01/11/21 第3回 母子健康手帳改正に関する検討会 議事録       第3回 母子健康手帳改正に関する検討会               議事録               厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課      第3回 母子健康手帳改正に関する検討会議事次第 日時 平成13年11月21日(水)14:30〜16:47 場所 厚生労働省共用第7会議室 第5合同庁舎(厚生労働省)5階 議事   1.母子健康手帳の改正について ○桑島課長補佐  それでは定刻となりましたので、ただいまから、第3回 母子健康手帳改正に関する 検討会を開催いたします。本日は大変お忙しい中、お集まりをいただきましてまことに ありがとうございます。  本日は、小野委員、日暮委員がご欠席のご連絡をいただいてございます。  なお、本日会議の途中の予定ではございますけれども、私どもの局長でございます岩 田が、委員の皆様方に一言ご挨拶と御礼を申し上げたいということで、後ほど参らせて いただきます。本来ですと第1回目に局長からご挨拶を申し上げるべきではございまし たけれども、国会等の関係によりまして出席がかないませんでした。それで本日改めて ご挨拶をさせていただくという形に相なったわけでございます。  それでは早速議事に入らせていただきたいと存じます。平山会長どうぞよろしくお願 い申し上げます。 ○平山会長  お忙しい中をお集まりいただいてありがとうございます。また、間でいろいなご意見 をお寄せいただきまして大変ありがとうございました。  それでは、これから議事に入ります前に、まず本日の資料の確認をお願いいたします 。 ○桑島補佐  それでは、皆さんのお手元にご用意してございます資料の確認をさせていただきます 。まず資料1、今回の改正の(案)、検討会としての報告になります。それから、改正 案、現行のものを参考として付けてございます。資料2、2ラウンド目で各委員からお 寄せいただいたご意見ということでまとめさせていただいたものでございます。  それから、参考資料といたしまして、2ラウンド目で先生方にいろいろとご意見をい ただきましたものを見え消しで修正をさせていただいたものでございます。この見え消 しをきれいにいたしましたのが、本日の資料1の資料となってございます。  以上が本日の資料でございます。欠落等ございましたら、お知らせいただきたいと思 います。以上でございます。 ○平山会長  ありがとうございました。それでは本日の議事、「母子健康手帳の改正について」に 入りたいと存じます。前回は事務局及び各委員の皆様方からご提出いただいた母子健康 手帳の改正案について、それぞれご説明をいただき、その後、事務局原案についてのご 議論をしていただきました。そのときに、私の方から、各委員の皆様方にお願いをいた しましたのは、皆様から出していただいた改正案の取扱いにつきましては、整理をしな ければいけないという意味で、1つは私と事務局で各委員のご意見をよく読み整理させ ていただいた上で、事務局原案にそれらを盛り込んだ新しい改正案をつくりましょうと いうこと。  2番目に、その案を各委員に事前に配布させていただいて、再度皆様方から新たな改 正案についてのご意見を提出していただくということ。  3番目に、さらにそれを踏まえまして、私と事務局で相談の上、再度新たな改正案に 修正を加え、それをもって今回の会合に臨みまして、きょうの会合で最終的な意見の調 整ができればありがたいということでお願いをいたしまして、このスケジュールをご了 承いただいたところでございます。  このスケジュールに沿いまして調整した母子健康手帳の改正案が、きょうのこの席上 に配っていただいてある配付資料1、3の見え消しにした、どこが直ったかがわかりや すい資料ということでございます。  いただきましたご意見はすべて大変ごもっともないいご意見ですので、全部盛り込み たいところなのですけれども、物理的に全部いただくというのは不可能なものですから 、物理的にと申しますのは、手帳の大きさは今度自由にしようということですけれど、 今までの大きさは割合小さいタイプのA6になるのでしょうか。これが地域で案外評判 がよくて、あの大きさというご希望もかなり強いものですから、そうだとすると、それ ほど多くを盛り込むわけに物理的にいかない、そういう意味でございます。特に省令に 関する部分というのは書き込める内容に限りがあるというようなことでございまして、 その辺、いただいたご意見をもとに事務局の方々と2〜3回にわたりましていろいろデ ィスカッションさせていただいて、それできょうの資料にまでまとめさせていただいた ということでございます。意見を言ったけど、入ってないというお叱りがあちこちであ ろうかと思いますけれども、そうした事情もございますし、表現は違っても趣旨が盛り 込んであるということもございますので、その辺、ごらんになりながら、よろしくご検 討いただければありがたいと思います。  それでは、まず原案につきまして、事務局からご説明をお願いします。 ○桑島課長補佐  それでは、今回の母子健康手帳の改正について、お時間がとれる場合ですと1ページ 1ページご説明をすべきではございますけれども、非常に限られた時間でございますの で、母子健康手帳の改正についてということで、検討会としての最終的な意見としてま とめた参考資料を軸にいたしまして、それぞれこの改正の手帳の中身と対比をしながら ご説明をさせていただきたいと存じます。  それでは、まず「母子健康手帳の改正について(案)」という3枚紙でございます。 こちらをごらんいただきながら、説明に入らせていただきたいと存じます。真ん中のと ころ「主な改正点及び改正の趣旨」、1つ目のところでございますが、(1)について は、今会長からご説明ございましたけれども、「母子健康手帳の大きさについて」とい うことで、従来からご説明をしてございますとおり、A6という規定がございましたが 、その条件を削除いたします。  次が内容に入ってまいりますが、(2)として「離乳及び断乳について」ということ で、厚生省母子家庭局母子保健課長通知「改定『離乳の基本』」という通知が出ておる わけでございますが、離乳の完了時期は通常12〜15か月、遅くとも18か月としている ことに鑑み、省令様式の「1歳健康診査」、改正案の分厚い方でございますが、25ペー ジをごらんいただきたいと思います。保護者の記録の1歳のところでございます。離乳 の欄を離乳の完了だけでなく、離乳の進行状況を確認する欄にすること。  併せて(2)のところでございますが、同じく上記通知に基づいて、母乳は自然とやめ るようになるとしていることに鑑み、省令様式の1歳健康診査、同じ25ページでござい ます。及び「1歳6か月健康診査」が27ページのところでございますが、「断乳」の完 了を確認する欄について、「断乳」という表現を改め、母乳を飲んでいるか否かを確認 する欄に改正するということがまず1つ目でございます。25ページと27ページのところ で「断乳」という言葉を削除して「離乳」等、あるいは母乳の「飲んでいる」、「飲ん でいない」という表現に切り替えてございます。  次の(3)でございます。「乳幼児の発達に関する質問事項について」、これは非常 に多岐にわたってございますが、平成12年に「乳幼児身体発育調査」に併せて実施され ました「平成12年度幼児健康度調査」の結果を踏まえまして、省令様式の各年(月)齢 における「保護者の記録」の欄の乳幼児の発達に関する質問事項の修正・追加を行って ございます。例えば22ページをお開き願いますが、この発達の部分で申し上げますと、 この9〜10か月」の欄のところで、下から4つ目の「○」でございますが、「後追いを しますか」の項目がつけ加わってございます。  それから、2歳のところまで飛びますが、28ページ、上から3つ目の「○」、「積木 で塔のようなものを作ったり、横に並べて電車などにみたてて遊ぶをことをしますか」 。  次、めくっていただきますが、3歳のところで、下から4つ目の「○」ですが、「ま まごと、怪獣ごっこなど、ごっこ遊びができますか」。  4歳、次のページめくっていただきますが、上から4つ目の「○」、「お手本を見て 十字が描けますか」。  6歳のところにまいりますが、「おもちゃやお菓子などをほしくても我慢できるよう になりましたか」、こういうような項目がつけ加わってまいりました。  そういう修正を加えてございます。  (4)でございますが、「乳幼児身体発育曲線等について」でございますが、これは 前回の検討会の中でもご説明を申し上げたところでございます。10%、90%パーセンタ イルについては削除をいたしてございます。3パーセンタイルと7パーセンタイルの曲 線だけが残ってございます。  (5)でございます。ここは前回のご議論からさらに進んで一歩追加をされたところ でございますが、「父親の育児参加の促進等について」ということでございます。父親 の育児参加を促進するため、省令様式に父親・母親両方の育児休業の取得を記録する欄 を設ける。これは3ページをお開き願いますでしょうか。下の方でございますが、「育 児休業」となってございまして、(父親・母親)の欄、2段設けてございます。これは 必ずしも、父親・母親両方書く必要はございませんが、母親が2回書いても構わないわ けでございますが、いずれにいたしましても、父親・母親の育児休業の欄を設けさせて いただいてございます。  それから、任意記載事項の作成例の「すこやかな妊娠と出産のために」、これは54ペ ージをお開き願いますが、ここに1つ大きな項目が立ってございますが、「妊娠中の夫 の協力」というところで、これだけの説明を加えさせていただいてございます。夫の協 力ということを強く1つ項目を起こしたわけでございます。内容については省略をさせ ていただきます。  それから、62ページからでございますけれども、「育児のしおり」の総論的なところ でございますけれども、この中に父親の協力を得て育児をしていくのだという趣旨を下 段のところで設けさせていただいてございます。  そのほか、83ページ以降になりますが、働く男女のための制度ということで、この中 に設けさせていただいてございます。従来ですと、女性のためのということで、女性だ けを対象にしてございましたけれども、「働く女性・男性のための〜」ということで、 かなりお父さんを意識した改定になってございます。中身については省略をさせていた だきます。  また、もとに戻らせていただきますが、(6)でございます。今回の中でも、この「 子育て支援」というものを重点的にまた取り上げてございますが、近年における児童虐 待事例などの増加などに鑑み、省令様式の各年(月)齢における「保護者の記録」の欄 に、子育ての状況についての質問項目を追加してございます。例えば1か月のところで ございますが、「子育てについて困難を感じることはありますか」、「いいえ」、「は い」、「何ともいえない」、これはほかの選択肢とは若干つかまえ方が違ってございま すが、子育てについての困難を感じますかということを1か月、3か月、9か月、1歳 6か月、3歳、この月齢・年齢のところにこの質問項目を設けさせていただいてござい ます。ただ、この質問項目に関しては、各委員からいろいろなご意見をいただいてござ いますので、本日、この表現について、先生方のご意見を十分にいただきたいと思って ございます。  それから、それぞれの月齢ごとに、実はこのねらいを少し変えてございまして、同じ 表現ではございますが、出産後1か月、3か月のところは、実は虐待のねらいだけでは ございませんで、産後うつ、あるいはマタニティブルーズをねらった質問ということで もございます。  それから、任意記載事項の例の中でも、子育て支援の観点から、記載のさらなる充実 を図るということで、前回にもご紹介申し上げてございますが、80ページでございます 。「お母さん・お父さんの悩みや子育てに関する相談」ということで、この欄を充実を させていただいてございます。  先生方に一度意見をお出しいたしました後にいろいろと追加をいただいてございます のは、80ページの真ん中の「◎」のところでございますけれども、まずもって家族に相 談をしましょうということを強く追加をさせていただいてございます。いろんな人に相 談する前に、まずご主人に相談してはどうだろうかということで、こういった追加の文 章を入れてございます。  