02/01/30 第5回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会      議事録           第5回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後              のあり方と実施に関する検討会                  議 事 録           厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課  第5回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会議事次第         日 時:平成14年1月30日(水) 13:30〜15:55         場 所:経済産業省別館10階1020会議室                1 開  会                2 議  事                  (1)団体からの意見発表                  (2)団体への質疑応答                  (3)その他                3 閉  会 ○宮本補佐  傍聴の皆様にお知らせいたします。  傍聴に当たりましては、既にお配りしております注意事項をお守りくださいまして傍 聴いただきますようにお願いいたします。  それでは、座長、よろしくお願いいたします。 ○鴨下座長  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第5回の小児慢性特定疾患治療研究 事業の今後のあり方と実施に関する検討会を開催いたします。  まず、最初に、委員の出席状況につきまして、事務局から報告していただきます。 ○宮本補佐  本日は、神谷委員、高松委員、山本委員、雪下委員が欠席ということでお知らせをい ただいております。それから、山城委員と柳澤委員については、遅れていらっし ゃるということでございます。 ○鴨下座長  それでは、本題に入ります前に、本日の配付資料の確認をやはり事務局からお願いい たします。 ○宮本補佐  本日お配りしておりますものは1冊にとじました太目の資料と、それから、追加で数 枚にわたります資料をお配りしております。 本日の議事次第、委員会の名簿、それか ら、本日お呼びをしております関係団体の皆様の氏名及び所属、それから、各団体にお 送りしました質問票、それから、各団体からの御意見、最後にヒアリングの日程となっ ております。  本日、御出席いただいております団体、それから、次回ヒアリングいたします団体に つきましては、一番最後の57ページに一覧となっておりますが、こちらは患者団体はた くさんあるわけでございますが、時間が限られておりますので、その中から患者さんの 数、それから、疾患としての代表性等をかんがみまして、小林委員と相談して決めたも のでございます。  それから、質問票の方は、前回の検討会で基本的な案というものを示しておりました が、それに加えまして委員の方からいただきました意見を加味いたしまして、わかりや すく表現を直した上で各団体の方へお送りしたものでございます。  以上です。 ○鴨下座長  それでは、本日は6つの患者団体の方々からヒアリングを行うことになっておりま す。  まず、最初に、各団体から15分お話をいただきまして、その後、委員から質問をさせ ていただくということにいたします。本日、検討会として議論するというよりは、でき るだけ患者団体の方々からの御意見をいただくということで進めたいと思いますので、 この点は、委員の方々もよく御理解いただきたいと思います。  ヒアリングの間の進行につきましては、事務局にお願いします。よろしいでしょう か。 ○宮本補佐  それでは、本日の進行を簡単に説明させていただきます。  御出席いただいています6つの団体、これは5ページ目に一覧で紹介しておりますけ れども、こちらの団体を上から順番に前のテーブルの方にお進みいただきまして、15分 間御説明をいただきたいと思います。それが終わりましたら、一度、今、座っていただ いております席の方へお戻りいただきます。続いて、次の順番に移っていくということ でありますが、発表いただきました時間が15分に近くなりますと、私の方から御案内さ せていただきますので、よろしくお願いいたします。  最後、6つの団体が終わりました後、質疑を行います。場所が限られておりますの で、各団体から1人ずつ前の方へお越しいただきまして、こちらの方に対しまして委員 の皆様から御質問をいただいてお答えいただくというようにしたいと思います。お残り になりました方についてもお答えいただいて結構ということでお願いいたします。  ただし、既に申し上げましたように、傍聴席からの御発言というのは御遠慮願いたい というふうに思います。  それでは、表の順番に従いまして、財団法人がんの子供を守る会からお願いいたしま す。よろしくお願いいたします。 ○がんの子供を守る会(後藤常務理事)  財団法人のがんの子供を守る会でございます。私は、事務局長の後藤と申します。  今日、出席しておりますのは、理事のソーシャルワーカーの近藤でございます。それ と、ソーシャルワーカーの池田が出席しております。  回答の方につきましては、時間の関係がありますので、近藤の方から説明させていた だきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  がんの子供を守る会でソーシャルワーカーをしております近藤と申します。どうぞよ ろしくお願いいたします。  がんの子供を守る会のことにつきまして、中入れになっております用紙にまとめてま いりましたので、それを見ていただければというふうに思います。  がんの子供を守る会は、34年前に小児がんで子どもを亡くした親たちによって、この 病気が治る病気になってほしいというふうなことでつくられましたので、治療研究とい うふうなことに力を注いできました。その当時はほとんどの子どもが亡くなっていたん ですけれども、現在では60%から70%が治るようになってきたというふうに言われてお ります。このように、治るようになってきたということで、小児がんの状況もまた変 わってきたというふうにも言えるかと思います。  守る会の活動につきましては、書いておりますものを御参考にしていただきたいとい うふうに思いますけれども、私どもの会といたしましては、治療費に非常にお金が掛か るということで、まず、そこのことについてお話しさせていただきたいというふうに 思っております。  法制化するということで、法制化するに当たりましても、これまでどおり全額公費負 担になるということが望ましいというふうに私どもでは思うわけですけれども、法制化 するに当たって自己負担が避けられないというふうにも聞いておりますので、そうであ ればやむを得ないのではないかなというふうにも思いますが、その場合の自己負担額は 収入によって左右するものではなくて、一律の安価な定額制の方が、私どもの会の会員 さんの様子を見ていると、その方がいいかなというふうに思っております。  これは、小児がんにかかわることだけではなくて、子どもが病気になるというふうな ことが治療費以外の患者や家族の負担、経済的なものだけではなくてかなり大きなもの になるというのは、子どもが病気になるいというのはそういうことなんだろうというふ うに思うわけですけれども、まず、本来治療のために必要な経費、患者負担にはならな い病院もあれば、患者負担になる病院もあるといいますか、端的に言えば、公立の病院 では負担にならないものが、私立の病院になると負担になるというふうなことでありま すとか、付添いの状況によって違うとか、病院での状況によって家族の負担感、それか ら、経済的な負担も変わってきております。  私どもの方で治療研究に力を入れてきましたというふうに申し上げましたが、それと 同時に、昭和43年に会ができましてから現在に至るまで療養助成事業というのをしてお ります。それについて、少し説明をさせていただきたいというふうに思います。15ペー ジに、年度別の療養助成の状況というものがありますけれども、昭和43年設立からこの 助成をしておりまして、昭和43年から昭和46年までは一般と特別というふうに分けてお りませんで、一律5万円ということで、申請をすれば小児がんであれば援助を受けられ たというふうなことでありました。昭和47年から、一般療養助成というものと特別療養 助成に分かれました。そして、一般の方は所得制限のある助成で、特別の方は所得制限 はないんですけれども、平成12年度までの今までの当会で助成した助成額の表が15ペー ジになります。平成12年度の助成について具体的に見ていただきまして、小児がんの家 族がどういうふうな状況かということを説明させていただければというふうに思いま す。  この15ページの表を見ていただきましても、一時的にはとてもたくさんの助成をでき ていた年度もあったんですが、だんだんと私どもの財源も枯渇してまいりまして、だん だんと助成ができなくなってきていたんですけれども、近年申請する件数が多くなった といいますか、母子家庭が多くなったり、リストラされているというふうな家庭の申請 が多くなりまして、平成12年ごろから、また少しここのところに予算をつけるように なってきています。  次の16ページと17ページが、平成12年度の特別療養助成の申請内容の集計表になって おります。この集計表につきましては、特別に個人を特定できるような表ではないんで すけれども、これを別のところで、例えばホームページとかにアップしていただかない ようにお願いしたいと思います。  平成12年度の特別療養助成の申請内容の集計表を見ていただきますと、一番上の欄に 平均と計と書いてありますが、差額ベッド代というところがありまして、これ全部で一 番左のところに1番から49番まで番号が振ってありますけれども、平成12年度には49件 の助成をしております。これは、大体3か月から6か月ぐらいの経費、費用になってお りますが、差額ベッド代は申請49件中28件ありまして、58%を占めております。1日の 平均を出しますと、これは機械的な平均になるわけですけれども、8,251円。平均期間は 31日で、合計は25万5,440円というふうになっています。  次に、滞在費用というところがありますが、遠隔地から治療に来る場合、小児がんの 専門医を求めて遠隔地から宿泊施設を使ったり、あるいは町のホテルや旅館を使った り、あるいは病院に泊り込んだりして遠隔地から治療にいらっしゃる場合があるわけで すけれども、平成12年度につきましては、49件中8件で16%を占めまして、1日の滞在 費用の平均は7,025円、平均期間は75日で、合計ではそこに書いておりますように52万5, 997円となっています。  次に、付添費につきましてですが、付添費は49件中24件で49%を占め、この付添費が 何を言うかというのはとても難しい。ここに申請しているもので私どもは書いておりま すけれども、1日平均は2,133円。それから、平均期間は156日、やはり付添い期間が長 いんだなというふうに思います。合計が33万1,682円というふうになっています。  やはり差額ベッド代でありますとか、遠隔地から滞在、宿泊して治療を受けなければ ならないというようなことが起きてきますとか、それから、長い入院生活の間、主にこ れは母親になるわけですけれども、母親がずっと付添いを好んでするというのではなく て、要請されて付き添わなければならないという、子どもが小さい場合が多いこともあ りまして、そういうことが起きてきています。関東周辺の病院では、基準看護で面会だ けというところも多いんですけれども、地方の大学病院はまだほとんどが付添いを要請 されて、親が同じベッドに寝たり、ベッドの下で寝たりというふうなことが行われてい ます。  その他のところに、差額ベッド代と滞在費用と付添い以外でどういうことが申請され ているかというふうなことで挙げておきました。骨髄バンクの登録費用でありますと か、コーディネートの費用でありますとか、臍帯血の提供費でありますとか、特殊な検 査費用、保険の掛からないお薬、クリーンルームに入るときの雑費、かつら、義眼、交 通費などが挙げられておりました。患者が子どもでありますので、保険の掛からないお 薬があるんだけれどもどうかというふうに言われて、結構ですというふうにやはり親は 言わないわけで、そこのところでどうしてもそういう保険以外の費用が掛かっているよ うに思われます。あとは、これを御参照いただければと思います。  それと、全体で平成12年度の申請額の合計金額は、このページの摘要の一番上に書い てありますけれども、3,225万7,430円の申請が出されました。平均にしますと、150万円 幾らというふうになっています。それに対して、当会が助成した合計は幾らかというと 487万2,000円で、本当に微々たるものしか助成することはできていないんですが、その 平均額としては9万500円。