01/12/05 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会ダイオキシン特別部会議事録              薬事・食品衛生審議会           食品衛生分科会ダイオキシン特別部会                 議事録          厚生労働省医薬局食品保健部監視安全課 1.日時:平成13年12月5日(水)14:00 〜15:15 2.場所:経済産業省別館944号会議室 3.議題 (1)ダイオキシンの食品からの摂取量について (2)その他 4.出席委員 寺田(部会長)        江馬、大野、首藤、丹後、豊田、永田、廣瀬、安田、山田(各委員)   事務局  監視安全課:高谷課長、宮川課長補佐、黒羽健康影響対策専門官、              間瀬化学物質係長        基準課  :石井課長 ○監視安全課長  ただいまから、第1回の「ダイオキシン特別部会」を開催させていただきます。  本部会は1月7日の省庁再編で、食品衛生調査会が薬事食品衛生審議会食品衛生分科 会と名称が変わりまして、その中に始めてダイオキシンに関する特別部会が設置された ところでありまして、それからの第1回目の会議になるところでございます。年末のお 忙しいところをお集まりをいただきまして誠にありがとうございます。  当初の予定では、本日は3名の先生方が御欠席ということで、11名の委員の方々にお 話をお聞きしたいと思っておりますが、宮田先生、永田先生はまた遅れて参ると思いま すので、そのときは御紹介をさせていただきます。  本来ならば、食品保健部長があいさつに参るところでございますけれども、今、世の 中を騒がしているのがBSE関係で国会の質問が出ているため、そちらの方へ出席して おりますので、私は監視安全課の課長をやっております高谷でございますが、部長に成 り代わってごあいさつを申し上げます。  本日は、先生方お忙しいところお集まりをいただきまして心から御礼を申し上げる次 第であります。  先生方御承知のように、環境汚染物質であるダイオキシン類につきましては、平成11 年6月に厚生省及び環境庁の合同で耐容1日摂取量の設定を行いまして、同じ年の7月 にダイオキシン類対策特別措置法が設定され、平成12年の1月より施行されているとこ ろでございます。  この法律に基づく政令により、TDI耐容一日摂取量は4ピコグラムというふうに規 定されたところでございます。  一方、私ども厚生労働省では、食品の中のダイオキシンの調査につきまして、平成4 年度から個別食品について調査を開始しており、また、平成8年度からはトータルダイ エット試料を用いた一日摂取量調査を実施しているところでございます。  食品中のダイオキシン類の一日推定摂取量につきましては、平成9年から11年度の調 査では耐容一日摂取量を下回っているところでございます。平成11年度の食事からのダ イオキシン類の推定摂取量につきましては、昨年11月に食品衛生調査会の食品規格部会 ・乳肉水産食品部会の合同部会で御検討をいただきまして、平均的な食事では、食品衛 生上の問題を生じていないとの御意見をいただいたところでございます。  本日は、平成12年度のダイオキシン類の食品経由総摂取量調査研究について御報告す ることになっております。本年1月の省庁再編後初めて開催されるダイオキシン特別部 会でございます。先生方には活発な御意見を賜わりますようお願いを申し上げる次第で あります。  続きまして、以後の議事進行につきましては、座長の寺田先生にお願いいたしますの で、よろしくお願いを申し上げます。 ○寺田部会長  ありがとうございました。それでは、第1回のダイオキシン特別部会を開催いたしま すが、まず事務局の方から資料の確認をお願いします。 ○事務局  それでは、資料の確認をさせていただきたいと思います。  今回御配布してありますのは、1枚紙でございますが、第1回ダイオキシン特別部会 の議事次第、それと特別部会の委員名簿、これも1枚紙でございます。それから、薬事 ・食品衛生審議会の組織図というふうに書いてあるものが1枚紙でございます。  資料といたしまして、厚い資料で「平成12年度食品からのダイオキシン類一日摂取量 調査等の調査結果について」という資料でございます。  以上でございます。よろしく御確認をお願いいたします。不備がありましたら挙手を お願いしたいのですが、よろしいでしょうか。 ○寺田部会長  それでは、議事に入りますけれども、今回は初めてのダイオキシンの部会でございま すので、事務局より説明をお願いします。 ○事務局  それでは「薬事・食品衛生審議会 組織図」という資料を基に御説明申し上げます。  先ほど、監視安全課長からもお話しがございましたが、本年1月に省庁の改変に伴い まして、審議会についても一部改変が行われたということでございます。  これまで、食品分野の厚生労働大臣の諮問機関でありました食品衛生調査会と医薬品 部門の諮問機関でございました中央薬事審議会が1つになりまして、この上の「薬事・ 食品衛生審議会」という諮問機関に変更になりました。この下に、「薬事分科会」とい うものと、「食品衛生分科会」という2つの分科会が設置されまして、食品分野に関し ましては、この食品衛生分科会の下部機関として12の部会が設定されているということ でございます。 ダイオキシン特別部会は、この図の下の右から2番目にございまして 、食品衛生分科会の下部部会という形になっております。  本部会の所掌事務でございますが、裏面をごらんいただきたいんですが、「食品衛生 分科会部会構成」というふうになっておりまして、12の部会についての所掌事務が書か れております。こちらの方の11番のダイオキシン特別部会でございますが、「食品中の ダイオキシンの毒性に関する事項について調査審議する。」という内容でございます。  なお、今回は諮問事項がございませんので、報告事項のみとなっております。  以上でございます。 ○寺田部会長  どうもありがとうございました。