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第8回BSE問題に関する調査検討会委員会の概要について<暫定版>

(平成14年3月14日)

1.委員の出欠

 委員10名中9名が出席(欠席者・・・藤田委員)

2.遠藤農林水産副大臣挨拶

3.資料説明と質疑

○資料一覧
資料1 「BSE問題に関する調査検討委員会報告」のスケルトン(委員長第2次メモ)
〔参考資料〕
「BSE問題に関する調査検討委員会報告」のスケルトン(委員長メモ)及びこれに対する各委員の意見
資料2 BSE問題に関するこれまでの行政対応について
資料3 委員会における主な御意見
資料4 BSE問題に関する調査検討委員会による欧州調査の概要
資料5 第7回BSE問題に関する調査検討委員会における委員御指摘に関する資料
参考配布
1. 「BSE問題に関する調査検討委員会」における委員の主な御意見(第1〜7回)の概要
2. 世界の牛海綿状脳症(BSE)の発生状況と主要各国及び我が国の対応について(第6回委員会提出資料)【2−1, 2−2】
3. 牛海綿状脳症(BSE)感染牛の発生に係る対応の経緯について(第6回委員会提出資料)
4. 現時点までのBSEにかかる各国の対応(第6回委員会提出資料)
5. 食品安全性に関する「リスク分析」について(第6回委員会提出資料)
6. 主要国における「食品安全性に関するリスク分析」について
〔リスク評価・リスク管理を担当する組織〕(第7回委員会提出資料)
7. 主要国の畜産・食品行政における役割分担(第6回委員会提出資料)
8. 日本の畜産・食品行政における役割分担(第6回委員会提出資料)
9. 主要国及び日本の畜産・食品行政組織(第6回委員会提出資料)【9−1,9−2】
10. 総合科学技術会議について

