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今後の医療支援の対象とすべき疾患と対象者の基本的考え方(案)

・疾病の罹患による困難さは、現在の症状や治療によって、日常生活が制限されることだけによるのではなく、生命の危険や、病状の悪化による生活の質の低下など、将来の病状変化に関する見通し(リスク)にも大きく関連している。

・そのため、今後の医療費助成においては、(1)病状の経過、生命に対する危険、および生活の質に与える影響等を参考に対象疾患を選定し、(2)患者の医療費助成の申請時および更新時における症状と、疾患に罹患した状態が継続することによる将来の病状変化に関する見通しを合わせて評価し、対象者を決めることが適切である。

I 今後の医療支援の対象疾患を考えるに当たって参考とするべき事項(例示)

○病状の経過

・慢性に経過する疾患であるか。
○生命の危険
・生命を長期にわたって脅かす疾患であるか。
○生活の質に与える影響
・症状や治療が、長期にわたって生活の質を低下させる疾患であるか。
○医療費の負担
・長期にわたって高額な医療費の負担が続くか。

 等


II 今後の医療支援の対象者を考えるに当たって参考とするべき事項(例示)

1 現在の病状を捉えたもの(ただし、6ヶ月間以上続くと見込まれるもの)

○重篤な発作(入院による治療を要するようなけいれん、意識障害、ショック、呼吸困難、循環不全、溶血発作など)、感染症、出血、骨折等を繰り返す。

○日常生活動作を行う能力が著しく低下している。

・慢性心疾患による心不全
○長期にわたって入院または、在宅における療養が続き、登校・登園できない。

○生活に制限をうける状態・治療を行っている。

・人工透析、腹膜透析
・人工呼吸管理、酸素療法
・気管切開
・人工肛門、胃ろう
○リスクの大きい治療を行っている。
・副反応の強い抗腫瘍薬の投与
○長期にわたって高額な医療費の負担が続いている。

 等

2 将来の病状変化の見通しを示すもの

○将来、病状が悪化する可能性が高いと予測される。

・先天性心疾患術後の合併症(心筋障害、不整脈等)、残遺症(手術で完治できなかった障害)、続発症(不整脈等の新たな発生)があり、死に直結する可能性がある。
・組織診断によって、将来、病状が悪化する可能性が高いと診断され、薬物療法が行われている腎疾患。
・病理組織診断が行われた悪性新生物

○将来、病状が悪化する可能性が高く、病態に対応した治療が長期にわたって行われる。

・補充療法を必要とするホルモン欠損症および酵素欠損症
・サリチル酸製剤の服用を必要とする心臓冠動脈疾患
・免疫抑制剤の服用を必要とする膠原病
・特殊な食事療法を必要とするアミノ酸代謝異常症

○長期にわたって高額な医療費の負担が続く見通しがある。

 等



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