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別添 2

手段別アクションプラン

1.電子カルテシステム

期待される効果
質の向上
・最新の医療情報へのアクセスによる診療
・患者データの一元管理・共有化、情報の解析等による新たな臨床上の根拠(エビデンス)の創出

効率化
・医用画像管理システム導入によるフィルム等の経費削減。

情報提供
・適切な情報管理・検索、目的に沿った情報の加工が容易(情報提供の前提となる比較可能なデータの蓄積)
・患者にとって理解しやすい(見やすく読みやすく分かりやすい)表示
・医療機関内、医療機関間、医療機関・他の関係機関との情報ネットワーク化

現状 普及率:全病院の1.1%(平成13年7月)
目標 ・平成16年までに全国の各二次医療圏において少なくとも1施設、地域医療支援病院または臨床研修指定施設への電子カルテシステムの普及を図る。
・平成18年までに400床以上の病院のうち6割以上に普及
・平成18年までに全診療所の6割以上に普及
解決すべき課題 ・電子カルテシステムについての医療機関の理解
・標準化(用語・コード・様式)
・情報セキュリティーおよび個人情報保護技術の確立
・電子カルテシステム導入・維持コスト負担
方策
理解促進
・学会、関係団体の生涯教育における情報化研修導入(平成14年度より)
・臨床研修医に対するIT教育の推進(平成16年度より)

基盤整備促進
・用語・コード・様式の標準化(平成15年度までに)
・情報セキュリティーおよび個人情報保護技術の確立(平成15年度までに)
・「カルテの施設外保存」の規制緩和(平成13年度検討)

モデル事業
・「地域医療連携のための電子カルテによる診療情報共有化モデル事業」の実施(平成14年度予算要求)

導入・維持運用費の負担の軽減
・補助金による導入支援 医療施設近代化施設整備事業(平成14年度予算要求)
・融資・優遇税制等のあらゆる政策手段を検討(平成14年度より)



2.オーダリングシステム

期待される効果
質の向上
・患者データの一元管理・共有化、情報の解析等による新たな臨床上の根拠(エビデンス)の創出

効率化
・正確な物流管理による経費節減

安全対策
・診療情報の共有による伝達ミスの防止、入力・処方ミスのチェック

現状 ・医事会計、検査指示、画像管理等の単独システムの導入は進みつつある
・オーダリングシステム普及率:全病院の10%(平成11年)
目標 ・平成15年までに全病院の2割以上にオーダリングシステム導入
解決すべき課題 電子カルテ導入に際しての課題に加え
・情報システム間の互換性の確保
・クリティカルパスなどによる医療従事者間の連携
方策 電子カルテの導入促進方策に加え
基盤整備促進
・クリティカルパスを院内情報システムに組み込むためのシステム開発(平成15年度までに)
・情報システムを用いた医療事故防止対策ガイドラインの作成(平成13年度中)


3.EBM(根拠に基づく医療)の支援システム

期待される効果
質の向上
・最新の医療情報に基づく最適な診療や看護ケア等が可能となり治療効果が向上

情報提供
・質の高い最新の医学情報を医療従事者や患者に提供

現状 ・EBMの概念は普及したが、日常診療への活用は限られている
・EBMに基づく日本独自の研究データ(エビデンス)やガイドラインの蓄積が少ない
・最新の医療情報を迅速に国民や臨床現場に提供する体制が整備されていない。
目標 ・平成16年度までに主要な20疾患のガイドラインを作成
・平成16年度までに主要な看護ケアガイドラインを作成
・平成15年度までに最新の医療情報の提供体制整備
解決すべき課題 ・EBMに対する理解・活用
(国民への普及啓発、臨床研修での教育、臨床医研修・看護職員の実務研修など医療の提供者に対する研修)
・診療ガイドラインの作成
・日本独自の研究データ(エビデンス)の蓄積
・診療ガイドラインをはじめ最新の医学情報を提供するためのデータベースの運用・制度・体制の確立
方策
理解促進
・臨床研修医に対するEBM研修の推進(平成16年度より)
・学会、関係団体における生涯教育にEBM研修の導入(平成14年度より)

基盤整備促進
・EBMに基づく日本独自の臨床研究の促進(引き続き実施)
・診療ガイドラインの作成(平成11年度より引き続き実施)