あるいは、オオスミユリコ基金という別の基金を寄附があり まして設けておりますが、それは5件だけですけれども、母子家庭だとかそういうとこ ろに多く援助が行っているんですが、17万8,000円ぐらいとなっています。  それと、49件の中の7件が母子家庭で、全体の14%を占めておりました。  それと、一般療養助成の説明ができなかったんですが、一般療養助成というのが年収 400万円以下の家庭が対象になっておりますけれども、この49件の申請している申請者の うちで29件は一般療養助成の申請もしておりましたので、年収が400万円以下の家庭だと いうふうなことになります。  もう時間がまいりましたので急いで申し上げたいと思うんですが、やはり小児がんの 場合も医学が発達はしきたんですけれども、20歳を超えてからも医療が必要な、60%か ら70%が治るようになってきたんですが、二次がんでありますとか、晩期障害でありま すとか、元の疾患の小児がんは治っても、20歳を超えてもそういう重篤な症状で医療か ら離れられない人がいる。治療費が依然として掛かるけれども、20歳のところを境目に 打ち切られてしまうということでありますとか、特別児童扶養手当が自治体によったり 窓口の係りの人によって受けている人もいるんですけれども、小児がんでは受けられな いということで、そこのところにむらがあって、受けられるようになればいいのにとい うふうな事例に関しても自治体によっては受けられないということがあります。  それから、先ほどよくなってきたというふうに言いましたけれども、晩期障害などで ほかの病気になる方、それから、ずっと在宅していて働けなくて、それでいて障害程度 等級表に当たらなかったり、障害が固定されなかったりして障害認定をされるには至ら ないで、しかも、家にいて働けないでいて親の世話になっているというふうな方が、そ れだけ治って大きくなってきていらっしゃるということなんですけれども、ぼつぼつ見 られるようになりました。病気の子どもたちというか、病気で大きくなった人たちの自 立支援施設というものが必要になってきているんだなというふうに最近は痛感しており ます。  時間が過ぎて申し訳ありません、以上です。 ○宮本補佐  申し遅れましたけれども、14ページ目の資料ですが、薄い方の冊子をお配りしていま す。こちらの資料に差し替えていただきまして、それから、それ以降数枚ついておりま すが、そちらは追加の資料ということでいただいております。  どうもありがとうございました。  それでは、続きまして、全国心臓病の子どもを守る会にお願いします。資料は23ペー ジからになっております。 ○全国心臓病の子どもを守る会(斉藤会長)  全国心臓病の子どもを守る会の会長をしております斉藤と申します。隣におりますの は、副会長をしております山口と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、座って失礼いたします。  私どもが回答をいたしましたページのところを参考にしていただきながら、お聞きい ただきたいと思っておりますが、まず、私どもの会の紹介をごく簡単にさせていただき たいと思います。現在、会員数が世帯単位ですが、約6,000世帯に近づいてまいりまし た。少子化の中でも少しずつ少しずつ会員が増えてきているということは、こういう病 気に対する会のニーズが高まってきたのかなと思っておりますのと、医学の発達より非 常に重症なお子さんが増えてまいりました。今までですと、心房中核欠損、心室中核欠 損という形が大半だったんですが、現在でも多いのには変わりはないんですけれども、 お誕生まで生きられなかったというお子さんが20歳を迎えたとか、3か月が勝負ですよ と言われたお子さんが学校に行くようになったという中で、やはり随分、医療体制への 要求が変わってきております。20歳になっても、まだ一度も走ったことがない、やっと 歩くだけ。それでも医療のお陰で、手術もできないが、成長して、今そこそこの生活で すけれども立派にやっているお子さんもいます。そういう意味で、通院の治療に対する 補助というものが私どもはとても必要だというふうに思っているところでございます。  その関係の中からなんですけれども、心臓病と一口に申しましても、重症な方の中に は重複障害の方が出てきております。ダウンは従来から知られているんですが、キャッ チ22とか染色体の一部がちょっと欠損しているとか、耳の方の奇形とか、さまざまな合 併症を伴っている心臓病です。そういう子どもは、小児慢性特定疾患の医療費は、残念 ながら使える部分が制限されております。それは今までの制度ですからそうなんです が、1つの病院に行って心臓のところの小児科あるいは循環器科だけで済むようなもの ではなくて、眼科へ行ったり耳鼻科へ行ったり、そういう形の中である意味で生き長ら えてきた、そういう子どもたちをとても多く抱えております。私どもは、その子どもた ちがどうしていけるかというところが、今とても緊急な課題で注目をしているところで す。  内科的な治療が発達してきておりますと、当初この小児慢性特定疾患の事業ができた ときは、1か月入院というのも結構あったのだと思います。ですが、今1か月以上入院 をするいうことは本当に乳幼児期、特別なケースを除いてはごく希になってきておりま す。大半は10日間、1週間を繰り返し入院しているからです。家庭に戻った方がいいと いう御判断もあってだと思うんですが、医療がそれだけ濃厚に短期間でできるように なったということがあるかと思います。そういう意味で、1か月以上の入院が対象に なっているというのは、非常私どもとしてはせっかある制度なのに使えなくて残念だと いう思いがいたしております。  ただ、先生方も御存じだと思いますけれども、東京都を初めといたしまして、この小 児慢性特定疾患の医療費の助成の部分をベースにしながら、各自治体で上乗せをしてい ただいております。通院を認められているというのも約3分の1ぐらいの都道府県に なっておりますし、市独自で乳幼児の医療費助成の枠と別にやっているところもありま す。そういう意味で非常に助かっているのがあるんですが、この制度が一部負担金とい う形で負担が導入されますと、自治体の制度にもすごく影響があるなということを思っ ておりまして、私どもとしては非常に慎重な対応を会員の中で考えているところでござ います。  もう一点は、難病とか小児慢性の特定疾患の疾病につきましては、非常に対象者が少 ないということで専門病院が少ないです。心臓外科につきましても、特にこのごろ小児 科医が少なくなったという背景の中で、小児循環器外科あるいは小児循環器内科が非常 に少ないです。ちょっと悲しい話でしたけれども、12月に東京女子医大の事件が起こり ました。なぜ群馬の子どもが女子医大で手術を受けなくてはいけないのか。こういう背 景がやはり信頼できる病院の数の問題、専門医の少なさから来ているのかなと思ってお ります。群馬はそれなりの病院はありますけれども、それでもより信頼できる1つの病 院を求めて親は遠隔地で手術をします。手術をしますと、当然ケアをその病院でいたし ます。私どもの調査の中では三重県の方から、以前資料を提出させていただきましたけ れども、阪大あるいは国循の方に治療に参ります。そういたしますと、1日掛かり、2 日掛かりで、医療費もさることながら、その周辺部分が物すごく掛かります。だから、 せめて医療費ぐらいはというふうに思っております。私どもは、子どもの病気につきま しては被爆者とか戦争でいろいろな障害を受けた方と同じように、本人には責任がない ものだというふうに思っておりますし、国で、あるいは社会でみんなが守るべき次世代 の命をつなぐという意味で非常に大事だと思っておりますので、是非これと同じような 考え方をベースには持っていただきたいというふうに思っております。例えば、生活習 慣病ですと御本人の責任が少しあるかなというふうに思いますし、また、交通事故に 至っても、若干は御本人の責任があるかと思います。ですが、先天性の疾患については 全くないということの中では、被爆者や戦争で障害を受けた方と私は同じように扱って いただきいたという思いでいっぱいでございます。  それでは、回答書のところに戻りまして、早口ですがお答えさせていただきたいと思 います。  私どもの要求として掲げましたけれども、対象者の在り方についてというのは、現 在、御説明したとおりでございます。ただ、現在の事業に含まれていない新しい疾患に つきましても、是非ほかの団体の御意見をお聞きになった上でやっていただくと、私ど もとしてもうれしいなと思っております。  先ほど来申し上げました1か月以上の入院につきましては、是非、通院も認めていた だくように考え直して、御検討いただきたいと思っております。  それから、私どもは先天性疾患の子どもが多いものですから、小児科にかかります。 その後も、ずっと20歳を超えても小児科というところが大半です。それは、重症で20歳 になったり25歳になったりする子が増えたということですので、継続した支援を行うと いう考え方を持っておりまして、対象者の在り方については、こういうところを是非加 味していただいて年金の引き上げを御検討いただければと思っております。  自己負担につきましてですけれども、当初はお約束の中で事務局の方から自己負担に よりどのくらいのサービスができるかという案をお出しいただけるようなお話がありま した。ですから、会全体の討議といたしましても、案が示されないとなかなか回答でき ません。案が示されれば本当に定額でいいのかという議論も是非したいと思いますの で、早急に案の方が提出されればいいなというふうに思っております。  その他の福祉サービスの在り方につきましては、先ほど来申し上げました非常に通院 に費用が掛かる、宿泊をしながらの通院あるいは宿泊を親御さんの方でしながら内科的 な治療を受けさせて入院させているケースもありますので、日常生活に必要な部分のと ころにつきましても、是非、御検討いただきたいと思います。  4番目の登録データの解析について。実は、今から20年ぐらい前ですが、私どもの会 として独自に自分たちの費用でこの解析を行いたいという思いが会員の中から出まし た。というのは、私自身も親で子どもが心臓病ですので、原因を知るということは自分 に振り返ってくるような気がして非常につらい部分はあったんですが、今後生まれてく る子どもたちのためにも是非原因を知りたいということで、当時100万円ぐらいのお金を 集めまして大学に委託した経緯がございます。ですが、その当時は非常に難しくて原因 究明ができませんでした。この登録データの解析につきましては、国を挙げての取り組 みですので、是非、原因究明をやっていただきたいと思っております。ただ、それにつ きましては、プライバシーの問題等ありますので、同意を必ずとってくださっていると いうふうに思いますから、更にデータを提供しない人につきましても丁寧に説明する中 で、もっともっと症例を集めていただいて、すばらしい解析をしていただければと思い ます。そのためには、私どもも是非協力をさせていただきたいと思っております。  最後のその他なんですけれども、やはり難病や慢性疾患を持ちながら生活している患 者・家族というのは、共働きができないとか医療費や、それにまつわるものも含め経済 的な負担が多うございます。あわせて子どもたちのケアも含め、この会で御検討いただ ければと思っております。  以上でございます。 ○宮本補佐  ありがとうございました。  続きまして、全国腎炎・ネフローゼ児を守る会にお願いいたします。資料は25ページ からになっております。 ○全国腎炎・ネフローゼ児を守る会(小太刀会長)  全国腎炎・ネフローゼ児を守る会の会長の小太刀と申します。隣にいますのは、事務 局長の荒井です。よろしくお願いいたします。  では、座らせてもらいます。  まず、私たち腎炎・ネフローゼ児を守る会とは、御承知かと思いますけれども、腎 炎、慢性腎炎のお子様とネフローゼ症候群の子どもたちを持つ親として、我々結成する 前は、発病しますと高額な医療が掛かりまして、金の切れ目が命の切れ目というふうな 状況に置かれました。そのときに、我々の先輩方がいろいろ子どもを助けようという形 でもって運動を初め、また、昭和49年には小慢事業で医療費の公費負担も導入されまし たことは、我々こういうふうな病気を持つ親にとっては、本当に一筋の光が当たったと いう感じで大変ありがたく思っております。また、今回、小慢の見直しというふうな検 討委員会ですけれども、小児慢性特定疾患は10疾患ありますが、どのような疾患でも軽 重の差はないと思うんです。病気の子どもを持つ親の願いとしては、1日も早く治って もらいたい。また、仮に治らなくても幾らかでも程度がよくなればいいのかなというふ うな思いで毎日頑張っておりますので、ひとつその点はよろしくお願いいたします。  では、回答の方は事務局長の荒井の方から御報告いたします。 ○全国腎炎・ネフローゼ児を守る会(荒井事務局長)  事務局長の荒井でございます。