02/06/28 第5回独立行政法人評価委員会議事録            第5回 独立行政法人評価委員会議事録                            平成14年6月28日(木)                            16:00〜18:00                            専用第16会議室 出席者:黒川委員長、井伊委員、五十嵐委員、井原委員、大久保委員、開原委員、     篠原委員、田村委員、中窪委員、古郡委員、堀田委員、渡辺委員 1.開会 ○ 黒川委員長  それでは第5回独立行政法人評価委員会ということで開催させていただきます。これ はちょうど始まって1年目ですから評価といっても何年かしていくとまた変わってくる と思います。なかなか難しいと思いますが、皆さんお忙しいところをありがとうござい ました。欠席の方は岸、坂本、安井委員だそうですが、ちょっと狭い部屋で申し訳あり ませんがよろしくお願いします。まず石本政策統括官から御挨拶をよろしくお願いいた します。 ○ 石本政策統括官  本日は大変お忙しい中お集まりいただきましてまことにありがとうございます。この 評価委員会は暫くお休みさせていただいておりましたが、今回で5回目ということにな ります。委員の皆様には先般中期目標と中期計画の策定ということで、大変に密に御議 論をいただきましてありがとうございました。今回からいよいよちょうど1年を迎えま して具体的な評価に入っていくというふうに存じております。  いま黒川委員長の方から御指摘がございましたが、本当に独立行政法人の評価につき まして,現在私ども三研究独立行政法人ですが、今後、特殊法人等改革などによりまし て国立病院・療養所の他に大きな諸団体が独立行政法人の仲間入りをしてくるというこ とで、いやが応でもこの厚生労働省の中に設置していただきました独立行政法人評価委 員会というのは非常に任務が重くなってきたように思います。事務局を務めておりまし てもそれをひしひしと感じておりまして、今後さらなる大きな展開に向かって事務局と しても頑張ってまいりたいというふうに思います。  諸先生方には大変にお忙しいとは思いますが、何しろまだ政府全体で統一的な評価方 法そのものも定まっていない状況の中で、この評価委員会の中でその評価手法も含めて 工夫していただきたい、また事務局も精一杯頑張ってまいりたいというふうに思ってお ります。今回の評価はまた後ほど事務局から説明させていただきますが、三研究独立行 政法人につきまして御議論賜りたいと思いますが、よろしくお願いいたします。 ○ 黒川委員長  ありがとうございました。そこでたしかにいろいろな独法が出てきまして、今度国立 病院とかが来て、対象が広がります。三つだけでこんなに忙しいというのも大変なこと だと思いますが、これから経験を積みながらどのような方向で進めていくかということ も大事ですし、前の委員会でも何回か話が出たわけですが、何のためにやっているのか というのは、やはり国民のためというか、タックスペイヤーのお金が適切に使われてい るかというのが一番大事な視点だろうと思いますので、そのような視点でものを見て いったらいいのではないですか。  最近はいろいろな情報公開もありますが、公開にしてもいろんな問題がたくさんあっ て新聞を賑わしていますが、そういう意味では、国民に対してぜひ評価は評価なりの役 に立てることをどうしたらいいかという話を考えていこうと思っております。そこで今 日はいろいろと独立行政法人の厚生労働省関係の評価を行うということになりますが、 何分初めてですから、これから皆さんといろんな知恵を出しながらやっていければと 思っております。  今日は、今後の評価の進め方その他について皆さんの御意見を伺った上で、13年度の 業務の実績についてということで、三つの対象の独立行政法人があるわけですから、そ こからの報告を聞かせていただきたいということで、その次に次回からどうやって進め ていくかという話も皆さんと意見を交換しておけばいいのではないだろうかというふう に思います。よろしくお願いします。 2.審議 ○ 唐澤政策評価官  まず最初に今日はたくさん資料が用意されておりますので、資料のご確認からさせて いただきます。議事次第の方を御覧をいただきますと配布資料が1〜8までになってお りまして、資料1というのは、これが独立行政法人の評価に関する運営についてという 総務省の方で作成した資料でして、それから資料2が当委員会のこれからの進め方につ いて少し御相談をさせていただくものです。それから右側の方に袋で積んでありますも のが三法人の事業報告書等でして、資料3が健康・栄養研究所に関する資料です。これ は中身が事業報告書と財務諸表等ということで、それぞれの三研究所について関係の資 料が束ねられてございます。これは後ほど詳しく御説明をさせていただきます。  それではまず最初に今後の評価の進め方について御説明をさせていただきますが、資 料1を御覧ください。資料1に政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法 人評価に関する運営について(概要)という資料がございます。これは総務省に設けら れております審議会である政策評価・独立行政法人評価委員会が各府省の評価委員会の 評価結果に対する評価の基本的な考え方をまとめたものです。どういう観点から評価を すべきかということが書かれておりまして、まず第一は定められた評価基準に適合して 評価が行われたかどうかというのが一つ、それから二つ目は公正妥当な手続き手順によ り評価が行われたかというプロセスといいますか、評価の手続きの問題、それから三つ 目は中期計画の実施状況の分析内容は妥当なものになっているかどうかなどということ を、基本的には視点にして独立行政法人の評価をしていくべきだということが述べられ ているわけです。これは今年の3月に総務省の方の委員会でまとめられたものです。あ まりそれぞれの法人に則したような具体的なことまでは述べていないというのが実際の ところです。  関係の資料がございますが、説明は省略させていただきます。その次に印のついたも のが各省の委員会あてに総務省の委員会が送ったものですが、内容はいま申し上げたよ うなものです。ただ一言付言をさせていただきますと、この総務省の委員会というのは いわば横割りで見ていく性格のものです。各省の独立行政法人や政策評価について横割 りで見ていくというためにこの委員会が設けられているわけですが、これは各省それぞ れに併置されている独立行政法人評価委員会の上位機関になっているということではご ざいません。これはそれぞれ並列してそれぞれ独立して存在をしておりますので、決し て上位機関というような性格ではないということをご理解いただきたいと思います。  それでは今回の進め方について資料2を御覧をいただきたいと思います。資料2は平 成13年度の独立行政法人業務実績に関する評価の進め方について(案)です。この資料 は二枚紙になっておりまして、その次にカレンダーのようになっております一枚紙がご ざいます。まずこの一枚紙の方を御覧をいただきながら資料の説明をさせていただきた いと思います。  まず全体的なスケジュールですが、何を評価としてやっていただくかということを申 し上げます。この表の9月初めの欄をご覧いただきますと、9月には総合的評価のとり まとめということで、この評価委員会として最終的に実績の評価をするということがま ず一つ目です。これは独立行政法人通則法に基づきまして評価は厚生労働大臣ではなく て、この委員会の名前において評価をするというのがこの委員会の権限でございます。  それから9月の欄の左の方にございます総合的評価のとりまとめの下にございます法 人の業務に関する必要な改善事項についてのとりまとめ、これはどのような事項につい て改善が必要かということについて、この委員会の権限で意見をいうということです。 それから右の方に財務諸表の欄がございまして、二つの項目が書かれております。一つ は財務諸表に関する意見をとりまとめる、それからもう一つは剰余金の使途に関する意 見をとりまとめるということです。財務諸表は法律に基づきまして厚生労働大臣がこの 委員会の意見を聴いて承認をするということになっております。  それから剰余金の使途につきましても、これは法人から厚生労働大臣に提出されて、 大臣が承認するということになっておりますが、その承認の前にこの委員会の意見を聴 かなければいけないということでございます。したがって左側の方の実績に関する評価 に関する二つの事項につきましてはこの委員会の権限として意見をまとめる、それから 財務諸表につきましては大臣の承認の前に委員会として意見を言うという性格のもので す。  スケジュールにつきましては、まず今日6月の欄のところで各法人から業務の実績と いうものを説明してもらいます。今回は業務の実績、財務諸表について各法人から説明 をしていただくというのが今日の予定でございます。それから7月には一度聴取をして いただきました実績について、それぞれの個別の項目の評定を記入していただきます。 この評定につきましては、資料のその次にA3の評価シートというのがございますの で、これをご覧いただきたいと思います。  これは四つの欄がございまして、一番左にございますのは中期目標です。これは厚生 労働大臣が定めた中期目標でして、その次の欄にありますのが法人が中期目標にそって 策定をした5年間の中期計画です。この中期計画にそってそれぞれの各年度の計画、今 回は13年度の計画というのが作成をされております。法律的に申し上げますと、中期目 標、中期計画につきましては、大臣が定める際、あるいは計画を承認をする際にこの委 員会で意見をいただいております。13年度の年度計画は届け出になっておりますので、 中期計画にそって厚生労働大臣に届け出られたものです。一番右の欄が御説明をさせて いただく業務の実績です。それぞれにそって実績を比べていただきまして、下の方の欄 には評価の視点というものが書いてございます。  これはちょっと前になってしまいますが、昨年の5月16日の会議の時、それから6月 の会議の時に二度御議論をいただきまして、評価の視点をとりまとめておりますが、こ れはある意味では完全に確定したということではなくて、やりながら適宜必要なものを 追加をしていくという、そういう整理にされておりますが、評価の視点というものを参 考にしていただきながら評定を記入していただくというのがこの評価シートでございま す。これを7月に二回お願いしたいと思っておりまして、一度で全部の法人について記 入するのはかなり難しいと思っておりますので、それぞれの項目について二回目の時に は改めて説明をいたしまして、区切り毎にそれぞれの先生に記入をしていただく。これ は出席した全員の先生にご記入をいただくという形を考えております。  項目がどのぐらいあるかというのは、その次の今度はA4の横になっております表、 たとえばこの健康・栄養研究所の資料をご覧いただきますと、評価をいただきます項目 はまず業務運営の効率化に関する事項、これは業務の体制の問題ですとか、あるいは内 部進行管理ですとか、次の頁にまいりまして経費の節減、それから研究設備などの利用 の話というのが業務の効率化に関する事項です。  