ただいまの説明に関しまして、御質問等はございま すか。ないようでしたら、これは第1回の会議ということで、皆さんのお顔はそれぞれ 御存じだと思いますが、自己紹介ということを、まず最初にしていただきたいと思いま す。江馬先生から、お願いいたします。 ○江馬委員  江馬です。よろしくお願いします。 ○大野委員  国立医薬品食品衛生研究所の薬理部の大野です。よろしくお願いします。 ○首藤委員  国立衛生研究所の首藤でございます。 ○丹後委員  国立公衆衛生院疫学の丹後です。よろしくお願いします。 ○豊田委員  国立衛研の食品部の豊田です。よろしくお願いします。 ○山田委員  独立行政法人水産総合研究センターと言います。昔の水産庁の研究所にいます山田で す。瀬戸内海の方を研究しています。よろしくお願いします。 ○安田委員  広島国際大学の安田でございます。よろしくお願いいたします。 ○廣瀬委員  国立衛研病理部の廣瀬です。よろしくお願いいたします。 ○寺田部会長  私、国立がんセンター寺田でございます。よろしくお願いします。  では、議題に入りたいと思いますけれども、議題に入りたいと言ってもここに書いて ありますとおり、まずダイオキシンの食品からの推定摂取量ということにつきましてで すが、このことにつきまして事務局の方からまず説明をお願いいたします。 ○事務局  それでは、お手元の厚い資料「平成12年度食品からのダイオキシン類一日摂取量調査 等の調査結果について」という資料を基に御説明申し上げます。  こちらの資料ですが、事務局が作成いたしました資料が1ページ目から8ページ目ま でございまして、行政側の作成した資料という位置づけでございます。  その次の9ページ目の次に、1ページと書いてありますが、こちら以降のものについ ては、厚生科学研究で行われましたダイオキシン類の食品経由総摂取量調査報告書とい う形でございまして、これは厚生科学研究で、今日御出席いただいております、国立医 薬品食品衛生研究所の豊田部長が作成した報告書という位置づけでございます。  こちらの内容について簡単に御説明申し上げます。先ほどの8ページ目の次のページ の事項を見ていただきたいんですが、こちらの厚生科学研究は3つの研究事項から成っ ております。  「その1」と書いてあるものですが、「ダイオキシン類の食品経由総摂取量等に関す る研究」ということでございまして、これは私どもトータルダイエットスタディーとい うふうに申し上げておるもので、ダイオキシンの人への主な暴露経路の一つと考えられ ます食品について、平均的な食生活からどれだけダイオキシンを摂取しているかという ものを推計する調査でございます。この調査につきましては、平成8年度から毎年行っ ておりまして、今回は平成12年度の調査結果ということでございます。  トータルダイエット調査と申しますのは、通常の食生活において化学物質等の特定の 物質をどの程度実際に摂取しているかというのを把握するための調査方法でございます 。飲料水を含めました120 食品程度を、スーパーマーケットや市場からサンプリングし 、それを14群に分けまして必要に応じて調理を行い、それぞれ14群に分けたものをコン ポジットいたしまして、ダイオキシンの濃度をはかって国民1人当たりの平均的な1日 の摂取量を推定するというものでございます。  今回の調査につきましては、昨年報告いたしました平成11年度と同様に7地区16か所 においてサンプリングされたものを実施したものでございます。  第2の調査でございますが、「その2」と書いてあるところですが、「野菜、魚介類 等個別食品中ダイオキシン類濃度等に関する調査研究」ということでございまして、こ ちらの個々の食品ごとのダイオキシン類濃度を測定するというものでございます。  平成12年度の調査では、魚介類につきまして24種類、水産加工品につきまして15種類 、肉類につきまして6種類、食肉加工品について7種類、乳類につきまして5種類、卵 類につきまして2種類、野菜類につきまして13種類、果実類につきまして3種類、穀類 につきまして1種類、豆類につきまして3種類、その他の食品2種類の合計81種類、230 検体につきましてダイオキシン類の汚染状況の調査を行ったものでございます。  「その3」といたしまして「汚染因子の推定」というものがございます。これは、個 別食品のダイオキシン調査におきまして、ダイオキシンの異性体を解析いたしておりま す。これと、その他の研究者によって報告されている燃焼系排ガスとか、農薬及びPC B製品のダイオキシン類異性体と比較することで、食品の汚染因子を推定しようとした ものでございます。 この汚染因子の推定の研究というのは、食品中のダイオキシン類 の異性体の比率と、文献検索によりました排ガス、農薬及びPCBの製品の異性体の比 率を比較いたしまして、その組成が似ているか否かによって、食品の汚染因子を推定し ようとするものでございまして、排ガスや農薬からの食品へのダイオキシンの移行を直 接的に調査したものというわけではございません。  この農畜水産食品のダイオキシンの汚染の原因につきましては、昨年度から農林水産 省で農薬中のダイオキシン由来解析を含みます総合的な研究を行っておりまして、また 環境省におきましても、「農用地土壌及び農作物のダイオキシン類に関する検討会」と いうものを設置いたしまして、アイソトープ等を用いた試験によって、実際にどのよう にダイオキシンが農作物に移行するかなどの試験を現在実施しているというふうに聞い ております。  今後、このような研究によりまして、詳細に試験を行いまして、汚染原因が明らかに なると考えております。  また、この汚染因子の研究につきましては、食品衛生上の問題とは異なるということ から、今回1ページ目から8ページ目までの行政側が作成した資料の中には、この調査 の内容は記載してございません。  それでは、最初の1ページに戻りまして御説明申し上げます。  