また、案の方に戻らせていただきますが、次の検討会の報告の案の3ページの方に移 らせていただきますが、(7)「歯科保健に関する記載について」でございます。歯科 保健に関しましては、現時点での歯科保健の知見等を踏まえ、省令様式の各年齢におけ る「保護者の記録」の欄を改定をしてございます。例えば9か月、22ページでございま すが、従来は歯の生え方、形、色などについて質問項目がございましたけれども、歯肉 についてということで追加の質問を設けてございます。  それから、歯科については、1歳6か月、2、3、4、5、6歳、この年齢において 、「保護者が歯の仕上げみがきをしてあげていますか」という項目を追加記載させてい ただいてございます。  以下、「すこやかな妊娠と出産のために」の欄、「育児のしおり」の欄につきまして は、現時点の歯科保健の知見に基づきまして、歯科保健の記載を変更させていただいて ございます。  それから、次の(8)でございますけれども、「幼児期における生活リズムの形成に ついて」ということで、今回、省令様式の各年齢における「保護者の記録」の欄と任意 記載事項の「育児のしおり」のところを多少変えてございます。例えば、1歳6か月の ところ、26ページでございます。いろいろとあるわけでございますが、1歳6か月のと ころでは、「食事やおやつの時間はだいたい決まっていますか」ということを追加させ ていただいたり、あるいは4歳、32ページ、「食べ物の好き嫌い」を聞いております。 あるいは6歳では「朝食を毎日食べていますか」、こういうような生活リズムに関する 質問事項がつけ加わってございます。  (9)でございますが、「予防接種の接種勧奨について」、今回かなり変えてござい ます。まず1つ目でございますが、予防接種の接種率の向上を図るため、省令様式の27 ページをごらんいただきますでしょうか、1歳6か月の上、二重線の改正のところがご ざいますが、「予防接種」の欄を設けて、受けた予防接種に丸をつけるということで、 この時期までに極力受けて、望ましい期間として、この1歳6か月が入っている時期ま での予防接種の種類を書いてございます。この年齢におきまして、お母さん方にチェッ クをしていただいて、接種を勧奨するという意味も込めて、チェック欄を設けさせてい ただいてございます。  それから1歳6か月と併せまして、3歳のところにも同じ欄を設けさせていただいて ございます。BCGから風しんまでの接種項目でございます。  それから、就学前にもう一度チェックをしていただくために、6歳の欄、37ページで ございますが、BCG、ポリオ、風しんまでは同じでございますが、日本脳炎がこの年 齢に達しますと、既に何回か受けていただくことになってございますので、日本脳炎も チェックの欄に加わってございます。  それから、任意記載事項のところでございますが、74ページをお開き願います。この 欄につきましては、従前、勧奨接種になる前に作成された予防接種の欄をそのままずっ と使ってございましたので、今回感染症課のご協力をいただきまして多少表現を変えて ございます。予防接種の重要性を再度説明をしてございますとともに、その時期の説明 をもう少しわかりやすくということでいろいろと手直しを入れたわけでございます。こ の内容についてはごらんいただいているとおりでございます。  また、検討会の報告に戻らせていただきますが、(10)ございます。「薬の影響につ いて」ということで、妊娠中の薬の使用について、分娩時に使用する薬剤も含め、妊婦 が事前にその必要性、効果、副作用に関し、医師、薬剤師から十分を説明を受けること を促すため、任意記載事項の作成例の「薬の影響について」の欄を記載を充実する。53 ページをお開きください。上の「◎」のところでございますが、「薬の影響について」 ということで、今申し上げた趣旨を踏まえまして、特に分娩時の薬剤の使用についても 、「十分な説明を受けましょう」という記載を追加をいたしてございます。  それから、その下になりますが、「妊娠中及び育児期間中の喫煙・飲酒について」の 記載でございます。これは従前ご説明を申し上げているとおりでございまして、その記 載の充実を図ったところでございます。  それから、56ページをお開き願いますでしょうか。前回も事務局案として改正の趣旨 をご説明申し上げました「葉酸の摂取について」というところでございます。前回は非 常にその記載が難しいのではないかということでご意見をちょうだいしたところでござ いますが、少し表現をわかりやすくということで改定をさせていただいてございます。  次が報告書の4ページに移らせていただきますが、(13)「揺さぶられっ子症候群に ついて」ということで、63ページをお開き願います。「○」の下から3つ目でございま すが、揺さぶられっ子症候群に関する注意を促すために任意記載事項の作成例の63ペー ジのところに揺さぶられっ子症候群の予防に関する記載を追加してございます。  (14)でございますが、「チャイルドシートの使用について」、今回新たに追加した わけでございますが、近年における乳幼児の自動車乗車中の死傷者の増加等あるわけで ございますが、チャイルドシートの使用の義務化を踏まえて、任意記載事項の作成例の ところ、69ページでございますが、子どもの「事故の予防」というところの7〜12月の 欄のところにチャイルドシートで防止しましょうということで記載を追加させていただ いております。  次のページでございますが、「お子さんの命を守るチャイルドシート」ということで 、1つ大きく項目を起こさせていただいてございます。  (15)「働く女性・男性のための出産、育児に関する制度について」ということで、8 3ページ以降でございます。先ほどはお父さんの育児に対する参加ということで関連し てご説明申し上げましたが、ここにつきましては、前回の会議でもご説明申し上げてお るとおりですが、1つ目が「母性健康管理指導事項連絡カード」の様式の追加でござい ます。これは86ページ、87ページにその様式をこの中に綴じ込んで、これをコピーして 使用していただく形になるのかもしれませんが、様式を中に入れさせていただいてござ います。  それから、都道府県の組織の改正によります問い合わせ先の変更、雇用保険法の改正 、育児・介護休業法の改正、これらの法律の改正によります所要の改正を行ってござい ます。  大きなところは、この中で大体今のご説明させていただいたところでございます。そ のほか文言の適正化と内容の充実を図ったところでございます。  手帳の内容につきましては、以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○平山会長  ありがとうございました。今、ご説明の終わったところで、局長がお見えでございま すので、ここでご挨拶をお願いしたいと思います。 ○岩田雇用均等・児童家庭局長  雇用均等・児童家庭局長をいたしております岩田でございます。  平山会長はじめ各委員の皆様方にはそれぞれ大変お忙しい中、検討会にご参加いただ きましてありがとうございます。本来ですと、第1回目の会合から出席させていただく べきところを大きい局を所掌しているものですから、谷口課長に任せっきりになってし まっておりまして、きょう初めて出席させていただき、それもまた遅刻や中座をしない といけないということで申し訳なく思っております。  まず個人的な話からさせていただいて恐縮なのですが、娘を2人育てまして、場所は パリと松山市と東京都なんですが、3種類の母子手帳を使いまして、それぞれいろいろ あるなということを経験いたしました。そして、その娘たちが18を過ぎ、大学に入り、 親元から出て行かせたのですが、そのときに、これからは、あなたたちは自分で健康管 理しなさいよ、という意味を込めて母子手帳を渡したところでございます。このように 、母子健康手帳は個人的にも非常に身近なものでございました。  そして、局を担当する立場から言いますと、旧労働省の女性局、働く女性の問題、男 女共同参画を推進するという、そういう役割を担っていた局と、旧厚生省児童家庭局が 合体しまして、この1月から新しい局になり、そういう体制になって初めての母子健康 手帳の改正に当たりました。私が谷口課長にお願いしたのは、局統合のメリットをぜひ 母子手帳にも生かしてもらいたいということでありまして、1つは、働く女性が子ども を育てながら働き続けるということが増えている、そのことを前提として、必要な情報 は盛り込んでもらいたいというふうに申しました。30代前半の子育ての一番負担の重い 時期の女性の6割近くの方は、何らかの形で働いておられます。これからますますそう いうことが当たり前になっていくと思いますので、仕事を持ちながら、妊娠・出産・育 児という大事なことを併せてやっていく、そのために必要な情報を盛り込んでいただき たいというふうに思っておりました。  2つ目は、今、育児の孤立化、そして負担感が大変強くなってきておりますが、そう いう中で、父親にもう少し育児にかかわっていただけないかというふうに思っておりま したので、妊娠・出産は女性が一人で担うということになりますけれども、育児は父親 がもっとかかわっていただくように、そのために必要な情報・メッセージもこの手帳の 中に入れてもらいたいと谷口課長に言いました。きのうの段階の改正案を見せていただ きましたら、その2つのことはきちんとやっていただけたようでございます。  また、この検討会で大変貴重な意見をたくさんいただいたというふうに担当が言って おります。例えば、自治体の裁量に委ねられるものは細かく画一的に決めるのではなく て、自治体に任せていこうということ、今大変大きな問題になっている妊産婦の喫煙の 問題ですとか、予防接種の勧奨の問題ですとか、そういう今の時点で妊産婦や小さいお 子さんを持っておられる親御さんに情報発信していかないといけない新しい問題も随分 ご議論いただいて取り入れていただいているようでございますので、大変いい、新しい 手帳の様式ができつつあるということを思って感謝をいたしております。  母子保健というのは、日本は世界一の水準だというふうに伺っておりますが、その中 で、母子手帳制度というのは非常に成功した、我が国が誇っていい政策ツールの1つだ というふうに思っておりまして、それをまたさらにいいものにしていただくためのこの 検討会でのご討議に対しまして大変ありがたく思っておりますので、お礼のご挨拶をさ せていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。 ○平山会長  ありがとうございました。大変いいお言葉をいただきましたが、この検討会の中でも 、今、局長がおっしゃいましたような趣旨を各委員の方から自発的に随分出していただ きまして、私も大変ありがたく思っております。また検討会の構成もたまたまなのでし ょうが、男女8:8で全く同数でございまして、そんなことで、これから最後のまとめ をする方向で議論させていただきますが、お忙しい中、ありがとうございました。 ○平山会長  それでは事務局から改定につきまして、どういう趣旨でという分類別に要領よくお話 をいただきました。今、ごらんいただきましたように、委員の方々から出していただい たご意見、うまく盛り込んであるところもありますし、十分でないところも多々あると は思いますけれども、先ほど申し上げましたような限りがございますので、その辺はご 容赦いただきたいとは思いますけれども、これから皆様方から、今の時点での改正案の 原案につきましてディスカッションをしていただきたいと思います。最初にぜひという 方ありましたら、まず伺って、順番にひと回りさせていただきたいと思いますが、最初 にぜひという委員の方いらっしゃいますか。  もし、よろしければ、五十音順で恐縮ですけれども、朝倉委員から、何でも結構でご ざいますがおっしゃってくださいませ。 ○朝倉委員  きょうここでもう一回でき上がったものを再度見てみますとなかなかいいものになっ ているというふうに、ここに参加しているひとりとしてもうれしく思っております。私 たちは産科でございますので関係する部分といいますと、2ページから10ページであり ます。この厚い母子手帳の中で割と少ない分野です。特に今ちょっとだけ気がついたこ とは、いいものだと思うのですが、4ページ、5ページ、6ページ、7ページの妊娠中 の経過の欄でありますが、これは主に妊婦さんと産科医、助産婦がこの手帳に記録を記 入をすることで肉体的な状況を把握するというのがまず一番大事なことだと思います。  