それから次の項目、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する 事項ということで、これがいわば法人が本来やるべき事業という性格のものでして、三 法人で申しますと研究業務、あるいは研修ですとか調査ということになりますが、その 本来業務を評価をしていただくのがこの項目です。この区分した項目ごとに御説明をさ せていただきまして、質疑をしていただきながらその評定を各先生方に記入をしていた だくということをこの三法人についてお願いをしようと思っております。7月に二回お 願いをいたしまして、この個別の評価を記入していただこうというふうに考えているわ けです。  この記入につきましては、S・A・B・C・Dの五段階で記入をしていただきます が、S・A・B・C・Dがどんな基準であったかというのは、参考資料の1というとこ ろに独立行政法人の業務実績に関する評価の基準というのがございますので御覧をいた だきたいと思いますが、これは昨年の6月にとりあえずということでまとめていただい たものですが、総合的な評価が1頁目です。  ちょっと前のことになりましたので、念のため簡単にお話をさせていただきますと、 事業年度の業務実績の評価については、評価は業務実績全体の状況について行う総合的 な評価と中期目標に掲げた項目ごとに行う個別的な評価の二つを合わせて行うものとす るということになりまして、総合的な評価は国民の視点に立って以下の基本方針にそっ て行うということが書かれております。これが1頁から2頁目です。  それから2頁目にまいりまして、個別的な評価のところがございまして、判定基準が 中段のところにあります。Sは中期目標を大幅に上回っている、Aは中期目標を上回っ ている、Bは中期目標を概ね達成している、Cはやや下回っている、Dは下回っており 大幅な改善が必要というのが五段階の項目です。この評価にあたっては留意事項に、数 量だけでなく質についても考慮する、それから業務の実績に影響を及ぼした要因につい ても考慮する、個別の研究課題の評価については外部研究評価の結果を参考とする。業 務実績の結果だけでなく費用対効果についてもコストの面からも考慮をする、独立行政 法人化の利点の活用についても勘案をする、それから中期計画に掲げられている項目以 外にも評価の対象になるような項目がある場合にはそれも考慮をする。中期目標の達成 に向けてのインセンティブや環境整備などについても考慮するということを昨年の委員 会では御議論をいただいたわけです。  こうした形で個別のシートにご記入をいただきましたものを、その次の会に私どもの 方の事務局の方で集計をさせていただきます。これは一応ダミー的にSからDまでを 5・4・3・2・1という形で集計をさせていただいて、その集計の結果について御議 論をいただいて個別項目に関する評価を確定をさせていただくということを考えており ます。その際には個別項目の評価のまとめの時にはそれぞれの法人からも意見を言って いただこうというふうに思っております。その結果をふまえて総合的な評価のとりまと めを9月の初めには行っていただければというのがスケジュールでございます。  それから先程統括官のお話にございましたが、最後に一言だけ付け加えさせていただ きますと、参考資料2というのがございますが、独立行政法人に移行する法人について ということで、昨年度の特殊法人等の整理合理化計画等に基づきまして、8つの厚生労 働省の関係の法人が独立行政法人に移行することが決定をされております。15年度中に 独立行政法人として設立するものはここにございますような医薬品副作用被害者救済・ 研究開発振興機構、労働福祉事業団、勤労者退職金共済機構、雇用・能力開発機構、日 本障害者雇用促進協会、社会福祉・医療事業団、心身障害者福祉協会、日本労働研究機 構、それから16年4月に独立行政法人として設立するものは国立病院・療養所というこ とになっているわけです。この特殊法人の合理化計画の8法人につきましては、この秋 の臨時国会に法案を提出するという方向になっておりますので、こうした秋の国会審議 をふまえてもこの委員会の評価に対する関心というものは非常に高まってくるだろうと 考えております。進め方の案として御説明をさせていただきましたものは以上でござい ます。 ○ 黒川委員長  そういうことで少しずつ思い出されたかなという気がしますが、この参考資料1もい ろいろな議論があって、どのような評価の目標にするかというのはずいぶんお話をした わけですが、一応このような線でやってみたらいいだろうということです。何か御意見 はございますでしょうか。  そうするとこれからいろいろお伺いさせていただいて、また随時これをたたき台にし ながらいいものに変えていくというのがいいのではないかと思います。それではこれか ら報告を聞かせていただいてよろしいですかね。それでは13年度の業務の実績について の報告をしていただく、それから財務諸表については一応こちらの意見を聞かれること になっておりますので、業務の報告とあわせて説明をしていただきますが、これについ ては三法人それぞれについて、全体として財務はどうなっているかという話ですが、私 どもはあまり財務はわからないけれども、財務のプロもおられますので、そのような御 意見も伺いながら話を進めていったらどうかと思います。 ○ 唐澤政策評価官  結局、実績につきましては今日まず総括的にお話いただきまして、一回だけでつけて いただくのはなかなか大変ですので、二回目にまた詳しく聞いて、そして記入をしてい ただくという形になります。よろしくお願いいたします。 ○ 黒川委員長  どうなるでしょうか。それでは話を聞かせていただきましょうか。まず国立健康・栄 養研究所から田中先生、よろしくお願いします。 ○ 田中理事長  それでは独立行政法人国立健康・栄養研究所の平成13年度の事業報告を研究企画・評 価主幹の吉池にさせます。引き続きまして財務諸表等につきましては事務部長の片倉よ り説明させます。よろしくお願いいたします。 ○ 吉池研究企画・評価主幹  それではお手許の資料3が事業報告書本体となります。その後ろに資料(1)から(19)と いうことでダブルクリップで止めてございますが、これは事業報告書の中の平成13年度 の事業状況ということに関する個別的な参考資料です。また、桃色の資料(9)につきまし ては、いわば研究業務の本体であります重点調査研究業務、基盤的研究業務の報告書と いうことになっております。また資料4の1が財務諸表ということになっております。 それでは報告書本体資料3の方をお開きいただきたいと思います。  まず見開きで左側半分が中期目標、中期計画となっておりまして、右側が13年度計 画、それに対応する形で業務の実績を書かせていただきましたので、右側の部分を中心 にご報告させていただきます。まず2頁目ですが、第一の業務運営の効率化に関する目 標を達成するためにとるべき措置ということでございます。  まず組織体制ですが、平成13年5月15日に中期計画を確実に達成するために組織の改 正を行いました。具体的には重点調査研究等を効率的に行うために、従来の1課7研究 部を1事務部、1研究企画・評価主幹、8研究部に改組いたしました。また研究部門を 支援する事務部門の体制を整備いたしました。また中期計画に掲げる重点調査研究の3 プロジェクトチームに対応した3つの研究系を設け、研究系は担当研究部から構成する という体制を整備いたしました。また研究員の採用についてですが、研究員の流動化を 促進するため、平成13年度中に採用した研究員2名は全て公募により3年間の任期付研 究員として採用いたしました。  続きまして(2)の内部進行管理の充実です。業務の進捗状況等の把握管理のため、 事務部長を含む各研究部長あるいは研究系長が毎月二回程度、部あるいは研究系ごとに 会議を開き、各担当者から報告させた上で指導・助言を行っております。また研究者の 個人に対する評価につきましては、常勤研究職員に対して研究・業務実績書の提出を求 めるとともに、理事長が全ての研究職員と面接し、個人業績評価を実施するとともに必 要な指導を行っております。  内部進行管理ですが、これにつきましては内部研究業務評価委員会を立ち上げ、3月 25日に重点調査研究業務及び基盤的研究業務について年度計画の達成状況、研究成果の 発表状況、及びプロジェクト研究等に関しまして点数制の評価を実施したところでござ います。なお、中期計画及び業務評価の1年目であるということから、評価結果を研究 所職員の処遇に直接反映させることは今後の検討課題というふうに考えております。  続きまして(3)業務運営の効率化に伴う経費節減についてです。まず業務の進捗状 況に応じた適切な予算の執行を図るため、その執行状況の把握に努めるとともに、物品 等の一括購入及び業務の外部委託等により運営費交付金における中期目標に掲げられた 経費節減に努めたところです。  また、イの運営費交付金以外の収入の確保についてですが、これは表が次の頁にまた がっておるものですが、平成13年度における補助金等の外部資金の獲得状況につきまし て、補助金、共同研究及び受託研究等を全て合わせまして、58件、約2億9,000万円でご ざいます。また研究運営費交付金以外の収入の確保を図るため、研究所のパンフレット に共同研究、受託研究を推進する旨掲載し、あるいはいろいろな機会でPRに努めてお ります。また、効率的な研究施設及び研究設備の利用ということで、他施設との研究設 備の共同利用、あるいは国立医療・病院管理研究所の移転及び国立公衆衛生院からの職 員の異動等に伴いまして共同研究施設の再整備を行い、研究資源の有効活用を図ってい るところです。  また、第2の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を 達成するためにとるべき措置ですが、まず社会的ニーズの把握ということで、そこにお 示ししておりますような健康・栄養関連でそれぞれ異なる役割を担っている4団体を選 定し、意見交換等を実施したところです。  8頁の中段以降ですが、ここからは各研究業務ですが、まず(1)ア、国民の健康の 保持及び増進に関する調査及び研究ということで、これにつきましては主にエネルギー 代謝に関する調査研究を実施しているところです。これはまずカロリーメーターの精度 管理上の問題を解決し、機器の整備を完了しました。また平成13年度においては約30例 の被験者宿泊実験を実施したところです。また日本人の栄養所要量の第七次改定に対応 するため、所内にプロジェクトチームを設置し、現在検討を行っているところです。  次のイの国民の栄養その他国民の食生活の調査及び研究ですが、これは主に国民栄養 調査への対応ということになります。まず国民栄養調査データ処理解析に関わるシステ ムの高度化を行い、また都道府県等の栄養調査において食事データの入力、チェック及 び集計・解析業務を支援するシステムの開発を行ったところです。調査の効率化及び標 準化のために、実地で管理栄養士が使用する各資料を作成するとともに、都道府県等の 担当者を対象とした公開セミナーの開催、あるいはホームページを介した情報提供等を 行っておるところです。  