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第6回年金資金運用分科会議事要旨

1.日時 平成14年6月3日〈月〉16時〜18時
2.場所 厚生労働省省議室
3.参加者 ・内海委員 ・大和委員 ・高梨委員 ・向山委員 ・吉原委員 ・米澤委員 ・若杉委員
4.議事要旨 (○は委員、●は事務局、△は年金資金運用基金の発言)


《第5回分科会の議事要旨について》

 第5回議事要旨については、配付資料のとおり確認。

1.運用の基本方針の変更に伴う管理運用方針の変更点について

 ○ 資料1−1管理運用方針の変更点(概要)において、「四半期ごとに資産構成割合管理目標値に関する規定を新たに設け、」とあるが、管理運用方針上、四半期ごとというのは明記されているのか。

 △ 明記されてはいないが、管理目標値は理事会決定により、四半期ごとに設定している。今後、管理運用方針の改定を行う際には、管理運用方針への記述の仕方について検討したい。


2.厚生年金及び国民年金の積立金の運用の状況が年金財政に与える影響の評価について

 ○ 資料2−1の内容については了解。
資料2−2のイメージ資料については、実質ベースの運用利回りを出す際に、財政再計算上の報酬上昇率と、実績の報酬上昇率とどちらを用いるかで、余剰の出方が変わる。従って、2つの事項を追加することを提案する。
(1) 「1 実績の運用利回り」の表の運用利回りの欄について、市場運用分の名目運用利回の後ろに複合ベンチマークを、引受財投債分の後ろに参考値として時価ベースの収益率を記載し、「2 積立金運用の状況が年金財政に与える影響」の表に、複合ベンチマークの過去の推移と平均を記載すること。
(2) 実績の実質利回り(A)と再計算上の実質利回り(1.46%)との差(B)を導出する際に、標準報酬上昇率の実績値と比較できる財政再計算上の標準報酬上昇率というものを括弧なりで明記し、(B)の余剰が、複合ベンチマークによってもたらされたのか、財政再計算上の標準報酬上昇率の推定の違いによるものなのか、などが分かるようにすること。
 ● 御指摘を踏まえて、検討したい。
 ○ 「(注2)年齢構成の変動によるものを控除したものである。」とあるが、控除しない場合の数値はどうなるのか教えて欲しい。
 ● 平成12年度においては、プラス1.08となる。ただし、この数字には、標準報酬の上下限が上がった改訂による伸びの影響が入っている。
 ○ 年齢構成の変動を控除するときに、基準としている年齢構成はいつ時点のものなのか。
 ● 当該年度の年齢構成にあわせている。
 ○ 年齢構成の変動による影響を考慮すべきかどうかや、ベースアップや定期昇給の動きもにらみながら、今後、総報酬上昇率の捉え方について検討していくことが必要。
 ○ 実質利回りが1.46%である理由を書くべき。
最終保険料率の見通しに及ぼす影響は、▲とあるが、これは引き下げる効果があるという意味であるにもかかわらず、逆に悪いイメージを与えるので記載方法を工夫すべき。また、一般的に国民は保険料率について引き上がる方向のイメージを持っているので、引き下げる方向の数値が出ていることとの整合性の説明が必要であり、ミスリーディングになる可能性もある。
 また、この数値を見るとまだ保険料率には余裕があるように見えるがそれでいいのか。
 ● ミスリーディングとなることは、まさに事務局が恐れていることである。今回、たたき台としてこのような数値を記入した資料を提出させて頂いたが、この数値自体に対してコメントを加えるような性質のものではない。今後、資料の数値の記載方法などについては十分注意を払うこととしたい。
 また、この表に記載されている数値は、7年前など、過去の金利が高い時点で預託したものが、高い利払いで償還されているものであり、この表に記載されている数値自体については、ここ数年の経済環境をみても、もはや参考数値とならないと考えている。
 ○ 財政再計算において、出生率の低下はどのように影響を及ぼすのか。実質利回りが1.5%ではなく、もっと高くなるというような影響などはあるのか。
 ● 出生率の低下が経済成長に及ぼす影響は非常に難しい。
 平成11年財政再計算においては、1人当たりの賃金上昇率は名目で2.5%、実質で1%という前提で計算を行っている。
 長期的に、人口と経済成長率や賃金上昇率を関連づけた、確立した経済モデルが現在ないため、今後、御議論頂くところではないかと考えている。
 ○ 年金財政に与える影響を出すにしても、このように最終保険料率に対する影響まで出すのは厳格すぎないか。年金財政に与える影響というのは、ある程度の長期的なスパンで見るものであると考える。従って、毎年の影響を数字で出すことについては非常に注意が必要であり、影響の出し方については、さらに検討して頂きたい。
 ● 御意見を踏まえて、検討したい。


3.その他

 ○ 年金資金運用基金の年度のディスクローズに当たっては、マネージャーストラクチャーの構築が運用結果にどのような影響を及ぼしたについても評価を行うなど、踏み込んだ評価を行うことを検討して欲しい。
 ○ 次期財政再計算に向けての検討に当たっては、当分科会から年金部会へ、予定利率や経済前提について提言するということであるが、社会保障審議会年金部会において、経済指標などについて十分議論を行うべきではないかと考えるが、どうか。
 ● 物価上昇率や賃金上昇率については、むしろ、社会保障審議会年金部会において、議論して頂くことであると認識している。
 ○ その他の事項であるが、解散厚生年金基金等が責任準備金に相当する額の一部について物納を行うことができることが確定給付企業年金法で定められており、当該規定は、確定給付企業年金法の公布の日から2年6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされているが、その施行を可能な限り前倒しして頂きたいことを要望する。
 ● 可能な範囲内で検討したい。
 また、物納を認める要件については、その要件によって年金積立金に現物で返上されるものが左右されるため、公的年金の積立金の運用にも影響を及ぼすので、当分科会において御意見を頂きたいと考えている。

〜以上〜


〈照会先〉年金局運用指導課
 企画係長  下向(しもむかい)
 TEL 5253−1111(内線3350)
 夜間 3595−2868


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