よろしくお願いいたします。  冒頭に当たり、今回ヒアリングになるまでの簡単な経緯をちょっと私の方から述べさ せていただきますと、一昨年の11月に、この小慢事業はいわゆる国の補助事業なので、 法律に基づいた制度ではないので、財政難の折、平成13年度から10%ずつカットされる ということで、非常に危機感を持ちました。現在の小慢制度は30年も安定した制度で やってきて、非常にありがたい医療費の公費負担制度ですから、何とかこの制度を維持 していただきたい。しかし、補助制度ですから、今の財政難ではカットされざるを得な いという状況であれば、法制化することによりこの小慢事業を安定した事業にしていた だきたい。このような状況下で法制化を前提に、私たちはこの小慢事業に対して真剣に 会員とともに取り組み、また、他の疾病団体と協調して今日までやってきました。  まず26ページを見ていただくとその思いが述べられています。まず、対象者の在り方 については、2つの大きなお願いがあります。  1つは、今申しましたように、この制度は30年間安定して根付いて、病弱児にとっ て、家族にとって非常にありがたい制度だったわけです。また、最近の新聞に出ていま したが、厚生労働省の資料によると最近は少子化が著しいく、これでは今後人口が激変 してしまい、老人の年金を維持できないんだというような大変な危機感があります。子 どもを安心して育てるためには、こういう制度をより拡大しなければいけないという状 況の中で、(1)で書いてありますが、財政難という言うけれども、このような状況下で本 来はもっと予算を確保すべきで、対象者を軽重によって減らすとかそんな問題ではない んですよ。疾病の数もまだ難病に指定されない病気もありますし、もうちょっと増やす べきです。このような状況をよく理解していただきたいというのが1番目なんです。  2番目に関しては、私たちの腎ネフの会の本当の願いが出ているんですが、ちょっと これを読ませていただきます。(2)です。「しかし、症状の軽重により対象者を見直すの であれば寛解状態の概念について次のとおりお願いしたい」。これは、先ほど心臓病の 会長さんからもお話がありましたけれども、最近は1か月ぐらいで退院させることが、 子どものいわゆるQOLの向上にとって非常にいいことなので、なるべく早く退院させ ようという小児医療の流れがあるわけなんですが、そういう中で、また読んでいきます が「第4回目の検討会で、一委員から寛解状態について“頻度として高いネフローゼ症 候群についてはステロイドが効いて1か月の入院程度でほとんど寛解状態になるので小 慢から外したい”との発言がありました。慢性腎炎・ネフローゼ症候群は現在入院をさ せないのが一般的となり、入院しても在院日数もどんどん短縮しています。これは患児 をいち早く学校生活、家庭生活及び社会生活に復帰させるための配慮である。即ち、患 児のQOLの向上(治しながら育てる、学びながら治す、働きながら治す)に基本をお いています。しかし、患児は退院したとしても、腎ネフの場合は普通かなりの量のステ ロイド、副腎質ホルモンなんですが、ステロイドを服用している状態であり、顔はまだ ムーンフェース状態でかなり浮腫んでいます。また、薬の副作用による免疫能力の低 下、白内障、多毛、高血圧、糖尿病等を併発する危険性にさらされ、いつ再発するかも わかりません」。  線が引いてあるところ、ここは私たちの願いなんですが「腎炎・ネフローゼ症候群の 寛解の概念については薬が切れて再発しない状態を言い、再発を防ぐための薬を服用し ている状態は明らかに治療中であり寛解ではありません。すなわち、1カ月の入院程度 で寛解するのは稀であり、今まで通り初発段階で小慢の対象にして頂きたい。  また寛解の概念については同じ趣旨で小児腎臓学会から上記委員にメールでお願いし ている事実もあります」。「もし薬が切れない状態で治ったと考えられると、頻度とし て高い(ステロイドが効く)」、我々の腎ネフの場合はステロイドに効く腎ネフが多い んですが、「腎炎・ネフローゼ症候群の場合、小慢に指定されず家計はもとより学校教 育、就労の場等においても大きな負担を強いられることになります」。すなわち、初発 で薬を飲んだ状態で、まだあなたは難病ではない、小慢の対象ではないと言われてしま うと、例えば、学校に行ってもうちの子は運動できませんよとか、今こういう状態だか ら無理させられないんですよとか言っても、あなたは何の病気なんですか、実はこうい う病気なんですと言っても初発だと相手にされないわけです。では、薬を飲んだ状態が だらだらつづいた寛解だった場合、学校現場に行ってどう説明すればいいのか、また、 例えば高校生で就労のために就労場にいっても、私は腎炎・ネフローゼで薬を飲んでい て、薬が切れたら再発する可能性が強いが、小慢の対象ではない、と説明したらあなた は難病ではないでしょうと言われ、就労のすき間もできません。このような大きな負担 を強いられるわけですから、この寛解に関しては本当に慎重に考えていただきたいとい うことです。  また文章を読んでいきますが、今お伝えしたことなんですが「また、上記委員が言う 寛解状態で小慢の対象とならず経済的な負担により治療を断念してしまった場合、将来 腎機能を悪化させ結果的により大きな負担を背負わざるを得ません」。今申しましたよ うに、結果的に寛解だから小慢の対象にならないという場合は、はっきり言って低所得 者層は治療代を出せない場合もあるわけですよ。今までの日本は中流だったかもわかり ませんけれども、今ははっきり言って中流家庭というのはなくなってきていますから、 とんでもない話なので、その辺も理解していただきたいわけです。治療費が出せずに腎 機能を悪化させて腎不全になった場合は障害者ですから、年間400万円もお金が透析に掛 かるわけですから、その辺はいいかげんに寛解などと考えられたらとんでもないことだ ということです。  「これからの小慢事業の対象者については、上記のように寛解等の判断を加味した症 状の軽重、治療状況、家計の状況を様々な角度から慎重にかつ公平に判断し、難病者を 救う手立をお願いしたい」。  次、自己負担について、小太刀会長から。 ○全国腎炎・ネフローゼ児を守る会(小太刀会長)  自己負担についてですけれども、これは最初の話ですと、法制化に向けて法制化に なった場合は、他の法令と勘案して、どうしても自己負担が必要になるというふうな前 のお話がありました。我々はこの自己負担については、法制化という前提を考えておき ますと、他の法律にかんがみて我々自己負担は最低限受入れなくてはいけないのではな いかというふうな判断を持っております。それで、自己負担を入れる場合ですけれど も、これは今の家計状況から勘案しますと、大体定額制で2,000〜3,000円程度の額をお 願いしたいと思います。  それで、あと福祉的サービスですとか登録データですけれども、福祉サービスは小慢 全体を考えてみますと、今、難病患者居宅支援事業が18歳以上の対象者になっておりま すが、これはもう少し対象年齢を下げていただいて何らかの支援事業を起こっていただ きたいなと思っております。  登録データですけれども、これはやはり治療研究するに当たっては必要ではないかと 思います。ですけれども、このデータは出さないから受給者を云々というよりも、その 前になぜこの登録データが必要かということを給付する窓口の担当官に必要最小限のこ とはお伝えいただき、また、受給する我々保護者の方も納得した上でデータを提出する ような方法を考えていただければと思っております。  その他ですけれども、我々腎炎・ネフローゼだけではなくて他の疾病ですけれども、 20歳が来たら病気が治るという保証はどこにもありません。ですけれども、今の状況で すと20歳で大体切られてしまいます。今は、日本経済は大変厳しい状況で、親はリスト ラどうのこうのという、また、患者本人も就職したくても就職できないというふうな状 況がありますので、何らかの支援。幸か不幸か我々の会でも、慢性腎不全になりまして ハローワークに行きましたら、障害者手帳を持っているから就職できたというふうな状 況があります。難病患者の方は手帳、その他一切何も持っておりません。小慢の医療給 付証だけですので、何らかのサービスを考えていただければありがたいなと思っており ます。  我々は、毎年厚生労働省の方に行くんですけれども、次年度の小慢の予算はどうです かというふうに聞きに行くんです。これは要するに、予算が削られる、対象者が減るの ではないかという形ですので、是非、法制化の方をよく考えていただいて、我々小慢の 子どもを持つ親に安心した生活が送れるような制度をつくっていただきたいと思ってお ります。  以上です。 ○宮本補佐  ありがとうございました。  続きまして、ウイルソン病友の会にお願いいたします。資料は31ページからになって おります。 ○ウイルソン病友の会(小峰会長)  こんにちは。ウイルソン病友の会の会長をしております小峰と申します。よろしくお 願いいたします。 ○ウイルソン病友の会(高橋会計)  会計の高橋です。よろしくお願いいたします。 ○ウイルソン病友の会(小峰会長)  初めに、ウイルソン病というのは非常に珍しい病気ですので、ちょっとお話ししたい と思います。  ウイルソン病患者は全国に千何百名ということで、現在わかっている範囲で1,000名程 度と考えております。18歳以下の場合は約200名が把握されておりまして、成人はおよそ 800人から千何百人であろうということで、数はわかりません。  これは劣性遺伝でありまして、銅が体に蓄積するという病気です。普通の健康な方 は、必要のない銅は排泄されるわけですけれども、その排泄機能がないために食べ物か らの銅がすべて体に蓄積してしまって、肝臓及び神経に蓄積することよっていろいろな 障害を及ぼすというような病気です。私自身も、隣に座っている高橋もウイルソン病で す。私は、40年以上も薬を飲み続けて、やはり薬のお陰で現在普通に生活をして働いて おります。非常に健康に暮らしているわけなんですけれども、いざ薬をやめたらどうか というと、必ず死にますというか、障害が出てきます。これは、3年または5年後に銅 が体に蓄積することによって障害を及ぼし死に至るという病気ですので、病気の軽重に よって薬が云々ということではなくて、死ぬまで飲まなければ健康な体を保つことはで きないというような病気になっております。  それでは、回答についてですけれども、制度全体を見渡しての意見と言われたんです が、全体のことは私たちはよくわかりませんので、ウイルソン病という病気を通して回 答させていただきたいと思います。  まず、対象者の在り方ですけれども、やはり一定の疾患があるかどうかという条件で 今は適用されているようですが、やはり患者側にとってはどんな病気でも家族・本人に とっては経済的、それから、肉体的に非常に負担を強いられるわけですから、是非とも 一定の疾患というよりは、もうちょっと枠を広げて、どんな状況にその子どもたちが置 かれているかということを考えて適用していただけたらというふうにお願いいたしま す。  病気の軽重ですけれども、今、お話ししましたようにウイルソン病自体、あなたは軽 い、重いというようなことは判断つきますが、軽いからといって薬を飲まなくていいの かというのは違って、先ほどお話ししたように、どんな軽い方でも飲まない限り重症な 方と全く同じ治療です。薬の量が多少違うというだけですけれども、全く同じ治療をし ていかなければならないわけですから、軽いからあなたはいいでしょうというわけには いかなくて、同じ費用、医療費は掛かってくるわけなんです。月々薬代だけで2〜3万 円ということが一生涯掛かってきます。ですので、やはり軽重にかかわらずやってもら いたい。  また、18歳を超えてはということですが、この病気はやはり死ぬまで関係ありますの で、年齢とは全く関係ありませんので、やはりそれを超えた分についても何らかの支援 を考えていただけたらなというふうに思っております。  2番の自己負担ですけれども32ページにあります。どんな病気でも同じかと思います が、患者は子どもであるので親は若くて収入というのは十分ではないと思います。まし て、子どもが病気になりますと、子どもの付添いなどでお母さんは働きに出られないと いう状況で収入は減少してくるかと思います。ですので、できる限り自己負担はない方 がいいというふうに考えるわけですけれども、どうしてもというのであれば、やはり定 額ということで抑えた金額でお願いしたいというふうに考えます。  3番の福祉的サービスですけれども、これはやはり医療費の自己負担分の助成が十分 に行われたという前提の下にお願いしたいと思います。重症になりますといろいろなも の、そこに書いてあるようなことが必要になってまいります。かなり重症な方がおりま して障害1級に認定されているんですけれども、病院で入院というような状況ではなく て、これはやはり薬を飲むというしか治療法がないために在宅看護ということになりま す。