02/01/28 第5回福祉部会議事録              第5回福祉部会議事録 1 日時 平成14年1月28日(月)15:30〜16:12 2 場所 厚生労働省専用第17会議室 3 出席委員:京極部会長代理、茨木委員、大山委員、岡田委員、岡部委員、        北野委員、鈴木委員、武川委員、根本委員、長谷川委員、村田委員   欠席委員:岩田部会長、佐口委員、中村委員 4 議事 (1)地域福祉計画策定指針の在り方について(報告)の取りまとめ (2)その他   ・ 部会終了後、京極部会長代理から社会・援護局長へ報告書が手渡された。 5 審議の概要 地域福祉計画策定指針の在り方について(報告)の取りまとめ (地域福祉課長) ○ はじめに、本日提出されている報告書案の、前回との主な変更点について説明する   。  ・(全体の構成について)    前回は「はじめに」、「地域福祉の基本目標」、「地域福祉計画の留意点」の3    つの柱立てとされていたが、今回は5本の柱立てに整理されている。そのうち、    「市町村地域福祉計画」と「都道府県地域福祉支援計画」の各柱立てについては    、計画に盛り込むべき事項を先に出し、その後に計画策定の体制、過程という再    整理がされている。  ・(新たな記述の追加について)    1つ目は、市町村地域福祉計画の中に社会福祉法人の役割を明記すべきとの意見    、2つ目は、都道府県地域福祉支援計画の中に共同募金会について記載すべきと    の意見を踏まえ、その記述が追加されている。  ・ 重複している部分、わかりにくい部分があるとの意見を踏まえ、文章が整理され    、また、カタカナ用語についても、前後にその用語を説明する文章が加えられて    いる。 ○ 以上の整理がなされた以降、ご意見があり更に2点の修正がなされた。  ・ 報告書案の1頁目について、報告書案の副題が「一人ひとりの国民への訴え」と    されていたが、「国民」とすると、地域福祉計画で想定する方々の範囲を限って    しまうとの指摘があったので、「国民」が「地域住民」に置き換えられている。  ・ 7頁目の「なお」書きの部分について、「もちろん」以下の文章が挿入されてい    る。 ○ 次に、事務局が作成した報告書案の概要版に沿って、本日提出されている報告書案   の内容を説明する。 ○ 1つ目の柱「はじめに」について、地域社会の変貌が進む中、ストレス、自殺、ホ ームレス等、生活上の諸課題が複雑多様化しているとの背景が記載され、併せて、ボラ ンティア、NPOなどの活動も活発化し、新たなコミュニティー形成の動きが顕著にな っているという2つ現状認識がなされている。  こうした中で、地域社会が個人の尊厳を重視し対等平等の考え方に基づき、地域住民 のすべてを支える福祉社会に変わっていくためには、多様な生活課題に地域全体で取り 組んでいくということがこれからの福祉の方向であるということを基本に据えながら、 地域住民の参加、その自発的、積極的な行動が重要であるという呼びかけを、地域住民 に対して行うというものになっている。併せて、首長、議会に対し、リーダーシップを 取るよう呼び掛けている。 ○ 2つ目の柱「地域福祉推進の理念」について、平成12年の社会福祉法の改正、ま た、これに至る平成2年の福祉八法の改正、社会福祉基礎構造改革分科会の議論等を踏 まえ、「地域福祉推進の目的」が「福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構 成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加 する機会が与えられるようにする」こととされている。 ○ また、「地域福祉推進の理念」として、4つの事項が整理されている。  ・「住民参加の必要性」について、地域福祉を推進していくためには、住民の主体的   な参加が大前提であり、地域住民の参加がなければ、地域福祉計画を策定できない   ということが、この計画の特徴である。  ・「共に生きる社会づくり」について、地域福祉を推進する上では、多様性を地域住   民相互間で認め合い、連携することが不可欠である。  ・「男女共同参画」について、男女共同参画の視点が大事である。  ・「福祉文化の創造」について、さらに、こうした取組みを進めることにより、地域   住民自らが主体的にかかわり地域福祉を推進することが、それぞれの地域に個性あ   る福祉文化を創造していくことにつながる。 ○ 3つ目の柱「地域福祉推進の基本目標」として、4つの事項が整理されている。  ・「生活課題の達成への住民等の積極的参加」について、1つは、地域住民を施策の   対象としてのみではなく、地域福祉推進の担い手として考える必要があり、もう1   つは、地域社会全体の構成員がパートナーシップを持つことが重要である。  ・「利用者主体のサービスの実現」について、生活課題を総合的に把握し、適正なサ   ービスが提供されるためには、ソーシャルワーク体制の充実が必要である。  ・「サービスの総合化の確立」について、多様なサービスの十分な連携による、総合   的な展開が不可欠である。  ・「生活関連分野との連携」について、福祉分野にとどまらず、まちづくりを含め、   生活関連分野との連携が不可欠である。 ○ 4つ目の柱「市町村地域福祉計画」について、 (1)「計画に盛り込むべき事項」として、社会福祉法の規定に従い、法第107条第    1号から第3号までに対応する内容が整理されている。  ・ 第1号に関連する部分について、福祉サービスの適切な利用の促進に関する事項    という中では、ニーズ調査等に基いてサービスの目標量を設定することが重要と    いうこと、併せて、数値目標になじまないものについても、より具体的なものに    するよう努める必要がある。    また、目的達成のための戦略として、相談支援体制の整備、権利擁護事業の利用    者の保護の問題等が挙げられる。    ・ 第2号に関連する部分について、社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関す    る事項ということで、多様なサービスの参入促進、公私の協働、福祉・保健・医    療、生活関連分野の連携方策等が組み込まれている。  ・ 第3号に関連する部分について、地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に    関する事項ということで、「地域住民、ボランティア団体、NPO法人等の活動    の支援」が挙げられ、併せて、市町村社協の基盤強化という問題にも触れられて    いる。 (2)「計画策定の体制と過程」として、(1)から(5)までに計画策定の手順に関する記    述がされている。   (1) 行政内部の計画策定体制について、部局を横断したプロジェクトチームの立     ち上げが有効である。   (2) 地域福祉計画策定委員会について、住民等の参加を得る方法が記されており     、地域住民、学識経験者等が参加する策定委員会を設置する方式が提言されて     いる。   (3) 地域福祉計画策定方針の決定について、住民の意見等をどのような形で反映    させるかを事前に方針決定することが必要である。   (4) 目標の設定について、具体的で、計画の達成度の判断が容易な目標を示す工     夫が必要とされている。また、数値目標がなじまないものについても、極力具     体的な目標を示す工夫が必要とされる。   (5) 地域福祉計画策定の手順について、計画策定の中で住民等の参画をどのよう     に確保していくかということ、それぞれの過程において住民等の感覚が重要で     ある。   (6)、(7)、(8)については、地域福祉を推進する際の関係の深い団体等の役割が整    理されている。   (9)以降は、技術的な内容の話である。(9)「地域福祉圏域及び福祉区の設定」につ    いて、地域福祉計画は市町村単位で策定することが基本であるが、市町村を超え    た圏域を設定すること、また、大きな市町村については、区域を区切り、福祉区    を設けることも必要ではないかと提言している。   (10) 計画期間及び公表等について、計画期間は概ね5年とし、3年で見直すこと    が適当であり、併せて、計画の進行状況を評価する体制をあらかじめ決めておく    必要がある。   (11) 他計画との関係について、1つ目の○では、地域福祉計画が既存の計画を内    包するという考え方の整理がされている、また、地域福祉計画策定に当たり、児    童、障害等の計画が未策定であれば、併せて策定することが期待される。2つ目    の○では、既定の法定計画の全部又は一部をもって地域福祉計画の一部とみなす    ことができるが、既存の計画を優先することが適当だという整理がされている。 ○ 5つ目の柱「都道府県地域福祉支援計画」について、 (1)「支援計画に盛り込むべき事項」として、法108条各号に沿って記載されてい   る。   ・ 第1号に関連する部分について、市町村の地域福祉の推進を支援するための基     本的方針に関する事項ということで、広域事業に対する支援等、情報の収集、     提供システムの構築等が挙げられる。   ・ 第2号に関連する部分について、事業に従事する者の確保または資質の向上に     関する事項ということで、研修体制の整備等の問題が整理されている。   ・ 第3号に関連する部分について、福祉サービスの適切な利用の促進及び社会福     祉を目的とする事業の健全な発達のための基盤整備に関する事項ということで 、福祉サービスの相談体制、供給基盤体制の整備等が整理されている。 (2)「支援計画の基本姿勢」として、市町村の裁量を狭めるような規程等は設けない    ことが基本となるということが整理されている。 (3)「支援計画策定の体制と過程」について、   (1)、(2)については、市町村と同様の考え方で整理がされている。   (3) 支援計画策定方針の決定等について、都道府県は国の指針が出された後、で     きるだけ早期に地域福祉計画策定ガイドラインを示すことが適当ではないかと     いうこと、そして支援計画は、市町村の地域福祉計画の策定状況を踏まえつつ     策定していくというやり方が適当ではないかと提言されている。   (4) 社会福祉協議会、共同募金会の役割について提言されている。   (5)、(6)、(7)については、市町村の地域福祉計画と同様の観点から整理されてい     る。 (北野委員) ○ 10頁の最初の○の「利用者の保護」について、保護という言葉ではなく、利用者 の権利擁護、アドボカシーという表現とするのが適当。保護という言葉を使う時代はも う終わっているのではないか。   あと、仕組みの整備というのは、地域福祉権利擁護事業、苦情解決制度等、適切な サービス利用の支援だけしか入ってないように読めるので、仕組み等という言葉にして 、他の活動についても含む必要がある。 ○ 11頁の地域福祉計画策定委員会のメンバー構成について、学識経験者が一番先、  地域住民が後になっている。まず地域住民を先に持ってくるのが当然の形である。   あと、地域住民には障害のある当事者住民も含んでいるというような表現が欲しい ところだが、地域住民には障害当事者が含まれていると聞いたので、いいかなと思った り、変えてもらいたいと思ったりもしている。 ○ 別紙2中、「計画実施上の障害を克服するための」との表現について、「障害を克 服する」を「問題を解決するための」という表現に変えるべき。 (京極部会長代理) ○ 北野委員のご意見については、そのまま受け入れたいと思う。 (大山委員) ○ 概要版の「はじめに」について、○が3つあるが、受け取る市町村の立場を考えて 、報告書案2頁の「社会福祉を消極的に単なる特定の人に対する公費の投入と考えるの ではなく、むしろ社会福祉を通じて地域を活性化させるものとして積極的な視点でとら えていただけるよう強く訴えたい」という部分を4つ目の○として、加えて欲しい。 ○ さらに、「これらの計画が21世紀の福祉を決定づけるものとして」と、「自治体の 首長、議会も、住民全体の地域福祉計画策定を推進する上で、自治体としての責任とリ ーダーシップを発揮されることを期待するものである」という部分を5つ目の○として 、加えて欲しい。 (京極部会長代理) ○ 大山委員のご意見により、加えることにしたいと思う。   概要版の「市町村地域福祉計画」と「都道府県地域福祉支援計画」の盛り込むべき 事項について、報告書案とあわせて、「(4)その他」を入れておいたほうがよい。   ○ 今いただいた意見を基に報告書案を修正し、さらに最終的な修文は私に一任させて いただき、社会保障審議会会長の同意を求めることにつき、議決していただかないとい けない。   この報告書の案で議決をまとめさせていただいてよろしいでしょうか。 (「異議なし」との声あり) ○ ありがとうございました。では、私の方から局長に渡すということで御了知いただ きたいと思います。 (照会先)  厚生労働省社会・援護局総務課  堀  03(3595)2612(直通)