次のウの食品についての栄養生理学上の調査及び研究ですが、これは主に食品成分の 健康影響の評価に関する調査及び研究を実施しているところです。具体的には循環器疾 患、肥満、糖尿病、骨・関節疾患の改善を標榜するいわゆる健康食品について、その有 効性及び安全性を評価することに加え、これらのアレルギー惹起性についての検討を 行ったところです。また栄養機能食品の新たな規格基準設定のため、たんぱく質、脂肪 酸、ビタミン、ミネラル、ハーブ等につきまして系統的レビューを行い、基礎資料を作 成したところです。  次は(2)の基盤的研究についてです。この中には四つ研究課題がありますが、まず 第一の健康及び栄養に関する独創的な調査及び研究、または萌芽的な調査及び研究で す。これにつきましては四つの大きな研究課題枠を設けまして、平成13年6月に所内公 募を行いました。応募があったテーマ12課題の中から7課題を採択いたしまして、12月 に中間発表会、また平成14年3月に研究報告会を実施し、5段階の点数づけによる評価 を行ったところです。  イの生活習慣病予防に関する調査及び研究につきましては、一般の人を対象にいたし ました最新の健康・栄養情報を提供するインターネット上のサイトを作成するため、I T技術を導入した「生活習慣改善のための自己学習システム」のモデルを作成いたしま した。また現在存在する食事療法、運動療法等に関連するサイトの有用性の評価方法等 について検討を行ったところです。  次のウは健康及び栄養に係わる科学技術に関する調査研究です。これは主に地方自治 体における生活習慣病対策の実態調査に関するデータベースを作成し、研究所ホーム ページに掲載したところです。また世界の有用な健康栄養情報サイトをデータベースに 登録いたしまして、ホームページを介して紹介をいたしてるところです。  次のエは食品中の栄養成分の生体利用性の評価に関する調査及び研究です。これにつ きましてはミネラル及びビタミンの一部について、その存在形態及び量とその生体利用 性に関する情報の検索及び収集を行ったところです。特にビタミンEの生理活性に寄与 する結合タンパク分子につきましては詳細な検討を行い、機能評価分析の基礎データを 得たところです。  続きまして(3)の栄養改善法の規定に基づく業務です。これには二つございます。 まず国民栄養調査の集計業務につきましては、平成12年度実施の国民栄養調査に関しま して、粗集計結果を平成13年8月に、最終集計・解析結果につきましては10月に厚生労 働省へ提出したところです。これにより前年度より4カ月早い11月8日に結果の概要が 厚生労働省より公表されております。  イの特別用途表示の許可等に係る試験についてですが、この試験につきましては、2 カ月以内の処理率が71.2%から85.0%に上昇しております。なお残る16件につきまして は、検査方法が確立されていない等の事情のため、約3カ月を要したものです。  続きまして(4)の職員の資質の向上についてです。まず所内の研究者が自ら発表す る所内セミナーを月2回程度実施いたしました。同セミナーにおいて一人1回は発表を 行うようにさせました。また4年に1回開催される国際栄養学会へは11名が参加し、16 件の発表を行いました。日本栄養・食料学会、日本栄養改善学会、日本体力医学会等へ 延べ約90名の研究者が参加し発表を行いました。  次は外部評価の実施及び評価結果の公表についてです。外部の有識者により構成する 評価委員会を平成14年3月19日に開催いたしまして、14年度の事業計画等について事前 の評価を受けたところです。また平成13年度の評価につきましては、5月28日に開催し た委員会において評価を受けたところです。現在委員会において報告書のとりまとめを 行っているところです。  続きまして成果の積極的な普及及び活用についてです。まず学会発表等の促進につい てです。学会発表数は国際学会が45回、国内学会が121回の計166回でございます。また 学術誌への原著論文の掲載数は英文誌46報、和文誌22報の計68報ということになってご ざいます。また平成13年9月に1件の特許出願を行っております。  (2)インターネット等による調査及び研究の成果に関する情報の発信についてです が、これにつきましては随時研究成果や当研究所の業務概要に関する情報をホームペー ジで公開しております。またNHK等のテレビ番組で関係分野の専門知識等の提供を 行っているところです。  (3)の講演会等の開催についてですが、平成13年4月18日に国立感染症研究所と合 同で科学技術週間における行事として一般公開を行い、64名の来所がありました。公開 セミナーといたしましては、平成13年9月29日に「国民栄養調査における五訂成分表の 活用」というテーマで、また平成14年1月12日に「生活習慣病の予防」をテーマとした 公開講座を開催したところです。  続きまして5の国内外の健康又は栄養に関係する機関との協力の推進です。まず (1)若手研究者等の育成です。若手研究者等を当研究所に積極的に受け入れるため に、各種規程をまず整備いたしました。そして合計90名の者を受け入れてございます。 また(2)の研究協力の推進ですが、各研究機関との共同研究を積極的に推進するとと もに、科学技術振興事業団等から14名の研究者の受入れを行ったところです。  また、ウの国際協力につきましては、アジア太平洋、特にバングラデシュ、マレーシ ア、トンガとの共同研究を行ったところです。特に国際協力ということ、あるいは産学 との連携を積極的に推進するために国際・産学共同研究センターを設置するための準備 を昨年度行いまして、この4月1日から発足したところです。これ以下財務内容につき ましては事務部長の方から報告させていただきます。 ○ 片倉事務部長  それでは続きまして13年度の財務につきまして御説明をさせていただきます。はじめ に資料4−2、平成13年度決算報告書というのをお開きいただきたいと思います。1頁 目の平成13年度独立行政法人国立健康・栄養研究所の収支決算報告書でございます。  当研究所の収入源は運営費交付金といたしまして、決算額が8億5,179万7,000円、そ れから手数料収入は特別用途食品の試験手数料ですが、予算より360万円ぐらい増額をい たしまして2,425万2,000円、それから受託収入ですが、当初の予算より2億5,400万円増 加をいたしまして2億8,416万4,995円、その他の利息収入、寄付金収入合わせまして収 入が11億6,075万1,074円、当初予算に比べまして2億5,891万4,074円の収入増でござい ました。  それからそれに対応する支出ですが、運営費交付金の支出は合計で7億4,201万6,256 円、その内訳といたしまして人件費が4億6,224万2,941円、一般管理費が9,607万1,682 円、業務経費といたしまして1億6,515万3,039円、それから設備整備費ですが、1,854万 8,594円、受託関係の経費といたしまして特別用途食品の表示許可試験費に2,207万9,776 円、受託研究費の事業費が2億7,960万7,874円、寄付金研究が50万円、合計といたしま して10億4,420万3,906円の支出でございました。収入決算額に比べまして1億1,654万7, 168円の余剰金、この額を次年度へ繰り越しをしたいというふうに思っております。  その余剰金が生まれた理由ですが、人件費のところを御覧いただきたいと思います が、予算に比べまして9,550万2,059円の残がございます。これがほとんどの額でござい ますが、当初予算の段階で3名の退職者を予定しておりましたが、12年度中に2人の者 が退職してしまったために残りました2人分の退職手当ての額が約5,300万円、それから 13年4月1日現在で役員、職員の未補充が、役員が1名、職員が5名おりました。その 分の補充に数カ月かかったための人件費の残でございます。  それらの収支決算の内容を御説明申し上げますと、4−1の資料に戻っていただきま して、財務諸表ですが、2頁目の損益計算書の経常費用で、研究業務費に8億7,363万2, 025円、一般管理費に1億3,388万8,024円、経常費用の合計といたしまして10億752万49 円でございます。研究業務費と一般管理費の全体の経常費用の割合は研究業務費が86. 7%、一般管理費は13.3%でございます。  経常収入ですが、運営費交付金が8億1,428万1,269円、受託研究収益、寄付金収益、 物品受贈収益、受取利息等を合算いたしますと経常収入といたしまして、11億3,011万4, 473円の経常収入でございました。経常収入から経常費用を差し引いた当期の総利益とい たしまして1億2,259万4,424円となりました。  その他、添付資料といたしまして3頁以降キャッシュフローの計算書、それから利益 の処分に関する書類、行政サービスの実施コスト計算書、その他に注記と附属明細書と いたしまして固定資産の取得及び処分並びに減価償却費の明細、運営費交付金の債務、 役員及び職員の給与費の明細等を添付させていただいております。財務の関係につきま しての説明は以上でございます。 ○ 黒川委員長  どうもありがとうございました。何かコメントその他ございますでしょうか。1回目 ですから難しいところがあるかもしれませんが。 ○ 篠原委員  先程、退職2名分が12年で退職してしまったとおっしゃっていましたが、そうすると その分は運営費交付金に残っていると思うんですが、それが利益処分の方にうまく反映 してないのかなという気がするんです。というのは4−1の4頁に利益処分があるので すが、IIの中に1と2とあって、第44条第3項というのは、これはいわゆる努力して経 費節減だとかあるいは収入で入ったもの、そうするといまの退職しなかったことによる のは1に来るのではないかなという気がするのですが、この辺の区分けはどうなってい るんでしょうか。 ○ 片倉事務部長  1の方の積立金の区分けといたしまして、当研究所では一応受託研究の関係の収益、 それから交付金から生じた残余金の積み立ては2の方というふうに考えて計上させてい ただきました。 ○ 篠原委員  ここの1と2がちょっと通則法だとか会計基準とちょっと違うような気がしますの で、この辺を検討して分けていただきたい。本来1は余った金という感じがするんです ね。そして2は努力して得た金という、ということはこの1億1,500万円の内訳としてど こから何の費用から節減したという内訳か何かあるのでしょうか。というのはおそらく 総務省だとか財務省でも、これはたしか主務大臣の承認だけじゃなくて財務大臣の承認 もいると思うんですが、その時におそらく努力したんだという証拠というんでしょうか 、それがいると思うんですが、それはあるんですか。 ○ 片倉事務部長  わかりました。この1番目か2番目かの計上につきましては、ちょっと検討させてい ただきたいというふうに思います。 ○ 篠原委員  それと1頁の運営費交付金債務がゼロになっていますが、通常、特に法人を設立して 初年度ですので、業務のやり残しというようなものがあるんじゃないかなと思います。 さっきの1億何千万円との関係でもあるんですが、逆にいうと運営費交付金の計画をし ていた業務というのは全て終わったと考えていいんでしょうか。 ○ 片倉事務部長  基本的にはそういうふうに考えて、財務諸表上は作ったんですが。