 関係資料について委員長からの説明後、質疑等が行われた。その中では、次のような御意見・御質問があった。

・ (90年のOIEの牛海綿状脳症に関する会合の報告に対する農林水産省の対応について)この報告を見て、既に(肉骨粉の輸入条件の強化などの)対策を行っているから、それ以上の対策をやらなくてもいいという議論がなされたのか。
 この場合は、報告に書いてあることを既に行ったということで問題は少なっかったということか。
・ 昨年7月にWHO、OIE、FAO合同の専門家会議が開催されているが、その資料が提出されていない。この報告では、「BSEリスクはグローバルなものである」ということが強調されているが、その認識がどの程度あったのか。
・ 「反すう動物由来の肉骨粉を反すう動物に与えてはいけない」(must not be fed)という表現が使われている。この報告に対して農林水産省と厚生労働省はどのような検討がなされ、どのような対応がなされているか事実関係を知りたい。
・ 英国及びアイルランドからの肉骨粉の輸入条件を強化したとあるが、それ以外の国からの輸入はなかったのか。
・ 輸入条件が担保されているというのは、どのように検証されたのか。書類だけなのか、輸出側が守っているかどうかの検証もされたのか。
・ イギリスから第3国を通じた肉骨粉の輸入はあったのか。
・ 欧州での現地調査について報告する。大使館、受入国、同行したスタッフに感謝。
・ BSEが最初に発生したときにどのような対応、マニュアルを作っていたかについては、フランスはそれなりの対応がされていた。ドイツでは発生をしないだろうという確信を持っていたが、発生後は2日で確定診断をしたという点では日本の対応とはるかに異なる。
・ 発生してから新しいシステムを構築するまでのプロセスについては、フランスでは、91年に発生してから、96年にドルモン委員会の報告書が出ている。ドイツでは、2000年11月に発生しているが、その年の7月にベルデル委員会の報告が出ている。それがきっかけとなり、リスク分析を中心とした組織体制ができている。
・ リスク評価システムは、運営委員会と科学委員会があり、運営委員会には消費者代表が入っており、評価委員会の独立性をいかに保つかに努力している。科学委員会は、メンバーは科学者だけであるが、公募で集めており、その際の審査は非常に厳しく、利害関係がないということや宣誓をして独立性を保つことにしている。
 フランスでは800件ほどのリスク評価をしているが、リクエストする主体は、管轄する3省と消費者団体とAFFSAだけであり、業界団体がストレートにリクエストすることはできず、消費者重視と感じた。
 リスク評価は、独立性、公開性、卓越性という3つのテーマでやっており、それぞれの国情によりなるほど独立性が保てると感じたが、日本で「食品安全庁」みたいなものを形だけつくっても、果たして独立性が保てるか十分議論する必要があるという印象を受けた。
・ 消費者保護の考え方が徹底されており、農業関係の役所の名前に、「環境」、「消費者保護」を冠したりして看板から変えている。日本で消費者優先の考え方が定着するには道が遠いと感じた。
・ トレーサビリティ、情報公開、リスク分析などが当たり前である。評価機関の独立性については、科学者の関与の仕方として、非常勤としてボランティア的にやっており、コストの削減に役立てているという感じを受けた。それだけ、科学者が信頼されているという裏打ちがあるからだと思う。
・ 予防原則、ゼロリスクがないということは当たり前である。また、最終的に消費者がコスト負担することも当たり前であり、効率的なシステムを作ることが大前提となっている。
・ 透明性、独立性、効率性を物差しにして、様々な組織を作っていることが伺えた。ただ、それぞれの国情にあった形でどのように行われるかということで、今あるシステムとの連続性もあり、どのように改革していくかはなかなか難しい。
・ 報告のとりまとめに向けたフリーディスカッションに入る。資料1の委員長メモについて事務局より読み上げさせる。
・ それでは、このメモについて、皆様のご意見をお伺いいたしたい。ご意見については、第一の論点は、三部構成となっているがそれでよろしいか。二番目は、この委員長メモについて、あくまでもたたき台であり、問題点や議事録に残す形で修正すべき点があればご発言いただきたい。三番目は、このスケルトンの内容について肉付けしていく具体的な内容などについて意見を交換したい。一番目、二番目の論議の後、休憩をとっていただいて、その後三番目を論議したい。
・ まず、三部構成にすることについてですが、第I部のこれまでの行政対応について、第II部のBSE問題にかかわる行政対応の問題点・改善点について、第III部の今後の食品安全行政のあり方について、多少、文言の修正はあるとして、大筋としての三部構成とすることについていかがか。
・ 三部構成については賛成。もっと、公民、国際交流、専門家、メディア、官僚との人事交流を進める必要があることを入れるべき。交流がないことが、この国におけるこの不幸の原因のひとつ。
・ 英語で「from farm to table」というような表現は3年前まで使ってはいるが、今では「from farm to fork」で、日本語の場合、「農場から食卓まで」ではなく「農場からハシまで」ということになる。また、農場から消費まで、消費から農場までと、二つ同時に繰り返すことでトレ−サビリティも分かってくるのではないか。