今回変えていただきまして、赤ちゃんの誕生を迎える両親の気持ちとか子育てという こと、父親の参加というようなことを誘導することが入ったのは非常にうれしいことで あるのですが、7ページ目を見ていただきますと、一番下に「出血・破水・おなかの強 い張りがあったらすぐみてもらいましょう」と、はじかれてしまっいたような気が多少 しますので、もし、あれでしたら、簡単なことですので、6ページにもこの言葉を付け ていただくなり、もう1行ぐらい上に来ていただけるといいなと今思っております。  あとは皆様というか、この会が意図するところが、私たちの分野にも入ってきている ような気がして、現在のところは特に異論はございません。以上であります。 ○平山会長  ありがとうございました。  それでは、新井委員、歯科の部分は、歯科保健課とも十分打ち合わせをしていただい たと聞いておりますが、よろしくお願いします。 ○新井委員  取りまとめの中の(7)の「歯科保健に関する記載について」ということで改正方を お願いいたしまして、会長さんのお話のように、歯科保健課とも事前に意見交換をいた しまして、当方でお願いをした項目につきましてはほとんど網羅をしていただいており ます。特に気をつけましたところは、母親が手帳を見てわかりやすくということを第一 にいたしまして、文言等平易なわかりやすい文言に修正をお願いしてございます。  また、幼児その他、歯磨き等につきましては、保護者が十分監督、仕上げ磨き等でき るような手だてということで充実をさせていただいております。事務方にも大変お世話 になりまして、十分盛り込んでいただいております。わかりやすく改正ができたと思っ ております。ありがとうございました。 ○平山会長  ありがとうございました。  それでは、小児科のお立場で大林委員お願いします。 ○大林委員  現実に現場で使っておりますものですから、一番考えましたのは、お母さん方がこの 母子手帳を見るたびに心配にならないようにと、安心して子育てができるようにという ことをお願いしましたので、それは十分取り入れていただいていると思います。  それから、生活リズムのところで、睡眠のことも食事のことも入れていただいており ますので、これも非常に大事なことだと思いますので、入れていただいてありがとうご ざいました。  予防接種のことにつきましては、1歳半、3歳、6歳に接種済みの予防接種に関して の記載を入れていただいて、これは非常にお母さんたち忘れてしまうことがありますの で、忘れたままで予防接種受けないというのがカバーできると思いますので、非常にあ りがたいと思います。  それから、保護者の記録の後の方の部分なのですけれども、7歳以降のところに、今 度BCG、ツベリクリン、日本脳炎、二種混合の欄とか、そういうのを設けていただき ましたので、これも私たち記入する際に、今まではどこの欄に記入するか、もうはみ出 してしまって書く欄がないとかということがあったのですけれども、非常にありがたく 思っております。  小児科の医者としては、いいものができたのではないかと思います。ありがとうござ いました。 ○平山会長  大変ありがとうございました。  それでは、奥山委員さん、お使いになるお立場でお願いいたします。 ○奥山委員  前回に比べまして、妊娠・出産はお母さんのことですけれども、育児については、父 親もというところで随分充実した内容になっていて大変うれしく思いました。特に78ペ ージ、79ページの初めて追加になった「お母さん・お父さんの悩みや子育てに関する相 談機関」のところ、ここにも随分お父さんのことが盛り込まれたなというふうに思って います。 あと、54ページなのですけれども、「妊娠中の夫の協力」というところなのですが、 ここの文章の中で、2段落目ですか、「男性は妊娠はできませんが」というのが、それ はそうなので、この表現はあえて入れなくてもいいのかなと。例えば「妻の妊娠の10か 月間は〜」から始まってもいいのかというような、ちょっと文章の問題なのですけれど も、それが気になりました。  あとは、局長さんがおっしゃられたとおり、随分そういう意味では新しい形の母子手 帳になったのではないかと感想として思いました。ありがとうございます。 ○平山会長  ありがとうございました。この辺の「妊娠中の夫の協力」のところは、また事務局で 考えましょう。ありがとうございました。  それでは、加藤委員お願いいたします。このカーブのところに限らずお願いいたしま す。 ○加藤委員  大変な御苦労だったと思います。とてもよくまとめられてよかったと思っています。 特に専門ではないのですけれども、働く男性と女性のためのとか、そのあたりが本当に よく盛り込まれておりますし、父親のことが非常によく前面に出てきて、とてもいい方 向に大きく変わったなという感じがしております。  発育曲線のことですけれども、間の9と10をとるということで、これで正しい評価が でき、かつ余計な不安がより減っていくのではないかと喜んでおります。この曲線なの ですけれども、先々週、成川専門官の方から、4本あると、どこからどこまでが正常域 かわかりづらいのではないかということがちらっと出てきまして、その後、どうなった かと思っていましたが、これでよろしいのですか。私としてはこれで申し分ないと思う のですが、よろしいでしょうか。 ○小林主査  最終的にはちょっと見にくいかと思いますので、従前のように薄く黒く塗らせていた だこうかと思っていますが、きょう間に合わなかったのですが。 ○加藤委員  その場合、時期が前後しちゃうといけないので、頭囲は2本線であらわしております ですね。身長、体重がもし間を塗るとすると、頭囲だけ間が塗ってないというのも変か なとか思ったのですが、いかがでしょうか。 ○小林主査  頭囲は2つグラフが分かれているのでわかるのではないかと思うのですけれども、前 の方は1つのグラフの中に4本線がありますので、若干見にくいかなということで、こ ちらは塗った方がいいのかと思っておったのですが。 ○加藤委員  もし、そうだとしたら、体重、身長は間が塗ってあって、頭囲は塗ってないと。それ でもいいということを一応委員の先生方にあれしておいた方が。 ○小林主査  そこはどちらでもいいと思うのですけど、頭囲の方も塗っても特段差し支えないかと 思いますので。 ○加藤委員  ありがとうございます。以上でございます。どうもありがとうございました。 ○平山会長  ありがとうございました。これは官報や何かに載せるときはモノクロですが、実際に 手帳になるのは色が2色刷なり3色刷になるでしょうから、これは実際に印刷を担当さ れる会社の方が見やすいように適当に色をつけてくださるといいなと。これは事務局と もディスカッションしながら、そんな話が出ておりました。これはその後ろの方に傍聴 していらっしゃる方の中にそういう担当の方もおられると思いますので、何色がいいか なんていうことはまたご相談があるかもしれませんけれども、例えば身長、体重は色を 変えた方がいいとか、いろいろ細かいことがあるかもしれませんが、いずれにしても、 親が使いやすいように、また知恵を後からでも出していただければありがたいと思いま す。よろしくお願いいたします。  それでは川井委員お願いいたします。心理、発達、その辺のことを中心にお願いいた します。 ○川井委員  最前、幼児健康度調査のお話もありましたけれども、健康度調査の結果を、特に発達 の項目は母子健康手帳の項目をそのまま調査項目にしましたので、全国値が得られたこ と、それを踏まえて多少の理解がしていただけたと思っております。  あと「育児のしおり」の方も、その健康度の結果や多少の改正がなされて、父親のこ とは当然ですが、いい「育児のしおり」になったと思っています。  「子育てについての困難〜」のところですが、ここはもしこれに何かご意見がありま したらば、それにお話しをしようと思います。今、話してもいいでしょうか。 ○平山会長  「子育てについて困難を感じることはありますか」という保護者の欄、1か月、3か 月というように節目のところに入っています。これは1か月あたりのところまでは、い わゆるマタニティーブルーズのからみがありますし、後ろの方にいきますと、殊に8か 月頃から児童虐待などが増え始めるというお話もありましたので、あと、集団健診、健 診のある1歳6か月、3歳というところにその言葉が入れてございます。これはわかり にくいということで、私も例えば「子育てについて心配なことありますか」とか幾つか の言葉を考えたのですが、川井委員に言わせるとちょっと中身が違うのだという話で、 そう言われてみると少し違うのかなということで、その辺を少し説明してください。 ○川井委員  前の委員会でも何人かの委員の先生方から、もっとポジティブな質問の仕方をという 、育児は楽しくやっているかとか、そういう話でした。私もそのとき、それでもいいか なという気もちょっとしたのですけれども、楽しいかどうかというと、「はい」、「い いえ」となって、では「いいえ」と言ったときにどうなるのか。どんな相談の手がかり になるのかということもあり、育児は楽しくしましょうというのは、それは結構なこと ですけれども、逆にお母さんたち、育児雑誌も含めて、楽しい育児の大キャンペーンが ありまして、自分が楽しいときはない、ちょっと大変なときもある。そのことでかえっ てストレス風になるということもあろうかと思います。  今、平山先生が話されたように、初めの方はマタニティーブルーズ、1か月、2か月 、3か月ぐらいから出てくる産後うつ病のようなもの、いわゆる抑うつ状態、それを少 し意識もしてました。  それから、これはもともと私たちの研究所の研究グループがここ7年ぐらいやってき ました育児不安の本体を明らかにしようとしている育児不安研究があるのです。その中 で使ってきた育児不安の1つの項目なんです。お母さんたち、これに十分に答えてきて くれていますし、幼児の健康度調査でもこれを使いました。その資料も委員の各先生方 に行っているだろうと思います。これだけで育児不安を何とか、あるいは虐待を何とか ということはできませんけれども、恐らく困難を感じることがあるかといって、「何と もいえない」、「はい」というのは少ないだろうと思うのですね。例えば0〜11か月児 のお母さんさんだと 2.7%です。けれども、やや「はい」というと17.2%。ほかの年齢 でもほぼこれぐらいのものです。「何ともいえない」といったところについてきたとき に、相談や手助けの手がかりに、その1つになればと思いました。それでこういう表現 の仕方にお願いをしたわけです。以上です。 ○平山会長 ありがとうございました。そういうようないきさつで、今のところ、きょうお示しし ている原案には、「子育てについて困難を感じることはありますか」という表現のまま 見ていただいております。また後ほどほかにご意見がありましたらお願いをいたします 。 では続きまして、小林委員よろしくお願いします。虐待の予防についてはいろいろご 意見いただいて、どうも入れ切れてないのですけれども、なるべく大事なところは入れ たつもりですが、ご意見をお聞かせください。 ○小林委員 子育て支援とか虐待の予防についての項目がいろいろ新しく入った、画期的な母子手 帳になるのではないかとまず思います。ただ、2点ほど、もう一度検討していただきた い細部がございます。  1点は、「揺さぶられっ子症候群について」の記述を「育児のしおり」のところに入 っておりますけれども、4週間までの赤ちゃんのところに入れることをもう一回ご検討 いただきたい。その理由といたしましては、揺さぶられっ子症候群の約半数は1か月ま でに起きています。そういう意味からしますと、新生児の退院のときにはそのことを知 っておいていただくことが一番タイミングとしては大事ですので、4週間までのところ に入れていただく方が、そのときに見てくださる率が高くなるのではないかと思います 。  ただ、「育児のしおり」のところに移されました理由は、多分文章が「6か月までは 」と入っていますので、新生児のところには入れにくいということがあるのだと思いま すが、むしろ文章を「新生児や6か月までは危険です」という形で新生児を入れていた だいて、新生児のところに移していただくことをもう一回検討いただきたいと思います 。  もう一点につきましては、80ページ、81ページの子育てに関する相談機関のリストが 挙がっております。