それまでは国の歳 出予算だけしか計上されておりませんので、引き継ぎはないというふうに考えておりま す。 ○ 篠原委員  一般的に言うとかなり残っているところが多いのではないかと思うんですが。 ○ 片倉事務部長  基本的には国の一般会計でございますので、単年度主義でございますので、翌年度以 降予算は残らないというふうに理解しておりますが。 ○ 篠原委員  国の予算と今度の法人の大きな差異は、業務のやり残した部分は翌年度、自分の裁量 で残せるはずなんですよ。だから従来の予算だと全部使わなければいけないとなって、 それを残すとなるといろいろと承認を得なくてはいけないですね。これからは、その部 分は基本的に業務をやり残したのであれば、残せるんですよね。さっき確認したのは全 部やったという前提であればいいんですが・・・。 ○ 片倉事務部長  基本的には国立の試験研究機関の当時の業務のやり残しはない、財務的にもその分の 不用額は残していないというふうに理解しておりますが。 ○ 篠原委員  そうしますとたしかここは運営費交付金の収益化は成果進行基準とか期間進行基準 じゃなくて、費用進行基準ですね。この三つの基準が導入された理由は、結局自主努力 で経費を削減してくれということ。全部使ったということは計画通りの予定で全部使っ たから、そこから収益は何も出てこなかったということになり、ここの評価としてはあ まり良くないということになる。ここの部分で費用は何も削減してませんよと宣言した ようなものですよね。いわゆる通常は費用を使ったら幾分予算より減らしてくださいと いう仕組みになっているものですから・・・。 ○ 横山監事  監事なんですが、やり残しがないということで運営費交付金債務を戻した、結果的に 損益計算書にもっていかなくてはならないわけですよね。やり残しがないわけですか ら。その分が収入として上がってきた。お金を使っているわけじゃないということです ね。そこのところは誤解がないようにお願いします。 ○ 篠原委員  ということはさっき言った利益処分との関係があるんですが、その1億1,500万円とい うのは費用進行基準だとどうしても努力したよという部分が出づらい、だからその部分 は逆に説明しているのか、両方から僕は質問しているので、そのリンクでちょっと考え ていただきたいんですが。 ○ 横山監事  先程事務部長からお話がありましたように、利益金の処分については検討するという ご回答をさせていただいたと思います。期末のいま運営費交付金債務はないということ なんですね。私も期中でいろいろチェックしまして、やり残しのものはありませんか、 負債に計上しておくものはありませんかということは何度もチェックしてきました。結 果的にやり残しの債務がないということであれば、損益計算書の方にもっていくしかあ りませんねと、こういうことでこの決算書は出来上がっています。 ○ 篠原委員  そうすると利益処分の余った部分は一項積み立てと二項積み立てのその中身の精査と いうんでしょうか、検討がいります。それと他の法人が、昨日ちょっと制度を作った方 に会ったんですが、運営費交付金はまさにゼロが前提ということも聞いているんです が・・・。 ○ 開原委員  大変素人的な質問なんですが、この貸借対照表の話なんですが、こういうところには 土地とか建物とかというのは出て来なくても、これはいいものなんですか。 ○ 片倉事務部長  うちは一切資産がございません。 ○ 田中理事長  独立行政法人の中で唯一土地・建物を持たない独立行政法人になっております。ぜひ ここでその面のご支援をいただきたいと思います。 ○ 片倉事務部長  資本金がゼロで国立感染症研究所のところに間借りしているといった説明がわかやり すいと思います。無償で貸与されております。 ○ 開原委員  そうするとその借料も出て来ないわけなんですね。 ○ 片倉事務部長  無償で、国有財産法上、独立行政法人ができた時に法律改正がされまして、独立行政 法人のみ国有財産を無償で貸与できるというふうになってございます。 ○ 開原委員  そうですか。わかりました。 ○ 堀田委員  二点ほど質問があります。第一点は資料4−2の収支決算報告書によりますと、この 受託収入が当初3,000万円弱ぐらいの予算で、それは決算額で2億8,000万円余、結局2 億5,000万円ほど元の予算額より多く受託収入があって、実際にそれは支出の面を見ます と受託研究のところでほとんどお使いになっている。それはどういう意味かということ なんですが、事業計画をたてます時に、当然それに伴うお金がどれぐらいあるのか考え てお作りになっていると思います。受託研究の部分は大体3,000万円ぐらいでこの事業計 画の分が賄えるのではなかろうかという、まあ3,000万円の予算額というのは常識的には そういことだと思うのですが、それがさらに2億5,000万円プラスになっているわけで、 そうするとその事業計画の分よりもすごくたくさんの研究をされて、すごい成果をあげ られたことになるのか、あるいは事業計画通りやられたけれども、実際に受託の分にす ごくお金がかかったということになるのか、そのあたりの受託研究の予算額と決算額の 差が実際の事業研究の中でどういう形で表れているのか、その点が知りたい。これが質 問の第一点です。  それから第二点は、今日お答えいただかなくてもいいと思うんですが、多分自己評価 を各項目についてなさっているんじゃないかと思うのですが、できればそれをお教え願 いたい。教えることがまずければ、非常に自己評価の高い点と自己評価の低い点がどの 点であるのか、それを教えて欲しい。これが第二問です。 ○ 吉池研究企画・評価主幹  まず第一点目ですが、これは受託研究の中でも厚生労働省の研究補助金を受けての部 分がかなり多くございます。資料3の4頁をお開きいただければと思いますが、そこで 厚生科学研究費補助金の15件の受託ということになってございますが、特に厚生労働省 の研究費の新規の切り換えがあった年でございまして、事業計画をたてる時はこの辺の 研究費の採択がどのぐらいかということが十分予測できない時点で、前年度からの継続 分だけを、要するにミニマムのシナリオとして3,000万円分ぐらいは継続的に研究費補助 金が受けられるだろうということで、新規に出した分はその事業計画当時には全く積み 上げておりません。ですからその増の分につきましては、研究員が努力をして競争的な 研究費を獲得した部分というふうにお考えいただけたらと思います。  また、それに対する成果物ですが、特に厚生労働省の研究費補助金というのは、いわ ば行政的なニーズに対して、それに応えるということで、一部は中期計画の中での事業 と若干重なる部分がありますが、それをさらに充実強化、あるいは範囲を広げるという ことで、主に行政的に必要なデータ、あるいは研究成果をアウトプットとして出してい るというようなことになるかと思います。 ○ 堀田委員  ちょっとよくわからないのですが、一番最初の事業計画をおたてになる時は、受託費 については3,000万円程度で大体やれるという、そういう計算で目的をおたてになってい るわけですか。 ○ 田中理事長  必ずしもそうでないですね。競争的資金を獲得するのは、その前の年に、たとえば3, 000万円の予算がいるからと申請しても通らない時があるじゃないですか。そういうこと の差が出てきておるということです。 ○ 堀田委員  そこはわかるんですが、最初の事業計画をたてる時にこれだけやりますという事業の 目標をたてるわけですね。それだけやるのにお金が大体どれぐらいかかるのか、受託分 は3,000万円程度、これは貰えばそれだけの事業ができるんだということで最初の事業計 画をおたてになったのか、それとも3,000万円では、ちょっとこれだけの事業計画はやれ ないけれども、途中頑張って相当お金をとってくれば、この事業計画は達成できるとい う、そういう計算で事業計画をおたてになったのか、そこのところを聞いているわけで す。 ○ 田中理事長  そういう立て方はできないでしょうね。研究の体制として、ものによっては1億のお 金がかかる研究があっても、それは文部省の場合なんかは補助金という形にして、研究 費全部を賄うのではない。そのうちの一部を助けてやろうという発想もありますから、 こちらがいくら欲しいといっても、それは貰えない。それが研究費補助金の特色です。 ○ 堀田委員  費用対効果についての判断も求められておるものですから、お尋ねしておるわけです が。 ○ 田中理事長  でもそういうことがやっぱりできないのがこの日本の研究費のシステムであるわけで す。 ○ 遠藤厚生科学課長  研究費の種類によっては3年継続というふうな形でやっているというか、むしろそち らの方が多いのですが、その場合ですと翌年度分として予め当初計画に入れることが可 能ですが、初年度はいくら貰えるかが全然わからないという状況ですので、事業計画に 入れることはちょっと難しいと思いますが。 ○ 堀田委員  この増えた分は最初の事業計画の中に入ってないんですか。 ○ 片倉事務部長  入ってないです。 ○ 堀田委員  そうすると増えた分の成果はこの事業報告の中には出てないんですか。2億5,000万円 分の仕事をなさった経過は?。 ○ 遠藤厚生科学課長  計画時にはのせることができないという性格です。 ○ 堀田委員  しつこくて申し訳ないんですが、たとえば3,000万円なら3,000万円でこれだけの仕事 をやろうとお立てになって、そのあと2億5,000万円もくれば、それは素人の考えでいけ ば当初の目的の何倍もの仕事ができて、すごい成果になりそうな感じがするんですが、 そこのところはよくわからないところで、それでそれを費用と切り離して、そんな評価 はできないんだと、そういうふうに言ってしまえばもうこの評価というのはあり得ない ことになってしまうわけですね。特に費用対効果のですね。ですからそれはこの評価の 仕方の視点になるので、もう少し何か工夫がいるのではないかという気がしますが。 ○ 田中理事長  前年度からの維持研究課題であって、平成13年度に確実に入ってくる研究費が3,000万 円であります。2億5,000万円は申請中のもので、平成13年度に入ってくるかどうか分か らない競争的研究費ですので、期首には収入として予算に入れなかったのです。 ○ 唐澤政策評価官  研究の方が堀田先生のお話のように、たとえばある建物を建てるような構想であれ ば、当初予算で3,000万円の構想である建物をつくる。そこにたとえば2億5,000万円の 費用が余計に来れば、相当立派なものが建ち上がったはずだろうという御質問だと思う んですね。もしくは当初から1億円くらいのものが必要であれば、それに見合った計画 をたてて、足りない3,000万円 に7,000万円の費用をどこからか調達をして建てるように 努力、そういう見通しを立てるべきじゃなかったかという御質問だと思うんです。おそ らく栄養研の方は競争的資金がとれなかったというのは、結局研究というのは、同じ目 的のフィールドなんですが、建物は違う建物を建てていることがあるんですよ。その研 究資金をとったテーマのそれぞれはですね、大きな目標は同じなんですが、そのとれた 分の研究というのは、ある意味では広がりをもって研究ができたということかもしれな いと思います。