そこで、在宅することによって非常な光熱費が掛かるということをお聞きしたんで す。朝から晩まで家にいると冷暖房費、それから、いろいろな洗濯物が非常に増えるの でガス代、それから、水道代、ちょっと私には考えられないことをお聞きしまして、そ んなに掛かるものなのかなというふうにびっくりした次第なんです。それから、両親が 毎日介護に当たらなくてはならないわけで、今までは2人ともお勤めに出ていた、だけ れども、必ずどちらかが介護に当たらなければならない。お父さんが1週間に2回休 む、お母さんは2回休むということで、やはりその分の収入が減少します。そして、な おかつ、支出が増えるという状況で、非常につらい状況だそうです。やはりいつよくな るかわからない子どもを見るという精神的なものがありまして、それプラス、経済的に も苦しめられて非常に大変だというようなことです。援助は来るんですけれども、とて もそれでは間に合わないというようなことをおっしゃっておりました。こういう方はウ イルソン病では少ないんですが、該当なされた方は非常に大変な思いをなさっているよ うです。  次に、登録データの解析ですけれども、そこのところは空欄になっていますが、34 ページにまとめて書いてあります。基本的には登録データの解析を進めていただきた い。大いにそれは私たち友の会としても支援していきたいし、協力してくれるように訴 えたいと思います。ただ、そこに同意できない理由として何かあるのではないかという ことを私自身考えまして、そこに書きましたけれども、やはり書き方、同意書の趣旨説 明で「治療研究を推進するため、医療費の自己負担分が」というようなことが書かれて いますけれども、こういう言葉自体がちょっと受け入れられないのではないか。ですか ら、研究の推進のため是非協力してほしいというような、もっと端的な言葉に変えても らえたら受け入れてもらえるのではないかというふうに思うわけです。  それから、やはりデータが漏れてしまうのではないかということが大きな不安材料に なっているようなんです。ですので、是非そこら辺はデータが漏れないような細かい配 慮をと思います。そこに書きましたけれども、例えば地方の市町村では受付窓口と申請 者が顔見知りである。だから、漏れないようにしたくても、担当者が何の気なしに言っ てしまったりというような心配事があるというようなことをお聞きしました。ですの で、是非こういうことがないというような配慮、そういうような手だてを取っていただ きたいと考えております。  例えば、これを出すのは窓口ではなくて直接医療機関に出して、医療機関からこちら の方に来るというような経路を変えてもらうということも必要なのではないかなと思い ます。  それから、登録データの解析をしたら、何か目に見える形にして返してもらいたいな というふうに患者側は思うわけなんです。例えば、この病気についてはこういう専門病 院があって、こういう方がいらっしゃいますからというようなことを情報として流して もらいたいと思うわけなんです。ウイルソン病自体非常にまれなものですから、どこに 行ったらいいのか、どういう先生に診てもらったらいいか。医者がどうこうというわけ ではないんですけれども、やはり専門の先生というふうに考えるわけなんですね。そこ ら辺がよくわからずして、友の会の私たちの方にいろいろ連絡が来るんですけれども、 また、ほかのところからもそういうような情報が入るようにしていただけたらなという ふうに考えます。  最後に、その他ですけれども、そこに書きましたが、こどもが先天的あるいは後天的 要因による慢性的な病気、また、治療に多額の費用が掛かる病気であったとしても、安 心して子供を産み、育てられる社会であってほしいと考えるわけです。やはり先ほども どなたかおっしゃいましたように、個人のせいではなくて生まれつきこういう病気なん だという、何も変えがたい原因があるわけなんです。そこで、やはりこういうような生 まれつきの病気である、もし、そういう病気で生まれてしまった場合には、こんなよう な援助があるんだということで、安心して子どもを産むことができるような体制をつ くってもらいたいというふうに思うわけです。  それから、やはり不公平のない制度としてもらいたい。制度というのはある決まりを 基にして、これはよし、これはだめというふうに判断なさると思うんですけれども、線 を引けない部分がかなりあると思うわけなんです。例えば、うちの場合も肝移植という ことがかなり頻繁に行われているわけですが、肝移植なさった場合は、一生いろいろな 免疫抑制剤などを使わなければならない。肝移植をした場合に、何か障害者的な手当が 出れば非常に楽なんですけれども、全くそういうことはない。でも、そういう何かほか の病気であってこういうことをすれば障害者になるんですよというようなことをお聞き するんですけれども、肝移植であっても何かそういうものがあればいいなというふうに 考えるわけなんです。とにかく、不公平のないということが一番私たちとしては考える ところで、非常に難しいことだと思うんですけれども、いろいろな面から考えまして不 公平のない、制度から考える不公平ではなくて、病気になった者が考える不公平さがな いようにしていただきたいというふうに思うわけです。  1つ例を取らせていただきますと、やはり肝移植なんですけれども、ウイルソン病と いうようなことで肝移植をした、原因はウルイソン病だ。だったら、小慢のものが適用 される。だけれども、原因がウイルソン病ではなくて小慢に関係のない、病気に適用さ れていないものが原因で肝移植をなさった場合には、全く手当が受けられない。同じ肝 移植をして同じ後のケアをしていかなければいけないのに、補助については全く180度変 わってしまうというような状況があるようです。それは例なんですけれども、そういう 場面がかなりあるのではないかというふうに考えているわけで、是非とも同じ税金を 払って同じように社会に貢献している私たち、貢献というか社会のために働いているわ けなんですよね。ですから、同じような不公平のない援助をいただきたいということを 切に願います。  以上です。 ○宮本補佐  ありがとうございました。  続きまして、TSつばさの会さん、お願いいたします。資料は37ページです。 ○TSつばさの会(平岡代表)  TSつばさの会、結節性硬化症の子どもを持つ親の会の平岡でございます。代表をし ております。一緒に来ておりますのは幹事の太田でございます。よろしくお願いいたし ます。  結節性硬化症という病気についての説明が、一応、私どもの会の御案内を補足する意 味で40ページにつけてあります。実は、ほかの病気の方たちの治療とかそういうことに 関して非常に熱の入った御意見を伺っていてつくづく思ったんですけれども、私たちの 子どもの病気は治療法がないわけなんです。やることはないんです。これは、かなり多 くの神経科の病気の方たちというのはそうなんだと思うんですけれども、確定診断を受 けた時点で結節性硬化症です、治療法はありませんというふうに言われて始まるわけな んです。治療法のない病気というか、病気自体は治らないんですが、出てくる症状とし てはほとんどの方がてんかんで発症しますから、点頭てんかんだとかそういうふうな形 で見つかって、それから、何人かの方が心臓に問題があってというふうに症状が出てく るんですけれども、これも治療法はありませんので、治療法がない病気というのは実は 医療費が掛からないんです。ですから、よく会などでアンケートを取っても、ここ1年 でどれくらいのお金が掛かったかといったら、医療費は掛かっていないんです。でも、 それは掛かっていないから軽い病気かということではなくてやることがないんです。や ることがないというのが非常に精神的には負担であります。  37ページに、私どもの会の回答というのを載せてありますが、この病気のことという よりも、子どもの病気全体のことというふうな考え方をしています。というのは、やは り病気独特の治療法、病気独特の取り組みというものがないからです。  1番の対象者の在り方についてというのは、私はいつも思っていることなんですけれ ども、全体の数というか、掛かる費用を絞り込むために対象者を見直すのだとしたら ば、収入のべらぼうに多い方、これは、むしろそちら側から辞退していただいてもいい ぐらいの方だと思うんです。ただ、実際問題として余裕のある方がどれくらいいるかと いったら、病気の子どもを抱えたというだけでほとんど若い方たちですし、それから、 働くことも制限されるわけですから、それほどの数はいないのではないかと思います。  それから、症状が重いとか軽いということで制限するとしたらば、私どもの病気など からいったらこれは軽いです、思いっきり軽いと思います。日常やることはないわけで すから。せいぜいてんかんのコントロールをするぐらいのことか、あとは運動能力が落 ちないように家の中で体操させたりリハビリしたりという努力をすることでありますか ら、実際に医療費として掛かっていることはないんですが、どうなんでしょう、全体の 掛かる金額ということで考えたらば、症状が軽いからといって対象から外したって何の 意味もなくて、むしろ、だれでもみんな入れておけばいいのではないですかというふう に思っています。  ただ、やはり、病気の種類によっては確かに、やることはなくて治療費が掛からない のではなくて、ある程度治っていくというケースはあると思います。それから、ここま でこの病気として数に入れていいのかという病気も確かにあると思います。ですから、 そういうことに対しての基準というものは、個々にきちんきちんと十分検討の上で設け られていくのはしようがないと思うんです。ただ、その場合、どれにも当てはまらない という病気というか、今は病気の項目ごとに増やしていっていますけれども、そろそろ ほとんどのところが入ってきているのではないですか。あと、項目を増やしても、それ こそ日本に何人もいないという数の少ない方たちになってくると思うんです。ただ、そ れは際限なく項目だけを増やしていって、それに外れた人が出るというよりは、継続し て治療の必要な病気であるならば、その他みたいな項目を設けて入れておいていただけ れば、かなり救われるのではないかと。その場合でも、やはり治療法のない病気の場合 だったらば、せいぜい小児慢性特定疾患ということで救われているという精神的な問題 であって、それほどお金が掛かることではないのではないかと考えています。  それから、2番目の自己負担についてのお答えなんですけれども、これは前から何回 かに分けて自己負担の話が出ていたんですが、はっきり法制化という道を取り、ちゃん と制度として確立して継続していくのだったら、自己負担はやはりやむを得ないと思い ます。ただし、金額は安いにこしたことはありません。というのは、大人の病気以上に 子どもを育てながらということが加わるわけですから、各家庭における経済的な負担と いうのはべらぼうだと思います。ですから、それを配慮すると、ほかの制度が例えば1, 000円だったらばこっちも1,000円出さなければいけないというふうな決め方ではなく、 もう少しその辺の配慮をしていただきたいと思います。  それと、もう一つは、やはり遺伝子絡みの病気ですから、2人、3人という家庭は幾 らでもあります、珍しくもありません。個々に自己負担が2倍、3倍というふうに掛 かっていけば厳しいと思います。親御さんも同じ病気の場合があります。その辺のとこ ろも、救う道があったらとてもいいなと思っております。  あと、その他の福祉的サービスという質問がありましたが、現実問題として予算が限 られている、枠がきついと言っている中で、小児慢性特定疾患に対する福祉的なものと いうのを独自に考えるというか、別口に何かやるかといったらば、余りそれは現実的で はないと思うんです。実際に、各市町村ごとにいろいろな制度があり、いろいろな運営 がされていますけれども、では、それをだれがどう利用していいか、何が利用できるの かというのは、一番わからないのは子どもが病気になったときに、この子どもはどこま で悪くなるんだろうか、それから、この治療、この状況がどこまで続くんだろうか、何 もわからない手探りの中でいるわけです。その家庭に、では、あなたのところはこうい うヘルパーが使えるのよ、こういう制度が使えるのよ、こういうことがあるのよという ことはだれも教えてくれるわけではないんです。ですから、とにかくそれはどなたかに 教えていただきたい。しかも、その手続というか各方面を回り、何が必要であり、どう いうことがあるというコーディネートを全部やっていただきたい。結局、そういうこと をできる人というか、この人にさえ連絡がつけば後は見てもらえるというふうな状況、 それが一番ありがたいことであって、取り立てて新しい福祉サービスを起こすのではな くて、どう使えばいいかということを教えていただきたい、手配をしていただきたい。 それは、とても大事なことだと思うんです。それさえあれば、かなり利用できる制度が あり、福祉サービスというのはあると思います。有効にやっていけると思います。  