病院によって、救急と時間外の取扱いの定義が違って、なかなか難しいです ね。 ○松田委員  救急というのはある意味で時間外ですよね。 ○星委員  一次救急は時間外ですね。 ○梅田委員  小児科などというのは完全に時間外も救急も関係ありませんから。 ○堺小委員長  そうすると、皆さんのご意見は1日平均何件以上というのは、なかなか想定しにくい ということでよろしいのですか。 ○櫻井委員  これは1日でやらなくてもいいけれども、年間何例以上というのはやはり入れないと まずいと思います。実際研修医は救急室の研修は非常に勉強になったということで、聞 いてみますとかなり熱心に勉強しています。それから、ライフサポートという意味で も、やはり必須の領域なので、少なくとも年間何例以上という縛りは、やはり入れたほ うが私はいいのではないかと思います。というのは、救急室があっても、全くアイドリ ングで何もしていないような救急室も指定病院であります。 ○堺小委員長  例えば具体的に何かご提案はありますか。 ○櫻井委員  何例という数字ですか。 ○堺小委員長  ちょっといまは分からないのですが。 ○星委員  あとは救急用自動車で搬送された数というのがよく診療報酬に出てくる言い方で、私 はあまり好きではありませんが、でも、先ほど言ったように、単なる一次の時間外とい うものだけでないのだという意味であれば、それに加えてか、あるいはand orか、orか 救急用自動車を何件ぐらい引き受けているのか、年間どのくらいなのかというのは、1 つのメルクマールになり得ると思うのです。 ○堺小委員長  搬送の数ですか。 ○星委員  ええ、搬送の数です。ですから、これだと時間外の人たちを含めて1日平均、つまり 時間外にお金をもらっている人は何人いますかということしか聞いていないので、中身 をもし問うとすれば、どんな症例かというのはなかなか言いにくいので。 ○堺小委員長  まだその前に縛りがありますから、第二次救急医療、施設または救急告示病院である ということで。 ○星委員  おっしゃることは分かりますが、実質看板を上げているけれども、断っているという 所はいくらでもあるのです。 ○医事課長  どういう数字に対して見ているかについては事務局のほうで考えてみます。 ○堺小委員長  それでは時間も迫っていますので、今日は病院群はできないと思うのですが、単独型 の最後のところで定員だけやりたいと思いますがよろしいでしょうか。定員ですけれど も、一般病床何床当たりの受入れ研修医が1名を超えないこと。これは現状では縛りが あるのでしたか。 ○医事課長  現状では施設としての特に縛りはありませんが、臨床研修医補助金の関係では、10床 に1人というのが一応上限にはなっています。 ○堺小委員長  これは2年間を通しての人数ですね。 ○医事課長  そうです。 ○堺小委員長  いかがでしょうか。これは多分大学病院辺りは非常に厳しいのではないですか。 ○西岡委員  私たちが提案させてもらったのは、やはりプログラムに定員を付けることのほうが大 事かなと考えています。というのは、やはりいいプログラムを作っていただいて、そこ に私たちが申し上げたのは、指導医の中身を全部公表しましょう、公表したような形の プログラムのところに指導医がこのぐらいいるので、だからこれぐらい引き受けられる といった形にするほうが、望ましいのではないかということで、私たちは提案させてい ただいています。ですから、何床に1人という考え方として、私たちもある大学病院 で、研修医1人が国立大学附属病院会議の「研修必修化に向けての指針」にカリキュラ ムが出ていますが、その症例を全部2回ずつ経験できるためには、何床持てばいいかと いうのを計算させていただき、以前にお話させていただいたことがあるのですが、その ベッド数よりも、やはり指導医に合わせた形の定員を出すほうが大事なのかなと思いま す。ベッドがたくさんあっても、指導してもらえなければ、何ら意味がなくなってしま うということがあるのかなと、その考え方の1つの方向です。 ○櫻井委員  それこそ梅田委員が先ほど発言したように、ベッド数で縛るというのは、ちょっと意 味のないことでしょう。というのは、ローテーションの期間と関係することなのです が、整形外科には何カ月、内科には何カ月というのと同じように、そこに行っていて も、ほとんど患者が回転しない、いないというような場合もあります。ただ病床数の規 定だけというのは、ちょっと片手落ちというような感じがいたします。ですから、それ に機能を加えるような数字を入れたほうがいいのではないかと思います。 ○堺小委員長  機能が入ればベッド数のある程度の基準になるというご意見でよろしいですか。 ○櫻井委員  私の考えでは両方入れたほうがいいですね。 ○星委員  当然のことながら、私は縛るべきだと思っています。というのは、これは単独型です よね。ですから、先ほどからの議論で言えば、概ねこの病院の中で2年間を過ごすとい うことのイメージをしているわけですから、そうなると、おっしゃるように患者の数と いうことももちろん必要ですけれども、同じようにベッド数も必要だと。どんなに優秀 な指導医がいっぱいいても、教えていただくのは患者さんからですから、必要な症例を 見られなければどうしようもないわけです。そのときに、どの症例が何例なのだという ことを計算することは不可能に近いと思いますので、そうだとすれば、先ほどからある ようなベッド数と患者数の両方で、ある程度縛るということが必要で、私は10床当たり 1人では、ちょっとベッドが足りないのではないかと思います。