そこのところは具体的な受託研究のテーマをちょっと並べてもらって説 明してもらった方がいいと思います。 ○ 堀田委員  これでこの件に関する発言は最後にしますが、私が聞いておりますのは、収支決算報 告書の受託収入のところで、予算額が2,940万円、決算額が2億8,416万4,000円某、ここ の2億5,000万円余りが途中で入っているわけですね。そこでこの受託収入の2,940万円 が関わるのは事業計画の中のどの部分か、そしてどの部分についてこの2億5,000万円が どのように使われて、その成果がどうなったのか、そこを具体的に次回で結構ですので 、お教え願えればと思います。 ○ 唐澤政策評価官  結局普通に考えれば、3,000万円のところに2億9,000万円収入を得たということは当 然評価されて然るべき状態で、そしてそれにあった成果が得られているということです から、まあ堀田先生は決して非難しておっしゃっていることはないという趣旨はわかっ ておりますので、具体的に研究費がどういうふうな研究に使われているのかということ を次回に御説明いただければいいと思います。 ○ 吉池研究企画・評価主幹  堀田委員の二番目の質問についてお答えしたいと思います。内部の評価につきまして は参考資料として束ねさせていただいた(3)のところにございます。内部的にいわば研究 の成果の発表会をいたしまして、内部でかなり細かい議論をした上でのプロジェクトご との評価がございます。  また、外部評価委員会の先生方にもかなり細かく専門的な御議論をいただきまして、 各プロジェクト毎の評価というのを、今とりまとめてございますので、次回の時までに は資料としてお出しできる、その辺を参考としていただきながらご評価いただけたらと いうふうに思っております。 ○ 篠原委員  いま堀田先生のお話について財務諸表の方から見た質問なんですが、4−1の2頁で すが、ここに受託研究費用と先程言っていたのがあるのですが、公認会計士協会から出 ている独立行政法人の実務的なQ&Aの中にこういう受託研究の収益がある場合は区分 掲記してください、区分掲記というのはいわゆる運営費交付金以外の収入と費用を書く ということ。だから先程言ったように細かくはわからなくても、受託収入はいくらで、 それに対する費用を書いていただきたい。受託研究3億円ぐらいだと運営費交付金が8 億円ですから、やっぱり僕は重要性があるんじゃないかなということで、まあ今回は無 理にしても、それぞれの収入に対して費用がどの程度かかったということを明確にして おいてもらいたいのと、それと当然通常の研究と受託研究と同時にやっているから、費 用を配分しなければならないのが出てくるはずですね。その辺をどういうふうに配分し ているのかというのも内訳でわかっておかないといけません。非常に細かい話になるん ですが、受託研究3億800万円を節約して670万円ぐらい浮くよというと、まさに利益処 分の方でこれは堂々と通則法44条の3項積み立てで、これは自己努力分ということにな ります。一つ一つそういうふうにコストと収入の見合いをしていかないと明確な、自分 の努力で取ったという部分が見えなくなるので、書き方を変えるかどうかということは 別として、いまのような内訳のデータは作っておかないといけないのではないでしょう か。おそらくこの部分は財務省あたりが、自己努力の部分は資料を出せという話になる と思うので・・・。 ○ 横山監事  法人内では帳簿はついています。ディスクロージャーの部分については、そこまで複 雑にすることはないんじゃないか。規模的に、8億円という交付金の規模と資本金の金 額ゼロとか、それから人員、経理のマンパワーの問題、これらを総合的に判断しまして コストを最低限でやってますので、どこまで精度を高めるか、やっぱりコスト/ベネフ ィットだと思うんですね。規模的にはそこまで詳細にやるレベルまでいってないと私は 感じています。  いずれにしても国民の税金を使っているわけですから、法人としてディスクロー ジャーをするためにコストをかけていくのか、人を入れるのかというバランスも考えな くてはいけないと思っています。そういう意味で最低限いまおっしゃっていたことは規 模的にもまずそんなに細かくしなくても管理できる規模だと思います。おっしゃる趣旨 は内部的にはもうすでに帳簿ではできているというふうに考えていますので、説明は十 分できると思います。以後、要請があれば資料をお出しする形になるかと思います。 ○ 黒川委員長  ですから1年目だというのが一つと、それからいままでは日本の場合は、主として研 究費の予算を貰って研究していただけですが、今度からは積極的に競争的資金の方にも 目が向くようになります。いままでは国研の研究者でそういうコンペティティブな資金 をとろうかなんて話をしていた人はあまりいなかったのかもしれないけど、こういうふ うになってくるととっておかなければダメだよということになる。そうすると、とれる 人ととれない人がいて、思いがけない取り高もとれるかもしれない。 ○ 唐澤政策評価官  いずれにいたしましても、いま御質問された資料を整理をして、次回の時に一緒にご 審議いただけるようにしたいと考えております。 ○ 黒川委員長  外からの競争的な研究費がたくさんとれたからといって、評価すればいいんだけど、 財務諸表上で何かこれは儲かったんじゃないかと言われると、努力したら削られる部分 が出て困るわけでしょう?まあ少々問題はあるかと思いますので、一応細かいことはま たメモでもしておいていただいて、次回また伺うことにして、その次に産業安全研究所 からの報告を聞かせていただいたらどうだろうかと思います。 ○ 鈴木研究企画調整部長  産業安全研究所でございます。お手元の資料の確認をいま一度させていただきたいと 思います。資料5ということで、事業報告書がございます。これは3部構成になってお りまして、ちょうど真ん中に色で仕切り紙をしてございます。添付資料の1、添付資料 2というのがこの事業報告書の後ろの方にくっついてございます。添付資料1というの は私どもの研究業務の中身をまとめたものでございます。それから添付資料2の方は具 体的な実施の状況を表形式でお示しをしたものでございます。  それからお手元の方には財務諸表関係で資料6−1ということで財務諸表、6−2で 決算報告、6−3で監事の意見、それから6−4は監査報告書、それから6−5は平成 13年度の剰余金の内訳ということで財務関係の資料をお出ししております。  それからもう一つお手元に今日お配りをさせていただいたのですが、事業の中身を報 告させていただく時になかなかわかりにくかろうということでOHPを準備しておりま して、そのOHPの写しをお手元にお配りをしております。最初にその事業報告なので すが、見開きの一番右側の欄に13年度の業務の実績ということでいろいろ書かせていた だいております。その中からエキスの部分を引っ張り出してきてOHPの形にとりまと めたものでございますので、そういう意味でOHPを使いながら説明をさせていただき たいと思います。  それから一番右側の欄の各項目で関係する資料ということで、先程言いました添付資 料の1、あるいは添付資料の2というところで参照していただく表、あるいは項目を併 記してございます。それから最後に皆様のお手元に封筒で参考資料ということで(1)〜 (12)まで、私どもの刊行物その他を参考資料ということでお出しをしております。それ ではOHPを使って説明をさせていただきます。  まず基本的な前提の再確認ということですが一応念のため、私どもは目的としては労 働者の安全の確保に資する、業務としては調査及び研究を行うということでございま す。そういうことで私どもの業務でございますが、5つほど示してございますが、ニー ズを把握して調査研究業務を実施してその成果の普及活用、これが労働災害の防止に寄 与するという大きな流れのもとで仕事をさせていただいております。右下の方の二つの 流れはこういったメインの流れを補完する意味での業務であるというふうに考えており ます。  それから、そういった意味で私どもが社会とどう関連しているか、行政とどう関連し ているかということで、当然のことながら厚生労働省、あとは各事業所、大学、協会、 災害防止団体、こういった所と調査研究ということでつながりをもってます。それから 業務の実際の内容、中身、形態はそこに並べて書きましたが、プロジェクト研究、基盤 研究、災害原因調査、いろいろな委員会に我々の成果を提供する、こういった形で仕事 をさせていただいているという前提でございます。  次に13年度の活動状況ということで説明をさせていただきます。まず一番最初に業務 の運営の効率化ということで、13年度の計画事項、そこでまず組織の編成替えというこ と、それから所内での業務を円滑に実施するための所内会議だとか関係規程類を整備し た。それから内部研究評価会議の実施、業務の一括管理をめざしたということ、さらに 競争的資金については積極的に応募をしました。あとは省資源、省エネルギー、刊行物 の有償頒布、それから受託研究、施設の有償貸与というふうなことで努力をいたしまし たという業務運営の効率化に関しての全体の一枚図でございます。  その中でまず組織を編成替えしたということですが、私ども独法化以前は2課4研究 部という組織でございました。いろいろなニーズに積極的に的確に迅速に柔軟に対応し ていこうということもありまして、独法化より1課2部という形に編成替えをいたしま した。総務課、企画調整部、研究部ということで、研究部の中は五つの研究グループで 仕事をしていこう、お互いに協調しながらある課題に取り組もう、グループ間で協調し てある課題に取り組もうということもこの形で実施をしております。  それから業務運営体制ということですが、当然のことながら最高の機関として理事 会、その下に所内で運営会議、これは所の基本的な事柄について審議をしています。そ れから具体的な業務に関しては管理会議というものも設けております。運営会議は理事 長、理事、各研究部長、課長、係長が参会しております。管理会議の方は理事、各部課 長、それから業務に関連する担当者というものが参画をしていろいろ審議したり報告を したりということで物事を進めています。  それから所内の業務の円滑な運営ということで、たとえばあとからお話をいたします が、災害調査、あるいは共同研究、施設を貸与する場合、受託研究を検討する場合、あ とは共通的な業務として図書の管理、あるいは電算機の運用をどうするか、特許をどう いうふうに考えていくかということについて、所内の委員会を設けまして、それぞれの 業務ごとに必要な審議をしたり執行をしたり管理をしたりということでやっておりま す。  それから内部進行管理の関係で内部研究評価会議、これは私ども年2回やっておりま す。各課題ごとに事前、事後、中間の評価を実施する。その評価結果に基づいて研究資 源、予算でありますとか人員でありますとか、必要な場合にはそれの配分を考えなおす というようなことでやっております。  ちょっと内部研究評価会議に絡みまして、ここで御説明することではないのかもしれ ませんが、これは私どもの全研究課題につきまして、課題のコード、研究領域、タイト ル、研究の種類、プロジェクト研究か基盤的研究か、それから担当の研究員、研究費と いったものを、これは表紙ですが、各課題について数頁こういう研究計画をたてまして 内部研究評価会議の場でその内容についてチェックをするというようなことを執行して おります。  