それから、もう一つは、かなりの方がインターネットを使っていろいろ調べていらっ しゃいます。その情報というのが医療関係の情報だけではなくて、福祉に対してとか、 それから、親の会なども含めてですが、全部そういう一元化してというか、そこにたど り着けば自分に役立つものは何かということがちゃんと最後までたどり着けるように総 合した情報サービスみたいなものを立ち上げるというのは、そんなに費用の掛かること ではないのではないかというふうに感じています。  あと、登録データの解析なんですけれども、今の申請のとき、更新のときに出す意見 書を見て、このデータがどこで役に立つのかというのはやはり疑問なんですね。という のは、治療経過とかそういうことは全部文章で書いてあるだけなわけですよね。そうす ると、それを数を集めてはっきりした登録データとして役に立てるというのは、そうい う目的でつくられている意見書には見えないんです。ですから、意見書をデータとして 使いたいということに同意しない人がいるというのは、形になって目に見えないからだ と思うんです。これだけ病気の人たちが数集まるところ、データが取れるところという のは、お医者様にとって、研究者にとって、とても貴重な資料だと思うんですね。それ でしたら、役に立つような形で資料を集め、あなたたちから出たデータはこういうふう に役に立って解析されているんですよということが目に見えなければ、だれも同意はし ないと思うんです。勿論、データに同意するしないは、やはり医療費の助成が受けられ る受けられないの問題とセットになったりしては絶対にいけないとは思うんですけれど も、せっかく集めるのだったらば役に立つような形で、全部の疾病に関してまんべんな く資料を集めて、まんべんなく研究ができるかといったら、それは無理だと思うんで す。だったらば、1つずつでもいけばいいではないかと。特に、今回はこの病気に関し てとか、今回はこういうジャンルの病気に関してのデータを取り、それから、どういう ふうに治療が行われ研究されているかというのは、具体的にやる気になれば、これもす ぐできることではないのかなというふうに思っています。だから、まず、調査研究する 目的が決まって、それから、申請のついでにデータを取るみたいな形にさえなれば、私 たちも親御さんに向かって小慢の申請をするときに、データと言われるから全部同意し てねという話ができるわけです。それは、ちゃんと公表されて私たちにとっても役に立 ち、それから、ほかの研究者の方にとっても役に立つという形にしていただきたいと思 います。  それから、今回、私が一番ここで申し上げたかったのは、最後のその他というところ でございます。教育とか啓蒙活動についてということを書いておりますが、これは、お 子さんたち自身が病院にいながら教育を受けるという、これは全然別の話で当たり前に 進められていかなければいけないことなんですけれども、私が訴えたいのは、病気の子 どもを持ったお母さんたち、治療に当たる家族にとって、それから、それを取り巻く学 校とか社会の人たちにとって、病気と戦うこと、治療することというのはどういうこと なんだということを教えていただきたい、啓蒙活動をしていただきたいということで す。実際に、会に電話を掛けてくるお母様方の中で、確定診断を受けたけれども、別に 治療法がないと言われたからそれきりにしているという方が何人もいらっしゃいます。 その結果どういうことになるかというと、この次に会を頼って電話をしていらっしゃる ときには、例えば、血管筋脂肪腫が物すごく大きくなって手がつけられなくなった20歳 の方とか、そういう状況になります。それから、もっと若いお母さんたちは治らない病 気ということで、ただただひたすら打ちのめされているだけで、その先どうしていいか がわからないでいらっしゃいます。ですから、お医者さんとはこういうことを納得いく まで話し、どこまで付き合うということをひたすら説明します。これも、会の仕事と言 われればそうなのかもしれないんですけれども、その状況というのは、もう少し病気を 持った親がどう考えるかということが知れ渡っていれば、随分助かる方たちがいるので はないかなと思います。  障害などの順に出てくるのでもやはりそういうリハビリや、知恵が遅れてきたらこう したらいいという話をひたすらします。自分の経験でしかお話ができません。それでと ても役に立ったと言われます。ただ、役に立ったと言われて非常にがっかりするのは、 私が経験しているのはもう28年も前の話なんです。ですから、その28年前の話がいまだ に通用するというのはとんでもない状況ではないかと思っております。  それから、やはり子どもの病気のこと、その予算が不安定な状態というか研究事業で あったということもやはり驚きです。安定した制度としてきちんと運営されて、とっく にそういうふうになっていなければいけないものだったのではないでしょうか。今ここ に来て経済情勢がどうの、予算がどうのという段階になって、やっと制度化しようとい う声が上がるというのが遅過ぎたぐらいだと思います。切実にお願いいたします。安定 した制度としてお金がきちんと確保でき、そして、子どもの病気ということに対しての 取り組みをきちんとした考え方、こういう考え方があるんだぞということを、皆さんが 目を向けられる状況というのをつくっていただきたいと思います。  ありがとうございました。 ○宮本補佐  ありがとうございました。  続きまして、あすなろ会さんにお願いいたします。資料は43ページからです。 ○あすなろ会(吉田副会長)  あすなろ会と申します。若年性関節リウマチの子どもを持つ親の会です。私は、副会 長をしております吉田と申します。たまたま会長は体調がすぐれないものですから、代 わりに出てまいりました。あと、会員の小田です。よろしくお願いいたします。  では、失礼いたします。  まず、私どもは会の資料みたいなものはこちらに添付しておりませんけれども、若年 性関節リウマチといいまして、数ヶ月の子どもから発症する病気なんですが、実際まだ 治療法等は確立されておりませんし、地域地域によっても治療法等も違いがあり、場合 によっては数年間で歩けなくなってしまうとか差が余りにもあるものですから、この会 の中でも会員になられて驚かれる方々がたくさんいらっしゃいます。  まず、会としましての会長の方からの以前書かれたものと、それから、あと藤川先生 といいます小児リウマチの専門の先生が書かれた資料をこちらに添付させていただいて おりますけれども、これも参考にしていただきたいんですが、まず先に、質問の方から 順次述べさせていただきます。  1の対象者の在り方については、あすなろ会としましては、原因、治療法も確立され ていない根治困難な病気の子どもはすべて対象としていただきたいと考えております。 というのは、私もこのリウマチの子どもを持って初めて難病というものが身近に考えら れるようになったわけで、会員も全国におりますが、大体1万人に1人というような非 常に少ない病気なものですから、なかなか身近にいて同じことを考え、同じ悩みとかを 話し合う人もおりませんし、では、この人が対象で、この病気は対象から外されていい のだろうかと、そういうことの基準を我々がこの病気を通して見ることはできませんの で、これは皆さん病気の方が対象となればいいなと。ただ、対象になったからといっ て、すべての子どもが病院にたくさんかかってというようなことでは、先ほど前の方も おっしゃっていましたけれども、そういうこともないはずなので、全員が組み入れられ たからといって、極端に小慢の予算を引き上げるのかどうかということは、ちょっと考 えられないような気もいたします。  若年性関節リウマチは完治ということはないそうで、まず、よくなったといっても寛 解ということで、これが寛解になったからずっといい状況が続くのかといえばそうでは なくて、あるとき突然、何の理由かはわからないのに再燃ということでまた始まる。そ の再燃と寛解とを繰り返しているうちに、結局障害が出て歩けなくなる、手が動かなく なる、または、目の方も病態によってはやはり虹彩炎とか白内障を発症するということ で、結局、生活のQOLは非常に制限されることも多く、特に幼児で発症すればなおの ことで、その子どもたちは将来に対しても常に精神的な不安というものが物すごく大き いです。朝、痛くなったとき、これから先自分はこの痛みがどこまで続くのか。では、 薬を飲んだから絶対によくなるのかというような保証はどこにもないということを体感 してしまっているわけですね。ですから、その辺のところの精神的な不安というものが 物すごく大きいということですから、これが、たまたま私どもの会の病気のことで申し 上げましたけれども、ほかの今まで伺っていた皆様が同じように持っていらっしゃる問 題点だと思うんです。ですから、症状の軽重で判断をして、これがどうとかというよう なことはとても言えないのではないか、優先順位というのはつけられないような気がい たします。  2番の自己負担につきましても、少し伺った中でも、やはり会員の中でも現状が理想 だというのは最もなことですけれども、ただ、会としての考えとしましては、今のこの 国の財政が逼迫しているときに、では、絶対これと言っていて、制度化というものがさ れなくて法制化されなければ、予算がどんどん今でも減っている状況がゼロになってし まっていいものだろうか、そういう時間的な余裕があるんだろうかと。やはり、絶対的 に制度化されるということ、確立されるということは、こういう病気の子どもたちに とっては大変大事なことだと思って、是非これは進めていただきたい。できるだけ早く 速やかにやっていただきたいと。そのためには、自己負担というのはやむを得ないで しょう。この自己負担のことについて、所得税ということで適正ではないかとここでは 述べておりますけれども、これがすべてで絶対でもありません。これからこの部分につ いては考えられて皆さんで話し合われていくことだろうと思うんです。  実際、今このあすなろ会の中でも、結局、専門医が38名しか日本にはいらっしゃらな いという現状の中で、例えば地方の人たちが専門医に診ていただくということはとても 至難なことで、現実には、近いところといっても名古屋辺りからは横浜市大ですとか、 横浜、東京の方へ毎月通われている。そういうためには、新幹線代とか非常に交通費だ とか、その他付随するものにもかなりの出費がございます。それ以外に、子どもが突然 入院しますと、まだ、1歳、2歳や幼稚園前ですというような子どもにとっては、親は毎 日顔を見なければならない。幾ら全面的に付添いをしなくても、やはり毎日顔を見せて あげるということを考えますと、親はこちらの方に宿泊をしなければならないと。又、 家にはまた別の子どもがいて、夫がいて、でも、自分は離れてこちらの入院している子 どもに付き添わなければならないという、今までもほかの会の皆さんもおっしゃってい ますように、そういうことはあすなろ会でもございます。ですから、やはり少なくとも その辺の自己負担の金額については、少ないにこしたことはないというのが現状の声と してはございます。  3番の福祉サービスの在り方のところで、こちらにも書きましたが、リウマチの子ど もというのは今の季節は確かによくないです。季節だけではなくて、もろもろストレス ですとかいろいろなもので突然に悪くなって腫れて歩けないということが非常に多くあ ります。そういうときに、通院のためのだけでも、かなりの距離電車に乗らなければな らないですとか、いろいろなことがございます。バスの場合だとステップに上がること ができない。ですから、電車でもすべてエスカレーターが必要だが、エレベーターがつ いてというところそうはないので、結局、公共の手段を使えないところが多くありま す。ですから、そういう会員の中には通院のためのタクシー、ハイヤー代といったよう な補助というのはどうなんだろうか、していただけるのだろうか、できれはそういうこ とも考えてほしいということはありました。  また、先ほど言いましたが、遠隔地の病院に入院したような場合には、できるだけ親 が安価で宿泊できるような施設をつくっていただきたい。もしくは借り上げ等のことを していただけないだろうかというようなこともあります。  4番のデータの解析につきましてはここに述べました、先ほどもいろいろな皆さんの 意見がありましたが、私どもでもここでやはり原因の究明ですとか、治療法の研究、治 療成績向上ということを掲げていらっしゃいますので、具体的にこういうことをしてい るんだというようなことをできるだけバックしていただければ、こういう病気を持つ親 にとってもこのデータというものの重要性はわかってくれると思います。ですから、会 としては、これは同意するということで考えております。  やはり私どもでも一番申し上げたいことというのは5番になりますが、専門医が少な いということで、地域での治療格差。