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第13回「ヒト細胞組織等に由来する医薬品等による健康被害の救済問題に関する研究会」(議事概要)

日時平成14年3月29日(金)12時00分〜14時00分
場所KKRホテル東京「朱鷺の間」
出席者 浦川委員、高橋委員、鴇田委員、堀内委員、森島委員、野々下専門家
厚生労働省医薬局長、総務課長、医薬品副作用被害対策室長、
血液対策課課長補佐等

議事
 1.研究会報告書について
 2.医薬局長あいさつ

[主な発言内容]

(1)研究会報告書について

○ 未知の感染症が医療機関内で2次・3次と広がった場合についても、救済対象としてはどうか。
○ 拠出者側から見れば、この救済制度において、未知の間に広がったものをすべて救済することは、妥当ではないのではないか。
○ 医療機関外の場合には、家族外の2次感染も救済対象となっていないのではないか。
○ 医療機関側で予見して防御することが難しい未知の感染症の被害については、救済対象とした方がなお良い制度となるのではないか。
○ 仮に、医療機関における感染を救済対象とするならば、医療機関も拠出者としなければならないのではないか。
○ 医療機関における感染の問題は、ヒト細胞組織由来の製品による感染だけの問題ではなく、感染症一般の問題ではないか。この制度で医療機関における感染を対象とすることは難しいのではないか。
○ この制度は、本来、1次感染者だけを対象とするものだけれども、例外的に、1次感染者と同視せざるを得ない場合は、それを広げて対象とするという考え方を採っていたのではないか。
○ 制度として考える場合には、拠出者というものを想定し、それを受け皿として作っていくという点で、限界を持たざるを得ないのではないか。
○ 行政上の救済と司法上の救済が対立軸で書かれているが、行政上の救済が否定された場合には、裁判制度による救済が受けられるのであるから、論理的におかしいのではないか。民事上の救済と公的行政的な救済を対立軸とすべきではないか。
○ 本日の議論を踏まえた修正を行った上で、最終の報告書及び概要として了承し、公表することとする。

(2)医薬局長あいさつ

 本日は、最終報告書をまとめていただきまして、誠にどうもありがとうございました。最後の会に当たりまして、一言お礼のごあいさつをしたいと思います。
 昨年の1月にこの研究会をスタートさせてきまして、早いもので1年と3か月経過しました。その間、先生方には大変御多忙の中、熱心にこの研究会に御参加、御討議いただき、お陰様をもちまして本日最終報告を頂くことになり、改めて感謝申し上げたいと思います。
 この研究会で取り組んでいる感染等の健康被害の救済制度は、いろいろな方面で社会的な関心が非常に高くなっており、早く制度化をしてほしいという待望の声がいろいろ上がってきております。現実に、昨年には議員立法でこれに対応するような救済制度の法案が国会に出されており、それぐらい国会の場でもこの救済制度は早く作るべきだという声が高まっているところでございます。
 御案内のように、昭和54年に、副作用の被害につきましては、救済制度が既にスタートして20年以上の歴史がありますが、お陰様で副作用関係の被害の対応を見ますと、この制度が非常に社会的に定着してまいりました。それ以前はかなり裁判等で関係者がいろいろ御苦労されたわけですが、この副作用救済制度ができて以降については、そんなに大きな副作用を巡る裁判での争いというのは少なくなってきたのではないかと考えております。逆に、被害者の患者さん方も速やかに救済給付が受けられるということで、非常に所期の目的を大いに果たしているのではないかというふうに思います。ただ、この昭和54年の副作用救済制度が創設された後に、御案内のようにHIVの問題でありますとか、最近和解が成立いたしましたクロイツフェルト・ヤコブ病といった、まさにこれの対象にならない感染等の被害の大きな裁判が続いて出てきたわけでございます。そういった背景から見ますと、今度は感染等の被害についてもやはり被害の救済制度も早く社会的な制度として作ってほしいという声が非常に今高まっているということでございます。
 現在、薬事法の改正の中でこの救済制度の議論の対象となります、いわゆる生物由来の医薬品等につきましての規制を整備するということで、今国会で議論していただくことになっておりますけれども、そういった規制の整備をしたとしましても、やはり絶対的リスクをゼロにすることはできませんので、避けられないリスクによって起こる被害については、きちんとした社会的な救済制度が併せて用意されるということが是非とも必要でありますし、よりよい薬が開発され、円滑に社会に供給されて医療に貢献していくということは、まさにこの規制の整備と救済制度の創設というのは、車の両輪という形で位置付けられているのではないかというふうに思っております。坂口大臣自身も非常にこの救済制度に強い関心をお持ちですし、今国会は間に合いませんけれども、次の通常国会には是非法案を提出したいということも対外的に明言されておるところでございます。
 私どもとしましては、本日頂いた報告書を受けまして、更に少し実務的な検討の詰めを行った上、また、これと並行いたしまして業界あるいは患者代表あるいは医療関係者方々、幅広く関係者の方々と意見交換を進め、いわゆる国民的な合意作りをした上で、早期の制度化を目指していきたいと思っております。
 今後とも、私どもについて何かお気付きの点がありましたら、どうぞ御意見等をおっしゃっていただいて、御支援を引き続きお願いしたいと思っております。
 簡単ではございますけれども、この1年余りの間、大変御熱心に御議論を頂いた先生方に改めて感謝申し上げまして、私のお礼のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。

照会先:医薬局総務課医薬品副作用被害対策室
    野村
    03-5253-1111(内線:2719)


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