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第4回社会保障審議会人口部会資料1−1
平成13年12月11日

将来人口推計の方法と仮定設定
討議資料


国立社会保障・人口問題研究所


図表1 将来出生率の見通しの比較

A.目標コーホートの仮定設定考え方の比較
要因 平成9年推計
1980出生コーホート
新推計
1985出生コーホート
生涯未婚 平均初婚年齢の上昇にともない未婚化は進行するとの認識。 平均初婚年齢の上昇にともない未婚化は、勢いを衰えさせながら進行するとの認識。
離死別効果 離婚率は上昇しつつも、同時に再婚率も上昇。離別者の平均子ども数はほぼ安定。 離婚率は上昇しつつも、同時に再婚率も上昇。離別者の平均子ども数はほぼ安定。
完結出生児数 晩婚化効果による出生力低下 晩婚化が進行し、平均初婚年齢の上昇にともない完結出生児数は以前より減少するとの認識。 晩婚化が進行し、平均初婚年齢の上昇にともない完結出生児数は以前より減少するとの認識。
晩婚化以外の要因による出生力低下 推計時点で顕著な傾向が見られず。 1960年代の出生コーホートで、初婚年齢の上昇にともなう夫婦出生力低下化傾向に加えて、夫婦出生力自体の低下を示唆する兆候。

B.目標コーホートの仮定設定値
要因 平成9年推計
1980出生コーホート
新推計
1985出生コーホート
生涯未婚 50歳時の生涯未婚率:
4.6%(1941-45年生まれ)→13.8%
50歳時生涯未婚率:
5.2%(1946-50年生まれ)→  %
離死別効果 離死別効果係数
k=0.957
離死別効果係数
k=0.971
完結出生児数   1.96人 α人−β人
晩婚化効果による出生力低下(α) 初婚年齢の上昇にともなう低下:
2.18人(1943-47年生まれ)→1.96人
初婚年齢の上昇にともなう低下:
2.13人(1948-52年生まれ)→ α人
晩婚化以外の要因による出生力低下(β) 一定(β=0) 平均初婚年齢の上昇要因以外の効果(β)を考慮する必要があるのではないか。

図表2 人口動態統計に基づく初婚数*1と出生数
図
*1 初婚数に関しては、再生産年齢女子人口に初婚率(届出遅れ補正、ミレニアム婚補正、Grevill補正による年次間の平滑化)をかけて算出した。再生産年齢女子人口とは、15〜49歳の日本人女子についての7月1日人口である。1996年〜1999年人口については2000年国勢調査人口をベースに補正したものを使用。図中では1/10の尺度で表記。

図表3-1 期間初婚率と期間出生率の動向の比較
図
過去の状況から初婚率の動向は、約2年遅れて出生率に反映されている。そこで、2年前の初婚率と出生率の動きとを比較したものが、下記のグラフである。

図表3-2 期間初婚率と期間出生率の動向の比較
図
1980年代半ば以降、初婚率と出生率の動向に乖離が見られる。これは1980年代半ば以降に結婚した夫婦(1960年前後の出生コーホート以降)について結婚後の出生行動に変化が生じていることを意味する。 前回の推計時点では、この初婚率と出生率の乖離が始まったばかりであり、この傾向が一時的な夫婦の出生タイミングの遅れを意味するのか、最終的な出生児数の減少を意味するのかについて判断するには不十分であった。しかし今回追加されたデータにより、その傾向が強まりつつ10年以上にわたって継続していることが明らかになっており、夫婦の最終的な子ども数への影響が大いに考えられる事態となっている。

図表4 各回調査における夫婦の平均出生児数
(結婚持続期間15〜19年)
表図

図表5 調査別にみた平均出生児数分布の推移(結婚持続期間15〜19年)
表図

図表6 結婚持続期間別、調査年次別、平均出生児数別、夫婦割合
表図

図表7 結婚持続年数別、結婚年別累積出生児数の推移(3年移動平均)
1971-1995年結婚
図

図表8 各回調査による初婚年齢別にみた平均完結出生児数
:第7〜11回出生動向基本調査
図
資料:国立社会保障・人口問題研究所『出生動向基本調査第I報告書(日本人の結婚と出産)』各回調査による。
注:第7回調査のみ調査時の妻の年齢40〜44歳についての値。他は調査時の妻の年齢40〜49歳についての値。