この相談リストはどこも相談できるところではあるのですが、書か れている順番は多分県、市といった順になっていると思うのですが、お母さんたちが見 られたときには、一番初めに書いてあるところが一番いいのかなと思われるのではない かという気がいたしますので、体や心の悩みの相談のところは、今の母子保健のシステ ムでいきますと、市町村保健センターを1番に持ってきて、2番目を私は保健所かなと 思うのですが、3番目がかかりつけの医療機関、4番目が精神保健福祉センターという 順番ではないかという気がいたします。  もう一つは、「養育上の悩みやしつけなどに関する相談」のところの順番も、児童相 談所は気軽に相談できるところではないと思いますので、これも順番変えた方がいいの ではないか。1番目を地域子育て支援センター、2番目が児童館、3番目保育所、この 保育所、児童館は順番はどっちでもいいかもしれません。4つ目が福祉事務所、5つ目 が児童相談所、6番目が民生・児童委員、主任児童委員でしょうかというふうに思いま すけれども、もう一回、ご検討お願いしたいと思います。 ○平山会長  ありがとうございました。検討させていただきます。  それでは、渋谷委員、保健所のお立場でお願いいたします。 ○渋谷委員  全般に見せていただいて、随分任意の記載事項の部分が充実したな、ということはよ かったと思っています。というのは、地域のお母さんたちの使いやすさ、情報を提供す るチャンスとか、そういうことを考えると、ここの部分というのは任意といいながらも 、国が出したものをそのままある程度市町村が使うということも考えられますので、そ ういう意味では大変充実してよかったと思っております。  それから、前回も少し申し上げたのですけれども、母子健康手帳をもらうという、こ こから子どもの一生涯の健康がスタートするということを考えますと、これは一生使っ ていく、子どもが大人になっても使っていく手帳だということを考えますと、前半の部 分のところで生活のリズムの問題、食生活の問題ですとか、そういうところがきちんと 盛り込まれてきたのは大変ありがたいと思っています。  ただ、今回いろいろ意見を申し上げたのですが、その中で、まだ少しきれいにこなれ てないなという感じがするのは、1つは「葉酸」の問題のところですが、これは随分削 っていただいたと思うのですが、それでもほかのところの記載に比べると非常に細かい 内容になっているということと、それから、中でこれを見せたときに、余り細かいとお 母さんに不安を与えるのではないかということと、この数字の意味がうまく伝わらない のではないかということと、これは妊娠する前から必要だと書いてあるわけですね。そ うすると手帳をもらったときには、これは不安の材料にはなるけれども、ではどうした らいいのかということですね。そんな意見もありまして、別の方法で啓発をするという ことは、この葉酸の問題については必要だと思いますし、母子健康手帳の部分だけでこ れを解決しようと思わずに、また別の方法も必要かというふうには思いました。もう少 しここの部分が簡単になるといいのかなと。他とのバランスがここが少し詳し過ぎるの かなというのもちょっと思いました。  それから、もう一点は、先ほど川井委員もおっしゃったのですけど、子育ての困難性 とか育児が楽しいか、そういう問いかけの問題なのですが、確かに1か月あるいは3〜 4か月のところでは、虐待だけではなくて、お母さんの精神状態を考えるというような 、そういうニュアンスも非常によくわかりますし、それからポイントになる、従来です と集団で健診をやっているような年齢、月齢、そういったところでこの設問が入ってい るという、そういうところもよくわかるわけですが、私は逆に、例えば「育児は楽しい ですか」ということを聞いたときに、「はい」、「いいえ」、「どちらでもない」とい うふうでも答えられるのではないか。答えるのにそんなに難しいのではない、答えにく い質問ではないのではないかという気がしています。カルテの問診で「困難ですか」と いうふうに聞くということは必要かなと思うのですけれども、一生の残る母子健康手帳 の中に、残す言葉として、もし「困難ですか」ということを設問に残すのであれば、も う一つ、下のところにいろいろ書く欄を、かかった病気とか感想などを自由に記入しま しょうという一文があるわけですけれども、そういったところに「育児は楽しいですか 」というような、お母さんへのメッセージが一言あってもいいのかなという気がしてい ます。  やはりニュアンスがちょっと違うのかもしれませんけれども、何かせっかく新しい母 子健康手帳に生まれ変わるわけですから、そこにメッセージがあってもいいのかなとい う気はしました。感想ですけれども、そうでなければいけないとか、川井先生の設問が いけないとかそういうことではないのですけれども、この流れでくると、「はい」、「 いいえ」で来て「何ともいえない」というのがあると、少しお母さんさんたち、ここで 「うっ」と止まってしまうかなという感じがしました。以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。今の話の中で、「葉酸」のところは、私も気になっている のですが、細かい字にしてある部分がなければいいんですけれど、例えば大きい字の方 は、妊娠に気がついてからでは間に合わないということがあるので、「日頃からこうし た食品を多くとるように心がけましょう」というような言葉を入れてその辺逃げている のですけれど、細かい部分をここまで書き込む必要があるのかどうか。ないと皆さんが 言ってくだされば、消してしまえばいいので、私も助かるのですけれど、今かなり情報 を詳しく伝えておかないと叱られる部分があったり、乳児突然死症候群のところに頻度 などが書き込んであるものですから、それとのバランスで、病気の説明と頻度を書き込 むとこんなになっちゃうというので、私も大変困ったところなのです。この辺、後ほど 思い切ってこうしなさいというようなご意見が出れば伺いたいと思います。  「育児は楽しいですか」というお話は大変ごもっともでよくわかるので、また考えさ せていただきますが、「はい」、「いいえ」のほかに「何ともいえない」というような あいまいな返事を書き込むような言葉を全部に入れるかということも議論に入りました けれど、全部に入れるとスペースをとりすぎるおそれがある。1行に入っているのが2 行になっちゃうということもありまして、お母さんが赤ちゃんを改めて見ていただけれ ばわかることには「はい」、「いいえ」だけにして、お母さんの気持ちを聞くところだ けに「何ともいえない」というあいまいな表現の部分を入れたという整理の仕方がして ございます。そういうご説明だけですが、そういうことでございますので、また後ほど さらに深い議論をしていただければありがたいと思います。ありがとうございました。  それでは、高石委員、全体を通しましてよろしくお願いいたします。 ○高石委員  3点申し上げたいと思っております。第1点は、先ほど加藤委員が発育曲線について 言ってくださったことと同じでございますので、改めて申し上げる必要ないかもしれま せんが、いずれにしても、身長、体重について、10パーセンタイルと90パーセンタイル の曲線を削除して、全体80%から94%の子どもに広げたという意味では、お母さんの立 場からしますと確かに不安材料が減ってきたということで、私のような立場でグロスス タンダードのことを議論している人間からしますと、1つの大きな変革だと思っており まして、よかったと思っております。  そして身長、体重の曲線に関連して、薄い陰影をつけるということは、私も必要だと 思います。その方がよろしいと思います。そして、それに関連して、それでは頭囲の方 はどうするのかということも、整合性を保つという意味で陰影をつけた方が私はよろし いと思っております。  それが第1点ですが、第1点に関連して、これは今回の改正に関することと離れます けれども、今後のことを考えたときに、前回もちょっと申し上げたと思うのですが、発 達関係は大体半数の者から9割の子どもはできるということで、大体9割というところ に一応の区切りがついて、伝統的に行われていますし、形態の、つまり大きさの方は伝 統的に3と97が一番端ということでまいりました。最もWHOは5と95でしたか、加藤 先生。 ○加藤委員  5と95のままです。 ○高石委員  そうですね。ですからその辺を、本当は形態と機能の区切りのパーセンテージが違う ということについては、お母さん方の中でひどくそういう数字にうるさい方はどうして だろうななんて思う人もいるのかななんて思ったりすることもございます。したがって 、これは将来の研究課題として、また次の段階のときに、どうしたらいいのかをご議論 いただいておくとありがたいと思いました。これはつけ足しでございまして、今回の改 正のことよりも、むしろさかのぼって、身体発育値の議論のところで、今後とも進めて いただければありがたいと思います。以上が第1点です。  第2点は、これは本当につまらないことでございますけれども、53ページの「酒とた ばこの害から赤ちゃんを守りましょう」、これは大変大事なことで、喫煙のこと、アル コールのことが書かれているのですが、酒とたばこというふうに普通順序性のことなの ですが、私は「たばこと酒」にした方がいいのではないかという感じがいたします。実 はきょうここに来てふっと気がついたので、今まで何回も事務局からいろいろご連絡い ただきながら、余り気にならなかったのですが、どっちでもいいのでしょうけれども、 説明もまず喫煙が出ておりまして、それから飲酒になっておりますから、この表題とい うかゴシックのところは「たばこと酒の害」でもいいのではないか。どちらでもいいこ とだと思いますが、ご検討いただきたいと思います。  第3点は、父親の参画のこと、働く女性に関することが大きく入ってきたことは、こ の母子健康手帳、今まで随分何回も改正がございましたけれども、画期的なことだと思 って大変すばらしいと思っております。以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。たばこと酒は確かに困ったものでございます。  それでは続きまして長井委員、働く親の支援の立場でお願いいたします。 ○長井委員  前回、出席できず、また意見を提出するのが大変遅れましてご迷惑をおかけしました 。滑り込みでいろいろ私の方の意見も入れていただきましたことを非常に感謝しており ます。  ただ、もう一つ、つけ加えて言うならば、ちょうど今、雇用均等の方の「働く女性の 体と心を考える委員会」の方で、母性健康管理指導事項連絡カードをめぐるヒアリング 調査を各企業に行っているのですけれども、これがうまく活用されていくためには、一 番に労働者が望んでいるのは産科の先生方にもう少し「労働」ということに理解を示し ていただきたい。カードもなかなか出てこない。診断書でもちろん書かれるのも、それ も構わないのですけれども、カードを使うことによって企業側が労働と妊娠の関係を非 常によく理解するようになってきたのですね。カードの様式がちょうど入りますので、 お母さん方もこれを見て、86ページ、87ページにその様式があるのですけれども、こう いう妊娠症状に対して、こういう仕事が多少なりとも関係あるということをよく読んで いただくとある程度わかってくると思うのですね。  ただ、その認識の中で、例えば「負担の大きい」とは一体どういうことなのだろうと いうあたりで不安になってくるかと思うので、そのあたりが3ページのところの「仕事 の内容と職場環境」ということで「※」に書いていただいていますが、私の方が意見出 しました資料2の29ページから30、31あたりなんですけれども、この中で、母性健康管 理は働いている女性ということであれば、雇用形態にかかわらず配慮されるのですよと いうことを一番わかっていただこうと思えば、正規に雇用されているとか、あるいはパ ートであるとか派遣であるということでなくて、働いているか働いてないかということ の区別がまずは一番大事になってくるわけなんですね。  その中で、言葉として一応ご提案させていただいたのは、非常に難しい言葉になって しまっているのですけれども、勤めているのか、それがこちらの方では「常勤・その他 」というふうに書いていただいています。統計では「雇用者」という言い方を恐らく一 般的には使うようですが、「雇用者」という言い方自体は普通の方には非常に難しい表 現でありますし、また、その後、「家業・内職」というところを「自営業主・家族従業 者」という形でこれも本当いうと難しい言葉だろうなと。