・ このことは2番目の議論で取り上げたい。まずは、三部構成でよろしいか。
・ 砂田委員の人事交流についてはどこに追加すればよいか。今後の問題として第III部にいれることとしてよろしいか。異存がなければ、議事録としてこの項目を入れていくこととする。
・ 異論がないようなので、報告書は三部構成とすることとしたい。
・ 三部構成について、この会議はBSE問題に関する調査検討委員会ではあるが、第I部でBSE問題に関する行政対応の検証、第II部で行政対応の問題点を取り上げるものの、第III部では、BSE問題のことだけに限るべきではないと理解。したがって、III部とI部、II部とギャップがあるような感じをなくすため、「人への健康被害を考えて、BSE問題を契機として、今後の行政を考える」という前文を入れる必要がある。
・ 単に畜産の衛生安全行政に関する問題だけではなくて、「食品衛生行政、食品安全行政全般の問題である」という記述が第II部の最後か、第III部の導入部分に記述してはどうか。
・ 同感。(食品安全行政)全般的な問題も重要である一方、食品の安全性に占めるBSEのウエイトは大きく、食の安全の中にBSEをきちんと取り組んでいく必要。他方、報告書があまり全般的になりすぎないよう配慮する必要がある。
・ 資料1(委員長メモ)の第III部の「4 その他の重要事項」に記載されている課題(1)〜(5)等について「上記3の検討機関において検討する。」とされているが組織の問題は検討機関にまかせてもよいが、前記課題は第III部の3の中での記述が可能なのではないか。
・ 同じく資料1(委員長メモ)の第I部の「4 変異型CJD感染防止のためにとられた一連の対策の評価(1991〜2000)」については、BSE発生後も対策がとられているので「1991〜2001」とすべき。
・ 教育の問題は重要。将来の後継者育成が必要。このため、特にBSE問題も含めた「教育システムの充実」についても盛り込んだ方がよい。
・ ここまでの意見を再確認すると報告書全般の流れとして第I部はこれまでのBSE問題に対する行政対応の検証を中心に、第II部については行政対応の問題点・改善点をやや幅広に記述。第III部は食品行政全般についてそのあり方を記述する。また、「我々はBSEから出発して食品安全行政全般に対してこの報告書を書いた。」というような前文を作ること、第II部の最後と第III部の始めにつなぎの文をいれる形で進めたい。
・ BSEは大変な問題だが、それ以外に大変な問題がある。自分の専門の0−157をBSEに置き換えても全く同じ。そういう観点から、第III部の「4 その他の重要事項」のうち(1)BSE・変異型CJDに関する研究体制の整備、これだけが重要という印象をもたれるおそれ。今後の研究体制等(国の予算配分も含め)が、BSEに突出することを懸念。
・ 一方BSE、変異型CJDは科学的に不確定な要素があまりにも多い。そういう研究は今後も必要。それを強調しなければII、IIIにつながらない。BSEだけが重要という意味ではなく配慮も必要だが、BSEの重要性はここでは強調すべき。
・ 第III部3(1)において食品安全基本法等について記述しているが、ここの部分に0−157等についても触れることが可能なのではないか。
・ この件については「報告書」という形をみて意見を出したい。
・ 関連するが、第III部の導入部分(前書き)でいきなり「食品の安全性に関する基本原則の確立」の記載になっているが、流れとして第II部においてBSEを契機として行政対応の問題点・改善点を整理。
・ 第III部において食の安全性をめぐりダイオキシンや外因性内分泌撹乱物質(環境ホルモン)等の問題、これはBSEも含まれるがこうした新しい問題に行政対応がきちんとなされていない。食品の安全性に関する基本原則が改めて必要ということになるのではないか。
・ 同感。あくまで切り口がBSE。読みやすい報告書という観点からも(各章)のつながりは大切である。
・ ここで、(資料1)委員長メモの第III部4P、3(2)の部分について、「1年以内」という語が、検討機関を設立するにかかるののか、工程表を策定するにかかるのかが、はっきりしないので、文言を変えた方がよいと思っている。この調査検討委員会と同じことをやるような検討機関を作っても意味がなく、時間的に無駄であるので、「1年以内」の箇所を訂正したい。すなわち、第III部3(2)は「(前略)・・・ビルトインするため、新たな組織体制の構築」で止めて行を替え、以下の文を、「を図ることとし、政府においては、国民合意のもと、早急に成案を得て、必要な措置を講ずること。」と修文してはどうか。
・ 今の委員長の提案では、新たな組織をつくるという報告にはならないということになる。このことについては時間がかかっても議論すべき。
・ 委員長の提案に賛成。「検討する」という文言は役所では「やめます」という意味とも解されるので「すべきである」という表現にするべき。
・ 委員長提案に賛成。1年以内という印象がまどろっこしい。
・ 今の意見を踏まえ、以下のように修正したい。
