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特定施設入所者生活介護をめぐる現状と介護報酬上の課題

2002/4/22
特定施設事業者連絡協議会

1. 特定施設の現況

(1) 指定事業者数及び指定事業所数

  全体 うち特定協加盟 (参考)
特定施設 258法人 401施設 108法人 (42%) 222施設 (55%)  
  うち有料老人ホーム 223法人 361施設 104法人 (47%) 216施設 (60%) 全有料老人ホーム 約 470施設※
うちケアハウス 36法人 40施設 4法人 (11%) 6施設 (15%) 全ケアハウス 約1400施設※
※ 平成12年社会福祉施設等調査(平成12年10月1日現在)の数値より推計

(2) 指定事業所数及び給付対象者数の増加状況

  H12.4月 H13.4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 H14 1月 2月 3月
施設数(各月末時点) 244 320 324 333 344 353 356 366 373 380 385 396 401
対象者数 [千人] 4.4 11.0 11.5 11.7 12.3 12.6 13.0 13.3 13.7 14.2
※ 事業所数は「WAMNET」、対象者数は「介護給付費の状況」(国民健康保険中央会)による

(3) 要支援・要介護者割合別施設数・比率

(平成14年3月末時点における特定協把握分)
入居者中の要支援・要介護者割合 80%以上 79%〜50% 49%〜20% 20%未満
施設数 88施設 25施設 38施設 23施設
比率 50.6% 14.4% 21.8% 13.2%

2. 介護保険制度における特定施設の利点

(1) 有料老人ホームの届出[老人福祉法第29条]
  ケアハウスの届出・許可[社会福祉法第62条]
} ハード面の水準や、経営の安定性・透明性を中心に担保
   +
(2) 特定施設入所者生活介護事業者の指定[介護保険法第70条] 人員配置その他のサービス水準や、運営の適正さを中心に担保
   
「特定施設」は、民間事業者の創意工夫を活かしつつも、確固とした行政規制・指導の下で、適切な運営が担保されている。

近年、高齢者向け住宅に訪問介護事業所を併設する形で運営されているホームも多数見受けられるが、
(1) ハードに関する規制が一切かからないため、行政としてその存在すら把握できず、指導のしようがないこと

(2) 介護保険制度上、施設的な居住形態をとる高齢者に対する訪問介護サービスのあり方は未だ確立しておらず、区分支給限度額一杯まで介護保険請求を行ったとしても、ケアプラン上の妥当性を検証する仕組みがないこと
といった制度の間隙をぬって、極めて貧弱な住環境を提供しつつも高額の介護報酬を享受するといった問題事例も散見される。

一方、特定施設は、
(1) 上述のとおり、ハード・ソフトともに一定の基準への適合が求められ、行政の規制・指導を受ける立場にある

(2) 介護報酬が、施設報酬に対してはもちろんのこと、在宅報酬の区分支給限度額に対しても十分低位に抑えられており、提供するべきサービス水準に比して、極めてコスト抑制的な報酬体系となっている 【次頁のグラフ参照】
ところであり、高い比率で要支援・要介護者を擁し、実質的に施設類似の運営形態を取っているホームについては、原則として特定施設の指定を受ける方向へと誘導することが、利用者保護の観点からも、介護保険財政の観点からも、必要なのではないか。

極めてまっとうな運営を行っているホームであっても、ハード面で国の有料老人ホーム標準指導指針にわずかに未達であるといった理由で届出が受理されず、特定施設の指定が受けられないケースも多い。同指針の弾力的な運用をぜひお願いいたしたい。

要介護度の図


3.特定施設の介護報酬に関する論点

(1) 「調理に要する人件費等」に関する取り扱いの相違

「調理に要する人件費等」に関する取り扱いの相違の図

(費目に関する出典は、医療保険福祉審議会介護給付費部会資料No.030、047等。)

※ デイサービスの食事加算は、「39単位×90食×0.9 :その他地域」 で計算

(2) 介護保険給付として行われるべきサービスや備品等の範囲の不明確さ

介護保険給付として行われるべきサービスや備品等の範囲の不明確さの図



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