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平成14年7月1日

介護報酬体系の見直し案に関する意見

介護療養型医療施設連絡協議会
会長  木下 毅

 介護報酬体系の見直し案については、介護保険の円滑な運営のために全体的にはおおむね了解という形をとるが、3:1介護の削除に関しては、反対の立場をとり続ける事には変わりない。
 第12回社会保障審議会介護給付費分科会における事務局からの3:1介護が経過措置とされた経緯の説明は、介護療養型医療施設と老人保健施設を比較すると、より医療密度が高いから看護職員が多いのは分かるが、介護職員は老人保健施設と同じ4:1で良いという考えからとのことである。しかし各種データ結果からみると介護療養型医療施設と老人保健施設では平均要介護度の差は1以上あり、要介護度5の比率は介護療養型医療施設では43.9%、老人保健施設では15.9%となっている。この両施設が同じ人数の介護職で良いと考えるのは全く理解出来ない。
 また、グループホームの夜勤を認めるのは結構であるが、9〜18人に1人の夜勤の必要を認めておきながら、介護療養型医療施設の夜勤が30人に1人しか配置出来ない4:1介護で良いという考え方も理解に苦しむ。
 さらに、これからも痴呆性老人の介護は大きな問題である。痴呆性老人も肺炎や心筋梗塞などいろいろの病気になる。しかし症状をうまく伝えられない、訴えても分かってもらえない、また、ぼけているからと的確な診断や治療を受けていない可能性がある。痴呆性老人も医療を受ける権利がある。問題行動の対処だけが痴呆症のケアではなく、しっかりした医療の裏付けがなければいけないと考える。これを担うのは介護療養型医療施設であると考えている。以上の理由から3:1介護の削除には同意できないことをあらためて申し上げる。
 また、重度療養管理の新設は患者の状態に見合った支払方式であり、賛成である。 いずれにしても重介護で医療度の高い人が、安心して、安全なサービスが受けられる介護保険制度でなければいけないと考える。


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