 「3 1および2の実現のため、基本法ならびに新組織体制構築等・・・考え方を踏まえ、
 (1)略
 (2)・・・ビルトインするため、新たな組織体制の構築
 を図ることとし、政府においては、国民合意のもと、早急に成案を得て、必要な措置を講ずること。」
・ 連動して、3のタイトルの「検討機関の設置」並びに4の下から2行目の「検討機関において検討する」を削除し、修文する。
・ 新組織について具体的な提案はしないということか。
・ そのことについては3番目の各論で議論したい。次に起草委員を指名したいがよろしいか(異議なしの声)。それでは第I部は山内委員、第II部は岩渕委員、第III部は日和佐委員にお願いしたい。なお、自分は総括的な立場から草案作成に参画したい。ここで暫時休憩としたい。再開は3:30PM。
・ 報告書要旨作成に向けて、織り込むべき内容について、意見交換をしたい。第I部、第II部、第III部に分けて論議したい。まず、第I部の起草委員から発言して頂きたい。
・ 第I部は具体的な事実を再確認した上でまとめていきたい。そのために、事務局に対し事実関係の問合せをすることもある。その場合、事務局を通じて文書で回答願いたい。今までの議論で整理されてきているが、新しい事実が出るかもしれず、項目の追加もある。
・ 86年から91年、特に91年頃のデータがあまりない。96年も重要であるが、それまでに汚染された飼料が入っている。これらの危険性の方が高いのではないか。
・ 餌としての肉骨粉に注目が集まっているが、肉骨粉は有機肥料にも利用される。この認識をどこに入れるか分からないが。
・ BSE牛について、飼育者等は肉骨粉を食べさせてはいないと言っているが、5年前の配合飼料の成分は分からない。BSEの潜伏期間が5年間であるのに、配合飼料メーカーは資料の保存義務が2年間しかないことが問題である。仮にトレーサビリティを実施して、牛に耳標をつけても、これではどのような飼料が給与されたかのわからない。
・ 飼料の交差汚染につながる問題。農家自体が飼料に肉骨粉が入っているか知らないこともある。汚染の可能性について、いろいろあったという事実を示し、行政対応がどうであったかを評価。飼料会社の実態も整理すべき。
・ 昔、飼料会社に飼料の成分を聞いたが、教えてくれなかった。この当時、配合飼料の透明性はなかった。BSEが発生して配合飼料の透明性が上がった。今後とも、配合飼料の透明性を確保すべき。
・ 90年頃、飼料に成分表示として肉骨粉が含まれているものについて、「肉骨粉」と明確に表示されていたのか。わかりにくい表示になっていたのではないか。
・ 法的に担保されていたのか。偽装はなかったのか。違反の場合、どの程度の罰則があったのか。
・ BSEの発生原因として肉骨粉以外のもの、人工乳及びサプリメントについて、あまり検証されていないでのはないか
・ アメリカで作成された(BSEの)危機管理マニュアルの内容を第I部か第II部に入れるのか検討頂きたい。
・ 現在、英国もEUもBSEの感染源は肉骨粉であるとしており、人工乳及びサプリメントは原因ではない。あくまでも肉骨粉の交差汚染によるものである。
・ アメリカの危機管理マニュアルについて、米国の対応を対比させることは可能だが、マニュアルを報告書に盛り込めるかは自信がない。
・ 第II部について起草委員から御発言願いたい。
・ アメリカの危機管理マニュアルが入手できないか。
・ 第II部は、第I部を受けて縦糸と横糸ということで第III部に橋渡しするという役割。それほど多くの言葉は要しないのではないか。
・ 3の政策決定の不透明性において、「政策のサーベイランス機能弱体」は政治のあり方として、政治が適切に動いていたのかということ。5の専門家の意見の適切な反映の欠如において、「科学への信頼不足と科学者の沈黙」は科学者を大切にしなかったことのみではなく、科学者の方からももっと働きかけがあってもよかったということ。6の情報公開と消費者理解の不徹底において、「マスコミ報道の偏りと消費者の自覚不足」は、消費者の自覚不足については食育が欠落している問題。また、この場でもあったように、マスコミ報道への様々な批判。7の法律と制度の問題について、「環境の変化に対応する制度改革の必要性」は、単にBSE問題だけにせず食品衛生全体の問題として捉えようと考えている。
・ 7の法律と制度の問題には、物流の国際化の時代に日本にない病気が入ってくるという問題についても盛り込むべき。
・ 「科学者の沈黙」については、科学者と行政の相互関係の問題。行政は科学的判断を尊重していなかった。科学者は社会的影響がどのようになるのかつかめていなかったことは事実。科学と行政のあり方の問題が問われている。
・ 「経済効率最優先の陥穽」については、2つの視点が重要であると考える。1つが工業化した畜産の問題、もう1つが一連の検査制度を効率化しようとして、弊害をもたらしたこと。また、過度の風評被害を警戒したのは、生産者保護の重視のためであったこと。
・ フードシステム学会に成熟度があれば政府に提案もできたと思うが、それができなかったことについては、「科学者の沈黙」という反省もある。
・ 5の中の「リスク分析の欠落」、「EUの科学委員会との連絡の不徹底」には、我が国としてもグローバルスタンダードの認識をもつべきであったことを盛り込むべき。