少し話がとびますが、人のことですが、13年度は中期計画に基づいたプロジェクト研 究なり基盤研究なりを実施するための研究スタッフを充実をさせるという必要から、一 般公募で3名採用いたしております。一般公募は研究所なり本省のホームページ、ある いは関係する大学、学会といったところで公募をいたしております。  これもちょっと全般的な話なんですが、国民に対して提供するサービスその他の業務 の質の向上ということで、社会ニーズに基づいて調査研究活動をして、その結果を広報 し、また発表する。その大本になっているものは交付金であり、あるいは競争的研究資 金であるというようなことでやっております。これらの中身について内部研究評価をい ただいたり、外部研究評価をいただいています。  それから発表、公開ということでは、学会発表、研究所の報告、災害調査、特許、委 員会での活動というような形になりますし、広報といたしましては私どものホームペー ジ、あるいはテレビの取材なんかに対応する。見学あるいは一般公開ということで行っ ているという構図になります。  プロジェクト研究に関して、私どもの研究所は5カ年の中期目標の期間の間に四つの 重点研究領域の分野で10個のプロジェクト研究を実施するということが目標に明記をさ れております。その中で13年度においては3つの重点研究領域の分野で4つのプロジェ クト研究を実施するということになっておりました。この4つの課題のうち、スライド でいうと一番上と三番目、これは国研の時代から引き続き実施をしておりました。国研 の時代は特別研究と称しておりましたが、それの最終年度にそれぞれあたります。それ から二番目の課題と四番目の課題は13年度に新規にスタートした課題です。この4つの 課題を13年度は実施をしております。  その中で一つ生産・施工システムの総合的安全制御技術の開発に関する研究というプ ロジェクトがございます。これは中身的には13年度に実施したサブテーマとしては左上 の方に4つほど示してございますが、こういった成果がどういう形で出てきたかという と、たとえばこれは一番左下の写真ですが、これはプレスに指を挟まれるというのはま だたくさん発生しているのですが、そうすると人間の手なり指なり、それからプレスさ れるものと、こういったものを識別するという技術を私どもで開発をいたしました。そ の一例でございます。  それからロボットでありますとか物流装置、こういったものについて、いまどういう 安全対策をしているかというと、ロボットが動いている時には人が入らない、人が入っ た時にはロボットが止まるというようなことで生産現場の安全を確保しているわけで す。そういった時にどういった安全制御機構を考えていったらいいだろうかということ で開発と提案をしております。真ん中の写真は私どもで開発したいろんな制御装置、安 全装置をそれぞれデモ的に作ってあるものです。こんな形でこのプロジェクト研究に関 してはいろんな特許その他出願をしております。  それから二つ目のプロジェクト研究は13年度から開始したもので、建設労働災害の発 生原因としてのヒューマンエラーの防止に関する研究ということをスタートさせまし た。ヒューマンエラーというのはなかなか難しい問題なのですが、たとえば作業者同士 のコミュニケーションの不具合によって呼吸が合わないと起こってしまうというような 墜落災害がまだ非常に多くて、こういったことにどういうふうに対応していったらいい かということです。  それからこれはショベルカーのオペレーターですが、アイカメラで運転中にどこを見 て実際に運転しているのかということで、実験結果の円グラフがございますが、たとえ ば作業している先だけを注視してしまう、回りに目がいかなくなってしまうということ による災害が非常に多い。そういった時にどういうふうにその辺を対処していけば、あ る意味ではつまらない労働災害を減らしていくことができるのかということです。これ はスタートしたばかりですが、将来的には教育訓練、あるいはこういったシミュレー ターといったものを教育訓練に使える可能性といったものについての検討をいま行って おります。  それから三つ目に、建設機械の保守管理システムの高度化のための損傷評価技術の開 発、これは写真にありますようにいろんな建設現場ではクレーンなんかが使われている のですが、大体こういうものはリースで使われることが多い。リースで使われています のでいろんな使われ方があります。もちろんクレーンというのは定期的に検査をして安 全を確保していくことになっているのですが、ある場合ですとその使われ方次第によっ ては次の検査までに非常に危険なままで放っておかれるという状況があります。そうい う状況はではどういうふうに考えていったらいいかということについては、適切な保守 検査とか点検手段、こういうものを正確にどういうふうに考えていったらいいかという 問題を解決しなければいけないということで、このプロジェクト研究を13年度から開始 しております。  それから四つ目ですが、楕円で書いてあるような化学工場などでの問題点をそれぞ れ、たとえば装置の劣化の問題、それからこういう反応釜で化学反応が暴走してしまう という問題、それから粉が爆発をするという非常に危険な事象があります。実際に平成 12年度、13年度こういった類の災害が起こっておりまして、私どものプロジェクトの成 果というものがそういうものの防止に役立つというふうに考えております。  それから基盤的研究ですが、私どもでは中期計画の中で13個の研究領域で基盤的研究 を実施しなさいということになっております。私どもは少人数の研究員しかおりません ので、プロジェクト研究の実施の関係で13年度は12番目の領域についての基盤研究は実 施をする計画にはなっておりませんで、残りの12の研究領域でそれぞれ基盤的研究を実 施しております。  時間の関係もありますので、それぞれの研究領域での課題についての詳しい話は割愛 をさせていただきますが、一つだけスライドでは24番を紹介させていただきます。基盤 的研究の領域で10番というのがありまして、そこでは静電気障害・災害の防止というこ とで設定をされております。13年度はこの中で五つほど研究課題を設けて実施をしてお ります。たとえば、この真ん中はあるサイロ内でのポリプロピレンペレットということ が書いてありますが、物を扱った時に静電気が発生いたします。これは除電をしない場 合にこういった静電気が発生して、これが雰囲気によっては爆発災害を引き起こす火種 になるということで、私どもの研究成果でこういった静電気を除電するといったものを 検討いたしましたという例です。  私どもの調査研究業務ということでは三つ目になるのですが、労働災害の原因に関す る調査研究ということがあります。私どもは所内の委員会として災害調査関係の委員 会、関係規程類も整備をした。それに基づいて13年度には12年度から引き続きのものも ございますが、トータルして14件の災害調査に携わっております。これはそれぞれ災害 の裏側に大きな問題を抱えているものというふうに認識をしております。  これから先の類似したような災害を防止するためにいろいろ私どものノウハウなり技 術を使ってこういった原因調査を行っている。こういった調査結果は私どもの安全ガイ ドといったような刊行物とし、たとえば労働安全衛生規則の改正、あるいは労働安全衛 生法に基づく技術上の指針、それから行政通達といったものに反映をされております。  たとえば一例ということで、多分皆様方もご記憶に新しいかと思いますが、約5カ月 程前に大阪でこういったクレーンが倒れました。私どもの研究所も翌日研究員が真っ先 に飛んで行って、地元の労働局なり監督署なりの人たちと連携をとりながら災害原因調 査に協力をさせていただいております。こういった災害の調査結果はなかなか表に出せ ないものですが、このような形での調査報告書ということで依頼元であります本省であ りますとか、労働局でありますとか監督署であるというところに報告をさせていただい ております。  それから業務の四番目、五番目ですが、国内外の基準制改定への科学技術的貢献とい うことで、先程の災害調査の結果、それからプロジェクト研究の結果で、これは例です が、私どもはヒドロキシルアミンの危険性に関する安全ガイドというものを新たに13年 度に発刊をいたしました。これをもとにいろいろ行政通達、あるいは規則改正その他に 役立ったというふうに自負をしております。  それから国内外の科学技術情報の、あるいは資料の調査ということで、これも昨年フ ランスの方で非常に大きな化学工場の爆発事故がございました。  これに関するいろんな情報を私どもは集めて本省の方へ提供をさせていただきまし た。こういった状況をまとめていきますと、まず学会発表ということでありますと、こ こにあげたような数の論文なり学会口頭発表なりをさせていただいております。  それからここで余分なことなのかもしれませんが、いままでお話し申し上げたように 私どもは非常に小さい研究所ではございますが、エンジニアリングということでは共通 しておりますが、その専門とするところが非常に多岐にわたっております。機械、化 学、電気、建設など工学全般に関係しているというようなことでございます。したがっ て学会発表の場でも、国内の場合ですと機械学会、安全工学会、土木学会、火災学会、 砂防、地盤、電気、人間工学、静電気と非常に多岐にわたっているということで、この 辺は私どもの研究所の特徴でございますが、こういうある意味ではハンディキャップも 背負っておるということをご理解いただきたいと思います。特定の部分だけですと、そ の分野の学会で研究所こぞって貢献できるのですが、どうしても多岐にわたりますの で、それぞれの研究員が一匹狼的にならざるを得ないという面も多少あるということで ございます。  それから広報活動ということでまとめさせていただきますが、ホームページの成果な どは細かくお手元の報告書の方に書かさせていただいております。あとはテレビ取材、 いろんな雑誌、新聞、依頼講演というようなことで対応をさせていただいております。  テレビの取材に関して一例だけ申しますと、これはNHKのクローズアップ現代です が、原子力発電所で配管が破裂したという事故がございまして、この真ん中の写真は実 際に破裂した配管の様子なのですが、原因がよくわからない。私どもはこういった問題 のノウハウを蓄積しておりまして、では再現実験をしてみましょうかということで再現 実験したら同じような形で破断の再現から原因を推定することができたという一例でご ざいます。こういったことで世の中にも私どものノウハウなり蓄積している技術を広報 しておるというふうに思っております。  それから講演会、一般公開ですが、13年度は東京、大阪、北九州の3会場で各一回ず つ、私どもの技術の一端を平易に解説をしてご理解をいただいた、対象となる方は企業 の安全管理者その他の方々です。それから研究所の一般公開に関しては、科学技術週間 に基づいて4月に行っております。  あとは特許関係ですが、先程もお話をいたしましたが、生産・施工関係のプロジェク トを中心に13年度は9件の出願をさせていただきました。