ただ、それが雇用されている のか、自主的に働いているのか、あるいは家族内で働いているのかによっては配慮のさ れ方に全然意味が違ってくるという意味では、もしもっといい表現があれば、ご再考い ただいたらいいのかと思っていますし、職場環境(※)で、私の方では幾つか30ページ のところに「仕事や職場の状態」ということで、ある程度予想されやすいのを列挙して みたのですね。  今の自分の働いている状態は、妊娠中に自分なりにも健康管理に気をつけていかなけ ればいけないという自立性、自主管理ということを意識づけていただくために、自分の 仕事の状態をもっと考えてもらえるチャンスとも思いましたし、産科の先生方に、こう いったことと妊娠との関係を考えていただけるきっかけになるのかなということで、こ こでは本当に代表的なものですけれども、一応列挙してみたんですね。それを一番下の 「※」の形で1行にまとめていただいているのですけれども、このまとめ方をするので あれば、むしろ後ろの仕事のところに何らかの形でより具体的にもう少しイメージして いただけるものを追加していただけるとよいと思います。これから10年というのはもっ と仕事の環境が変わっていくと思いますので、今入れなかったら10年後まで一体どうい う状況かということで非常に心配しました。改定が毎年のようにあるのであれば、その 都度加えていけばいいのかなと思うのですけれども、今までの10年ごとぐらいの改定の 状況であれば、思い切ってここで仕事のことも突っ込んでいただいた方がいいのかなと いうふうに感じています。  でも父親のことを非常にたくさん入れていただいているので、企業で働く者にとって は、お母さんを守るにはお父さんにも育児に関心持っていただくという職場風土の方が 大事ですので、これは非常にありがたい改定だと思っております。  以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。現在は厚生労働省で雇用均等・児童家庭局でございますの で、局内でも、また今お話のような点をいろいろ議論していただいて調整させていただ きたいと思います。ありがとうございました。  次は水野委員さん、栄養のお立場を中心にお願いいたします。 ○水野委員  厚生労働省で平成7年に通達を出されました改定離乳の基本に示されております内容 を、的確に修正していただきましたことを本当にうれしく思っております。  それから、従来の母子健康手帳では1歳6か月と4歳と6歳の「保護者の記録」のと ころに食生活に関する項目がなかったのですが、今回の改正により幼児期の保護者の記 録のそれぞれのページに食事に関する項目を入れていただきましたことを非常にうれし く思っております。  1点、お願いしたいことがございます。24ページの1歳の頃の保護者の記録のところ ですが、1歳前後ぐらいから子どもの食事の場面での姿は非常に変わってきてます。子 どもの意思が非常に出てきますので、親は食事のときに扱いにくい時期に入ってきたと 思います。この頁の下から3つ目の「○」ですが、「食事を3回、喜んで食べています か」、この「喜んで」という言葉が、親にとって、うちの子は食事のときは非常に手が かかって大変なんだけれども、本当にほかのお子さんは喜んでいるのだろうかというよ うに育児ストレスになっていくのではないかという心配があります。小児保健学会の栄 養委員会の先生、現場で指導しております栄養士の意見で、「喜んで」という言葉は削 除した方がありがたいといった意見がありました。  あとは十分入れていただきまして、本当にうれしく思っております。以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。今のお話のことは、後でディスカッションさせていただき ましょう。  雪下委員、日本医師会のお立場でよろしくお願いいたします。 ○雪下委員  母子健康手帳につきましては、日頃から現場の小児科の先生方から種々の要望をいた だいておりまして、今回の改正でぜひそれを申し上げようと思い、日医の乳幼児保健対 策委員会でまとめて提出させていただきました。今回提出された資料ではかなりのとこ ろ受け入れていただいておりまして、大変ありがたく思っております。今いろいろお話 を聞かせていただいていますと、現在のものと比べれば立派なものができるなと私も大 変うれしく、また期待しております。  その後更に御検討いただきたい項目を、まとめて各委員から寄せられたご意見という ところに出させていただきましたので、それについて2〜3要望させていただこうと思 っております。  51ページのところで、これも7歳以降の「保護者の記録」の枠組みの中で細かく入れ ていただいて、これは大変ありがたいと思います。先ほどの小児科の先生からも言われ たとおり、大変これから役に立つと思っております。その下のところに、「既にかかっ ている主な病気(心疾患、腎疾患)〜」というところを、もう少しお母さん方に具体的 に書いていただき、しかも現場の先生方に、今後大人になるまで、それを見ていただく のに参考になるということで、具体的な病名をそこに挙げさせていただけないかという ふうに思うわけです。例えばそこに書いておりますリウマチ、糖尿病、腎炎、先天性心 疾患、川崎病等という形で括弧内のところの病気を具体的なものを挙げていただいたら どうかというお願いであります。  もう一つ、そこには書きませんでしたが、先ほど小林委員から言われた「揺さぶられ っ子症候群」のことにつきまして、これは大変私もごもっともなことだと思っておりま す。今、平成11年、医療機関に来た子どもの虐待 573例の分析をしておりますが、その 中で、私も脳外科を専門としているのですが、びっくりしたのは七十数例、硬膜下血腫 がおります。いわゆる「揺さぶりっ子症候群」であります。そんなのは文献上の話かな と私も甘く見ておりましたら、それがまとまって出ております。そのほとんどは2週間 から4週間、遅くとも3か月までで8割を占めております。そういうことで、先ほど言 われた場所、6か月以下のところをもつと早いところへ入れていただければと思います 。子どもの虐待の詳細につきましては、また後ほど日本医師会の方から報告させていた だきます。  それから、66ページ、「4歳頃」の記録の中の最後に、先ほどの「もやもや病」につ いての記載を入れたらとの意見がありましたが、どういうことに気をつけるかというの を入れていただきたいと思います。そこに出しておきました「笛を吹くなど深く呼吸を している時に、一瞬気を失うような症状がみられたら、早く医療機関にかかりましょう 」、相談しましょうというようなことをそこに入れてもらえばという感じがします。こ れも現在数千例のケースがございまして、大人のいわゆる難病としての取扱いになって おるわけですが、大人は30歳から40歳くらいがピークがあるのですが、これが子どもに 3〜4歳のところにピークがありまして、過呼吸でもって意識を失うという大変特徴的 なものがあるのです。その数から考えても、ちょっと無視できないかなと思い、そのよ うな説明をその中に入れさせていただいたらどうかと思います。  それから、69ページに、最後の空欄のところに、今種々の情報センター等が公なもの としてできておりまして、例えば異物を飲んだときどうするか、たばこを飲んだときど うするか、それを電話相談で具体的に答えてくれるというところがございます。そこに 書いてある大阪、つくば、たばこ専用回線等のように、そういうことがあったときに、 お母さん方がすぐ電話でまず聞けるように入れておいたらいいのではないかと思うので す。  75ページのところで、予防接種を受ける時期というのがございますが、「麻しん」の ところが「1歳〜2歳」としてあります。これをできれば「1歳になって速やかに」と いうのを入れていただきたいわけです。それができなければ少なくとも「1歳から1歳 6か月までに」という、上に幾つかありますが、それと同じように訂正していただけれ ばと思います。これは平山先生や小児科の先生いらっしゃるところで申し上げるまでも ないことですが、今、1歳前にやってくれという小児科の先生方からの希望もありまし て、現在厚生労働省に申し入れ検討していただいているところですが、まだそれが実現 までには至っておりません。従って現状ではなるべく1歳になったら、速やかにしてい ただきたいということがありますので、そのところを訂正願えないかと思います。  それから79ページに、「身近に利用する機関」、これも小林委員から話があったと思 いますが、医療側から言うのも「我が田に水」のような気もしますが、一番身近なとこ ろからということで、私はかかりつけ医療機関、市町村保健センター、保健所、精神保 健福祉センターの順かなと思いますので、提案申し上げます。  それだけ挙げたのですが、もう一つ、先ほど母子健康管理指導事項連絡カードの話が 、先ほど長井委員から出ましたが、これもこの前に一度申し上げたことがあると思うの ですが、大企業50名以上の大きな会社ですと、専属産業医がおりまして、これが必ずし も産婦人科医でなくても、いろいろそういう点での指導をしているするわけです。小規 模事業所は50名以下のところのわけですが、なかなかそういうところまで会社自身(事 業主自身)が自覚を持って指導されていないところが多いのです。そこで、今地域産業 保健センターというのが、小規模事業所のために全国にできておりまして、その中でカ ードを持って産婦人科の先生にかかるという流れを指導するモデル事業を何ヵ所かでや っております。  それでそこに相談しますと、そこにカードが置いてありまして、少なくともそこの産 業医が近くの産婦人科の先生にお話しして、そこでこのカードを持って診てもらうとい う組織づくりというものがされております。先ほど申された、なかなかケースが上がら ないというのは、その仕組みがよく知られていないということもあるのです。産婦人科 の先生にやたらに行っていただいてもなかなか相談に乗っていただけないというような ことがありまして、そういう不都合が起こるので、その辺のところをもう少しこういう 組織があるのだということを入れておかれたらいいのかという感じがいたします。  以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。最後のところは、地域産業何センター? ○雪下委員  保健センターです。 ○平山会長  保健センター。 ○雪下委員  これは今は厚生労働省の配下になっています。労働省の関係でございます。 ○平山会長  ありがとうございました。具体的なお話を伺いましたので善処させていただきたいと 思います。  それでは、吉岡委員さん、一番親に近いお立場の保健婦さんのお立場でお願いします 。 ○吉岡委員  細かいことで恐縮なんですが、何点か、きょう改正案についての意見ということで資 料を出させていただきましたので、それに沿ってお話しをさせていただきたいと思いま す。 さっき川井先生から、「子育てについて困難を感じることがありますか」という 設問についてお話をいただいたのですが、私どもは現場でこの言葉を聞きますと、ちょ っとかたい印象がどうしてもしてしまうものですから、例えば適切な表現はすごく難し いと思うのですけれども、1か月では「育てやすいですか」とか、3〜4か月では「慣 れてきましたか」とか、そんなふうな、何かいい表現がないかなと私も悩みながら書か せていただいたのですが、やはりちょっとかたい印象がどうしてもいたしました。  それから、2点目なのですが、前回、奥山委員さんもおっしゃったのですが、20ペー ジでとすか24ページのところ、6〜7か月と1歳のところで、テレビ、ラジオというふ うな設問があるのですけれども、私どもが家庭訪問しておりますと、今、若いお母さん たちは、一日じゅう音楽がついているといった環境の中で子育てをしていらっしゃいま す。それで小さな音に反応するということがとても子どもさん少なくなっているような 印象がしていますので、できればこんなふうな表現なしで設問設けた方がいいのかなと いうふうに思いました。  それと26ページですとか30ページ、1歳半と3歳のところなのですが、できれば健診 で、お母さん、お父さんにお会いして主訴を伺える大変よい機会なものですから、難し いかと思うのですけれども、もう少し余白があるとメッセージをいただけるかなという ふうに思いました。  それと30ページの指しゃぶりの設問なのですが、これは小児科の先生とか、私ども保 健婦とか歯科の先生とかでいろいろご意見があるかと思うのですが、指しゃぶりのくせ を伺うのはチェックになるかなと。