今回分析いたしましたダイオキシン類につきましては、1ページの3の「調査事項」 の項目ですが、昨年と同様にダイオキシン7種類、フラン類10種類、コプラナーPCB1 2種類を測定しております。  2ページ目にいきまして、今回の調査結果でございますが、(1)の「一日摂取量調 査」につきましては、全国の平均的な数値でございますが、こちらは体重1キログラム 当たり1.45ピコグラムという数値でございました。  この数値は、平成10年度調査の2.01ピコグラム。平成11年度の2.25ピコグラムと比較 いたしまして、少ない数値ということになっております。  2ページ目の真ん中の表でございますが、これは平成9年度から12年度までのそれぞ れの調査地点におきます調査結果を一覧にしたものでございます。  年度によって実施している地点というのが多少異なりまして、例えば中国四国地方で は中四国のAというところは平成11年度しか実施していませんが、12年度は別の地区の 中国四国Cという地点でサンプリングしたということでございます。  サンプリングに当たっては、自治体の協力を得て、自治体で行っておりまして、それ ぞれの自治体の都合により、同じサンプリング地点で採取ができなかったということで ございます。  その下の表でございますが、平成10年度、11年度、12年度の一日摂取量の推移という のを表にしたものでございます。先ほど申しましたとおり、平成10年度では、体重1キ ログラム当たり、体重を50キロと仮定いたしまして2.01ピコグラム、11年度では2.25ピ コグラム、12年度では1.45ピコグラムという数値になってございます。  今回の調査結果の範囲ですが、下限は0.84ピコグラムで、上限が2.01ピコグラムとい う数値でございました。  昨年報告いたしました平成11年度の調査では、関東Aと関西Aという2か所でTDI の4ピコグラムを超える地点がございましたが、今回の12年度の調査結果では、そのよ うな地点はございませんでした。  なお、平成11年度の調査でTDIを超えた2地点につきましては、前回食品規格部会 ・乳肉水産食品部会合同部会でも御報告申し上げましたが、関西Aという地点で、サン プリングいたしましたマグロについて再度調査いたしましたが、非常に脂肪の濃度が高 いもので、ダイオキシン濃度が比較的高濃度であったということと、マグロのサンプリ ングにおきましては、マグロは結構たくさん食べるものでございますが、その1検体し かサンプリングをしていなかったということが原因と推定されます。  また、11年度の調査結果では、関東Aでは4.04ピコグラムでしたが、今回の調査結果 では1.30。関西Aでは、7.01ピコグラムであったのが、2.01ピコグラムというふうにな っておりまして、ほかの調査地点と比べて際立った数値にはなっていないということで ございます。  また、平成10年から12年までの調査では多少幅がございますが、平均的に見ると2ピ コグラム前後であり、また、平成11年度の2か所を除きまして、TDIの4ピコを超え ているものはなかったということでございます。  以上のことから、本行政作成資料の2ページの(1)の2パラグラフのところでござ いますが、「平均的な食生活をしている日本人のダイオキシン摂取量の推計値はTDI を十分下回っており、現在のところ食品衛生上の問題はないと考える。しかしながら、 やはり偏りのないバランスのよい食生活が進められる。」と記載しております。  2番目といたしまして、2ページ目の下の行ですが、「個別食品中のダイオキシン汚 染実態調査」という項目でございます。こちらにつきましての結果内容については、3 ページ目にございますが、「個別食品の概要」というものと、5ページ以降の個別食品 ごとの数値の表というのがございます。  3ページ目については、5ページから8ページまでの個別のものをまとめたものでご ざいます。  今回の調査結果では「魚介類」につきましては、平均1.593 ピコグラム/グラムとい う数値でございましたが、昨年度の平成11年度の調査では、1.492 でございまして、さ ほど変わらないという数値でございます。また、水産加工品につきましては0.398 、や はり昨年度は0.452 という数値でございます。肉類6種類につきましては0.128 、昨年 度が0.191 でございます。食肉加工品7種類につきましては、0.022 、また昨年は0.013 でございます。乳類5種類につきましては0.174 、昨年度は0.230 。卵類につきまし ては0.135 、昨年度は0.127 。野菜類につきましては0.11、昨年度は0.24。果実類につ きましては0.001 、昨年度は0.003 。穀類につきましては0.001 未満ということでござ いまして、豆類につきましては0.001 。その他、これは蜂蜜と昆布の佃煮でございます が、0.006 という数値でございました。  なお、この数値につきましては、昨年同様、食品全体に対する濃度を示しておりまし て、油中の濃度を示しているものではございません。  5ページから個別の食品ごとの数値を示してございまして、この数値はコプラナーP CBを含めた全体のダイオキシンの濃度を示しております。この中で一番数値が高かっ たものはアナゴでございまして、5ページのアジの下のところですが、6.789ピコグラム /グラムという数値でございます。  これまで実施した魚介類の個別食品の調査では、平成10年度のスズキの25.72ピコグ ラム/グラムという数値が最高の数値でございます。  個別の魚種ごと、または食品ごとに見ていきますと、今回の魚介類の調査で平均2ピ コグラム/グラムを超えたのは、アジが3.358 、アナゴが3.580 、キチジが3.574 、サ バ、これはマサバでございますが3.487 、タチウオが4.101 、ハマチが2.043 、メバル が2.997 、イイダコ、これは1検体しかやっていませんが、3.096 というものでござい ます。 次の6ページ目にまいりまして、「魚介類加工品」につきましては、魚介類と 比較いたしますと、比較的低い濃度の傾向にありまして、特にさつま揚げとか、ぱんぺ ん、ちくわなどの魚肉練り製品というのは、魚に比べると低いという傾向がございまし た。