13年度とは直接関係のない特 許でございますが、1件登録を認められたというものがあります。それからこれも13年 度の特許ではございませんが、実施契約を2件交わしました。というようなことでなか なか特許も私ども本来何か技術開発するという研究所ではないので不利な点もあるので すが、これからも努力はしていきたいというふうに思っております。  それから若手研究者の受入れということですが、ここにあげましたように科学技術特 別研究員、STAフェロー、それぞれ1名、2名、それから共同研究を実施したのです が、これは外部的な競争的資金に基づきまして外国人の研究者を招聘したということで 実施をしました。あとは大学院生をはじめ、JICA研修生を含めて20名ちょっとの研 究員を受け入れております。  それから研究協力ということで、国内の研究協力で9課題の共同研究、それから先程 の外国人との共同研究で1課題、合わせて10課題を行いました。それから国際研究協力 協定ということで英国のHSL、ヘルス&セイフティラボラトリー、それから韓国の安 全保健研究院、釜慶大学、フランスINRSというような所と研究協力協定を結んでお ります。これで事業報告は終わらせていただきます。  それでは財務諸表に関しては、お手元の資料の6−1ということで、一番最初に貸借 対照表というものがございます。簡単に申し上げますと、資産の部の方では流動資産と して1億9,000万円、それから有形固定資産として75億円、資産合計として77億円、それ から負債の方では流動負債が2億円、固定負債が7億6,000万円ということでございま す。資本の部では資本金が71億円、資本の剰余金がマイナス2億2,600万円、利益剰余金 が900万円ということでございます。  2枚目にいきまして損益計算書なんですが、経常費用は研究業務費と一般管理費、そ れから財務費用ということで区分整理をしておりまして、トータルいたしますと13億7, 500 万円、経常利益の方は運営費交付金などを合計いたしますと13億8,000万円、13年度の利 益ということで942万円という形になります。  それから4枚目に利益の処分に関する書類というものがありますが、これの額になる わけですが、この942万円のうち積立金としては85万円、それから目的積立金としては 857万円ということを考えて、これはあとに資料の6−5の方でお願いをしている形に なっております。  ここのところで説明させていただきますが、この857万円の内訳ですが、施設貸与によ るものが約370万円、それから受託研究によるものが約280万円、講師等謝金によるもの が180万円、知的所有権の収益が28万円、そんな構成になっております。あとは財務諸表 の後ろの方は注記でありますとか附属の明細書がついております。それから一般会計と 特別会計の別々の表もそれにつけております。以上で終わらせていただきます。 ○ 黒川委員長  事業その他は時間がないので次回ゆっくりお話を聞かせていただいて、その書き方の 問題は、ものによって違うのかな、かっこつき一般勘定とかいろいろあって少しずつ変 わっているのですが、その辺について何かコメントはありますか。 ○ 篠原委員  この3つの法人の財務諸表を見ても結構違うのですが、僕らからすると比較可能性で きちっとして貰いたいという部分があるんですが、どうもみんなバラバラなので、まあ 初年度は仕方ないのかな、やっぱりだんだん試験研究機関だったら同じような区分にし ないと分析できないというか、僕もこれをいろいろと分析しようとしたらいまできない のです。 ○ 唐澤政策評価官  むしろ篠原先生に次回にお話をしていただけるといいと思っているんですが、お話を 伺っておりますと独立行政法人の会計基準も官庁会計から企業会計に接合するところが なかなかうまくくっつかない。それから名前は言えませんが、いくつかの研究所では会 計ソフトを発注したのに動かなくなったというところがいくつも出て、実は会計基準そ のものにも未分化というか、未整理の部分がかなり残っておりまして、初年度はそうい う宿題もあろうと思いますので、次回少しそういう話を篠原先生からしていただければ と思います。 ○ 篠原委員  ちょっと質問をさせていただきたいのですが、現預金が1億9,000万円あるということ で、いまペイオフの問題で、どういう対策をとっているかということと、それからこれ を言うと笑われると思うのですが、どうしても大した利息を貰えないなということがあ るかもしれませんが、やっぱり何億かあると運用のことを少しでも考えて、その辺を下 手すると損して元本がなくなるという気もしないでもないのですが、その辺は何らかの ことを考えていますか。 ○ 清野総務課長  その辺ですが、たしかに御指摘のような心配もございまして、いろいろと内部的に保 全等も含めまして検討はさせていただいているということでございまして、ただ、現在 は実は普通預金に預けてございます。従前ですと定期預金とか、運用とかを考えまし て、そういうことが多かったわけですが、ペイオフという現下の状況がありますと、い まの段階では普通預金の方が保全という意味ではよろしいかなというのが現在のスタン スでございます。 ○ 唐澤政策評価官  かなり時間が押してきましたので、産業医学総合研究所の説明をしていただいて、そ れから次回に向けて資料をこういうものを出してもらいたい、質疑の方はまた次回突っ 込んでやっていただきますが、資料が必要なところは今回言っていただいて準備できる ようにさせていただきたいと思います。 ○ 黒川委員長  ありがとうございます。では時間もありませんが、最後の産業医学総合研究所の話は また次回もゆっくり聞きますので、今回はオーバービューということでお願いいたしま す。 ○ 斉藤企画調整部長  それでは急いで説明させていただきます。お手元の資料ですが、資料7というのが事 業報告書の本体でございます。それに本日は添付資料というのを1〜18までつけてあり ます。さらにパンフレットと年報ということでつけさせていただいております。このパ ンフレットと年報というのは平成13年度に出版したということで、ある意味では事業実 績という意味もありましてつけさせていただきました。  まず研究所にいらしていただいた評価委員の先生方もおられるのですが、全体的にど んところかというのがパンフレットの3、4頁を御覧いただくとわかると思います。3 頁では研究課題と活動ということで、大きく9つの括りでお示ししているということ で、医学的観点、あるいは心理社会学的観点、あるいは工学的観点で実施しておりま す。産業医学総合の総合というのはそういった複合的な観点から産業医学を考えようと いう趣旨でございます。  右側の頁に研究所組織ということで理事長・理事をはじめ、いろんな役員の方、職員 としては13年度は76名ということで、こういった庶務課、企画調整部、さらに5つの研 究部ということで実施しております。研究部についてはそれ以降のページで具体的な研 究内容を紹介しております。ぜひ御覧いただければと思います。  それではお手元の資料7ですが、開いていただきますと表紙なのですが、2頁以降、 この右側の頁が13年度の業務の実績ということで個々に書いております。今日のはじめ のお話によりますと次回以降それぞれの項目については私どもの方で紹介して、あるい は評価いただくということになっておりますので、今日は限られた時間でもありますの で、この欄を使っての説明はポイントだけにさせていだたきます。  添付資料をお開きいただければと思うのですが、添付資料の一番上にまず私どもが ホームページを経由してどういうことを公表しているか、これは法律で定められており ますので、事実その通りホームページではこういったことを公表しているということで ございます。  開いていただきますと産業医学総合研究所という、これはホームページのトップに来 る頁です。そこで頁に1−2と書いてあります。添付しました資料が資料No.1、下にそ の資料の中での頁数を打ってあります。1枚目、産医研のホームページはこういうこと をお知らせしているところです。この中のいくつかの事項は13年度の業務実績と非常に 関わりあるものでございます。  次に資料の2ですが、これは産医研の組織規則と、それと2−4というのは組織図で す。これまでお話された2つの独法は組織の見直しをしてからスタートをしたというお 話をされましたが、私どもではほぼ独法以前と同じ構成でありまして、むしろ独法中期 目標期間内に組織を大幅に見直そうということで作業を進めているところであります。  次に資料の3ですが、これは平成13年度に実施している私どもがプロジェクト研究と 呼んでおります比較的規模が大きな研究課題を限られた期間、さらに複数の研究者を投 入して実施しているということです。  その次が、これは独法によって外部資金を導入しようということで、まず競争的資金 に応募する、それから委託研究を受けようということで資料の4−1頁です。中期目標 と中期計画に掲げられていることにしたがって私どもの業務方法書を定め、さらに受託 研究規程というのを新しく定めたということです。外部資金を導入した実績が4−2頁 です。平成13年度の実績としてこういった研究課題で外部資金を導入しております。結 果としては13年度は私どもの研究費のうち、およそ23%がこの外部資金を導入しており まして、約4分の1です。  その次の添付資料の5ですが、これは過去3年プラス13年度から新しくスタートした 労働衛生重点研究推進協議会という我が国で21世紀に実施すべき労働衛生上の研究課題 を集約した活動がございます。それを受けて13年度から労働衛生重点研究推進協議会と いうのを私どもの研究所が実施しているもので、これは第1年度の概要を報告したもの です。5−2、5−3ということで、過去3年間かけて多くの方々のご協力をいただい てまとめた労働衛生上で3重点領域、表で示してありますが、重点領域のI、II、III、 さらにそれぞれの具体的な研究課題として合計18課題を策定して公表し、かつ英文化し て諸外国にお送りしております。  それから講演会を実施するということも13年度の計画に掲げておりますけれども、5 −12頁をご覧いただきますと、昨年の11月14日に実施いたしました「21世紀の労働衛生 研究戦略の実施と展望」と題するシンポジウムのプログラムをつけさせていただいてお ります。その右の頁は英文の資料です。  資料6が、これは私どもの研究所で、労働衛生研究戦略課題18課題というのを英文化 して諸外国へお送りする目次です。資料7というのは13年度に実施した重点領域特別研 究と基盤的研究を具体的に内容を紹介させていただいたものです。  次に資料8ですが、私どもは評価の仕組みを内部研究評価委員会と外部研究評価委員 会で二つもっておりますが、その中で具体的な課題を評価いただいたことをこういった 形でまとめて、実は昨日なんですが、研究所のホームページで外部に公表いたしまし た。評価報告書はおそらく次年度の実績として提出することになるのだと思います。  資料の9ですが、これも独法化いたしまして個別法で災害調査を実施するということ が書かれております。それに伴いまして昨年度災害調査実施要項というのを定めて実際 に実施しております。