このことはいろんなくせが、3歳では持って健診に おいでになっているものですから、できれば、この辺は後ろのしおりの方で説明して差 し上げた方がいいのかなというふうなことを思いました。  それと1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳、それぞれお誕生を迎えたときに、余白 を設けていただくために、育児の上で心配なこと、医師にかかった病気とかのところを 短くしていただいたのですが、そこにぜひ妊娠中に両親からのメッセージが入りました ように、お誕生日を迎えた両親あるいは片親の方もおいでかと思うのですけれども、そ の感想などを書けるような余白があるとよりいいかなというふうに思いました。  最後なのですが、63ページの体罰のところの表現なのですが、私ども現場の方では、 これは小林先生が前々回にお話になったかと思うのですが、できるだけではなくて、「 体罰はやめましょう」ということで、努力目標というか、次の表現は稀薄という表現が いいかどうかわからないですが、職場ではみんな笑っていましたけれども、この辺は体 罰はやめましょう。どんな暴力も許さないというところのメッセージは送っておいた方 がいいかなということで意見を申し上げたいと思います。以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。いろいろご意見いただきましたが、その中で私まとめてい く上で、この場で少しご意見を伺っておいた方がいいと思うのが幾つかありますので、 その点についてご意見を聞かせていただけますとありがたいと思います。1つは、順不 同になりますが、左側のページの親への質問の部分で、水野委員から1歳のところの食 事を喜んで食べるという、「喜んで」でという言葉を切った方がいいのではないかとい うご意見がありましたけど、喜んで食事をしているかどうか、この言葉を切った方がい いか悪いか、何かございましたらお聞かせいただきたいのですけれども、どなたかいか がでしょうか。川井委員さん。 ○川井委員  切っていいと思いますね。 ○水野委員  ありがとうございます。 ○川井委員  評価になってしまうので、3回食べることを見たいし、そうしてもらいたいわけです ね。でしたら「喜んで」というのをとっても私はいいと思います。 ○平山会長  大林委員いかがでしょう。 ○大林委員  どうなんでしょうね。食事というのは楽しく、喜んで、おいしく食べるというのが原 則だと思うのですね。こういうことを書いておかないと、今のお母さん自分で食事をつ くるということがどんどん少なくなってきているのではないかとも思うんですよね。だ から、そこら辺を考えたらどうなのか。喜んで食べるように、少しは努力をしましょう というふうなことはあってもいいのではないかとも思いますけれども、どうなんでしょ うか。 ○平山会長  私もさっきのご意見伺って、なるほどな、と思う部分と、ここにノーという返事が来 たら、どうすれば楽しく食事ができるかというあたりのアドバイスをしてあげた方がい いのかなという気も一面ではいたしましたし、その辺で今伺ったのですが、ほかに何か ご意見ございますか。どうぞ、奥山委員。 ○奥山委員  私、横浜の方で、0から3歳の子どもと親のたまり場をやっておりますが、1歳前後 のお子さん連れたお母さん大変たくさんいらっしゃって、お昼どきは一緒に食事をする のですけれども、家で2人だけで食事をすると非常にストレスがたまるというふうにお っしゃるのですね。ちょうどこの頃というとつかみ食べだったり、ぐじゃぐじゃして、 非常に親もつくったものを遊び食べされたりということで非常にストレスがたまるとい うのもよくわかります。ですので、確かに「喜んで」というふうに書いてあると、喜ぶ どころか、食べさせるのに精いっぱいでというような感じが、私自身もしてしまいまし たので、できれば、食事の部分については、家族でみんな楽しく食べようというところ を育児の後ろの方にもあるわけですから、ここで何とか回数だけにしていただいた方が 、一番食事でストレスをためるというお母さんたちにはちょっとやさしいかなと思いま した。 ○平山会長  ありがとうございました。ほかのご意見ございますか。 ○高石委員  今のことに関連して、中を取った言い方ではないのですけど、表現は適切ではありま せんが、「積極的に」とか喜んでいるかどうかわからないのだけれども、無理やり無理 強いに食べているのではなくて、子どもの方が前向きにという意味を入れたいですね。 言葉をさっきから考えているのですけれど、出てこないのですが、もしうまい表現があ れば、折衷案みたいな感じになるのですけど、どうですか。確かに削除してもいいのか もしれませんけれども、削除すると、3回食べているか、無理やり食べさせているのも 入るわけですね。どうでしょうか、ちょっとわかりませんが。 ○平山会長  その点はまた検討させていただきますが、取る方向、少なくとも「喜んで」という表 現がお母さんのストレスになり得るというお話を伺いまして、参考にさせていただきま す。  それから、吉岡委員が言われたので、1歳のところ……。 ○谷口母子保健課長  今の点、事務局からお尋ねをしておきたい点がございます。「喜んで」というところ なのですけれども、24ページの1歳のところでございましたですよね。その同じような 問題が実は20ページの6〜7か月のところに「離乳食を喜んで食べていますか」という 記載がございます。これは構わなくて、1歳の方はまずいという、そういうご判断なの か、その辺はどうなんでしょうか。 ○水野委員  先生方にお聞きした段階では、離乳期のときは積極的に食べるけれども、1歳前後か ら食事の場面での姿ががらりと変わる子どもが多い。どちらかというと、親側から見る と手こずらされという場面に変わるから、離乳の初期、中期とは基本的に違うのではな いかというご意見が多かったのです。これから、多分1歳、1歳6か月、2歳に向かっ て食卓の場面が大変な時代に入っていくでしょう。子どもが遊び食いしていても、子ど も自身はもしかしたら楽しいのかもわかりませんけれども、親にこのすごい姿が楽しい とうつらないのではないでしょうか。 ○高石委員  遊び食べみたいなね。 ○水野委員  そうなんですね。食器は投げたり。 ○平山会長  だけど、1歳のところで、具体的な作業の上で伺うのですが、1歳のところで「食事 を3回食べていますか」というだけだったらば、右側の1日に食事何回と書き込むこと になっていますから、それだけでいいことになりますので、「喜んで」を消すのだった ら、この質問そのものを消してしまってよろしいかということにもなりますけど、その 辺はいかがなんでしょうか。 ○小林主査  多分質問自体は横と同じだと思うのですけど、括弧の中があるので、(食欲をなくさ ぬよう)というところですね。この扱いも一緒に考えないといけないのかなと。 ○平山会長  川井委員。 ○川井委員  高石先生、ほかの言葉とおっしゃった。例えば、「食事を3回よく食べていますか」 、よく。これはいかかでしょう。 ○水野委員  「よく」なら抵抗が少ないかもわかりません。 ○川井委員  食べ方がどうであっても、お母さんがどう思おうが。 ○平山会長  食欲がないとか食が細いという子どもは大部分、乳児期の離乳食の頃から、あるいは お乳を飲ませるときから、いわゆるフォーストフィーディングになっている子どもさん に経験的には多いですよね。そういう意味から言うと、食欲をなくさぬようというのは 、余り無理強いをするなよという意味がここでは入っていると思うのですが、そうだと すると、後ろのしおりの方に何か適当に入っていれば、この質問項目はなくてもいいの かなということにもなるのですが、積極的に何かご意見あれば聞かせていただいて、ま た後でしおりとの兼ね合いなどを含めながら検討させていただきますけど、いかがでし ょうか。大林委員。 ○大林委員  結局この母子手帳の記載をどっちの立場に立って書くかということになると思うんで すね。保護者の方の立場に立って書くとストレスになることはなるべく避けていく。で も、子どもの側からすると、とらえ方がまた変わってくるのではないかとも思うのです けれども、ですから、この母子健康手帳というのが、子どもの立場で書かれるべきもの なのか、親の立場で書かれるべきものなのか、すごい深い話になるかもわかりませんけ れども、そこで変わってくるのではないかと思います。 ○平山会長  ほかにご意見ございますかしら。発達のぐあいなどを改めてこの機会に親御さん、赤 ちゃんを見てあげてね、という発達項目のところは割合そういう目的ではすっきりする のですけれども、こういうしつけとか、生活リズムということについて、いわば話を聞 いたりしたときに、それを材料にして何か考えてあげましょうという立場だとまた少し 変わってまいりますよね。つまり情報を得る必要のある立場からいえば、こういう質問 は喜んでがあった方がわかりやすいということがあるし、お母さんが見たときにストレ スになるのも困るしというあたりが悩むところでございますが。 ○水野委員  「よく食べていますか」ということで、もし入れていただけるならありがたいと思い ます。 ○平山会長  折衷案で、「よく食べて」というぐらいの表現というお話でした。 ○渋谷委員  「よく食べて」か「喜んで」かということのもう一つ前に、多分1歳のときに、これ が入っていたもともとの理由といいますか、これは今回の改正のときの話でダブってい る話ではないものですから、以前からこういう表現をされているわけですよね。多分推 測するに、1歳の頃は離乳食からだんだん子どもの食事になってくるちょうど一番食事 の難しい時期だということがあると思うんです。そういう時期だからこそ、子どもには 楽しい食卓だとかそういうものを見てほしいという、恐らくそういう気持ちがあるので はないかと思うのですね。  ここで、もし「いいえ」というふうにお母さんがつけてきたら、どんな食事なの?と 聞いてあげられるきっかけもできるでしょうし、難しい時期だからこそ何か入れておく ということも考え方としてはあるのではないかと思いました。 ○平山会長  そうですね。10年前にこの項目をどうして入れたかはっきり覚えてないのですけれど も、1つ、その当時は離乳完了の目標が1歳という頃でしたから、そういう意味で「離 乳が終わりましたか」というのとほとんど同じ意味が1つと、もう一つ、今おっしゃっ た楽しい食事というのが10年前に既に問題になっていましたので、そういうニュアンス と両方混ぜてこの質問ができたのだと思いますけれども。 ○朝倉委員  子どもに関しては部外者かもしれませんが、「喜んで」という言葉は、私個人は残し ておいた方がいいと思います。それは赤ん坊がどういう状況を喜んでいるか、母親がど う感じるかという質問なので、先ほどからストレスになるという点で母親を傷つけない かということが問題になっていますが、それであれば、「喜んで」という意味を欄外に 、この前に書いてあるように、1行、2行つけ加えるような格好でよろしいのではない かというふうに感じます。以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。この点について何かほかに、長井委員。 ○長井委員  私の方も喜んででもよくでもどちらもいいなと思うのですね。喜んでということに今 とらわれていますけれども、母親にとったら、このほかの質問に関しても「いいえ」を マルつけるということは既にストレスなんですね。この時点でできてなければいけない のか、うちの子はできないということでは、ここでは既にいろんなことを聞かれている こと自体がある意味ではストレスだと思うので、喜んで食べているという、母親から見 た主観で、例えば遊び食いをしてても、母親のとらえ方でそれが喜んでとおおらかにと らえれれば「はい」と付けるでしょうし、それが本当はそんなこと気にしなくていいよ と思うのだけれども、お母さんの方で喜んで食べてないと思えば「いいえ」と付けてく るでしょうし、そういうところから話し合いを始められるという意味では、「喜んで」 とあえて入れてもいいのかと思います。  ただ、この表現がストレスというのだったら、「よく」ということでもいいのかなと 、両方思いますけれども。 ○平山会長  ありがとうございました。ほかにご意見ございましょうか。