魚介類加工品で平均が1ピコを超えたのは、塩サバと、ホッケの干物と煮干しとい う、いずれも干物でございました。  「食肉」につきましては、毎年牛肉と豚肉と鶏肉について国産品と輸入品を両方やっ ておりますが、今回は牛タンと豚の腸と鶏皮という3種類の派生した食品を実施してお ります。  この傾向ですが、牛肉では輸入と国産を合わせた平均値が0.247 ピコグラム/グラム でしたが、牛タンの平均は0.231 という数値で余り合わらないのかなという感じです。  また、豚では国産、輸入合わせて平均しますと0.008 ピコグラム/グラムでしたが、 豚の腸でもやはり0.007 と低い数値で余り変わりがないという結果でした。  鶏につきましては、輸入、国産合わせて平均しますと0.065 ピコグラム/グラムです が、鶏皮は、0.378 という数値で幾分高い数値となっております。これは油の濃度が高 いかなという感じはいたします。  次に7ページに目にいきまして「食肉加工食品」でございますが、この中の牛乳につ きましては、今回の平均が0.031 ピコグラム/グラムでございましたが、これまでの平 成8年から11年度までに実施しました調査結果の平均は0.049 という数値でございまし て、ほぼ同様の数値かなというふうに思われます。  8ページ目に参りまして、「野菜類」につきましては、ごらんのとおり押しなべて低 い数値になってございます。この中で、ホウレン草は毎年調査していますが、今回平均 で0.046 という数値でございましたが、これも平年と比べてそれほど増減のないような 数値でございます。  なお、この表の5ページから8ページまでの表の、右の方に「輸入」と書いてあるの は、これは検疫所で採取したものを示してございます。  また、こちらの検出下限値の取り方につきましては、ND=0というのを掲載させて いただいていますが、厚生科学研究の報告書の中には、これを2分の1として取ったも のについても参考として付けるというふうな措置を取らせていただいております。  また、3ページ目に戻りまして、今後の予定でございますが、平成13年度におきまし ても、一日摂取量調査及び個別食品の調査を実施しておりまして、また個別食品の調査 結果から推定一日摂取量を試算するというような方法も13年度から取る予定になってお ります。  また、ベビーフード等のこれまで実施しなかった加工食品についても調査を実施する 予定となっております。  以上、平成12年度の食品からのダイオキシン一日摂取量調査等の調査結果の概要につ いて御説明申し上げました。 ○寺田部会長  どうもありがとうございました。追加の説明は豊田先生何かございますか。 ○豊田委員  ちょっと。 ○寺田部会長  ではお願いいたします。 ○豊田委員  大体大まかなところは、今行政の方からの御報告がありましたので、コメント的なこ とをちょっと付け加えさせていただきたいと思います。  まず、トータルダイエットのここに書いてございます結果についてですけれども、平 成10年度結果というのがございます。11年、12年とまとめて2ページ目に書いてござい ますけれども、多分これは後で皆さんが見られた場合に、平成10年度のはちょっと違っ ているではないかと言われると思うんですけれども、これは大変申し訳ないんですけれ ども、10年度につきましては、発表の時点では一部ちょっと間違ったデータを皆様に発 表してしまいましたので、若干最後のけたのところなんですけれども、たしか2.00とい う話をしたと思うんですけれども、若干計算ミスが後になって見つかりまして、訂正し て2.01の方が正しいということです。100.3 ということです。ということで、ここでは 間違いを訂正したデータで比較をさせていただいております。  平成10年度は、私一人でこつこつとやっていましたけれども、間違いがあったという ことで、それ以降は2人でチェックするということをやっておりますので大丈夫だろう というふうに考えております。  それから、あとは中身の方でございますけれども、トータルダイエットの方の本文の 方に図表があると思うんですけれども、表の7というのがございますけれども、当然10 年度から対象の同族体類が同じでやっているものですから、一応10年、11年、12年とい うことで比較させて表をつくらせていただいているわけでございます。これを見ていた だくとわかりますけれども、感じといたしまして総ダイオキシンといたしまして、6機 関程度、そのぐらいの摂取量が下がっているような傾向になっております。  ここにはちょっと出ておりませんけれども、中の内訳でダイオキシンにつきましては 、3機関ぐらいの方が減少している。コプラナーも同じように摂取量が3、このA、B と書いてあるところでございますけれども、減少していると。ただし、コプラナーの方 は余り変わらないようなところが若干多いという、中身的にはそのような傾向になって おります。そのことは、実際にこの中の報告書の本文の方に書いてありますので、そち らの方をまた後で見ていただきたいと思います。  全体的に若干減りぎみにあるのかなというふうに私個人的には思いますけれども、こ れが本当にその傾向であるのかどうかということは、もう少し見ていかなければいけな いと考えます。  それは、昨年度もお話を申し上げたんですけれども、非常に機関によるでこぼこ、サ ンプルの取り方による変動というものがかなりありまして、なかなか一定の傾向を出た 数値だけで簡単に判断することは非常に難しいということでございますので、全体的な 傾向として考えるというふうなことしか仕方がないと考えております。  個別食品の方につきましては、御説明がありましたので10ページ以降にずっと書いて ございますけれども、これらのデータにつきましては、先ほど行政の方から御紹介があ りましたように、既に他の省庁の方で御検討されている数値とそれほど変わらない数値 というものが得られているということでございます。  