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資料3

看護の独自の機能について

ヴァージニア・ヘンダーソン(米国)

看護の独自の機能

看護婦の独自の機能は、病人であれ健康人であれ各人が、健康あるいは健康の回復(あるいは平和な死)の一助となるような生活行動を行うのを援助することである。その人が必要なだけの体力と意志力と知識とをもっていれば、これらの生活行動は他者の援助を得なくても可能であろう。この援助は、その人ができるだけ早く自立できるようにしむけるやり方で行う。

14の基本的ニード

1 正常に呼吸する
2 適切に飲食する
3 身体の老廃物を排泄する
4 移動する、好ましい肢位を保持する
5 眠る、休息する
6 適当な衣類を選び、着たり脱いだりする
7 衣類の調節と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する
8 身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
9 環境の危険因子を避け、また、他者を傷害しない
10 他者とのコミュニケーションを持ち、情動、ニード、恐怖、意見などを表出する
11 自分の信仰に従って礼拝する
12 達成感のあるような形で仕事をする。
13 遊ぶ、あるいは、ある種のレクリエーションに参加する。
  14 正常な成長発達および健康へとつながるような学習をし、発見をし、好奇心を満たし、また、利用可能な保健設備等を活用する


ドロセア E. オレム(米国)

セルフケア不足看護論
 個人のセルフケア能力が下回ったとき、看護師がセルフケア不足もしくは依存的ケア不足を補完するということ

 セルフケアとは、自己の生命、統合的機能および安寧に役立つように自己の機能を規制するために自己または環境に向けられる行動

 セルフケア要件とは、個人が必要とするセルフケアの種類の表現である。

普遍的セルフケア要件
 すべての人間に共通にみられるもので、年齢、発達段階、環境、およびその他の要因によって変化する。

発達的セルフケア要件

健康逸脱に対するセルフケア要件


パトシリア・ベナー(米国)

 臨床看護実践を記述し、その事例分析を通し、31の看護能力が抽出された。この看護実践の7つの分野とは次にあげるものである。

看護実践の7つの分野
援助役割
指導/手ほどきの機能
診断機能と患者モニタリング機能
急速に変化する状況における効果的な管理
治療的介入と療法を施行し、モニターする
質の高い
ヘルスケア実践をモニターし、保証する。
組織化の能力と仕事役割能力

援助役割

指導/手ほどきの機能

診断機能と患者モニタリング機能

急速に変化する状況における効果的な管理

質の高いヘルスケア実践をモニターし、保証する

組織化の能力と仕事役割能力


1 NANDA(North American Nursing Diagnosis Association)看護診断分類
 1)「看護診断とは」
 「看護」の定義(American Nurses Association,1980)
"Nursing is the diagnosis and treatment of human responses to actual or potential health problems″
「看護とは、現にある、あるいはこれから起こるであろう健康問題に対する人間の反応を診断し、かつそれに対処することである。」1
 2) 看護診断開発のための枠組み
 ユニタリパーソン・モデル→ヒューマンレスポンス・パターン
 資料「分類U:領域・類・診断概念・看護診断による目次」

2 看護実践国際分類(International Classification for Nursing Practice,ICNP)
 「看護現象」、「看護行為」、「看護アウトカム」の分類であり、実践を記述するもの
 看護現象:看護実践に関連する健康の側面
 看護診断:看護現象に関する判断に看護師が付与するラベル(名称)で、看護活動の焦点となる。看護診断は、看護現象分類軸に含まれる概念の組み合わせで表現される。

3 看護介入分類(NIC)と看護成果分類(NOC)
 1) 看護介入分類(Nursing Interventions Classification, NIC)とは
 包括的で標準化された看護介入分類4
 2) 看護成果分類(Nursing Outcomes Classification, NOC)とは
 看護介入によってもたらされる患者の成果を記述するために使用する用語。構成は、ラベル名、定義、指標、リカート測定尺度による5

参考文献
1 アメリカ看護婦協会,小玉香津子訳、看護の社会的役割に関する方針声明書,いま改めて看護とは,日本看護協会出版会,1984.
2 北米看護診断協会,日本看護診断学会[監訳].NANDA 看護診断:定義と分類2001-2002. 医学書院, 2001.
3 国際看護師協会、輪湖史子[訳]. ICNPベータバージョン序文.インターナショナルナーシングレビュー, 2002;25(3):13-18.
4 McCloskcyJC, BunechekGM.NursingIntervention Classification(NIC).3rd ed. Mosby, 2000
5 Johnson M,Maas M. 藤村龍子、江本愛子[監訳].看護成果分類(NOC):看護ケアを評価するための指標、測定尺度.医学書院,1999


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