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4 公的年金の給付構造と財政構造

○被用者年金制度の給付構造と費用負担

新法適用者

・基礎年金制度発足時(昭和61年4月1日)60歳未満の者(大正15年4月2日以降に生まれた者)に対する老齢・退職年金の受給権者
・基礎年金制度発足以後に給付事由が発生した障害年金の受給権者
・基礎年金制度発足以後に給付事由が発生した遺族年金の受給権者

図

旧法適用者

・基礎年金制度発足時(昭和61年4月1日)60歳以上の者(大正15年4月1日以前に生まれた者)に対する老齢・退職年金の受給権者
・昭和36年4月1日以後かつ基礎年金制度発足までに給付事由が発生した障害年金の受給権者
・昭和36年4月1日以後かつ基礎年金制度発足までに給付事由が発生した遺族年金の受給権者

図

(注) 追加費用:
 国共済・地共済・旧三公社共済において、制度発足前における恩給公務員期間等を引き継いだことにより発生した費用で、事業主たる国・地方公共団体等が負担する費用


○公的年金の財政構造

図

 実質的な支出とは、給付費から追加費用や基礎年金交付金を控除すること等により定められる独自給付費と基礎年金拠出金とからなっており、制度横断的な給付と負担を行う仕組みである基礎年金制度を考慮して、公的年金各制度が、ある年度において社会保険方式として実質的に負担することとなる費用のことである。

 基礎年金の財政方式としては、基礎年金の給付に要する費用と、公的年金各制度に係る基礎年金に相当する給付に要する費用(みなし基礎年金給付費)の合計額とをあわせた額を、各制度の被保険者及びその被扶養配偶者の人数に応じて各制度が毎年度分担することによって賄うという方式をとっている。この各制度が分担する額を基礎年金拠出金という。
 なお、各制度が支給する基礎年金に相当する給付は、基礎年金勘定からの交付金により賄われている。



(参考)
被用者年金制度の会計における収入・支出項目と平成11年財政再計算に基づく
被用者年金制度の財政検証における収入・支出項目との比較

被用者年金制度の会計における収入項目 平成11年財政再計算に基づく被用者年金制度の財政検証における収入項目
保険料収入 保険料収入
運用収入 運用収入
国庫・公経済負担 国庫・公経済負担
追加費用 追加費用
基礎年金交付金  
制度間調整交付金
国共済連合会等拠出金収入 国共済連合会等拠出金収入(厚生年金のみ)
積立金相当額納付金 (注1)
職域等費用納付金  

被用者年金制度の会計における支出項目 平成11年財政再計算に基づく被用者年金制度の財政検証における支出項目
給付費 独自給付費
(給付費−基礎年金交付金−職域等費用納付金)(注2)
基礎年金拠出金 基礎年金拠出金
制度間調整拠出金
年金保険者拠出金 年金保険者拠出金(国共済、地共済、私学共済、農林年金のみ)

(注1)
 厚生年金の財政再計算では積立金費用納付金は平成9年4月に一括納付されたものと仮定して財政見通しを作成している。
(注2)
 社会保障制度審議会年金数理部会「平成11年財政再計算に基づく被用者年金制度の財政検証」(平成12年7月)では、独自給付費のことを給付費と表記している。

○財政再計算における国民年金及び基礎年金の財政見通し

 財政再計算結果における国民年金の財政見通しは基本的には国民年金勘定に相当する会計に関する財政見通しであり、その財政見通しにおける国民年金の支出は、国民年金が負担する基礎年金拠出金額と国民年金独自給付費等からなっており、国民年金の収入は、保険料収入、運用収入、及び国庫負担からなっている。
 また、財政再計算結果における基礎年金の財政見通しは基本的には基礎年金勘定に相当する会計に関する財政見通しであり、基礎年金給付費のみならず各公的年金制度に係る基礎年金相当給付費(みなし基礎年金給付費)も含む基礎年金全体の財政見通しであるが、その財政見通しは、単年度ごとに完全な賦課方式で財政運営がなされるという基礎年金の財政運営の基本的考え方に準拠して作成されている。

○財政再計算における厚生年金の財政見通し

 財政再計算結果における厚生年金の財政見通しは基本的には厚生保険特別会計の年金勘定に相当する会計に関する財政見通しであり、その財政見通しにおける厚生年金の支出は、厚生年金が負担する基礎年金拠出金額と厚生年金独自給付費等からなっており、厚生年金の収入は、保険料収入、運用収入、及び国庫負担等からなっている。

○財政再計算における国共済・地共済の財政見通し

 財政再計算結果における国共済・地共済の財政見通しは基本的にはそれぞれの共済の長期経理に相当する会計に関する財政見通しであり、その財政見通しにおける共済の支出は、当該共済が負担する基礎年金拠出金額と当該共済の独自給付費及び追加費用等からなっており、当該共済の収入は、保険料収入、運用収入、国庫・公経済負担、及び追加費用等からなっている。


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