17ページの方の「その3」ということでございますけれども、この部分につきまして は、あくまでも研究的な部分というふうな意味合いで分担研究の一部として行っている わけでございます。  この解析でございますけれども、これは実際問題行政の方から、先ほど御紹介があり ましたように、他省庁の方で一生懸命かなりのエネルギーを掛けて解明について取り組 んでいるところでございますので、我々の方は、あくまでも我々の得られたデータから の小さな推定ということで、御容赦願いたいというふうに思っているわけです。  これは、なぜ「その3」が加わったかと申しますと、以前にこれまで一応ここ3年間 ののプロジェクトとしてやっていったわけでございますけれども、今までの10年、11年 では、こういった同族体等の部分についての言葉はほとんど書いていない。ただ、ダイ オキシンとコプラナーPCBがどのぐらいありますよという話しか紹介していないんで す。  というところで、研究としては、少しは何か3年のまとめとして考えられることぐら いは、少し書こうかということで、ここに書かせていただいています。  ただし、そこの研究方法の17ページの1の後半のところに書いてございますけれども 、要するに食品中のデータとしてはいいんですけれども、レファレンスのものをどうす るかということが我々は非常に困りまして、とりあえず我々の場合にはオープンになっ ている報告書、そういったものを学会報告等、論文等のものをここに利用させていただ いているということでございまして、実際にそのものにつきましては、図の2の方に若 干文献から取ってきましたものを、パターンですね、「CNP 不純物」、それから「2,4-D 不純物」「PCP 不純物」「カネクロール混合物」というようなことで、そのパターン を紹介させていただいておりますけれども、これは正しくないというおしかりを受けて も、それは仕方がないと我々は考えております。  要するにバックグランドのいろいろなデータは、ほかにたくさんあると思うんですけ れども、なかなか実際問題として公表されている、我々が考えている学会レベルでの報 告というのは余り細かいものがない。  実際問題として、ここのところの本文中にも書いてございますけれども、焼却による 排ガスのパターンはないんです。何かはっきりしたものがどうもないようなので、ここ には書いていないということでございます。  今、御紹介しましたような、我々としては非常に無理を承知で一応最終3年度として 考察を加えようということで、18ページの研究結果で考察の直前にも書いてございます ように、そういった報告をちょっと使って比較をしたということでございます。  そうすると、後の方の図1の方で、ここに我々が推定しているところは、いろんなと ころで推定されているのと同じようなことしか書いていない。よけいなこととか、新し いことはほとんどないんですけれども、とりあえず見てみたということでございます。  ただし、この場合には、今までのトータルダイエット、あるいは個別食品の場合のよ うにTEFのあるものだけではなく、やはり原因を考えるためには、TEFのないもの ですが、この図のところにも書いてございますけれども、1368とか1379、こういったも のについても濃度として加えた方がいいであろうということで、データを取りまして、 パターンを見てみたということでございます。  図1−1のところからわかりますように、PCDDの場合と、左の方に魚介類がござ いますけれども、魚、甲殻類、軟体、貝と、こういったもののパターンが非常に類似し ている。TeCDDと、TeCDDFという、この部分が多くなっているということが 見られております。  コプラナーについても全く同じようなパターンになっておるということでございます 。 若干海草の方では、パターンが異なっている。違う経緯であろうというふうに考え ております。  図の1−2の方でございますけれども、これは肉類についてでございますけれども、 牛肉、豚肉、鶏肉、乳製品ということで、このパターンもごらんになられるとわかりま すけれども、DDとDFにつきまして非常よく類似しているということで、OCDDの 濃度が高くなってきて、その次ぐらいにTeCDDというのになっているということで ございます。  左の方のコプラナーを見ますと、先ほどと同じなんですけれども118 の部分が高くな っているということで、これは先ほどの「カネクロール混合物」とかいうものにパター ンとしては類似しているということでございます。  図の1−3でございますけれども、これは穀物、果菜、根菜、葉菜ということでござ いますけれども、この場合には、TeCDDの濃度が高くなっているということでござ います。若干根菜と葉菜ではパターンのずれがありまして、根菜の方ではOCDDが多 くなっています。  葉菜の方では、ピークがちょっとほかの部分に出ているということで、若干こちらの 方とは異なるような由来が考えてられるということでございます。  ということで、この推定につきましては、21ページの結論のところにPCDD/Fの 汚染につきましては、燃焼系の排ガス、過去に大量に使用されたPCP、CNPの由来 の不純物。  4行目の、魚介類、食肉、乳製品のコプラナー汚染につきましては、カネクロール混 合物と、こういったものが汚染源ではないかという、今まで従来知られているような考 察を加えているということでございます。  先ほど頭のところでお話しましたように、本来こういったものの推定には、統計的な 手法を使わなければいけないんですけれども、残念ながら、要するに統計的な手法の場 合には、コントロールとしての試料の数がある程度ないと比較ができませんので、この 場合にはそこまで行っていないというところで勘弁願いたいということでございます。  以上で補足を終わります。 ○寺田部会長  ありがとうございました。どうも御苦労様でした。ただいまの報告につきまして、何 か質問とか御意見がございましたらお願いいたします。  