結局、東京や神奈川にいれば障害者にならなくて 済んだのに、たまたま離れたところにいたがために障害を負うことになってしまったと いうことが現実にございますので、これだけは是非そういうことがないように、1年、 2年の差でもって大きな、長い先の人生が全く狂ってしまっているということがござい ます。ですから、どこに住もうと最新であるという治療が平等に受けられるようなシス テムを考えていただきたいということです。  そのためには、やはり日本における小児リウマチの患者に使用できる薬というのが非 常に少ないということを伺って、私ははっきり言ってびっくりいたしました。これだけ 情報が地球をさっと回るような時代に、日本の子どもたちはアメリカの子どもたちが十 何年も前に受けている治療がいまだに正式に認められていないという現実があります。 では、アメリカに行ったら本当にちゃんと同じような治療が受けられるかどうかという のも、それは私が言えることではないですが、でも、少なくともあちらで十数年の経過 があったりですとか、少なくともその有効性を認められていたりとか、アメリカでは子 どもからまず治験が始まるのであるというような情報を得ることは親としてはたやすい わけです。情報が情報であって、必ずしも自分の手元にそのものが届かないということ がとても問題なんだという認識はございます。ですから、できる限り日本の子どもに も、外国で使われていて有効であると認められたものは、速やかに使えるように是非認 めていただきたい。そういう方向性を考えていただきたいということです。まして、保 険としてでもお医者様がこの薬がいいと思われても処方できないという現実があるとい うことを伺ってびっくりしました。やはり、保険があったりするともろもろの制限が あって、そういう処方ができない。とすれば、私たちはいつまでも待って、待って、そ して、障害が出ないで済むということがあるにもかかわらず、障害者になったり、保護 を受けなければならない立場は望んでいないんです。できるだけ自立して、この病気は 20歳を過ぎても治らない、結局ここで打ち切られてしまったら、私たち親は高齢化して いって自分自身を養うだけでも大変なのに、そこへ子どもを抱えて、それがやはり医療 費が掛かってということになりますと、もう二重苦、三重苦になるわけです。ですか ら、是非皆さんもおっしゃっているように、18歳や20歳で切るのではなく、ここからま た先も何らかの形で、少なくとも日進月歩の治療薬で普通に皆さんと同じように社会人 として自立できる生活を営めるような方向で、行政としてもお力添えを願いたいと思っ ております。今はだんだんに、いい薬に出会えば、少ない障害で生活できるという方も いらっしゃいます。全く出ないという保証もないですし、悪くなるという保証もござい ません。ですから、どうぞこれは厚生労働省の方にお願いしたいんですが、薬の承認に 対しては早く速やかにお願いしたい、決断をしていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。 ○宮本補佐  ありがとうございました。  以上で、6つの団体からの意見、要望は終了いたしました。  続きまして、質疑応答を行いたいと思います。それでは、各団体から1名の方に前の 席にお移りいただきたいと思います。最初に申し上げましたとおり、後ろにそのまま座 られる方から御発言をいただいても結構です。ただし、こちらも最初に申し上げており ますけれども、傍聴席からの御発言というのは御遠慮願いたいと思います。  それでは、よろしくお願いいたします。それでは、座長お願いいたします。 ○鴨下座長  ただいま6つの団体の方々からいろいろとお話をお聞かせいただきまして、ありがと うございました。  これから、団体の代表の方とこちらの委員の間で質疑応答の時間を持たせていただき たいと思います。委員は、どうぞ御自由に質問なり、手を挙げて言っていただきたいと 思います。 ○小林委員  たくさんあってもよろしいでしょうか。なるべく簡単に。それぞれ皆さんのお話を伺 わせていただいて、大変すばらしいお話をどうもありがとうございました。特に、幾つ もの団体で自分たちの病気だけではなくて、ほかの病気もというお話がこの中にあった ことをとても心打たれながらお聞きしておりました。  簡単に幾つか、いっぱいあります、済みません。がんの子供を守る会に伺いたいんで すけれども、さっきのお話の中で、自立支援施設が必要だとおっしゃておられたんです が、ちょっとそこのところがよく理解できなかったので、具体的にどういうものなのか 教えていただきたいということ。  それから、小児がんの場合の寛解の定義というのを教えていただきたい。  それから、心臓病の子どもを守る会で、合併症の子どもが増えているが小慢の対象外 が多いというお話だったんですが、それは具体的にどういうことなのか教えていただき たい。  荒井さん、腎ネフの会には、腎ネフの会で先ほどの寛解のことなんですけれども、ど のような状態。私が聞いている話だと、ネフローゼの場合は1か月でよくなるんだとい うことなんですが、そうではないということなので、もうちょっと具体的に教えていた だきたい。  ウイルソン病の場合なんですけれども、ずっと治療を受けていくということなんです が、普通、子どものときは小児科で受けられると思うんですが、年齢が超えていった場 合どういうふうなことになっているのか教えていただきたい。  それと、あすなろ会なんですけれども、有効な薬は保険外としても使いたいというこ とですが、処方できないことがあると。これはよくわからないんですが、普通、有効な 薬があってこれを使いたいということになると、みんな患者団体で働き掛けをして、 オーファンドラッグの指定といった働き掛けを全部するわけなんですけれども、ちょっ とその辺の事情をわかる範囲で結構ですので教えていただきたいと思います。  以上、たくさんで申し訳ありません。 ○鴨下座長  では、順番に1つずつお答えください。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  がんの子供を守る会です。自立支援施設が必要だと近年とみに思っているんですけれ ども、どこにどういう実現する材料があるとかそういうことではないんです。ただ、子 どもたちが長く入院するものですから、今、治って大人になる子どもたちというのは変 な言い方ですけれども、そういう子どもたちが多くなってきているけれども、なかなか 社会性の点で問題があったりとか、トラウマになっていたりとか、そういうふうな子ど もたちを最近見るようになってきました。先ほども言ったように、これは私どもの会が できたころには、ほとんどの子が亡くなっていたわけですから、それだけ治るように なったということは喜ばしいことではあるんだけれども、大きくなった、大人になった 子どもたちにいろいろな問題があるということがいろいろと出てくるようになりまし た。  それは、例えば、疾患を例に取ると、脳腫瘍のお子さんは季節的な頭痛があったりし てなかなか外に出られなかったりとか、ずっと病気できて外に出る機会が余りなかった り、学校もうまく適用できなかったりして、社会性が身につかないまま大人になってい るんだけれども、自分で働くというふうなことができないでいる。親は、病気ですと ちょっと親自身の自責があって、毎日家で過ごしていればいいというふうな気持ちに なったりということがありまして、家の中にはいるんだけれども、寝ているわけではな いんだけれども元気でもないというふうな子どもたちがだんだんと見えてきました。そ ういう子どもたちというか、大人になった人たちの社会に出るための1つのステップの 場所として、自立支援施設みたいなものがあるといいだろうなというか、それが勿論あ る子どもにとっては学校であったり、いろいろな場所で自分なりに社会に飛び出してい くわけですけれども、それがうまくいかない子がやはりいる。それに関しては、では、 ほかにどこか行く場所があるかというと、行く場所がないというふうな現状があるもの ですから、病気の人たちの自立を支えるための施設というか通過機関というか、リハビ リのできるような、そこを通って社会に旅立てっていけるようなところがあるといいな と。親たちにしましても、家にいて親が面倒を見ているんだけれども、いま一つ親自身 が子どもから離れられなかったり、子ども自身が親から離れられなかったりということ で、だれか他人の手によってそういう社会に出ていく1つの過程があるといいなという ふうに今考えているところでして、実現できるといいなと。これは、多分がんだけでは なくて、いろいろな病気の人がそうなんだろうと思うんですが、例えば、知的障害のあ る人とか肢体不自由の人とはちょっと違う、病気の子どもたちの自立支援の在り方みた いなものがあるのかなというふうに考えています。  次の寛解についてというのは、私は医者ではないのでいま一つ上手に説明できないん ですが、小児がんの場合に治癒という診断をされることはなかなかなくて、それまでが 寛解みたいな感じになってきています。今、大体最初の治療から5年くらい経つと、も う治ったよねというふうに言われるんですけれども、検査は1年に1回ずっと続ける と。生命保険の問題にも今かかわってきていまして、検査をしているから生命保険に入 れないというふうな問題がありまして、先生によっても寛解、治癒の考え方がちょっと 違ったりいたしますけれども、とてもとめどもなく長い寛解というふうな感じはいたし ます。 ○鴨下座長  なるべく簡潔にお願いいたします。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  ごめんなさい。 ○全国心臓病の子どもを守る会(斉藤会長)  重複障害のことでお話しさせていただきます。  20年以上前のときは、ダウンの子どもでも手術をしないでそれなりの人生を歩む方が いいと本に書いていらっしゃる先生もおります。そういう状況の中で、手術をしないで そこそこできたという時代がありました。今は、染色体異常がよくわかるようになって きましたので、昔だったらそのまま大人になってそのままでいっていたのが私たちの会 に入ってまいります。そういう子で、例えば、心房中核欠損あるいは心室中核欠損程度 ですと、手術が終わってしまいますともう対象にはならない。あるいは年に1度の定期 検診ぐらいで済みますので、小慢対象ではなくなってきている。又、医療の発達で染色 体異常がわかるようになったということの両方から少なくっているというふうに考えて おります。 ○全国腎炎・ネフローゼ児を守る会(荒井事務局長)  腎炎・ネフローゼ児を守る会から、先ほど小林委員から御質問があった1か月の入院 程度の寛解について御説明いたしますと、腎炎・ネフローゼ児の場合は、よく医療相談 会などで専門医の方が寛解について説明することが多いんですが、初発のときで大体2 〜3か月の入院が多いんですが、1か月くらいで治るケースというのは初発の場合は100 人に2〜3人程度で、基本的には再発を繰り返して2〜3年経つといわゆる本当の寛解 になっていく。薬が切れても再発しないという状態が結構多く見られ、10年ぐらいする とここの検討会で御指摘のあったとおり、基本的には治っていくというようなことを聞 いております。初発のときに退院できるのは、あくまでも薬を飲みながら退院するので あって、薬が切れるとすぐ再発するんですね。ですから、100人中97〜98人は再発すると いうことなんです。それがだんだん再発を繰り返すうちに確かに本当の寛解になってい く、治っていく。いわゆる薬が切れても治っていくということを私たち患者団体の中か らも聞きますし、そういう専門医からも聞いております。  以上です。 ○ウイルソン病友の会(小峰会長)  年齢が上がったらということなんですけれども、小児科という枠ではなくて専門の先 生についていくという立場を取っております。でも、中には専門の先生でない場合に は、専門の先生がほかの先生に代わるということもあります。でも、やはり基本的には 専門の先生についていくという立場を取っていくのが一番ベストかと思います。 ○あすなろ会(吉田副会長)  薬の件なんですが、詳しく申し上げられなくて申し訳ないんですが、ただ、これは藤 川先生からの直接の話で、実際にもろもろの薬の名前を言われましたけれどもちょっと 私も覚えていませんが、実際、大人には使えるような薬であっても、子どもに処方する ことは保険の中では許されていないというようなもので、これは子どもに有効であって も使えないのが現状だということで、1つ使っていて、それがもう逆に子どもにとって は副作用が出てだめになった場合、では、次の選択肢があるのかというときに場合もあ るわけなんです。ですから、その辺のところで、できるだけ有効であって子どもにもよ そでは使えているんだという現状があれば医師は処方したいというようなこと、それで もできないことがあるということは事実だそうです。  あと、保険以外の薬につきましても、リウマトレックスそのものにつきましても、本 来は大人用のもので小児には本来は許されていないようなものでも処方しなければなら ないということで、私も個人的にどうしてだめなものが今使えているのかというのは、 申し訳ないんですがわかりません。 ○鴨下座長  よろしいですか。  どうぞ、ほかの委員の方、お願いします。 ○大久保委員  がんの子供を守る会の方に伺いたいんですが、この療養援助費の財源が何かというこ とが1つと、21ページに療養費援助要綱は廃止するとあるんですが、これは何を指して いるのでしょうか。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  これは、古い規則を廃止して新しい規則になったというふうな意味の廃止だそうで す。  もう一つは財源ですね。財源は、私どもの会そのものが会員の会費、年額2,000円の会 費と寄附で成り立っておりますので、それが財源になります。 ○鴨下座長  ほかにはよろしいですか。 ○南委員  登録データの解析について、ほとんどの会の方々は大体大ざっぱにまとめてしまえ ば、プライバシーに配慮を十分してもらえれば、そのデータが治療成績につながること は同意できるというようなお考えだと思ったんですが、TSつばさの会の方のお話で、 この記載が役立つとは到底思えない、正確な改善の余地があるというようなことだと思 うんですけれども、ちょっと御趣旨がよくわらなかったので、そこの点だけ補っていた だけますでしょうか。 ○TSつばさの会(平岡代表)  意見書そのものはごらんになったことがおありでしょうか。治療実績を記載する欄が ありますね。そこに、確かに治療実績というのは、それぞれの先生方が書くわけです。 ただ、数として、データとして使うのでしたらば、疾病ごとに求める答えというのは 違ってくるのが当然ではないかと思うんです。今の状態で、一般的にどの病気も同じよ うな意見書で、同じような状況で治療実績などを書いた場合、それを今度データとして 生かそうと思ったらべらぼうな作業量ではないでしょうか。それだったらば、もっと有 効に初めから患者側に回答を求めるときにというか、もっとそのままダイレクトに資料 としてなるような、はっきり統計が取れるような書式にしてやらなければ、役に立つよ うには思えないということです。 ○永井委員  がんの子供を守る会の方にお聞きしたいんですけれども、16ページの表なんですが、 この中で付添費の件です。付添いといいますのは、子どもさんの病状によっても必要な んですけれども、医師にしても、私どもの知っているところでは、家庭の問題等で葛藤 を抱えているという先生もございます。(付添いをつけることによって)これで、金額 の入っているところはわかるんですが、件数だけ1、1、1とありますのは、やはり家 族の母親の付添いで1日価格が記入されていないということでしょうか。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  1、1と書いてあるところが件数になります。8件あるわけです。ごめんなさい。 ○永井委員  付添費の金額のないことに関してお聞きしたいんですけれども。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  人によっては、ボンボンベッドを借りるのに1日300円要るとか、食事代が幾ら要ると か、病院によっては病院の食事だけは取らなくてはいけないので、1日3,000円の食事が 要るとか、そういうふうに決まっているところもあるんですけれども、決まっていなく て付添いをしていますというふうに申請があるわけです。これに、私どもの方の療養助 成の方の審査会では、申請されている付添費について助成しているのではなくて、決 まっている規定の料金でするものですから、付き添うことで必ずしもお金が返ってくる 家庭と返ってこない家庭があるものですから、そういうふうな意味です。 ○永井委員  わかりました。  それから、もう一つは、若年性リウマチのところで、私どもの県で非常にいい例なん ですけれども、先ほどお薬のことで承認をということを言われていたんですが、リウマ チの会の家族会を通じまして私どもも横田先生においでいただき相談会を開始しまし た。毎年来ていただいているんですけれども、去年の12月にも森先生にお出でいただき まして、その中で私も名前を忘れましたが、アメリカで承認されている薬が18歳までと いうことで、この2月に18歳になる子どもさんが出席されていたんです。それで適用で きるかもわからないからということで、横浜市立の病院の方へ行った例があります。是 非そういうふうに早く承認ができればいいなと思って、それは厚生労働省の方で承認し ていただけたということを先生が言っていました。 ○あすなろ会(吉田副会長)  そうですか。ありがとうございます。今、着々とそういうことで厚生労働省の方も、 治験等につきましても新しい薬で少しずつ子どもの方に広げてやっていただいている部 分もあるんですが、まだ実際には大人の治験からのスタートなものですから、関節型の 子どもにとっていい薬がまだあと3〜4年は掛かるだろうと。ですけれども、今現在進 行形の関節の悪くなっている子どもにとっては、この3〜4年で実際固まってしまって 関節が動かなくなるですとか、そういうことに今直面している子どもがたくさんおりま す。ですから、1日も早くお願いしたいということです。 ○鴨下座長  あとは、いかがでしょうか。 ○加藤委員  全体にかかわることなんですけれども、登録データの解析について多くの方から迅速 に公開してほしい、患者さんに直接役立つようにということを言われたんですが、どう してもやはりプライバシーの保護に引っ掛かってくる。例えば、迅速に公表して全国に 1人しかいないというのが本人がわかった場合、非常に本人はつらい思いをするのでは ないかということで、多少は遅らせて発表した方がいいのではないかというような意見 が研究班の中では出ています。  それから、TSの会でも全体的なこととはまた別に、個々の疾患に関して別の調査用 紙で質問を送って、きちんとまとめていこうとしている疾患は勿論あります。全体的な ものと疾患ごととは別に考えておりますが、また、その場合ですと、どの病院を受診し たかというのがある程度こちらでは把握してしまいますし、患者さんのプライバシーの 保護も勿論そうなんですが、担当医のプライバシーも考えなければいけないとか言われ ていますし、そこら辺本当にどうしたらいいのかなと。  それから、ウイルソン病友の会の方で、どの病院でどんな患者さんがいるかいうの を、ある程度はこちらで把握できるんですが、そういうものはやはり本人の許可がない とお互いの連絡もできないのが原則ではないかというふうに考えていますし、少なくと も現段階では、保健所を通じれば全部把握は可能なんですが、とてもそこまでは無理だ ろうというふうに考えております。親の会でもしそういう連絡をしているのであれば、 どういうような形で連絡しているのか教えていただきたい。  それから、これも全体的なことですが、個々のデータを把握して、できれば縦断的に 解析したいというふうに考えているんですが、縦断的に解析する場合は、どうしても一 人一人のデータを積み重ねる。勿論、どこにだれが住んでいるという個人も病院も特定 はできないわけですが、プラスマイナス1歳ぐらいで年齢が公表されますし、男女もわ かりますし、本人が見ればひょっとしたらわかる可能性はある。そういうのでもかなり 貴重なデータはありますが、そういうものをどの程度公表していいかというのが非常悩 んでいるところなんですが、どなたでも結構ですので教えていただければありがたいと 思います。 ○鴨下座長  では、どなたか。 ○ウイルソン病友の会(小峰会長)  今ちょっと言い方が悪かったのかもしれないんですけれども、どの病院でどのくらい 人数がという、そういう細かい……。 ○加藤委員  どのお医者さんにかかっているとか。 ○ウイルソン病友の会(小峰会長)  そういう細かいことではなくて、やはり特殊な病気の場合には、ここに専門家の先生 がいますよという程度ですね。全くどこでどうしたらいいかわからない、なかなか珍し い病気で本を読んでも難しいことが書いてある。だけれども、やはり専門家の先生がも しいるのだったら、どこに問い合わせたらいいのか。そこにかかるとかかからないは別 として、その程度は知りたいと思うのではないかと思ったんですけれども。 ○全国心臓病の子どもを守る会(斉藤会長)  私の方は最初に申し上げましたように、本当に原因究明をしていただきたいと思って います。私たちが20年前にやったのは力不足で原因究明まで至りませんでした。今でも 2年に1回は疾患別調査をし、会員がどういう疾患がどのくらいあるかというのを把握 しています。それもできる範囲の分析はいたしまして、移植学会のときにも発表させて いただきましたし、会外にもこの結果でお答えしています。ただ、その後のところが私 どもの力では分析できず、症例も偏りがあるというふうに思っております。そういう意 味で、本当に御協力させていただきますので、原因究明をやっていただきたいと思いま す。 ○TSつばさの会(平岡代表)  実は、私どもの会で1999年に会員のアンケートというのを取ったことがあります。そ こで、どういう症状があるかということで集めてみてながめた結果、実は、その会ので き上がりとして小児の神経科にかかっている人たちを中心に集めたわけですから、とて も偏りがあるわけです。既にそこにかかっている人だけだから、症状がほとんど同じと いう。なおかつ、実際に一般的に見ればもっと多いはずの内臓の疾患とかそういうもの が極端に少ない。これは、結節性硬化症のアンケートではなくて、TSつばさの会の現 状のアンケートであるという結論だったわけです。知りたいのは、やはり実際に私ども の会は今230名ぐらいしかいませんが、もっともっと数としては多いわけですよね。そう いう人たちにどういう疾患が出て、どういう障害が出るという全体の姿というのは、や はりほかに知る手だてというのはないのではないかと思っているんです。そういうふう に、どこの病院でどういう治療をしたかということではなくて、現状がどうかというこ とをせめて知りたいなと。そういうことだと思っております。 ○鴨下座長  ほかにいかがでしょうか。 ○加藤委員  みんなが言われていることなんですが、やはり20歳過ぎて何らかの形でコウヘンジョ ウできたら非常にありがたいと思うんですが、どうしても無理みたいなんですね。この 検討会でも、私が一番最初にそれはできないかというふうに聞いたんですが、患者さん の団体に聞くのもおかしいかもしれないんですが、何か言い案がありましたら検討会と か厚生労働省の方に教えていただけるとありがたいなと。もし、何かお考えがあればと 思いまして。 ○あすなろ会(小田会員)  18歳ということが無理であれば、せめて今からのお子さんは、難病であってもやはり 社会に出てちゃんと自分で自立していこうという意思が強いお子さんが多いと思うんで すね。それで、高校に進んだりとか大学に進んだりするわけですけれども、せめて学生 の間だけでも親の補助会にいる間だけでも援助していただくように、そういう配慮をす る方向では検討できないのでしょうか。 ○鴨下座長  御意見として承っておきますけれども、ほかに何か御質問はありませんか。 ○小林委員  がんの子供を守る会の集計表なんですけれども、骨髄バンクの費用が随分たくさん掛 かっているんですが、人によっては登録料で3万円、同じく登録料で20万円というのが あったりとか、骨髄移植で140万円とか随分差がある、コーディネート費用が幾らとかも あるんですけれども、その骨髄移植のお金の掛かる中身というのはどういう感じなの か、素人で大変申し訳ないんですが教えていただければと思います。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  今、骨髄移植もいろいろな幹細胞移植というふうに言われておりますけれども、全部 ここは骨髄移植というふうに書いてあるんですが、これは私どもの方の適用が骨髄移植 なものですから、そういうふうになったかと思うんですが、とても多様になってきたと いうことと、それと、骨髄バンクに登録するときの登録料が3万円で、登録しただけで も終わる患者さんもいらっしゃいますけれども、適合者がいてコーディネートが進んで 保険料を払ってとか、ドナーの人の室料を払ってとかいろいろいたしますと、骨髄移植 推進財団に払うお金が50万円から60万円ぐらいというふうになるんです。どこまで進む かによってお金の掛かり方が違ったりというふうなこともありましたり、病院によって はドナーの人の室料を請求する病院もあれば、大部屋に入れて請求しない病院もあった りとか、骨髄移植を受ける病院によっても掛かるお金が違ってくるようです。細かく一 つ一つは、事務所に帰ればあるんですけれども。 ○小林委員  それは、どこからどこまで保険が掛かるんですか。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  治療に対しては保険が掛かるんですね。骨髄移植を……。 ○小林委員  直接の移植に。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  はい。ですから、骨髄を採取したりとか、移植といっても輸血のようにしてするんで すけれども、そういうことに関してあるいは無菌室に入ることに関しては、でも、無菌 室料を取る病院もありますし、そこもまたちょっと違ってくるんですけれども、治療そ のものは保険で適用になります。 ○鴨下座長  よろしいですか。ほかにありますか。 ○山城委員  腎ネフの代表の方にあるいはほかの方でも結構なんですけれども、症状の軽重に関係 なく負担適用という話が皆さんありました、それは1つの御意見だと思いますけれど も、こういう難病の中には、先天的な場合と後天的な場合がございますね。先天的な場 合は一般的に恐らく治ることはないでしょう。だけれども、後天的な場合は治ることも あるわけですよね。ネフローゼがその典型ですよね。そうした場合に、治ったというふ うに診断された場合に、それでもこの慢性疾患適用を継続主張なさいますか。 ○全国腎炎・ネフローゼ児を守る会(荒井事務局長)  私どもは、いわゆる寛解に関しては、薬が切れて治ったという場合は勿論適用は申請 しません。ただ、これは私、事務局長の一存なので会全体での1つの結論ではありませ んが、腎ネフ会の場合は今そういう流れであろうと思います。 ○全国腎炎・ネフローゼ児を守る会(小太刀会長)  腎ネフの件ですけれども、治癒と寛解ですよね。寛解というのは、ある程度薬が切れ て5年ぐらいずっと経過観察にて、先生がこれでもってたんぱくが出ないから治癒だね というふうな方向でおっしゃると思うんですよ。そうすると、我々親としても、もうこ れ以上、医療券はもらわなくてもいいだろうと先生と相談して5年間たんぱくが出な かったら、もう治ったのではないかというふうな判断で私たちは申請しておりません。 現に私の子どもも、もう申請はしておりません、自己判断で申請はしません。それで、 また5年、6年経って、何かの拍子で再発したらば、多くの先生は再発ではなくて、ま た新しくネフローゼになったのではないかというふうな考えを持ちなさいとおっしゃい ますので、5年が大体目安として考えております。 ○山城委員  もう一つよろしいですか。27ページの真ん中から下の方に「寛解状態で小慢対象とな らず経済的な負担」云々、そこはいいんですが、将来腎機能を悪化させ結果的になると いうのは、これは多分誤解をなさっていると思うんですけれども、つまり寛解というの はあくまでも寛解であって、それは治ったと言わないわけで、そこで治療を打ち切ると か疾患の補助対象にならないということは恐らくないと思うんです。そのために、そこ で医者が薬を中止して腎機能悪化になるということは恐らくないと思うんですが、ネフ ローゼの九十何%というのはステロイドに感受性があって、この人たちはほとんど治る わけですよね。ですから、そのために寛解状態になりやすいし、そのためにステロイド も勿論やめることはあるわけですけれども、そして、たとえ再発したとしても、それは 決して腎機能が悪化するということはないわけで、こういうことは起こらないと思うん です。 ○全国腎炎・ネフローゼ児を守る会(荒井事務局長)  最初から治療を受けていれば、確かに先生のおっしゃるとおりなんですが、やはり母 子家庭とか生活保護世帯などは最初から医療費が払えない場合もありますから、そうい う場合、どんどん腎機能が悪化した中で、本当は治りやすいネフローゼなんだけれど も、実際は治療が手遅れでということはあり得ると思うんです。いわゆる初発とか例え ば1〜2か月の期間において、治療が遅れたためにというのがあり得るのではないかと いうことなんですが。勿論、最初から病院に入れるケースではあり得ないと思います が、初発のときに治療費がこれだけかさむよ、入院費もかさむよと言われたとき、将来 的には小慢があるんだ、安心しなさいと言われたとき、それでは1か月だけは治療費を 払いましょうという親も出てくると思うんです。この病気は経過観察が必要で、難病で はないかもしれませんよと言われたときに、親によっては迷うというか、100%子どもの ためにすべてを尽くすという親ばかりではないですから、今は虐待をする親もいるわけ ですから、そういう中で安心した制度にしていただきたいということですね。 ○山城委員  それはよくわかりますけれども、1か月で打ち切るということは恐らくないと思いま すよ。そういう制度にはならないと思います。 ○及川委員  先ほど、がんの子供を守る会の方が病院による負担の格差があるということをおっ しゃいました。1つは、移植の例が出たと思いますが、ほかにもそのような例があるか どうかということが1つ。  それから、これはほかの団体の方にもお聞きしたいのですが、一応、治療費が最大の 優先であるということが、ほぼどの団体も共通していると思いますが、治療費以外のい ろいろな負担金の格差というところで具体的に問題になるような点がございましたら、 お教えいただきたいと思います。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  先ほどの病院の格差ですけれども、まず、差額ベッド代がとても大きなことで、やは り私どもの小児がんの場合には個室管理が必要になってきますので、必ず個室に入る期 間があるわけですけれども、公立の病院では個室代は普通は取らないんだけれども、私 立の病院だとか総合病院では個室代が取られてしまうというところで、差額ベッド代の 問題が1つあります。  それと、お薬にしても保険の効かないお薬が大学病院だと研修費で出る病院もあれ ば、それが家族に請求されて病院の小児科の領収書がついてきて、これこれ払いました というふうな御家族もいらっしゃるので、病院によってそこも違うんだなというふうに 思っております。  それと、無菌室に入るときに無菌セットというのを買わせるというか、1日3,000円と いうふうにして買わせる病院もありますし、それは病院の方で負担する病院もあります し、それについても病院の格差があるように思います。 ○全国心臓病の子どもを守る会(斉藤会長)  心臓病の子どもを守る会です。やはり差額ベッド代が一番多いと思います。  それと、遠隔地で手術をしますので、両親がそこのところに泊り込んで、例えば大学 病院から緊急のときの対応として30分以内のところにいなさいと指定される病院もあり ます。そういうところでは、病院の近くにアパートを借りたり、今度は国立小児病院は マクドナルドハウスができて、すごく期待はしているんですが、そういうところの費 用。それから、交通費というのを含めまして、最高で私どもが調査したときは500万円掛 かったというお子さんがいらっしゃいました。医療費は本当に、今、小慢の中であるい は育成医療の中で手当していただいていますからとても助かっていますが、ほかの部分 はとてもというふうに思っています。 ○柳澤委員  心臓病のお子さんの治療をしていく場合に、現在、会員の方としての調査の中から、 小児慢性特定疾患、それから、手術の場合には育成医療という制度があるわけですが、 それらがどんなふうに適用されているのかわかりますでしょうか。以前、私などが実際 に診療していたときには、入院して内科的な治療をしている間、小児慢性特定疾患の申 請をして、手術の時には育成医療を申請する。それから、また、その後の内科的な治療 に関して、また小慢でやるというようなことをやっていましたけれども、そこら辺の実 情を。 ○全国心臓病の子どもを守る会(斉藤会長)  基本的には先生のおっしゃるとおりです。ただ、先ほどの説明のときに少し触れたん ですけれども、東京都、千葉県、埼玉県、この辺を中心といたしまして小慢の制度の枠 組みを広げております。ですから、今の状況の中で実質的に通院まで認めている自治体 が約3分の1近くあります。そういうところで、国立大蔵とか小児病院にかかる場合 は、東京都に近いものですから、あるいは東京都人が多いものですから、小慢として通 院費が出ております。育成医療が終わった後の予後の管理も、今度また小慢に戻る形の 中でやることができております。ただ、今回この小慢の制度そのものが根底から変わっ ていきますと、多分この3分1の自治体も変わるのかなというふうに思います。 ○鴨下座長  ほかに。大体よろしいですか。  私からは質問ではございませんが、せっかくこういう機会ですし、各団体の代表の方 にお願いというのか感想みたいなものですけれども申し上げさせていただきます。  私個人的に一番問題を感じましたのは、この登録データの解析に対する考え方なんで すが、これはやはり5年前あるいは10年前と随分変わってきまして、要するに遺伝子の 時代になりましたのでいろいろなことがかかわってきて、プライバシーの保護というこ とは至上命令だと思うんです。しかし、特に大人の難病の研究や治療の歴史を見ます と、やはり患者さんの登録という協力をいただいて、新しい治療法あるいは場合によっ ては遺伝子が見つかった、それによって次の展望が開けていくということもあるわけだ と思うんです。TSつばさの会の方はややネガティブな感じでおっしゃっていましたけ れども、同じ神経・皮膚症候群でももう一つのレックリングハウゼン病などは、非常に 積極的に患者さんの会のサポートがあったと思うんですが、遺伝子も解明されて、今後 どうなるかはまだまだ見えておりませんけれども、そういうことも考えますと、是非こ れには前向きにお考えいただきたいということが1つです。日本の例ばかりではなくて アメリカでももっと難しい白質変性症、脳の病気ですけれども、アメリカ全体で強力な 親の団体がありまして、これは医療費を出するというよりは、むしろ研究者に研究費を 出して、幾つかの病気については遺伝子を見つけたというような経緯もございます。ま た、それが基で、患者さんの団体と医師の特許ということで裁判ざたになっているとい うような裏の面もあるわけですけれども、しかし、やはり両方が協力してやっていかな いと問題の解決にはならないのではないか。恐らく今日はお出ましいただいたそれぞれ の会の会長さんや事務局長さんは、主治医あるいはそういう有力な研究者のドクターと は懇意でいらっしゃると思うんですけれども、是非そういう関係を通じてもっともっと 親密に協力していただきたい、ちょっと余計なことを今日のヒアリングの機会を借りて 申させていただきますけれども、よろしくお願いしたいと思います。  もし、何か会の代表の方から付け加えることがありましたら、一言、二言ございます か。そろそろ時間ですけれども。 ○全国心臓病の子どもを守る会(斉藤会長)  1分で結構です。私どもは、この制度をやはり継続していただきたいんです。そうい う意味で、是非案を事務局の方から出していただきたいんです。私ども全国組織で全国 に50支部がありますので、今の時点では討議にならないんです。それを出していただけ れば、前向きに検討させていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお 願いします。 ○がんの子供を守る会(近藤理事)  済みません、時間がなくなって挟み込んでいる用紙の相談内容の説明ができなかった んですが、是非、先生たちにこの相談内容を見ていただきたいというふうに思います。 先ほど各親の会の代表からも、いろいろな制度などを使いこなせるだけの仲介の人とい うふうなお話がございましたが、是非、病院にソーシャルワーカーが必ずいなければい けないというふうな義務にしていただいたりとか、子どものいる病院には保育士だとか 学校がなければいけないというふうなことを、子どもの医療にかかわることに関しては 義務にしていただきたいというふうなことがあると、家族の気持ちも軽減できるし、子 どものQOLも上がるかなというふうに考えております。 ○鴨下座長  どうもありがとうございました。  もし、ほかにございませんでしたらば、そろそろ時間ですので、今日の討論はこの辺 でとどめたいと思います。ありがとうございました。  それでは、事務局の方からアナウンスがございます。 ○宮本補佐  次回の日程ですが、今回に続きまして2月8日の水曜日も、6団体の患者団体の皆様 からヒアリングを行いたいと思っております。場所は同じ建物、このビルの同じフロ アー10階の1028会議室で、13時30分から同じ時間で行います。  それでは、時間がまいりましたので、本日はこれで閉会といたします。どうもありが とうございました。                    照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課                         03−5253−1111(代)                             森本(内線:7898)                             桑島(内線:7933)                             宮本(内線:7940)