25床に1人ぐらいか35 床に1人ぐらいでもいいのではないかと、私は個人的に思います。それは議論のあると ころだと思いますが、ただ指導医の数だけにとしてしまえば、指導医がゴロゴロいる所 に必ずしもいい症例があるとは限りませんから、その辺りはどちらにしても、多分どち らからも文句は出るでしょう。でも、いちばん分かりやすいのは、先ほど言ったのは何 床以上か、何例以上かと言っているわけですから、同じように縛るべきだし、先ほどの お話にあった例えば剖検の話というのがもう1つのメルクマールになって、それぞれこ ういう研修をしてほしいなという内容が結果として示されるのではないかと思います。 ○西岡委員  先ほど言い落としたので、ちょっとだけ付け加えさせてください。指導医と研修に必 要な患者数によって決めるというのが私たちの主張なのです。だから、おっしゃるとお り、指導医はゴロゴロいるのだけれども、患者がいないといえばこれはもう研修になら ないのはもちろん分かっています。ですから、やはり本当に研修に必要な患者数がいる かどうかというところと、それをうまく指導してくれる指導医がいるかというところ が、1つのポイントだろうと思います。 ○松田委員  やはりプログラムのほうから、こういうコアカリキュラムの場合、あるいは内科系、 外科系というのは何例ぐらいということが当然出てきて、それに合わせて決まっていく という趣旨で、しかもそれはベッドの回転数もありますし、いろいろな種類の患者さん もいるわけです。ベッド数の回転数がよくても、非常に簡単な症例をどんどん同じよう にやっている所であれば、同じようなものであまり勉強にならない症例ばかりというこ ともあります。また、数ということだけでなく、内容ということを踏まえて、それぞれ の所がきっちり研修できるという、そこは先ほど言いました枠組みのプログラムの責任 者とか、管理責任者が見識を持ってやるということに尽きると思うので、ベッド数で幾 らというのはあまり感心しないと思います。 ○堀江委員  ここに提示されているのはベッド数だけですが、年間にどれだけ症例がいろいろな領 域で経験できるかということも重要なファクターだと思います。という意味では、病床 の利用率ですとか、在院日数を考慮する必要はあると思います。そしてまた、最も重要 なのは臨床研修医に対して、どのような教育を提供できるかということが基本にあるわ けですから、そういう意味では指導体制のあり方も、含めるということは重要と思いま す。ですから、非常に難しい、単純ではないと思いますが、それをいかに簡素化して、 皆さんに理解が得られるかというところがポイントになると思います。 ○北村委員  私もそのとおりと考えます。したがって、簡素化するとちょっとロジックが難しいと 思うのですが、病床何床当たりに研修医1人、あるいは実入院患者が研修医1人当たり 何人のどちらかを満たし、かつ指導医1人当たり研修医は何人ということを提案したい と思います。その理由は、最初の2−1の病床数または入院患者数でこの外枠を決めて いますから、その間が「または」でつながっています。「病床数300または3,000です」 と。だから、3,000人だったら、研修医1人当たり、何人の実入院にあたるというほうで 縛ってもいいわけです。病床数でなくてもいいわけで、そうすると、かなり経験できる 患者というのが分かりますから、そのどちらかで、いま議論になったように指導体制と いうことですから、指導医1人当たり何人以内という2段階の基準を提案したいと思い ます。 ○堺小委員長  ありがとうございました。そうすると、皆様方のご意見はなかなか決めにくいのだけ れども、定員は必要だということですが、それはよろしいでしょうか。  それではいまこの場でというのは決めかねるので、事務局のほうで整合性を考えて、 ご提案いただけますでしょうか。 ○北村委員  うちの学生たちと研修制度についてディスカッションしました。そして、非常に筋の 通った意見があったので、ご紹介だけします。研修医の手当ての問題なのですが研修医 の手当に関してきちんとした保障がない上で定員を決めるのはおかしい。研修医1人当 たりの手当てが幾ら以上いただけるという保障があるならば、その定員というのは受け 入れることはできるのだろうけれども、保障はしない。ひょっとしたら最低賃金は保障 するということはありましたが、現状でいえば数万円の手当ての所もあって、それでか つ定員を決めるというのは研修医はいま学生だけれども、学生たちのほうとしては受け 入れがたいという意見がありました。 ○星委員  反対のような気がします。学生さんの言い分としては分かりますが、それにあまり定 員とお金の話を一緒にすべきではないと思います。この場では本当にいい研修をするた めには、どういう指導体制、あるいは患者さんの層が必要なのかという議論で、指導医 というのをどうシュミレーションするのか、各科の指導医で割るのか、合計でもって指 導医で割るのか、シュミレーションが必要だと思うので、課長は大変でしょうけれど も、その辺りのところをやっていただくと分かりやすいと思います。いちばん分かりや すいのは、大学病院の新しく最近できた所は、文部省が決めていらっしゃるみたいなの ですが大体600床です。