これは、非常に一般的な話で恐縮なんですけれども、いろいろ計られて魚介類が多い 、魚がまあまあだという話があります。そのほかに何か一般化して、例えば輸入のもの は少ないとか、物議を醸し出したらまずいからあれですけれども、ぱっとみて、これは 一般的な話なのか、何かほかにありますか。豊田先生が言われたように、測定の取る場 所とか、何かちょっとばらつきがあるようなことをおっしゃったので、個々のことより も全体として食べ物の中で減りつつあるということは言えますか、はっきりは言えない 。 ○豊田委員  摂取量のトータルの方から見ますと、どうも減っているみたいな感じがするというこ とは食品の寄与率が非常に高いわけですから、食品中も減っているであろうと。  そうすると、中で見ますと、一部の食品については明らかに減っているのもあります 。ただし、変わらない、同じぐらいの程度、同じぐらいというのは、N数がないと、先 ほどのお話のとおり、個別のものについて非常にばらつきが多いんです。ですから、平 均的な数値というものを出す場合に、あるときぱっと高いものができたものを、その後 の平均にしますと、非常に平均値が高くなってしまう。私としては、そういうのは余り 好ましくない。ときどき考察のところに高いものを抜いた場合にこうなりますよと、そ ちらの方が私は真値ではないかと思うんですけれども、そういったようなことで比較し ますと、同じようなものもあるし、減っているものもあるというように感じます。 ○寺田部会長  そのほかに、例えば、今日のこの議題ではないんですけれども、前からいいデータだ なと思っていました、母乳のダイオキシンを続けて、何か大阪でありましたね、197 0年代から時代が過ぎてみて、ぐっと減ってきた、あれは続けてどこかの省庁ではかっ ているのですか。 ○事務局  厚生労働省の母子保健課の方ではかっておりまして、保存されていた母乳について過 去からの推移がどいうふうな推計であるかという調査結果がございますが、ちょっと今 資料はないんですが、1970年代が非常に高くて、そこから減少されていると、大体現在 は、1970年代と比べると2分の1というぐらいの数値になっていたというふうに記憶し ております。  また、食品につきましても、平成10年度の調査におきまして、1977年から保存されて いたサンプルを用いて推移がどうなっているかという調査をいたしまして、1977年度に つきましては、体重1キログラム当たり8.18ピコグラム。だんだん減っておりまして、 今回のものだと平均1.5 だという形ですから、大体3分の1以下なっているというふう に考えております。 ○寺田部会長  ほかに、どうぞ。 ○丹後委員  公衆衛生の丹後ですけれども、先ほど非常に検体によってばらつきが多いという話が あったんですが、測定または分析の精度がどのくらいあるのかというデータが、この中 に見当たらないんですけれども、その辺のデータというのはどのくらいの大きさになる のか、ちょっと教えていただければと思います。 ○豊田委員  この研究班ではないところで実はやっておりまして、ダイオキシンの、いわゆる分析 法に対する精度管理というのが別個に一応やっております。そこの部分でレファレンス 試料というのがございます。ダイオキシンの場合にレファレンス試料というのが余りな いので、そこら辺も多少問題はございますけれども、一応レファレンス試料のあるもの についても、従来何年ぐらいになりますか、3年ぐらいは多分やっていると思います。 そこら辺の精度は一応確保しているということでございます。  また、一応トータルダイエットの中で含有量の特に高い部分が、魚介類の部分とか、 乳製品の部分とか、食品群の非常に高い部分につきましては、一応同じサンプルで別の 機関で測定するといったダブルチェックということも試みております。 ○寺田部会長  ほかに、どうぞ。 ○廣瀬委員  トータルダイエットスタディのところで1つお聞きしたいんですが、平成11年度関東 のAと、関西のAでかなり高い値が出ておりまして、関西の場合はマグロのサンプルが どうのこうのという話をちょっとされておりましたけれども、12年度にはきれいに下が っていると。ある年度で上がっているということで行政が非常に驚いて、次の年度には 恣意的に汚染の少ないであろうサンプルを使ってくれとか、そういうようなことは全く ないんでしょうか。 ○監視安全課長  そのようなことは当然言っていないんですが、平成11年度で、このサンプル数、例え ば同じマグロであっても、マグロの日本人の摂取量は大体7グラムぐらいだというふう に国民の調査になっているんですが、それを1検体で取るか、それとも2検体取るか、 または検体数によっても、たくさん取れば取るほど平均化されるというふうに考えてお りますので、そういう摂取量の多いものについては、複数の食品をサンプルしてくださ いというお願いをしております。  そういうことで、万が一平均を示していないようなサンプルを取っても、複数取れば 大体全体として平均化されるというふうに考えております。 ○寺田部会長  非常に大変なデータで、かなりリファレンスが必要だったり、ちょっとばらつきがあ ったりして大変ですけれども、全体としてはどうも量は少なくなっているといことは、 大変結構な話なんです。しかし、厚生労働省で大事なのは、これがどれほど人に影響が あるかということはみんなが知りたいところだと思いますが、焼却炉とか、そういう高 濃度暴露の方も、血液中をはかれるとか、そういうことでフォローアップをやっている とか、そういう健康との関係ということは、どういうふうなところで、どういふうにや っていらっしゃるんでしょうか。  難しいのはよくわかりますけれどが大切なことです。 ○事務局  わかる範囲でちょっとお答えしたいんですが、例えば、焼却場とかの労働者に関して は、厚生労働省の労働部門で血液の検査とか、一部の地域について実施しているという ふうに聞いております。  また、過去の健康影響の血液調査とかというのは、ちょっと私も思い当たるところが ないんですが。 ○寺田部会長  セベソでの事故とかで随分前の話ですけれども、高濃度のダイオキシンに暴露された 方でも、リスクは確か中心部で1.4 か1.5 ぐらいだったと思ったのです。その後、その フォローアップの文献は私はちょっと知らないんで申し訳ないんですが、あとはどうな っているのでしょうか。 ○監視安全課長  平成10年度にダイオキシン対策の基本指針というのをつくっておりまして、この中で は削減対策の推進と検査体制の整備、それから健康及び環境への影響の実態把握、調査 研究及び技術開発というようなことを考えておりまして、削減対策の推進については環 境省、それから国土交通省、あと経済産業省等が関わってやることとしています。  検査体制の整備が2つありまして、環境媒体中のダイオキシン類の分析は環境省が所 管をする。食品中のダイオキシン類の分析は厚生労働省がやるということになっており ます。 先生、今、御指摘の健康及び環境への影響の実態把握でございますが、これに ついては人や環境への影響把握というのは、1つは環境省が行う。これは人や野生生物 のモニタリングの調査であるとか、地方公共団体が行う大気公共用水質、地下水、土壌 の常時監視、これは環境省がやるわけですけれども、次に河川における実態調査である とか、リスクマネージメント、関連調査は国土交通省が分担をする。作業環境における 健康影響の調査、これは厚生労働省が請け負うと。廃棄物焼却施設の調査は環境省。農 畜水産物の調査については、これは基本的には農林水産省が実態調査を行う。  一方では、調査研究及び技術開発では、人への健康影響に関する調査研究、特にTD Iの再評価のための調査研究についてとか、健康影響に関わる摂取量調査、人、生殖機 能と云々と、これについては、TDIの方は環境省がやりますが、厚生労働省も人への 影響調査というのを研究として行う。  このように、いろいろと環境中の挙動の話とか、いろいろ含めまして、国を挙げてそ れぞれ関係する省庁がダイオキシンについての基本指針を決めております。国としてど うするかというのを決めておりまして、今、先生の御質問で人への影響ということにつ いては、環境省なり厚生労働省なり農林水産省なりがそれぞれ分担をして影響調査をし ていくということになっています。 ○寺田部会長  どうもありがとうございました。どうぞ。 ○丹後委員  実は、我々の研究所で平成11年度から全国のごみ焼却施設、約千八百ぐらいあるとこ ろの中から、約七十ぐらい選んで、既にその周辺約十キロの、いわゆる周産期に起きる 健康影響ですね、死産であるとか、乳児死亡であるとか、そういうものを既にデータを 集めて平成10年度、9年度で約五十万件、必ずしもダイオキシンとの関連を着実に見て いるわけではないんですけれども、焼却施設周辺にどのくらいの健康影響があるのかと いうことを現在実際に計算をしているところでありまして、この13年度の研究報告書で 、世界で初めての大規模な結果が出る予定でございます。 ○寺田部会長  どうもありがとうございます。期待をして待っております。  要するに、いろんなものをはかって、上がった、下がったといいますが、肝心の人へ の健康へのところはどれほどのリスクファクターがあるのかとか、何も日本だけの話で はなくて、世界中の話でもはっきりしない。動物実験はありますけれども、人への影響 はどれほどまであるのかということを、やはりきちっと、せっかくこれだけ大規模にや っていますので、やっていただければなというふうに感じています。ちょっと不勉強で よく知らないところもありまして、どうも失礼いたしました。  しつこいようですが、もう一つ、各省庁間でいろいろやっていることをまとめてダイ オキシンの問題に関して論議するようなプラットホームとか、そういうのはあるわけで すか。 ○監視安全課長  少くとも環境省、農水省、厚生労働省については、健康への影響であるとか、今おっ しゃった人への影響、それから食品中のダイオキシンの調査、畜水産はどうかというこ とについては、定期的な情報交換もやるでしょうし、特に環境省とはTDIとの関係も ございますので、両省合同でのそういうふうな会議の開催を予定したりして、今までの やってきましたし、今後ともやっていくという予定にしております。 ○寺田部会長  よろしくお願いします。前もずっとやっておられましたけれども、やはり全部の省庁 でいろいろなところでやったものをまとめるのが大事であると思います。  ほかに何かございますか。  それでは、本日の総括的なことを申し上げたいと思います。  食品からの日本人の平均的なダイオキシン摂取量は、先ほどからも説明がございまし たように、TDI(4pgTEQ/kgbw/ 日)を下回っておりまして、現在のところを食品衛 生上問題はないと考えられますが、いかがでございましょうか。  よろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○寺田部会長  ありがとうございました。それでは、今日配られました資料についての取り扱いをど ういうふうにしますか。 ○事務局  事務局では、この資料につきまして、1ページ目の案を除きまして日付を入れたもの について公表させていただきまして、厚生労働省のホームページ等に掲載したいと考え ております。 ○寺田部会長  どうもありがとうございました。ただいまの、この事務局の資料に関する取り扱いに つきまして何か御意見ございますか。そういう取り扱いでよろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○寺田部会長  それでは、事務局はそのように作業を進めてください。  それで、今日の議題の1が済んで、(2)の「その他」はないみたいなので、その次 の3の「その他」は何かございますか。 ○監視安全課長  それでは、本日のダイオキシン特別部会から直接関わりのないところでありますが、 私ども監視安全課が今行っております業務について、先生方に少し参考に御紹介をさせ ていただきます。  