・ 現場の技術指導を行う専門家が生産者に対し、乳量を増加させる目的で肉骨粉を推奨していたと聞いている。生産者が肉骨粉を使用するのは、消費者が乳脂肪の高いものなどを求めた結果であり、消費者にも責任があるとの報道があった。これらの事実関係を確認したい。
・ 技術指導で肉骨粉の給与を推奨していたのか。国あるいは国以外の研究者、あるいはその他団体が推奨していたのか情報があれば教えて欲しい。
・ 報告書に記載するかどうかは別であるが、肉骨粉使用の背景としてレンダリングからは油と肉骨粉がとれるが、第2次世界大戦の頃、アメリカにおいて油の価格が下がりレンダリング業界で対応策を検討したところ、肉骨粉が牛の飼料として有効であることがわかり、それをきっかけにレンダリング業界の収益が3倍になったという資料がある。それが根底となって近代畜産の中で肉骨粉の使用が世界の流れとなり、その中に日本も含まれていた。以上情報。なお、自分も現場では飼料メーカーが肉骨粉の使用を農家に勧めているという話を良く聞いているので、メーカーサイドからそうした指導があったのは事実と聞いている。
・ 行政指導の問題点についても記載するべき。いい面、悪い面双方あるが、今回は行政指導が現場で徹底されていなかった問題。また表示の問題であるが、当初、期限表示、製造年月日を併記して良いということであったが法律施行後の指導で期限表示に統一することが望ましいという指導があり、その後製造年月日の表示が任意となり結果として消えた事例もある。これは第II部の制度の問題での話になるかと思う。
・ 第III部について起草委員から御発言願いたい。
・ スケルトンを基本として少し整理した方がよい。前文について食品安全行政、「安全」でいいのか確認したい。構成としては食品を巡る情勢について触れ、BSE問題を契機に食品衛生行政全般の改革の必要性が生じているという流れにしたい。
・ 予防原則はリスク分析の中に入れた方がよいのではないか。リスク管理については、リスクとベネフィットを考える場合社会的評価とか有用性の議論が必要でそれはリスク管理のところに付加すべき。リスクコミニュケーションについては情報提供がうまくいかなかったのが問題であり、情報収集とそれをわかりやすく伝える専門部局(的なもの)が必要ではないか。
・ 「覚え書」交換については、ここまで具体的に書いてよいか検討する必要。
・ 「4 その他の重要事項」については「2(4)」のところでこのような問題もあるという入れ方もあるのではないか。3のところでそれまで書いた事項も含めて考えてほしいという書き方がよいのではないか。
・ 最後に委員長修正の3(2)の部分であるが「国民的合意」等あまり曖昧な文章にしないで独立した機関とか、今後具体的に取り組むべき筋道を記述したらどうか。
・ 情報提供の件、EUでは専門の報道官が外部の取材等一元的に対応しているとのこと。また、3(2)新たな組織の構築については突っ込んで議論して欲しい。関連して竹田委員から提案のあった内閣府の「総合科学技術会議」について事務局から説明願いたい。
・ 第III部については、BSEを入り口にして食の安全を考えるということは委員の合意がなされているが、食の安全は健康被害とリンクしたものであるという合意があるのかはっきりしていない。健康被害を起こす食の安全ということであれば、これは食品媒介感染症の対策であり、食品安全よりも感染症を表に出さない限り全体の把握ができない。BSEだけでなく、O−157、ボツリヌス菌、腸炎ビブリオ感染症など、全ての食品媒介感染症対策を位置づけて、第III部を書いていただきたい。
・ (第2次委員長メモの第III部にある)「家畜飼料を含めた『農場から食卓』まで」、「トレーサビリティ・システム」などはあまりにもBSEや牛を意識したものであり、第III部を食品安全行政、食品媒介感染症対策ということで書くとすると、こうしたものは第I部、第II部で扱って欲しい。
・ コーデックスアリメンタリウスに模範を持ったときに、方法論だけは学ぶ必要があるかもしれないが、その結果としては日本独自のものでよいと考える。
・ 総合科学技術会議の特徴は、常任委員がいること、大臣以外に官が入っていないことである。リスク分析は官に任せるのではなく、こうした会議で大綱を作ることによって食の安全、感染症対策ができるのではないか。
・ 第III部は、BSEと離れて、たいへん遅れている食品媒介感染症対策の大綱のできる組織、まさに独立した組織を作るということを提案したい。
・ 独立したリスクアセスメントの組織を作ることは賛成である。ただ、食品媒介感染症も重要であるが、食品による病気を幅広くどこまで広げるのかという問題がある。BSEに重点を置くべきであり、またBSEは、特殊であり、科学的にわからないことも多い病気なので、O−157、ボツリヌス菌などと同格に議論できるものではない。
・ どこに視点を当てるのかという問題であり、人が死ぬということに視点を当てるのではないかと考えている。O−157も、なぜ人が死ぬかは全くわかっておらず、しかも原因は牛から来ているので、BSEと同格でないということには異論がある。