4.遠隔診療支援システム

期待される効果
質の向上
・遠隔地の専門医による診断支援、治療指示等による診療の質の向上
・在宅療養の継続によるquality of life(生活の質)の向上
・専門的医療機関と地域の医療機関との連携・機能分担による診療支援

効率化
・通院に伴う経済的・社会的負担が軽減

現状 ・離島を中心とした遠隔医療への適用に留まる
目標 ・5年間、毎年10地域で遠隔医療推進事業を行い全国への普及を図る(平成13年度より)
解決すべき課題 ・医療情報伝送のためのセキュリティー体制の確立
・診療報酬での検討
方策
基盤整備促進
・医療情報伝送のためのセキュリティー技術・体制の整備(平成15年度中)

導入経費の軽減
・補助金による導入支援
「地域医療の充実のための遠隔医療補助事業」の実施(平成13年より)



5.レセプト電算処理システム

期待される効果
効率化
・診療報酬の請求・審査支払事務の効率化

情報提供
・健康指導などの保健事業に活用

現状 ・電子請求レセプト割合0.5%(22都道府県318医療機関 平成13年11月現在)
目標 ・16年度までに全国の病院レセプトの5割以上に普及
・18年度までに全国の病院レセプトの7割以上に普及
解決すべき課題 ・医療機関への理解促進
・傷病名マスター(コード)の見直しなど普及のための環境整備
方策
理解促進
・大病院を中心に医療機関への参加働きかけを積極的に推進(平成13年度より)

基盤整備促進
・傷病名マスター(コード)の見直し(平成13年度中に完了)
・レセプトのオンライン請求等の試験事業の実施(平成14年度要求)
・レセプト電算処理に係る医療機関等の個別指定制度の廃止(措置済み)



6.電子的情報交換のための用語・コード・様式の標準化

期待される効果
質の向上
・電子化された大量な医療情報の蓄積や共有が可能となる。これにより正確な情報に基づく情報の分析や活用が可能となり臨床研究の推進や地域での医療機関間の連携や機能分化が推進される。

効率化
・システムの標準化による開発の負担軽減
・バーコードなどによる物流管理による病院運営費の削減

現状 ・標準的な用語・コード・様式は策定中(用語・コードの内「病名」「手術・処置」「検査」「医薬品」「医療材料」については平成13年度より提供開始)
目標 ・医療施設間で安全に診療情報交換ができる基盤の整備  ・医療情報の効率かつ有効な活用
解決すべき課題 ・標準的な用語・コード・様式の整備および現在ある規格の標準化
・診療報酬請求との整合性の確保
方策
基盤整備促進
・厚生労働省は主要分野10分野の医療用語・コードの標準化を診療報酬請求と整合性を考慮しつつ行う(平成15年度)とともにその維持管理体制の整備を行う(平成13年度より逐次実施)
・医療分野でネットワークを介した施設間の情報交換の技術、セキュリティを確立する(平成15年度)
・医薬品コードについては院内情報システムの基盤であるHOT番号が管理する4つのコードの集約化を行う(平成18年度)
・産業界を中心に情報交換規約の標準化の策定が進んでおり、医療情報交換の互換性確保のため今後5年間は下記の規約を標準装備とした製品を普及推進する
「医療機関で電子的に情報交換する際の標準的な規格」の方向性として下記の標準実装を目指す。
1.HL7Ver.2.4以降およびHL7Ver.3(XML形式)
2.DICOM規格 ※注 HL7Ver.2.4以降は今後実装方式をXMLに集約するよう目指す
・IHE-Jとして、電子カルテシステムにおける標準規格(HL7,DICOMなど)利用のガイドラインづくりがユーザー、ベンダーの連携のもとに進められている。画像検査部門を中心としたガイドラインを平成14年度末に完了し、その成果を全部門へ拡張できるように検討を進める。
(※注IHE-J: Integrating the Healthcare Enterprise:日本における医療連携のための情報統合化プロジェクト)

普及促進
・厚生労働省と文部科学省は、両省間の連携を密にするとともに関係府省の参加を得て、医療機関間の情報交換ができるよう統一的な用語・コード、規格の利用等に関する協議を行う(平成13年度)
・産業界は上記の情報交換のための統一的な規格を取り入れた製品を開発するとともに積極的に普及推進する(平成13年度より逐次実施)
・各省庁が公的な事業、補助を行う際には標準的な規格を採用したシステムの使用を積極的に採択する(平成14年度)


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