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特別養護老人ホームへの入所について
先行して取組みを進めている自治体の例

 神戸市では、市と市老人福祉施設連盟が協議を重ね、本年3月に共同で、「特別養護老人ホーム入所指針」を作成し、公表。

(具体的には2ページ〜4ページ参照)

1.指針作成の目的

(1)入所の必要性の高い者を、早期に入所につなげる。
(2)施設における入所決定過程の透明性と公平性を確保する。
(3)特別養護老人ホームへの入所に関する市民の安心感を確保する。

2.指針の概要

(1)施設が入所の必要性を判断する基準(具体的には4ページ参照)
 要介護度
 介護者の有無
 痴呆の程度
 在宅サービスの利用状況

(2)施設での合議制の会議の設置
(1) 施設は、施設長、生活相談員、介護職員などで構成する入所検討委員会を設置しなければならない。(当該法人の評議員等を加えることが望ましい。)
(2) 入所検討委員会は、上記(1)の基準に基づく評価等により入所選考者名簿を調製し、入所の決定を行う。
(3) 入所検討委員会は、審議の内容を議事録として保管しなければならない。

3.その他

 本年4月から実施(完全実施は6月から)


神戸市特別養護老人ホーム入所指針

1. 目的

 この指針は、特別養護老人ホーム(以下「施設」という。)の入所に関する基準を明示することにより、入所決定過程の透明性・公平性を確保するとともに、施設入所の円滑な実施に資することを目的とする。

2. 入所の対象となる者

 入所の対象となる者は、要介護1〜5と認定された者のうち、常時介護を必要とし、かつ居宅において介護を受けることが困難な者とする。

3. 入所の申し込み

 (1)申込方法
 入所の申し込みは、特別養護老人ホーム入所申込書及び調査票に、認定調査票・被保険者証・直近3カ月分のサービス利用票及び別表の各写しを添付して、原則としてケアマネジャーを通じて行うこととする。
 (2)受付簿の管理
 申込書を受理した場合は、受付簿にその内容を記載して管理しなければならない。また、辞退や削除等の事由が生じた場合はその内容を記録しなければならない。

4. 入所検討委員会

 (1) 施設は、入所の決定に係る事務を処理するために、合議制の委員会又は会議(以下「検討委員会」という。)を設置しなければならない。
 (2) 検討委員会は、施設長、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等で構成する。なお、検討委員会には第三者(当該法人の評議員等)を加えることが望ましい。
 (3) 検討委員会は、施設長が召集し、原則として毎月1回開催するものとする。
 (4) 検討委員会は、入所選考者名簿(以下「選考者名簿」という。)を調製するとともに、これに基づいて入所の決定を行う。
 (5) 検討委員会は、審議の内容を議事録として保管しなければならない。

5. 選考者名簿の調製

 (1) 調製方法
 選考者名簿は、別表1(入所申込者の評価基準)に基づく評価と次に掲げる個別事情を総合的に勘案し、上位の者から登載する。
 【入所決定に係る個別の事情】
  (1)性別(部屋単位の男女別構成)
  (2)ベッドの特性(痴呆専用床等)
  (3)地域性(入所後の家族関係の維持等)
  (4)施設の専門性
  (5)その他特別に配慮しなければならない個別の事情
 (2) 調製時期
 選考者名簿は、検討委員会の開催に合わせてその都度調製する。

6. 特別な事由による入所

 次に掲げる場合においては、検討委員会の審議によらず施設長の判断により入所を決定することができる。

  (1)災害や事件・事故等により検討委員会を招集する余裕がないとき。
  (2)神戸市介護保険施設入所相談センターからの斡旋があった場合。
  (3)老人福祉法に定める措置委託による場合。

7. その他の取り扱い

 (1) 辞退者の取り扱い
 入所の意思を確認したにも関わらず、申込者の都合により一時辞退があった場合は順位を繰り下げ、再度の辞退があった時は受付簿から削除することができる。
 (2) 施設入所者の取り扱い
 他の介護保険施設や病院等に入所または入院している者で、当該施設から退所または退院を求められている者のうち、在宅復帰が困難な者については、別表1の評価によらず、検討委員会の審議により入所を決定することができる。

8. 適正運用

 (1) 施設等は、この指針に基づき適正に入所の決定を行うものとする。
 (2)市は、この指針の適正な運用について、施設に対し必要な助言を行うものとする。


別表1 入所申込者の評価基準

  (2)介護の必要性
(1)本人の状況

介護者の有無
  在宅サービス※2利用率
8割以上 6割以上
8割未満
4割以上
6割未満
2割以上
4割未満
2割未満
50 40 30 20 15
要介護5 50 100 90 80 70 65
要介護4 45 95 85 75 65 60
要介護3 単身 40 90 80 70 60 55
介護者有 35 85 75 65 55 0
要介護2(痴呆※1) 単身 35 85 75 65 5 0
介護者有 30 80 70 60 50 5
要介護1(痴呆※1) 単身 30 80 70 60 0 5
介護者有 25 75 65 55 45 0
要介護2 単身 20 70 60 50 40 35
介護者有 15 65 55 45 35 0
要介護1 単身 15 65 55 45 35 30
介護者有 15 65 55 45 35 0

※1 痴呆とは
痴呆性老人の日常生活自立度の判定基準におけるIIbランク以上の者。
※2  在宅サービスの利用率
サービス利用票別表に基づく支給限度基準額とサービス利用額の単位の割合。
算定の対象となるサービス
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、 通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、福祉用具貸与


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