その中のことをイメージするのが大学病院をもしイメージするな ら分かりやすいし、一般の病院ということでもしやるなら、先ほど300というのが出まし たから、300床ぐらいの病院に何人ぐらいの指導者がいて、そこにどれぐらいの診療科で 何人の先生がいて、どんな外来の数、あるいは入院の数があるのか。そうすると、現実 にそういう病院をイメージしたときに眺めてみると、10なのか20なのか、あるいは実入 院患者当たりが100人当たりなのか50人当たりなのか、そういう議論ができると思うので す。だから、ある程度そういうことを考えながら決めないと、それぞれに自分のイメー ジの大学病院のことだけとか、あるいは慶應のことしか分からない人に、みんなのこと を考えろと言ってもなかなか難しいと思うのです。最も小さい300床の病院でどうなので すかと。現実に医療法を満たすお医者さんの数は何人で、どのくらいの人数が来ている ということを、少し想定して、頭の中をみんな共通にしないと、10だ、20だ、30だと 言っても、これは議論にならないと思います。 ○西岡委員  そういう意味で研修を担保するという形で、ベッド数だけである所は割り算をすれば 大きい数になる所はあるだろうと思いますし、少ない所も出てくるだろうと思います。 いま星先生がおっしゃったような形で、それを一律にしてしまうと、それがかなり難し くなってくるだろうと思うのです。やはり北村委員が提案されたような病床数も1つの ファクターになるし、それから大事なのは患者数がファクターになります。あとは在院 日数だとか、病床の回転数、患者の種類というのが非常に大事になると思います。それ とやはり指導医の数というものをうまく組み合わせないと、出てこないのかなという気 はいたします。 ○梅田委員  もしいま星委員が言われたようなシュミレーションですと、例えば自治体病院として 私の所でちょっとやらせてみようといま思ったのですが、そうした場合に1つだけ教え ていただきたい数字があります。それは1人の指導医が何人の研修医を持てるかという ことなのですが、いかがですか。 ○西岡委員  私たちシュミレーションしたのは、1人の指導医が直接に指導する、その間に何も人 が入らないという形だと、2人ないし3人ぐらいです。 ○梅田委員  2もあるし3もあり得るということですか。 ○西岡委員  それはいろいろなケースによって違います。ところが、その間にもう1つ指導助手と いうのが入りますと、1人の指導医が指導助手を2、3人カバーできます。その指導助 手がさらに2、3人カバーできるという形になります。だから、それはそんなにものす ごく目茶苦茶、幅を広げたらどうしようもなくなってしまいますが。 ○梅田委員  指導医1人だと3人いけますかね。中に指導助手が入ると6人ですか。 ○西岡委員  6人までいけるかどうかは分かりません。その人の能力になると思います。 ○梅田委員  数はイメージをみんなができればいいのだと思うのです。 ○星委員  そうなのです。全くイメージがないところではできない。 ○梅田委員  全くイメージがないと、10ということはなぜなのか。例えば600床の病院で10床当たり となると60人で1学年30人です。それだけを考えると、なんか非常に多いイメージを私 は持ちます。いまの大学の中に何人の人が現実にいるのか分かりませんが、そのバラン スがどうなっているのかというのは、ある程度イメージするために数字が必要なのだろ うと思います。 ○堺小委員長  それではそれは次回に出していただきましょう。 ○櫻井委員  一言だけ申し上げたいのですが、この国立の先生とか、国公立は予算の関係があるか ら指導医の数とかとおっしゃるのですが、私は全職員に教育には関心を持てと言ってい ます。最低限の指導医の数というのは規定しないとまずいとは思いますが、それ以上、 指導医が1人では2人しか持てないとか、4人しか持てないというのは、あまり現実的 では、ありません。やはり全員が教育に関心を持つというのがベーシックなことなの で、そういった意味で指導医が1人につき、何人というのは大ざっぱには決めないとま ずいとは思いますが、2人以上持てないとか、4人しか持てないというのは、あまり意 味がないと思います。 ○堺小委員長  大変座長の不手際で時間を取ってしまいましたが、とりあえず単独型についてはある 程度のご議論はいただいたと思います。今日はもう皆さんお忙しく予定もおありでしょ うから、あと残っているところは次回にやるしかないです。 ○医事課長  ただ文としての場合も基本的な考え方は単独型のものの延長ですから、それほど新し いことではないと思います。 ○堺小委員長  それでは事務局にまたまとめていただきまして、今日ありました宿題をご検討いただ いて、次回の本会議でまとめて、残りの議論をさせていただきたいと思いますが、それ でよろしいでしょうか。それでは日程等について、事務局からお願いします。 ○医事課長  次回の施設基準の小委員会については、7月29日(月)の午前10時から12時というこ とで、調整をさせていただいています。会場等については詳細を改めて後日ご連絡をさ せていただきたいと思います。 ○ 堺小委員長  よろしいでしょうか。それでは本当に長時間ありがとうございました。                            照会先                            厚生労働省医政局医事課                            03−5253−1111                            内線 2563