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(資料3)先進諸国の公的年金制度

【要点】

1 ほとんどの主要国において、公的年金は、世代間扶養を基本とする社会保険方式(賦課方式の社会保険)を採用している。

※税方式: 一定の年齢になったら、個々人の保険料拠出と連動することなく、税によって、国が生活の基礎費用を一律に支給する方式

2 人口が早くから成熟化しているドイツ等では、積立金は支払準備金程度の保有となっているが、我が国は、少子高齢化が急速に進行する中で、現役世代の保険料が急速に上昇し過度なものとならないよう、一定の運用収入を確保するため、比較的大きな積立金を保有している。

3 ほとんどの主要国において、公的年金は、報酬(所得)に比例する給付(我が国の年金制度の2階部分に相当)を有する。


国名 公的年金の体系
公的年金の体系の図
対象者(社会保険方式に限る)
(◎強制△任意×非加入)
社会保険方式か
税方式か
社会保険方式における世代間扶養(賦課方式)の採否(括弧内は積立金の積立度合)
アメリカ 公的年金の体系の図
被用者(年830ドル(約10万円)以上の収入のある者)
自営業者(年400ドル(約5万円)以上の収入のある者)
× 無職
社会保険 世代間扶養
(給付費の約2年分)
イギリス 公的年金の体系の図
被用者(週に67ポンド(11,300円)以上の収入のある者)(それ以下の低所得者は△)
自営業者(年3,825ポンド(約65万円)以上の収入のある者)(それ以下の低所得者は△)
無職
社会保険 世代間扶養
(給付費の約2ヶ月分)
ドイツ 公的年金の体系の図
被用者(週15時間以内の短時間労働者、月620マルク(約3万円)以下の低収入者は△)
自営業者(業種によっては◎)、無職
社会保険 世代間扶養
(給付費の約1ヶ月分)
フランス 公的年金の体系の図
被用者、自営業者
無職
社会保険
(年金、所得の低い者には税による老人最低保障給付あり)
世代間扶養
(給付費の約1ヶ月分)
→今後、積立度合を増す予定
スウェーデン 公的年金の体系の図
被用者、自営業者
× 無職
社会保険
(年金の低い者には税による保証年金あり)
→1999年に税方式の基本年金を社会保険方式中心に改めた。
世代間扶養
(給付費の約4年分)
〈2000年〉
→1999年改革により部分的に積立方式を導入
カナダ 公的年金の体系の図
被用者、自営業者(年3,500ドル(約24万円)以上の収入のある者)
× 無職
社会保険
(年金、所得の低い者には税による基本年金、補足給付あり)
世代間扶養
(給付費の約2年分)
→1998年改革により今後約4〜5年分に積み増す予定
オーストラリア 公的年金の体系の図 (給与の8%を老後のために強制貯蓄。それを運用したものを老後に給付。) 老後のための強制貯蓄
(年金、所得の低い者には税による老齢年金あり)
→1992年に、従来の税方式を補足的なものに改め、老後のための強制貯蓄を導入
ニュージーランド 公的年金の体系の図 (税を財源とし、全居住者対象)
日本 公的年金の体系の図
被用者、自営業者、無職
社会保険 世代間扶養
(給付費の約5年分)
〈厚生年金〉
→今後高齢化に伴い約3年分に縮小


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