いろいろなご意見出まし たけれども、結局そう大きく違ったお考えの方はいらっしゃらないと思いますので、こ の辺、専門官もおられますので、相談しながら善処させていただきたいと思います。  それから、もう一つ伺いたかったのは、吉岡委員がおっしゃった指しゃぶりなんです けれども、3歳、これは新しく入ったのでしたね。これは歯科の方のお話で入ったので すか。 ○新井委員  3歳、4歳、5歳のところに、「指しゃぶりなどのくせはありますか」と新たに項を 起こさせていただいたのですが、以前は「悪習癖」というような文言があったのですが 、「悪習癖」という言葉は適切でないだろうということで外させていただきまして、指 しゃぶりのこの項を使わせていただきましたが、先ほどの委員のご意見のように、オー プンバイト、開咬、前歯が閉じないこととか、顎の発育等の問題がありますので、その 辺のことにつきましては、後段のしおりのところに説明書きを1〜2行で書き込む必要 があるのかなと、委員ご指摘のとおりだと思いますので、文言については整理をさせて いただきまして、後ほど事務方の方へ提示をさせていただきたいと思います。 ○平山会長  ありがとうございます。そうしていただくと助かります。大林委員、小児科の方では 指しゃぶりというのはどのくらい気にしていらっしゃいますか。 ○大林委員  不勉強で意識してなかったのですけれども、たこができるぐらいの、そういうのにな ったらちょっと気にはしますけれども、ちゅっちゅっと吸って、寝るときだけ指しゃぶ りしながら寝ますという程度は、大人になって指しゃぶりする人はいないから大丈夫で しょうというふうな説明で過ごしています。 ○平山会長  かなりの小児科医はそのくらいの意識で、指しゃぶりお母さんが気にしていても、何 しろ赤ちゃんは胎内にいるときから指しゃぶっているのだから、余り気にしなくてもい いでしょう。むだな抵抗はやめた方がいいでしょう、といった言い方をついしちゃうの ですが、歯科の方では歯並びのことでかなり気になさるのですね。  そういう意味だと、いわゆるおしゃぶり。外国人は積極的にしゃぶらせているのを見 かけますが、しゃぶるという点では、あれも同じだと思うので、指しゃぶりは何となく 汚いような気がするので、おしゃぶりを吸わせているという親も結構現実にはいるので すね。この辺、この機会に伺っては申し訳ないのですけれども、おしゃぶりについては どういう指導をしていらっしゃるのでしょうか。 ○新井委員  歯列その他から見ますと好ましいことではないのですが、子どもの欲求といいますか 、乳首にかわるものとして国産又、  外国産でもおしゃぶりがございますが、幼児期のおしゃぶりについては、子どもが反 抗といいますか、そういうところまでは考えておりませんが、長期間にわたって、特に 指しゃぶりについては、3歳、4歳、今お話がありましたように、親指にたこができる という状況になりますと、かなりの開咬が見られますし、度が超すと顎の発育、永久歯 の交換時期にかかってきますとやはり影響が出てくるということであります。  その辺のことも踏まえまして、後ろのしおりに書き込みをさせていただきたいと思い ます。 ○平山会長  ありがとうございました。後ろのしおりとの兼ね合いで歯科保健課とのご指示をよろ しくお願いをいたします。川井委員何か。 ○川井委員  歯科の先生からは歯列のことでお話が当然あるかと思いますし、指しゃぶりをしてい る子どもで、今歯科の先生から注意を受けた、あるいは指導を受けたというお母さんも おられます。指しゃぶりは心の方からすると、しゃぶることは不安だったりとか怖かっ たり、さまざまな不安制止機能といいましょうか、これは赤ちゃん時代からそうですけ れども、吸うことによって気持ちを随分落ちつかせたりとか、3歳以降、指しゃぶりを して表情も暗くてとなりますと、指しゃぶりをさせないということはあれなんだけれど も、そこに少しお母さんとの相談だとか、子どもを見るとか、子どもの情緒的なところ を加えて、歯科だけだと歯だけ、指しゃぶりはもうちょっと違う機能としてあるという ようなことももししおりに入れるとすれば、歯のことと心の方のことと合わせて入れた 方がよろしいかと思います。 ○平山会長  ありがとうございました。ただ、昔、盛んに言われたように、指しゃぶりは欲求不満 のあらわれだから、指しゃぶりをしている子の場合は親御さん気をつけなさいというこ とはこの頃余り言わないようになっていると思うのですが、それはそれでいいのですか 。 ○川井委員  そう思います。指しゃぶりで、自分だけで一生懸命頑張っている子どもたちも中には いるのですね。ですからそこは少しケアをしてあげなくちゃいけない。指しゃぶりはい けないというのではなくて、せざるを得ない状況にあるというか、そこで少し相談の手 がかりになろうかと思います。 ○平山会長  ありがとうございました。指しゃぶりで何かほかにご意見ございますか。 ○吉岡委員  今おっしゃられたように、指しゃぶりもいろいろ内容がさまざまといいますか、もう 減りつつあるのやら、乳瓶のときのくせだったりとかあるので、設問が大変難しいなと 思いましたので申し上げました。 ○平山会長  ありがとうございました。ほかにございますか、小林委員。 ○小林委員  指しゃぶりにつきましては、私も3歳ぐらいの子どもさんは寝る前とかかなりの率で あると思いますし、心を静めてというか、安らかになる方法でもあります。一方では、 指しゃぶりはいけないということをとっても思っておられるお母さんたちもおられまし て、厳しくやめさせようとされることも親子の葛藤になっていると思います。ここに入 れるとしますと、「くせ」という字をなくしていただいて、「指しゃぶりがありますか 」ぐらいの形にしていただけるといいかなという気がします。くせは悪いものだと思わ れてしまいますので。 ○平山会長  ありがとうございました。  あと伺いたいのは、「葉酸」の説明のところが詳し過ぎる。ほかのところに比べて、 確かに特に小さいな字で書いてある部分などは少し詳し過ぎてややこしいかなと。うっ かりすると逆に心配をさせちゃうかなというのは渋谷委員おっしゃったとおりだと思う のですが、この辺はどこまでで割り切るかなのですが、何かご意見ございましたらお願 いいたします。これは厚生省からそういう通知が出ているので無視するわけにいきませ んし、長井委員何かいいアイディアございませんか。生まれる前からの問題なものです から。 ○長井委員  ほかのバランスからというと、確かに小さい文字で書かれているというのはほかでも 余り見かけないことですし、私のさっき言った部分でも「※」で出てくるというのは非 常に特異的なことという形で、注意としてより逆にいうと注目される可能性があるので すね。ですから表現をもう少し簡単にして、ここの文章自体を長くするということにと どめておいていただける方が……妊娠前の状況というのは、このこともですけれども、 労働の関係でも雇用が拡大して、どんな作業についているか、化学物質にさらされると いう、いろんなことを含めまして本当は妊娠する以前に知っておいてほしい、妊娠前手 帳みたいなものがあった方がいいなというぐらいの思いですので、あえてここだけに絞 られると、余計不安をあおるというふうに感じます。 ○平山会長  かなり表現を思い切って省略してしまいたいという気がするのですけれども、それは まずいというご意見ございますか。 ○朝倉委員  かえってこちらからご質問なんですが、日本母性保護産婦人科医会の先天異常部会と いうので、文章をつくるときにも出ていらっしゃった住吉先生という方に、私は非常に かみ砕いた文章を出したのですが、これでどうだろうかと。細かいところ、特に2段目 、「※1」、これは書かなければいけないという社会的情勢がどうしてもあったという ことですので、かえって、ここの部分を切るということは、要するにこういう赤ちゃん を産んだお母さんを傷つけることになるのではないかということでどうしても外せない 部分だということをお伺いしました。  ですから母子手帳をつくるときに、そういう経緯から外れて切っちゃうということが どういうことになるか、ちょっと私よくわからないところがあります。 ○平山会長  葉酸の報告書が出たときは、こういう病気を持った赤ちゃんを産んだ方のことも考え て随分気を使った文章にしたのですけれど、たまたま私も関係しておりまして、女性の 栄養一般についていろいろ話をしてくださる機会のある栄養士の方々にも理解してもら えて、適切な指導が日頃からしてもらえるようにということで、しかも葉酸だけが原因 だと思われると、これも大変困りますので、その両方に気を使いながら文章つくったの で、もとの文章みたいな、わかりにくい文章になってしまったのですが、母子健康手帳 の場合に、前に一遍プロ用ですけれど、細かいものが出ているので、これを見て説明を していただく産婦人科のお医者さんなり助産婦さんなり、保健婦さんなり栄養士さんな りがわかっていてくれればいいというふうに割り切るか、それと今どきだから、情報を 虫眼鏡でなければ見えない字になっても入れておいた方がいいのか、この辺の判断なの ですけれども、何かご意見ございましょうか。  私も大変ここのところは困っております、いかがでしょうか。 ○雪下委員  私も出ておりましたので、一応ちょっと申し上げたいのですが、これは妊娠前のこと ですので、むしろ妊娠してからのお母さん方がこれを知った方がかえって不安になるの かなと思うのです。小さな字で書かれた部分はやめて、大きな字のところだけを参考の ために入れる程度かなと思います。 ○小林委員  私もここだけが全体の中でアンバランスな感じがいたしまして、何となく異次元の世 界が入っているような印象を受けます。そういう形で考えますと、それ以外の、例えば SIDSにしても、揺さぶられっ子症候群にしても、先天代謝異常とかにしましても、 この短い簡潔な文章の後ろに全部こういうことがあるわけですよね。それがほかのこと は書かずに、こういう端的な形でお母さんたちへの指針を書いているということからし ますと、どちらかというと、私は細かいことはなくてもいいのではないかという気がい たしますけれども。 ○平山会長  ありがとうございます。渋谷委員。 ○渋谷委員  この大きな字の表現はとてもよくわかります。もし「※」を付けるということですと 、神経管閉鎖障害というのはそもそも何かという言葉の説明くらいなのかなと。それは 葉酸だけでなくて、ここにもありますように、多くの要因が複合的に重なっておこりま すというくらいのところまでで、データというのは、98年から何年かたてば、また古く なってしまうわけですし、さっき雪下先生もおっしゃいましたけど、妊娠1か月以上前 からということだと、そのことをこの段階で入れておくのがどうかというのは疑問に感 じるので、なるべく細かい字は少ない方がいいと思いますので、もし細かい字で足すと いうことなら、神経管閉塞障害とはどういうものだということの簡単な説明くらいでい いのかなという気はします。 ○平山会長  ありがとうございました。大方の先生方のご意見が大体判断できたように思いますの で、この辺はお母さんに不安を与えないで、しかも何も書いておかないために、またク レームが来ることのないように少し文章を考えさせていただきますが、基本的には…… 。 ○朝倉委員  葉酸に関してもう一つ追加をさせていただきます。そういうことで細かい字が全部な くなるというような方向であれば問題ないと思うのですが、葉酸については、最近葉酸 を採ると双胎が増えるというデータが少しずつ世界的に出てきておりまして、今回文献 があれば持ってこようと思ったのですが、インターネットではまだ見つかりません。た だ、報告はあります。双胎が増えると早産児が増えて、低出生体重児が増えて非常に大 変なことになるというようなことを言っている文献もあるのですね。ですから、それに ひっかかるところが「0.4mg の葉酸摂取をすれば」というところがひっかかりますので 、かえって、現段階ではなければ問題がないような気がいたします。 ○平山会長 ありがとうございました。今のことも念頭に置きながら、私と事務局でもう一息詰め させていただきます。方向としては、この細かい字の部分は削る。大きい字のところも いろいろ心配を招かない程度に、殊に手遅れな部分はなくなるような文章にさせていた だきたいと思います。ありがとうございました。 