審議会議事録  厚生労働省ホームページ

薬食審第0726001号
平成14年7月26日
薬事・食品衛生審議会
 会長 内山 充 殿
食品衛生分科会
 分科会長 寺田 雅昭

薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会報告について

 平成14年7月26日に、標記委員会を開催し、平成14年7月1日付厚生労働省発食第0711005号をもって諮問のあった食品添加物の指定については、審議の結果下記のとおり決議したので報告する。


 フェロシアン化物(フェロシアン化カリウム、フェロシアン化カルシウム及びフェロシアン化ナトリウム)については、人の健康を損なうおそれはないことから、食品添加物として指定することは、差し支えない。なお、指定に当たっては、別添1のとおり使用基準及び成分規格を設定することが適当である。


<照会先>厚生労働省医薬局食品保健部基準課
       植村(内線2483)
       吉田(内線2489)
       TEL:03(5253)1111(代表)


(別添1)

フェロシアン化物の使用基準

○フェロシアン化カリウム
 フェロシアン化カリウムは、食塩以外の食品に使用してはならない。
 フェロシアン化カリウムの使用量は、無水フェロシアン化ナトリウムとして、食塩1kgにつき0.020g以下でなければならない。ただし、フェロシアン化カルシウム及びフェロシアン化ナトリウムの1種以上と併用する場合にあっては、それぞれの使用量の和が無水フェロシアン化ナトリウムとして、食塩1kgにつき0.020g以下でなければならない。

○フェロシアン化カルシウム
 フェロシアン化カルシウムは、食塩以外の食品に使用してはならない。
 フェロシアン化カルシウムの使用量は、無水フェロシアン化ナトリウムとして、食塩1kgにつき0.020g以下でなければならない。ただし、フェロシアン化カリウム及びフェロシアン化ナトリウムの1種以上と併用する場合にあっては、それぞれの使用量の和が無水フェロシアン化ナトリウムとして、食塩1kgにつき0.020g以下でなければならない。

○フェロシアン化ナトリウム
 フェロシアン化ナトリウムは、食塩以外の食品に使用してはならない。
 フェロシアン化ナトリウムの使用量は、無水フェロシアン化ナトリウムとして、食塩1kgにつき0.020g以下でなければならない。ただし、フェロシアン化カリウム及びフェロシアン化カルシウムの1種以上と併用する場合にあっては、それぞれの使用量の和が無水フェロシアン化ナトリウムとして、食塩1kgにつき0.020g以下でなければならない。

フェロシアン化物の成分規格

○フェロシアン化カリウム(別名ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム)
K4Fe(CN)6・3H2O 分子量 422.39
potassium ferrocyanide〔13943-58-3〕

含量本品は、フェロシアン化カリウム〔K4Fe(CN)6・3H2O〕99.0%以上を含む。
性状本品は、黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
確認試験
  •  本品の水溶液(1→100)10mlに塩化第二鉄溶液(9→100)1mlを加えるとき、濃青色の沈殿を生ずる。
  •  本品は、カリウム塩の反応を呈する。
純度試験
  •  シアン 硫酸銅10mgに水8ml及びアンモニア試液2mlを加え溶解する。この溶液にろ紙片を浸し、当該ろ紙片を硫化水素にさらすとき、当該ろ紙片は褐色を呈する。そこに、本品の水溶液(1→100)1滴を滴下するとき、白色の輪を生じない。
  •  フェリシアン化塩 本品10mgを水10mlに溶解する。この溶液1滴に硝酸鉛溶液(1→100)1滴を滴下する。さらに、ベンジジンを飽和した2mol/l酢酸数滴を滴下するとき、青色を呈しない。
定量法本品約1.0gを精密に量り、水200mlを加えて溶解する。この溶液に硫酸10mlを加え、0.02mol/l過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。終点は、液の紅色が30秒間持続するときとする。
 0.02mol/l過マンガン酸カリウム溶液1ml=42.24 mg K4Fe(CN)6・3H2O

○フェロシアン化カルシウム(別名ヘキサシアノ鉄(II)酸カルシウム)
Ca2Fe(CN)6・12H2O 分子量 508.29
calcium ferrocyanide〔1327-39-5〕

含量本品は、フェロシアン化カルシウム〔Ca2Fe(CN)6・12H2O〕99.0%以上を含む。
性状本品は、黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
確認試験
  •  本品の水溶液(1→100)10mlに塩化第二鉄溶液(9→100)1mlを加えるとき、濃青色の沈殿を生ずる。
  •  本品は、カルシウム塩の反応を呈する。
純度試験
  •  シアン 硫酸銅10mgに水8ml及びアンモニア試液2mlを加え溶解する。この溶液にろ紙片を浸し、当該ろ紙片を硫化水素にさらすとき、当該ろ紙片は褐色を呈する。そこに、本品の水溶液(1→100)1滴を滴下するとき、白色の輪を生じない。
  •  フェリシアン化塩 本品10mgを水10mlに溶解する。この溶液1滴に硝酸鉛溶液(1→100)1滴を滴下する。さらに、ベンジジンを飽和した2mol/l酢酸数滴を滴下するとき、青色を呈しない。
定量法本品約1.0gを精密に量り、水200mlを加えて溶解する。この溶液に硫酸10mlを加え、0.02mol/l過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。終点は、液の紅色が30秒間持続するときとする。
 0.02mol/l過マンガン酸カリウム溶液1ml=50.83 mg Ca2Fe(CN)6・12H2O

○フェロシアン化ナトリウム(別名ヘキサシアノ鉄(II)酸ナトリウム)
Na4Fe(CN)6・10H2O 分子量 484.06
sodium ferrocyanide〔13601-19-9〕

含量本品は、フェロシアン化ナトリウム〔Na4Fe(CN)6・10H2O〕99.0%以上を含む。
性状本品は、黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
確認試験
  •  本品の水溶液(1→100)10mlに塩化第二鉄溶液(9→100)1mlを加えるとき、濃青色の沈殿を生ずる。
  •  本品は、ナトリウム塩の反応を呈する。
純度試験
  •  シアン 硫酸銅10mgに水8ml及びアンモニア試液2mlを加え溶解する。この溶液にろ紙片を浸し、当該ろ紙片を硫化水素にさらすとき、当該ろ紙片は褐色を呈する。そこに、本品の水溶液(1→100)1滴を滴下するとき、白色の輪を生じない。
  •  フェリシアン化塩 本品10mgを水10mlに溶解する。この溶液1滴に硝酸鉛 溶液(1→100)1滴を滴下する。さらに、ベンジジンを飽和した2mol/l酢酸数滴を滴下するとき、青色を呈しない。
定量法本品約1.0gを精密に量り、水200mlを加えて溶解する。この溶液に硫酸10mlを加え、0.02mol/l過マンガン酸カリウム溶液で滴定する。終点は、液の紅色が30秒間持続するときとする。
 0.02mol/l過マンガン酸カリウム溶液1ml=48.41 mg Na4Fe(CN)6・10H2O


トップへ
審議会議事録  厚生労働省ホームページ