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資料4

フランスにおける人工生殖
―――実施基準と親子関係―――

松川正毅( MATSUKAWA Tadaki )
大阪大学大学院法学研究科教授


I  フランスにおける人工生殖
II 実施基準と親子法
むすび


I フランスにおける人工生殖

 1、 生命倫理法にあらわれている目的

(1)人工生殖の定義
(2)人工生殖に共通する目的
 臨床上の目的 病の治療
 施術希望者における人工生殖の目的 自然に近づける
  (代理母を認めない理由の一つ)
あ、男女からなるカップル
い、婚姻関係か自由結合関係(内縁)
う、生殖年令にあること
え、生存し、同意可能なこと
 夫の死後の人工授精
 死後の受精卵の移植・提供 例外的に第三の男女への提供
(3)体外受精に特有の目的
 「人をその生命のはじまりから尊重することを保障する」
 (民法16条)
 体外受精と配偶子の提供 養子法の逸脱を防ぐ(一方のみの提供配偶子を認める理由。提供の際の手続き)

 受精卵の提供
補足 代理母契約は無効
フランス法での代理母が認められない理由
(親子法の原則と関連)

 2、現状

(1)1994年の生命倫理法
(2)2000年の保健法典の改正
(3)若干のデータ

II 実施基準と親子法

 1、 実施基準

(1)すべての人工生殖に共通の実施基準
 説明義務と意思確認
(2)体外受精および受精卵の保存と移植に特有の実施基準
 冷凍保存に対するためらい
 提供には、養子縁組を連想させる手続きが定められている。受精卵を人と考える姿勢
(3)提供者がいる場合の人工生殖
あ、精子・卵子の提供
 子をすでにもうけている男女
 提供者およびその配偶者の承諾
 提供は無報酬 人体の構成要素であり、物ではない
 匿名性(民法16条の8) 指名はできない
 (保健法典L1244の7)
 5人まで、
 生の精子の利用、混合は認められない

 セコス(CECOS)の存在の意味
い、提供による人工生殖の実施基準
 提供が最終の手段であること
 意思確認の手続きと公証人(または裁判官)の面前での承諾

 2、 親子法

(1)提供精子による場合の親子関係
(2)提供卵子による場合の親子関係
(3)提供胚による場合の親子関係
補足 代理母が認められない親子法上の理由
人体と法的身分の処分不可能性の原則

むすび

フランス型の立法は公序に基づく規制
当事者の意思は必ずしも実現するとは限らない
匿名性、子の出生を知る権利などが再度議論されている



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