現在、マスコミ等大変騒がしておりますBSEも食品保健部監視安全課が所掌してや っておりますので、それらの状況を申し上げます。  手短に申し上げますが、本年の9月10日に千葉で日本初のBSEが発見されたという ことを踏まえて、厚生労働省としましては、と畜場を経て市場に流通する肉の安全性を より確保するという観点から、と畜場でのBSEの検査を行うということを決定しまし て、10月18日から開始をされたわけです。紆余曲折はありましたが、と畜場に入ってく る牛すべてについてBSEの検査を行うという方針を固めたわけで、現在実施しておる ところであります。  この検査の方法は、1つはと畜場におきます検査は、1次スクリーニング検査という ことで、今はエライザによる検査を実施をしております。迅速検査法には、現在、国際 的にヨーロッパで特に使われているのはエライザによる方法と、ウェスタンによる検査 法が使われておりますが、私ども日本で使うには、どちらが適切かということで、より 安全サイドに、間違っても安全サイドに間違うであろうというふうな観点からエライザ という方法で1次スクリーニングを行っています。この1次スクリーニングで陽性と出 たものは、ウェスタンブロットによる確認検査を行って白黒を判定をするということに しております。  現在は、ウェスタンブロットで黒となったものについては、病理組織学的検査と、免 疫組織学的検査の2種類の検査を加えて実施をしております。  10月18日以降、現在まで約十三万頭程度の牛のと殺解体処理をしておりますが、11月1 9日に北海道でと殺解体をされた乳牛、これは平成8年の4月4日生まれの牛ですが第 1次スクリーニングで陽性、確認検査のウェスタンブロットで陽性、病理組織切片では 空胞が見られない。免疫組織医学的検査では、異常プリオンの染色が認められたという 結果でした。  引き続きまして、11月29日に至りまして、埼玉の大宮のと畜場でと殺解体された牛が 、やはり1次スクリーニングで陽性になりまして、確認検査のウェスタンで陽性。それ から、免疫組織医学的検査でも異常プリオンの染色が認められました。  これについては、病理組織切片では空胞がわずかながら認められるということであり ます。しかしながら、両牛ともに臨床症状が認められないということでございまして、 専門家の御意見によりますと、発症直前の状態ではないかなということであります。埼 玉でと殺解体された牛も平成8年3月26日生まれということであります。  ちなみに、千葉の1頭目のBSEも平成8年3月26日生まれでありまして、たまたま かどうかわかりませんが、今のところ3頭でありますが、すべて平成8年3月26日、4 月4日生まれと、近日に生まれた牛が見つかっておるという状況であります。  このような状況下でありますが、現在厚生労働省としては、今後ともと畜場に入って くる牛については、すべて検査を行うこととしております。ただ、先生方も御承知だと 思いますけれども、このエライザにしても何にしても、異常プリオンが1個でもあった らつかまえられる検査法かと言うと、当然検査法には感度がございますので、これで見 つからないというものも当然あるわけでありますので、そのことを考慮しまして、ヨー ロッパでも取っておりますように、異常プリオンが集積をすると言われている、脳、脊 髄、目の神経部分、それから回腸の遠位部というところは、と畜場ですべて除去して焼 却をしてしまい、市場には出さないという処置をとっております。検査と特定危険部位 と言われる4部位を除去するということを併せてBSEに罹患していない、または罹患 していたとしても危ないものはすべてそこで取り除くということで、安全性を確保する ことを現在やっておるというところであります。  ただ、問題は、これらの部位をどうやって焼却をするのか、焼却施設等の問題があり ます。勿論、簡易な焼却施設を使うと、先生方がせっかくここでダイオキシンのことを やっていただいても、ダイオキシンを発生するような焼却施設で焼却というのも大変な ことでありまして、そうならないような焼却施設できちんと焼却をするということをや らなければいかぬというふうに思っております。  一方、原因究明につきましては、農林水産省の方で現在調査を行っておるところであ ります。まだ、今のところ特定された原因がわからない、感染経路がわからないという 状況であります。  大変貴重な時間ではありますけれども、私の方で現在行っておりますBSE対策につ いて少し御紹介をさせていただきました。  以上でございます。 ○寺田部会長  本当にありがとうございます。大変でございましょうけれども、大事なことなので、 是非よろしくお願いいたします。  何かこのことに関しまして御質問ありますか。  1個だけいいですか、このこと自身ではなくて、要するに生体でBSEに感染の有無 を知る方法は世の中では全然まだないのでしょうか。生きたままで血液検査とか。 ○監視安全課長  今のところ世界中どこも生態時にBSEに罹患しているかどうかの検査という方法は ないということでありまして、2〜3日前の雑誌か何かには、その生態時の検査にも応 用可能な検査法を開発したというようなことが載っておりまして、血液検査か何かやれ るようなことでしたけれども、それが実現すればまだ大分違ってくるんではないかと思 いますけれども、今のところまだどこも採用していないということです。 ○寺田部会長  ありがとうございました。それでは、これでダイオキシンの方に戻りまして、手続は そういうふうにやっていただくということで、ほかにはございませんですか。 ちょっ と時間が余っておりますが、それでは本日の部会をこれで終わらせていただきます。  先生方におかれましては、忙しいところ出席して御討議をいただきましてありがとう ございました。  本日の部会は、これで終わります。どうもありがとうございました。 (照会先)厚生労働省医薬局食品保健部(代表:03−5253−1111) 監視安全課 黒羽、間瀬(内線:2477)