・ O−157は家畜伝染予防法で取り上げるなどの行政対応が解決のための手段と考えられる。BSEでは、安全対策はできてきたけれども、その前段階の病原体の知識などは全くわかっていない。一方、O−157は病原体の基礎知識という意味での前段階はかなりわかっており、出口のところでの行政対応を必要としている点で同格ではないという意味である。
・ BSEも O−157も感染経路がよくわかっておらず、感染経路の同定という点では同じに扱ってもいいのではないか。
・ 食べるというリスクはフォークを持つ人、お箸を持つ人が負うわけであり、そういった人のリスクをどのように削減するかとの分析が重要であり、そのような人に焦点を当てるべきである。この第III部では、安全情報がなぜ安心情報になっていないかという問題があることを認識すべきである。
・ 食べ物だけでなく全てに共通するが、リスクがあること、自己責任があることも書き加えるべきである。
・ 第III部はBSEから発生した一般論への展開ということでないと問題が拡散し焦点がぼけるのではないか。竹田委員の御指摘は、この報告の中で補論的に取り上げてはいかがか。重要な点なので盛り込みたいと考えるが、全体のトーンとしては、BSEを入り口に食品安全行政に広げるべきと考える。
・ BSEを切り口として広げるということは各委員合意されているが、中心はBSEとすべきである。BSEは世界的に問題があることから、BSEを中心としてきちんとした体制を作らなければいけない。そうした体制は他のものにも対応できるのではないかと考える。例えばリスク評価がそうであり、組織についても同じである。
・ BSEをきっかけとして、食品安全行政に対する不信感が国民全般に広がったため、行政がどういうことになっていたのかということでこの委員会が設置されたものであるが、調査した結果、全般的な行政の問題が浮上してきた。その問題を解決するためにはどのような食品安全行政にすべきかという考え方を書くのがこの第III部である。確かに感染症の問題も入るが、それだけということになれば、国民の関心から離れた記述になる。私たちは社会が何を求めるかにきちんと回答する役目があり、そういった意味ではこの委員長メモを柱にすべきである。
・ スケルトンはきちっとしているが、この委員会は後始末をしているのではないかといった感じがする。BSEは今までも発生したが、今後も発生すると考えられるのだから、BSEは今後も発生する可能性があるという専門家の意見を踏まえて、BSEは現在進行中であることを盛り込むべきである。
・ 今の意見賛成。進行中で、長い戦いになるということを国民に覚悟してもらうということを当然入れて欲しい。また、第III部では危機管理体制の整備についても紹介する必要である。
・ なお、日和佐委員が言われた行政指導に関し、正確性を担保するため、表示問題についての資料をいただきたい。
・ 当初から、BSEから入り、食品の安全について議論する場合に、色々な要素があるので全部は議論できないだろうが、食品全体について書くときはどうすればよいかと思っていた。なお、ここで、もう一度、この委員会の目的について確認しておきたい。
・ 「今後の畜産・食品衛生行政のあり方について」において、この報告書では、「今後の畜産」については、全部落ちてしまっている。畜産行政をこのメンバーでどうしていくのか。
・ その点については、(この委員会では)行政全体については対応できないだろうということも考え、BSEに関する畜産行政と限定して報告書をまとめるということで、みなさんのご理解をいただきたい。
・ 教育の問題について、砂田委員が言われている食育の必要性について、幼児の時からだけではなく、大人も対象にするという考えで肉付けをしたほうが良い。
・ 大学生らの疑問は、日本でBSEは今後も発生するか、アメリカ、オーストラリアの肉は安全か、BSEは発生するのですかといったもの。このことについては、専門家がディスカッションして結論を出していく必要がある。また、農林水産大臣が牛肉を食べたり、厚生労働大臣がかいわれを食べるのは評判が悪い。
・ 日本は、BSE問題に対する質問への対応はバラバラである。これに答えられる厚生労働省の研究会、農林水産省の委員会とかの専門家が集まって組織をつくることが大切であり、作ることは今でも可能であると考えている。その例としては、英国の海綿状脳症諮問委員会がある。
・ それら委員会、研究会の結論は権威があって、「科学技術総合会議」のようなものでないといけない。
・ 組織問題については次回もう少し議論したい。ただ、総合科学技術会議の場合、リスクアセスメントとリスクマネージメントの連携がどうなるのか考える必要。
・ 第I部、第II部、第III部のタイトルについて、第II部は、BSEという頭がついているので、その他の部も、BSE問題をこうしたという表現にしてはどうか。
・ 私は反対。
・ 本日の議論はこれまでとし、各委員の意見を踏まえて起草していただきたい。

4.次回の日程

 今後の委員会の開催日程については、3月22日金曜日の午後2時から農林水産省にて開催。更に、4月2日火曜日、農林水産省において、第10回、これが最後となろうかと思うが、そういうことで進めていきたい。

以上

(照会先:食品保健部企画課、内線2445.2450)


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