図表9 初婚年齢別出生児数別夫婦割合:第7〜11回出生動向基本調査
結婚15〜19年の夫婦について
初婚年齢 夫婦数 出生児数 平均出生
児数(人)
0人 1人 2人 3人 4人 5人以上
20歳未満 807 1.7 6.7 50.9 31.7 7.2 1.7 2.41
21〜22歳 1,872 2.8 7.7 54.1 30.0 4.6 0.7 2.28
23〜24歳 2,509 2.4 9.0 57.6 27.0 3.4 0.6 2.22
25〜26歳 1,585 3.3 8.8 59.9 24.2 3.5 0.3 2.17
27〜28歳 673 4.8 15.9 55.1 20.5 3.1 0.6 2.03
29〜30歳 264 7.6 21.6 56.1 11.7 2.7 0.4 1.81
31〜32歳 73 12.3 31.5 47.9 6.8 1.4 0.0 1.53
33歳以上 48 12.5 33.3 39.6 8.3 4.2 2.1 1.65
資料:図表45に同じ。

図表10 初婚年齢別にみた平均完結出生児数
:第7〜11回出生動向調査結果、およびモデル値
図

図表11 初婚年齢別にみた出生順位別生涯出生確率
:第7〜11回出生動向調査結果、およびモデル値
図

図表12 推定完結出生児数と35歳時累積出生児数の動向
図
注:分析に用いたサンプルは、各回調査時点で年齢35歳以上、結婚年齢が34歳以下の初婚同士夫婦の妻。

図表13 推定50歳時完結出生児数と35歳時の累積出生児数の差
図

図表14 初婚年齢別にみた累積出生児数
:第8〜11回出生動向調査結果に基づくモデル値
図

図表15 出生コーホート別、35歳以前に結婚した妻の初婚年齢分布
:第8〜11回出生動向調査
図

図表16 累積出生児数の予測値と実績値
図

図表17 初婚年齢分布からの予測値と実績値との乖離に関するt検定結果 表図

図表18 出生コーホート別、妻の年齢35歳時、40歳時の平均同居児数
〜国民生活基礎調査〜
図
注:(1)このデータは、一人以上の子どもが同居する世帯について集計したもので、子どものいない妻が含まれていない。したがって、一人以上の子ども持つ女性の平均同居児数である。
(2)平成2年から平成12年の国民生活基礎調査に基づいて妻の出生コーホート別に35歳時と40歳時の平均同居児数を算出した。なお、乳幼児と子どもの死亡率、ならびに妻の年齢上昇と子どもの離家による同居児数の減少があるため、平均出生児数とは異なることに注意が必要である。

図表19 結婚経過年別にみた累積出生児数
妻の初婚年齢23-27歳,結婚後7年以上経過した初婚同士夫婦について
:第8〜第11回出生動向基本調査

1)結婚後5年時点の累積出生児数および子ども数分布(%)
妻の
出生コーホート
N 平均
初婚年齢
結婚後
5年の
累積出児数
結婚後5年時点での子ども数(%)
なし 1人 2人 3人 4人以上
1935-39 950 24.5 1.51 6.5 39.4 50.7 3.3 0.1
1940-44 2,031 24.5 1.67 5.4 27.9 61.3 5.2 0.1
1945-49 3,346 24.4 1.65 5.8 28.8 60.3 5.1 0.1
1950-54 2,910 24.5 1.66 5.9 27.0 62.1 4.9 0.0
1955-59 1,755 24.5 1.59 9.5 27.0 58.6 4.8 0.1
1960-64 833 24.5 1.51 10.6 33.0 51.7 4.6 0.1

2)結婚後7年時点の累積出生児数および子ども数分布(%)
妻の
出生コーホート
N 平均
初婚年齢
結婚後
7年の
累積出児数
結婚後7年時点での子ども数(%)
なし 1人 2人 3人 4人以上
1935-39 950 24.5 1.86 3.9 20.2 63.2 11.7 1.1
1940-44 2,031 24.5 1.96 3.8 13.9 64.8 16.9 0.5
1945-49 3,346 24.4 1.93 4.4 14.8 65.0 15.2 0.6
1950-54 2,910 24.5 1.95 4.5 14.5 63.1 17.2 0.7
1955-59 1,755 24.5 1.88 7.4 14.5 61.1 16.6 0.4
1960-64 833 24.5 1.80 8.4 19.3 57.0 14.8 0.5

図表20 結婚経過年別累積出生児数
図

図表21 結婚後7年時点での子ども数分布
図


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