つい最近ですが、硫化水素の事故が愛知県の半田市と福岡県久留 米市で引き続いて起こった、そういったことに対応しております。  資料の10は外部機関への貢献ということでまとめたものであって、職員をこういった 行政等の委員会、さらに国際機関等へ派遣している、それから10−3ではこういった講 習会・研修会へこういう形で参加させている、10−4以降は学会活動ということです。  添付資料の11は、これも13年度計画に掲げていることですが、衛生管理特別指導事業 場というものに対して調査を実施して、その報告書を作成したということです。11−2 というのは目次です。  添付資料の12というのは、これは現在ホームページで公表している昨年度のバージョ ンで、現在では13年度についても取りまとめを公表しております。  次に添付資料の13は、これも研究業績ということで、ズラズラと並べてあるのです が、13年度に公表したものです。これが私どもの区別で原著論文、それから原著論文に 準ずるもの、総説論文、著書、報告書云々と、そういう形で分けてあります。後ろの方 が学会発表ということです。  次に添付資料の14ですが、これは私どもの研究所が国際誌を年四回発行している、13 年度の実績として四冊を発行したというものの目次をつけております。そのあとにこれ は年二回産医研ニュースというのを約2,000部刷って発行しておりますが、それをつけて あります。  資料の15は研究所の一般公開で、ホームページでこういう形で案内を申し上げて多く の方々に参加していただいているということでございます。資料の16は特許で現在そう いう形でフロントページで広報している、昨年度の実績としては2件を特許流通データ ベースに載せました。  次に添付資料17というのは、13年度に私ども三つの国、米国、スウェーデン、韓国の 国立研究機関と研究協力協定を締結いたしました。そのサイン入りの文書です。最後に なりますが、添付資料の18ですが、共同研究をこういう形で実施しているということ で、プロジェクト研究課題の約20%が外部の方に参加いただいている共同研究であり、 基盤的研究も含めると全体で昨年度実績は共同研究は約6%であったということです。  島村庶務課長 では続きまして時間も過ぎておりますので、財務の方を簡単に説明さ せていただきます。お手元の資料8からですが、1頁のところに通り貸借対照表がござ います。左側の方が資産の部でございまして、固定資産ということで、全体総資産が61 億円のうち57億円で、約92%を固定資産で占めてございます。  それから反対の右側の負債の部ですが、資本の部につきましては、この1のところの 資本金では、政府の出資金49億円、これが設立時に現物出資された金額です。それと下 段の真ん中ですが、資本剰余金ということで、これが施設整備費ということで13年度は 1億5,200万円いただいてございます。御覧の通り、最終的に剰余金ということで、剰余 金合計 772万円ばかりが出てございます。  次は2頁ですが、損益計算書でございます。御覧の通り上段が経常費用で、研究業務 費とそれから一般管理費、下段の方に以上合計で16億円となってございます。それから 収益の方ですが、御覧の通り交付金と物品受贈益、それとともに受託研究収入ですが、 国からの委託研究分が6,800万円ございます。それからその他の収入ということで390万 円ばかりございます。これは職員の講演等の謝金等をあてた額でございます。それから 財務収益ということで受取利息が82,000円ばかりございます。それに雑益ということ で、これは還付消費税の関係で350万円ばかりございます。  以上が計でございまして16億円でございますが、経常利益としまして890万円がござい ますが、御覧の通り臨時損失ということで、受託契約の分の備品等の減価償却のために 120万円ばかり落とさせていただいて、合計当期では772万円ばかりを総利益として計上 させていただいております。  次に資料8−2を御覧をいただきますと、決算報告書ということで13年度分でござい ます。全体の収入の枠について簡単に御説明させていただきますと、8−2の1頁です が、これは一般会計ということで、上段に収入ということで運営費交付金が一般会計か ら4億9,000万円ばかりございます。これが一般会計の合計です。次の頁が特別会計とい うことで収入の面で、運営費交付金が10億円ばかりございます。それと特別会計の方か ら先程申しました施設整備費が1億5,300万円ございます。それから次の頁をめくってい ただきますとその他ということで、先程申しました受託収入ということで、国からの委 託費等でございます。それからその他の収入ということで講師謝金等760万円ばかりござ います。これが収入の全体の姿です。  それで最終的に皆様方のご関心のある点ですが、資料8−5をお願いしたいと思いま す。剰余金の内訳です。8−5の2頁をお開きいただきますと、当期総利益の内訳とい うことで、一般会計、特別会計、その他という大きな三つの項目がございます。利息の 収入が各会計ごととその他を含めて82,000円です。それと下段の方ですが、先程から何 回も申し上げております通り諸謝金収入ということで講演等の謝金をこれを剰余金申請 ということで通則法44条3項の方の申請をお願いしたいと存じております。それから最 後の消費税還付金等ということで360万円ばかりがございます。以上が内訳でございま す。よろしくお願いします。 ○ 黒川委員長  ありがとうございました。 ○ 堀田委員  次回の資料として両法人につきまして、まず内部評価がやっぱりあると思いますの で、内部評価を参照させていただければ作業しやすいので、それを一つお願いしたいと 思います。  それから二つ目は損益計算書の中のその他の事業収入のもう少し詳しい内訳がいただ けないかと思います。その主旨は,まずそれだけいろいろ研究をされているわけですか ら、何か儲かる分も、事業収入のある分がもう少しあるんじゃないかという、そういう 発想からです。特にその関連で産業安全研究所の方は従来の特許の数と、その特許使用 料がどれぐらいになっているのか、これは13年度に限らずにこれまでの分ですが、もし 教えていただければ嬉しいと思います。以上三点です。 ○ 黒川委員長  ありがとうございます。その他にどうぞ。 ○ 篠原委員  産業医学総合研究所と産業安全研究所は運営費交付金債務が1億5,000万円前後ありま すが、それの内訳、それとこれは要求していいかどうかわからないのですが、昨年の4 月1日の開始貸借対照表というのはどこにも作れとは書いてないのですが、当然作って いるだろう。というのはそれがないと分析できないんですね。スタートがわからないも のですから、だから可能であれば作っていただいた方がいいという感じがします。  あとは今回ほとんどの独立行政法人は費用進行基準を採用してたんですが、やっぱり それを採用していた理由を書いておかないとまずいかなというのと、それと2年度もこ のままいくのか、あるいは据置きか成果進行基準か、期間進行基準を採用する気がある のか。というのは先程これを見ると経費節減による決算額が少なくなっているというこ とは自己努力の部分があるわけですよね。ところが費用進行基準だとその分明確に出て 来ないものですから、費用進行基準でやっていて、片方で節減しているよと言っている のですが、自己努力の部分が明確にならないと損するのではないか。自己努力でやれば 後でいろいろと使えるという自由裁量権が出てくると思うんですが、ということでその 辺をお願いします。 ○ 黒川委員長  そうですね。両方とも初めてなのでそのやり方のこと、それから独法化した時にはい ろんな交付金の問題、それから独自にとってくる、特に研究所ですから、研究の競争的 な資金、それをどういうふうに獲得してどう評価するかというのは、やっぱり違った角 度がいろいろとあると思うので、それが反映できるような格好で、事業報告書だけでな くて、財務諸表の方も合わせて検討するというようなことをもうちょっとお知恵をいた だきながら次回進めてまいりたいと思います。  それから確かに多くのところで田中先生もそうだし、荒記先生もそうですけれども、 新しい理事長がなられているのでその前がどうだったのかというのはちょっとわからな いかもしれませんが、引き継ぎ前のアクティビティはどういうふうに変わってきている のか、所内のムードはどう変化したのかというような話も聞かせていただければと思い ます。  その他に委員の方から何かございませんか。まあいろいろあると思うのですが、次回 はもうちょっと時間をとらせていただいてお話を伺いたいと思います。そこで一応今日 は時間が過ぎておりますが、坂本政策統括官から一言お願いします。 ○ 坂本政策統括官  本日は予定の時間を超過して大変熱心にご審議をいただきまして誠にありがとうござ いました。いよいよ次回からそれぞれの個別の具体的な評価といったようなことにも取 り組んでいただくことになるわけですが、何分にも初めてのことでございまして、いろ いろこちらも不手際もあろうかと思います。評価の進め方にあたりましては、委員の先 生方のいろんな御意見をお伺いしながらできる限り工夫をこらしてまいりたいと思って おりますので、一つよろしくお願いしたいと思っております。  言うまでもございませんが、この独立行政法人はそのあり方をめぐりまして国会とか マスコミとか、国民一般の方も大変関心が高くなっておりますし、またここでの評価が 総務省の評価委員会でまた再評価されるというようなことにもなっているわけでござい ますので、より客観的で批判に耐え得るような公正妥当な評価というものが求められて くるわけでございます。これから暑い夏に向かって先生方に大変ご負担をおかけするこ とになろうかと思いますが、何分のご理解御協力のほどよろしくお願いを申し上げまし て一言お礼のご挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。 ○ 黒川委員長  それでは最後に事務局から今後の予定、その他についてお願いします。 3.閉会 ○ 事務局  7月は二回お願いしたいと思います。一回では全部作業は終わらないと思いますので 二回お願いしたいと思っておりまして、かつその日程はできるだけ近い日付にしたいと 思っております。離れるとまた評価が、基準が変わることがありますので、近いうちに 続けてお願いするということで日程を調整させて御連絡させていただきたいと思ってお ります。いまのところ7月下旬を考えております。よろしくお願いいたします。 ○ 黒川委員長  ではその日時その他についてはできるだけ早く御連絡させていただくということで今 日は終わらせていただきたいと思います。お忙しいところ本当にありがとうございまし た。これから大きな航海に出るという感じがしないでもないですが、皆様のお知恵を拝 借しながら、こういう話は時代の流れでもあるわけなので、特にグローバリゼーション という非常に開かれた世の中でやはりアカウンタブルなことがお互いにできればいいか なと思っておりますが、よろしくお願いします。どうもありがとうございました。 照会先 政策統括官付政策評価官室 政策評価第1係・第2係 代)03-5253-1111(内線7784・7780) ダ)03-3595-2160