まとめるに当たって、伺っておかないといけないと思った部分はそんなところで、あ と、それぞれのご意見、適当に入れながら修正をできそうだなというふうに伺っており ましたのですが、全部が全部入れ切れるかどうかわかりませんけれども、極力きょうご 発言いただいた分は盛り込むようにもうひと息努力をさせていただきたいと思いますが 、何か言い落としたこととか、改めて注文とかということがございましたら、少しお聞 かせください。 ○水野委員  細かいことで恐縮ですけれども、75ページのところに月齢のところに1歳6ケ月の「 ケ」と書いてございますが、保護者の記録の方は「か」になっておりますので、統一さ れた方がよろしいのではないでしょうか。 ○平山会長  「か」と「ケ」ですね。この辺は最終的に統一させていただきます。まだ、恐らく厚 生労働省の中で、また文章にうるさいお役目の方も含めていろいろ議論があって、多少 文言の変わるところが出てくるかもしれませんが、その辺はご勘弁をいただくことにい たしまして、ほかに何かこの際ということで、ございましょうか。 ○水野委員  もう一つよろしいでしょうか。 ○平山会長  どうぞ。 ○水野委員  きょう実は専門官ともお話させていただいていたんですけれども、71ページの「幼児 期の食生活」に「◎」がございます。その上から、5段目のところに、「この時期には 食事のむらがあるものです」という文章があります。 ○小林主査  配付資料1の別添改正案、71ページ。 ○水野委員  「幼児期の食生活」の上から5行目、よろしいでしょうか。 ○平山会長  はい。 ○水野委員  「この時期には食事のむらがあるものです」、この食事ですけれども、今まで気がつ かず申し訳ございませんが、食欲にむらがある、または食べ方にむらがあるに訂正を。 「食事」というと、内容が偏ったという気がいたしましたので、ご検討いただければと 思います。 ○平山会長  わかりました。これは「食べ方」でしょうね。ありがとうございます。  あと事務局の方から、この際、伺っておきたいというのがありましたらお願いします 。 ○谷口課長  2点ばかりご確認をさせていただきたい点ございます。1つは予防接種の関係で、雪 下先生からご指摘のあった1歳から2歳のところ辺をむしろ早めにという、1歳6か月 か、そういう前倒しにという話だったのですけれども、極めて行政的な状況が実はござ いまして、市町村によってはっきり言ってやっている時期がばらばらなところがあるの ですね。早めたい気持ちも我々としてもあるのですけれども、一律にそういうふうに書 いたときに、逆に市町村と、市町村は必ず医師会の方にご相談をされているはずなんで すけれども、その辺の関係がどうも私どもとしては心配なところもありまして、その辺 は大丈夫なのかというのが1点。  もう一つは、中毒センターのご指摘がございましたけれども、中毒センター、ここに ご指摘いただいているとおり、確かに有料なんですね。実は金がかかるのです。 ○雪下委員  有料ですか? ○谷口課長  有料なんです。有料の部分、無料だったら喜んで書くのですけれども、有料のところ を我々が書いていいのかなという若干のヘジテートがございまして、あえて原案には載 せなかったのですけれども、ダイヤルQ2で扱っているものですから、幾らか金取られ ちゃうのですね。こういうところに書くと奨励しているような感じがするものですから 、そこまで書いていいのかなという事務局のためらいがあって書かなかったのです。そ の辺はご判断をいただければと思うのですけれども。 ○平山会長  中毒の場合の電話相談ですか。 ○谷口課長  そうです。中毒の場合の電話相談。 ○平山会長  そうかもしれないですね。 ○雪下委員  よろしいですか。 ○平山会長  どうぞ。 ○雪下委員  各県でやっているのはほとんど無料でやっているんです。神奈川県でもやっています けれども、無料でやっているのです。 ○谷口課長  県ごとにいろいろ状況違いまして、確かにやっていらっしゃるところございます。無 料のところもあるという認識はいたしております。ですから、その辺は県ごとに任意記 載事項でお書きいただくのであれば、私も全然問題ないと思うのですけれども、国の様 式の中の任意記載事項の中に書いちゃうと、みんな横並びで書かれちゃうとつらいもの があるなという判断があったものですから。 ○小林主査  あともう一点、補足なのですけれども、今の様式の中でも、中毒センターの電話番号 というのは入ってないのですが、割合業者さんとか実際に母子健康手帳を何種類かつく っているのですが、ご指摘いただいたように電話番号を入れているバージョンが結構多 くて、あえて、我々がそれを入れなくても、従前どおり入れてくれるのなと。ただ、行 政的には有料ということでなかなか難しいのかなという判断があったということです。 ○雪下委員  それでは、各県で恐らく無料でやっているものがかなりあると思いますので、各県で つくるときに入れてもらうというような、何かそういう指示みたいなものを出していた だければいいのではないですか。  それで、予防接種につきましては、これは平山会長の方から話してもらった方がいい かもしれませんが、麻しんの場合に、これはどうしても1歳になったらなるべく早く、 今のワクチンを使っている限りではやってほしいということがあるのです。今度日本医 師会でもポスターをつくって、全医療機関にそれを徹底しようと思っているわけで。 ○平山会長  私も、特に麻しんはかなり流行が起こって被害が大きかったものですから、1歳にな ったら早速にやってほしいというのは全くそのとおりに思っておりますし、小児科関係 の3つの団体からもその旨、厚生労働省に申入れをされて、ブロック別に厚生労働省が 行っておられる予防接種の研修会、これは市町村の担当者対象ですが、その席でも申入 れがあったことのご紹介があったくらいです。  ただ、例えば77ページにある表では、望ましい時期1歳ないし2歳というのは、これ は予防接種法の中で一応決められているのですね。ですからこの欄に1歳ないし2歳と いうのは、これはこのままにしておいて、例えばその下に括弧して「1歳になったら、 なるべく早く」というような文言を括弧付で入れればいいのかなと思いますが、これは 担当課の方と一遍話をしていただいてと思いますが、それでよろしゅうございましょう か。 ○雪下委員  結構です。 ○平山会長  ありがとうございます。課長、何かほかにございましょうか。 ○谷口課長  特にございません。 ○平山会長  あと、きょうお休みの日暮委員からいただいているので、新生児の聴覚スクリーニン グのことに触れたらどうか。ただ、時期尚早というならこだわりません、という手紙を いただいております。これは厚生労働省が研究としてお進めになって、その上でモデル 事業で何か所かで始めたられたところですけれども、ついこの間の日本小児保健学会の 席上でもこの問題が議論されていたのですけれど、大変有効だというお話は伺ったので すが、耳鼻科の専門家の中にはいろんな意味で、いきなりやるのはまだ時期尚早という ご意見、ことにフォローをしていく上で新生児期に調べたデータが必ずしもそのまま本 当の難聴につながるとも限らないという趣旨のお話もありましたので、時期尚早という 方をとらせていただいて、案の中に入れてございませんが、これはよろしゅうございま すか。やるとすれば、産婦人科にお願いする話になるようですけれども。 ○朝倉委員  産婦人科の方でも、今このシステムを何とかモデル事業としてやっているところを見 習って全国展開をしようというところで、まだ今すぐというわけではありませんので、 また、システムがないところでやってしまいますと、結構変な話ですが、患者さんのク レームだとか苦悩だとか、かえってマイナスの面がありますので、まだことしは無理だ と思います。 ○平山会長  ありがとうございました。では、そのようにさせていただきます。いただいた時間、 まだ多少ございますけど、この際、ぜひという、あるいは思いついた、言い忘れたとい うことございましたらお願いしたいと思います。もしよろしければ、ほぼご議論も尽き たように思いますし、特にきょう最終版ではありませんが、一番新しいバージョンの改 正案については、きょうそれぞれのお立場から大変貴重なご意見をちょうだいしました 。全体として割合合格点がいただけたようでございますので、あと、きょうご発言にな った細かい点については、大変恐縮ですけれども、私にお任せをいただくという形で、 事務局と最終的な詰めをさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございま しょうか。  何分にも来年4月から現物を出回らせていただくためには、省令改正等の手続を年内 にも始めないと間に合わないというふうに伺っておりますので、大変作業を急いでしま って申し訳ございませんでしたけれども、全体の会議としてはきょうで終わらせていた だいて、あと今申し上げたように、お任せいただいた上で最大の善処をさせていただく ということでお許しがいただければ大変ありがたいと思います。よろしゅうございまし ょうか。                (「はい」と声あり) ○平山会長  ありがとうございました。それではそのようにさせていただくことにして、あと事務 局から何か今後のことについてございましたらお話をお願いします。 ○桑島課長補佐  今、先生におまとめいただきましたとおりでございますけれども、もう一度確認をさ せていただきます。本日の議論を踏まえまして、今後会長とご相談の上で改正案の最終 的な修正を行って、それをもって本検討会の報告として公表させていただくという手続 をとらせていただきたいと存じます。  また、本検討会の報告につきましては、本年度中に各自治体に通知をする形で、その 内容を周知して、平成14年4月から配布する母子健康手帳の作成の際に参考にしていた だくというふうに考えてございます。  なお、省令様式の部分につきましては、今後部内の法令審査があるわけでございます けれども、本年中を目途に官報に公布をいたしまして、来年の4月1日に施行できるよ うに対応してまいりたいと考えてございます。  今後の予定につきましては以上でございまして、3か月計3回の大変タイトなスケジ ュールで先生方にご議論いただいたわけでございますけれども、先生方の本当にご努力 に対しまして、事務局から御礼を申し上げる次第でございます。  事務局からは以上でございます。 ○平山会長  ありがとうございました。それでは委員の先生方、本当にお忙しい中を3回にわたっ てご出席をいただき、何人かの先生は遠方からご参加をいただきまして本当にありがと うございました。10年に一遍という機会の手帳の改正、これで何とかまとめることがで きそうでございます。次回の開催のときは、私世の中にいるかどうかわかりませんが、 今回は本当におかげさまでいい改正案をまとめることができたということで厚くお礼を 申し上げます。  最後に課長からもお礼を言っていただいて、終わらせていただきます。 ○谷口課長  どうも先生方、本当にタイトなスケジュールの中、事務局の方からも無理申し上げま してFAXなどでご意見いただいたり、大変失礼なこともあったかと存じますけれども 、局長が先ほどご挨拶の中で申しましたように、局長自身の思い入れも実はあったので すけれども、大分新規事項を盛り込んだ手帳の改正にさせていただいたというふうに、 大変私どもとしてもありがたいと考えております。  今後、少子化の中でこういった手帳が地域におきまして、お母さんはもちろんでござ いますけれども、お父さんということも踏まえまして、皆さんに有効に利用していただ くことを願いまして、本当に先生方に感謝を申し上げながら、ご挨拶にさせていただき ます。ありがとうございました。今後ともよろしくどうぞお願いいたします。 ○平山会長  本当にどうもありがとうございました。事務局も格段に頑張っていただいて、大変ま とめるのに苦労していただきましたが、3か月の間にこれだけのものをまとめることが できました。本当にありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。                                      以上                    照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課                        03−5253−1111(代)                            桑島(内線:7933)                            小林(内線:7939)