審議会議事録
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第12回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事要旨
1 日時 | 平成14年1月24日(木)10:50〜12:00
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2 場所 | 経済産業省別館1020号会議室
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3 出席者 | [委員] | 奥平委員、刀谷委員、勝委員、菅野委員、吉川委員、 齋藤委員、桜井委員、佐藤委員、辻村委員、都村委員、 中山委員、長谷川委員、堀越委員、山路委員 |
[事務局] | 日比労働基準局長、奥田勤労者生活部長、 南野勤労者生活課長 |
4 議題
建議案
5 議事要旨
前回各委員から指摘のあった点について修正を加えた建議案が提示され、主として、予定運用利回りについての議論があった。途中、労働者側委員における協議のために休憩した後、労働者側委員より、建議とりまとめにあたっての意見が出され、1.0%もやむを得ない旨意見表明がなされた。これを受け、予定運用利回りを1.0%とすることが適当であること等を内容とする建議がとりまとめられた。
[主な質疑応答・意見等]
- 新聞紙上に中退制度の予定運用利回り見直しの記事が掲載されているが、審議途中であるにもかかわらず、既に結論が出されたかのように受け取ることもできる記事の内容となっていることについての事務局の考え方の確認があり、審議内容について慎重な取扱をしてほしいとの要望があった。これに対して事務局より、議事録等及び資料は公開しており、取材があった場合には、議論の経過の説明を行っていること、記事については、記者が記述したものであり、事務局から表明したものではないことについて説明があった。
- 現行3.0%の予定運用利回りを1.0%に引き下げることは、大変厳しいことである。平成12年度の実績の運用利回りが2.33%であることを考えると、引下げ後の予定運用利回りは1.5%にしてほしい。また、予定運用利回りが引き下げられた場合には、事業主の掛金月額引上げにより退職金水準維持の努力をお願いしたい。
- 小規模企業の経営者は、自らの報酬を削って経営を行っており、倒産しないようにするのが精一杯である。各種統計指標等にもそれが現れているし、企業にとっては、健康保険等の負担も増大していることから、多くの企業にとって、掛金を引き上げる余裕はないのではないか。
- 経済財政諮問会議においては、2003年度からプラス成長に移行するという見通しが示されており、中退制度について、財政の健全化が必要なことは理解するが、あまりに悲観的な見方で予定運用利回りを1.0%まで引き下げるのはいかがなものか。
- 予定運用利回りを1.5%にすることで財政が厳しくなるのも理解できるが、1.0%にすることで国の制度としての魅力が損なわれるのではないか。いずれにしても、大幅な予定運用利回りの引き下げになるが、これが避けられない事態となったのは、過去の予定運用利回り引下げ時の見通しが甘かったと言わざるを得ず、残念である。
- 金利水準については、平成12年度の実績運用利回りが2.33%となっているものの、累積欠損金が2,000億円を超えていること、金銭信託の部分が含み損を抱えていること等を勘案すると、改正後の予定運用利回りを1.5%とすることは難しいのではないか。
- 持続可能な制度とすることが重要であり、現実的に考えると、予定運用利回りを1.0%に引き下げることはやむを得ない。
- 労働者のためには引下げ幅はできるだけ小さい方がよいが、財政状況から考えると、中退制度を持続可能なものとするためには、1.0%はやむを得ない水準であり、労働者にはそのように受け止めてほしい。また、国及び勤労者退職金共済機構は、加入促進に一層力を入れ、制度の安定化を図る必要があるほか、事業主においては、景気の明るさが見えてきたときには、掛金の引上げの努力をしてほしい。
- 1.0%は厳しい数字であるが、昨今の経済環境からすると、本来であれば、更に低い水準でもやむを得ないと考えている。退職金額が政令事項化されることで、景気が好転したときには、予定運用利回りの引上げが容易になると考える。
- 1.0%は最低保障利回りであり、運用の実績が上がった場合には、1.0%+αの水準となることが、建議に明記されているので、制度の魅力がなくなるとは言えない。また、累積欠損金がここまで膨らんだのは、過去において予定運用利回りの引きさげが遅れたことに原因があると考えられ、その轍を踏まないよう、早期に1.0%に引き下げる必要がある。
- 前回の改正から3年しか経過しない中で、予定運用利回りの見直しを行うことは、加入労働者にとって退職金の給付水準の引き下げに直結し、大きな痛みを伴うものであり甚だ遺憾といわざるを得ず、(1)今後は政府の経済政策の失敗のつけを中小労働者が受けなくてすむような適切な対応を講ずるべきこと、(2)勤労者退職金共済機構の資産運用の責任体制を明確化すべきこと、(3)勤労者退職金共済機構は加入促進を行うこと、(4)使用者は労働者の退職金水準を確保するために、利率引き下げ分を補填する掛金引き上げに努力すべきこと、(5)退職金額の政令事項化に際しては、審議会の議事を公開すること等により透明度を高めること、を建議とりまとめにあたって留意するよう強く要望する。
6 配布資料
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(1) 建議案
(2) 一般の中小企業退職金共済事業の将来推計(剰余金の配分ルールを考慮したもの)
(3) 剰余金の配分について考慮した場合の退職金額モデルケース
(注)配付資料については多量のため省略しておりますが、厚生労働省(大臣官房総務課広報室又は労働基準局勤労者生活部勤労者生活課)において供覧しております。
照会先
厚生労働省労働基準局勤労者生活部勤労者生活課
担当:河野・武村
03(5253)1111(内線5376)
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